JP6282608B2 - 量子化方法及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、量子化方法及び画像処理装置に係り、特に連続階調画像を2値又は多値のドット画像に変換する量子化技術に関する。
インクを吐出するノズルが2次元状に配置されたプリントヘッドを用いて、シングルパス方式で用紙等の記録媒体に印字するインクジェット印刷機が知られている。このような印刷機においてプリントヘッドと用紙との間で紙送り方向に相対的な振動が発生した場合、紙送り垂直方向に沿って延びる帯状のムラ(振動ムラ)が発生する。
特許文献1には、プリントヘッドと用紙との相対振動が紙送り垂直方向(紙の幅方向)に生じた場合に、ハーフトーンパターンを制御することでムラを抑制する技術が開示されている。この技術によれば、紙送り垂直方向の相対振動によって紙送り方向に発生するムラを効果的に抑制することができる。
また、類似した課題はプリントヘッドのヘッドモジュールのつなぎ部においても発生する。複数のヘッドモジュールを紙送り方向に交互にずらして紙送り垂直方向に並べて配置されたシングルパス方式のプリントヘッドが知られている。このようなプリントヘッドでは、隣接するヘッドモジュール間のつなぎ目領域においては、両ヘッドモジュールが紙送り方向にオーバーラップするように配置されることで、両ヘッドモジュールのノズルが紙送り垂直方向に沿って実質的に交互に配置される。ここで、ヘッドモジュールの紙送り方向の配置がずれていると、つなぎ目領域とそれ以外の領域とで印字するパターンに差異が生じ、紙送り方向に沿って延びる帯状のムラ(モジュール間つなぎムラ)が発生する。
特許文献2及び特許文献3には、ヘッドモジュールの位置ズレ等によりヘッドモジュール間のつなぎ部で粒状悪化や濃度変動する問題に対して、ドットの振り分けおよびハーフトーン処理により解決する方法が開示されている。
特開2012−176543号公報 特開2009−018479号公報 特開2011−121248号公報
特許文献1に記載の技術は、紙送り方向に振動が発生した場合も有効ではあるが、粒状感に劣るという課題があった。また、所定の階調域ではムラを抑制することができるが、全階調でその特性を満たすことができるとは限らないという課題があった。
また、特許文献2及び特許文献3の技術は、つなぎ目領域において複数のノズルが同一領域を重複する場合に有効な技術であり、複数のノズルが同一領域を重複しない場合には適用することができないという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、振動ムラやモジュール間つなぎムラの視認性を低減する量子化方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために量子化方法の一の態様は、第1画像データを量子化し、第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データであって、第1方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じ記録素子によりドットが配置され、かつ第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるタイミングでドットが配置される第2画像データに変換する量子化工程と、少なくとも一部の階調において量子化工程を最適化し、量子化パターン内の各画素を順次注目画素とした場合の注目画素と注目画素の近傍に位置する複数の近傍画素であって、注目画素と第2方向に隣接する隣接画素と、隣接画素に対して第1方向に順次隣接する次隣接画素と、を含む近傍画素との相対位置関係毎のドットの配置の発生頻度のばらつきを最適化前のばらつきよりも低減させる最適化工程とを備える。
本態様によれば、濃度振動ムラやモジュール間つなぎムラの視認性を低減することができる。また、より高い自由度で量子化パターンを設計することができる。
特許文献2及び特許文献3においては、それぞれの画素列に属するパターンの評価値を算出することが必要であるのに対し、本態様ではその必要がない。したがって、より簡易に量子化パターンを生成することができる。
近傍画素は、隣接画素と、隣接画素と第1方向に隣接する第1次隣接画素と、第1次隣接画素と第1方向において隣接する第2次隣接画素であって、隣接画素とは異なる第2次隣接画素であることが好ましい。これにより、第2方向に隣接する画素列に配置されるドットが第1方向に1画素程度のずれを有していても、振動ムラやモジュール間つなぎムラを抑制することができる。
最適化工程は、相対位置関係毎の位置相関関数成分に相関する複数の評価値をそれぞれ算出する評価値算出工程と、複数の評価値の差分に基づいて量子化パターンを変更する変更工程とを備えることが好ましい。これにより、量子化工程を適切に最適化することができる。
最適化工程は、相対位置関係毎の位置相関関数成分に相関する複数の評価値のばらつきに相関する最適判定評価値を算出する最適判定評価値算出工程と、最適判定評価値に基づいて量子化パターンが最適か否かを判定する判定工程とを備えることが好ましい。これにより、量子化工程を適切に最適化することができる。
最適判定評価値は、低周波ノイズ及び粒状に相関する評価値を含むことが好ましい。これにより、画像の粒状感が悪化したり、低周波のノイズを発生させたりするハーフトーンパターンが最適値として選択されることを防止することができる。
最適化工程は、2値又は多値のうちの第1種値の画像、又は第1種値と第1種値とは異なる第2種値との組み合わせを抽出した画像について発生頻度のばらつきを最適化前のばらつきよりも低減させることが好ましい。これにより、量子化工程を適切に最適化することができる。
量子化工程は、誤差拡散法により第1画像データを量子化し、最適化工程は、誤差拡散法に用いる誤差拡散係数を最適化することが好ましい。これにより、誤差拡散法を用いる量子化工程を適切に最適化することができる。
量子化工程は、誤差拡散法により第1画像データを量子化し、仮の誤差拡散係数を用いて仮の量子化パターンである評価用パターンを生成する評価用パターン生成工程と、判定工程により評価用パターンが最適と判定された場合に仮の誤差拡散係数を最適な誤差拡散係数として更新する更新工程と備えることが好ましい。これにより、誤差拡散法を用いる量子化工程を適切に最適化することができる。
量子化工程は、閾値マトリクスを使用して第1画像データを量子化し、最適化工程は、閾値マトリクスを最適化することが好ましい。これにより、閾値マトリクスを用いる量子化工程を適切に最適化することができる。
量子化工程は、閾値マトリクスを使用して第1画像データを量子化し、評価値算出工程は、閾値マトリクスを特定閾値で2値又は多値化したパターンについて複数の評価値をそれぞれ算出し、変更工程は、閾値マトリクスを特定閾値で2値又は多値化したパターンについて、複数の評価値の中から複数の評価値の平均値との差分が相対的に大きい評価値に対応するドットの配置を変更することで閾値マトリクスを最適化することが好ましい。これにより、閾値マトリクスを用いる量子化工程を適切に最適化することができる。
第2画像データは、複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、第2方向に複数の記録素子が配列された記録素子列が第1方向に複数列配置された2次元の記録素子配列を有する記録ヘッドと、記録ヘッドと記録媒体とを第1方向に1回だけ相対移動させる移動手段と、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら記録ヘッドにより第2画像データを記録する記録制御手段であって、第1方向に沿う画素列の各画素にそれぞれ同じ記録素子によりドットを配置し、かつ第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素に記録素子列毎に異なるタイミングでドットを配置する記録制御手段とを備えた画像記録装置によって記録されることが好ましい。
本態様に係る量子化方法は、第2方向に複数の記録素子が配列された記録素子列が第1方向に複数列配置された2次元の記録素子配列を有する記録ヘッドを備えた画像記録装置によって記録される画像データの量子化に適用することができる。
第2画像データは、複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、複数の記録素子が第2方向に沿って2以上のM画素間隔で配置された記録素子列を有する記録ヘッドと、記録ヘッドと記録媒体とを第1方向に相対移動させる移動手段であって、記録ヘッドを記録媒体に対して第1方向に往復走査させるヘッド走査手段と、記録ヘッドの第1方向の走査毎に記録媒体を第2方向に移動させる搬送手段と、を備えた移動手段と、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら記録ヘッドにより第2画像データを記録する記録制御手段であって、記録ヘッドの1回の走査において第1方向に沿う画素列の各画素をそれぞれ同じ記録素子によって記録し、かつM回の走査によって第2方向に沿う画素列の各画素をM種類の異なるタイミングで記録する記録制御手段とを備えた画像記録装置によって記録されることが好ましい。
本態様に係る量子化方法は、複数の記録素子が第2方向に沿って2以上のM画素間隔で配置された記録素子列を有する記録ヘッドを備えた画像記録装置によって記録される画像データの量子化に適用することができる。なお、第2方向に沿ってM画素間隔で配置とは、複数の記録素子が第2方向に直線状にM画素間隔で配置されている場合に限定されず、第2方向に沿って並ぶように投影(正投射)した投影記録素子列において、投影記録素子がM画素間隔で配置される場合を含んでいる。
第2画像データは、複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、それぞれ複数の記録素子が配置された複数のヘッドモジュールを第2方向につなぎ合わせて構成され、隣接する第1ヘッドモジュールと第2ヘッドモジュールとのつなぎ部において第1ヘッドモジュールの記録素子と第2ヘッドモジュールの記録素子とが第2方向に沿って交互に配置された記録ヘッドと、記録ヘッドと記録媒体とを第1方向に1回だけ相対移動させる移動手段と、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら記録ヘッドにより第2画像データを記録する記録制御手段であって、つなぎ部において第2方向に沿う画素列の各画素を第1ヘッドモジュールと第2ヘッドモジュールとにおいて異なるタイミングで記録する記録制御手段とを備えた画像記録装置によって記録されることが好ましい。
本態様に係る量子化方法は、それぞれ複数の記録素子が配置された複数のヘッドモジュールを第2方向につなぎ合わせて構成され、隣接する第1ヘッドモジュールと第2ヘッドモジュールとのつなぎ部において第1ヘッドモジュールの記録素子と第2ヘッドモジュールの記録素子とが第2方向に沿って交互に配置された記録ヘッドによって記録される画像データの量子化に適用することができる。
上記目的を達成するために画像処理装置の一の態様は、第1画像データを取得する画像取得手段と、第1画像データを量子化し、第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データであって、第1方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じ記録素子によりドットが配置され、かつ第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるタイミングでドットが配置される第2画像データに変換する量子化手段と、少なくとも一部の階調において量子化手段を最適化し、量子化パターン内の各画素を順次注目画素とした場合の注目画素と注目画素の近傍に位置する複数の近傍画素であって、注目画素と第2方向に隣接する隣接画素と、隣接画素に対して第1方向に順次隣接する次隣接画素と、を含む近傍画素との相対位置関係毎のドットの配置の発生頻度のばらつきを最適化前のばらつきよりも低減させる最適化手段とを備える。
本態様によれば、濃度振動ムラやモジュール間つなぎムラの視認性を低減することができる。また、より高い自由度で量子化パターンを設計することができる。
本発明によれば、振動ムラやモジュール間つなぎムラの視認性を低減することができる。
図1は、印字の際の紙送り方向の振動量と印字された画像とを示す図である。 図2は、振動の有無による用紙上のインクの配置のずれを説明するための図である。 図3は、振動の有無におけるハーフトーンのパターンの変化を示す図である。 図4は、モジュール間つなぎ部の用紙上のインクの配置を示す図である。 図5は、モジュール間つなぎムラを示す図である。 図6は、近傍ドットの相互作用によって生じる濃度変動を説明するための図である。 図7は、対象画素と隣接画素及び次隣接画素との位置関係を示した図である。 図8は、ラスター間でインク着弾位置ズレが発生した場合の近傍領域の画素の位置関係の変化を示す図である。 図9は、2つの画素の10種類の配置パターンを示す図である。 図10は、ハーフトーンパターンの最適化方法の処理を示すフローチャートである。 図11は、2つの画素の10種類の配置の組み合わせを示す図である。 図12は、誤差拡散係数の最適化方法の処理を示すフローチャートである。 図13は、2次元プリントヘッド10と2次元プリント10により形成されるラスターの配置を示す図である。 図14は、誤差拡散係数生成装置のブロック図である。 図15は、誤差拡散法を用いる画像処理装置のブロック図である。 図16は、誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 図17は、閾値マトリクスの最適化方法の処理を示すフローチャートである。 図18は、仮パターンの作成処理を示すフローチャートである。 図19は、閾値マトリクス生成装置のブロック図である。 図20は、閾値マトリクスを用いる画像処理装置のブロック図である。 図21は、誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用した量子化処理を示すフローチャートである。 図22は、誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用する画像処理装置のブロック図である。 図23は、マルチスキャン方式のプリントヘッド30と用紙上に形成されるラスターの配置を示す図である。 図24は、2次元プリントヘッド40と用紙上に形成されるラスターの配置を示す図である。 図25は、2次元プリントヘッド50と用紙上に形成されるラスターの配置を示す図である。 図26は、インクジェット記録装置200の側面模式図である。 図27は、1つのノズル226に対応した記録素子の断面図である。 図28は、インクジェット記録装置200の要部構成を示すブロック図である。 図29は、インクジェット記録装置200Aの要部構成を示すブロック図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
<振動ムラの発生>
図1は、インクジェットの2次元プリントヘッドを用いてシングルパス方式で印字(記録)された画像(印字画像)と、印字の際に発生した紙送り方向の振動の振動量とを示している。同図に示すように、印字画像には、振動の発生に伴い紙送り垂直方向に沿って延びる振動ムラが発生している。この振動ムラの発生原理について説明する。
図2に示すように、2次元プリントヘッド300(記録ヘッドの一例)は、紙送り方向上流側に配置された上流側ノズル列302と紙送り方向下流側に配置された下流側ノズル列304とを有し、上流側ノズル列302と下流側ノズル列304には、それぞれノズル306が紙送り垂直方向に2画素間隔で並べて配置されるとともに、紙送り垂直方向に互いに1画素分ずつずれて配置されている。これにより、ノズル306を紙送り垂直方向に沿って並ぶように投影(正投射)した投影ノズル列(投影記録素子列の一例)は、上流側ノズル列302のノズル306と下流側ノズル列304のノズル306とが1ノズルずつ交互に配置される。すなわち、上流側ノズル列302のノズル306と下流側ノズル列304のノズル306とは、紙送り垂直方向に沿って実質的に1ノズルずつ交互に配置される。
このような2次元プリントヘッド300によって印字される画像について、紙送り方向に並ぶ画素列について着目すると、各画素はそれぞれ同じノズル306によってインクが打滴(記録)される。また、紙送り垂直方向(x方向の一例)に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングで上流側ノズル列302のノズル306からインクが打滴される第1の画素と、第1のタイミングとは一定時間遅れた(異なる)第2のタイミングで下流側ノズル列304のノズル306からインクが打滴される第2の画素とが交互に(周期的に)配置されている。すなわち、紙送り垂直方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるノズルにより異なるタイミングで打滴される。
図2(a)に、2次元プリントヘッド300と用紙(不図示)との間に振動が無い状態で印字される場合の紙送り方向に沿う画素列(ラスター)であって、上流側ノズル列302のノズル306によってインクが打滴される画素列と下流側ノズル列304のノズル306によってインクが打滴される画素列との用紙上のインクの配置を示す。
一方、2次元プリントヘッド300と用紙との間に紙送り方向の相対的な振動が発生した場合(振動ズレが発生した場合)、上流側ノズル列302のノズル306から打滴するインクと下流側ノズル列304のノズル306から打滴するインクとの用紙上の着弾に時間差が生じる。図2(b)に、紙送り方向の振動が発生した状態で印字される場合の上流側ノズル列302のノズル306によってインクが打滴される画素列と下流側ノズル列304のノズル306によってインクが打滴される画素列との用紙上のインクの配置を示す。同図に示すように、用紙上に配置されたインクには紙送り方向の位置にズレが生じている。
また、図3(a)は、図2(a)に示した振動が無い状態で印字された画像のある濃度のハーフトーンパターンであり、図3(b)は、図2(b)に示した振動が発生した状態で印字された画像の同じ濃度のハーフトーンパターンである。このように、振動により異なるタイミングで打滴したインクの着弾位置にズレ(着弾位置ズレ)が生じ、インクの配置のパターンが変化する。その結果、振動が無い状態で印字した画像と振動が発生した状態で印字した画像とで濃度が異なり、紙送り垂直方向に沿って延びる帯状の振動ムラが発生する。
<モジュール間つなぎムラの発生>
前述した振動ムラと類似したムラは、プリントヘッドを構成するヘッドモジュールのつなぎ目領域においても発生する可能性がある。
図4に、複数のヘッドモジュールを紙送り方向に交互にずらして紙送り垂直方向に並べて配置されたシングルパス方式のプリントヘッド310を示す。ここでは、ヘッドモジュール312とヘッドモジュール314とが紙送り垂直方向に並べて配置されており、かつそのつなぎ目において、ヘッドモジュール312とヘッドモジュール314とが紙送り垂直方向に一部がオーバーラップするように配置される。このつなぎ目領域(オーバーラップ領域)においては、ヘッドモジュール312及びヘッドモジュール314には、それぞれ紙送り垂直方向に2画素間隔でノズル(不図示)が並べて配置されるとともに、紙送り垂直方向に互いに1画素分ずつずれて配置されている。したがって、ヘッドモジュール312のノズルとヘッドモジュール314のノズルとは、紙送り垂直方向に沿って実質的に1画素分ずつ交互に配置されている。
このようなプリントヘッド310によって印字される画像について、つなぎ目領域の紙送り方向に並ぶ画素列について着目すると、各画素はそれぞれ同じノズルによって記録される。また、紙送り垂直方向に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングでヘッドモジュール312のノズルからインクが打滴される第1の画素と、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでヘッドモジュール314のノズルからインクが打滴される第2の画素とが交互に(周期的に)配置されている。すなわち、紙送り垂直方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるノズルから異なるタイミングで記録される。図4に、ヘッドモジュール312とヘッドモジュール314とで印字される用紙上のインクの配置を示す。
図5に、複数のヘッドモジュールを紙送り方向に交互にずらして紙送り垂直方向に並べて配置されたシングルパス方式のプリントヘッド320において、各ヘッドモジュールを正常な位置から紙送り方向に相対的にずらして配置した場合(ヘッドモジュール間つなぎズレを有する場合)の用紙上に印字される画像(印字画像)を示す。紙送り方向にヘッドモジュールを相対的にずらして配置すると、つなぎ目領域において紙送り方向上流側のヘッドモジュールのノズルから打滴するインクと紙送り方向下流側のヘッドモジュールのノズルから打滴するインクとの用紙上の着弾に時間差が生じ、用紙上に配置されたインクには紙送り方向の位置にズレ(着弾位置ズレ)が生じる(図3(b)参照)。一方、つなぎ目領域以外の領域においては、そのようなズレが生じない(図3(a)参照)。その結果、印字される画像のつなぎ目領域において印字される部分が、紙送り方向に沿って延びる帯状のモジュール間つなぎムラとなる。
<濃度変動の原因>
振動ムラやモジュール間つなぎムラにおける濃度変動について、ドット配置のいずれの寄与が、濃度変動に最も影響を及ぼしているかを考える。ここでは、濃度寄与成分を、以下の(A)〜(C)の3種類に分解する。
濃度=(A)+(B)+(C)
ここで、(A)=単独ドット効果(〜ドットの密度)、(B)=近傍ドット(例えば1〜2画素)の総合作用(〜メカニカルドットゲイン)、(C)=遠隔ドット(例えば3画素以上)の相互作用(〜オプティカルドットゲイン)である。
発生するズレ量を、1画素程度であると仮定する。(A)のドットの密度に関しては、記録位置が相対的にずれるだけではドットの数は変化しないため、ドット密度は変化しない。したがって、濃度変動には寄与しない。
また、(C)の遠隔ドットの相互作用に関しては、十分に周期性が分散されたパターンにおいては、1画素程度のズレでは遠隔ドットの位置関係は変化しない。したがって、濃度変動には寄与しない。
以上により、濃度変動に対して最も影響が大きいのは、(B)の近傍ドットの相互作用であることがわかる。近傍ドットは、多くの場合それぞれ互いに接触しており、これらの接触関係は濃度寄与に大きな影響を及ぼす。そして、着弾位置ズレの発生によってこれらの接触関係が変化すると、濃度が変動すると予想される。
この近傍ドットの相互作用について、図6を用いて説明する。ここでは、量子化されたパターンとして、チェッカーフラッグパターンを例にして説明する。
図6(a)に示すチェッカーフラッグパターン330は、量子化パターンの元画像である。同図においては、二次元画像の画素配列に対応する正方格子上にドットを印字可能であると仮定し、ドット有りの画素を黒で、ドット無しの画素を白で表している。チェッカーフラッグパターン330は、水平方向と垂直方向とにそれぞれ2画素周期でドット有りの画素とドット無しの画素とを交互に繰り返すドット配置である。
一方、図6(a)に示す位置ズレパターン332は、元画像であるチェッカーフラッグパターン330に対して、垂直方向に並ぶ2画素列毎(2ラスター毎)にドットの配置を垂直方向上方に1画素分の位置ズレを付与したものである。その結果、位置ズレパターン332は、水平方向の画素列が2画素列周期でドット有りの画素からなる画素列とドット無しの画素からなる画素列とを交互に繰り返すドット配置となる。
ここで、チェッカーフラッグパターン330と位置ズレパターン332とにおける周辺画素の配置パターンである近傍パターンの出現頻度について考える。ここでは、近傍パターンとして、水平方向2画素、垂直方向3画素の計6画素からなる配置パターンを考える。
図6(b)に、近傍パターン334、近傍パターン336、及び近傍パターン338を示す。近傍パターン334は図中の左側上段画素と右側中央段画素とがドット有り、近傍パターン336は図中の左側中央段画素と右側中央段画素とがドット有り、近傍パターン338は図中の左側下段画素と右側中央段画素とがドット有りのパターンである。
図6(b)に示すように、チェッカーフラッグパターン330においては、近傍パターン334及び近傍パターン338の出現が多頻度であり、近傍パターン336は出現しない。一方、位置ズレパターン332においては、近傍パターン336の出現が多頻度であり、近傍パターン334及び近傍パターン338は出現しない。このように、チェッカーフラッグパターン330と位置ズレパターン332とでは、3つの近傍パターンの出現頻度が大きく異なる。
図6(c)に、印字時の濃度の変化をシミュレートするために、チェッカーフラッグパターン330及び位置ズレパターン332の黒で示したドット有りの画素をそれぞれインクドットに置き換えたシミュレーション画像340及び342を示す。同図に示すように、シミュレーション画像340とシミュレーション画像342とでは、インクドットによる用紙の被覆率(黒で覆われている面積の割合)が大きく異なり、この被覆率の差が濃度の変動に寄与することが示唆されている。
<濃度変動の抑制方法>
本実施形態では、ノズル列方向に複数の異なるノズルによるラスターを組み合わせることで画像を記録する場合において、少なくとも一部の階調において濃度変動要因の主成分である近傍パターンの統計的な出現頻度が、ノズル列垂直方向におけるインクの着弾位置ズレの発生前後で変化しないようにハーフトーンパターンを制御する。
このような特性を有するハーフトーンパターンについて説明する。
まず「近傍領域」を定義する。近傍領域は、ドットの接触によって被覆率が変動する領域のことを指し、例えばある対象画素(注目画素)とノズル列方向に隣接する隣接画素と、隣接画素に対してノズル列垂直方向に順次隣接する次隣接画素からなる近傍画素の領域である。ここでは、対象画素とノズル列方向に隣接する隣接画素と、隣接画素とノズル列垂直方向に隣接する第1次隣接画素の近傍画素の領域を指すこととする。
図7は、対象画素と隣接画素及び次隣接画素との位置関係を示した図である。同図では、対象画素を(0,0)とし、各画素についてノズル列方向をX方向、ノズル列垂直方向をY方向とした場合の各方向における対象画素からの距離(X,Y)で示している。すなわち、同図に示す(−1,0)の画素及び(1,0)の画素がX方向の隣接画素、(0,−1)の画素及び(0,1)の画素がY方向の隣接画素である。また、(−1,−1)の画素、(−1,1)の画素、(1,−1)の画素、及び(1,1)の画素が次隣接画素である。
ここで、ノズル列垂直方向の画素列(ラスター)間において1画素程度のインクの着弾位置ズレがある場合を考える。図8に、ラスター間でインク着弾位置ズレが発生した場合の近傍領域の画素の位置関係の変化を示す。同図においては、近傍領域を破線で囲って示している。
図8(a)は、インクの着弾位置ズレが発生していない状態を示しており、図8(b)は、対象画素の図中左側に隣接するラスター(X=−1のラスター)において、Y方向に−1画素分のズレが発生した状態を示している。また、図8(c)は、対象画素の図中左側に隣接するラスター(X=−1のラスター)において、Y方向に+1画素分のズレが発生した状態、図8(d)は、対象画素の図中右側に隣接するラスター(X=+1のラスター)において、Y方向に−1画素分のズレが発生した状態、図8(e)は、対象画素の右側に隣接するラスター(X=+1のラスター)において、Y方向に+1画素分のズレが発生した状態を示している。
図8(a)においては、前述したように、対象画素(0,0)に対して(±1,0)の画素及び(0,±1)の画素が隣接画素であり、(±1、±1)の画素が次隣接画素である。
一方、図8(b)においては、対象画素(0,0)に対して(−1,1)、(1,0)、及び(0,±1)の画素が隣接画素であり、(−1,0)、(−1,2)、及び(1,±1)の画素が次隣接画素となる。
また、図8(c)においては、対象画素(0,0)に対して(−1,−1)、(1,0)、及び(0,±1)の画素が隣接画素であり、(−1,−2)、(−1,0)、及び(1,±1)の画素が次隣接画素となる。
同様に、図8(d)においては、対象画素(0,0)に対して(−1,0)、(1,−1)、及び(0,±1)の画素が隣接画素であり、(−1,±1)、(1,−2)、及び(1,0)の画素が次隣接画素となり、図8(e)においては、対象画素(0,0)に対して(−1,0)、(1,1)、及び(0,±1)の画素が隣接画素であり、(−1,±1)、(1,0)、及び(1,2)の画素が次隣接画素となる。
したがって、図8(a)〜(e)に示した5つのケースにおいて、近傍領域のドット(対象画素に対する隣接画素及び次隣接画素のドット)の出現頻度が均一であるハーフトーンパターンを生成することができれば、ノズル列垂直方向のラスター間において1画素程度のインクの着弾位置ズレが発生した場合であっても、近傍領域の位置関係を保存することができることがわかる。
なお、図8(a)〜(e)に示した近傍領域のドットの出現頻度が均一であるハーフトーンパターンとは、図9(a)〜(j)に示す10種類の配置の組み合わせ(黒丸と白丸で表した2つの画素の相対位置関係)の発生頻度が同一であるハーフトーンパターンと等価である。
このように、本実施形態に係るハーフトーンパターンは、少なくとも一部の階調において以下の2画素間の相互位置相関関係が均一である。
X=ノズル列方向、Y=ノズル列垂直方向とすると、
(1)対象画素とノズル列方向に隣接する画素とからなるパターンの頻度=位置相関関数のX=±1、Y=0の値
(2)対象画素とノズル列方向に隣接し、かつノズル列垂直方向に±1画素ずれた画素からなるパターンの頻度=位置相関関数のX=±1、Y=±1の値
(3)対象画素とノズル列方向に隣接し、かつノズル列垂直方向に±2画素ずれた画素からなるパターンの頻度=位置相関関数のX=±1、Y=±2の値
このハーフトーンパターンによれば、ドットの配置がノズル列垂直方向に1画素程度ずれた場合(ノズル列垂直方向に1画素程度の着弾位置ズレが発生した場合)であっても、対象画素と隣接画素(ΔX=±1、ΔY=0の画素)及び次隣接画素(ΔX=±1、ΔY=±1の画素)からなる近傍パターンの統計的な出現頻度が変化しない。したがって、各ラスターがノズル列垂直方向にずれてパターンが変動しても、濃度変動に対して最も影響の大きな近傍パターンの統計的な出現頻度を変動させないようにして、濃度変動を抑制することができる。
<ハーフトーンパターン実現方法>
次に、前述の濃度変動を抑制するハーフトーンパターンを実現する方法について説明する。本実施形態では、少なくとも一部の階調において量子化工程を最適化し、量子化パターン内の各画素を順次注目画素とした場合の注目画素と注目画素の近傍に位置する複数の近傍画素であって、注目画素と第2方向に隣接する隣接画素と、隣接画素に対して第1方向に順次隣接する次隣接画素と、を含む近傍画素との相対位置関係毎のドットの配置の発生頻度のばらつきを最適化前のばらつきよりも低減させた量子化パターンを生成する。
ドットの配置の発生頻度は、2値又は多値のハーフトーン画像のうちの1種類の滴種(第1種値)の画像の相対位置関係について発生頻度のばらつきを低減してもよいし、2種類の滴種(第1種値及び1種値とは異なる第2種値)の組み合わせを抽出した画像について発生頻度のばらつきを低減してもよい。
基本的な流れとしては、図10に示すように、特定階調の量子化パターンを作成し(ステップS1、量子化工程の一例)、位置相関関数成分に相関する評価値を算出し(ステップS2)、算出した評価値に基づいて量子化パターンを変更する(ステップS3、最適化工程の一例)。そして、処理を終了するか否かを判定し(ステップS4)、終了しない場合はステップS2に戻り、変更した量子化パターンにおいて同様の処理を繰り返す。
なお、位置相関関数成分に相関する評価値とは、図9に示した各配置パターン(2つの画素の相対位置関係)の出現頻度(発生頻度)に相関する量であり、具体的には以下のように算出する。
i、mを自然数とし、1≦i≦mを満たす滴種iを有するm値量子化画像について考える。ノズル列方向をx方向、ノズル列垂直方向をy方向、m値量子化画像を、
quant_m(x, y)
と定義する。
このm値量子化画像のうち、滴種iのドットの画像img(i,x,y)を、
if quant_m(x,y) == i then,
img(i,x,y) = 1
else
img(i,x,y) = 0
endif
と定義する。
この場合、滴種i(第1種値の一例)のドットの画像と滴種j(第2種値の一例、jは1≦j≦mを満たす自然数)のドットの画像との位置相関関数(相互相関関数)は、下記式1によって求めることができる。
ここで、correl( i, j, ±1, 0)は、対象画素とノズル列方向に隣接する(x=±1,y=0)隣接画素とのドットの配置の評価値を示し、図11(a)及び(b)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせの頻度の評価値に相当する。
また、correl( i, j, ±1, ±1)は、対象画素と、ノズル列方向に隣接し(x=±1)、かつノズル列垂直方向に±1画素ずれた(y=±1)第1次隣接画素との配置の評価値を示し、それぞれ図11(c)、(d)、(e)、及び(f)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせの頻度の評価値に相当する。
さらに、correl( i, j, ±1, ±2)は、対象画素と、ノズル列方向に隣接し(x=±1)、かつノズル列垂直方向に±2画素ずれた(y=±2)第2次隣接画素との配置の評価値を示し、それぞれ図11(g)、(h)、(i)、及び(j)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせの頻度の評価値に相当する。
これらの10種類の配置の組み合わせの評価値を求め、各評価値が均一になるようにパターンを変更する。
<誤差拡散係数の最適化>
次に、上記の評価値を均一にする制御方法を説明する。最初に、誤差拡散法を用いて量子化する場合について説明する。誤差拡散法を用いる場合は、誤差拡散係数を最適化することで、生成されたハーフトーンパターンに濃度変動を抑制できる特性を持たせる。
誤差拡散係数の最適化方法は、図12に示すように、まず仮の最適な誤差拡散係数として、初期の誤差拡散係数を設定する(ステップS11)。
次に、最適な誤差拡散係数に乱数を加算し(ステップS12)、この乱数を加算した誤差拡散係数(仮の誤差拡散係数の一例)を使用して、平網画像(中間階調のベタ画像)を量子化して評価用パターンを生成する(ステップS13、評価用パターン生成工程)。続いて、この評価用パターンである量子化画像を使用して、評価値を算出する(ステップS14、評価値算出工程の一例)。
そして、この評価値が最適な誤差拡散係数の評価値(最適化前のばらつきに相当)に対して改善したか否かを判定し(ステップS15、判定工程の一例)、改善した場合にはステップS12において乱数を加算した誤差拡散係数を新たな最適な誤差拡散係数として更新し(ステップS16、変更工程の一例、更新工程の一例)、改善しない場合には最適な誤差拡散係数の更新を行わない(ステップS17)。
この処理を予め設定した規定回数だけ実施したか否かを判定し(ステップS18)、規定回数に達していない場合にはステップS12に戻って同様の処理を繰り返す。規定回数の実施をした場合は、処理を終了する。
ここで、ステップS14(最適判定評価値算出工程の一例)において評価値(最適判定評価値の一例)を算出する際の評価関数の一例を下記式2に示す。
なお、cijは、cij>0を満たす重み付け係数である。
式2は、図11(a)〜(j)に示した10種類の滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせの相関関数成分のばらつき、すなわち、対象画素と隣接画素及び次隣接画素との相関関数成分の平均値との差分を、滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせ毎に加算したものである。したがって、このeval_bandの値が小さいほど、各近傍パターンの発生頻度のばらつきが小さく、着弾位置ズレが発生しても濃度変動を抑制することができる。したがって、ステップS15において評価値が改善するとは、このeval_bandの値が乱数を加算する前の誤差拡散係数に対するeval_bandと比較して小さくなることを指す。
なお、相関関数の性質上、correl(i,j,x,y) = correl(j,i, -x, -y)が成り立つ。これらの関係性を用いて、評価関数の足し合わせの組み合わせ(例えば {i,j}の組み合わせ)を減らしてもよい。また、寄与が小さいと考えられる滴種のドットの配置の組み合わせ等に関しては、重みづけ係数cijの値を相対的に小さくして寄与を変えてもよい。
このように最適化された誤差拡散係数を用いて量子化を行うことで、濃度変動を抑制することができる。
〔左右対称性がある場合〕
その他にも、物理的な検討からeval_bandに加算する滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の相関関数成分のばらつきの組み合わせを省略可能な場合が存在する。
図13に示す2次元プリントヘッド10は、紙送り垂直方向(ノズル列方向)に複数のノズル12(記録素子の一例)が配列されたノズル列12a(記録素子列の一例)とノズル列12bとが紙送り方向(ノズル列垂直方向)に複数列配置された2次元のノズル配列(記録素子配列の一例)を有している。ノズル列12a及びノズル列12bの各ノズル12は、それぞれ紙送り垂直方向に2画素間隔で並べて配置されるとともに、紙送り垂直方向に互いに1画素分ずつずれて配置されている。したがって、ノズル列12aのノズル12とノズル列12bのノズル12とは、紙送り垂直方向に沿って実質的に1画素分ずつ交互に配置されている。
このように構成された2次元プリントヘッド10と用紙(図13において不図示)とを紙送り方向に相対的に移動させながら用紙に画像を印字した場合、印字される画像の紙送り方向に並ぶラスターについて着目すると、ノズル列12aのノズル12からインクが打滴されるラスターとノズル列12bのノズル12からインクが打滴されるラスターとを有している。すなわち、紙送り方向に沿うラスターの各画素はそれぞれ同じノズルによって印字される。
また、紙送り垂直方向に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングで上流側のノズル列12aのノズル12からインクが打滴される画素と、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで下流側のノズル列12bのノズル12からインクが打滴される画素とが1画素ずつ交互に配置されている。すなわち、紙送り垂直方向に沿う画素列は、異なるノズルによるラスターが組み合わされている。
図13は、正方格子で表される画像格子の各セルが画素に対応しており、ノズル列12aからインクが打滴されるラスター14aとノズル列12bからインクが打滴されるラスター14bとを示している。
このように構成された2次元プリントヘッド10において振動ズレが発生した場合、インクの着弾位置ズレはラスター14a同士とラスター14b同士とで連動して発生する。また、一方のラスターから見ると他方のラスターは必ずノズル列方向の両側に存在する。すなわち、ラスターには紙送り垂直方向の対称性が存在する。
このような場合は、濃度寄与に関して以下の関係があるといえる。
correl(i,j,x,y)の濃度寄与 ~ correl(i,j,-x,y)の濃度寄与
例えば、図11(a)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせにおける濃度寄与と図11(b)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせにおける濃度寄与とは等しい。同様に、図11(c)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせにおける濃度寄与と図11(d)に示す滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせにおける濃度寄与とは等しい。
このような特性を鑑みて、評価関数を変更することも可能である。左右対称性を有する場合の評価値を算出する際の評価関数の一例を下記式3に示す。
〔低周波ノイズ及び粒状感を考慮する場合〕
以上のように、濃度変動の抑制にのみに着目した評価関数を使用した場合、画像の粒状感が悪化したり、低周波のノイズを発生させたりするハーフトーンパターンが最適値として選択されることがある。このような課題に対しては、下記式4に示すように、評価関数を濃度変動抑制と低周波ノイズ及び粒状との関数とする構成も可能である。
eval_total = f(eval_band, eval_graininess) …(式4)
関数の形としては、例えば単純に積をとることも可能である。
eval_total = eval_band ・eval_graininess …(式5)
また、低周波ノイズ及び粒状の評価関数としては例えば以下の構成が可能である。
ここで、quant_m(kx,ky)=fft(quant_m(x,y))、fftはフーリエ級数展開を示す。また、filterは周波数フィルタであり、ハイパスフィルタであることが望ましい。特に人間の目で視認される周波数(例えば5cycle/mm)より低い周波数に関しては、強調されるものが好ましい。
これにより、最適判定評価値に低周波ノイズ及び粒状に相関する評価値を含むことができ、したがって、画像の粒状感が悪化したり、低周波のノイズを発生させたりするハーフトーンパターンが最適値として選択されることを防止することができる。
<誤差拡散係数生成装置>
以上のように誤差拡散係数を最適化する誤差拡散係数生成装置100について説明する。図14に示すように、誤差拡散係数生成装置100(最適化手段の一例)は、初期係数設定部112、乱数加算部114、平網量子化部116、評価値算出部118、誤差拡散係数更新部120、及び誤差拡散係数記憶部122から構成される。
初期係数設定部112は、仮の最適な誤差拡散係数である初期の誤差拡散係数を設定する。乱数加算部114は、最適な誤差拡散係数に乱数を加算する。平網量子化部116は、乱数が加算された誤差拡散係数を用いて平網画像を量子化する。
評価値算出部118は、平網画像の量子化画像の評価値(例えば式2に示したeval_band)を算出する。誤差拡散係数更新部120は、評価値算出部118が算出した評価値が最適な誤差拡散係数の評価値に対して改善したか否かを判定し、改善した場合に乱数を加算した誤差拡散係数を新たな最適な誤差拡散係数として更新する。誤差拡散係数記憶部122は、最適な誤差拡散係数を記憶する。
<誤差拡散法による画像処理装置>
以上のようにして最適化した誤差拡散係数を用いて連続階調画像(入力画像)の量子化を行う画像処理装置について説明する。図15に示すように、画像処理装置130は、画像データ入力部132、処理画素特定部134、演算部136(図15中「階調値+周辺誤差演算部」として表記した。)、基本パターン格納部138、閾値格納部140、量子化判定部142、量子化誤差演算/拡散部144、処理結果記憶部146、及び量子化画像出力部148から構成される。
画像データ入力部132(画像取得手段の一例)には、量子化を行うための連続階調画像データ192(第1画像データの一例)が入力される。画像データ入力部132は、外部又は装置内の他の信号処理部から画像データを取り込むデータ入力端子で構成することができる。また、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
処理画素特定部134は、入力された画像データにおける量子化処理の対象となる画素(処理画素)を指定する。演算部136は、処理画素の階調値と周辺の量子化済み画素から拡散された量子化誤差の累積値とを加算する。
基本パターン格納部138は、ドット配置の制約条件に利用する基本パターンのデータを格納している。また、閾値格納部140は、本実施形態に係る最適な誤差拡散係数が格納されている。
量子化判定部142は、演算部136から得られる値と、量子化判定用の閾値(「誤差拡散用閾値」ともいう。)とを比較し、さらに基本パターンの制約条件を満たすように画素値を量子化する。量子化誤差演算/拡散部144は、量子化誤差を計算して処理画素の周囲の未処理画素に拡散させる。
処理結果記憶部146は、量子化結果を記憶する。量子化画像出力部148は、量子化処理によって生成された量子化パターンのドット画像194(第2画像データの一例)を出力する出力部である。量子化画像出力部148は、通信インターフェース、メモリカードその他の外部記憶媒体を読み込むメディアインターフェース、画像信号の出力端子など、各種の形態があり得る。
図16は、量子化誤差演算/拡散部144で用いられる誤差拡散マトリクスの例である。同図における「x」が量子化対象画素の位置を表し、矢印は量子化処理の処理順を表す。注目画素(量子化対象画素x)に隣接する4つの未処理画素(右横、右斜め下、真下、左斜め下)に対して、それぞれ量子化誤差が配分される。誤差の配分比率を規定する誤差拡散係数A〜Dは、本実施形態により最適化されており、閾値格納部140に格納されている。
本実施形態において、処理画素特定部134、演算部136、基本パターン格納部138、閾値格納部140、量子化判定部142、量子化誤差演算/拡散部144、及び処理結果記憶部146が「量子化手段」に相当する。
<閾値マトリクスの最適化>
次に、閾値マトリクスを用いて量子化する場合における評価値を均一にする制御方法について説明する。ここでは、特定閾値で2値化又は多値化したパターンを最適化した閾値マトリクスとすることで、閾値マトリクスを用いて生成されたハーフトーンパターンに濃度変動を抑制できる特性を持たせる。
閾値マトリクスの最適化方法は、図17に示すように、まず仮パターンとして初期パターンを作成する(ステップS21)。
次に、仮パターンについて特定閾値で2値化又は多値化したパターンの位置相関関数成分に相関する評価値を算出し(ステップS22、評価値算出工程の一例)、この評価値が前回の評価値(最適パターンにおける評価値、最適化前のばらつきに相当)に対して改善したか否かを判定する(ステップS23、判定工程の一例)。改善した場合にはこのパターンを最適パターンとして更新し(ステップS24、変更工程の一例、更新工程の一例)、改善しない場合には最適パターンの更新を行わない(ステップS25)。
この処理を予め設定した規定回数だけ実施したか否かを判定し(ステップS26)、規定回数に達していない場合には、評価値を算出したパターンとは異なる新たな仮パターンを作成し(ステップS27)、ステップS22に戻って同様の処理を繰り返す。規定回数の実施をした場合は、この時点での最適パターンを最適化された閾値マトリクスとして処理を終了する。
位置相関関数成分に相関する評価値は、誤差拡散法の場合と同様に、式2や式3を用いて算出することができる。
このように最適化された閾値マトリクスを用いて量子化を行うことで、濃度変動を抑制することができる。
〔評価値を使用した仮パターン作成〕
ステップS27における仮パターン作成時に、ステップS22において算出した評価値をフィードバックして使用する構成も可能である。ここでは、評価値を使用して変更画素の候補を絞る例を説明する。
この仮パターンの作成処理は、図18に示すように、最初に元画像を取得する(ステップS31)。ここでは、元画像として現在の最適パターンを用いる。
次に、この最適パターンを特定閾値で2値化又は多値化したパターンの位置相関関数成分に相関する評価値を算出する(ステップS32)。ここでは、相対位置関係毎の複数の評価値を算出する。ステップS22において算出した評価値を記憶しておき、その記憶した評価値を読み出してもよい。
次に、均一にするべき位置相関関数成分のうち、平均から最も乖離しているものを選択する(ステップS33)。ここでは、ステップS32で算出した複数の評価値のうち、これら複数の評価値の平均値から最も差分が大きい評価値(差分が相対的に大きい評価値の一例)を選択する。すなわち、図11(a)〜(j)に示した10種類の滴種iのドットと滴種jのドットとの配置の組み合わせの評価値のうち、最も出現頻度が高い、又は最も出現頻度が低い組み合わせの評価値を、それぞれの相関関数成分correl( i, j,Δx,Δy)とその平均とを比較して選択する。また、この選択した評価値に対応する配置の組み合わせの画素の位置を特定し、変更候補領域として設定する(ステップS34)。
続いて、元画像(最適パターンを特定閾値で2値化又は多値化したパターン)にハイパスフィルタを畳み込む(ステップS35)。これにより、元画像内のドットの配置の周波数成分を濃淡で表した画像に変換する。さらに、ハイパスフィルタを畳み込んだ画像の中で、ステップS34において設定された変更候補領域に含まれ、かつ濃度が最も平均からずれている画素(ドット密度が最も高い又は低い画素)を、ドット有りの画素(ここではon画素と呼ぶ)であればドット無しの画素に変更し、ドット無しの画素(ここではoff画素と呼ぶ)であればドット有りの画素に変更する(ステップS36)。
次に、ステップS36において変更した画素がon画素であったか(変更してoff画素になったか)否かを判定する(ステップS37)。変更した画素がon画素であった場合(on画素をoff画素に変更した場合)はステップS38に移行し、変更した画素がoff画素であった場合(off画素をon画素に変更した場合)はステップS41に移行する。
変更した画素がon画素であった場合は、画素変更後の画像において、off画素をon画素に変更しても位置相関関数成分が平均から外れない画素を、新変更候補領域として設定する(ステップS38)。
さらに、画素変更後の画像にハイパスフィルタを畳み込み(ステップS39)、画素変更後の画像内のドットの配置の周波数成分を濃淡で表した画像に変換する。そして、ステップS38で設定された新変更候補領域に含まれ、かつ最も濃度の低いoff画素をon画素に変更することで(ステップS40)、変更後画像を作成する(ステップS44)。
一方、変更した画素がoff画素であった場合は、画素変更後の画像において、on画素をoff画素に変更しても位置相関関数成分が平均から外れない画素を、新変更候補領域として設定する(ステップS41)。
さらに、変更後の画像にハイパスフィルタを畳み込み(ステップS42)、画素変更後の画像内のドットの配置の周波数成分を濃淡で表した画像に変換する。そして、ステップS41で設定された新変更候補領域に含まれ、かつ最も濃度の高いon画素をoff画素に変更することで(ステップS43)、変更後画像を作成する(ステップS44)。
変更後画像は、特定閾値で2値化又は多値化したパターンとなっているため、元画像である閾値マトリクスに基づいて変更後画像から閾値マトリクスを生成し、最適パターンを更新する。
このように、算出した評価値を使用し、位置相関関数成分のなかで最も平均からずれているものに対応する画像領域からドット(又は抜け)を選択し、濃度の均一性を考慮したうえで位置相関関数成分が増えない(減らない)場所に移動する。その結果、位置相関関数成分の中で平均からずれたものがより平均に近くなるため、濃度変動に起因するムラが低減でき、かつ粒状感をも改善することができる。
<閾値マトリクス生成装置>
以上のように閾値マトリクスを最適化する閾値マトリクス生成装置150について説明する。図19に示すように、閾値マトリクス生成装置150(最適化手段の一例)は、パターン作成部152、評価値算出部154、パターン更新部156、及び閾値マトリクス記憶部168から構成される。
また、パターン更新部156は、入力部158、変更候補領域設定部160、ハイパスフィルタ処理部162、画素変更部164、及び出力部166から構成される。
パターン作成部152は、前述の仮パターンを作成する。評価値算出部154は、仮パターンの位置相関関数成分に相関する評価値を算出する。
パターン更新部156は、評価値算出部154が算出した評価値に応じて最適パターンを更新する。入力部158は、現在の最適パターンである元画像を取得する。
変更候補領域設定部160は、前述の変更候補領域や新変更候補領域を設定する。ハイパスフィルタ処理部162は、元画像や画素変更画像にハイパスフィルタを畳み込む処理を行う。
画素変更部164は、元画像にハイパスフィルタを畳み込んだ画像の中で、変更候補領域に含まれ、かつ濃度が最も平均からずれている画素の変更を行う。また、画素変更後の画像にハイパスフィルタを畳み込んだ画像の中で、新変更候補領域に含まれ、かつ最も濃度の低いoff画素をon画素に変更したり、最も濃度の高いon画素をoff画素に変更する。
出力部166は、新たな仮パターンである変更後画像を作成し、出力する。閾値マトリクス記憶部168は、最終的な最適パターンである最適化された閾値マトリクスを記憶する。
<閾値マトリクスによる画像処理装置>
以上のようにして最適化した閾値マトリクスを用いて連続階調画像の量子化を行う画像処理装置について説明する。図20に示すように、画像処理装置170は、画像データ入力部172、閾値マトリクス格納部174、量子化処理部176、及び量子化画像出力部178から構成される。
画像データ入力部172(画像取得手段の一例)には、量子化を行うための連続階調画像データ192が入力される。閾値マトリクス格納部174には、本実施形態により最適化された閾値マトリクスのデータが記憶される。量子化処理部176は、閾値マトリクス格納部174に格納されている閾値マトリクスを参照して入力画像の量子化を行う。
量子化画像出力部178は、量子化処理部176で生成された量子化パターンのドット画像194を出力する出力部である。
本実施形態において、量子化処理部176及び閾値マトリクス格納部174が「量子化手段」に相当する。
<誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用した量子化>
誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用した量子化処理について、図21を用いて説明する。同図において、dither[x][y]は位置(x,y)の閾値マトリクス値(成分)を表す。th_dth[i][level]は階調に依存した、閾値マトリクスとの比較値(閾値マトリクスと比較する閾値)を示す(i=0,1,2)。th_edf[level]は誤差拡散閾値を示す。dot[j][level]は階調値(level)ごとに{滴なし、小滴、中滴、大滴}のうちいずれかのドットサイズ(滴種)に対応付けられる(j=0,1,2,3)。
各画素量子化処理がスタートすると、最初に、対象画素の元の階調値と、誤差拡散により当該対象画素に拡散された周辺誤差の和をとることで、周辺誤差を含んだ階調値を算出する(ステップS101)。
次に、閾値マトリクスの値(dither[x][y])と閾値th_dth[i][level]とを比較することにより、画像の領域を分割する。この閾値th_dth[i][level]は、対象画素の階調値(level)ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ここでは、第1の閾値th_dth[0][level]、第2の閾値th_dth[1][level]、及び第3の閾値th_dth[2][level]を用いて、4領域に分割される。
まず、閾値マトリクスの値と第1の閾値th_dth[0][level]との比較を行う(ステップS102)。比較の結果、閾値マトリクスの値の方が小さい場合は、dot[0][level]で指定
されるドットサイズが選択される(ステップS103)。
ステップS102において、閾値マトリクスの値が第1の閾値以上の場合は、続いて閾値マトリクスの値と第2の閾値th_dth[1][level]との比較を行う(ステップS104)。比較の結果、閾値マトリクスの値の方が小さい場合は、dot[1][level]で指定されるドッ
トサイズが選択される(ステップS105)。
ステップS104において、閾値マトリクスの値が第2の閾値以上の場合は、さらに閾値マトリクスの値と第3の閾値th_dth[2][level]との比較を行う(ステップS106)。閾値マトリクスの値が第3の閾値th_dth[2][level]以下の場合は、ステップS107に進み、周辺誤差を含んだ階調値と誤差拡散閾値th_edf[level]との比較を行う(ステップS107)。この誤差拡散閾値th_edf[level]についても、対象画素の階調値ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ステップS107における比較の結果、周辺誤差を含んだ階調値の方が誤差拡散閾値よりも小さい場合は、dot[2][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS108)。
一方、ステップS107において、周辺誤差を含んだ階調値が誤差拡散閾値以上である場合は、dot[3][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS109)。このように、ディザ閾値が第3の閾値以下(かつ第2の閾値以上)の領域では、誤差拡散法による2値化の処理が行われる。
また、ステップS106において、閾値マトリクスの値の方が第3の閾値よりも大きい場合は、dot[4][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS110)。
なお、各dot[j][level]のドットサイズは階調値ごとに適宜決めることができる。例えば、ある階調値に対して、dot[0][level]は小滴、dot[1][level]は中滴、dot[2][level]は滴無し、dot[3][level]は大滴、及びdot[4][level]は大滴、のように決めることができる。基本的に、dot[3][level]>dot[2][level]を満たしていればよく、量子化誤差が大きいと大きいドットを打ち、小さいと小さいドットを打つように各値を定める。
以上のように対象画素のドットサイズを選択後、量子化誤差を算出する(ステップS111)。量子化誤差は、周辺誤差を含んだ階調値を量子化したことによって発生する誤差であり、周辺画素を含んだ階調値と量子化閾値との差である。量子化閾値は、各dot[0][level]、dot[1][level]、dot[2][level]、dot[3][level]、dot[4][level]にそれぞれ対応付けられた階調値である。
この算出した量子化誤差を所定の誤差拡散マトリクス(図16参照)に従って周辺の画素へ拡散する(ステップS112)。続いて量子化の対象画素を隣接画素へ移行し、同様の処理を行うことで、すべての画素の量子化を行う。
上記の量子化処理によれば、ステップS103、S105、S110に該当する各領域のdot[0][level]、dot[1][level]、dot[4][level]の記録率は、閾値マトリクスに従って決定され、残りの領域は、誤差拡散法で2値化することによって決定される(ステップS108、S109)。このように量子化を行うことで、4値の記録率を階調ごとに一意に決定することができる。
本例では、各閾値th_dth[i][level]は、対象画素の元の階調値における閾値を用いたが、周辺誤差を含んだ階調値における閾値を用いてもよい。
<誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用する画像処理装置>
誤差拡散法と閾値マトリクスとを併用して連続階調画像の量子化を行う画像処理装置について説明する。図22の構成中、図15及び図20で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図22に示すように、画像処理装置180は、画像データ入力部132、処理画素特定部134、演算部136(図22中「階調値+周辺誤差演算部」として表記)、基本パターン格納部138、閾値格納部140、量子化誤差演算/拡散部144、処理結果記憶部146、量子化画像出力部148、閾値マトリクス格納部174、及び量子化処理部182から構成される。
量子化処理部182は、演算部136から得られる値と、量子化判定用の閾値とを比較し、さらに基本パターンの制約条件を満たすように画素値を量子化する量子化判定部142Aと、閾値マトリクス格納部174に格納されている閾値マトリクスを参照して入力画像の量子化を行うディザ処理部176Aとを備えている。
この画像処理装置180は、図21に示したフローチャートに従い、量子化を行う。
以上説明したように、基本パターンを利用した量子化を行うことで、濃度変動を抑制することができるので、振動ムラやモジュール間つなぎムラの視認性を低減することができる。
<プリントヘッドの例>
本実施形態に係る量子化方法は、第1方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じ記録素子によりドットが配置され、かつ第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるタイミングでドットが配置される第2画像データについて適用することができる。
このような記録を行うプリントヘッドとして、図2に示した2次元プリントヘッド300、図4に示したプリントヘッド310、図5に示したプリントヘッド320、及び図13に示した2次元プリントヘッド10等を適用することができる。これらのプリントヘッドにおいて、紙送り方向(ノズル列垂直方向)が第1方向、紙送り垂直方向(ノズル列方向)が第2方向に相当する。
また、図23に示すマルチスキャン方式のプリントヘッド30は、複数のノズル32が配置されており、各ノズル32は、それぞれ紙送り方向(ノズル列方向、図23における右方向)に沿って実質的に2画素間隔で並べて配置されている。
プリントヘッド30は、図23(a)に示す状態から図23(b)に示す状態までヘッド走査方向に走査される間、各ノズル32から用紙上の第1の画素列にインクを打滴する。
その後、図23(c)に示すように紙送り方向に1画素分用紙を送り、さらに、図23(d)に示す状態から図23(e)に示す状態まで走査される間、各ノズル32から用紙上の第2の画素列にインクを打滴する。
このように構成されたプリントヘッド30によって印字される画像のヘッド走査方向に並ぶ画素列について着目すると、各画素はそれぞれ同じノズルによって印字される。
また、紙送り方向に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングでインクが打滴される画素と、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでインクが打滴される画素とが1画素ずつ交互に配置されている。すなわち、紙送り方向に沿う画素列の各画素は2つの異なるタイミングで印字される。図23では、紙送り方向に並ぶ画素列において第1のタイミングでインクが打滴される画素と第2のタイミングでインクが打滴される画素とを、それぞれ異なる濃度で表現している。
本実施形態に係る量子化方法は、プリントヘッド30によってマルチスキャン方式で印字される画像データについても適用することができる。ここでは、ヘッド走査方向が第1方向、紙送り方向が第2方向に相当する。
図24に示す2次元プリントヘッド40は、ヘッドモジュール40a(第1ヘッドモジュールの一例)及びヘッドモジュール40b(第2ヘッドモジュールの一例)を備えている。ヘッドモジュール40a及びヘッドモジュール40bは、紙送り方向(ノズル列垂直方向)に互いにずらして配置されており、かつ、つなぎ目において紙送り方向にオーバーラップするように配置されている。
ヘッドモジュール40a及びヘッドモジュール40bには、それぞれ複数のノズル42が配置されている。また、つなぎ目領域においては、ヘッドモジュール40a及びヘッドモジュール40bには、それぞれ紙送り垂直方向(ノズル列方向)に2画素間隔でノズルが並べて配置されるとともに、紙送り垂直方向に互いに1画素分ずつずれて配置されている。したがって、ヘッドモジュール40aのノズル42とヘッドモジュール40bのノズル42とは、紙送り垂直方向に沿って実質的に1ノズルずつ交互に配置されている。
このように構成された2次元プリントヘッド40によって用紙(図24において不図示)を紙送り方向に移動させながら印字する画像のつなぎ目領域の紙送り方向に並ぶ画素列について着目すると、ヘッドモジュール40aのノズル42からインクが打滴される画素列とヘッドモジュール40aのノズル42からインクが打滴される画素列とを有している。すなわち、紙送り方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じノズルによって印字される。
また、紙送り垂直方向に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングでヘッドモジュール40aのノズル42からインクが打滴される画素と、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでヘッドモジュール40bのノズル42からインクが打滴される画素とが1画素ずつ交互に配置されている。すなわち、紙送り垂直方向に沿う画素列の各画素は2つの異なるタイミングで印字される。図24では、紙送り垂直方向に並ぶ画素列において第1のタイミングでインクが打滴される画素と第2のタイミングでインクが打滴される画素とを、それぞれ異なる濃度で表現している。
本実施形態に係る量子化方法は、プリントヘッド40によってシングルパス方式で印字される画像データについても適用することができる。ここでは、紙送り方向が第1方向、紙送り垂直方向が第2方向に相当する。
また、図25に示す2次元プリントヘッド50は、複数のノズル52が2次元状に配置されている。この複数のノズル52は、紙送り方向(ノズル列垂直方向)上流側から順にノズル列52a、52b、52c、及び52dの4つのノズル列を構成し、紙送り方向に複数列配置されている。ノズル列52a、52b、52c、及び52dの各ノズル52は、それぞれ紙送り垂直方向(ノズル列方向)に4画素間隔で並べて配置されるとともに、紙送り垂直方向に互いに1画素分ずつずれて配置されている。したがって、ノズル列52a、52b、52c、及び52dのノズル52は、紙送り垂直方向に沿って実質的に1ノズルずつ周期的に配置されている。
このように構成された2次元プリントヘッド50によって用紙(図25において不図示)を紙送り方向に移動させながら印字する画像の紙送り方向に並ぶ画素列について着目すると、ノズル列52aのノズル52からインクが打滴される画素列と、ノズル列52bのノズル52からインクが打滴される画素列と、ノズル列52cのノズル52からインクが打滴される画素列と、ノズル列52dのノズル52からインクが打滴される画素列とを有している。すなわち、紙送り方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じノズルによって印字される。
また、紙送り垂直方向に並ぶ画素列について着目すると、第1のタイミングで最も上流側のノズル列52aのノズル52からインクが打滴される画素と、第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでノズル列52aの次に上流側のノズル列52bのノズル52からインクが打滴される画素と、第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングでノズル列52bの次に上流側のノズル列52cのノズル52からインクが打滴される画素と、第1のタイミング、第2のタイミング及び第3のタイミングとは異なる第4のタイミングで最も下流側のノズル列52dのノズル52からインクが打滴される画素とが、1画素ずつ周期的に配置されている。すなわち、紙送り垂直方向に沿う画素列の各画素はノズル列52a、52b、52c、及び52d毎の4つの異なるタイミング(記録素子列毎に異なるタイミングの一例)で印字される。図25では、紙送り垂直方向に並ぶ画素列において第1のタイミング〜第4のタイミングでインクが打滴される画素を、それぞれ異なる濃度で表現している。
本実施形態に係る量子化方法は、プリントヘッド50によってシングルパス方式で印字される画像データについても適用することができる。ここでは、紙送り方向が第1方向、紙送り垂直方向が第2方向に相当する。
<インクジェット記録装置の構成について>
図26に示すように、本実施形態の画像処理装置が用いられるインクジェット記録装置200(画像記録装置の一例)は、用紙1の記録面に画像を記録するシングルパス方式のラインプリンタであり、搬送ドラム210、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Y等を備えている。
搬送ドラム210の搬送面の回転軸を挟んで対向する位置には、用紙1の先端を把持するための2つのグリッパー212が設けられている。また、搬送ドラム210の搬送面には、多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されている。給紙部202から導入された用紙1は、グリッパー212によって先端を把持され、回転する搬送ドラム210の周面に巻き掛けられる。さらに用紙1は、吸引穴から吸引されることにより、搬送ドラム210の周面に吸着保持される。搬送ドラム210は、吸着保持した用紙1を搬送ドラム210の回転方向であるY方向に搬送する。Y方向は、紙送り方向に該当する。
4つのインクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yは、搬送ドラム210の紙送り方向に所定の間隔を空けて上流側から順に配置されている。インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yは、それぞれ搬送ドラム210と対向するノズル面222M、222K、222C、222Yを備えており、各ノズル面222M、222K2、222C、222Yには、それぞれマゼンタインク(Mインク)、ブラックインク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、イエローインク(Yインク)を吐出するための複数のノズル(図27参照)が、用紙1の全幅にわたって形成されている。
インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yとしては、図2に示した2次元プリントヘッド300、図4に示したプリントヘッド310、図5に示したプリントヘッド320、及び図13に示した2次元プリントヘッド10、図24に示した2次元プリントヘッド40、及び図25に示した2次元プリントヘッド50等を適用することができる。
インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yは、図27に示すように、ノズル226が形成されたノズルプレート230と、圧力室232や共通流路234等の流路が形成された流路板236等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート230は、ヘッド220のノズル面222の一部を構成し、各圧力室232にそれぞれ連通する複数のノズル226が2次元状に形成されている。
流路板236は、圧力室232の側壁部を構成するとともに、共通流路234から圧力室232にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口238を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図27では簡略的に図示しているが、流路板236は一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート230及び流路板236は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路234はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路234を介して各圧力室232に供給される。
圧力室232の一部の面(図27における天面)を構成する振動板240には、個別電極242及び下部電極244を備え、個別電極242と下部電極244との間に圧電体246が挟まれた構造を有するピエゾアクチュエータ248が接合されている。振動板240を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ248の下部電極244に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂等の非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属等の導電材料による下部電極層が形成される。
個別電極242に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ248が変形して圧力室232の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル226からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ248が元の状態に戻る際、共通流路234から供給口238を通って新しいインクが圧力室232に再充填される。
本例では、ヘッド220に設けられたノズル226から吐出させるインクの吐出力発生手段としてピエゾアクチュエータ248を適用したが、圧力室232内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
<インクジェット記録装置の電気的構成>
図28は、インクジェット記録装置200の要部構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置200は、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yと、各ヘッド220による記録動作を制御する制御装置250と、用紙搬送部270とを含んで構成される。
インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yは、各ノズル226(図27参照)に対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子としての複数のピエゾアクチュエータ248と、各ピエゾアクチュエータ248の駆動/非駆動を切り換えるスイッチIC280と、を備える。
2次元ノズル配列を有するインクジェットヘッドの場合、当該2次元ノズル配列における各ノズルを紙送り垂直方向(ノズル列方向)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、紙送り垂直方向について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。ここでいう「等間隔」とは、インクジェット印刷システムで印字可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたもの等が含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、紙送り垂直方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。以下の説明で「ノズル位置」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置を指す。
制御装置250は、システム制御部256と、印字すべき多階調画像データ(第1画像データの一例)を受け入れる入力インターフェース部として機能する画像データ入力部252と、入力された画像データに対して、濃度補正や量子化処理を行う画像処理部254を備える。また、制御装置250は、駆動波形生成部258とヘッドドライバ260を備える。
画像処理部254は、入力された画像データから2値又は多値のドットデータ(第2画像データの一例)に変換する信号処理手段である。この画像処理部254には、前述した画像処理装置130、170、180を適用することができる。
量子化処理(ハーフトーン処理)の手段としては、前述した閾値マトリクス方式、誤差拡散法を利用する方式、閾値マトリクスと誤差拡散を併用する方式を適用することができる。量子化処理は、一般に、m値(mは3以上の整数)の画像データを、mよりも階調数の少ないn値(nは2以上m未満の整数)の階調画像データに変換する。最も単純な例では、2値(ドットのオン/オフ)のドット画像データに変換するが、量子化処理において、ドットサイズの種類(例えば、大ドット、中ドット、小ドット等の3種類)に対応した多値の量子化を行うことも可能である。
画像処理部254にて生成された2値又は多値の画像データ(ドットデータ)は、各ノズルの駆動(オン)/非駆動(オフ)、さらに、多値の場合には液滴量(ドットサイズ)を制御するインク吐出制御データ(打滴制御データ)として利用される。画像処理部254で生成されたドットデータ(打滴制御データ)は、ヘッドドライバ260に与えられ、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yのインク吐出動作が制御される。
駆動波形生成部258は、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yの各ノズル226に対応したピエゾアクチュエータ248を駆動するための駆動電圧信号波形を生成する手段である。駆動電圧信号の波形データは予めROM(Read Only Memory)等の記憶手段に格納されており、必要に応じて使用する波形データが出力される。駆動波形生成部258で生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ260に供給される。なお、駆動波形生成部258から出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
本例に示すインクジェット記録装置200は、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yの各ピエゾアクチュエータ248に対して、スイッチIC280を介して共通の駆動電力波形信号を供給し、各ノズル226の吐出タイミングに応じて、該当するピエゾアクチュエータ248の個別電極に接続されたスイッチ素子のオン/オフを切り換えることで、各ピエゾアクチュエータ248に対応するノズル226からインクを吐出させる駆動方式が採用されている。インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yは、ヘッドドライバ260から与えられる駆動信号及び吐出制御信号に従い、オンデマンドでインク液滴を吐出する。
図28におけるシステム制御部256、画像データ入力部252、及び画像処理部254の組み合わせが「画像処理装置」に相当する。
用紙搬送部270(搬送手段の一例)は、搬送ドラム210や搬送ドラム210を回転させるモータを含んで構成される。システム制御部256(記録制御手段の一例)は、用紙搬送制御部272を介して用紙搬送部270を制御する。これにより、インクジェットヘッド220M、220K、220C、220Yに対して用紙1(図26参照)が搬送される。用紙搬送制御部272及び用紙搬送部270が「相対移動手段」に相当する。
<インクジェット記録装置の電気的構成の他の態様>
図29は、マルチスキャン方式のインクジェット記録装置200Aの要部構成を示すブロック図である。図28に示すインクジェット記録装置200と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
インクジェット記録装置200Aは、図23を用いて説明したマルチスキャン方式で画像を記録するプリンタであり、ヘッド走査部274、ヘッド走査制御部276、及びプリントヘッド30を備えている。
ヘッド走査部274(ヘッド走査手段の一例)は、図13に示すヘッド走査方向についてプリントヘッド30を往復移動(往復走査の一例)させる。システム制御部256は、ヘッド走査制御部276を介してヘッド走査部274を制御する。ここでは、用紙搬送部270、用紙搬送制御部272、ヘッド走査部274、及びヘッド走査制御部276が「移動手段」に相当する。
プリントヘッド30のノズル面(不図示)には、複数のノズル(不図示)が配置されている。この複数のノズルを紙送り方向に沿って並ぶように投影(正投射)した投影ノズル列は、投影ノズルがM画素間隔(Mは自然数)で配置される。すなわち、紙送り方向に沿って実質的にM画素間隔でノズルが配置される。
システム制御部256は、用紙搬送制御部272及びヘッド走査制御部276を介して用紙搬送部270及びヘッド走査部274を制御し、プリントヘッド30をヘッド走査方向に1回走査するたび(走査毎)に用紙1(図29において不図示)を所定量搬送し、記録ヘッドをM回走査することで画像の所定の領域の印字を完成させる。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、記録ヘッドによってドットが記録される媒体の総称であり、記録媒体、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体等、様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHP(OverheadProjector)シート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト記録装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置等、液状機能性材料を用いて様々な
形状やパターンを描画するインクジェット装置に広く適用できる。
<インクジェット方式以外の記録ヘッドの利用形態について>
上述の説明では、記録ヘッドを用いる画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、サーマル素子を記録素子とする記録ヘッドを備えた熱転写記録装置、LED(LightEmitting Diode)素子を記録素子とする記録ヘッドを備えたLED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタ等、ドット記録を行う各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…2次元プリントヘッド、12…ノズル、12a,12b…ノズル列、14a,14b…ラスター、100…誤差拡散係数生成装置、112…初期係数設定部、114…乱数加算部、116…平網量子化部、118…評価値算出部、120…誤差拡散係数更新部、122…誤差拡散係数記憶部、150…閾値マトリクス生成装置、152…パターン作成部、154…評価値算出部、156…パターン更新部、158…入力部、160…変更候補領域設定部、162…ハイパスフィルタ処理部、164…画素変更部、166…出力部、168…閾値マトリクス記憶部

Claims (14)

  1. 第1画像データを量子化し、前記第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データであって、第1方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じ記録素子によりドットが配置され、かつ前記第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるタイミングでドットが配置される第2画像データに変換する量子化工程と、
    少なくとも一部の階調において前記量子化工程を最適化し、前記量子化パターン内の各画素を順次注目画素とした場合の前記注目画素と前記注目画素の近傍に位置する複数の近傍画素であって、前記注目画素と前記第2方向に隣接する隣接画素と、前記隣接画素に対して前記第1方向に順次隣接する次隣接画素と、を含む近傍画素との相対位置関係毎のドットの配置の発生頻度のばらつきを最適化前の前記ばらつきよりも低減させる最適化工程と、
    を備える量子化方法。
  2. 前記近傍画素は、前記隣接画素と、前記隣接画素と前記第1方向に隣接する第1次隣接画素と、前記第1次隣接画素と前記第1方向において隣接する第2次隣接画素であって、前記隣接画素とは異なる第2次隣接画素である請求項1に記載の量子化方法。
  3. 前記最適化工程は、
    前記相対位置関係毎の位置相関関数成分に相関する複数の評価値をそれぞれ算出する評価値算出工程と、
    前記複数の評価値の差分に基づいて前記量子化パターンを変更する変更工程と、
    を備える請求項1又は2に記載の量子化方法。
  4. 前記最適化工程は、
    前記相対位置関係毎の位置相関関数成分に相関する複数の評価値のばらつきに相関する最適判定評価値を算出する最適判定評価値算出工程と、
    前記最適判定評価値に基づいて前記量子化パターンが最適か否かを判定する判定工程と、
    を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の量子化方法。
  5. 前記最適判定評価値は、低周波ノイズ及び粒状に相関する評価値を含む請求項4に記載の量子化方法。
  6. 前記最適化工程は、前記2値又は多値のうちの第1種値の画像、又は前記第1種値と前記第1種値とは異なる第2種値との組み合わせを抽出した画像について前記発生頻度のばらつきを最適化前の前記ばらつきよりも低減させる請求項1から5のいずれか1項に記載の量子化方法。
  7. 前記量子化工程は、誤差拡散法により前記第1画像データを量子化し、
    前記最適化工程は、前記誤差拡散法に用いる誤差拡散係数を最適化する請求項1から6のいずれか1項に記載の量子化方法。
  8. 前記量子化工程は、誤差拡散法により前記第1画像データを量子化し、
    仮の誤差拡散係数を用いて仮の前記量子化パターンである評価用パターンを生成する評価用パターン生成工程と、
    前記判定工程により前記評価用パターンが最適と判定された場合に前記仮の誤差拡散係数を最適な誤差拡散係数として更新する更新工程と、
    を備える請求項4に記載の量子化方法。
  9. 前記量子化工程は、閾値マトリクスを使用して前記第1画像データを量子化し、
    前記最適化工程は、前記閾値マトリクスを最適化する請求項1から6のいずれか1項に記載の量子化方法。
  10. 前記量子化工程は、閾値マトリクスを使用して前記第1画像データを量子化し、
    前記評価値算出工程は、前記閾値マトリクスを特定閾値で2値又は多値化したパターンについて前記複数の評価値をそれぞれ算出し、
    前記変更工程は、前記閾値マトリクスを特定閾値で2値又は多値化したパターンについて、前記複数の評価値の中から前記複数の評価値の平均値との差分が相対的に大きい評価値に対応するドットの配置を変更することで前記閾値マトリクスを最適化する請求項3に記載の量子化方法。
  11. 前記第2画像データは、
    複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、前記第2方向に複数の記録素子が配列された記録素子列が前記第1方向に複数列配置された2次元の記録素子配列を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを前記第1方向に1回だけ相対移動させる移動手段と、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら前記記録ヘッドにより前記第2画像データを記録する記録制御手段であって、前記第1方向に沿う画素列の各画素にそれぞれ同じ記録素子によりドットを配置し、かつ前記第2方向に沿う画素列の各画素に前記記録素子列毎に異なるタイミングでドットを配置する記録制御手段と、
    を備えた画像記録装置によって記録される請求項1から10のいずれか1項に記載の量子化方法。
  12. 前記第2画像データは、
    複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、複数の記録素子が前記第2方向に沿って2以上のM画素間隔で配置された記録素子列を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを前記第1方向に相対移動させる移動手段であって、前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して前記第1方向に往復走査させるヘッド走査手段と、前記記録ヘッドの前記第1方向の走査毎に前記記録媒体を前記第2方向に移動させる搬送手段と、を備えた移動手段と、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら前記記録ヘッドにより前記第2画像データを記録する記録制御手段であって、前記記録ヘッドの1回の走査において前記第1方向に沿う画素列の各画素をそれぞれ同じ記録素子によって記録し、かつM回の走査によって前記第2方向に沿う画素列の各画素をM種類の異なるタイミングで記録する記録制御手段と、
    を備えた画像記録装置によって記録される請求項1から10のいずれか1項に記載の量子化方法。
  13. 前記第2画像データは、
    複数の記録素子を有する記録ヘッドであって、それぞれ複数の記録素子が配置された複数のヘッドモジュールを前記第2方向につなぎ合わせて構成され、隣接する第1ヘッドモジュールと第2ヘッドモジュールとのつなぎ部において前記第1ヘッドモジュールの記録素子と前記第2ヘッドモジュールの記録素子とが前記第2方向に沿って交互に配置された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを前記第1方向に1回だけ相対移動させる移動手段と、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら前記記録ヘッドにより前記第2画像データを記録する記録制御手段であって、前記つなぎ部において前記第2方向に沿う画素列の各画素を前記第1ヘッドモジュールと前記第2ヘッドモジュールとにおいて異なるタイミングで記録する記録制御手段と、
    を備えた画像記録装置によって記録される請求項1から10のいずれか1項に記載の量子化方法。
  14. 第1画像データを取得する画像取得手段と、
    第1画像データを量子化し、前記第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データであって、第1方向に沿う画素列の各画素はそれぞれ同じ記録素子によりドットが配置され、かつ前記第1方向に直交する第2方向に沿う画素列の各画素は複数の異なるタイミングでドットが配置される第2画像データに変換する量子化手段と、
    少なくとも一部の階調において前記量子化手段を最適化し、前記量子化パターン内の各画素を順次注目画素とした場合の前記注目画素と前記注目画素の近傍に位置する複数の近傍画素であって、前記注目画素と前記第2方向に隣接する隣接画素と、前記隣接画素に対して前記第1方向に順次隣接する次隣接画素と、を含む近傍画素との相対位置関係毎のドットの配置の発生頻度のばらつきを最適化前の前記ばらつきよりも低減させる最適化手段と、
    を備える画像処理装置。
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