JP4720490B2 - ディザマトリックスの生成 - Google Patents

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Description

この発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関する。
コンピュータで作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像などの出力装置として、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置が広く使用されている。かかる印刷装置は、入力階調値に対して形成可能なドットの階調値が少ないためハーフトーン処理によって階調表現が行われる。ハーフトーン処理の1つとして、ディザマトリックスを用いた組織的ディザ法が広く用いられている。組織的ディザ法は、ディザマトリックスの内容如何で画質に大きな影響を与えるため、たとえば特許文献1に開示されるように人間の視覚を考慮した評価関数を用いてシミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズムといった解析手法によってディザマトリックスの最適化が図られてきた。
特開平7−177351号公報 特開平7−81190号公報 特開平10−329381号公報
しかし、こうした最適化処理には、複雑な計算アルゴリズムや膨大な計算処理が要請されるため、特に複雑な最適化問題に対しては実現性に大きな問題を残していた。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、ディザマトリックスの生成において、効率の高い計算処理技術を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、入力画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値を各要素に格納するディザマトリックスを生成する方法であって、
前記複数の閾値のうちの着目閾値の格納要素の決定前に想定される第1のドット形成状態についての第1の評価値と、前記第1のドット形成状態から、前記着目閾値の格納要素を決定したと仮定したときに想定される第2のドット形成状態への変化に伴う前記評価値の変化量である評価値変動量とに応じて、前記第2のドット形成状態についての第2の評価値を、前記着目閾値を格納可能な格納要素毎に決定する評価値決定工程と、
前記決定された各格納要素毎の前記第2の評価値を比較することにより、前記着目閾値を格納する要素を決定する格納要素決定工程と、
前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す繰り返し工程と、
を備え、
前記評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であり、
該RMS粒状性度は、
Figure 0004720490
として求められ、
前記評価値変動量は、前記ローパスフィルタ処理によって、前記第1のドット形成状態から前記第2のドット形成状態へのドットの形成状態の変化が影響を与える範囲に属する複数の要素について計算を行うことによって算出されることを特徴とする。
本発明のディザマトリックスの生成方法では、着目閾値の格納要素の決定前のドット形成状態についての評価値と、このドット形成状態から決定したときに想定されるドット形成状態への変化に伴う評価値の変化量である評価値変動量とに応じて決定された評価値に基づいて、着目閾値を格納する要素が決定されるので、格納要素が決定前の評価値を有効利用して効率の高い計算処理を実現することができる。
なお、本発明のディザマトリックスは、たとえば特開2005−236768号公報や特開2005−269527号公報に開示されているようなドットの形成状態を特定するための中間データ(個数データ)を使用するような技術においては、ディザマトリックスを用いて生成された変換テーブル(あるいは対応関係テーブル)をも含む広い概念を有する。このような変換テーブルは、本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスから直接生成されるだけでなく、調整や改良が行われる場合もあるが、このような場合も本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスの使用に該当する。
また、本発明の高速計算処理方法は、後述するように数桁のオーダーで処理効率を向上させることができるので、当業者は、ハーフトーン処理技術のために大規模なコンピュータ投資を行うことなく、本発明の実施例に開示されたような多様で複雑な最適化処理を実現することができる。換言すれば、ハーフトーン処理技術のためのコンピュータ設備の簡単な調査によって、本発明の適用がディザマトリックスの新規開発に必須かどうかを簡単に判定することができる。
さらに、第1のドット形成状態と第2のドット形成状態とで変化するドットの位置や数は必ずしも単数である必要はなく、複数のドットが追加形成あるいは移動することを想定して格納要素を決定するようにしても良い。具体的には、たとえば順番に閾値の格納要素が決定される場合には、たとえば6番目までの閾値の格納要素が決定されていて、7番目と8番目の閾値の格納要素を決定するような場合にも7番目の閾値の格納要素にドットが追加された場合のドット形成状態と、7番目と8番目の閾値の格納要素にそれぞれドットが追加された場合のドット形成状態とに基づいて評価値を算出し、これにより7番目の格納要素を決定するようにしても良いし、あるいは7番目と8番目の閾値の格納要素を同時に決定するようにしても良い。
上記ディザマトリックス生成方法において、さらに、
前記ディザマトリックスの各要素に格納されるべき複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定工程を備え、
前記繰り返し工程は、前記複数の閾値の全てについて、前記着目閾値決定工程と前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す工程を含むようにしても良い。
こうすれば、ドットの粒状性が目立つハイライト領域におけるドット配置をコントロールする閾値から順に格納される要素を固定していくことによってディザマトリックスの最適化が図られているので、ドットの粒状性が目立つハイライト領域に対して大きな設計自由度を与えることができるとともに、各入力階調毎に同一の手順で評価値を計算すれば良いため極めて高い処理効率で最適化を実現することができる。
上記ディザマトリックス生成方法において、さらに、
入力諧調値に応じて画素毎のドットの形成の有無を決定するための複数の閾値を各要素に格納する初期状態としてのディザマトリックスを準備する準備工程と、
前記要素に格納された複数の閾値の一部を、他の要素に格納された閾値と入れ替える格納要素入替工程と、
を備え、
前記格納要素決定工程は、前記第1の評価値と前記第2の評価値とに基づいて前記着目閾値を格納する要素を決定し、
前記第1のドット形成状態は、前記入れ替え前に想定されるドット形成状態であり、
前記第2のドット形成状態は、前記入れ替えたと仮定したときに想定されるドット形成状態であり、
前記繰り返し工程は、前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記格納要素入替工程と前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す工程を含むようにしても良い。
このように、本発明は、たとえば予め準備された初期状態としてのディザマトリックスを調整することによってディザマトリックスを生成するような構成にも適用することができる。なお、「第1の評価値と第2の評価値とに基づいて」は、「評価値変動量に基づいて」を含む広い意味を有する。第2の評価値は、第1の評価値と評価値変動量とに基づいて決定されるので、両者は数学的に等価だからである。
上記ディザマトリックス生成方法において、
前記評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であり、
前記評価値変動量は、前記ローパスフィルタ処理によって、前記第1のドット形成状態から前記第2のドット形成状態へのドットの形成状態の変化が影響を与える範囲に属する複数の要素について計算を行うことによって算出されるようにしても良い。
こうすれば、一般的なディザマトリックスの要素数である8192個(128要素×64要素)に対して、一般的なローパスフィルタの要素数である9個〜25個について計算するだけで評価値変動量を算出することができるので計算量を顕著に削減することができる。
上記ディザマトリックス生成方法において、
前記ローパスフィルタ処理は、2次元周波数空間において定義された所定の特性を逆フーリエ変換することによって構成されたローパスフィルタを用いて行われるようにしても良い。
こうすれば、人間の視覚特性に直結した2次元周波数空間における特性に基づいて極めて見通しの良い最適化が可能となる。
上記ディザマトリックス生成方法において、
前記評価値は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性評価値であり、
前記評価値変動量は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積によって算出されるようにしても良い。
こうすれば、フーリエ変換処理によって予め所定の定数を算出しておいてテーブルを作成し、VTF関数に乗ずるだけで評価値変動量を算出することができるので計算量を顕著に削減することができる。
なお、本発明は、ディザマトリックス、ディザマトリックス生成装置、ディザマトリックスを用いた印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法といった種々の形態、あるいは、これらの方法または装置の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の形態で実現することができる。
また印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法におけるディザマトリックスの使用は、ディザマトリックスに設定されている閾値と画像データの階調値とを画素毎に比較することによって、画素毎にドット形成の有無を判断しているが、たとえば閾値と階調値の和を固定値と比較してドット形成の有無を判断するようにしても良い。さらに、閾値を直接使用することなく閾値に基づいて予め生成されたデータと、階調値とに応じてドット形成の有無を判断するようにしても良い。本発明のディザ法は、一般に、各画素の階調値と、ディザマトリックスの対応する画素位置に設定された閾値とに応じてドットの形成の有無を判断するものであれば良い。
以下では、本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.本発明の実施例におけるディザマトリックスの最適化:
A−1.画像観測系(視覚系)に対する最適化:
A−2.画像出力系(印刷方法)に対する最適化:
B.本発明の実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
B−1.画像観測系に対する最適化:
B−2.画像出力系に対する最適化:
C.変形例:
A.本発明の実施例におけるディザマトリックスの最適化:
図1は、ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図である。図示したマトリックスには、横方向(主走査方向)に128要素、縦方向(副走査方向)に64要素、合計8192個の要素に、階調値1〜255の範囲から万遍なく選択された閾値が格納されている。なお、ディザマトリックスの大きさは、図1に例示したような大きさに限られるものではなく、縦と横の要素数が同じマトリックスも含めて種々の大きさとすることができる。
図2は、ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図である。図示の都合上、一部の要素についてのみ示されている。ドット形成の有無の決定では、図2に示す通り、画像データの階調値と、ディザマトリックス中で対応する位置に記憶されている閾値とが比較される。画像データの階調値の方がディザテーブルに格納された閾値よりも大きい場合にはドットが形成され、画像データの階調値の方が小さい場合にはドットが形成されない。図2中でハッチングを付した画素がドットが形成される画素を意味している。このように、ディザマトリックスを用いれば、画像データの階調値とディザマトリックスに設定されている閾値とを比較するという単純な処理で、画素毎のドットの形成有無を判断することができるので、階調数変換処理を迅速に実施することが可能となる。さらに、画像データの階調値が決まると、各画素にドットが形成されるか否かは、もっぱらディザマトリックスに設定される閾値によって決まることからも明らかなように、組織的ディザ法では、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能である。
このように、組織的ディザ法は、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能なので、閾値の格納位置の設定を調整することによってドットの分散性その他の画質を制御することができるという特徴を有している。このことは、ディザマトリクスの最適化処理によってハーフトーン処理を多様な目標状態に対して最適化することが可能であることを意味している。
A−1.画像観測系(視覚系)に対する最適化:
図3は、ディザマトリクスの調整の簡単な例として、ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図である。ブルーノイズマトリックスの空間周波数特性は、1周期の長さが2画素以下の高い周波数領域に最も大きな周波数成分を有する特性となっている。このような空間周波数特性は、人間の視覚特性を考慮して設定されたものである。すなわち、ブルーノイズディザマトリクスは、高周波領域において感度が低いという人間の視覚特性を考慮して、高周波領域に最も大きな周波数成分が発生するように閾値の格納位置が調整されたディザマトリックスである。
図4(a)は、人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図である。視覚の空間周波数特性VTFを利用すれば、人間の視覚感度を視覚の空間周波数特性VTFという伝達関数としてモデル化することによって、ハーフトーン処理後のドットの人間の視覚に訴える粒状感を定量化することが可能となる。このようにして定量化された値は、粒状性指数と呼ばれる。図4(b)は、視覚の空間周波数特性VTFを表す代表的な実験式を示している。図4(b)中の変数Lは観察距離を表しており、変数uは空間周波数を表している。図4(c)は、粒状性指数を定義する式である。図4(c)中の係数Kは、得られた値を人間の感覚と合わせるための係数である。
このような人間の視覚に訴える粒状感の定量化は、人間の視覚系に対するディザマトリクスのきめ細かな最適化を可能とするものである。具体的には、ディザマトリックスに各入力階調値を入力した際に想定されるドットパターンに対してフーリエ変換を行ってパワースペクトルFSを求めるとともに、視覚の空間周波数特性VTFを乗じるフィルタ処理を行った後に全入力階調値で積分(図4(c))することによって得ることができる粒状性評価値をディザマトリクスの評価関数として利用することができる。この例では、ディザマトリクスの評価関数が小さくなるように閾値の格納位置を調整すれば最適化が図れることになる。
このようなタイプの評価値の例として、GS値(Grainess scale)という評価値も提案されている。(参考文献:ファインイメージングとハードコピー、コロナ社、日本写真学会、日本画像学会 合同出版委員会編 P534)。ただし、このような人間の視覚系のモデルは、完全なものではなく特許文献1(特開平7−177351号公報)でも指摘されているように、視距離その他の視界条件によって変動し得るものである。さらに、RMS粒状度といった評価尺度も存在する。なお、RMS粒状度については、後に詳しく説明する。このように、視覚系に対する最適化は、未だ開発余地を残すものである。
しかしながら、このような非線形最適化問題では、最適化過程における試行錯誤の繰り返し計算は避けられず、たとえば合計8192個の要素に階調値1〜255の範囲の閾値を格納するディザマトリックスにおける閾値の格納位置の設定自由度を考慮すれば、膨大な数の繰り返し計算が要求されることが分かる。
このように、ディザマトリックス最適化は、設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能であるという特徴を有するが最適化計算の処理量が膨大であるが故に実現化は極めて困難であった。
A−2.画像出力系(印刷方法)に対する最適化:
図5は、本発明の実施例においてディザマトリックス最適化の対象となる印刷画像の生成方法の一例を示す説明図である。ディザマトリックスの最適化問題は、人間の視覚系に対する最適化のみならず、画像形成方法に対する最適化も有効であることが発明者によって新たに見いだされた。
この画像形成方法の例では、主走査と副走査を行いつつインクドットを印刷媒体上に形成することによって印刷画像が生成される。主走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド10を主走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。副走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド10を副走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。印刷ヘッド10は、印刷媒体上にインク滴を吐出してインクドットを形成するように構成されている。印刷ヘッド10は、画素ピッチkの2倍の間隔で図示しない10個のノズルを装備している。
印刷画像の生成は、主走査と副走査を行いつつ以下のように行われる。パス1の主走査では、ラスタ番号が1、3、5、7、9、11、13、15、17、19の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。主走査ラインとは、主走査方向に連続する画素によって形成される線を意味する。各丸は、ドットの形成位置を示している。各丸の中の数字は、同時にインクドットが形成される複数の画素から構成される画素グループを示している。パス1では、第1の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
パス1の主走査が完了すると、副走査方向に画素ピッチの3倍の移動量Lで副走査送りが行われる。一般には、印刷媒体を移動させることによって副走査送りは行われるが、本実施例では、説明を分かりやすくするために印刷ヘッド10が副走査方向に移動するものとしている。副走査送りが完了すると、パス2の主走査が行われる。
パス2の主走査では、ラスタ番号が6、8、10、12、14、16、18、20、22、24の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。このようにして、パス2では、第2の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。なお、ラスタ番号が22、24の2本の主走査ラインは、図示が省略されている。パス2の主走査が完了すると、前述と同様の副走査送りが行われた後に、パス3の主走査が行われる。
パス3の主走査では、ラスタ番号が11、13、15、17、19の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。パス4の主走査では、ラスタ番号が16、18、20の3本の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。このようにして、ラスタ番号が15以降の副走査位置に隙間なくインクドットが形成可能であることが分かる。パス3とパス4では、それぞれ第3と第4の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
このような印刷画像の生成を一定の領域に着目して観察すると、以下のように行われていることが分かる。たとえばラスタ番号が15〜19で画素位置番号が1〜8の領域を着目領域とすると、着目領域では以下のように印刷画像が形成されていることが分かる。
パス1では、着目領域において、ラスタ番号が1〜5で画素位置番号が1〜8の画素位置に形成されたインクドットと同一のドットパターンが形成されていることが分かる。このドットパターンは、第1の画素グループに属する画素に形成されるドットで形成されている。すなわち、パス1では、着目領域において、第1の画素グループに属する画素にドットが形成される。
パス2では、着目領域において、第2の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス3では、着目領域において、第3の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス4では、着目領域において、第4の画素グループに属する画素にドットが形成される。
このように、本実施例では、第1〜第4の複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成されることが分かる。
図6は、本発明の実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図である。図2の例では、印刷画像は、所定の中間階調(単色)の印刷画像である。ドットパターンDP1、DP1aは、第1の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP2、DP2aは、第1と第3の画素グループとに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP3、DP3aは、第1〜第3の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP4、DP4aは、全画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。
ドットパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、従来技術のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。ドットパターンDP1a、DP2a、DP3a、DP4aは、本願発明のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。図6から分かるように、本願発明のディザマトリックスを使用した場合には、特にドットパターンの重畳が少ないドットパターンDP1a、DP2aにおいて、従来技術のディザマトリックスを使用した場合よりもドットの分散性が均一である。
従来技術のディザマトリックスには、画素グループという概念が無いため最終的に形成される印刷画像(図6の例ではドットパターンDP4)におけるドットの分散性にのみ着目して最適化が行われている。換言すれば、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性は考慮されていないため、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性は良くなくドット密度の疎密が生じている。
本願発明のディザマトリックスは、印刷画像におけるドットの分散性に加えて、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性までも考慮されているため、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性と印刷画像におけるドットの分散性の双方の分散性が良くなっている。
本願発明のディザマトリックスは、最終的に形成されるドットパターンだけでなく、ドットの形成過程におけるドットパターンにも着目して最適化が図られたものである。このような着眼点は従来には存在しなかったものである。従来は、ドットの形成過程におけるドットパターンの分散が悪くても、最終的に形成されるドットパターンの分散性が良ければ画質が良いというのが技術常識だったからである。
しかし、本願発明者は、敢えてドットの形成過程におけるドットパターンに着目して印刷画像の画質の解析を行った。この解析の結果、ドットの形成過程におけるドットパターンの疎密に起因して、画像のむらが発生することが分かったのである。この画像のむらは、インク凝集むらや光沢むら、ブロンズ現象といったインクの物理現象によって人間の目に顕著に知覚されることも本願発明者によって突き止められた。ブロンズ現象とは、インク滴の染料の凝集等によって、見る角度によって印刷表面がブロンズ色に呈色するなど、印刷用紙表面で反射される光の状態が変化する現象である。
たとえばインクの凝集やブロンズ現象は、1回のパスで印刷画像を形成する場合においても発生し得る。しかし、インクの凝集等が印刷画像の全面で均一に発生しても人間の目には近くされにくい。均一に発生している故に、低周波成分を含む不均一な「むら」としてはインクの凝集等が発生しないからである。
しかしながら、同一の主走査でほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにおいて、インクの凝集等で人間の目に認識されやすい低周波領域でむらが発生すると、顕著な画質劣化として顕在化することになる。このように、インクドットの形成によって印刷画像を形成する場合には、ほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにも着目してディザマトリックスを最適化することが高画質化につながることを発明者によって初めて見いだされたのである。
加えて、従来技術のディザマトリックスでは、各画素グループの相互の位置関係が予め想定されたとおりになっていることを前提として最適化が図られているので、相互の位置関係がズレた場合には最適性が保証されず、顕著に画質が劣化する原因となっていた。しかし、本願発明のディザマトリックスによれば、各画素グループのドットパターンにおいてもドットの分散性が確保されているので、相互の位置関係のズレに対する高いロバスト性も確保できることが本願発明の発明者の実験によって初めて確認された。
さらに、本願発明の技術的思想は、印刷速度の高速化に伴って重要性が増していることも発明者によって突き止められた。印刷速度の高速化は、インクの吸収のための時間が十分に取られないうちに、次の画素グループのドットが形成されることにつながるからである。
このように、発明者は、ドットの形成過程や印刷装置の構成といった印刷過程に点に着目したディザマトリックスの最適化方法を新規に創作した。しかしながら、このような最適化問題は、ディザマトリックスの評価計算の高速化や計算処理負担の飛躍的な軽減の必要性を生じさせた。ドットの形成過程や印刷装置の構成といった印刷過程は、多くのパラメータやバリエーションを有するため、最適化に要する計算量が膨大となるからである。本願発明は、以下に説明するように、このような膨大な計算量を顕著に軽減させることを可能とする。
B.本発明の実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
本発明の実施例では、画像観測系に対する最適ディザマトリックスと画像形成装置に対する最適ディザマトリックスの生成方法が実現されている。ただし、双方を組み合わせることも可能であるとともに、さらに後述の変形例に示されるようにディザマトリックスの閾値の格納位置の入替によるディザマトリックスの調整としての最適化も可能である。ディザマトリックス最適化は、一部の入力階調値に対する最適化(たとえばドット密度の小さい領域のみ)や一部の要素領域(たとえばディザマトリックスの中央部のみあるいは周辺部のみ)といった一部に対しても行うことができる。
B−1.画像観測系に対する最適化:
図7は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、この例では、説明を分かりやすくするために8行8列の小さなディザマトリックスを生成するものとしている。また、本願発明者によって新たに見いだされたRMS粒状度に基づいて最適化を行うものとしている。
ステップS200では、着目閾値決定処理が行われる。着目閾値決定処理とは、格納要素の決定対象となる閾値を決定する処理である。本実施例では、比較的に小さな値の閾値、すなわちドットの形成されやすい値の閾値から順に選択することによって閾値が決定される。このように、ドットが形成されやすい閾値から順に選択すれば、ドットの粒状性が目立つハイライト領域におけるドット配置をコントロールする閾値から順に格納される要素を固定していくことになるので、ドットの粒状性が目立つハイライト領域に対して大きな設計自由度を与えることができるからである。
ステップS300では、ディザマトリックス評価処理が行われる。ディザマトリックス評価処理とは、予め設定された評価関数に基づいてディザマトリックスの最適性を数値化する処理である。本実施例では、前述のように評価関数はRMS粒状度としている。すなわち、視覚感度の比較的に高い低周波領域におけるドットの分散性を表す評価値がディザマトリックスの評価の基準となっている。
図8は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。本実施例におけるディザマトリックスの生成方法では、先ず、格納される閾値が決定済みの要素である決定済み要素に対応する画素にドットが形成されたとみなすとともに、格納される閾値が未決定の要素である空白要素のいずれかにドットが形成されたと仮定して各空白要素毎に評価値としてRMS粒状度を算出する。次に、算出されたRMS粒状度に基づいて格納要素が決定される。具体的には、以下の処理が行われる。
ステップS320では、決定済み閾値の対応ドットをオンとする。決定済み閾値とは、格納要素が決定された閾値を意味する。本実施例では、前述のようにドットの形成されやすい値の閾値から順に選択されるので、着目閾値にドットが形成される際には、決定済み閾値が格納された要素に対応する画素には必ずドットが形成されることになる。逆に、着目閾値にドットが形成される最も小さな入力階調値においては、決定済み閾値が格納された要素以外の要素に対応する画素にはドットは形成されないことになる。
図9は、ディザマトリックスMにおいて、1〜8番目にドットが形成されやすい閾値が格納された要素に対応する8個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図である。このドットパターンは、9番目のドットをどの画素に形成すべきかを決定するために使用される。すなわち、9番目にドットが形成されやすい着目閾値の格納要素の決定に使用される。格納要素の決定は、本実施例では、ドットが形成されたと仮定したときに想定されるドットの形成状態についてのRMS粒状度が最も小さくなる画素に対応する要素に着目閾値が格納されるように格納要素を決定する。マトリックスの各要素に対応する画素に形成されるドットの形成状態が、視覚感度の比較的に高い低周波領域においてドットの分散性が小さいか否かが評価の基準となっているからである。
図10は、図9において8個の画素の各々にドットが形成された状態を数値化したマトリックス、すなわちドット密度を定量的に表したドット密度マトリックスを示す説明図である。数字0は、ドットが形成されていないことを意味し、数字1は、ドットが形成されていることを意味する。
ステップS340では、RMS粒状度算出処理が行われる。RMS粒状度算出処理とは、ドット密度マトリックスをローパスフィルタ処理した後、標準偏差を算出する処理である。標準偏差の算出は、後述する計算式を用いて行うことができる。このような処理は、全ての着目画素の各々についてドットをオンしたと仮定して(ステップS330)行われる(ステップS350)。
ローパスフィルタ処理は、前述のドット密度マトリックスにおいて低周波成分を抽出する処理である。RMS粒状度の算出において、低周波成分が抽出されるのは、低周波領域で比較的に感度が高い人間の視覚感度特性を考慮してディザマトリックスを最適化するためである。
ローパスフィルタは、たとえば一定面積のアパーチャーを通すことによって実現される光学的なローパスフィルタ処理をデジタル処理に単純に置き換えたものを適用することができる。このローパスフィルタは、重み係数が一定値(たとえば1)の簡単なフィルタとして構成可能である。このような光学的なローパスフィルタ処理は、従来からRMS粒状度が一般的な評価尺度として用いられてきた写真フィルムの分野において行われてきたものである。なお、本実施例では、さらなる改善が加えられた以下のフィルタが用いられている。
図11は、本発明の実施例におけるローパスフィルタを示す説明図である。本実施例では、フィルタ処理された結果がドット密度の大小比較にのみ使用されるので、ローパスフィルタの正規化は行われていない。フィルタ処理においては、図12に示されるように、同一のドット密度マトリックスを周囲に配置してドット密度マトリックスの周辺部の計算に使用している。
ローパスフィルタは、VTF特性その他の所望の周波数特性を反映したローパスフィルタとして自由に構成可能である。ローパスフィルタの構成は、たとえば2次元周波数空間において適当なフィルター特性を定義するとともに、その逆フーリエ変換結果に準拠して行うことができる。このようにして構成されたローパスフィルタの周波数特性は、簡易的にはフーリエ変換することで確認することができる。このように、本実施例では、人間の視覚特性に直結した2次元周波数空間における特性に基づいて極めて見通しの良い最適化が可能である。
図13は、ドット密度マトリックスをローパスフィルタ処理した結果を示す説明図である。各要素内の数字は、密度値を表している。密度値とは、8個の閾値の格納要素が決定されたディザマトリックスMにおいて、決定された8個の閾値が格納された要素に対応する画素にドットが形成されたと仮定したときの各要素に対応する画素のドットの密度値を意味する。大きな数字は、ドットの密度が高く、小さな数字はドットの密度が低い、すなわちドットが疎であることを意味している。このようにして算出された密度値は、RMS粒状度の算出に使用される。
図14は、本実施例で使用されるRMS粒状度を定義する式を表す説明図である。RMS粒状度は、上述の方法で算出された密度値の標準偏差として定義される。密度値の標準偏差は密度値のバラツキを表す客観的な統計量なので、RMS粒状度は、前述のようにドットが均一に分散しているか否か、すなわちドット密度の分散性を客観的に表すことができる評価値であることがわかる。
図15は、本実施例で使用されるRMS粒状度の高速計算に使用される式を表す説明図である。この式は、図14を変形することによって得られる数学的に等価な式である。ただし、図15の式は、「密度値の平均値による減算処理」が削除されることによって、後述の高速計算処理を可能としている。
図16〜図19は、本実施例におけるRMS粒状度の2つの計算例を示す説明図である。図16および図17は、5行5列の着目格納要素Fp1に対応する画素に新規ドットが形成される前後の密度値を表す2個のマトリックスと、この新規ドットが形成される前後のRMS粒状度とを示している。図18および図19は、1行1列の着目格納要素Fp2に対応する画素に新規ドットが形成される前後の密度値を表す2個のマトリックスと、この新規ドットが形成される前後のRMS粒状度とを示している。
図16の例、すなわち、新規ドットが形成される前のRMS粒状度の算出は、定義式(図14)を用いると、以下のようにして行われる。
(1)各画素の密度の総和を、画素数64で除することによって密度値の平均値が算出される。
(2)各画素の密度値と密度値の平均値の差の2乗を全画素について算出して、全画素の算出値の総和Σを得る。
(3)全画素の算出値の総和Σを画素数64で除して平方根を得る。
このようにして、この例では、1.54のRMS粒状度を算出することができる。
図17の例、すなわち、新規ドットが形成された後のRMS粒状度の算出は、図14の定義式を用いると、新規ドットの形成に起因するドット密度値の加算を行った後に上記と同一の方法で行われる。ドット密度値の加算は、着目格納要素Fp1を中心としてローパスフィルタ(図11)の各要素値を加算することによって行うことができる。要素範囲Fr1は、ドット密度値が加算された範囲を示している。このようにして算出された密度値に基づいて上述の方法で計算すると、1.55のRMS粒状度が算出される。
一方、高速計算式(図15)を用いて図17の例について算出する場合には、新規ドットが形成される前(図16)のRMS粒状度を利用して計算を簡略化することができる。定義式(図14)と数学的に等価である高速計算式(図15)は、平方根中の第1項(密度値の2乗の総和/画素数)と第2項(密度値の総和の2乗/画素数)とから構成されており、密度値の平均値による減算処理が含まれていないからである。
第1項は、密度値の2乗の総和/画素数として構成されているので、追加形成されたドットがドット密度に影響を与えるフィルタ範囲Fr1(図17)のドット密度が変動しても、フィルタ範囲Fr1の外の画素の計算に影響を与えないことが分かる。一方、定義式(図14)では、密度値の平均値が変動してしまうため、フィルタ範囲外の計算に影響を与えることになる。このように、高速計算式(図15)は、フィルタ範囲Fr1についてだけ計算すれば新規ドットの形成によるRMS粒状度の変動量が算出できることが分かる。
第2項は、密度値の総和の2乗/画素数の2乗として構成されているので、新規ドットが形成される前(図16)ドット密度値の総和にローパスフィルタ(図11)の要素値の総和を加算して2乗し、このようにして算出された値を、画素数を2乗した値で除するだけで画素毎に計算することなく簡単に算出することができる。
このように、高速計算式(図15)によれば、追加形成されたドットがドット密度に影響を与えるフィルタ範囲Fr1(図17)の外の画素については改めて計算する必要がないため、これにより計算処理量を削減することができる。本実施例では、説明を分かりやすくするために8×8のディザマトリックスを想定しているが、一般的なディザマトリックスの要素数である8192個(128要素×64要素)に対して、一般的なローパスフィルタの要素数である9個〜25個について計算するだけでRMS粒状度の変動量を算出することができるので計算量を顕著に削減することができることが分かる。
図18および図19は、着目格納要素Fp2がディザマトリックスの周辺部に存在して、フィルタ範囲がディザマトリックスの外部にはみ出す例を示している。このような場合には、前述のように、フィルタ処理において、同一のドット密度マトリックスを周囲に配置してドット密度マトリックスの周辺部の計算に使用している(図12)。具体的には、フィルタ範囲を、フィルタ範囲Fr2a、フィルタ範囲Fr2b、フィルタ範囲Fr2c、フィルタ範囲Fr2dのように設定することによって実装することが可能である。
ステップS370では、評価値決定処理が行われる。本実施例では、RMS粒状度がそのまま評価値となる。
ステップS400(図20)では、格納要素決定処理が行われる。格納要素決定処理は、着目閾値(この例では8番目にドットが形成されやすい閾値)の格納要素を決定する処理である。格納要素は、本実施例では評価値が最も小さな要素の中から決定される。
このような処理を、最もドットが形成されやすい閾値から最もドットが形成され難い閾値までの全閾値について行うと、ディザマトリックスの生成処理が完了する(ステップS500)。
このように、本発明の実施例では、ローパスフィルタ処理によって追加形成されるドットが影響を与える範囲に属する複数の要素について計算するだけで、簡易に評価値を算出することができるので計算量を顕著に削減することができる。加えて、比較的に小さな閾値から順に着目閾値が選択されて計算されているので、各入力階調毎に評価値変動量を算出するという同一の手順で評価値を順に計算すれば良いため極めて高い処理効率で最適化を実現することができる。
B−2.画像出力系に対する最適化:
図20は、本発明の第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャートである。このディザマトリックスの生成方法は、印刷画像の形成過程においてほぼ同時に形成されるドットの分散性を考慮して最適化を図ることができるように構成されている。このため、ステップS100が追加されているとともに、ステップS300がステップS300aに修正されている。
ステップS100では、グループ化処理が行われる。グループ化処理とは、本実施例では、印刷画像の形成過程においてほぼ同時にドットが形成される複数の画素グループに対応する要素毎にディザマトリックスを分割する処理である。
図21は、本発明の実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMを示す説明図である。このグループ化処理では、図5における4つの画素グループに分割されるものとしている。ディザマトリックスMの各要素に記載された数字は、各要素が属する画素グループを示している。たとえば1行1列の要素は、第1の画素グループ(図5)に属し、1行2列の要素は、第2の画素グループに属する。
図22は、本発明の実施例における4個の分割マトリックスM0〜M3を示す説明図である。分割マトリックスM0は、ディザマトリックスMの要素のうち第1の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄となっている複数の要素である空欄要素とから構成されている。空欄要素は、入力階調値に拘わらず常にドットが形成されない要素である。分割マトリックスM1〜M3は、それぞれディザマトリックスMの要素のうち第2〜第4の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄要素とから構成されている。
ステップS300aでは、第1実施例と同様にRMS粒状度に基づいてディザマトリックス評価処理が行われる。ただし、本実施例では、ディザマトリックスMだけを考慮するのではなく、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われる。
図23は、本発明の実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。ただし、本実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われるため、ステップS310とステップS360とが追加されるとともに、ステップS370がステップS370aに修正されている。
ステップS310では、評定マトリックスが選択される。評定マトリックスとは、本実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3の中で、着目閾値の格納要素の決定の際に評価の対象となる1個のマトリックスである。本実施例では、評定マトリックスとディザマトリックスMとに着目して評価が行われる。ただし、5個のマトリックス全部に着目して評価を行うように構成しても良い。
評定マトリックスは、本実施例では、着目閾値とともに順に選択される。具体的には、本実施例では、1番目の着目閾値では分割マトリックスM0が選択され、2番目の着目閾値では分割マトリックスM1が選択され、といった方法で分割評定マトリックスが順に選択される。着目閾値は、評定マトリックスに属する要素のいずれかに格納されることになる。
図24は、図9のドットパターンから分割マトリックスM0に属する画素に対応するドットのみを抽出したドットパターンを示している。図25は、分割マトリックスM0に関するドット密度マトリックスを示す説明図である。このドット密度マトリックスに対してローパスフィルタ処理が行われると、グループ密度値(図26)が算出される。グループ密度値とは、2個の閾値の格納要素が決定されたディザマトリックスMにおいて、決定された2個の閾値が格納された要素に対応する画素にドットが形成されたと仮定したときの各要素に対応する画素のドットの密度値を意味する。
このようにして算出されたグループ密度値は、全体密度値とともにRMS粒状度の算出に使用される。全体密度値は、第1実施例における密度値に相当する値である。
ステップS370aでは、総合評価値決定処理が行われる。総合評価値決定処理は、全体密度値についてのRMS粒状度と、グループ密度値についてのRMS粒状度と、に所定の重み付けを行って加算することによって決定される。本実施例では、一例として全体密度値についてのRMS粒状度と、グループ密度値についてのRMS粒状度の重み付けをそれぞれ「4」と「1」としている。
ステップS400(図20)では、第1実施例と同様に格納要素決定処理が行われる。格納要素決定処理は、着目閾値(この例では8番目にドットが形成されやすい閾値)の格納要素を決定する処理である。格納要素は、本実施例では総合評価値が最も小さな要素の中から決定される。
このような処理を、第1実施例と同様に最もドットが形成されやすい閾値から最もドットが形成され難い閾値までの全閾値について行うと、ディザマトリックスの生成処理が完了する(ステップS500)。
このように、第2実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われるので、画像形成方法に最適化されたディザマトリックスを非常に少ない計算量で実現することができる。特に、このような画像形成方法への最適化は、画像形成方法が多種多様な方法で行われることを考慮すると、非常に少ない計算量における実装可能性は極めて重要である。
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、本発明は、以下のような変形例についてのディザマトリックスの最適化が可能である。
C−1.上述の実施例では、マトリックス全体の各要素に対応する画素に形成される複数のドットが各階調値において均一に形成されるか否かが評価の基準となっているが、たとえばマトリックス全体でなくマトリックスの一部分の領域に属する各要素に対応する画素に形成される複数のドットのみに基づいて評価するように構成しても良い。このような場合には、閾値が連続とならず飛び飛びとなるが(たとえば12、25、45・・・)、上述の実施例と同様に、当該領域に属する各要素に格納されるべき複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定することによって本発明を適用することができる。
C−2.上述の実施例では、ローパスフィルタ処理を行うとともにドット密度の均一性やRMS粒状度に基づいてディザマトリックスの最適性を評価しているが、たとえばドットパターンに対してフーリエ変換を行うとともにVTF関数を用いてディザマトリックスの最適性を評価するように構成しても良い。具体的には、ゼロックスのDooleyらが用いた評価尺度(Grainess scale:GS値)をドットパターンに適用して、GS値によってディザマトリックスの最適性を評価するように構成しても良い。ここで、GS値とは、ドットパターンに対して2次元フーリエ変換を含む所定の処理を行って数値化するとともに、視覚の空間周波数特性VTFを乗じるフィルタ処理を行った後に積分することによって得ることができる粒状性評価値である。
本発明は、ディザマトリックスの評価に粒状性評価値を使用する場合にも適用することができる。本願発明者は、2次元フーリエ変換を含む所定の処理を行って数値化するとともに、視覚の空間周波数特性VTFを乗じた後に積分することによって得ることができる粒状性評価値についても、ドット密度の変化に応じた粒状性評価値の変動量を直接計算する方法を編み出したからである。具体的には、図31に示される計算式を用いて、予め所定の定数を算出しておいてテーブルを作成し、このテーブルから読み出された所定の定数を、VTF関数に乗ずるだけで評価値変動量を簡易に算出することができる。
図31は、上述の積分処理を実行する計算式である。VTF(u,v)は、視覚の空間周波数特性VTFの関数である。Fold(u,v)は、ドット密度の変化前において2次元フーリエ変換を含む所定の処理を行って数値化された値である。Fnew(u,v)は、従来はドット密度の変化後において2次元フーリエ変換を含む所定の処理を行って数値化されるべき値である。図31の第2項のVTF(u,v)に乗じられている係数は、式から分かるようにドット密度に依存しない値なので予め定数として算出することができる。
図31が上述の積分処理を実行可能である点は、図27〜図30に示されている。図27は、N×Nの要素領域を想定した場合の2次元離散フーリエ変換の一般式である。図28は、この2次元離散フーリエ変換の一般式を展開した式である。図29は、N×Nの要素領域のうち着目要素f(xi,yi)だけが、着目要素fold(xi,yi)からfnew(xi,yi)に変化することを仮定してFold(u,v)を利用して、Fnew(u,v)を算出する計算式である。図30は、Δf(xi,yi)が「1」であることを利用して簡略化した計算式である。Δf(xi,yi)が「1」なのは、ドット密度の変化がf(xi,yi)において1ドット増加することを意味するからである。図31は、図30の計算式の各項にVTF(u,v)に乗じるだけで導出することができる。
C−3.上述の実施例では、1個の閾値の格納要素が変動することを想定されているが、たとえば複数個の閾値の格納要素を同時に決定あるいは変更するような場合にも本発明は、適用することができる。具体的には、たとえば上述の実施例において6番目までの閾値の格納要素が決定されていて、7番目と8番目の閾値の格納要素を決定するような場合にも7番目の閾値の格納要素にドットが追加された場合の評価値と、7番目と8番目の閾値の格納要素にそれぞれドットが追加された場合の評価値とに基づいて格納要素を決定するようにしても良いし、あるいは7番目の閾値の格納要素のみを決定するようにしても良い。
C−4.上述の実施例では、閾値の格納要素を順に決定するように構成されているが、たとえば予め準備された初期状態としてのディザマトリックスを調整することによってディザマトリックスを生成するように構成しても良い。たとえば、入力諧調値に応じて画素毎のドットの形成の有無を決定するための複数の閾値を各要素に格納する初期状態としてのディザマトリックスを準備するとともに、各要素に格納された複数の閾値の一部を、ランダムにあるいは組織的に決定された方法で他の要素に格納された閾値と入れ替え、その入替の前後の評価値に基づいて入れ替えるか否かを決定してディザマトリックスを調整して生成するようにしても良い。
入替の前後の評価値は、入替の度に入替の前の評価値と入替に伴う評価値の変化量とから上述の方法と同様に算出することができる。たとえば入替に伴うドットの消滅による評価値の変動量と、入替に伴うドットの追加による評価値の変動量とを使用して入替の前後の評価値の変動量を算出することができる。さらに、評価値の変化量の符号の正負に基づいて入れ替えるか否かを決定するように構成しても良い。
C−5.本発明は、最適化過程における評価計算の処理量を少なくすることができるので、最適化方法を問わず適用することができる。たとえばシミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズムといった最適化手法に広く適用することができる。
ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図。 ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図。 ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図。 人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図。 本発明の実施例においてディザマトリックス最適化の対象となる印刷画像の生成方法の一例を示す説明図。 本発明の実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図。 本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 ディザマトリックスMにおいて、1〜8番目にドットが形成されやすい閾値が格納された要素に対応する8個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図。 ドット密度を定量的に表したドット密度マトリックスを示す説明図。 本発明の実施例におけるローパスフィルタを示す説明図。 ドット密度マトリックスの周辺部の計算を行うために、同一のドット密度マトリックスを周囲に配置した様子を示す説明図。 ドット密度マトリックスをローパスフィルタ処理した結果を示す説明図。 本実施例で使用されるRMS粒状度を定義する式を表す説明図。 本実施例で使用されるRMS粒状度の高速計算に使用される式を表す説明図。 着目格納要素Fp1に対応する画素に新規ドットが形成される前の密度値を表すマトリックスとこの新規ドットが形成される前のRMS粒状度とを示す説明図。 着目格納要素Fp1に対応する画素に新規ドットが形成された後の密度値を表すマトリックスとこの新規ドットが形成された後のRMS粒状度とを示す説明図。 着目要素がドット密度マトリックスの周辺部に存在する場合の新規ドットが形成される前の密度値を表すマトリックスを示す説明図。 着目要素がドット密度マトリックスの周辺部に存在する場合の新規ドットが形成された後の密度値を表すマトリックスを示す説明図。 本発明の第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第2実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMを示す説明図。 本発明の第2実施例における4個の分割マトリックスM0〜M3を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 分割マトリックスM0に属する画素に対応するドットのみを抽出したドットパターンを示す説明図。 分割マトリックスM0に関するドット密度マトリックスを示す説明図。 グループ評価値を格納するマトリックスを示す説明図。 N×Nの要素領域を想定した場合の2次元離散フーリエ変換の一般式を示す説明図。 2次元離散フーリエ変換の一般式を展開した式を示す説明図。 着目要素f(xi,yi)が、着目要素fold(xi,yi)からfnew(xi,yi)に変化することを仮定してFold(u,v)を利用して、Fnew(u,v)を算出する計算式を示す説明図。 Δf(xi,yi)が「1」であることを利用してFnew(u,v)を算出する計算式を簡略化した計算式を示す説明図。 粒状性評価値の計算における積分計算を行うための計算式を表す説明図。
符号の説明
M…ディザマトリックス
M0…分割マトリックス
M1…分割マトリックス
M2…ディザマトリックス
M3…分割マトリックス
M1…分割マトリックス
10…印刷ヘッド
DP1、DP1a…ドットパターン
DP2、DP2a…ドットパターン
DP3、DP3a…ドットパターン
DP4、DP4a…ドットパターン
Fp1、Fp2…着目格納要素
Fr1、Fr2a、Fr2b、Fr2c、Fr2d…フィルタ範囲

Claims (10)

  1. 入力画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値を各要素に格納するディザマトリックスを生成する方法であって、
    前記複数の閾値のうちの着目閾値の格納要素の決定前に想定される第1のドット形成状態についての第1の評価値と、前記第1のドット形成状態から、前記着目閾値の格納要素を決定したと仮定したときに想定される第2のドット形成状態への変化に伴う前記評価値の変化量である評価値変動量とに応じて、前記第2のドット形成状態についての第2の評価値を、前記着目閾値を格納可能な格納要素毎に決定する評価値決定工程と、
    前記決定された各格納要素毎の前記第2の評価値を比較することにより、前記着目閾値を格納する要素を決定する格納要素決定工程と、
    前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す繰り返し工程と、
    を備え、
    前記評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であり、
    該RMS粒状性度は、
    Figure 0004720490
    として求められ、
    前記評価値変動量は、前記ローパスフィルタ処理によって、前記第1のドット形成状態から前記第2のドット形成状態へのドットの形成状態の変化が影響を与える範囲に属する複数の要素について計算を行うことによって算出される
    ディザマトリックス生成方法。
  2. 請求項1記載のディザマトリックス生成方法であって、さらに、
    前記ディザマトリックスの各要素に格納されるべき複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定工程を備え、
    前記繰り返し工程は、前記複数の閾値の全てについて、前記着目閾値決定工程と前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す工程を含む、ディザマトリックス生成方法。
  3. 請求項1記載のディザマトリックス生成方法であって、さらに、
    入力諧調値に応じて画素毎のドットの形成の有無を決定するための複数の閾値を各要素に格納する初期状態としてのディザマトリックスを準備する準備工程と、
    前記要素に格納された複数の閾値の一部を、他の要素に格納された閾値と入れ替える格納要素入替工程と、
    を備え、
    前記格納要素決定工程は、前記第1の評価値と前記第2の評価値とに基づいて前記着目閾値を格納する要素を決定し、
    前記第1のドット形成状態は、前記入れ替え前に想定されるドット形成状態であり、
    前記第2のドット形成状態は、前記入れ替えたと仮定したときに想定されるドット形成状態であり、
    前記繰り返し工程は、前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記格納要素入替工程と前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す工程を含む、ディザマトリックス生成方法。
  4. 請求項1記載のディザマトリックス生成方法であって、
    前記ローパスフィルタ処理は、2次元周波数空間において定義された所定の特性を逆フーリエ変換することによって構成されたローパスフィルタを用いて行われる、ディザマトリックス生成方法。
  5. 請求項1または請求項2のいずれかに記載のディザマトリックス生成方法であって、
    前記評価値は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性評価値であり、
    前記評価値変動量は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積によって算出される、ディザマトリックス生成方法。
  6. 印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成部と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷装置。
  7. 印刷媒体上に印刷を行う印刷方法であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成工程と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成工程と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷方法。
  8. 印刷媒体上に印刷画像を形成する印刷物の生成方法であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成工程と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成工程と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷物の生成方法。
  9. 入力画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値を各要素に格納するディザマトリックスの生成装置であって、
    前記複数の閾値のうちの着目閾値の格納要素の決定前に想定される第1のドット形成状態についての第1の評価値と、前記第1のドット形成状態から、前記着目閾値の格納要素を決定したと仮定したときに想定される第2のドット形成状態への変化に伴う前記評価値の変化量である評価値変動量とに応じて、前記第2のドット形成状態についての第2の評価値を、前記着目閾値を格納可能な格納要素毎に決定する評価値決定部と、
    前記決定された各格納要素毎の前記第2の評価値を比較することにより、前記着目閾値を格納する要素を決定する格納要素決定部と、
    を備え、
    前記評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であり、
    該RMS粒状性度は、
    Figure 0004720490
    として求められ、
    前記評価値変動量は、前記ローパスフィルタ処理によって、前記第1のドット形成状態から前記第2のドット形成状態へのドットの形成状態の変化が影響を与える範囲に属する複数の要素について計算を行うことによって算出される
    ディザマトリックス生成装置。
  10. 入力画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値を各要素に格納するディザマトリックスを生成するためのコンピュータプログラムであって、
    前記複数の閾値のうちの着目閾値の格納要素の決定前に想定される第1のドット形成状態についての第1の評価値と、前記第1のドット形成状態から、前記着目閾値の格納要素を決定したと仮定したときに想定される第2のドット形成状態への変化に伴う前記評価値の変化量である評価値変動量とに応じて、前記第2のドット形成状態についての第2の評価値を、前記着目閾値を格納可能な格納要素毎に決定する評価値決定機能と、
    前記決定された各格納要素毎の前記第2の評価値を比較することにより、前記着目閾値を格納する要素を決定する格納要素決定機能と、
    前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記評価値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す繰り返し機能と、
    を前記コンピュータに実現させるプログラムを備え、
    前記評価値決定機能における前記評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であり、
    該RMS粒状性度は、
    Figure 0004720490
    として求められ、
    前記評価値変動量は、前記ローパスフィルタ処理によって、前記第1のドット形成状態から前記第2のドット形成状態へのドットの形成状態の変化が影響を与える範囲に属する複数の要素について計算を行うことによって算出される
    コンピュータプログラム。
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