JP5471796B2 - 閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置、閾値マトリクス、量子化装置及び画像形成装置 - Google Patents

閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置、閾値マトリクス、量子化装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置、閾値マトリクス、量子化装置及び画像形成装置に関する。
多階調画像に基づく画像を用紙等の印刷媒体上に出力形成するに際して、多階調画像に対して量子化処理を施して出力画像を得ることが広く行われている。ここでいう「量子化処理」とは、入力画像の階調よりも少ない階調で当該多階調画像と同様の画像を表現するため、入力画像の各画素に応じて出力画像の各画素のドットの形成状態を決定する処理である。
量子化処理の方法として、誤差拡散法とディザ法が知られている。このうち、誤差拡散法は、演算過程が煩雑であり処理時間がかかるという問題点がある。これに対し、ディザ法は入力画像の画素の画素値とその画素に対応した閾値との比較結果に基づいて量子化を行う方法であり、誤差拡散法に比して非常に演算時間が短いという利点がある。
ディザ処理において各画素の画素値との比較に用いられる閾値は、所定の画素数に対応するマトリクスデータとして予め用意されている。以下、当該所定の画素数に対応するマトリクスデータを「閾値マトリクス」と記載する。
閾値マトリクスは、例えば、複数の画素を方形状に配置した画素領域に対応するマトリクスデータであり、そのサイズは「縦の画素数×横の画素数」で表すことができる(例えば特許文献1)。
閾値マトリクスは、一般的に、ディザ処理を施される多階調画像の縦横画素数よりも小さな画素数に対応する。ディザ処理では、ディザ処理を施される多階調画像に対して閾値マトリクスをタイル状に繰り返し適用することで閾値マトリクスよりも大きな画像サイズの多階調画像を量子化する。
ディザ処理に用いる閾値マトリクスを生成する方法として、例えば積層束縛(Stacking Constraint)条件下での閾値マトリクス生成方法が知られている(例えば特許文献2)。
図34に示す閾値マトリクス生成処理のイメージ図と、図35に示すフローチャートと、を用いて、Stacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法について説明する。ここでは、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータによるソフトウェア処理で閾値マトリクスを生成する場合を例示する。
まず、CPUは、図34に示す入力ドットパターン101に対して、次の階調値のドットパターン(図34の出力ドットパターン102)を実現するために必要なドット数を決定し入力ドットパターン101に追加する(ステップS101)。必要なドット数とは、入力ドットパターン101のドット率について次の階調値のパターンのドット率の差に応じて決定される。ドット率とは、パターンの全画素に対するドットが形成される画素の割合である。
次に、CPUは、予め用意された空間フィルタを必要なドット数が追加された入力ドットパターンに対して適用する(ステップS102)。次に、CPUは、空間フィルタを適用されたドットパターンを参照し、入力ドットパターン101に追加されたドット位置の再配置を行う(ステップS103)。そして、CPUは、ステップS103による追加ドットの再配置前後の各パターンの評価値をそれぞれ算出し、算出された二の評価値を比較し(ステップS104)、再配置後のドットパターンの評価値が再配置前のドットパターンの評価値以上であるか否かを判定する(ステップ105)。つまり、CPUは、ステップS104で算出した評価値がドットの再配置によって減少しなかったかどうかを判定する。再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値以上である場合(ステップS105:YES)、ステップS103で最後の再配置を行う直前の出力ドットパターン103に基づいて入力ドットパターン101の次の階調値のドットパターン102を作成し(ステップS106)、処理を終了する。ステップS105において、再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値未満の場合(ステップS105:NO)、ステップS102の処理に戻る。この処理を繰り返すことで各ドット率でのドットパターンを作成し閾値マトリクスを得る。
図34及び図35を用いた上記の説明では、入力ドットパターン101のドット位置を保持しながら、ドット率が大きい出力ドットパターン102を作成する場合、即ちドットが増える場合を示している。出力ドットパターン102よりもさらにドット率が大きいパターンを生成する場合、出力ドットパターン102を入力ドットパターン101として同様の処理を行う。入力ドットパターン101に対して出力ドットパターン102のドット率が小さい、即ちドットが減る場合、CPUは入力ドットパターン101ですでに配置されているドット位置からドットを削除する画素について同様に処理する。このようなStacking Constraint条件下で得られた各ドット率でのドットパターンを作成するドットパターン作成方法により、一の入力ドットパターンに基づいて様々なドット率のパターンによる閾値マトリクスを得ることができる。このようにして作成した各ドット率のドットパターンを用いて閾値マトリクスを作成する。
以下、図34及び図35を用いて説明したStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法を「空間フィルタ法」と記載する。
従来の空間フィルタ法による閾値マトリクス生成方法で生成された閾値マトリクスに基づくドットパターンは、所定の一方向についてドットの発生確率が大きくばらつく問題点があった。
図36に、従来の空間フィルタ法によるドット率50%のドットパターンを示す。図36のドットパターンは、互いに直交する二方向(x方向、y方向)に各256[画素]の幅を有する256×256[画素]のパターンである。
図37は、図36に示すドットパターンの所定の一方向(y方向)に並ぶ256[画素]の中で発生したドットの発生数を、当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)に沿って示したグラフである。
図38に、図36のドットパターンの2次元空間周波数分布(2次元ウィナースペクトル)を示す。図38の中心oはDC成分と、u方向は図36のx方向の周波数成分と、v方向は図36のy方向の周波数成分と対応し、図中の黒はその周波数帯の成分を持たないことを意味し、白はその周波数帯の成分を多く含むことを意味する。
図36に示すドットパターンは一見均一にドットが分散したドットパターンに見えるが、図37に示すように、所定の一方向(y方向)のドット発生確率は他方向(x方向)に沿った各画素列間で大きくばらついている。例えば、図37に示すグラフでは、ドット発生数が最低の画素列とドット発生確率が最高の画素列では、ドットの発生数に1.5倍程度の開きがある。このようなドットの発生数のばらつきは、画像形成装置の消耗を早める問題点を生じさせる。
図39に、ラインヘッドプリンタのプリントヘッドH付近の構成の一例を示す。図40に、一列分のプリントヘッドHを下方から見た場合の構成の一例を示す。図39に示すラインヘッドプリンタは、搬送部Bによって所定の一方向(y方向)に沿って搬送される記録メディア(用紙P)に対してドットを形成する画像形成装置である。図39に示すラインヘッドプリンタの各プリントヘッドHは、図40に示すように、所定の一方向(y方向)に略直交する他方向(x方向)に沿って複数の記録素子(ノズルN)を有する。
図39、図40に示すように、ラインヘッドプリンタにより従来の空間フィルタ法によるドットパターンの形成を行うと、y方向についてドットの発生確率に大きなばらつきがあるために、プリントヘッドHが有する各記録素子間で記録素子の使用頻度が大幅に異なることとなる。このため、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間で大幅にばらつき、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった。
また、故障に至らなくとも、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくと、画像形成の品質の低下を顕著にすることがあった。
図39、図40に示すようなラインヘッドプリンタの各記録素子は、その取り付け位置のずれに起因するドットの着弾位置ずれを生じさせる。ラインヘッドプリンタの各記録素子の取り付け位置のずれは、ラインヘッドプリンタの製造工程上生じるものであり、ずれを完全になくすことは困難である。
このようなラインヘッドプリンタの特徴があるため、例えば一面の単一濃度領域を印刷する場合等においてドットの着弾位置ずれの大きいノズルが使用頻度の高い画素位置に対応してしまうと、ドットの着弾位置ずれに起因するスジムラが画像に現れやすくなる。スジムラは画像の見栄えを悪くし、画像形成の品質を低下させる。
前述した所定の一方向のドットの発生確率のばらつきに起因する画像形成装置の故障や画像形成の品質低下を抑制するため、ドットの発生確率のばらつきを抑制するのではなく、各ノズルの使用頻度の分布を算出し、算出結果に応じてノズルに対応する画像をノズル列方向にずらす技術がある(例えば特許文献3)。
特許第4168033号公報 特許第2622429号公報 特開2006−188003号公報
しかしながら、特許文献3の技術では、画像をノズル列方向にずらす回路が必要となり、その分だけ画像形成装置の部品点数が多くなり、コスト増となる。また、画像をずらす処理には時間がかかるため、画像をずらす処理を行うことは画像形成装置の処理性能(例えば印刷速度等)を低下させる。特に、ずらす画像の印刷解像度が高い場合、画像をずらすための処理内容は膨大となり、画像をずらすために多大な時間を浪費して画像形成装置の処理性能を大幅に低下させることとなる。このように、特許文献3の技術のように、ドットの発生確率のばらつきを抑制する方法以外の解決方法では、他の問題点を生じさせることがある他、ドットの発生確率のばらつきを抑制する根本的な解決には至っていない。
本発明の課題は、記録素子が配列された方向に対して略直交する方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成するにあたり、搬送方向に沿った方向に区切られた小区画のドット発生頻度を記録素子配列方向に対して均一化し、引いては記録素子の寿命を延ばし、着弾ズレによるスジムラの発生を軽減することである。
請求項1に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成する新ドットパターン生成工程と、前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程と、所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記新ドットパターン生成工程及び前記再配置工程を繰り返す繰り返し工程と、を有し、前記再配置工程は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列EER(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出するドットパターン評価値算出工程と、前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定するドット再配置位置決定工程と、前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程と、再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出するドット分散性評価値算出工程と、再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値算出工程、前記ドット再配置位置決定工程、前記再配置パターン生成工程及び前記ドット分散性評価値算出工程を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返す否かを判定する再配置繰り返し判定工程と、前記再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとする工程と、を有し、前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする。
ここで、gは階調値、xは記録素子配列方向の画素の座標、yは記録メディアの搬送方向の画素の座標、p’(x,y,g)は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
ここで、nはドット再配置の繰り返し回数、ERR(x,y,g)におけるp’(x,y,g)は、前記第三のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、少なくとも低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであり、当該空間周波数フィルタを前記第三のドットパターンに対して適用して全周波数成分に対して積分することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記所定の周波数領域は、直流成分及び前記記録素子配列方向に沿った方向に対して所定の角度を有する範囲に含まれる周波数成分を含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数によって異なることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数が当該ドットパターンの画素数の半分であるときに最大となることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4から6のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記所定の角度は、0度以上6度以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記所定の周波数領域は、前記搬送方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成し、前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得、所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記第二のドットパターンの生成及び前記第三のドットパターンを得る処理を繰り返す制御部を有し、前記第三のドットパターンを得る処理において、前記制御部は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列ERR(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出し、前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定し、前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置し、再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出し、再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値の算出、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置の決定、前記第三のドットパターンのドットの再配置及び前記ドット分散性評価値の算出を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返すか否かを判定し、繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとし、前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする。
ここで、gは階調値、xは記録素子配列方向の画素の座標、yは記録メディアの搬送方向の画素の座標、p’(x,y,g)は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
ここで、nはドット再配置の繰り返し回数、ERR(x,y,g)におけるp’(x,y,g)は、前記第三のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
請求項10に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、r=(u+v1/2、かつ、v≠0であるときf(r,0)<f(u,v)を満たすことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間(r,θ)におけるパワースペクトル密度の周波数成分をg(r,θ)とし、r=(u+v1/2、かつ、θ=180/π×arctan(v/u)であって、−6°≦θ≦+6°及び180°−6°≦θ≦180°+6°を満たすθをθAと表し、+6°<θ<180°−6°及び180°+6°<θ<360°−6°を満たすθをθBと表し、r>0である場合、g(r,θA)<g(r,θB)を満たすことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、−7/256≦s≦7/256、かつ、t<−7/256又はt>7/256のときf(u,s)< f(u,t)を満たすことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化する量子化装置であって、請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の閾値マトリクスを記憶する記憶部と、前記入力画像データの画素値と前記憶部に記憶された閾値マトリクスの閾値とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて前記出力画像データを生成して出力する出力部とを有することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置であって、請求項13記載の量子化装置と、前記量子化装置によって出力された出力画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、記録素子が配列された方向に対して略直交する方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成するにあたり、搬送方向に沿った方向に区切られた小区画のドット発生頻度を記録素子配列方向に対して均一化し、引いては記録素子の寿命を延ばし、着弾ズレによるスジムラの発生を軽減することができる。
第一実施形態による閾値マトリクス生成方法を用いた処理を行う閾値マトリクス生成装置1の構成を示すブロック図である。 初期ドットパターンの生成処理の流れを示すフローチャートである。 小区画によって区切られた閾値マトリクスの一例を示すイメージ図である。 フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理の流れを示すサブフローである。 フィルタ処理の一例についてグラフを用いて示したイメージ図である。 ステップS13のフィルタ処理で用いられる空間フィルタの一例である。 ドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 行列AVE(a,b)の値の一例を各小区画に当てはめたイメージ図である。 ドットの配置転換を一度も行わない状態のドットパターンのRAPSDとMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さくなるまでドットの配置転換を行った後のドットパターンのRAPSDの比較例を示すグラフである。 初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理の流れを示すフローチャートである。 閾値マトリクスTh(x,y)の一部の一例を示す図である。 各階調値のドットパターンに応じた0/1の加算による閾値マトリクスの生成メカニズムを例示する説明図である。 第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された50%ドット率のドットパターンの一例を示す図である。 図13で示すドットパターンにおける2次元空間周波数分布を示す図である。 図13に示すドットパターンの所定の一方向(y方向)におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)に沿って示したグラフである。 第二実施形態におけるフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理の流れを示すサブフローである。 第二実施形態のフィルタ処理で用いるフィルタの一例である。 第二実施形態におけるドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 所定の角度γの値と、所定の周波数領域が直流成分及びx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られたドットパターンの一例と、各ドットパターンの空間周波数分布との対応関係を示す図である。 所定の角度γの値と、所定の周波数領域が直流成分及びx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られたドットパターンであってドットの位置ずれを適用したドットパターンと、各ドットパターンの空間周波数分布との対応関係を示す図である。 記録素子(ノズルN)の取り付け角度のずれによる射出角度のずれのイメージ図である。 ドットの位置ずれの有無によるドットパターンの相違のイメージ図を示す図である。図22(A)は、ドットの位置ずれがない場合のドットパターンの一例を示す図である。図22(B)は、ドットの位置ずれがある場合のドットパターンの一例を示す図である。 射出角度誤差を算出するための正規分布を示す図である。 ドットパターンを構成する各ドットの径の大小と空間周波数分布との対応関係の一例を示す図である。 二種類のドットパターンのノイズ感の測定結果の一例を示す図である。 所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(A)は、所定の角度γが0度と6度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(B)は、所定の角度γが0度と1度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。 γの角度とRAPSDとの関係の一例を示すグラフである。図27(A)は、γ=6度、γ=10度のときのRAPSDを示す。図27(B)は、図27(A)で示すグラフのうち、0.0〜0.1[cycle/pixel]の部分を拡大した拡大図である。 γの角度とRAPSDとの関係の別の一例を示すグラフである。図28(A)は、g=0.25のとき、γ=3度とγ=6度のときのRAPSDを示す。図28(B)は、図28(A)で示すグラフのうち、0.0〜0.1[cycle/pixel]の部分を拡大した拡大図である。 y方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られたドットパターンの一例と、各ドットパターンの空間周波数分布との対応関係を示す図である。 図29に示す空間周波数分布のうち、パターン(c)の空間周波数分布の拡大図である。 量子化装置200の構成を示すブロック図である。 画像形成装置300の構成を示すブロック図である。 量子化された画像を用紙Pに形成するイメージ図である。 従来のStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成処理のイメージ図である。 従来のStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成処理の流れを示すフローチャートである。 従来の空間フィルタ法によるドット率50%のドットパターンを示す図である。 図36に示すドットパターンの所定の一方向(y方向)におけるドットの発生数を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)に沿って示したグラフである。 図36のドットパターンの2次元空間周波数分布を示す図である。 ラインヘッドプリンタのプリントヘッド付近の構成の一例を示す図である。 一列分のプリントヘッドを下方から見た場合の構成の一例を示す図である。
以下、図を参照して本発明の実施の形態の例を詳細に説明する。
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態について説明する。
図1に、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法を用いた処理を行う閾値マトリクス生成装置1の構成を示す。閾値マトリクス生成装置1は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して略直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する際、記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する。
閾値マトリクス生成装置1は、CPU11、RAM12、ROM13及びストレージデバイス14を備える。CPU11、RAM12、ROM13及びストレージデバイス14は、バス15によって接続される。
CPU11は、ROM13、ストレージデバイス14等の記憶装置からプログラムやデータ等を読み出して実行し、所定の処理を行う。
RAM12は、CPU11が読み出したプログラムやデータ、またCPU11が行った処理によって生じた一時的なパラメータ等を記憶する記憶装置である。
ROM13は、CPU11が読み出すプログラムやデータ等を書き換え不可能な状態で記憶する記憶装置である。
ストレージデバイス14は、CPU11が読み出すプログラムやデータ、またCPU11が行った処理によって生じたデータ等を書き換え可能な状態で記憶する記憶装置である。ストレージデバイス14は、複数回又は予め定められた所定回数のみ書き換え可能な媒体及び当該媒体にデータを書き込む装置等に置き換えてもよいし、ネットワーク等の接続を介して外部の記憶装置や媒体との間でデータを送受信するようにしてもよい。
閾値マトリクス生成装置1は、上述のようにCPU11、RAM12、ROM13等を有するコンピュータであり、所謂ソフトウェア処理により閾値マトリクスを生成する。第一実施形態では、ROM13は閾値マトリクス生成プログラム16を記憶し、CPU11が閾値マトリクス生成プログラム16を読み出して実行することにより閾値マトリクスの生成が行われる。なお、後述するローパスフィルタ等、閾値マトリクス生成プログラム16の実行に伴い読み出される各種のデータはROM13又はストレージデバイス14に記憶されている。
閾値マトリクスの生成は、初期ドットパターンの生成処理と、当該初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理とを含む。
まず、初期ドットパターンの生成処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU11は閾値マトリクスのサイズを決定する(ステップS1)。第一実施形態では、直交する二方向(X方向及びY方向)について、X方向に256画素、Y方向に256画素を並べた方形状のマトリクスサイズである256×256[画素]を、決定された閾値マトリクスのサイズとして用いる。X方向は記録素子配列方向に対応し、Y方向は搬送方向に対応する。閾値マトリクスのサイズは、256×256[画素]に限らず、任意のM×N[画素] (M、Nは自然数)を設定することができる。M、N は、64以上であることが望ましい。MとNは同一の自然数であってもよいし、異なる自然数であってもよい。
次に、CPU11は小区画のサイズを決定する(ステップS2)。第一実施形態では、閾値マトリクスのマトリクスサイズである256×256[画素]を、64×64[画素]の小区画に区切る。
図3に、小区画によって区切られた閾値マトリクスの一例をイメージ図で示す。図3に示すように、256×256[画素]の閾値マトリクスは、16個の小区画(64×64[画素])に区切られる。小区画のサイズは、64×64[画素] に限らず、閾値マトリクスのサイズであるM×N[画素]より小さい任意のサイズを設定することができる。
次に、CPU11は、閾値マトリクス内においてドット形成を行う画素を選択決定する。第一実施形態では、ドット形成を行う画素として選択決定された画素の、閾値マトリクス内の全画素に対する割合を階調値gで示す。そして、閾値マトリクス内の全画素がドット形成を行う画素として選択決定される場合を階調値g=1、閾値マトリクス内のいずれの画素もドット形成を行う画素として選択決定されない場合を階調値g=0とする。例えば、階調値g=0.5の場合、閾値マトリクス内の全画素のうち半分の画素がドット形成を行う画素として選択決定される。第一実施形態では、初期ドットパターンの階調値gは、0.5に設定されており、CPU11は階調値g=0.5に基づいて画素を選択決定する。
そして、CPU11は、ドット形成を行う画素として選択決定された画素を1、ドット形成を行う画素として選択決定されなかった画素を0として表すマトリクスパターンp(x,y,g)を生成する(ステップS3)。p(x,y,g)は、階調値gのマトリクスパターンpを示す行列であり、xはX方向の座標、yはY方向の座標を示す。
次に、CPU11は、行列BANinit(x,y)の初期値を全て0に設定する(ステップS4)。行列BANinit(x,y)の値は、交換禁止行列BAN(x,y)の初期値として用いるものである。交換禁止行列BAN(x,y)は、後述するドット配置転換処理において用いる。
次に、CPU11はフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を行う(ステップS5)。
フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理について、図4のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は変数nを初期値0で設定する(ステップS11)。
次に、CPU11は、ドットパターンp(x,y,g)に対してフーリエ変換を適用した空間周波数パターンP(u,v,g)を算出する(ステップS12)。u,vはそれぞれX方向、Y方向の周波数空間を示す。
次に、CPU11は、空間周波数パターンP(u,v,g)に対してフィルタ処理を施した空間周波数パターンP’(u,v,g)を算出する(ステップS13)。
図5に、フィルタ処理の一例について、グラフを用いた概念図で示す。本来フィルタ処理は2次元に分布した空間周波数(パワースペクトル)に対して行うが、図5では説明を簡略化するために同一周波数の成分を角度方向に平均化したRAPSD(ラジアル平均パワースペクトル密度, Radial Averaged Power Spectral Density)を用いた。また図5において、半径方向の周波数の単位を[cycle/pixel]としている。
フィルタ処理は、パターンP(u,v,g)に対して、所定の空間フィルタを掛けあわせることにより、パターンP’(u,v,g)を算出する。(図5中のフィルタ処理前のRAPSDがP(u,v,g)のRAPSDと対応しており、フィルタ処理後のRAPSDがP’(u,v,g)のRAPSDと対応している。)
図5の概念図では、適用するフィルタ形状の方向依存性が記述できていないが、実際にステップS13で行われているフィルタ処理では、円対称のフィルタではなく方向依存性を持たせたフィルタを用いる。
図6に、ステップS13のフィルタ処理で用いられる空間フィルタの一例を示す。図6に示す空間フィルタの中央はDC成分即ち直流成分に対応し、u方向はx方向に対応し、v方向はy方向に対応する。そして、図6に示す空間フィルタのうち、白色が1のゲイン(gain)を示し、黒色が0のゲインを示す。つまり、図6に示す空間フィルタの白黒及び白黒の間の濃淡は、フィルタ強度を示す。
図6に示すように、ステップS13のフィルタ処理で用いられる空間フィルタは、所望のドットパターンの空間周波数分布において、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制するローパスフィルタである。具体的には、図6の空間フィルタは、v=0のときにgain=1であり、所定の周波数領域は、図6に示す中央oのDC成分を通過するu方向に沿った白色の直線としてあらわされる。つまり、図6に示す空間フィルタは、v=0の周波数成分をv=0でない周波数成分に比べて抑制する。
図6に示す空間フィルタによるフィルタ処理を施されたパターンP’(u,v,g)の空間周波数分布は、図5におけるフィルタ処理後のRAPSDのグラフのように、フィルタを通過した成分だけが残る。なお、以下の説明において、uの軸方向を0度方向、vの軸方向を90度方向とした角度成分とする。
次に、CPU11は、空間周波数パターンP’(u,v,g)に対して逆フーリエ変換を適用して実空間パターンp’(x,y,g)を算出する(ステップS14)。実空間パターンp’(x,y,g)はドットパターンp(x,y,g)のような0と1のみで記述される2値データではなく0と1の間の中間の値を含む連続的な値の分布となる。
次に、CPU11は、下記の式(1)により、階調値gからのズレを示す誤差行列ERR(x,y,g)を算出する(ステップS15)。
誤差行列ERR(x,y,g)は、パターンp’(x,y,g)と階調値gのドットパターンとの誤差に基づくドットパターン評価値として機能する。誤差行列ERR(x,y,g)の行列に含まれる各値は、閾値マトリクスを生成するためのドットパターンであるパターンP’(u,v,g)の各画素位置に対応する。つまり、CPU11は、誤差行列ERR(x,y,g)を閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出する。
次に、CPU11は、下記の式(2)により、評価値MSE(n)(Mean Square Error)を算出する(ステップS16)。
MSE(n)は、パターンp’(x,y,g)のパターン偏差値であり、ドット分散性評価値として機能する。
次に、CPU11は、nが0でないか否かを判定する(ステップS17)。nが0でない場合(ステップS17:YES)、CPU11はMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS1においてnが0である場合(ステップS17:NO)又はステップS1においてMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さい場合(ステップS18:YES)、CPU11はドット配置転換処理を行う(ステップS19)。
ドット配置転換処理について、図7のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、交換画素数を管理するための変数SWAPNUMを所定の初期値で設定する(ステップS31)。所定の初期値は、1以上の整数である。
次に、CPU11は交換禁止行列BAN(x,y)を設定し、その値としてBANinit(x,y)の値をコピーする(ステップS32)。
次に、CPU11は各小区画のドットの均一度を示す行列AVE(a,b)を算出する(ステップS33)。ここでaはxを小区画のX方向の画素数で除算したときの商の整数値、bはyを小区画のY方向の画素数で除算したときの商の整数値に対応する。
図8に、行列AVE(a,b)の値の一例を各小区画に当てはめたイメージ図を示す。
行列AVE(a,b)の値は、各小区画に形成されるドットが全て均等である場合に発生すべき各小区画のドット数に対する各小区画のドット数の過不足分を示す。
例えば、階調値g=0.5のマトリクスパターンの場合、各小区画に形成されるドットが全て均等である場合に発生すべき各小区画のドット数は、2048個(64×64×0.5=2048)となる。行列AVE(a,b)の値は、例えば図8に示すように、各小区画のドット数の過不足分を示す。このように、行列AVE(a,b)の値は、各小区画のドット数の均一度を示す均一度評価値として機能する。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値が0を超えるか否か判定する(ステップS34)。変数SWAPNUMの値が0を超える場合(ステップS34:YES)、CPU11は、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定する処理を行う。
具体的には、CPU11は、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する(ステップS35)。
ここで、p(x,y,g)=0であるということは、その画素ではドットが形成されないことを示す。対して、p(x,y,g)=1であるということは、その画素ではドットが形成されることを示す。
また、BAN(x,y)=0を満たすということは、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていることを示す。対して、BAN(x,y)=1の場合、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていないことを示す。
また、ERR(x,y,g)が最小であるということは、その画素を含む周辺位置にドットが形成されない隙間(void)があることを示す。対して、ERR(x,y,g)が最大であるということは、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。第一実施形態では、ERR(x,y,g)の大小に加えて、各小区画のドット数の過不足分を示す値AVE(a,b)に所定の係数α(α>0)をかけた値の加算による補正を行っている。各小区画のドット数の過不足分を示す値AVE(a,b)に所定の係数α(α>0)をかけた値であるαAVE(a,b)は、その小区画のドット数が平均を上回る場合(AVE(a,b)>0)、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)を大きくするように働く。一方、その小区画のドット数が平均を下回る場合(AVE(a,b)<0)、αAVE(a,b)は、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)を小さくするように働く。
つまり、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最小となる画素の座標(x1,y1)であるということは、その画素でドットが形成されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが形成されない隙間(void)があることを示す。ここで、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最小であることから、その画素を含む小区画はドットが平均を下回っている可能性が相対的に高い。
一方、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最大となる画素の座標(x2,y2)であるということは、その画素でドットが形成され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。ここで、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最大であることから、その画素を含む小区画はドットが平均を上回っている可能性が相対的に高い。
このように、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)による評価を行うことで、局所的なドット配置の均一さとマスク全体におけるドット配置の均一さの両方を加味した評価に基づいてドット再配置を行う画素を決定することができる。
そして、前述のように特定された画素(x1,y1)及び画素(x2,y2)に対して、CPU11は、p(x1,y1,g)=1、p(x2,y2,g)=0とすることでドットの配置交換を行う(ステップS36)。つまり、再配置前にその画素でドットが形成されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが形成されない隙間(void)があった画素(x1,y1)にドットが配置され、再配置前にその画素でドットが形成され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があった画素(x2,y2)からドットが削除される。
ステップS36の処理後、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素を含む小区画のAVE(a,b)の値を変更する。具体的には、CPU11は、画素(x1,y1)を含む小区画のドット過不足分を示す値AVE(c,d)に1を加算し、画素(x2,y2)を含む小区画のドット過不足分を示す値AVE(e,f)から1を減算する(ステップS37)。ここで、c,eはx1,x2を小区画のX方向の画素数(例えば64)で除算した商の整数値により求めることができ、d,fはy1,y2を小区画のY方向の画素数(例えば64)で除算した商の整数値により求めることができる。
次に、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素について、さらなる再配置を行うことを禁止する処理を行う。具体的には、CPU11は、BAN(x1,y1)及びBAN(x2,y2)の値を1とする(ステップS38)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値から1を減算する(ステップS39)。ステップS39の処理後、ステップS34の判定に戻る。
ステップS34において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS34:NO)、CPU11は図4のステップS19及び図7のサブフローにより示すドット配置転換処理を終了する。
つまり、ドット配置転換処理において、CPU11は、変数SWAPNUMの初期値として設定された回数だけ、その画素でドットが形成されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが形成されない隙間(void)がある画素と、その画素でドットが形成され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)がある画素との間でドットの配置交換を行う。配置交換を行うドットの決定においては、各小区画のドット数の過不足分に基づく補正が行われる。そして、再配置が行われたドットについては更なる再配置が禁止される。
図7のサブフロー及び図4のサブフローのステップS19に示すドット配置転換処理の終了後、CPU11は変数nの値に1を加算する(ステップS20)。その後、ステップS12の処理に戻る。
ステップS20の処理後にステップS12に戻ることで、ドット配置転換処理後のマトリクスパターンに対して、ステップS12のフーリエ変換の適用、ステップS13のフィルタ処理、ステップS14の逆フーリエ変換の適用、ステップS15の誤差行列の算出、ステップS16のMSEの算出が行われる。そして、一度以上ドット配置転換処理が行われると、変数nは1以上となるので、ステップS17の判定においてnが0でない場合に該当し(ステップS17:YES)、ステップS18の判定、即ちMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さいか否かの判定が行われる。なお、nの初期値は0なので、最低一度はドット配置転換処理が行われる。
ステップS18において、MSE(n)がMSE(n−1)以上となるまで、ステップS12からの処理が繰り返される(ステップS18:YES)。
ステップS18において、MSE(n)がMSE(n−1)以上である場合(ステップS18:NO)、CPU11は図のステップS5及び図4のサブフローにより示すフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を終了し、図に示す初期ドットパターンの作成処理を終了する。初期ドットパターンは、pinit(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
図9に、ドットの配置転換を一度も行わない状態のドットパターンのRAPSDとMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さくなるまでドットの配置転換を行った後のドットパターンのRAPSDの比較例を示す。
図9の線R2に示すように、ドットの配置転換を一度も行わない状態のRAPSDの値は、乱数パターン(ホワイトノイズパターン)であり半径方向の周波数[cycle/pixel]の各周波数成分はほぼ均一に含まれる。一方、図9の線R1で示す配置転換を行った後のドットパターンのRAPSDは、図5中のフィルタ処理後のRAPSDに対して反転したような空間周波数分布を持つようになる。これは、ドット配置転換処理がドットパターンp(x,y,g)から実空間パターンp’(x,y,g)の成分を除去する処理として機能するためである。図9を使って説明するならば、p(x,y,g)のドットパターンに対応する空間周波数P(u,v,g)(R2に対応)からフィルタ処理後の成分であるP’(u,v,g)の成分(図9に示すマスキングM1)を除去しているとも言える。
次に、初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理について説明する。
閾値マトリクスの生成処理は、積層束縛(Stacking Constraint)条件下で行う。具体的には、初期ドットパターンの階調値gに基づいて、変化させる階調値変化量δgに応じたドットの増減を施す。このとき、階調値変化量δgによって階調値が大きくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドット配置については変更しない。即ち、ドットを増やす場合、元の初期ドットパターンを維持し、かつ、追加のドットを付加する。また、階調値変化量δgによって階調値が小さくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更しない。即ち、ドットを減らす場合、元の初期ドットパターンにおいてドットが形成されない画素についてはドットが形成されないままとし、ドットを削除してドットが形成されない画素を増やす。このようにして、閾値マトリクス生成装置1は、各々のドット率に対応した256×256[画素]で構成された各々のドットパターンを生成する。
また、初期ドットパターンの階調値gに基づいて、変化させる階調値変化量δgに応じたドットの増減を施した階調値g+δgのドットパターンを生成した後、階調値g+δgのドットパターンに基づいてさらに階調値変化量δgに応じたドットの増減を施す場合には、その直前に生成された階調値g+δgのドットパターンを初期ドットパターンとして扱う。
例えば、変化させる階調値δg=0.01である場合、階調値g=0.5のドットパターンに基づいて階調値g+δg=0.51のドットパターンと、階調値g−δg=0.49のドットパターンが生成される。そして、次の処理においては階調値0.51のドットパターン及び階調値0.49のドットパターンを初期ドットパターンとして、階調値0.52及び階調値0.48のドットパターンが生成される。以後、同様の処理が繰りかえされ、各階調値に応じたドットパターンが生成されて閾値マトリクスが生成される。
閾値マトリクスは、行列Th(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
以下、初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU11は、初期ドットパターンpinit(x,y)を読み出す(ステップS41)。第一実施形態における初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitは0.5である。ここで、以後用いる階調値gの初期値をginitとする。
第一実施形態では、初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitは0.5であるが、0〜1のどの値であってもよい。初期ドットパターンの生成処理において、0〜1の間の任意の階調値gの初期ドットパターンを生成し、閾値マトリクスの生成処理に用いることができる。
次に、CPU11は閾値マトリクスを生成するためのマトリクスパターンを示す行列q(x,y,g)を設定し、q(x,y,g)に初期ドットパターンpinit(x,y)の値をコピーする(ステップS42)。
次に、CPU11は交換禁止行列ban(x,y)を設定し、ban(x,y)にq(x,y,g)の値をコピーする(ステップS43)。ここで、交換禁止行列banの値は、交換禁止行列BANと同様に機能する。つまり、ban(x,y)=1の場合、ドットの再配置を行うことが許可されていないことを示す。ここで、交換禁止行列ban(x,y)にはq(x,y,g)の値がコピーされるので、ドットが形成される画素(値=1)に対応する交換禁止行列ban(x,y)の値には1が設定されることとなり、初期ドットパターンで既にドットがある画素についてはドットの再配置が禁止され、その画素からドットが削除されることはない。
次に、CPU11は階調値gに対して変化させる階調値変化量δgを加算し、変化させる階調値変化量δgに応じた数のドットをq(x,y,g)に対して追加する(ステップS44)。ドット追加後のドットパターンは新たなq(x,y,g)としてRAM12又はストレージデバイス14に格納される。ドットの追加はq(x、y、g)においてドットが形成されていない位置の中から所定の乱数処理に基づいて行われる。
次に、CPU11は、フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を行う(ステップS45)。ステップS45のフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理は、図4に示すサブフローにおけるパターンp(x,y,g)をq(x,y,g)に、交換禁止行列BAN(x,y)を交換禁止行列ban(x,y)に置き換える点を除いて初期ドットパターンの生成処理におけるステップS5と同様である。
つまり、CPU11は、パターンq(x,y,g)に対して、ステップS12のフーリエ変換の適用、ステップS13のフィルタ処理、ステップS14の逆フーリエ変換の適用、ドットパターン評価値として機能する誤差行列ERR(x,y,g)の算出を行うステップS15の処理、ドット分散性評価値として機能するMSEの算出を行うステップS16の処理、図7に示すドット配置転換処理等の各種処理を施す。
そして、ドット配置転換処理において、CPU11は、各小区画のドットの過不足分即ち均一度を示す評価値として機能する行列AVE(a,b)を算出するステップS33の処理、誤差行列ERR(x,y,g)及び行列AVE(a,b)を用いて新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するステップS35の処理、ドット配置転換を行って新たなドットパターンを生成するステップS36の処理等を行う。
そして、ステップS18において、ドット分散性評価値が所定の条件を満たす、即ち、MSE(n)がMSE(n−1)よりも小さい間は、CPU11はドット配置転換処理を含むフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を繰り返す。
ステップS45に示すフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理後、CPU11は、閾値マトリクスを示す行列Th(x,y)に最適化処理後のq(x,y,g)を加える(ステップS46)。
次に、CPU11は、gが1以上であるか否かを判定する(ステップS47)。gが1以上でない場合(ステップS47:NO)、ステップS43の処理に戻る。
ステップS47において、gが1以上である場合(ステップS47:YES)、階調値gに初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitを代入する(ステップS48)。
次に、CPU11はパターンq(x,y,g)に初期ドットパターンpinit(x,y)の値をコピーする(ステップS49)。
次に、CPU11は交換禁止行列ban(x,y)に(1−q(x,y,g))の値をコピーする(ステップS50)。ここで、交換禁止行列ban(x,y)には(1−q(x,y,g))の値がコピーされるので、ドットが形成されない画素(値=0)に対応する交換禁止行列ban(x,y)の値には1が設定されることとなり、初期ドットパターンでドットがない画素についてはドットの再配置が禁止され、その画素に新たにドットが配置されることはない。
次に、CPU11は階調値gから変化させる階調値変化量δgを減算し、変化させる階調値変化量δgに応じた数のドットをq(x,y,g)から削除する(ステップS51)。ドット削除後のドットパターンは新たなq(x,y,g)としてRAM12又はストレージデバイス14に格納される。ドットの削除はドットを削除する前のq(x、y、g)においてドットが形成されている位置の中から所定の乱数処理に基づいて行われる。
次に、CPU11は、フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を行う(ステップS52)。ステップS52のフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理は、ステップS45の処理と同様である。
ステップS52に示すフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理後、CPU11は、閾値マトリクスTh(x,y)に最適化処理後のq(x,y,g)を加える(ステップS53)。
次に、CPU11は、gが0未満であるか否かを判定する(ステップS54)。gが0未満でない場合(ステップS54:NO)、ステップS50の処理に戻る。
ステップS54において、gが0未満である場合(ステップS54:YES)、CPU11は初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理を終了する。
ステップS44のドットの追加及びステップS51のドットの削除は、所定の乱数処理以外の方法に基づいて行ってもよい。他の方法として、例えば、誤差拡散を用いる方法が挙げられる。このとき、追加又は削除された後のドットパターンのドットの分布が所望のパターンに近いほどフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理及びドット配置転換処理の繰り返しを早く終えることができる。
このように、第一実施形態の閾値マトリクス作成処理の工程は、
所定サイズの画像において所定のドット数を有する第一のドットパターン(初期ドットパターン)に基づいて第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターン(q(x,y,g))を生成する新ドットパターン生成工程(ステップS44、ステップS51)と、
第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程(ステップS45、ステップS52)と、
所望のドット率に基づくドット数のドットパターンを得るまで第三のドットパターンを第一のドットパターンとして新ドットパターン生成工程及び再配置工程を繰り返す繰り返し工程(ステップS43〜S47、ステップS50〜S54)と、を有し、
再配置工程は、
第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンと所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値として機能する誤差行列ERR(x,y,g)を算出するドットパターン評価値算出工程(ステップS12〜S15)と、
ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するドット再配置位置決定工程(ステップS35)と、
ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置に基づいて前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程(ステップS36)と、
再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値として機能するMSE(n)を算出するドット分散性評価値算出工程(ステップS16)と、
再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいてドットパターン評価値算出工程、ドット再配置位置決定工程、再配置パターン生成工程及びドット分散性評価値算出工程を繰り返す再配置繰り返し判定工程(ステップS18)と、
再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された第三のドットパターンを第二のパターン(q(x,y,g))とする工程(ステップS19、S20後のステップS12)と、を有し、
所定の空間フィルタは、所望の空間周波数分布において、少なくとも記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタ(例えば図6に示す空間フィルタ等)である。
なお、第一の実施形態では、実現されるドットパターンの空間周波数分布は入力ドットパターンp(x,y,g)にフーリエ変換を施したP(u,v,g)(ステップS12)に空間フィルタ処理を施した(ステップS13)後の周波数成分P’(u,v,g)を取り除くことで実現できる。
ここでP’(u,v,g)を取り除く処理は、逆フーリエ変換によりパターンp’(x,y,g)をもとめた後(ステップS14)、階調値gとの差をERR(x,y,g)として求め(ステップS15)、そのばらつきをドット配置転換処理(ステップS19)で除去する処理として実現している。
そこで、“所望のパターン”=“低周波成分を除去されているパターン”だとすると、所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差の算出は、入力ドットパターンp(x,y,g)から不要な低周波成分を抽出するためのフィルタ処理(ステップS12〜S14)と、抽出した不要な低周波成分を除去するための誤差行列ERR(x,y,g)の算出(ステップS15)とを経て行われる。
図11に、閾値マトリクスTh(x,y)の一部の一例を示す。図12に、各階調値のドットパターンに応じた0/1の加算による閾値マトリクスの生成メカニズムを例示する。
第一実施形態の閾値マトリクスTh(x,y)は、256×256[画素]に対応する行列として生成され、閾値マトリクスTh(x,y)の値として各画素の閾値が設定されている。各画素の値として設定される閾値マトリクスTh(x,y)の値は、各階調値のドットパターンに応じた0/1の積算によって決定される。
図12に示すように、ある二の階調値に応じたドットパターンを示す0/1の行列値を加算すると、当該二の行列の双方においてドットが形成される「1」の画素は、加算されることによって「2」になる。同様に、二の行列の一方のみにおいてドットが形成される画素は「1」になる。また、当該二の行列の双方においてドットが形成されない「0」の画素は、加算後も「0」である。このように、多くの階調値においてドットが形成される画素ほど、その閾値は積算によって相対的に大きくなり、逆に多くの階調値においてドットが形成されない画素ほど、その閾値は相対的に小さくなる。閾値マトリクスTh(x,y)の各画素に対応する閾値は、このように、各階調値のドットパターンに応じた0/1の積算によって決定された行列値を反転して得られる。
つまり、閾値マトリクスは、積層束縛条件下で作成された各々のドット率に対応したM×N画素(例えば本実施形態の256×256[画素])で構成された各々のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせた後反転することによって生成される。
なお、第一実施形態では変化させる階調値変化量δgを0.01とした例について記載している。マトリクスパターンのサイズは256×256=65,536[画素]であり、階調値0のときドット形成される画素が0[画素]、階調値1のときドット形成される画素が65,536[画素]となる。したがって、変化させる階調値変化量δg=0.01刻みでの各階調値間のドット数の差異は、平均655.36[画素]となる。ここで、画素は整数値である必要があるため、各階調値間のドット数の差異は、655[画素]又は656[画素]となる。各階調値間のドット数の差異が655[画素]又は656[画素]のいずれになるかは任意に決定することができるが、階調値0のときドット形成される画素が0[画素]、階調値1のときドット形成される画素が65,536[画素]となるように調整される。階調値gの範囲や変化させる階調値変化量δgの値、マトリクスパターンのサイズが第一実施形態と異なる場合であっても同様の処理に基づく。
図13に、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された50%ドット率のドットパターンの一例を示す。
図14に、図13で示すドットパターンにおける2次元空間周波数分布を示す。図15の中心はDC成分と、u方向は図13のx方向の周波数成分と、v方向は図13のy方向の周波数成分と対応する。
図14に示すように、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスによる50%ドット率のドットパターンは、空間周波数分布においてu方向に沿う直線であって中心を通る直線に重なる周波数領域(つまりv=0のラインで図14に示す破線の楕円で囲んだ辺りのエリア)の成分が抑制されている。v=0のラインが示す周波数とは、各xの位置において、y方向に所定長さ分の領域に発生するドット数の平均値がxの位置方向にどのように分布しているかを示す部分である。したがって、このラインの周波数成分をほとんど持たないということは、即ち、所定の一方向(y方向)のドット発生数がほぼ均一化されていることを示している。
図15は、図13に示すドットパターンの所定の一方向(y方向)におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)に沿って示したグラフである。x方向は記録素子配列方向に対応し、y方向は搬送方向に対応する。
図15に示すように、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクス生成方法による50%ドット率のドットパターンは、その所定の一方向(y方向)におけるドットの発生確率がほぼ均等になる。このため、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスによるドットパターンをラインヘッドプリンタ等の画像形成装置により媒体へ形成するとき、各記録素子間で記録素子の使用頻度がほぼ均等になる。これによって、従来の空間フィルタ法により生成された閾値マトリクスによるドットパターンに起因して発生していた記録素子の消耗の度合いの大幅なばらつきを抑制することができる。つまり、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。
図13及至図15では、ドット率が0.5(50%ドット率)のドットパターンを例示して説明しているが、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成されるドットパターンのうち少なくともドット率が0.5(50%)に対応したドットパターンは、記録素子配列方向の空間周波数uと、搬送方向に対応する空間周波数vで表されたドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分を二次元フーリエ変換した値をf(u,v)とすると、r=(u+v1/2、かつ、v≠0のとき、f(r,0)< f(u,v)を満たす。
また、図10に記載の閾値マトリクスTh(x,y)の作成フローにおいて、50%ドット率のパターン作成時と同じようにS45やS52で用いる空間フィルタのx方向に沿った成分を除去する空間フィルタを適用することによって、閾値マトリクスが表現可能なドット率においてx方向のドットの発生確率のばらつきを抑制することができる。
以上、第一実施形態によれば、各階調値においてx方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制するローパスフィルタによりフィルタ処理を行うので、y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するドットパターンを生成することができる。このため、各階調値について、Y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するドットパターンによる閾値マトリクスTh(x,y)を生成することができる。つまり、どのような階調値gであってもy方向に沿って設けられた各小区画間でそのドット配置がほぼ均一となる。このように、第一実施形態によれば、所定の一方向(y方向)についてドットの発生確率のばらつきを抑制することができる閾値マトリクスを提供することができる。ただし、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制するローパスフィルタをすべての階調値で適用する必要はなく、必要な階調値のみ上記フィルタを用いる構成であっても良い。
第一実施形態の閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスで生成されたドットパターンは、y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するので、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。しかも、第一実施形態の閾値マトリクス生成方法による閾値マトリクスを用いることで、特許文献3の技術のように画像をノズル列方向にずらす回路を設けた画像形成装置でなくとも使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。さらに、画像をずらす処理にかかる時間の浪費もなくなり、画像形成装置の処理性能を大幅に向上させることができる閾値マトリクスを提供することができる。
また、第一実施形態では、誤差行列ERR(x,y,g)に加えて、さらに、均一度評価値として機能するAVE(a,b)を用いてドット配置転換の対象となる画素を決定している。このように均一度評価値を用いてより閾値マトリクス内のドット分布の均一度を改善することができる。
なお、均一度評価値を用いずとも、ドット配置転換の対象となる画素を決定することはできる。その場合、誤差行列ERR(x,y,g)に基づいてドット配置転換の対象となる画素を決定する。誤差行列ERR(x,y,g)に所定の係数(例えばα等)による補正を加えた結果を用いてもよい。
また、誤差行列ERR(x,y,g)に加えて均一度評価値(例えばAVE(a,b)等)を用いる場合に、前述の各実施形態の説明では、各小区画間のドットの均一性に基づく評価値であるAVE(a,b)に所定の係数αを乗算することにより、ドットパターン内におけるドットの集合及び隙間の解消と各小区画間のドットの均一性の確保とのバランスを取っているが、ドットパターン内におけるドットの集合及び隙間の有無に基づく評価を行う指標であるERR(x,y,g)に係数を掛けてドット配置転換におけるドットパターン内におけるドットの集合及び隙間の解消と各小区画間のドットの均一性の確保とのバランスを取ってもよい。ERR(x,y,g)とAVE(a,b)の双方に係数を掛けるようにしてもよい。つまり、少なくとも一方に対する係数によりドットパターン内におけるドットの集合及び隙間の解消と各小区画間のドットの均一性の確保とのバランスを取ることができれば足りる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第二実施形態では、BIPPSMA(Binary-Pattern-Power-Spectrum Matching Algorithm)を用いて閾値マトリクスを得る。以下、BIPPSMAを用いた閾値マトリクスの生成処理にて行うフィルタ処理に基づくパターンの最適化処理及びドット配置転換処理について順に説明する。
まず、第二実施形態におけるフィルタ処理に基づくパターンの最適化処理について、図16のサブフローを用いて説明する。
第二実施形態のステップS13に示すフィルタ処理では、第一実施形態で用いたローパスフィルタとは異なるパターンのフィルタを用いる。
図17に、第二実施形態のフィルタ処理で用いるフィルタの一例を示す。図17に示す空間フィルタの中央はDC成分即ち直流成分に対応し、u方向はx方向に対応し、v方向はy方向に対応する。
第一実施形態では、所望のパターンを実現するために、入力ドットパターン中で所望のパターンでは存在してほしくない成分を残すフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の成分を入力ドットパターンを用いて入力ドットパターン中の存在してほしくない成分を除去することにより所望のパターンを実現した。一方、第二実施形態の空間フィルタは、所望のパターンに対応する空間フィルタを適用し、フィルタ処理後のパターンを理想的パターンとして入力ドットパターンを理想的なパターンに近づける処理を行う。図17に示すフィルタは、通過させる周波数成分を白色(gain=1)で、除去する周波数成分を黒色(gain=0)で示しており、この周波数パターン自身がフィルタ処理自身で実現すべきパターンと対応する。
なお、第二実施形態では、フィルタ処理において、図17に示すフィルタのように、2-Dフィルタのノズル列方向(x方向)に平行な周波数成分を0としたフィルタを適用する。
また、第二実施形態では、第一実施形態のステップS15、S16の処理に代えて、下記のステップS61〜S63の処理を行う。
第二実施形態では、ステップS14の処理後、CPU11が下記の式(3)により、理想パターンg’(u,v,g)からのズレを示す誤差行列ERR2(x,y,g)を算出する(ステップS61)。
誤差行列ERR2(x,y,g)は、理想的なパターンp’(x,y,g)と入力ドットパターンであるp(x,y,g)との誤差に基づくドットパターン評価値として機能する。ただしフィルタ処理後の理想的なパターンであるp’(x,y,g)は入力ドットパターンp(x,y,g)のように0か1かの2値で表現できるパターンではなく、その0と1の間の値を含む数値の分布となっている。
ステップS61の処理後、CPU11は、誤差行列ERR2(x,y,g)から入力ドットパターンp(x,y,g)において、0と1に対応する位置それぞれについて誤差が大きい順に順位をつける(ステップS62)。
ステップS62の処理後、CPU11は、下記の式(4)により、評価値MSE(n)を算出する(ステップS63)。
MSE(n)は、理想的なパターンp’(x,y,g)と入力ドットパターンp(x,y,g)の一致度を表す数値であり、一致度評価値として機能する。
ステップS63の処理後、CPU11は、ステップS17の処理へ移行する。
次に、第二実施形態におけるドット配置転換処理について、図18のサブフローを用いて説明する。
第二実施形態では、第一実施形態のステップS33〜S39の処理に代えて、下記のステップS64の処理を行う。
第二実施形態では、ステップS32の処理後、CPU11は、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中で誤差行列ERR2(x,y,g)の値が小さい方からSWAPNUM個の画素と、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中で誤差行列ERR2(x,y,g)の値が大きい方からSWAPNUM個の画素のドット配置を入れ替える(ステップS64)。
ステップS64の処理後、CPU11はドット配置転換処理を終了する。
以上、第二実施形態について記載した内容以外については、第二実施形態の構成及び処理内容は第一実施形態と同様である。
第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第一実施形態と同様、所望のパターンを実現するために、入力ドットパターン中で所望のパターンでは存在してほしくない成分を残すフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の成分を入力ドットパターンを用いて入力ドットパターン中の存在してほしくない成分を除去することにより所望のパターンを実現する構成で説明をする。構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第三実施形態と第一実施形態との差は、X方向(ノズル列方向)に対応する空間周波数であるu、X方向と略直交するY方向に対応する空間周波数vとしたとき、第一実施形態のフィルタ形状が、v=0の成分(これはつまりu=0,v=0を原点とし、uの正方向を0°としたときの角度成分が0°、180°成分)をそのほかの角度成分に比べて抑制するように設計されているのに対して、第三実施形態では0°、180°成分に加えてさらに、その周辺の角度方向の周波数成分も、それ以外の角度領域の周波数成分に比べて抑制されるように設計されている点である。この角度領域を数式で表すと、0°±γ、180°±γの領域(ただしγは所定の角度)となる。
図19に、所定の角度γの値と、所定の周波数領域が直流成分及びx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られたドットパターンの一例と、各ドットパターンの空間周波数分布との対応関係を示す
図19に示すように、所定の周波数領域が直流成分(空間周波数分布の中心)を含むx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行い、その成分を除去することによって、各ドットパターンの空間周波数分布は、所定の角度γに応じた範囲の周波数成分が抑制されている。なお、図19ではγ=±6度[°]の空間周波数分布のみ角度の符号を付しているが、他の空間周波数分布についても同様である。
所定の周波数領域が直流成分を含むx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行い、その成分を入力ドットパターンから除去することで、ラインヘッドプリンタの各記録素子の取り付け位置のずれに起因する低周波領域成分をより好適に抑制し、ドットパターンのノイズ感を低減させることができる。
図20に、所定の角度γの値と、所定の周波数領域が直流成分を含みx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られたドットパターンについて、実際の着弾状況を想定したドット径及びドットの位置ずれを考慮したパターンと、そのパターンの空間周波数分布との対応関係を示す。図20のパターンにおける想定では、射出角度ズレの標準偏差σ=0.15度、ヘッド-メディア間ギャップ0.7[mm]、メディア上のドット径35[μm]、印画解像度1440×1440dpi即ちドット間隔17[μm]の条件に基づいて生成されているが、当該条件に限るものではない。
なお、図20の各ドットパターンは、ワンパス印画を想定した位置ずれ発生規則に基づく位置ずれを適用されている。ワンパス印画とは、プリントヘッダHが、プリントヘッドHの記録素子に沿った方向(例えばx方向)のドットパターンの画素数に応じた記録素子を有し、媒体の搬送方向(例えばy方向)に沿った各ドット列を各記録素子が独立して形成する印画方法である。以下、図21、図22(A)、(B)及び図23を用いてワンパス印画を想定した位置ずれ発生規則を説明する。
図21に、記録素子(ノズルN)の射出角度のずれのイメージ図を示す。
図22に、ドットの位置ずれの有無によるドットパターンの相違のイメージ図を示す。図22(A)は、ドットの位置ずれがない場合のドットパターンの一例を示し、図22(B)は、ドットの位置ずれがある場合のドットパターンの一例を示す。
図23に、射出角度誤差を算出するための正規分布を示す。
図21に示すように、プリントヘッドHのノズルNの加工状況によって、ドットを形成する色剤(インク等)の射出角度にずれが生じる。当該ずれは、図22(B)に示すように、ドットの位置ずれを生じさせる。本来、図22(A)に示すように、ドットの位置ずれはないことが理想的であるが、ノズルNの取り付け角度のずれを皆無とすることは困難である。これらの事情を考慮し、図20に示す例では、図23に示す正規分布に基づいて、ノズルNの加工状況により生じる射出角度の誤差を算出し、算出された誤差に基づいたドットの位置ずれを加味したドットパターンを示している。図23に示すf(x,y)は射出角度ずれの出現頻度分布を示す。このような着弾位置のずれは吐出角度ずれ以外にもヘッドの取り付け角度によっても生じる可能性がある。
図20に示す実際の着弾状況を想定したパターンの各空間周波数分布は、図19に示す実際の着弾状況を想定する前のパターンの各空間周波数分布に比して周波数成分の分布が広範に散逸している。これは、ドットパターンがドットの位置ずれを含んだことと、ドットパターンを構成する各ドットが存在する範囲の径が大きくなったことによる。
図24に、ドットパターンを構成する各ドットの径の大小と空間周波数分布との対応関係の一例を示す。
図24に示すように、ドットパターンを構成する各ドットの径が大きくなると、空間周波数分布においてドットの並び方向に沿った縦横の白いスジが生じる。当該スジによって示される周波数成分は、ドットの周辺空間の周波数成分であり、ドットの径の大きさに応じて顕著となる。
つまり、ドット径を大きくすることは、空間周波数においてドットを点として表していたときの空間周波数分布における成分の周辺成分を増大させることを意味する。
このようなドットの周辺空間の周波数成分の増大に対して、所定の周波数領域が直流成分を含みx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行うことにより、図20のγ=±6度に対応するドットパターンの空間周波数分布で示すように、x方向に沿った方向に対応する周波数成分を好適に抑制することができる。これは、上記フィルタによって、あらかじめ直流成分を含むx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を抑制するようにすることで、ドット径の増大によって周波数成分の分布が広範に散逸しても、抑制している所定の角度γを有する範囲を覆うほどの散逸は生じないことによる。図22(B)で想定している着弾位置ズレによる周波数変化はノズル列方向(x軸方向)に対応する周波数成分u軸方向に現れる。したがって、図20においてγ=0度の場合よりもよりその周辺の周波数成分が抑制されているγ=±6度の方が着弾ズレによって生じるu軸に沿った周波数成分が付加されても着弾ズレによる視覚的視覚的な影響度の変化が小さい。
図25に、二種類のドットパターンのノイズ感の測定結果の一例を示す。ここでノイズ感とは人がざらついていると感じる指標で、この数値が小さければ小さいほどざらつき低減されているといえる。図25に示すサンプル1は、γ=±6度のフィルタによるフィルタ処理を経ているドット率50%のドットパターンのノイズ感を、サンプル2はγ=0度のフィルタによるフィルタ処理を経ているドット率50%のドットパターンのノイズ感を示す。
ドットパターンに現れるスジ感の程度は、例えば垂直方向即ちノズル列方向(x方向)と水平方向即ち媒体の搬送方向(y方向)との比で表すことができる。垂直方向と水平方向のノイズ指数が大きく異なる場合、(つまりノイズ成分の方向性が大きい場合)、そのノイズ指数を示すパターンにはスジが認知される。図25に示すように、当該比はサンプル1の場合に約1.1、サンプル2の場合に約1.4となる。当該比が1の場合に最もスジ感が低減されるので、図25に示すように、γ=±6度のローパスフィルタによるフィルタ処理は、ドットの位置ずれによるスジ感を抑制させるといえる。
ドットパターンの空間周波数分布において、u軸方向を中心とした所定角度成分γの領域をその他の領域に比べて抑制する作用について、ドットパターンでは次のような傾向が生じる。
図26(A)、(B)は、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(A)は、所定の角度γが0度と6度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(B)は、所定の角度γが0度と1度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(A)、(B)に示すグラフは、256×256[画素]のドット率75%のドットパターンのうち、y方向に32画素分だけ切り出した256×32[画素]のドットパターンにおけるドットの発生確率を示す。
図26(A)、(B)に示すように、所定の角度γが6度や1度の場合は、所定の角度γが0度の場合に比してy方向についてより狭い範囲(例えば32[画素])でドットの発生確率が均一化される。なぜならば、周波数空間において0±γ度方向の成分を抑制することは、ドットパターンにおいてはy軸方向±γ方向のドット発生確率を均一化させることを指す。したがってドットパターンにおいてy軸方向±γ度のすべての方向でドット発生確率を均一化させるパターンは、結果的にy方向により狭い範囲でのドット発生確率を均一化させる。
図27(A)、(B)及び図28(A)、(B)は、γの角度とRAPSDとの関係の一例を示すグラフである。図27(A)は、γ=6度、γ=10度のときのRAPSDを示す。図27(B)は、図27(A)で示すグラフのうち、0.0〜0.1[cycle/pixel]の部分を拡大した拡大図である。
図27(A)、(B)のグラフからわかるように、階調値g=0.5のときにγを6度よりも大きくすることによりRAPSDの低周波成分の増加、つまりドットパターンの崩れが見られる。この変化はγが所定の角度を上回ると急激に生じ、当該所定の角度は階調値gの値に応じて変化する。本実験結果ではg=0.5のとき所定の角度γが6度を上回るとドットパターンが崩れてしまうので、所定の角度γは0度以上6度以下の範囲で設定されることが好ましい。
また、ドットの配置の自由度は階調値gが0.5である場合に最も大きくなり、階調値gが0.5から離れるほど小さくなる。より狭いy方向の範囲でドットパターンを崩さず、かつ、ドットの発生確率を均一化させるには、ドットの配置の自由度が大きいことが好ましい。
つまり、第三実施形態の閾値マトリクス生成方法によって得られるドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、記録素子配列方向の空間周波数uと、搬送方向に対応する空間周波数vで表された前記ドットパターンの2次元周波数空間(r,θ)(ただし、r=(u+v1/2、θ=180°/π×arctan(v/u))におけるパワースペクトル密度の周波数成分をg(r,θ)とすると、−6°≦θA≦+6°および、180°−6°≦θA≦180°+6°、+6°<θB<180°−6°および、 180°+6°<θB<360°−6°を各々満たすθA、θBにおいて、g(r,θA)< g(r,θB)(ただし、r>0)を満たす。
図28(A)は、g=0.25のとき、γ=3度とγ=6度のときのRAPSDを示す。図28(B)は、図28(A)で示すグラフのうち、0.0〜0.1[cycle/pixel]の部分を拡大した拡大図である。
例えば、図28(A)、(B)に示すように、g=0.5のときは許容値だったγ=6度は、g=0.25の時にはもはや許容されない角度値となってしまう。このため、ドット配置の自由度が大きい階調値g=0.5、即ちドットパターンに含まれるドット数が当該ドットパターンの画素数の半分であるときに所定の角度γを大きくし、階調値g=0.5との差に応じて所定の角度γを小さくすることで、階調値に応じてより狭い範囲でドットの発生確率を均一化しつつ、崩れを生じないドットパターンを生成することができる。
以上、第三実施形態について記載した内容以外については、第三実施形態の構成及び処理内容は第一実施形態と同様である。
第三実施形態によれば、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を抑制するローパスフィルタの所定の周波数領域が、直流成分及びx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むことにより、ドットの位置ずれによる周波数成分が追加されても、ドットパターンの空間周波数の低周波数領域成分を好適に抑止することができ、ドットの位置ずれによるスジ感を抑制することができる。また、ドットパターンにおいて、y方向により狭い範囲におけるドットの発生確率を均一化することができる。もちろんこの処理を第二実施形態に即した形に変形することも可能である。具体的には第二実施形態において図17はv=0の成分を0としていたところを、v=0を含む所定の角度成分γを有する範囲で透過フィルタのgain値を他の角度成分に含めて小さく設定しておけばよい。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第四実施形態のフィルタ処理で用いられる空間フィルタは、第一実施形態と同様、所望のドットパターンの空間周波数分布において、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を抑制するローパスフィルタであるが、第四実施形態の空間フィルタの所定の周波数領域はさらに、y方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含む。
図29に、y方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を経て得られた256×256[画素]のドットパターンの一例と、各ドットパターンの空間周波数分布との対応関係を示す。
図29のパターン(a)は、第一実施形態と同様、その空間周波数分布においてv=0の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図29のパターン(b)は、その空間周波数分布において-1/256[cycle/pixel]≦v≦1/256[cycle/pixel]の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図29のパターン(c)は、その空間周波数分布において-2/256[cycle/pixel]≦v≦2/256[cycle/pixel]の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図30は、図29に示す空間周波数分布のうち、パターン(c)の空間周波数分布の拡大図である。
図29(a)、(b)、(c)、のように除去する領域を広げることによって、第三実施形態のようによりy方向により狭い範囲でのドット発生確率を均一化させることができる。つまり、図29(b)のドットパターンに比して図29(c)のドットパターンはy方向により狭い範囲でのドット発生確率を均一化させることができる。また、第四実施形態においては、0<β≦2/256[cycle/pixel]と設定することによりノイズのない良好なドットパターンが得られた。
パターン(b)、パターン(c)におけるv方向の幅と、y方向のドット発生確率を均一化される領域の大きさとの関係は256×256[画素]のドットパターンにおける一例であり、ドットパターンの大きさにより変化する。ドットパターンの大きさや、y方向のドット発生確率を均一化したい領域の大きさに応じて、x方向に沿った方向に対応する周波数を中心としたv方向の画素幅を適宜変更してもよい。
図29(a)、(b)、(c)、に示すような空間フィルタによって成分を抑制する場合、ドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンにおいて、記録素子配列方向の空間周波数uと、搬送方向に対応する空間周波数vで表されたドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分値をf(u,v)とすると、−β≦s≦β、かつ、t<−βまたはt>+βのとき、f(u,s)< f(u,t)を満たすように、空間フィルタによって成分を抑制する。このようにβの値を設定することで、y方向により狭い範囲でのドット発生確率を良好に均一化させることができる。これを満たすβの値は、0<β≦7/256[cycle/pixel]であるが、第四実施形態の図29、図30では、0<β≦2/256[cycle/pixel]の場合について例示している。図30に示す2βは、−β〜βの範囲を示す。
以上、第四実施形態について記載した内容以外については、第四実施形態の構成及び処理内容は第一実施形態と同様である。
第四実施形態によれば、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を抑制するローパスフィルタの所定の周波数領域が、y方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むことにより、第三実施形態と同様、ドットの位置ずれによる周波数成分が追加されても、ドットパターンの空間周波数の低周波数領域成分を好適に抑止することができ、ドットの位置ずれによるスジ感を抑制することができる。また、ドットパターンにおいて、y方向により狭い範囲におけるドットの発生確率を均一化することができる。
(量子化装置)
次に、前述の閾値マトリクス生成装置又は/及び閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスを用いて量子化を行う量子化装置200について説明する。量子化装置200は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して略直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する際、記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる量子化装置である。
図31に、量子化装置200の構成をブロック図で示す。
量子化装置200は、入力部201、記憶部202、比較部203及び出力部204を有する。量子化装置200は、直交する二方向に配列された複数の画素列からなるドットパターンを用紙に対して形成する画像形成装置(図示略)に設けられ、画像形成装置に入力される画像データを量子化して出力する。
入力部201は、量子化処理を施す対象となる画像データを比較部203へ入力する。
記憶部202は、量子化画像としてのドットパターンを形成するための閾値マトリクスを記憶する。記憶部202が記憶する閾値マトリクスは、前述の閾値マトリクス生成方法を用いて生成された閾値マトリクスであり、量子化された画像データのドットパターンの空間周波数分布において、少なくともx方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する閾値マトリクスである。例えば、記憶部202が記憶する閾値マトリクスとして、第一〜第四実施形態の閾値マトリクス生成方法によって生成された閾値マトリクスを用いることができる。
比較部203は、入力部201を介して入力された画像データの画素値と記憶部202に記憶された閾値マトリクスの閾値とを比較する。
出力部204は、比較部の比較結果に基づいて量子化画像データを生成出力する。
図31に示す量子化装置200は2値のハーフトーン処理に用いる量子化装置であるが、本発明の量子化装置は、2値処理用の閾値マトリクスを用いて多値の量子化画像を得る量子化装置にも適用可能である。
また、量子化装置200の各構成をコンピュータによるソフトウェア処理により実現してもよい。
また、量子化装置200が用いる閾値マトリクスは、第四実施形態の閾値マトリクス生成方法によって生成された閾値マトリクスに限らず、第一〜第三実施形態のいずれかにより生成された閾値マトリクスでもよい。
量子化装置200によれば、y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するドットパターンを生成することができる。このため、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。さらに、画像をずらす処理にかかる時間の浪費もなくなり、画像形成装置の処理性能を大幅に向上させることができる。
(画像形成装置)
次に、上述の量子化装置200を有する画像形成装置300について説明する。画像形成装置300は、原画を構成する各画素におけるm(m≧3の整数)値の階調データを入力画像データとし、当該入力画像データに基づいてn値(m>nを満たす整数)の階調を有する出力画像データを生成し、該出力画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する画像形成装置である。本実施形態の画像形成装置300の出力画像データは、量子化装置200が出力する量子化画像データである。
図32に、画像形成装置300の構成を示す。
図33に、量子化された画像を用紙Pに形成するイメージ図を示す。
図32に示すように、画像形成装置300は、量子化装置200、画像形成部301、搬送部302及び動作制御部303を有する。
画像形成部301は、量子化装置200から出力された量子化画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する。画像形成部301は、例えば図27に示すようなラインヘッドプリンタのプリントヘッドHを有する。
搬送部302は、例えば図27に示すような搬送ベルトBを有し、画像形成部301が有するプリントヘッドHの記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する。
動作制御部303は、画像形成装置300の各部の動作を制御する。
画像形成装置300は、画像形成部301のプリントヘッドHの記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する。
本実施形態の画像形成装置300によれば、y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するドットパターンによる画像形成を行うことができる。このため、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。さらに、画像をずらす処理にかかる時間の浪費もなくなり、画像形成装置の処理性能を大幅に向上させることができる。
本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
前述の各実施形態ではコンピュータによるソフトウェア処理によって閾値マトリクスの生成処理を行っているが、専用の装置により行ってもよい。
また、閾値マトリクスの生成処理を行うコンピュータは、閾値マトリクスの生成処理以外の処理を行うこともできる。例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにより閾値マトリクスを生成してもよいし、MFP(Multifunction Peripheral)等の機器が備えているCPU等が行う一処理として閾値マトリクスの生成処理を行うようにしてもよい。
また、ドット分散性評価値にMSE以外を用いてもよい。例えば、RAPSDに視覚感度曲線を掛け合わせ、周波数で積分したノイズ値を算出し、そのノイズ値が所定条件を満たす(例えば所定値未満となる等)場合にドットの配置交換を終了させるようにしてもよい。
また、本発明の適用範囲は、ワンパス印画に限らない。例えば、ノズル列方向に沿ったドットパターンの画素幅に満たない記録素子を有するプリントヘッドHを用いてドットパターンを形成するに際して、ノズル列方向に沿ったドットパターンの画素幅を複数の領域に分解し、プリントヘッドH又は媒体をノズル列方向に沿って移動させて複数に分解された各領域を形成するマイクロウィーブ方式の印画方法に対しても本発明を適用することができる。
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 ストレージデバイス

Claims (14)

  1. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成する新ドットパターン生成工程と、
    前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程と、
    所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記新ドットパターン生成工程及び前記再配置工程を繰り返す繰り返し工程と、を有し、
    前記再配置工程は、
    前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列EER(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出するドットパターン評価値算出工程と、
    前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定するドット再配置位置決定工程と、
    前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程と、
    再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出するドット分散性評価値算出工程と、
    再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値算出工程、前記ドット再配置位置決定工程、前記再配置パターン生成工程及び前記ドット分散性評価値算出工程を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返す否かを判定する再配置繰り返し判定工程と、前記再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとする工程と、を有し、
    前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
    ここで、gは階調値、xは記録素子配列方向の画素の座標、yは記録メディアの搬送方向の画素の座標、p’(x,y,g)は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
    ここで、nはドット再配置の繰り返し回数、ERR(x,y,g)におけるp’(x,y,g)は、前記第三のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
  2. 前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、少なくとも低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法。
  3. 前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであり、当該空間周波数フィルタを前記第三のドットパターンに対して適用して全周波数成分に対して積分することを特徴とする請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法。
  4. 前記所定の周波数領域は、直流成分及び前記記録素子配列方向に沿った方向に対して所定の角度を有する範囲に含まれる周波数成分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
  5. 前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数によって異なることを特徴とする請求項4に記載の閾値マトリクス生成方法。
  6. 前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数が当該ドットパターンの画素数の半分であるときに最大となることを特徴とする請求項5に記載の閾値マトリクス生成方法。
  7. 前記所定の角度は、0度以上6度以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
  8. 前記所定の周波数領域は、前記搬送方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
  9. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
    所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成し、前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得、所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記第二のドットパターンの生成及び前記第三のドットパターンを得る処理を繰り返す制御部を有し、
    前記第三のドットパターンを得る処理において、前記制御部は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列ERR(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出し、前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定し、前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置し、再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出し、再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値の算出、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置の決定、前記第三のドットパターンのドットの再配置及び前記ドット分散性評価値の算出を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返すか否かを判定し、繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとし、
    前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
    ここで、gは階調値、xは記録素子配列方向の画素の座標、yは記録メディアの搬送方向の画素の座標、p’(x,y,g)は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
    ここで、nはドット再配置の繰り返し回数、ERR(x,y,g)におけるp’(x,y,g)は、前記第三のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して逆フーリエ変換を適用して算出された実空間パターンである。
  10. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
    前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
    前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
    前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
    前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、r=(u+v1/2、かつ、v≠0であるときf(r,0)<f(u,v)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。
  11. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
    前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
    前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
    前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
    前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間(r,θ)におけるパワースペクトル密度の周波数成分をg(r,θ)とし、r=(u+v1/2、かつ、θ=180/π×arctan(v/u)であって、−6°≦θ≦+6°及び180°−6°≦θ≦180°+6°を満たすθをθAと表し、+6°<θ<180°−6°及び180°+6°<θ<360°−6°を満たすθをθBと表し、r>0である場合、g(r,θA)<g(r,θB)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。
  12. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
    前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
    前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
    前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
    前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、−7/256≦s≦7/256、かつ、t<−7/256又はt>7/256のときf(u,s)< f(u,t)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。
  13. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化する量子化装置であって、
    請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の閾値マトリクスを記憶する記憶部と、
    前記入力画像データの画素値と前記憶部に記憶された閾値マトリクスの閾値とを比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づいて前記出力画像データを生成して出力する出力部とを有することを特徴とする量子化装置。
  14. 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置であって、
    請求項13記載の量子化装置と、
    前記量子化装置によって出力された出力画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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