JP5471796B2 - 閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置、閾値マトリクス、量子化装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
ディザ処理において各画素の画素値との比較に用いられる閾値は、所定の画素数に対応するマトリクスデータとして予め用意されている。以下、当該所定の画素数に対応するマトリクスデータを「閾値マトリクス」と記載する。
閾値マトリクスは、一般的に、ディザ処理を施される多階調画像の縦横画素数よりも小さな画素数に対応する。ディザ処理では、ディザ処理を施される多階調画像に対して閾値マトリクスをタイル状に繰り返し適用することで閾値マトリクスよりも大きな画像サイズの多階調画像を量子化する。
図34に示す閾値マトリクス生成処理のイメージ図と、図35に示すフローチャートと、を用いて、Stacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法について説明する。ここでは、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータによるソフトウェア処理で閾値マトリクスを生成する場合を例示する。
次に、CPUは、予め用意された空間フィルタを必要なドット数が追加された入力ドットパターンに対して適用する(ステップS102)。次に、CPUは、空間フィルタを適用されたドットパターンを参照し、入力ドットパターン101に追加されたドット位置の再配置を行う(ステップS103)。そして、CPUは、ステップS103による追加ドットの再配置前後の各パターンの評価値をそれぞれ算出し、算出された二の評価値を比較し(ステップS104)、再配置後のドットパターンの評価値が再配置前のドットパターンの評価値以上であるか否かを判定する(ステップ105)。つまり、CPUは、ステップS104で算出した評価値がドットの再配置によって減少しなかったかどうかを判定する。再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値以上である場合(ステップS105:YES)、ステップS103で最後の再配置を行う直前の出力ドットパターン103に基づいて入力ドットパターン101の次の階調値のドットパターン102を作成し(ステップS106)、処理を終了する。ステップS105において、再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値未満の場合(ステップS105:NO)、ステップS102の処理に戻る。この処理を繰り返すことで各ドット率でのドットパターンを作成し閾値マトリクスを得る。
以下、図34及び図35を用いて説明したStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法を「空間フィルタ法」と記載する。
図37は、図36に示すドットパターンの所定の一方向(y方向)に並ぶ256[画素]の中で発生したドットの発生数を、当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)に沿って示したグラフである。
図38に、図36のドットパターンの2次元空間周波数分布(2次元ウィナースペクトル)を示す。図38の中心oはDC成分と、u方向は図36のx方向の周波数成分と、v方向は図36のy方向の周波数成分と対応し、図中の黒はその周波数帯の成分を持たないことを意味し、白はその周波数帯の成分を多く含むことを意味する。
図39、図40に示すように、ラインヘッドプリンタにより従来の空間フィルタ法によるドットパターンの形成を行うと、y方向についてドットの発生確率に大きなばらつきがあるために、プリントヘッドHが有する各記録素子間で記録素子の使用頻度が大幅に異なることとなる。このため、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間で大幅にばらつき、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった。
図39、図40に示すようなラインヘッドプリンタの各記録素子は、その取り付け位置のずれに起因するドットの着弾位置ずれを生じさせる。ラインヘッドプリンタの各記録素子の取り付け位置のずれは、ラインヘッドプリンタの製造工程上生じるものであり、ずれを完全になくすことは困難である。
このようなラインヘッドプリンタの特徴があるため、例えば一面の単一濃度領域を印刷する場合等においてドットの着弾位置ずれの大きいノズルが使用頻度の高い画素位置に対応してしまうと、ドットの着弾位置ずれに起因するスジムラが画像に現れやすくなる。スジムラは画像の見栄えを悪くし、画像形成の品質を低下させる。
まず、本発明の第一実施形態について説明する。
図1に、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法を用いた処理を行う閾値マトリクス生成装置1の構成を示す。閾値マトリクス生成装置1は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して略直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する際、記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する。
閾値マトリクス生成装置1は、CPU11、RAM12、ROM13及びストレージデバイス14を備える。CPU11、RAM12、ROM13及びストレージデバイス14は、バス15によって接続される。
RAM12は、CPU11が読み出したプログラムやデータ、またCPU11が行った処理によって生じた一時的なパラメータ等を記憶する記憶装置である。
ROM13は、CPU11が読み出すプログラムやデータ等を書き換え不可能な状態で記憶する記憶装置である。
ストレージデバイス14は、CPU11が読み出すプログラムやデータ、またCPU11が行った処理によって生じたデータ等を書き換え可能な状態で記憶する記憶装置である。ストレージデバイス14は、複数回又は予め定められた所定回数のみ書き換え可能な媒体及び当該媒体にデータを書き込む装置等に置き換えてもよいし、ネットワーク等の接続を介して外部の記憶装置や媒体との間でデータを送受信するようにしてもよい。
まず、CPU11は閾値マトリクスのサイズを決定する(ステップS1)。第一実施形態では、直交する二方向(X方向及びY方向)について、X方向に256画素、Y方向に256画素を並べた方形状のマトリクスサイズである256×256[画素]を、決定された閾値マトリクスのサイズとして用いる。X方向は記録素子配列方向に対応し、Y方向は搬送方向に対応する。閾値マトリクスのサイズは、256×256[画素]に限らず、任意のM×N[画素] (M、Nは自然数)を設定することができる。M、N は、64以上であることが望ましい。MとNは同一の自然数であってもよいし、異なる自然数であってもよい。
図3に、小区画によって区切られた閾値マトリクスの一例をイメージ図で示す。図3に示すように、256×256[画素]の閾値マトリクスは、16個の小区画(64×64[画素])に区切られる。小区画のサイズは、64×64[画素] に限らず、閾値マトリクスのサイズであるM×N[画素]より小さい任意のサイズを設定することができる。
フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理について、図4のサブフローを用いて説明する。
次に、CPU11は、ドットパターンp(x,y,g)に対してフーリエ変換を適用した空間周波数パターンP(u,v,g)を算出する(ステップS12)。u,vはそれぞれX方向、Y方向の周波数空間を示す。
フィルタ処理は、パターンP(u,v,g)に対して、所定の空間フィルタを掛けあわせることにより、パターンP’(u,v,g)を算出する。(図5中のフィルタ処理前のRAPSDがP(u,v,g)のRAPSDと対応しており、フィルタ処理後のRAPSDがP’(u,v,g)のRAPSDと対応している。)
図5の概念図では、適用するフィルタ形状の方向依存性が記述できていないが、実際にステップS13で行われているフィルタ処理では、円対称のフィルタではなく方向依存性を持たせたフィルタを用いる。
図6に示すように、ステップS13のフィルタ処理で用いられる空間フィルタは、所望のドットパターンの空間周波数分布において、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制するローパスフィルタである。具体的には、図6の空間フィルタは、v=0のときにgain=1であり、所定の周波数領域は、図6に示す中央oのDC成分を通過するu方向に沿った白色の直線としてあらわされる。つまり、図6に示す空間フィルタは、v=0の周波数成分をv=0でない周波数成分に比べて抑制する。
図6に示す空間フィルタによるフィルタ処理を施されたパターンP’(u,v,g)の空間周波数分布は、図5におけるフィルタ処理後のRAPSDのグラフのように、フィルタを通過した成分だけが残る。なお、以下の説明において、uの軸方向を0度方向、vの軸方向を90度方向とした角度成分とする。
ドット配置転換処理について、図7のサブフローを用いて説明する。
次に、CPU11は交換禁止行列BAN(x,y)を設定し、その値としてBANinit(x,y)の値をコピーする(ステップS32)。
図8に、行列AVE(a,b)の値の一例を各小区画に当てはめたイメージ図を示す。
行列AVE(a,b)の値は、各小区画に形成されるドットが全て均等である場合に発生すべき各小区画のドット数に対する各小区画のドット数の過不足分を示す。
例えば、階調値g=0.5のマトリクスパターンの場合、各小区画に形成されるドットが全て均等である場合に発生すべき各小区画のドット数は、2048個(64×64×0.5=2048)となる。行列AVE(a,b)の値は、例えば図8に示すように、各小区画のドット数の過不足分を示す。このように、行列AVE(a,b)の値は、各小区画のドット数の均一度を示す均一度評価値として機能する。
また、BAN(x,y)=0を満たすということは、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていることを示す。対して、BAN(x,y)=1の場合、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていないことを示す。
また、ERR(x,y,g)が最小であるということは、その画素を含む周辺位置にドットが形成されない隙間(void)があることを示す。対して、ERR(x,y,g)が最大であるということは、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。第一実施形態では、ERR(x,y,g)の大小に加えて、各小区画のドット数の過不足分を示す値AVE(a,b)に所定の係数α(α>0)をかけた値の加算による補正を行っている。各小区画のドット数の過不足分を示す値AVE(a,b)に所定の係数α(α>0)をかけた値であるαAVE(a,b)は、その小区画のドット数が平均を上回る場合(AVE(a,b)>0)、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)を大きくするように働く。一方、その小区画のドット数が平均を下回る場合(AVE(a,b)<0)、αAVE(a,b)は、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)を小さくするように働く。
一方、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最大となる画素の座標(x2,y2)であるということは、その画素でドットが形成され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。ここで、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)が最大であることから、その画素を含む小区画はドットが平均を上回っている可能性が相対的に高い。
このように、ERR(x,y,g)+αAVE(a,b)による評価を行うことで、局所的なドット配置の均一さとマスク全体におけるドット配置の均一さの両方を加味した評価に基づいてドット再配置を行う画素を決定することができる。
ステップS34において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS34:NO)、CPU11は図4のステップS19及び図7のサブフローにより示すドット配置転換処理を終了する。
ステップS18において、MSE(n)がMSE(n−1)以上である場合(ステップS18:NO)、CPU11は図2のステップS5及び図4のサブフローにより示すフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を終了し、図2に示す初期ドットパターンの作成処理を終了する。初期ドットパターンは、pinit(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
図9の線R2に示すように、ドットの配置転換を一度も行わない状態のRAPSDの値は、乱数パターン(ホワイトノイズパターン)であり半径方向の周波数[cycle/pixel]の各周波数成分はほぼ均一に含まれる。一方、図9の線R1で示す配置転換を行った後のドットパターンのRAPSDは、図5中のフィルタ処理後のRAPSDに対して反転したような空間周波数分布を持つようになる。これは、ドット配置転換処理がドットパターンp(x,y,g)から実空間パターンp’(x,y,g)の成分を除去する処理として機能するためである。図9を使って説明するならば、p(x,y,g)のドットパターンに対応する空間周波数P(u,v,g)(R2に対応)からフィルタ処理後の成分であるP’(u,v,g)の成分(図9に示すマスキングM1)を除去しているとも言える。
閾値マトリクスの生成処理は、積層束縛(Stacking Constraint)条件下で行う。具体的には、初期ドットパターンの階調値gに基づいて、変化させる階調値変化量δgに応じたドットの増減を施す。このとき、階調値変化量δgによって階調値が大きくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドット配置については変更しない。即ち、ドットを増やす場合、元の初期ドットパターンを維持し、かつ、追加のドットを付加する。また、階調値変化量δgによって階調値が小さくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更しない。即ち、ドットを減らす場合、元の初期ドットパターンにおいてドットが形成されない画素についてはドットが形成されないままとし、ドットを削除してドットが形成されない画素を増やす。このようにして、閾値マトリクス生成装置1は、各々のドット率に対応した256×256[画素]で構成された各々のドットパターンを生成する。
例えば、変化させる階調値δg=0.01である場合、階調値g=0.5のドットパターンに基づいて階調値g+δg=0.51のドットパターンと、階調値g−δg=0.49のドットパターンが生成される。そして、次の処理においては階調値0.51のドットパターン及び階調値0.49のドットパターンを初期ドットパターンとして、階調値0.52及び階調値0.48のドットパターンが生成される。以後、同様の処理が繰りかえされ、各階調値に応じたドットパターンが生成されて閾値マトリクスが生成される。
閾値マトリクスは、行列Th(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
第一実施形態では、初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitは0.5であるが、0〜1のどの値であってもよい。初期ドットパターンの生成処理において、0〜1の間の任意の階調値gの初期ドットパターンを生成し、閾値マトリクスの生成処理に用いることができる。
そして、ドット配置転換処理において、CPU11は、各小区画のドットの過不足分即ち均一度を示す評価値として機能する行列AVE(a,b)を算出するステップS33の処理、誤差行列ERR(x,y,g)及び行列AVE(a,b)を用いて新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するステップS35の処理、ドット配置転換を行って新たなドットパターンを生成するステップS36の処理等を行う。
そして、ステップS18において、ドット分散性評価値が所定の条件を満たす、即ち、MSE(n)がMSE(n−1)よりも小さい間は、CPU11はドット配置転換処理を含むフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を繰り返す。
次に、CPU11は、gが1以上であるか否かを判定する(ステップS47)。gが1以上でない場合(ステップS47:NO)、ステップS43の処理に戻る。
次に、CPU11は、gが0未満であるか否かを判定する(ステップS54)。gが0未満でない場合(ステップS54:NO)、ステップS50の処理に戻る。
所定サイズの画像において所定のドット数を有する第一のドットパターン(初期ドットパターン)に基づいて第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターン(q(x,y,g))を生成する新ドットパターン生成工程(ステップS44、ステップS51)と、
第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程(ステップS45、ステップS52)と、
所望のドット率に基づくドット数のドットパターンを得るまで第三のドットパターンを第一のドットパターンとして新ドットパターン生成工程及び再配置工程を繰り返す繰り返し工程(ステップS43〜S47、ステップS50〜S54)と、を有し、
再配置工程は、
第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンと所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値として機能する誤差行列ERR(x,y,g)を算出するドットパターン評価値算出工程(ステップS12〜S15)と、
ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するドット再配置位置決定工程(ステップS35)と、
ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置に基づいて前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程(ステップS36)と、
再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値として機能するMSE(n)を算出するドット分散性評価値算出工程(ステップS16)と、
再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいてドットパターン評価値算出工程、ドット再配置位置決定工程、再配置パターン生成工程及びドット分散性評価値算出工程を繰り返す再配置繰り返し判定工程(ステップS18)と、
再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された第三のドットパターンを第二のパターン(q(x,y,g))とする工程(ステップS19、S20後のステップS12)と、を有し、
所定の空間フィルタは、所望の空間周波数分布において、少なくとも記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタ(例えば図6に示す空間フィルタ等)である。
ここでP’(u,v,g)を取り除く処理は、逆フーリエ変換によりパターンp’(x,y,g)をもとめた後(ステップS14)、階調値gとの差をERR(x,y,g)として求め(ステップS15)、そのばらつきをドット配置転換処理(ステップS19)で除去する処理として実現している。
そこで、“所望のパターン”=“低周波成分を除去されているパターン”だとすると、所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差の算出は、入力ドットパターンp(x,y,g)から不要な低周波成分を抽出するためのフィルタ処理(ステップS12〜S14)と、抽出した不要な低周波成分を除去するための誤差行列ERR(x,y,g)の算出(ステップS15)とを経て行われる。
第一実施形態の閾値マトリクスTh(x,y)は、256×256[画素]に対応する行列として生成され、閾値マトリクスTh(x,y)の値として各画素の閾値が設定されている。各画素の値として設定される閾値マトリクスTh(x,y)の値は、各階調値のドットパターンに応じた0/1の積算によって決定される。
つまり、閾値マトリクスは、積層束縛条件下で作成された各々のドット率に対応したM×N画素(例えば本実施形態の256×256[画素])で構成された各々のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせた後反転することによって生成される。
図14に、図13で示すドットパターンにおける2次元空間周波数分布を示す。図15の中心はDC成分と、u方向は図13のx方向の周波数成分と、v方向は図13のy方向の周波数成分と対応する。
図14に示すように、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスによる50%ドット率のドットパターンは、空間周波数分布においてu方向に沿う直線であって中心を通る直線に重なる周波数領域(つまりv=0のラインで図14に示す破線の楕円で囲んだ辺りのエリア)の成分が抑制されている。v=0のラインが示す周波数とは、各xの位置において、y方向に所定長さ分の領域に発生するドット数の平均値がxの位置方向にどのように分布しているかを示す部分である。したがって、このラインの周波数成分をほとんど持たないということは、即ち、所定の一方向(y方向)のドット発生数がほぼ均一化されていることを示している。
図15に示すように、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクス生成方法による50%ドット率のドットパターンは、その所定の一方向(y方向)におけるドットの発生確率がほぼ均等になる。このため、第一実施形態による閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスによるドットパターンをラインヘッドプリンタ等の画像形成装置により媒体へ形成するとき、各記録素子間で記録素子の使用頻度がほぼ均等になる。これによって、従来の空間フィルタ法により生成された閾値マトリクスによるドットパターンに起因して発生していた記録素子の消耗の度合いの大幅なばらつきを抑制することができる。つまり、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。
第一実施形態の閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスで生成されたドットパターンは、y方向に沿って設けられた各小区画間でほぼ均一なドット配置を有するので、使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。しかも、第一実施形態の閾値マトリクス生成方法による閾値マトリクスを用いることで、特許文献3の技術のように画像をノズル列方向にずらす回路を設けた画像形成装置でなくとも使用頻度の高い一部の記録素子が早期に消耗することによって画像形成装置の故障を生じさせることがあった従来の問題点を解決することができる。加えて、記録素子の消耗の度合いが各記録素子間でばらつくことで生じていたスジムラ等の画像形成品質の低下を抑制することができる。さらに、画像をずらす処理にかかる時間の浪費もなくなり、画像形成装置の処理性能を大幅に向上させることができる閾値マトリクスを提供することができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第二実施形態では、BIPPSMA(Binary-Pattern-Power-Spectrum Matching Algorithm)を用いて閾値マトリクスを得る。以下、BIPPSMAを用いた閾値マトリクスの生成処理にて行うフィルタ処理に基づくパターンの最適化処理及びドット配置転換処理について順に説明する。
第二実施形態のステップS13に示すフィルタ処理では、第一実施形態で用いたローパスフィルタとは異なるパターンのフィルタを用いる。
第一実施形態では、所望のパターンを実現するために、入力ドットパターン中で所望のパターンでは存在してほしくない成分を残すフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の成分を入力ドットパターンを用いて入力ドットパターン中の存在してほしくない成分を除去することにより所望のパターンを実現した。一方、第二実施形態の空間フィルタは、所望のパターンに対応する空間フィルタを適用し、フィルタ処理後のパターンを理想的パターンとして入力ドットパターンを理想的なパターンに近づける処理を行う。図17に示すフィルタは、通過させる周波数成分を白色(gain=1)で、除去する周波数成分を黒色(gain=0)で示しており、この周波数パターン自身がフィルタ処理自身で実現すべきパターンと対応する。
第二実施形態では、ステップS14の処理後、CPU11が下記の式(3)により、理想パターンg’(u,v,g)からのズレを示す誤差行列ERR2(x,y,g)を算出する(ステップS61)。
ステップS63の処理後、CPU11は、ステップS17の処理へ移行する。
第二実施形態では、第一実施形態のステップS33〜S39の処理に代えて、下記のステップS64の処理を行う。
第二実施形態では、ステップS32の処理後、CPU11は、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中で誤差行列ERR2(x,y,g)の値が小さい方からSWAPNUM個の画素と、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中で誤差行列ERR2(x,y,g)の値が大きい方からSWAPNUM個の画素のドット配置を入れ替える(ステップS64)。
ステップS64の処理後、CPU11はドット配置転換処理を終了する。
第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第一実施形態と同様、所望のパターンを実現するために、入力ドットパターン中で所望のパターンでは存在してほしくない成分を残すフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の成分を入力ドットパターンを用いて入力ドットパターン中の存在してほしくない成分を除去することにより所望のパターンを実現する構成で説明をする。構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図19に示すように、所定の周波数領域が直流成分(空間周波数分布の中心)を含むx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行い、その成分を除去することによって、各ドットパターンの空間周波数分布は、所定の角度γに応じた範囲の周波数成分が抑制されている。なお、図19ではγ=±6度[°]の空間周波数分布のみ角度の符号を付しているが、他の空間周波数分布についても同様である。
図21に、記録素子(ノズルN)の射出角度のずれのイメージ図を示す。
図22に、ドットの位置ずれの有無によるドットパターンの相違のイメージ図を示す。図22(A)は、ドットの位置ずれがない場合のドットパターンの一例を示し、図22(B)は、ドットの位置ずれがある場合のドットパターンの一例を示す。
図23に、射出角度誤差を算出するための正規分布を示す。
図24に示すように、ドットパターンを構成する各ドットの径が大きくなると、空間周波数分布においてドットの並び方向に沿った縦横の白いスジが生じる。当該スジによって示される周波数成分は、ドットの周辺空間の周波数成分であり、ドットの径の大きさに応じて顕著となる。
このようなドットの周辺空間の周波数成分の増大に対して、所定の周波数領域が直流成分を含みx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を含むローパスフィルタを用いたフィルタ処理を行うことにより、図20のγ=±6度に対応するドットパターンの空間周波数分布で示すように、x方向に沿った方向に対応する周波数成分を好適に抑制することができる。これは、上記フィルタによって、あらかじめ直流成分を含むx方向に沿った方向に対して所定の角度γを有する範囲に含まれる周波数成分を抑制するようにすることで、ドット径の増大によって周波数成分の分布が広範に散逸しても、抑制している所定の角度γを有する範囲を覆うほどの散逸は生じないことによる。図22(B)で想定している着弾位置ズレによる周波数変化はノズル列方向(x軸方向)に対応する周波数成分u軸方向に現れる。したがって、図20においてγ=0度の場合よりもよりその周辺の周波数成分が抑制されているγ=±6度の方が着弾ズレによって生じるu軸に沿った周波数成分が付加されても着弾ズレによる視覚的視覚的な影響度の変化が小さい。
ドットパターンに現れるスジ感の程度は、例えば垂直方向即ちノズル列方向(x方向)と水平方向即ち媒体の搬送方向(y方向)との比で表すことができる。垂直方向と水平方向のノイズ指数が大きく異なる場合、(つまりノイズ成分の方向性が大きい場合)、そのノイズ指数を示すパターンにはスジが認知される。図25に示すように、当該比はサンプル1の場合に約1.1、サンプル2の場合に約1.4となる。当該比が1の場合に最もスジ感が低減されるので、図25に示すように、γ=±6度のローパスフィルタによるフィルタ処理は、ドットの位置ずれによるスジ感を抑制させるといえる。
図26(A)、(B)は、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(A)は、所定の角度γが0度と6度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(B)は、所定の角度γが0度と1度の場合について、所定の一方向(y方向)32画素におけるドットの発生確率を当該所定の一方向に直交する他方向(x方向)256画素に沿って示したグラフである。図26(A)、(B)に示すグラフは、256×256[画素]のドット率75%のドットパターンのうち、y方向に32画素分だけ切り出した256×32[画素]のドットパターンにおけるドットの発生確率を示す。
図27(A)、(B)のグラフからわかるように、階調値g=0.5のときにγを6度よりも大きくすることによりRAPSDの低周波成分の増加、つまりドットパターンの崩れが見られる。この変化はγが所定の角度を上回ると急激に生じ、当該所定の角度は階調値gの値に応じて変化する。本実験結果ではg=0.5のとき所定の角度γが6度を上回るとドットパターンが崩れてしまうので、所定の角度γは0度以上6度以下の範囲で設定されることが好ましい。
また、ドットの配置の自由度は階調値gが0.5である場合に最も大きくなり、階調値gが0.5から離れるほど小さくなる。より狭いy方向の範囲でドットパターンを崩さず、かつ、ドットの発生確率を均一化させるには、ドットの配置の自由度が大きいことが好ましい。
つまり、第三実施形態の閾値マトリクス生成方法によって得られるドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、記録素子配列方向の空間周波数uと、搬送方向に対応する空間周波数vで表された前記ドットパターンの2次元周波数空間(r,θ)(ただし、r=(u2+v2)1/2、θ=180°/π×arctan(v/u))におけるパワースペクトル密度の周波数成分をg(r,θ)とすると、−6°≦θA≦+6°および、180°−6°≦θA≦180°+6°、+6°<θB<180°−6°および、 180°+6°<θB<360°−6°を各々満たすθA、θBにおいて、g(r,θA)< g(r,θB)(ただし、r>0)を満たす。
例えば、図28(A)、(B)に示すように、g=0.5のときは許容値だったγ=6度は、g=0.25の時にはもはや許容されない角度値となってしまう。このため、ドット配置の自由度が大きい階調値g=0.5、即ちドットパターンに含まれるドット数が当該ドットパターンの画素数の半分であるときに所定の角度γを大きくし、階調値g=0.5との差に応じて所定の角度γを小さくすることで、階調値に応じてより狭い範囲でドットの発生確率を均一化しつつ、崩れを生じないドットパターンを生成することができる。
次に、本発明の第四実施形態について説明する。第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第四実施形態のフィルタ処理で用いられる空間フィルタは、第一実施形態と同様、所望のドットパターンの空間周波数分布において、x方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を抑制するローパスフィルタであるが、第四実施形態の空間フィルタの所定の周波数領域はさらに、y方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含む。
図29のパターン(a)は、第一実施形態と同様、その空間周波数分布においてv=0の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図29のパターン(b)は、その空間周波数分布において-1/256[cycle/pixel]≦v≦1/256[cycle/pixel]の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図29のパターン(c)は、その空間周波数分布において-2/256[cycle/pixel]≦v≦2/256[cycle/pixel]の成分を抑制する空間フィルタを用いたフィルタ処理を経て生成されたドットパターン及び空間周波数分布である。
図30は、図29に示す空間周波数分布のうち、パターン(c)の空間周波数分布の拡大図である。
次に、前述の閾値マトリクス生成装置又は/及び閾値マトリクス生成方法により生成された閾値マトリクスを用いて量子化を行う量子化装置200について説明する。量子化装置200は、記録素子が配列された記録素子配列方向に対して略直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する際、記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる量子化装置である。
図31に、量子化装置200の構成をブロック図で示す。
量子化装置200は、入力部201、記憶部202、比較部203及び出力部204を有する。量子化装置200は、直交する二方向に配列された複数の画素列からなるドットパターンを用紙に対して形成する画像形成装置(図示略)に設けられ、画像形成装置に入力される画像データを量子化して出力する。
記憶部202は、量子化画像としてのドットパターンを形成するための閾値マトリクスを記憶する。記憶部202が記憶する閾値マトリクスは、前述の閾値マトリクス生成方法を用いて生成された閾値マトリクスであり、量子化された画像データのドットパターンの空間周波数分布において、少なくともx方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する閾値マトリクスである。例えば、記憶部202が記憶する閾値マトリクスとして、第一〜第四実施形態の閾値マトリクス生成方法によって生成された閾値マトリクスを用いることができる。
比較部203は、入力部201を介して入力された画像データの画素値と記憶部202に記憶された閾値マトリクスの閾値とを比較する。
出力部204は、比較部の比較結果に基づいて量子化画像データを生成出力する。
また、量子化装置200の各構成をコンピュータによるソフトウェア処理により実現してもよい。
次に、上述の量子化装置200を有する画像形成装置300について説明する。画像形成装置300は、原画を構成する各画素におけるm(m≧3の整数)値の階調データを入力画像データとし、当該入力画像データに基づいてn値(m>nを満たす整数)の階調を有する出力画像データを生成し、該出力画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する画像形成装置である。本実施形態の画像形成装置300の出力画像データは、量子化装置200が出力する量子化画像データである。
図32に、画像形成装置300の構成を示す。
図33に、量子化された画像を用紙Pに形成するイメージ図を示す。
図32に示すように、画像形成装置300は、量子化装置200、画像形成部301、搬送部302及び動作制御部303を有する。
画像形成部301は、量子化装置200から出力された量子化画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する。画像形成部301は、例えば図27に示すようなラインヘッドプリンタのプリントヘッドHを有する。
搬送部302は、例えば図27に示すような搬送ベルトBを有し、画像形成部301が有するプリントヘッドHの記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、記録素子に対して相対的に搬送する。
動作制御部303は、画像形成装置300の各部の動作を制御する。
画像形成装置300は、画像形成部301のプリントヘッドHの記録素子から記録材を記録メディア上に付着させることによって画像を形成する。
また、閾値マトリクスの生成処理を行うコンピュータは、閾値マトリクスの生成処理以外の処理を行うこともできる。例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにより閾値マトリクスを生成してもよいし、MFP(Multifunction Peripheral)等の機器が備えているCPU等が行う一処理として閾値マトリクスの生成処理を行うようにしてもよい。
12 RAM
13 ROM
14 ストレージデバイス
Claims (14)
- 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成する新ドットパターン生成工程と、
前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程と、
所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記新ドットパターン生成工程及び前記再配置工程を繰り返す繰り返し工程と、を有し、
前記再配置工程は、
前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列EER(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出するドットパターン評価値算出工程と、
前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記EER(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定するドット再配置位置決定工程と、
前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程と、
再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出するドット分散性評価値算出工程と、
再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値算出工程、前記ドット再配置位置決定工程、前記再配置パターン生成工程及び前記ドット分散性評価値算出工程を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返す否かを判定する再配置繰り返し判定工程と、前記再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとする工程と、を有し、
前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
- 前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、少なくとも低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記MSE(n)の算出において、前記第三のドットパターンに対して適用される空間フィルタは、低周波成分を通過させる空間周波数フィルタであり、当該空間周波数フィルタを前記第三のドットパターンに対して適用して全周波数成分に対して積分することを特徴とする請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記所定の周波数領域は、直流成分及び前記記録素子配列方向に沿った方向に対して所定の角度を有する範囲に含まれる周波数成分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数によって異なることを特徴とする請求項4に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記所定の角度は、前記ドットパターンに含まれるドット数が当該ドットパターンの画素数の半分であるときに最大となることを特徴とする請求項5に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記所定の角度は、0度以上6度以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 前記所定の周波数領域は、前記搬送方向について所定の画素幅に対応する周波数成分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
- 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
所定サイズの画素領域において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターンを生成し、前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得、所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記第二のドットパターンの生成及び前記第三のドットパターンを得る処理を繰り返す制御部を有し、
前記第三のドットパターンを得る処理において、前記制御部は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を、下記の数式(1)で表わされる誤差行列ERR(x,y,g)を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出し、前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において、ドットが形成されておらず、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最小となる画素を新たにドットを配置する位置に決定し、ドットが形成されていて、かつ、前記ERR(x,y,g)に基づいて算出された値が最大となる画素をドットを削除する位置に決定し、前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置にドットを配置するとともにドットを削除する位置からドットを削除して、前記第三のドットパターンのドットを再配置し、再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を下記の数式(2)で表わされる評価値MSE(n)に基づいて算出し、再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)よりも小さい場合は、前記ドットパターン評価値の算出、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置の決定、前記第三のドットパターンのドットの再配置及び前記ドット分散性評価値の算出を繰り返し、再配置後のMSE(n)が再配置前のMSE(n−1)以上である場合は、繰り返さないようにして、繰り返すか否かを判定し、繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとし、
前記所定の空間フィルタは、前記所望の空間周波数分布において、少なくとも前記記録素子配列方向に沿った方向に対応する周波数を含む所定の周波数領域における周波数成分を、当該所定の周波数領域に含まれない周波数成分に比べて抑制する空間フィルタであることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
- 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、r=(u2+v2)1/2、かつ、v≠0であるときf(r,0)<f(u,v)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。 - 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間(r,θ)におけるパワースペクトル密度の周波数成分をg(r,θ)とし、r=(u2+v2)1/2、かつ、θ=180/π×arctan(v/u)であって、−6°≦θ≦+6°及び180°−6°≦θ≦180°+6°を満たすθをθAと表し、+6°<θ<180°−6°及び180°+6°<θ<360°−6°を満たすθをθBと表し、r>0である場合、g(r,θA)<g(r,θB)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。 - 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化するために用いられる閾値マトリクスであって、
前記閾値マトリクスは、複数のドットパターンを、各々のドットパターンを構成する画素毎に足し合わせることによって生成された閾値マトリクスであって、
前記複数のドットパターンは、それぞれが複数の画素から構成される所定の画素領域において当該画素領域に含まれる全画素に対してドットが形成される画素数の割合を示すドット率に対応した数のドットを有するドットパターンであって、かつ、所定のドット率を有する初期ドットパターンよりもドット率を大きくする場合、初期ドットパターンにあるドット配置については変更せずに追加のドットを付加し、初期ドットパターンよりもドット率を小さくする場合、初期ドットパターンにあるドットが形成されない画素の配置については変更せずにドットを削除してドットが形成されない画素を増やす条件下で作成された0から所定の値までの各々の前記ドット率に対応する各々のドットパターンであり、
前記所定の画素領域は、前記記録素子配列方向及び前記搬送方向に沿って配置された複数の画素を有する画素領域であり、
前記各々のドットパターンのうち少なくともドット率が0.5に対応したドットパターンは、前記記録素子配列方向の空間周波数をuで表し、前記搬送方向に対応する空間周波数をvで表した前記ドットパターンの2次元周波数空間におけるパワースペクトル密度の周波数成分をf(u,v)で表した場合、−7/256≦s≦7/256、かつ、t<−7/256又はt>7/256のときf(u,s)< f(u,t)を満たすことを特徴とする閾値マトリクス。 - 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置において入力画像を量子化する量子化装置であって、
請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の閾値マトリクスを記憶する記憶部と、
前記入力画像データの画素値と前記記憶部に記憶された閾値マトリクスの閾値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて前記出力画像データを生成して出力する出力部とを有することを特徴とする量子化装置。 - 記録素子が配列された記録素子配列方向に対して直交する搬送方向に記録メディアを、前記記録素子に対して相対的に搬送する際に、前記記録素子から記録材を前記記録メディア上に付着させることによって画像を形成する画像形成装置であって、
請求項13記載の量子化装置と、
前記量子化装置によって出力された出力画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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