JP5188533B2 - データ処理方法、データ処理装置およびディザパターン - Google Patents
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Description
(1)実施形態の概要
本発明の第一の実施形態に係るディザパターンによって2値化されたデータは、特に、色ごとのプレーンが重なったときのドット分布が、低周波成分が少ない良好に分散したものとなる。なお、図2にて上述した例は、ディザパターンを用いた2値化処理をホストコンピュータにおいて行う構成に関するものであるが、プリンタなどの印刷装置の処理負荷などに応じて、印刷装置において2値化処理を行ってもよいことはもちろんである。
本実施形態に係るディザパターンの具体的な製造方法を説明する前に、この製法における斥力ポテンシャルの適用の仕方を説明する。
(i)同一プレーン内のドット間に距離に応じた斥力を与える。
(ii)さらに、異なるプレーン間のドットにも斥力を与える。
(iii)同一プレーンと異なるプレーン間に異なる斥力を与える。
(iv)異なるプレーンのドットの重なりを認め、ドットの重なり(2つのドット重なり、3つのドット重なり、…)同士も組み合わせに応じた斥力を与える。
本実施形態では、同一プレーンのドット同士に関してαE(r)、異なるプレーン間のドット同士に関してβE(r)、重なるドット同士に関してγs(n)E(r)の斥力ポテンシャルを与えて計算を行う。つまり、あるドットが存在することによるポテンシャルは、距離r以内の範囲にある、同プレーンのドット、異なるプレーンのドット、さらには異なるプレーンの重なるドットについての斥力ポテンシャルが加算される。
ンCについても総てのドットの斥力ポテンシャルを計算し最大エネルギーのドットを間引く。
ディザパターンにおける斥力ポテンシャルの重み付け係数α、β、γs(n)の効果
先ず、以上説明した本実施形態のディザパターン製法によって製造されたディザパターンに対して、斥力ポテンシャル計算の(距離の議論はしていない、係数の影響のみの)重み付け係数α、β、γs(n)それぞれがどのように影響しているかについて具体的に説明する。上述したディザパターンの閾値作成アルゴリズムでは、各閾値を決定する際にその時々においてドットとそれに伴う斥力ポテンシャルを定義し、分散性が増すような設計を行った。よってここでも閾値の分布にかんしてドットが分布していると捉えて述べる。上述したように係数αは同一プレーンにおけるドットの分散に影響し、係数βは異なるプレーン間のドットの分散に影響し、また、γs(n)は異なるプレーンのドットが同じ位置の画素にあって重なる場合のこの重なりの分散に影響している。
図9〜図11は、上述した製法によって製造された本実施形態のディザパターンC、M、Y(以下「積層ディザパターン」ともいう)それぞれの閾値配置パターンを閾値の値に応じた濃度で示す図である。また、図19は、特許文献1や特許文献2に記載される従来例のディザパターンの同様のパターンを示す図である。
本発明の実施形態に係るディザパターンが従来の1つのプレーンのみを考慮して得られるディザパターン(特許文献1、特許文献2に記載のディザパターン)と異なる点の1つは、異なるプレーンのディザパターンを正規の位置で重ねた場合と正規ではない位置で重ねた場合の分散特性の変化である。本発明の実施形態に係るディザパターンは、異なるプレーンのディザパターンの重ね方を意図的にずらした場合、閾値配置パターンの分散性が大きく低下する。すなわち、本実施形態では、異なるプレーン間でも分散を考慮していることから、その分散を考慮するときの正規の重ね方とは異なる重ね方をすると分散性が大きく低下する。一方、従来例に係るディザパターンの場合、異なるプレーン間での分散性は考慮していないため、正規の重ね方とは異なる重ね方をしても分散性に変化はない。
図24は、本実施形態の積層ディザパターンC、Mを用いて実際に濃度64の均一画像を2値化して得られるドットパターンの論理積パターンを示す図である。また、図27は、本実施形態の積層ディザパターンC、M、Yを用いて濃度64の均一画像を2値化して得られるドットパターンの論理積パターンを示す図である。さらに、図25および図26は、それぞれ従来例に係るランダムにずらして得られる2つのディザパターンC、Mおよび従来例に係る1画素だけずらして得られる2つのディザパターンC、Mを用いてそれぞれ濃度64の均一画像を2値化して得られるドットパターンの論理積パターンを示す図である。
階調値に応じてディザパターンを切り替えても良い。すなわち、上記の実施形態のよう
にディザパターンを作成した場合、例えば、3つのプレーンの被覆率がすべて50%のも
のは、比較的きれいになる。しかし、それぞれのプレーンの被覆率が50%、25%,25%のものを比較すると画質が低下することがある。これは、例えばマゼンタ25%の閾値のドット分布は、他の色も総て25%プレーンで印刷したときの斥力の影響を受けながら作られるからである。
本発明は、記録装置で用いる複数種類のインク全てについて、上述の実施形態で説明した積層ディザパターンを適用してもよいし、あるいは、記録装置で用いる複数種類のインクの一部のインクの組み合わせについて、積層ディザパターンを適用してもよい。
本発明の実施形態におけるディザパターンのずらしによる評価において、そのサイズは、横:128画素×縦:128画素のサイズである。しかし、縦横のサイズが異なるディザパターンもあり得る。このようなパターンについて周波数成分を求めるときは、ディザパターンの縦横サイズを揃えてから周波数成分を求めるようにする。例えば、256×128で縦が短い場合に、縦横サイズを長手方向のサイズ(この例の場合、横方向の256画素)に揃えるため、縦にパターンを繰り返し、256画素×256画素のパターンとして周波数成分を評価する。
101、J0001 アプリケーション
102 OS
103 プリンタドライバ
104 プリンタ
107 HD
108 CPU
109 RAM
110 ROM
J0005 2値化処理
J0006 印刷データ作成
J0008 マスクデータ変換処理
Claims (5)
- 複数のディザパターンを用いて複数種類のインクのドットの記録データを生成するための量子化を行うデータ処理方法において、
前記複数のディザパターンは、それらの2つ以上を正規の重ね方で重ねた場合の対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、前記平均値の値が隣接する2つの前記閾値画素で異なるものを含んだ複数の前記平均値のパターンのパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲の周波数成分の量が前記低周波数の周波数範囲より高周波数側の高周波数の周波数範囲の周波数成分の量より少なく、かつ、前記低周波数の周波数範囲のパワーが、前記2つ以上のディザパターンについて前記正規の重ね方から重ね位置を1閾値画素分ずらした場合の、対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、複数の前記平均値のパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲のパワーより、すべての低周波数の周波数範囲において少ないことを特徴とするデータ処理方法。 - 前記複数種類のドットは、ドットの色の種類が異なることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理方法。
- 前記複数種類のドットは、ドットのサイズの種類が異なることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理方法。
- 複数のディザパターンを用いて複数種類のインクのドットの記録データを生成するための量子化を行うデータ処理装置において、
前記複数のディザパターンは、それらの2つ以上を正規の重ね方で重ねた場合の対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、前記平均値の値が隣接する2つの前記閾値画素で異なるものを含んだ複数の前記平均値のパターンのパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲の周波数成分の量が前記低周波数の周波数範囲より高周波数側の高周波数の周波数範囲の周波数成分の量より少なく、かつ、前記低周波数の周波数範囲のパワーが、前記2つ以上のディザパターンについて前記正規の重ね方から重ね位置を1閾値画素分ずらした場合の、対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、複数の前記平均値のパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲のパワーより、すべての低周波数の周波数範囲において少ないことを特徴とするデータ処理装置。 - 複数種類のインクのドットの記録データを生成するための量子化を行うために用いられる複数のディザパターンにおいて、
前記複数のディザパターンは、それらの2つ以上を正規の重ね方で重ねた場合の対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、前記平均値の値が隣接する2つの前記閾値画素で異なるものを含んだ複数の前記平均値のパターンのパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲の周波数成分の量が前記低周波数の周波数範囲より高周波数側の高周波数の周波数範囲の周波数成分の量より少なく、かつ、前記低周波数の周波数範囲のパワーが、前記2つ以上のディザパターンについて前記正規の重ね方から重ね位置を1閾値画素分ずらした場合の、対応する前記複数のディザパターンの閾値画素の各閾値の平均値のパターンであって、複数の前記平均値のパワースペクトルにおける低周波数の周波数範囲のパワーより、すべての低周波数の周波数範囲において少ないことを特徴とするディザパターン。
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