JP5672839B2 - 量子化装置及び閾値マトリクス生成方法 - Google Patents

量子化装置及び閾値マトリクス生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、量子化装置及び閾値マトリクス生成方法に関する。
多階調画像に基づく画像を用紙等の印刷媒体上に出力形成(印刷)するに際して、多階調画像に対して量子化処理を施して出力画像を得ることが広く行われている。ここでいう「量子化処理」とは、入力画像の階調よりも少ない階調で当該多階調画像と同様の画像を表現するため、入力画像の各画素に応じて出力画像の各画素のドットの形成状態を決定する処理である。
量子化処理の方法として、誤差拡散法とディザ法が知られている。このうち、誤差拡散法は、演算過程が煩雑であり処理時間がかかるという問題点がある。これに対し、ディザ法は入力画像の画素の画素値とその画素に対応した閾値との比較結果に基づいて量子化を行う方法であり、誤差拡散法に比して非常に演算時間が短いという利点がある。
ディザ処理において各画素の画素値との比較に用いられる閾値は、所定の画素数に対応するマトリクスデータとして予め用意されている。以下、当該所定の画素数に対応するマトリクスデータを「閾値マトリクス」と記載する。
閾値マトリクスは、例えば、複数の画素を方形状に配置した画素領域に対応するマトリクスデータであり、そのサイズは「縦の画素数×横の画素数」で表すことができる(例えば特許文献1)。
閾値マトリクスは、一般的に、ディザ処理を施される多階調画像の縦横画素数よりも小さな画素数に対応する。ディザ処理では、ディザ処理を施される多階調画像に対して閾値マトリクスをタイル状に繰り返し適用することで閾値マトリクスよりも大きな画像サイズの多階調画像を量子化する。
ディザ処理に用いる閾値マトリクスを生成する方法として、例えば積層束縛(Stacking Constraint)条件下での閾値マトリクス生成方法が知られている(例えば特許文献2)。
図36に示す閾値マトリクス生成処理のイメージ図と、図37に示すフローチャートと、を用いて、Stacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法について説明する。ここでは、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータによるソフトウェア処理で閾値マトリクスを生成する場合を例示する。
まず、CPUは、図36に示す入力パターン101に対して、次の階調値のドットパターン(図36の出力パターン102)を実現するために必要なドット数を決定し入力ドットパターン101に追加する(ステップS201)。必要なドット数とは、入力パターン101のドット率について次の階調値のパターンのドット率の差に応じて決定される。ドット率とは、パターンの全画素数に対するドットが配置される画素の数の割合である。
次に、CPUは、予め用意された空間フィルタを必要なドット数が追加された入力ドットパターンに対して適用する(ステップS202)。次に、CPUは、空間フィルタを適用されたドットパターンを参照し、入力ドットパターン101に追加されたドット位置の再配置を行う(ステップS203)。そして、CPUは、ステップS203による追加ドットの再配置前後の各パターンの評価値をそれぞれ算出し、算出された二の評価値を比較し(ステップS204)、再配置後のドットパターンの評価値が再配置前のドットパターンの評価値以上であるか否かを判定する(ステップS205)。つまり、CPUは、ステップS204で算出した評価値がドットの再配置によって減少しなかったかどうかを判定する。再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値以上である場合(ステップS205:YES)、ステップS203で最後の再配置を行う直前の出力パターン103に基づいて入力ドットパターン101の次の階調値のドットパターン102を作成し(ステップS206)、処理を終了する。ステップS205において、再配置後のドットパターンの評価値の方が再配置前のドットパターンの評価値未満の場合(ステップS205:NO)、ステップS202の処理に戻る。この処理を繰り返すことで各ドット率でのドットパターンを作成し閾値マトリクスを得る。
図36及び図37を用いた上記の説明では、入力パターン101のドット位置を保持しながら、ドット率が大きい出力パターン102を作成する場合、即ちドットが増える場合を示している。出力パターン102よりもさらにドット率が大きいパターンを生成する場合、出力パターン102を入力パターン101として同様の処理を行う。入力パターン101に対して出力パターン102のドット率が小さい、即ちドットが減る場合、CPUは入力パターン101ですでに配置されているドット位置からドットを削除する画素について同様に処理する。このようなStacking Constraint条件下で得られた各ドット率でのドットパターンを作成するドットパターン作成方法により、一の入力パターンに基づいて様々なドット率のパターンを得ることができる。このようにして作成した各ドット率のドットパターンを用いて閾値マトリクスを作成する。
以下、図36及び図37を用いて説明したStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成方法を「空間フィルタ法」と記載する。
空間フィルタ法によって生成された閾値マトリクスを用いたディザ処理に限らず、ディザ処理では当該処理を施された画像データのドット配置を分散させることが重要であり、そのための様々な方法が開示されている(例えば特許文献3、4、5等)。ドット配置の分散が不十分である場合、ドット配置の偏りによるムラ等の画質低下を生じるためである。
特許第4168033号公報 特許第2622529号公報 特開昭63−308473号公報 特開2000−78405号公報 特開2002−16803号公報
ところで、画像データをインクジェットプリンタで印刷する場合、隣接するドット同士が引き合うように移動することによってドットの位置ずれを生じることがある。
図38(A)、(B)を用いて、隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれについて説明する。
図38(A)に示すように、記録メディア(例えば用紙P)に対して着弾したインク(インクP1)が当該記録メディアに浸透しきっていない状態で、先に着弾したインクP1に隣接するように新たなインク(インクP2)が着弾すると、インクP1とインクP2とが互いに引き寄せられるように移動する。このとき、図38(B)に示すように、後に着弾した新たなインクP2が、インクP1に対してより大きく引き寄せられる。このように、着弾したインク同士が引き合うように移動することによって、各インクが本来浸透すべき位置からずれた位置へ移動する位置ずれを生じる。
隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれは、インクの浸透に時間を要する記録メディア、もしくはまったく浸透をしない記録メディアで生じやすい。インクの浸透に時間を要する記録メディアの一例として、アート紙やコート紙等の印刷本用紙や光沢紙等がある。また、まったく浸透をしない記録メディアの例として、ペットフィルム、ポリ塩化ビニルシート等がある。
隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれは、記録メディアに形成された画像(印刷画像)の粒状感の悪化をもたらす。
図39(A)、図39(B)を用いて、ドットの位置ずれが生じさせる粒状感の悪化について説明する。
図39(A)に示すドット配置を行うことを想定した印刷画像を構成するドットが位置ずれを生じた場合、例えば図39(B)に示す印刷画像となる。図39(B)に示す印刷画像の各ドットは、ドットの位置ずれを生じたことによって複数のドットが連結した楕円状を示す。このため、想定したドット配置の場合に生じる各ドット間の隙間の一部が塗りつぶされ、印刷画像の粒状感が悪化する。
このように、隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれによる粒状感の悪化は、印刷された画像の画質低下をもたらす。従来より知られているドット配置を分散させるための方法では、ドットの位置ずれによる粒状感の悪化を良好に低減させることができなかった。
本発明の課題は、ドットの位置ずれによる粒状感の悪化をより良好に低減させることである。
請求項1に記載の発明は、記録メディアの搬送方向に対し直交する方向に沿って記録メディアの画像形成領域の全幅に亘って配列されたインクを吐出する複数の吐出口を有するプリントヘッドにより、記録メディア上に画像を形成する際に用いる画像データを量子化する量子化装置であって、前記画像データを取得する取得部と、所定の画素領域を構成する各画素についてドット形成を行うか否かを判定するための第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向にマトリクス状に配置された複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶部と、取得した前記画像データ及び前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化処理部と、を備え、前記閾値マトリクスは、前記所定の画素領域を構成する全画素数に対するドット数が階調値に応じて各々異なる複数のドットパターンで構成されると共に、前記複数のドットパターンは、相対的に全画素数に対するドット数が多いドットパターンが、相対的に当該ドットパターンよりも全画素数に対するドット数が少ないドットパターンで配置されたドットの位置に配置された全てのドットを含んで構成される条件を満足し、且つ前記複数のドットパターンの中には、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置で構成されるドットパターンを有し、前記量子化処理部は、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記閾値マトリクスを適用して前記画像データの量子化を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の量子化装置であって、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置で構成される前記ドットパターンは、階調値が第1の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが該当する事を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の量子化装置であって、前記複数のドットパターンの中には、階調値が前記第1の階調値範囲内とは異なる第2の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向及び前記第二方向にのみ形成されるドット配置である複数のドットパターンを更に有する事を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の量子化装置であって、前記複数のドットパターンの中には、前記第1及び第2の階調値範囲とは異なる第3の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが、ドットが配置される画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向又は前記第二方向にのみ形成されるドット配置である複数のドットパターンを更に有する事を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の量子化装置であって、前記第1の階調値範囲は、量子化される画像データの高濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の量子化装置であって、前記第2の階調値範囲は、量子化される画像データの中濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の量子化装置であって、前記第3の階調値範囲は、量子化される画像データの低濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
請求項8に記載の発明は、記録メディアの搬送方向に対し直交する方向に沿って記録メディアの画像形成領域の全幅に亘って配列されたインクを吐出する複数の吐出口を有するプリントヘッドにより、記録メディア上に画像を形成する際に用いる画像データを量子化するために用いられ、第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向にマトリクス状に配置された複数の閾値を有し、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記画像データに対して適用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
所定の画素領域において第1の階調値に対応する所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させて前記第1の階調値とは異なる第2の階調値に対応する所定のドット数を有する第二のドットパターンを生成する新ドットパターン生成工程と、前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程と、所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記新ドットパターン生成工程及び前記再配置工程を繰り返す繰り返し工程と、を有し、前記再配置工程は、前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出するドットパターン評価値算出工程と、前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するドット再配置位置決定工程と、前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置に基づいて前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程と、再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を算出するドット分散性評価値算出工程と、再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて前記ドットパターン評価値算出工程、前記ドット再配置位置決定工程、前記再配置パターン生成工程及び前記ドット分散性評価値算出工程を繰り返すか否かを判定する再配置繰り返し判定工程と、前記再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとする工程と、を有し、前記ドット再配置位置決定工程は、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記画像データに対して適用された場合に、前記ドット数が第1の階調値範囲内である前記第二のドットパターンにおいて、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置となるようにドットの位置を決定する事を特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記ドット再配置位置決定工程は、前記ドット数が前記第1の階調値範囲内とは異なる第2の階調値範囲内にある前記第二のドットパターンについて、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向及び前記第二方向にのみ形成されるようにドットの位置を決定することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記新ドットパターン生成工程は、前記ドット数が前記第1及び第2の階調値範囲内の前記第二のドットパターンについて、前記第一のドットパターンのドット数を減少させて前記第二のドットパターンを作成することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記ドット再配置位置決定工程は、前記ドット数が前記第1及び第2の階調値範囲内とは異なる第3の階調値範囲内である前記第二のドットパターンについて、ドットが配置される画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向又は前記第二方向にのみ形成されるドット配置となるようにドットの位置を決定することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記新ドットパターン生成工程は、前記ドット数が前記第3の階調値範囲内である前記第二のドットパターンについて、前記第一のドットパターンのドット数を増加させて前記第二のドットパターンを作成することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記第1の階調値範囲は、量子化される画像データの高濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項9又は10に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記第2の階調値範囲は、量子化される画像データの中濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項11又は12に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記第3の階調値範囲は、量子化される画像データの低濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする。
お、ここでいう「記録メディアの搬送方向に対し直交する方向に沿って記録メディアの画像形成領域の全幅に亘って配列されたインクを吐出する複数の吐出口」には、必ずしも複数の吐出口が当該直交する方向と平行に配列されている場合に限定されるものではなく、記録メディアの搬送方向と直交する方向に複数の吐出口を投影した場合に、当該吐出口が互いに重ならないように、例えば千鳥状に配列されているような場合も含むものである。
本発明によれば、ドットの位置ずれによる粒状感の悪化をより良好に低減させることができる。
本発明の一実施形態による量子化装置の構成を示すブロック図である。 閾値マトリクスの一部の一例を示す図である。 記録メディアに対して相対移動を行うプリントヘッドが少なくとも相対移動の方向に略直交する方向に複数の記録素子を有する画像形成装置のプリントヘッド付近の構成の一例を示す斜視図である。 プリントヘッドに設けられた記録素子の並びの一例を示す図である。 画像形成装置によるドットの形成の一例を示す図である。図5(A)は、プリントヘッドH1が用紙に対してドットを形成した状態を示す図である。図5(B)は、同一のノズルによって形成された複数のドットの一部がそれぞれ引き合うように移動してドット同士が合一した状態を示す図である。図5(C)は、プリントヘッドH2が用紙に対してドットを形成した状態を示す図である。 閾値マトリクス生成装置の構成の一例を示すブロック図である。 ドットパターンと行列値との対応関係の一例を示す図である。 各階調値のドットパターンに応じた行列値の0/1の加算による閾値マトリクスの生成メカニズムの例を示す図である。 各階調値に対応した複数のドットパターンの模式図を示す図である。 複数のドットパターンの生成処理における各ドットパターンの階調値とドットの追加又は削除との対応関係を示す説明図である。 ドットを形成される画素がx方向又はy方向に沿って連続するドットパターンとその他のドットパターンとの比較例を示す図である。 ドットを形成されない複数の画素がy方向に沿って連続するドットパターンによる画像形成の一例を示す。図12(A)は、ドットを形成されない複数の画素がy方向に沿って連続するドットパターンの一例を示す図である。図12(B)は、図12(A)のドットパターンに基づいて相対的に上流に位置するプリントヘッドH1によるドット形成が行われた用紙の一例を示す図である。図12(C)は、図12(B)に示す用紙に対して相対的に下流に位置するプリントヘッドH2によるドット形成が行われたときの一例を示す図である。図12(D)は、相対的に下流に位置するプリントヘッドH2により形成されたドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動して楕円を形成した状態の一例を示す図である。 ドットを形成されない複数の画素がx方向に沿って連続するドットパターンによる画像形成の一例を示す。図13(A)は、ドットを形成されない複数の画素がx方向に沿って連続するドットパターンの一例を示す図である。図13(B)は、図13(A)のドットパターンに基づいて相対的に上流に位置するプリントヘッドH1によるドット形成が行われた用紙の一例を示す図である。図13(C)は、図13(B)に示す用紙に対して相対的に下流に位置するプリントヘッドH2によるドット形成が行われたときの一例を示す図である。図13(D)は、相対的に下流に位置するプリントヘッドH2により形成されたドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動して楕円を形成した状態の一例を示す図である。 通常の誤差拡散処理により生成されたドットパターンに基づく閾値マトリクスを用いて量子化処理を行った場合の階調値と量子化画像との対応関係の一例を示す図である。 階調値とノイズ指数比との対応関係の一例を示す図である。 初期ドットパターンの生成処理の流れを示すフローチャートである。 小区画によって区切られた閾値マトリクスの一例を示すイメージ図である。 フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理の流れを示すサブフローである。 ブルーノイズフィルタの周波数の一例を示すグラフである。 グリーンノイズフィルタの周波数の一例を示すグラフである。 ドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理の流れを示すフローチャートである。 低濃度領域におけるドット成長処理の流れを示すサブフローである。 低濃度領域におけるパターン最適化処理の流れを示すサブフローである。 低濃度領域におけるドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 中濃度領域におけるドット成長処理の流れを示すサブフローである。 中濃度領域におけるパターン最適化処理の流れを示すサブフローである。 中濃度領域におけるドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 画素(x,y)と当該画素に隣接する4画素を示す模式図である。 中濃度領域におけるドット成長処理により生成されるドットパターンの一例及び各ドットパターンの空間周波数を示す図である。 中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理の流れを示すサブフローである。 高濃度領域におけるパターン最適化処理の流れを示すサブフローである。 高濃度領域におけるドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 中濃度領域におけるドット配置転換処理の流れを示すサブフローである。 中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理により生成されるドットパターンの一例及び各ドットパターンの空間周波数を示す図である。 従来のStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成処理のイメージ図である。 従来のStacking Constraint条件下での閾値マトリクス生成処理の流れを示すフローチャートである。 隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれの説明図である。図38(A)は、用紙Pに対して着弾した二の隣接するインクの一例を示す図である。図38(B)は、二のインク同士が引き合うように移動した一例を示す図である。 ドットの位置ずれが生じさせる粒状感の悪化についての説明図である。図39(A)は、想定されたドット配置の一例を示す図である。図39(B)は、図39(A)に示す想定のドット配置となるよう用紙に対して打たれたドットが位置ずれを生じて各ドット間の隙間の一部を塗りつぶした状態の一例を示す図である。
以下、図を参照して本発明の実施の形態の例を詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態による量子化装置200を示す。
量子化装置200は、取得部201、記憶部202、量子化処理部203、出力部204及び閾値マトリクス生成装置1を有する。
取得部201は、量子化処理を施す対象となる画像データを取得して量子化処理部203へ入力する。
記憶部202は、閾値マトリクスを記憶する。
図2に、閾値マトリクスの一部の一例を示す。
本実施形態の閾値マトリクスは、所定の画素領域(例えば256×256[画素])に対応する各画素に閾値が設定されたデータである。各画素の閾値は、画像データを構成する画素領域のうち、当該所定の画素領域に対応する画素領域の各画素についてドット形成を行うか否かを判定するための閾値である。
量子化処理部203は、取得部201から入力された画像データと、記憶部202に記憶された閾値マトリクスと、に基づいて、画像データの量子化を行う。
具体的には、量子化処理部203は、取得部201から画像データが入力されると、記憶部202から閾値マトリクスを読み出す。次に、量子化処理部203は、画像データの画素領域のうち所定の画素領域(例えば256×256[画素])の範囲の各画素の画素値と、閾値マトリクスに設定された各画素の閾値とをそれぞれ比較する。そして、量子化処理部203は、比較結果に基づいて当該所定の画素領域における各画素のドットの形成/非形成を決定することで量子化処理後の画像データ(量子化画像データ)を生成する。
本実施形態の量子化処理部203は、量子化処理前の画像データの画素値が閾値マトリクスに設定された閾値以上である画素についてドットを形成し、量子化処理前の画像データの画素値が閾値マトリクスに設定された閾値未満である画素についてドットを形成しない決定を行う。画像データの画素領域が所定の画素領域(例えば256×256[画素])より大きな画素領域を有する場合、画像データの画像領域を当該画素領域単位で区切り、区切られた各画素領域に対して量子化を行う。
出力部204は、量子化処理部203により生成された量子化画像データを出力する。
本実施形態の量子化装置200は、記録メディアに対して相対移動を行うプリントヘッドが少なくとも相対移動の方向に略直交する方向に複数の記録素子を有する画像形成装置が画像形成に用いる画像データを量子化するために用いられる量子化装置である。
図3に、記録メディアに対して相対移動を行うプリントヘッドが少なくとも相対移動の方向に略直交する方向に複数の記録素子を有する画像形成装置のプリントヘッド付近の構成の一例を示す。
図3に示す画像形成装置は、搬送ベルトBによって所定の一方向(y方向)に沿って搬送される記録メディア(例えば用紙P等)に対してドットを形成することで記録メディアに画像を形成する画像形成装置である。画像形成装置は、記録メディアに対してドットを形成する複数の記録素子(例えばノズルN等)を有するプリントヘッドHを備える。
図4に、プリントヘッドに設けられた記録素子の並びの一例を示す。
各プリントヘッドH(例えばプリントヘッドH1、H2等)は、図4に示すように、所定の一方向(y方向)に直交する他方向(x方向)に沿って色材としてのインクを吐出する複数の吐出口であるノズルNを有する。各プリントヘッドのノズルNは、図4に示すように、隣接するプリントヘッドHのノズルNと所定の一方向(y方向)に沿った同一線上(例えば図4に示す一点破線N1)に並ばないように設けられている。各プリントヘッドHにそれぞれ設けられるノズルNは、同一プリントヘッドに設けられて隣接するノズルNによって形成されたドット同士が引き合わない間隔(図4に示す間隔N2)で設けられている。
図5(A)〜(C)を用いて、画像形成装置によるドットの形成の一例を示す。
まず、図5(A)に示すように、複数のプリントヘッドの内、用紙Pの搬送方向V1でみて上流側に位置するプリントヘッドH(図5に示すプリントヘッドH1)が用紙Pに対してドットを形成する。用紙Pに形成されたドットは、図5(B)に示すように、同一のノズルNによって形成された複数のドットがそれぞれ引き合うように移動してドット同士の合一を形成する。その後、用紙Pが搬送されると、図5(C)に示すように、用紙Pの搬送方向V1に対して相対的に下流に位置するプリントヘッドH(図5に示すプリントヘッドH2)が用紙Pに対してドットを形成する。
閾値マトリクス生成装置は、閾値マトリクスを生成する。生成された閾値マトリクスは、記憶部202に記憶される。
図6に、閾値マトリクス生成装置1の構成の一例を示す。
閾値マトリクス生成装置1は、CPU11、RAM12、ROM13、ストレージデバイス14及びインタフェース15を備え、これらの各構成はバス16によって接続される。
CPU11は、ROM13やストレージデバイス14に記憶されたプログラムと協働し、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従って閾値マトリクス生成装置1の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
ストレージデバイス14は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。ストレージデバイス14は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶装置である。ストレージデバイス14は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
インタフェース15は、閾値マトリクス生成装置1と外部の機器との間におけるデータ伝送を可能とするよう閾値マトリクス生成装置1と外部の機器とを接続する。本実施形態のインタフェース15は、閾値マトリクス生成装置1と量子化装置200の記憶部202とを接続する。閾値マトリクス生成装置1により生成された閾値マトリクスは、インタフェース15を介して記憶部202へ転送され、記憶される。
インタフェース15として、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE3394等のシリアルバス接続を可能とするインタフェースを採用することができるが、インタフェース15及びインタフェース15を介したデータ伝送は、有線/無線を問わず、またそのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば規格等)を問わない。
閾値マトリクス生成装置1は、上述のようにCPU11、RAM12、ROM13等を有するコンピュータであり、ソフトウェア処理により閾値マトリクスを生成する。本実施形態では、ROM13又はストレージデバイス14が閾値マトリクス生成プログラム17を記憶し、CPU11が閾値マトリクス生成プログラム17を読み出して実行することにより閾値マトリクスの生成が行われる。なお、後述するローパスフィルタ等、閾値マトリクス生成プログラムの実行に伴い読み出される各種のデータはROM13又はストレージデバイス14に記憶されている。
次に、閾値マトリクスの生成について説明する。
図7に、ドットパターンと行列値との対応関係の一例を示す。
図8に、各階調値のドットパターンに応じた行列値の0/1の加算による閾値マトリクスの生成メカニズムを例示する。
閾値マトリクスに設定された各画素の閾値は、階調値が異なる複数のドットパターンに応じた0/1の積算に基づいて決定されている。「階調値が異なる」とは、所定の画素領域(例えば256×256[画素])を構成する全画素数においてドットが配置される画素の数(ドット数)が異なることを示す。言い換えれば、所定の画素領域(例えば256×256[画素])に含まれるドット数は階調値に対応する。
積算にあたり、まず各階調値のドットパターンにおけるドットの有無を図7に示すように0(ドットなし)/1(ドットあり)で表すマトリクスデータ(例えば行列の設定値等)が生成される。当該行列の設定値は、所定の画素領域を構成する各画素のドットの有無を数値で示したマトリクスに対応する。ここで 図8に示すように、それぞれ異なる二の階調値に応じたドットパターンを示す0/1の行列の設定値を加算すると、当該二の行列の双方においてドットが配置される「1」の画素は、加算されることによって「2」になる。同様に、二の行列の一方のみにおいてドットが配置される画素は「1」になる。また、当該二の行列の双方においてドットが配置されない「0」の画素は、加算後も「0」である。このように、多くの階調値においてドットが配置される画素ほど、その閾値は積算によって相対的に大きくなり、逆に多くの階調値においてドットが配置されない画素ほど、その閾値は相対的に小さくなる。このように、閾値マトリクスに設定された各画素の閾値は、各階調値のドットパターンに応じた0/1の積算によって決定された行列の設定値に基づく。本実施形態では、各画素の閾値は、各階調値のドットパターンに応じた0/1の積算によって決定された行列の設定値を反転して得られる。
閾値マトリクスの生成に際し、CPU11は各階調値に対応した複数のドットパターン、即ち所定の画素領域を構成する全画素数に対するドット数がそれぞれ異なる複数のドットパターンに対応するマトリクスデータ(例えば行列の設定値等)を生成する。以下、各マトリクスデータに基づくドットパターンにおけるドットの有無を視覚化する目的で、ドットパターンを用いて説明を行う。
図9に、各階調値に対応した複数のドットパターンの模式図を示す。
本実施形態の閾値マトリクス生成装置1は、記録メディアに対して相対移動を行うプリントヘッドが少なくとも相対移動の方向に略直交する方向に色材であるインクを吐出する複数の吐出口を有する画像形成装置が画像形成に用いる画像データを量子化するために用いられる閾値マトリクスを生成する。図9に示す例の場合、図9に示すy方向が「プリントヘッドが記録メディアに対して相対移動を行う方向」に対応し、図9に示すx方向が「相対移動の方向に略直交する方向」に対応する。
本実施形態では、階調値gの最小値を0、最大値を1として設定しており、CPU11は0〜1の各階調値に対応するドットパターンを生成する。本実施形態において、階調値が最小(0)であるドットパターンは、ドットが全く配置されないパターンである。階調値が最大(1)であるドットパターンは、全ての画素についてドットが配置されるパターンである。
また、CPU11は、積層束縛(Stacking Constraint)条件下で各階調値のドットパターンを生成する。つまり、CPU11により生成された0を除く各階調値のドットパターンは、相対的に階調値の高い階調値に対応するドットパターンが相対的に階調値の低い階調値に対応するドットパターンで配置されたドットの位置に配置された全てのドットを含んでいる。
図10に、複数のドットパターンの生成処理における各ドットパターンの階調値とドットの追加又は削除との対応関係を示す。
本実施形態では、0〜1の値をとる階調値gに、三つの所定値(g、g、g)を設定し、当該三つの所定値により区切られる階調値gの所定の範囲ごとに異なるドットパターンの生成方法を用いる。
CPU11は、各階調値に対応した複数のドットパターンを生成するに際し、階調値0のドットパターンに対してドットを順次追加することにより0〜g2のドットパターンを生成する。一方、CPU11は、各階調値に対応した複数のドットパターンを生成するに際し、階調値1のドットパターンからドットを順次削除ことによりg2〜1のドットパターンを生成する。
複数のドットパターンのうち階調値gが量子化される画像データの低濃度領域に対応する階調範囲であるg≦g<gの範囲内であるドットパターン(例えば図9に示すドットパターンD1等)は、ドットを配置される複数の画素がx方向又はy方向に沿って連続する。CPU11は、ドット数が階調値gがg≦g<gの範囲内であるドットパターンについて、ドットが配置される画素が連続して並ぶ方向が記録メディアの搬送方向(y方向)又は当該搬送方向に直交する方向(x方向)にのみ配置されるドット配置であるドットパターンを生成する。
図11に、ドットを配置される画素がx方向又はy方向に沿って連続するドットパターンとその他のドットパターンとの比較例を示す。図11に示す「ドットパターン」はマトリクスの0(ドットなし)/1(ドットあり)を可視化した一例を示し、「ドット径反映」は、「ドットパターン」のドットあり画素に対して画像形成装置により形成されるドットの径を反映させた一例を示し、「着弾ズレ及び液滴合一反映」は「ドットパターン」に基づく画像を形成した場合に形成されたドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動した結果の一例を示す。言い換えれば、「ドット径反映」は、画像形成装置により形成されたドットが全く他の隣接するドットと引き合わずに移動しなかった場合を示す「理想的なドット配置」の一例を示し、「着弾ズレ及び液滴合一反映」はドットパターンに基づく画像形成を行った場合の「実際のドット配置」の一例を示す。
図11に示すように、通常の誤差拡散によるドットパターンや、x方向及びy方向に対してドットを斜めに連続させて配置したドットパターンは、「着弾ズレ及び液滴合一反映」のパターン、即ち「実際のドット配置」においてy方向に沿ったスジを生じる。これは、ヘッドから射出される液滴の射出角度誤差による着弾ズレや隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動した結果生じる従来技術の問題点によるものである。
一方、ドットを配置される画素が連続して並ぶ方向がx方向又はy方向にのみ配置されるドット配置のドットパターンの場合、「着弾ズレ及び液滴合一反映」のパターンにおいてもスジを生じない。つまり、ドットを配置される画素がx方向又はy方向に沿って連続するドットパターンを用いることによって、ヘッドから射出される液滴の射出角度誤差による着弾ズレやドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することによるスジの発生を低減させることができる。
複数のドットパターンのうち階調値gが、量子化される画像データの高濃度領域に対応する階調範囲であるg<g<1の範囲内であるドットパターン(例えば図9に示すドットパターンD2等)は、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記搬送方向に直交する方向(x方向)にのみ配置されるドット配置である。CPU11は、階調値gがg<g<1の範囲内であるドットパターンについて、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記搬送方向に直交する方向(x方向)にのみ配置されるドット配置のドットパターンを生成する。
図12(A)〜(D)及び図13(A)〜(D)を用いて、ドットを配置されない複数の画素がx方向に沿って連続するドットパターンによる画像形成時の効果を示す。
例えば、図12(A)に示すような、ドットを配置されない複数の画素がy方向に沿って連続することで隙間E1等の隙間が設けられているドットパターンによる画像形成を行う場合、図12(B)、図12(C)に示すように、図5(A)〜(C)を用いた説明の記載と同様に用紙Pの搬送方向V1に対して相対的に上流に位置するプリントヘッドH1から順にドットの形成が行われる。まず、図12(B)に示す相対的に上流に位置するプリントヘッドH1によるドット形成の後そのドット同士の合一が形成される。その上に、図12(C)に示すように、相対的に下流に位置するプリントヘッドH2により形成され、図12(D)に示すようにプリントヘッドH2で形成したドットもそのほかのドットとそれぞれ引き合うように移動してドットの合一を形成する。このとき、図12(D)に示すように、ドットパターンにおいて設けられていた隙間E1等の隙間は、画像形成時にはドットの位置ずれを生じることによって塗りつぶされてしまい、隙間として視認が不可能又は著しく困難となる。
一方、図13(A)に示すような、ドットを配置されない複数の画素がx方向に沿って連続することで隙間E2等の隙間が設けられているドットパターンによる画像形成を行う場合、図13(B)、図13(C)に示すように、図5(A)〜(C)を用いた説明の記載と同様に用紙Pの搬送方向V1に対して相対的に上流に位置するプリントヘッドH1から順にドットの形成が行われる。まず、図13(B)に示す相対的に上流に位置するプリントヘッドH1によるドット形成の後そのドット同士の合一が形成される。その上に、図13(C)に示すように、相対的に下流に位置するプリントヘッドH2により形成され、図13(D)に示すようにプリントヘッドH2で形成したドットもそのほかのドットとそれぞれ引き合うように移動してドットの合一を形成する。このとき、図13(D)に示すように、用紙Pに形成された画像には、x方向に沿って連続するドットを形成されない複数の画素に対応する隙間(例えば、ドットパターンの隙間E2に対応する隙間E3等)が生じ、隙間を明確に視認可能となる。このように、ドットを形成されない複数の画素がx方向に沿って連続するドットパターンは、画像形成時に当該ドットを形成されない複数の画素に対応する良好な隙間を生じさせることができる。
また、階調値gが、量子化される画像データの中濃度領域に対応する階調範囲であるg≦g≦gの範囲内である複数のドットパターンの中にはドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記搬送方向(y方向)及び前記搬送方向とは直交する方向(x方向)にのみ配置されるドット配置のドットパターンがある(例えば図9に示すドットパターンD3等)。CPU11は、ドット数に対応する階調値gがg≦g≦gの範囲内であるドットパターンについて、すでに作成した前の階調パターン(この場合現在処理中のドットパターンのドット率よりも高いドット率の階調パターン)においてドットを配置しない位置を中心に、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向がy方向及びx方向にのみ配置されるドット配置のドットパターンを生成する。
CPU11は、積層束縛(Stacking Constraint)条件下で上記のような各階調値のドットパターンを生成するので、各階調値のドットパターンは、あるドットパターンよりも階調値の低いドットパターン、即ち、あるドットパターンの全画素数に対するドット数よりも、全画素数に対するドット数が少ないドットパターンにおいて配置されている全てのドットと同じ位置に配置されたドットを必ず含むようになる。ここで、各階調値のドットパターンがそのドットパターンよりも階調値の低いドットパターンにおいて配置されている全てのドットと同じ位置に配置されたドットを必ず含むという条件と、ドットを配置されない複数の画素をx方向に沿って連続させるという条件と、を共に満たすようにドットを配置されない画素を決定する処理において、x方向に沿って連続するドットを配置されない複数の画素の配置が不可能又は著しく制限されることがある。このような条件下でx方向に沿って連続するドットを配置されない複数の画素を含むパターンを無理に生成すると、ドットパターンにおけるドットの分散が損なわれてしまうことがある。そこで、本実施形態では、階調値がg≦g≦gの範囲内については、ドットを配置されない複数の画素を、x方向のみに限らず、y方向のみに沿って連続させることも許可した条件下でドットパターンを生成する。ただし、ドット配置されない画素が単独で生じないように、すでに作成した前の階調パターンで発生した、ドットが配置されない画素に隣接させて新たにドットが配置されない画素を選択する。ドットを配置されない複数の連続して並ぶ画素の方向がx方向及びy方向にのみ配置される配置を許容することにより、単一の画素についてドットが形成されない場合に比して、ドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することによってドットが形成されない画素に対応する隙間が潰れてしまう可能性を大幅に低減させることができ、画像形成時に当該ドットを形成されない複数の画素に対応する良好な隙間を生じさせることができる。
量子化画像のドットパターンは、閾値マトリクスの生成に用いられるドットパターンに基づく。よって、閾値マトリクスの生成に用いるドットパターンを、ドットを配置される画素がx方向又はy方向に沿って連続するドットパターンとすることにより、ドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することによるスジの発生を低減させることができる。また、閾値マトリクスの生成に用いるドットパターンを、ドットを配置されない複数の画素がx方向またはx方向もしくはy方向に沿って連続するドットパターンとすることにより、画像形成時に当該ドットを形成されない複数の画素に対応する良好な隙間を生じさせることができる。
なお、階調値gが0〜g1の範囲内に対応するドットパターンは、従来と同様の積層束縛(Stacking Constraint)条件下でのドットパターンの生成処理により生成される。
三つの所定値(g、g、g)は、予め決定されている。
図14及び図15を用いて、gの決定方法の一例を示す。 図14に、通常の誤差拡散処理により生成されたドットパターンに基づく閾値マトリクスを用いて量子化処理を行った場合の階調値gと量子化画像との対応関係の一例を示す。
図15に、階調値gとノイズ指数比との対応関係の一例を示す。
例えば、図14に示すように、通常の誤差拡散処理により生成されたドットパターンに基づく閾値マトリクスを用いた量子化処理では、階調値が大きくなるほどスジが見えやすくなる傾向がある。このような、スジが見えやすくなる傾向を定量的に評価する方法の一つとして各階調値に対応する量子化画像のノイズ指数比を算出する方法がある。ノイズ指数を算出する方法として、本実施形態では、量子化した各階調値の画像に2次元高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を適用し、さらに所定の視覚特性フィルタを適用したものに対して、互いに直交する所定の二方向(例えば図14に示すx方向及びy方向に対応する二方向等)の成分の周波数成分の積算値を当該所定の二方向のノイズ指数として算出し、当該二方向のノイズ指数の比をノイズ指数比として算出している。
本実施形態において、gは上記のノイズ指数比に基づいて決定されている。具体的には、スジを視覚的に認識するノイズ指数比に達しない最大の階調値をgとしている。図15に示す例では、スジを視覚的に認識するノイズ指数比の値を1±0.2としている。そして、図15に示す例では、階調値が0.10を超えるとノイズ指数比が1.2を上回っている。このことから、本実施形態ではg=0.1を採用している。
なお、1200[dpi]以上の場合はこの基準のみでも良いが、低解像度の画像形成装置の場合は、この評価値に加えて周波数の絶対値を基準としたノイズ評価を加えると良い。望ましくは、得られるドットパターンのPrincipal Frequencyが20[cycle/mm]以上となることが好ましい。Principal Frequencyがこの程度まで高周波になっていれば視覚的にノイズを感じない程度となる。Principal Frequencyとはある2値(ドットを形成するか否か)のドットパターンにおいて、ドットを形成する、もしくは形成しないのどちらか数が少ない方に注目したときの2次元空間周波数分布を算出し、その空間周波数分布(2次元パワースペクトル分布)を半径方向に平均化し、得られたスペクトル成分のピークに対応する周波数値をさす。
また、gは0.5より大きく1に近ければ近いほど良い。g以下のドットパターンはドットをx方向、y方向につながるように設計されているが、これは着弾ズレを考慮したものである。したがってg以下のドットパターンを用いて画像のほとんどの階調値を表現するほうが好ましい。また、1に近いほうが良い理由は、階調値の繋ぎ部が目立たないようにするためである。ある階調値以上になればわずかなパターン違和感を無視できる。パターンの違和感を無視できる階調値は解像度から決まる最小ドット間距離(画素の1辺)とドット径の関係から求められる。本実施形態は、最小ドット間距離17.6[μm](1440×1440[dpi])で、ドット径が35[μm]を想定している。この場合であれば、上記階調値gは0.65以上を指す。
また、gとgの値は近い値を設定する。なぜならば、gとgの間の領域(中濃度領域)はあくまで、高濃度領域と低濃度領域のつなぎでしかないためである。ただし、gとgがあまり近すぎるとパターンの不連続が著しく顕在化する。本実施形態ではg=g+0.1を目安として作成をした。さらにgは0.9以下が好ましい。g=0.9のとき、x方向に2画素ドットを配置しない画素を均等に分散させたパターンの空間周波数におけるPrincipal Frequencyは略0.2[cycle/pixel]で1440×1440[dpi]の解像度であれば略57[cycle/mm]に相当し、30[cm]観察距離であれば人間の目にはほとんど感知できない程度の周波数となる。こうすることによって、やはりgを境としたパターンの切り替わりを目立たなくすることができる。さらに、階調値がg、gであるそれぞれのドットパターンは次のようなPrincipal Frequencyの関係が成り立つ。
階調値がgであるドットパターンのPrincipal Frequencyよりも階調値gであるドットパターンのPrincipal Frequencyが高い場合であっても、閾値マトリクス生成処理におけるドットパターン成長処理の繋ぎ目を挟んだドットパターン間で階調の不連続を生じることがある。具体的には、階調値がg付近のドットパターンで擬似輪郭を生じることがある。このような階調の不連続を低減させるため、本実施形態では、階調値が1のドットパターンから階調値がgのドットパターンまでの各階調値のドットパターンにおいて、それぞれのPrincipal Frequencyが、階調値gのドットパターンにおけるPrincipal Frequencyを超えないようにドットパターンを作成していくほうが好ましい。
次に、閾値マトリクスの生成処理の流れについて説明する。
閾値マトリクスの生成は、初期ドットパターンの生成処理と、当該初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理とを含む。
まず、初期ドットパターンの生成処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU11は閾値マトリクスのサイズを決定する(ステップS1)。本実施形態では、直交する二方向(x方向及びy方向)について、x方向に256画素、y方向に256画素を並べた方形状のマトリクスサイズである256×256[画素]を、決定された閾値マトリクスのサイズとして用いる。x方向は記録素子配列方向に対応し、y方向は搬送方向に対応する。閾値マトリクスのサイズは、256×256[画素]に限らず、任意のM×N[画素] (M、Nは自然数)を設定することができる。M、N は、64以上であることが望ましい。MとNは同一の自然数であってもよいし、異なる自然数であってもよい。
次に、CPU11は小区画のサイズを決定する(ステップS2)。本実施形態では、閾値マトリクスのマトリクスサイズである256×256[画素]を、64×64[画素]の小区画に区切る。
図17に、小区画によって区切られた閾値マトリクスの一例をイメージ図で示す。図17に示すように、256×256[画素]の閾値マトリクスは、16個の小区画(64×64[画素])に区切られる。小区画のサイズは、64×64[画素] に限らず、閾値マトリクスのサイズであるM×N[画素]より小さい任意のサイズを設定することができる。
次に、CPU11は、閾値マトリクス内においてドット配置を行う画素を選択決定する。本実施形態では、ドット配置を行う画素として選択決定された画素の、閾値マトリクス内の全画素に対する割合を階調値gで示す。そして、閾値マトリクス内の全画素がドット配置を行う画素として選択決定される場合を階調値g=1、閾値マトリクス内のいずれの画素もドット配置を行う画素として選択決定されない場合を階調値g=0とする。例えば、階調値g=0.5の場合、閾値マトリクス内の全画素のうち半分の画素がドット配置を行う画素として選択決定される。
本実施形態では8ビットで階調値gを取り扱った場合を例示する。例えば、階調値g=0.5は、127/255である。同様にして、たとえば階調値gを16ビットで取り扱うことができる。この場合、g=0.5は32767/65535となる。
本実施形態では、初期ドットパターンの階調値gを1/255としているが、初期ドットパターンの階調値gは任意に設定することができる。
そして、CPU11は、ドット配置を行う画素として選択決定された画素を1、ドット配置を行う画素として選択決定されなかった画素を0として表すマトリクスパターンp(x,y,g)を生成する(ステップS3)。p(x,y,g)は、階調値gのマトリクスパターンpを示す行列であり、xはx方向の座標、yはy方向の座標を示す。
次に、CPU11は、行列BANinit(x,y)の初期値を全て0に設定する(ステップS4)。行列BANinit(x,y)の値は、交換禁止行列BAN(x,y)の初期値として用いるものである。交換禁止行列BAN(x,y)は、後述するドット配置転換処理において用いる。
次に、CPU11はフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を行う(ステップS5)。
フィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理について、図18のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は変数nを初期値0で設定する(ステップS11)。
次に、CPU11は、ドットパターンp(x,y,g)に対してフーリエ変換を適用した空間周波数パターンP(u,v,g)を算出する(ステップS12)。u,vはそれぞれx方向、y方向の周波数空間を示す。
次に、CPU11は、パターンP(u,v,g)に対してフィルタ処理を施したパターンP’(u,v,g)を算出する(ステップS13)。ステップS13においてフィルタ処理に用いられるフィルタは例えばブルーノイズを得るためのフィルタ(以下ブルーノイズフィルタ)やグリーンノイズを得るためのフィルタ(以下グリーンノイズフィルタ)等のローパスフィルタがある。ブルーノイズフィルタやグリーンノイズフィルタは、少なくとも低周波成分を通過させる周波数フィルタである。
図19にブルーノイズフィルタの一例を、図20にグリーンノイズフィルタの一例を示す。
ブルーノイズフィルタやグリーンノイズフィルタ等のローパスフィルタは、方向に依存しない等方フィルタとして適用される。図19、図20において、半径方向の周波数の単位を[cycle/pixel]としている。
次に、CPU11は、空間周波数パターンP’(u,v,g)に対して逆フーリエ変換を適用して実空間パターンp’(x,y,g)を算出する(ステップS14)。実空間パターンp’(x,y,g)はドットパターンp(x,y,g)のような0と1のみで記述される2値データではなく0と1の間の中間の値を含む連続的な値の分布となる。
次に、CPU11は、下記の式(1)により、階調値gからのズレを示す誤差行列ERR(x,y,g)を算出する(ステップS15)。
誤差行列ERR(x,y,g)は、パターンp’(x,y,g)と階調値gのドットパターンとの誤差に基づくドットパターン評価値として機能する。誤差行列ERR(x,y,g)の行列に含まれる各値は、閾値マトリクスを生成するためのドットパターンであるパターンP’(u,v,g)の各画素位置に対応する。つまり、CPU11は、誤差行列ERR(x,y,g)を閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出する。
次に、CPU11は、下記の式(2)により、評価値MSE(n)(Mean Square Error)を算出する(ステップS16)。
MSE(n)は、パターンp’(x,y,g)のパターン偏差値であり、ドット分散性評価値として機能する。
次に、CPU11は、nが0でないか否かを判定する(ステップS17)。nが0でない場合(ステップS17:YES)、CPU11はMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS17においてnが0である場合(ステップS17:NO)又はステップS18においてMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さい場合(ステップS18:YES)、CPU11はドット配置転換処理を行う(ステップS19)。
ドット配置転換処理について、図21のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、交換画素数を管理するための変数SWAPNUMを所定の初期値で設定する(ステップS31)。所定の初期値は、1以上の整数である。
次に、CPU11は交換禁止行列BAN(x,y)を設定し、その値としてBANinit(x,y)の値をコピーする(ステップS32)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値が0を超えるか否か判定する(ステップS33)。変数SWAPNUMの値が0を超える場合(ステップS33:YES)、CPU11は、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定する処理を行う。
具体的には、CPU11は、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する(ステップS34)。
ここで、p(x,y,g)=0であるということは、その画素ではドットが配置されないことを示す。対して、p(x,y,g)=1であるということは、その画素ではドットが配置されることを示す。
また、BAN(x,y)=0を満たすということは、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていることを示す。対して、BAN(x,y)=1の場合、その画素はドットの再配置を行うことが許可されていないことを示す。
また、ERR(x,y,g)が最小であるということは、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。対して、ERR(x,y,g)が最大であるということは、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。
つまり、p(x,y,g)=0でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)であるということは、その画素でドットが配置されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。
一方、p(x,y,g)=1でBAN(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)であるということは、その画素でドットが配置され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があることを示す。
特定された画素(x1,y1)及び画素(x2,y2)に対して、CPU11は、p(x1,y1,g)=1、p(x2,y2,g)=0とすることでドットの配置交換を行う(ステップS35)。つまり、再配置前にその画素でドットが配置されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があった画素(x1,y1)にドットが配置され、再配置前にその画素でドットが配置され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)があった画素(x2,y2)からドットが削除される。
次に、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素について、さらなる再配置を行うことを禁止する処理を行う。具体的には、CPU11は、BAN(x1,y1)及びBAN(x2,y2)の値を1とする(ステップS36)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値から1を減算する(ステップS37)。ステップS37の処理後、ステップS33の判定に戻る。
ステップS33において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS33:NO)、CPU11は図18のステップS19及び図21のサブフローにより示すドット配置転換処理を終了する。
つまり、ドット配置転換処理において、CPU11は、変数SWAPNUMの初期値として設定された回数だけ、その画素でドットが配置されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)がある画素と、その画素でドットが配置され、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットの集合(Cluster)がある画素との間でドットの配置交換を行う。配置交換を行うドットの決定においては、各小区画のドット数の過不足分に基づく補正が行われる。そして、再配置が行われたドットについては更なる再配置が禁止される。
図21のサブフロー及び図18のサブフローのステップS19に示すドット配置転換処理の終了後、CPU11は変数nの値に1を加算する(ステップS20)。その後、ステップS13の処理に戻る。
ステップS20の処理後にステップS12に戻ることで、ドット配置転換処理後のマトリクスパターンに対して、ステップS12のフーリエ変換の適用、ステップS13のフィルタ処理、ステップS14の逆フーリエ変換の適用、ステップS15の誤差行列の算出、ステップS16のMSEの算出が行われる。そして、一度以上ドット配置転換処理が行われると、変数nは1以上となるので、ステップS17の判定においてnが0でない場合に該当し(ステップS17:YES)、ステップS18の判定、即ちMSE(n)がMSE(n−1)よりも小さいか否かの判定が行われる。なお、nの初期値は0なので、最低一度はドット配置転換処理が行われる。
ステップS18において、MSE(n)がMSE(n−1)以上となるまで、ステップS13からの処理が繰り返される(ステップS18:YES)。
ステップS18において、MSE(n)がMSE(n−1)以上である場合(ステップS18:NO)、CPU11は図16のステップS5及び図18のサブフローにより示すフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理を終了し、図16に示す初期ドットパターンの作成処理を終了する。初期ドットパターンは、pinit(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
次に、初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理について説明する。
閾値マトリクスの生成処理は、積層束縛(Stacking Constraint)条件下で行う。具体的には、初期ドットパターンの階調値gに基づいて、変化させる階調値変化量δgに応じたドットの増減を施す。このとき、階調値変化量δgによって階調値が大きくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドット配置については変更しない。即ち、ドットを増やす場合、元の初期ドットパターンを維持し、かつ、追加のドットを付加する。また、階調値変化量δgによって階調値が小さくなる場合、元の初期ドットパターンにあるドットが配置されない画素の配置については変更しない。即ち、ドットを減らす場合、元の初期ドットパターンにおいてドットが配置されない画素についてはドットが配置されないままとし、ドットを削除してドットが配置されない画素を増やす。このようにして、閾値マトリクス生成装置1は、各々のドット率に対応した256×256[画素]で構成された各々のドットパターンを生成する。
また、初期ドットパターンの階調値gに基づいて、変化させる階調値変化量δgに応じたドットの増減を施した階調値g+δgのドットパターンを生成した後、階調値g+δgのドットパターンに基づいてさらに階調値変化量δgに応じたドットの増減を施す場合には、その直前に生成された階調値g+δgのドットパターンを初期ドットパターンとして扱う。
本実施形態では、階調値変化量δgを1/255としているが、階調値変化量δgは任意に設定することができる。
閾値マトリクスは、行列Th(x,y)として生成され、ストレージデバイス14に記憶される。
以下、初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU11は、初期ドットパターンpinit(x,y)を読み出す(ステップS41)。本実施形態における初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitは1/255である。ここで、以後用いる階調値gの初期値をginitとする。
本実施形態では、初期ドットパターンpinit(x,y)の階調値ginitは1/255であるが、0〜1のどの値であってもよい。初期ドットパターンの生成処理において、0〜1の間の任意の階調値gの初期ドットパターンを生成し、閾値マトリクスの生成処理に用いることができる。
次に、CPU11は閾値マトリクスを生成するためのマトリクスパターンを示す行列q(x,y,g)を設定し、q(x,y,g)に初期ドットパターンpinit(x,y)の値をコピーする(ステップS42)。
次に、CPU11は閾値マトリクスを示す行列Th(x,y)及び交換禁止行列banの初期値として設定される行列baninit(x,y)を設定し(ステップS43)、baninit(x,y)にq(x,y,g)の値をコピーする(ステップS44)。
次に、CPU11は、極低濃度領域におけるドット成長処理を行う(ステップS45)。
ここで、極低濃度領域におけるドット成長処理について、図23のサブフローを用いて説明する。
CPU11は、階調値gに対して変化させる階調値変化量δgを加算し、変化させる階調値変化量δgに応じた数のドットをbaninit(x,y)=0に対応するq(x,y,g)に対して追加する(ステップS61)。ドット追加後のドットパターンは新たなq(x,y,g)としてRAM12又はストレージデバイス14に格納される。ドットの追加はq(x、y、g)においてドットが配置されていない座標の中から所定の乱数処理に基づいて行われる。
次に、CPU11は、極低濃度領域におけるパターン最適化処理を行う(ステップS62)。
ここで、極低濃度領域におけるパターン最適化処理について、図24のサブフローを用いて説明する。
CPU11は変数nを初期値0で設定する(ステップS71)。
次に、CPU11は、ドットパターンq(x,y,g)に対してフーリエ変換を適用した空間周波数パターンQ(u,v,g)を算出する(ステップS72)。u,vはそれぞれx方向、y方向の周波数空間を示す。
次に、CPU11は、パターンQ(u,v,g)に対してフィルタ処理を施したパターンQ’(u,v,g)を算出する(ステップS73)。フィルタ処理は、上述のステップS13のフィルタ処理と同様である(図19、図20参照)。
次に、CPU11は、空間周波数パターンQ’(u,v,g)に対して逆フーリエ変換を適用して実空間パターンq’(x,y,g)を算出する(ステップS74)。実空間パターンq’(x,y,g)はドットパターンq(x,y,g)のような0と1のみで記述される2値データではなく0と1の間の中間の値を含む連続的な値の分布となる。
次に、CPU11は、下記の式(3)により、階調値gからのズレを示す誤差行列ERR2(x,y,g)を算出する(ステップS75)。
次に、CPU11は、下記の式(4)により、評価値MSE2(n)(Mean Square Error)を算出する(ステップS76)。
次に、CPU11は、nが0でないか否かを判定する(ステップS77)。nが0でない場合(ステップS77:YES)、CPU11はMSE2(n)がMSE2(n−1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS78)。
ステップS77においてnが0である場合(ステップS77:NO)又はステップS78においてMSE2(n)がMSE2(n−1)よりも小さい場合(ステップS78:YES)、CPU11は極低濃度領域におけるドット配置転換処理を行う(ステップS79)。
極低濃度領域におけるドット配置転換処理について、図25のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、交換画素数を管理するための変数SWAPNUMを所定の初期値で設定する(ステップS81)。所定の初期値は、1以上の整数である。
次に、CPU11は交換禁止行列ban(x,y)を設定し、その値としてbaninit(x,y)の値をコピーする(ステップS82)。ここで、交換禁止行列banの値は、交換禁止行列BANと同様に機能する。つまり、ban(x,y)=1の場合、ドットの再配置を行うことが許可されていないことを示す。ここで、交換禁止行列ban(x,y)にはq(x,y,g)の値がコピーされたbaninit(x,y)の値がコピーされるので、ドットが配置される画素(値=1)に対応する交換禁止行列ban(x,y)の値には1が設定されることとなり、初期ドットパターンで既にドットがある画素についてはドットの再配置が禁止され、その画素からドットが削除されることはない。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値が0を超えるか否か判定する(ステップS83)。変数SWAPNUMの値が0を超える場合(ステップS83:YES)、CPU11は、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定する処理を行う。
具体的には、CPU11は、q(x,y,g)=0でban(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、q(x,y,g)=1でban(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する(ステップS84)。
特定された画素(x1,y1)及び画素(x2,y2)に対して、CPU11は、p(x1,y1,g)=1、p(x2,y2,g)=0とすることでドットの配置交換を行う(ステップS85)。
次に、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素について、さらなる再配置を行うことを禁止する処理を行う。具体的には、CPU11は、ban(x1,y1)及びban(x2,y2)の値を1とする(ステップS86)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値から1を減算する(ステップS87)。ステップS87の処理後、ステップS83の判定に戻る。
ステップS83において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS83:NO)、CPU11は処理を終了する。
図25のサブフロー及び図24サブフローのステップS79に示す極低濃度領域におけるドット配置転換処理の終了後、CPU11は変数nの値に1を加算する(ステップS80)。その後、ステップS72の処理に戻る。
ステップS78において、MSE2(n)がMSE2(n−1)以上となるまで、ステップS72からの処理が繰り返される(ステップS78:YES)。
ステップS78において、MSE2(n)がMSE2(n−1)以上である場合(ステップS78:NO)、CPU11は処理を終了する。
図24のサブフロー及び図23のステップS62に示す極低濃度領域におけるパターン最適化処理の終了後、CPU11は極低濃度領域におけるドット成長処理を終了する。
図23のサブフロー及び図22のフローチャートのステップS45に示す極低濃度領域におけるドット成長処理の処理後、CPU11は、閾値マトリクスを示す行列Th(x,y)に最適化処理後のq(x,y,g)を加える(ステップS46)。
次に、CPU11は、gがg未満であるか否かを判定する(ステップS47)。
gがg未満である場合(ステップS47:YES)、ステップS44の処理に戻り、積層束縛(Stacking Constraint)条件下における極低濃度領域におけるドット成長処理を繰り返す。
ステップS47において、gがg未満でない場合(ステップS47:NO)、CPU11は行列baninit(x,y)にq(x,y,g)の値をコピーする(ステップS48)。その後、CPU11は、低濃度領域におけるドット成長処理を行う(ステップS49)。
ここで、低濃度領域におけるドット成長処理について、図26のサブフローを用いて説明する。
低濃度領域におけるドット成長処理は、極低濃度領域におけるドット成長処理(図23参照)におけるステップS62の処理(極低濃度領域におけるパターン最適化処理)を、低濃度領域におけるパターン最適化処理(ステップS91)に置き換える点を除いて、極低濃度領域におけるドット成長処理と同様である。
低濃度領域におけるパターン最適化処理について、図27のサブフローを用いて説明する。
低濃度領域におけるパターン最適化処理は、極低濃度領域におけるパターン最適化処理(図24参照)におけるステップS79の処理(極低濃度領域におけるドット配置転換処理)を、低濃度領域におけるドット配置転換処理(ステップS92)に置き換える点を除いて、極低濃度領域におけるパターン最適化処理と同様である。
低濃度領域におけるドット配置転換処理について、図28のサブフロー及び図29を用いて説明する。
低濃度領域におけるドット配置転換処理は、極低濃度領域における配置転換処理(図25参照)におけるステップS84の処理を、以下のステップS93の処理に置き換える点を除いて、極低濃度領域におけるドット配置転換処理と同様である。
ステップS93の処理では、CPU11は、q(x,y,g)=0でban(x,y)=0を満たし、q(x+1,y,g)=1、q(x−1,y,g)=1、q(x,y+1,g)=1又はq(x,y−1,g)=1のいずれかを満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、q(x,y,g)=1でban(x,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する。
図29に、画素(x,y)と当該画素に隣接する4画素を模式図で示す。
ここで、q(x+1,y,g)=1、q(x−1,y,g)=1、q(x,y+1,g)=1又はq(x,y−1,g)=1のいずれかを満たすということは、q(x,y,g)に対応する画素(例えば図29に示すx,y)に隣接する4画素のうちいずれか一つにドットが配置されていることを示す。
つまり、q(x,y,g)=0でban(x,y)=0を満たし、q(x+1,y,g)=1、q(x−1,y,g)=1、q(x,y+1,g)=1又はq(x,y−1,g)=1のいずれかを満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)であるということは、その画素でドットが配置されず、その画素についてドットの再配置を行うことが許可されており、その画素に隣接する4画素のうちいずれか一つにドットが配置されており、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。低濃度領域におけるドット配置転換処理におけるステップS85の処理では、これらの条件を満たす画素の座標(x1,y1)にドットを配置し、画素の座標(x2,y2)からドットを削除するドットの配置転換を行う。これによって、座標(x1,y1)と、当該座標に隣接し、かつ、ドットが配置されているq(x+1,y,g)=1、q(x−1,y,g)=1、q(x,y+1,g)=1又はq(x,y−1,g)=1のいずれかに対応する画素と、は共にドットが配置される隣接する2画素となる。
図27のサブフロー及び図26のステップS91に示す低濃度領域におけるパターン最適化処理の終了後、CPU11は低濃度領域におけるドット成長処理を終了する。
図26のサブフロー及び図22のフローチャートのステップS49に示す低濃度領域におけるドット成長処理の処理後、CPU11は、閾値マトリクスを示す行列Th(x,y)に最適化処理後のq(x,y,g)を加える(ステップS50)。
次に、CPU11は、gがg未満であるか否かを判定する(ステップS51)。
gがg未満である場合(ステップS51:YES)、ステップS48の処理に戻り、積層束縛(Stacking Constraint)条件下における低濃度領域におけるドット成長処理を繰り返す。
図30に、低濃度領域におけるドット成長処理により生成されるドットパターンの一例及び各ドットパターンの空間周波数を示す。図30に示すu方向はx方向に対応し、v方向はy方向に対応する。
図30に示すように、低濃度領域におけるドット成長処理を繰り返すことにより、所定の二方向(x方向、y方向)のいずれかに沿って連続してドットが配置される画素を含むドットパターンを得られる。
ステップS51において、gがg未満でない場合(ステップS51:NO)、CPU11は行列baninit(x,y)にq(x,y,g)の値をコピーする(ステップS52)。その後、CPU11は、q(x,y,g)の値を全て1とする(ステップS53)。さらにg=1とする(ステップS54)。
次に、CPU11は、baninit(x,y)=0であって、かつ、q(x,y,g)=0である画素に対応するbaninit(x,y)の値を2とする(ステップS55)。この処理は、ステップS56において高濃度領域もしくは中濃度領域でドットを形成しないと判断した画素を記録するためのもので後述するステップS56の処理をするたびにbaninit(x,y)=2は増加する。つまり、baninit(x,y)=2の意味するところは、極低濃度、低濃度領域では選択されなかったが、高濃度領域、もしくは中濃度領域で選択された画素を表している。このように極低濃度領域、低濃度領域で選択された画素と、中濃度もしくは高濃度領域で選択された画素とを識別する理由は、中濃度領域においてドットが配置されない隙間をその前のドットパターンで決定されている隙間に隣接させて発生させるためである。このようにすることで、中濃度領域では高濃度領域で生成した隙間を成長させていく形となり、より安定的に隙間を維持できる。
その後、CPU11は、中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理を行う(ステップS56)。
中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理について、図31のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、階調値gに対して変化させる階調値変化量δgを減算し、δgに応じた数のドットを削除する(ステップS101)。ステップS101の処理により削除されるドットは、baninit(x,y)=0かつbaninit(x+1,y)=0の条件を満たすx、yに対応するq(x,y,g)かつq(x+1,y,g)である。条件を満たすq(x,y,g)の中からδgに応じた数のドットを決定する処理は、所定の乱数処理に基づいて行われる。ドットを削除された画素に対応するq(x,y,g)の値は0となる。
次に、CPU11は、中・高濃度領域におけるパターン最適化処理を行う(ステップS102)。
中・高濃度領域におけるパターン最適化処理について、図32のサブフローを用いて説明する。
CPU11は変数nを初期値0で設定する(ステップS111)。
次に、CPU11は、ドットパターンq(x,y,g)に対してフーリエ変換を適用した空間周波数パターンQ(u,v,g)を算出する(ステップS112)。u,vはそれぞれx方向、y方向の周波数空間を示す。
次に、CPU11は、パターンQ(u,v,g)に対してフィルタ処理を施したパターンQ’(u,v,g)を算出する(ステップS113)。フィルタ処理は、上述のステップS13のフィルタ処理と同様である(図19、図20参照)。
次に、CPU11は、空間周波数パターンQ’(u,v,g)に対して逆フーリエ変換を適用して実空間パターンq’(x,y,g)を算出する(ステップS114)。実空間パターンq’(x,y,g)はドットパターンq(x,y,g)のような0と1のみで記述される2値データではなく0と1の間の中間の値を含む連続的な値の分布となる。
次に、CPU11は、上記の式(3)により、階調値gからのズレを示す誤差行列ERR2(x,y,g)を算出する(ステップS115)。
次に、CPU11は、上記のステップS16の処理と同様に、上記の式(4)により、評価値MSE2(n)(Mean Square Error)を算出する(ステップS116)。
次に、CPU11は、nが0でないか否かを判定する(ステップS117)。nが0でない場合(ステップS77:YES)、CPU11はMSE2(n)がMSE2(n−1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS118)。
ステップS117においてnが0である場合(ステップS117:NO)又はステップS118においてMSE2(n)がMSE2(n−1)よりも小さい場合(ステップS118:YES)、CPU11はgがgを上回るか判定する(ステップS119)。
gがgを上回る場合(ステップS119:YES)、CPU11は高濃度領域における配置転換処理を行う(ステップS120)。一方、gがgを上回らない場合(ステップS119:NO)、CPU11は中濃度領域におけるドット配置転換処理を行う(ステップS121)。
高濃度領域におけるドット配置転換処理について、図33のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、交換画素数を管理するための変数SWAPNUMを所定の初期値で設定する(ステップS131)。所定の初期値は、1以上の整数である。
次に、CPU11は交換禁止行列ban(x,y)を設定し、その値としてbaninit(x,y)の値をコピーする(ステップS132)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値が0を超えるか否か判定する(ステップS133)。変数SWAPNUMの値が0を超える場合(ステップS133:YES)、CPU11は、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定する処理を行う。
具体的には、CPU11は、q(x,y,g)=0、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=0、ban(x+1,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、q(x,y,g)=1、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=1、ban(x+1,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する(ステップS134)。
ここで、q(x,y,g)=0、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=0、ban(x+1,y)=0を満たすということは、x方向に連続する2画素について共にドットが配置されず、かつ、2画素ともドットの再配置を行うことが許可されている画素であることを示す。また、q(x,y,g)=1、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=1、ban(x+1,y)=0を満たすということは、x方向に連続する2画素について共にドットが配置され、かつ、2画素ともドットの再配置を行うことが許可されている画素であることを示す。
つまり、q(x,y,g)=0、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=0、ban(x+1,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)であるということは、x方向に連続する2画素について共にドットが配置されず、かつ、2画素ともドットの再配置を行うことが許可されている画素であり、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。また、q(x,y,g)=1、ban(x,y)=0、q(x+1,y,g)=1、ban(x+1,y)=0を満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)であるということは、x方向に連続する2画素について共にドットが配置され、かつ、2画素ともドットの再配置を行うことが許可されている画素であり、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。
特定された画素(x1,y1)及び画素(x2,y2)に対して、CPU11は、p(x1,y1,g)=1、p(x1+1,y1,g)=1、p(x2,y2,g)=0、p(x2+1,y2,g)=0とすることで2画素分のドットの配置交換を行う(ステップS125)。
次に、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素について、さらなる再配置を行うことを禁止する処理を行う。具体的には、CPU11は、ban(x1,y1)、ban(x1+1,y1)、(x2,y2)及びban(x2+1,y2)の値を2とする(ステップS136)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値から2を減算する(ステップS137)。ステップS137の処理後、ステップS133の判定に戻る。
ステップS133において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS133:NO)、CPU11は処理を終了する。
中濃度領域におけるドット配置転換処理について、図34のサブフローを用いて説明する。
まず、CPU11は、交換画素数を管理するための変数SWAPNUMを所定の初期値で設定する(ステップS141)。所定の初期値は、1以上の整数である。
次に、CPU11は交換禁止行列ban(x,y)を設定し、その値としてbaninit(x,y)の値をコピーする(ステップS142)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値が0を超えるか否か判定する(ステップS143)。変数SWAPNUMの値が0を超える場合(ステップS143:YES)、CPU11は、新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定する処理を行う。
具体的には、CPU11は、q(x,y,g)=0、ban(x,y)=0であって、ban(x−1,y)=2、ban(x+1,y)=2、ban(x,y−1)=2又はban(x,y+1)=2のいずれかを満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)と、q(x,y,g)=1、ban(x,y)=0であって、ban(x−1,y)=2、ban(x+1,y)=2、ban(x,y−1)=2又はban(x,y+1)=2のいずれかを満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最大となる画素の座標(x2,y2)とを検出する(ステップS144)。
ここで、ban(x−1,y)=2、ban(x+1,y)=2、ban(x,y−1)=2又はban(x,y+1)=2のいずれかを満たすということは、(x、y)とその隣接画素が、高濃度領域におけるドット配置転換処理により、連続する複数のドットを配置されない画素となっていることを示す。
つまり、q(x,y,g)=0、ban(x,y)=0であって、ban(x−1,y)=2、ban(x+1,y)=2、ban(x,y−1)=2又はban(x,y+1)=2のいずれかを満たし、かつ、その中でERR2(x,y,g)が最小となる画素の座標(x1,y1)であるということは、x方向又はy方向に連続する2画素について共にドットが配置されず、高濃度領域におけるドット配置転換処理により連続するよう配置された複数のドットを配置されない画素であり、かつ、その画素を含む周辺位置にドットが配置されない隙間(void)があることを示す。
特定された画素(x1,y1)及び画素(x2,y2)に対して、CPU11は、p(x1,y1,g)=1、p(x2,y2,g)=0、とすることでドットの配置交換を行う(ステップS145)。
次に、CPU11は、ドットの再配置が行われた画素について、さらなる再配置を行うことを禁止する処理を行う。具体的には、CPU11は、ban(x1,y1)及び(x2,y2)の値を2とする(ステップS146)。
次に、CPU11は、変数SWAPNUMの値から1を減算する(ステップS147)。ステップS147の処理後、ステップS143の判定に戻る。
ステップS143において、変数SWAPNUMの値が0を超えない場合(ステップS143:NO)、CPU11は処理を終了する。
図35に、中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理により生成されるドットパターンの一例及び各ドットパターンの空間周波数を示す。
中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理では、階調値が1である即ち全ての画素についてドットが配置されるドットパターンからドットを削除してドットが配置されない画素を配置されたドットパターンを生成する。このため、図22のフローチャートに示す初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理において管理される階調値gの値が1からgにかけて生成されるドットパターンのドット率は下がる。そして、階調値gがg以下になると、高濃度領域におけるドット配置転換処理から中濃度領域におけるドット配置転換処理に切り替わる。
ステップS52において、行列baninit(x,y)にq(x,y,g)の値をコピーするのは、積層束縛(Stacking Constraint)条件下において、階調値gがg以上となるまでに配置されたドットの再配置を禁止するためである。
ステップS54において、CPU11は、baninit(x,y)=0であって、かつ、q(x,y,g)=0である画素に対応するbaninit(x,y)の値を1とするのは、積層束縛(Stacking Constraint)条件下において、ドットを配置しない画素として決定した画素に対してドットの再配置を行わないためである。
ドットの追加及びドットの削除は、所定の乱数処理以外の方法に基づいて行ってもよい。他の方法として、例えば、誤差拡散を用いる方法が挙げられる。このとき、追加又は削除された後のドットパターンのドットの分布が所望のパターンに近いほどフィルタ処理及び小区画の平均値に基づくパターンの最適化処理及びドット配置転換処理の繰り返しを早く終えることができる。
図33に示すサブフロー及び図32のステップS120に示す中濃度領域におけるドット配置転換処理の終了後又は図34のサブフロー及び図32のステップS121
に示す中濃度領域におけるドット配置転換処理の終了後、CPU11は変数nの値に1を加算する(ステップS122)。その後、ステップS112の処理に戻る。
ステップS118において、MSE2(n)がMSE2(n−1)以上となるまで、ステップS112からの処理が繰り返される(ステップS118:YES)。
ステップS118において、MSE2(n)がMSE2(n−1)以上である場合(ステップS118:NO)、CPU11は処理を終了する。
図32のサブフロー及び図31のステップS102に示す高濃度領域におけるパターン最適化処理の終了後、CPU11は中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理を終了する。
図31のサブフロー及び図22のフローチャートのステップS56に示す中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理の後、CPU11は、閾値マトリクスを示す行列Th(x,y)に最適化処理後のq(x,y,g)を加える(ステップS57)。
次に、CPU11は、階調値gがg以下であるか否かを判定する(ステップS58)。
gがg以下でない場合(ステップS58:NO)、ステップS55の処理に戻り、積層束縛(Stacking Constraint)条件下における中・高濃度領域におけるドットパターン作成処理を繰り返す。
ステップS57において、gがg以下の場合(ステップS58:YES)、CPU11は初期ドットパターンの生成処理によって生成された初期ドットパターンに基づく閾値マトリクスの生成処理を終了する。
このように、本実施形態の閾値マトリクス作成処理の工程は、
所定サイズの画像において所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させた第二のドットパターン(q(x,y,g))を生成する新ドットパターン生成工程(ステップS61、ステップS101)と、
第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程(ステップS79、ステップS92、ステップS120、ステップS121)と、
所望のドット率に基づくドット数のドットパターンを得るまで第三のドットパターンを第一のドットパターンとして新ドットパターン生成工程及び再配置工程を繰り返す繰り返し工程(ステップS44〜S47、ステップS48〜S51、ステップS54〜S58)と、を有し、
再配置工程は、
第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンと所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値として機能する誤差行列ERR(x,y,g)を算出するドットパターン評価値算出工程(ステップS72〜S75、ステップS112〜S115)と、
ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するドット再配置位置決定工程(ステップS84、ステップS93、ステップS134、ステップS144)と、
ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置に基づいて前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程(ステップS85、ステップS135、ステップS145)と、
再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値として機能するMSE2(n)又はMSE2(n)を算出するドット分散性評価値算出工程(ステップS76、ステップS116)と、
再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいてドットパターン評価値算出工程、ドット再配置位置決定工程、再配置パターン生成工程及びドット分散性評価値算出工程を繰り返す再配置繰り返し判定工程(ステップS78、ステップS118)と、
再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された第三のドットパターンを第二のパターン(q(x,y,g))とする工程(ステップS80後のステップS72、ステップS122後のステップS112)と、を有する。
以上、本実施形態によれば、階調値gがg<g<1の範囲内であるドットパターンは、ドットを配置されない複数の画素がx方向にのみ連続するようなドット配置である。このようなドットパターンを用いて生成された閾値マトリクスによる量子化処理によって量子化画像を用いて形成された画像には、x方向に沿って連続するドットを配置されない複数の画素に対応する隙間が生じる。つまり、量子化画像を用いた画像形成時に当該ドットを配置されない複数の画素に対応する良好な隙間を生じさせることができる。よって、従来技術において生じていた、各ドット間の隙間の一部が塗りつぶされ、印刷画像の粒状感が悪化する問題の発生を良好に低減させることができる。
さらに、階調値がg≦g≦gの範囲内であるドットパターンは、ドットを配置されない複数の画素がx方向及びy方向に沿って連続するようなドット配置のドットパターンを有する。これによって、積層束縛(Stacking Constraint)条件下での各階調値のドットパターンの生成処理において、ドットパターンにおけるドットの分散を損なうことなく、各階調値のドットパターンがそのドットパターンよりも階調値の低いドットパターンにおいて配置されている全てのドットと同じ位置に配置されたドットを必ず含むという条件と、ドットを配置されない複数の画素を連続させるという条件と、を共に満たすことができる。このようなドットパターンを用いて生成された閾値マトリクスによる量子化処理によって、ドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することによってドットが配置されない画素に対応する隙間が潰れてしまう可能性を大幅に低減させることができ、画像形成時に当該ドットを配置されない複数の画素に対応する良好な隙間を生じさせることができる。よって、従来技術において生じていた、各ドット間の隙間の一部が塗りつぶされ、印刷画像の粒状感が悪化する問題の発生を良好に低減させることができる。
さらに、階調値gがg≦g<gの範囲内であるドットパターンは、ドットを配置される複数の画素がx方向又はy方向にのみ連続するドット配置を有する。このようなドットパターンを用いて生成された閾値マトリクスによる量子化処理によって、射出角度誤差に起因する着弾ズレやドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することによるスジの発生を低減させることができる。
さらに、CPU11は、階調値gがg<g<1の範囲内であるドットパターン及び階調値がg≦g≦gの範囲内であるドットパターンについて、新ドットパターン生成工程において元となるドットパターンからドット数を減少させてドットパターンを作成する。これによって、ドットを配置されない複数の画素を連続させるドットの再配置を容易に行うことができる。
さらに、CPU11は、階調値gがg≦g<gの範囲内であるドットパターンについて、新ドットパターン生成工程において元となるドットパターンからドット数を増加させてドットパターンを作成する。これによって、ドットを配置される複数の画素を連続させるドットの再配置を容易に行うことができる。
また、隣接するドット同士が引き合うように移動することによって生じるドットの位置ずれは、インクの浸透に時間を要する記録メディア(例えばアート紙やコート紙等の印刷本用紙や光沢紙等)ほど生じやすいので、このようなインクの浸透に時間を要する記録メディアに対して画像形成を行う場合に、本実施形態等、本発明を用いた量子化処理を行うと、ドットの一部が隣接するドットとそれぞれ引き合うように移動することにより印刷画像の粒状感が悪化する問題の発生を顕著に低減させることができる。
なお、誤差行列の値(例えばERR(x,y,g)やERR2(x,y,g)等)に基づいてドット配置転換の対象となる画素を決定する処理において、誤差行列の値に所定の係数による補正を加えてドット配置転換の対象となる画素を決定してもよい。
なお、本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、閾値マトリクス生成装置1が量子化装置200の構成に含まれているが、量子化装置は閾値マトリクス生成装置を備えていなくてもよい。例えば、量子化装置と別個に設けられた閾値マトリクス生成装置により生成された閾値マトリクスを記録媒体又は記憶装置に記憶させ、この記録媒体又は記憶装置から量子化装置の記憶部に閾値マトリクスを複製又はデータ移動させるようにしてもよい。
上記の実施形態ではコンピュータによるソフトウェア処理によって閾値マトリクスの生成処理を行っているが、専用の装置により行ってもよい。
また、閾値マトリクスの生成処理を行うコンピュータは、閾値マトリクスの生成処理以外の処理を行うこともできる。例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにより閾値マトリクスを生成してもよいし、MFP(Multifunction Peripheral)等の機器が備えているCPU等が行う一処理として閾値マトリクスの生成処理を行うようにしてもよい。
また、ドット分散性評価値にMSE以外を用いてもよい。例えば、RAPSDに視覚感度曲線を掛け合わせ、周波数で積分したノイズ値を算出し、そのノイズ値が所定条件を満たす(例えば所定値未満となる等)場合にドットの配置交換を終了させるようにしてもよい。
また、本発明を用いて生成された量子化画像は、記録メディアに対して相対移動を行うプリントヘッドが少なくとも前記相対移動の方向に略直交する方向に複数の記録素子を有する画像形成装置であれば用いることができる。例えば、ワンパス印画方式の画像形成装置や、ノズル列方向に沿ったドットパターンの画素幅に満たない記録素子を有するプリントヘッドHを用いてドットパターンを形成するに際して、ノズル列方向に沿ったドットパターンの画素幅を複数の領域に分解し、プリントヘッドH又は媒体をノズル列方向に沿って移動させて複数に分解された各領域を形成するマイクロウィーブ方式の画像形成装置に用いる量子化画像を生成する場合においても本発明を適用することができる。
1 閾値マトリクス生成装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 ストレージデバイス
15 インタフェース
200 量子化装置
201 取得部
202 記憶部
203 量子化処理部
204 出力部

Claims (15)

  1. 記録メディアの搬送方向に対し直交する方向に沿って記録メディアの画像形成領域の全幅に亘って配列されたインクを吐出する複数の吐出口を有するプリントヘッドにより、記録メディア上に画像を形成する際に用いる画像データを量子化する量子化装置であって、
    前記画像データを取得する取得部と、
    所定の画素領域を構成する各画素についてドット形成を行うか否かを判定するための第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向にマトリクス状に配置された複数の閾値を有する閾値マトリクスを記憶する記憶部と、
    取得した前記画像データ及び前記閾値マトリクスに基づいて当該画像データの量子化を行う量子化処理部と、を備え、
    前記閾値マトリクスは、前記所定の画素領域を構成する全画素数に対するドット数が階調値に応じて各々異なる複数のドットパターンで構成されると共に、前記複数のドットパターンは、相対的に全画素数に対するドット数が多いドットパターンが、相対的に当該ドットパターンよりも全画素数に対するドット数が少ないドットパターンで配置されたドットの位置に配置された全てのドットを含んで構成される条件を満足し、且つ前記複数のドットパターンの中には、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置で構成されるドットパターンを有し、
    前記量子化処理部は、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記閾値マトリクスを適用して前記画像データの量子化を行うことを特徴とする量子化装置。
  2. ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置で構成される前記ドットパターンは、階調値が第1の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが該当する事を特徴とする請求項1記載の量子化装置。
  3. 前記複数のドットパターンの中には、階調値が前記第1の階調値範囲内とは異なる第2の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向及び前記第二方向にのみ形成されるドット配置である複数のドットパターンを更に有する事を特徴とする請求項2記載の量子化装置。
  4. 前記複数のドットパターンの中には、前記第1及び第2の階調値範囲とは異なる第3の階調値範囲内に対応する複数のドットパターンが、ドットが配置される画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向又は前記第二方向にのみ形成されるドット配置である複数のドットパターンを更に有する事を特徴とする請求項3記載の量子化装置。
  5. 前記第1の階調値範囲は、量子化される画像データの高濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の量子化装置。
  6. 前記第2の階調値範囲は、量子化される画像データの中濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項3に記載の量子化装置。
  7. 前記第3の階調値範囲は、量子化される画像データの低濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項4に記載の量子化装置。
  8. 記録メディアの搬送方向に対し直交する方向に沿って記録メディアの画像形成領域の全幅に亘って配列されたインクを吐出する複数の吐出口を有するプリントヘッドにより、記録メディア上に画像を形成する際に用いる画像データを量子化するために用いられ、第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向にマトリクス状に配置された複数の閾値を有し、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記画像データに対して適用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    所定の画素領域において第1の階調値に対応する所定のドット数を有する第一のドットパターンに基づいて前記第一のドットパターンのドット数を増加又は減少させて前記第1の階調値とは異なる第2の階調値に対応する所定のドット数を有する第二のドットパターンを生成する新ドットパターン生成工程と、
    前記第二のドットパターンに含まれるドットを再配置した第三のドットパターンを得る再配置工程と、
    所望のドット数のドットパターンを得るまで前記第三のドットパターンを前記第一のドットパターンとして前記新ドットパターン生成工程及び前記再配置工程を繰り返す繰り返し工程と、を有し、
    前記再配置工程は、
    前記第二のドットパターンに所定の空間フィルタを適用したパターンに対して所望の空間周波数分布に対応するドットパターンを実現するための誤差に基づくドットパターン評価値を前記閾値マトリクス内の各位置に対応させて算出するドットパターン評価値算出工程と、
    前記ドットパターン評価値に基づいて、ドットの再配置において新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置を決定するドット再配置位置決定工程と、
    前記ドット再配置位置決定工程により決定された新たにドットを配置する位置及びドットを削除する位置に基づいて前記第三のドットパターンのドットを再配置する再配置パターン生成工程と、
    再配置された前記第三のドットパターンに対するドット分散性評価値を算出するドット分散性評価値算出工程と、
    再配置された前記第三のドットパターンのドット分散性評価値に基づいて前記ドットパターン評価値算出工程、前記ドット再配置位置決定工程、前記再配置パターン生成工程及び前記ドット分散性評価値算出工程を繰り返すか否かを判定する再配置繰り返し判定工程と、前記再配置繰り返し判定工程において繰り返すと判定された場合、再配置された前記第三のドットパターンを前記第二のパターンとする工程と、を有し、
    前記ドット再配置位置決定工程は、前記搬送方向と前記第一方向とが一致するように前記画像データに対して適用された場合に、前記ドット数が第1の階調値範囲内である前記第二のドットパターンにおいて、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第二方向にのみ形成されるドット配置となるようにドットの位置を決定する事を特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  9. 前記ドット再配置位置決定工程は、前記ドット数が前記第1の階調値範囲内とは異なる第2の階調値範囲内にある前記第二のドットパターンについて、ドットが配置されない画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向及び前記第二方向にのみ形成されるようにドットの位置を決定することを特徴とする請求項8に記載の閾値マトリクス生成方法。
  10. 前記新ドットパターン生成工程は、前記ドット数が前記第1及び第2の階調値範囲内の前記第二のドットパターンについて、前記第一のドットパターンのドット数を減少させて前記第二のドットパターンを作成することを特徴とする請求項9に記載の閾値マトリクス生成方法。
  11. 前記ドット再配置位置決定工程は、前記ドット数が前記第1及び第2の階調値範囲内とは異なる第3の階調値範囲内である前記第二のドットパターンについて、ドットが配置される画素が連続して並ぶ方向が前記第一方向又は前記第二方向にのみ形成されるドット配置となるようにドットの位置を決定することを特徴とする請求項9又は10に記載の閾値マトリクス生成方法。
  12. 前記新ドットパターン生成工程は、前記ドット数が前記第3の階調値範囲内である前記第二のドットパターンについて、前記第一のドットパターンのドット数を増加させて前記第二のドットパターンを作成することを特徴とする請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法。
  13. 前記第1の階調値範囲は、量子化される画像データの高濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の閾値マトリクス生成方法。
  14. 前記第2の階調値範囲は、量子化される画像データの中濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項9又は10に記載の閾値マトリクス生成方法。
  15. 前記第3の階調値範囲は、量子化される画像データの低濃度領域に対応する階調範囲である事を特徴とする請求項11又は12に記載の閾値マトリクス生成方法。
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