JP4237496B2

JP4237496B2 - 印刷機用のインク装置システム

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Publication number: JP4237496B2
Application number: JP2002575230A
Authority: JP
Inventors: ジェイムズ，エフ．プライス，; ウィリアム，エー．サリバン，; ロバート，エル．グッドマン，
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2001-03-22
Filing date: 2002-03-21
Publication date: 2009-03-11
Anticipated expiration: 2022-03-21
Also published as: EP1381512A4; US20040103803A1; US6883427B2; WO2002076740A1; EP1381512A1; US6672211B2; JP2004522632A; US20010032559A1

Description

本発明の分野は印刷機であり、特に印刷機のためのインク装置システムに関する。

オフセット印刷機は、通常は１つまたは多くの印刷版を備えた版シリンダを含む。この版シリンダは、画像領域を定義する親油性の表面と、非画像領域を定義する疎水性の表面を有している。インク装置は、印刷版にインクを塗布し、印刷版は親油性の表面に集まるインクにより画像を形成し、媒体に転写されるブランケット胴に転写できるように構成されている。印刷版から画像をブランケットローラーに転写し、そして次に、媒体に画像を転写を行い、印刷版は直接的に媒体に画像を印刷しないことから、オフセット印刷と定義されている。

インク装置は１本またはそれ以上のインク着けローラーによりインクを印刷版まで送る。インク装置のインク着けローラーが印刷版に連動する状態になると、印刷版の上の画像領域に接触するインク着けローラー上のインクフィルムは、「飢餓（starvation)」と呼ばれる状態を引き起こすインク着けローラーによって、インクフィルムの厚み分のおよそ半分が周囲に残り、残りの半分が、印刷版の画像領域に塗布される。一方、印刷版の上の非画像領域に接触するインク着けローラー上のインクフィルムは、「蓄積(accumulation)」と呼ばれる状態を引き起こすようにインク着けローラー上に残ることとなる。

この蓄積と飢餓の組み合わせにより、最終的な印刷製品には、好ましくない「ゴースト」と反復の現象の結果を招く。この問題を最小にするために、従来の印刷機のインク装置は、それぞれ少量のインクを塗布するための多くのインク着けローラーを設けている。

印刷された製品は、インク密度がいつ許容レベルを超えて下がったのかを決定するためにモニターされる。印刷の品質を管理するために、従来の印刷機は、インク着けローラーに塗布されるインク量を制御するための多くの調整用のキーを含んでいる。これらのキーは、印刷された製品の品質を維持するために一定の調整を必要とする。

キーのない印刷機を提供する１つの試みとして、インクを計量し、インク着けローラーに関する前の画像を消すためにメインのインク着けローラーの圧力下で刻み目の接触で逆回転するローラーを組み込んだものがある。この従来技術の印刷機は、印刷版の上のインクの均等なインクフィルムを供給してインク着けローラーの蓄積と飢餓を禁止している。この逆回転ローラーは、メインのインク着けローラーの回転力に打ち勝つための逆回転力が必要となる結果、印刷機を操作するためのパワー条件を増加させている。さらに、逆回転ローラーによって引き起こされる摩擦は、「持ち去られるべき」物凄い熱量を発生させる結果、より多くの馬力とそれぞれの印刷アセンブリに付随して設けられる冷却設備を必要とした。

米国特許番号第４、４５３、４６３号によれば、リトグラフ印刷機用のインク装置として弾力性のインク着けローラーに、湿めらすための液体を塗布することが開示されている。刃が直接弾力性のインク着けローラーの表面上から余分なインクを取り除くために取り付けられている。インク着けローラーは、ドクター刃のリーディングエッジに向かうように回転され、インク着けローラーが下がる圧力を発生するので、インク着けローラーを回転させるためのパワー条件を増加させている。その上、刃にはインク着けローラーの弾力性の表面を傷つける傾向がある。

米国特許番号第４、５２７、４７９号によれば、連続的にインクを使用し流体で湿らせるための印刷方法と装置において、インク着けローラーからインクを取り除き、印刷版にインク着けローラーが連動した後に、液体で湿らせることが開示されている。未使用のインクと湿らすための液体はインク着けローラーからアイドラーローラーにより除去され、こすり落とす手段によりアイドラーローラーから混合物を掻き落とすようにしている。この混合物は、次に貯液槽に戻される。インク着けローラーから取り除かれたインクと湿り用の液体は貯液槽の中で新鮮なインクと混合され、塗布のための分配管において再循環されてインク着けローラーへの塗布に使用される。このような概念は、連続した媒体を使用し乾かない低い粘着性新聞用印刷インクを使用する印刷機には有効である。しかし、高品質の有色の多色多製品においては、インクの循環と洗浄の要求事項は禁物である。

印刷のゴースト現象の問題を解決する別の試みとしては、「印刷機用のキー無しインク装置」の名称が課せられた米国特許番号５、３１５、９３０号が開示されている。この特許は圧力下でインク供給するインク噴射器を有する印刷機のシステムにおいて、噴射器にインクをポンプで送り、インク流の計量を行う装置を開示している。インク噴射器がインクを外側のブラシの表面を有するインク壺ローラーに供給する。インク壺ローラーはインクをピックアップローラーに移し、一連のローラーを通して塗布ローラーにインクを供給する。塗布ローラーは弾力性を有する表面を備えており、インクを２本のインク着けローラーに塗布する。スクレーパーローラーは、そこから余分なインクを取り除くために塗布ローラーに係合する。スクレーパー刃は、スクレーパーローラーからインクをこすり落とす。スクレーパーローラーからこすり落とされたインクは、インク壷に送られて、続いてインク噴射器にポンプを使用して再循環される。米国特許番号第５、３１５、９３０号のインク装置システムは、多重インク着けローラーを有しているが、インク着けローラーから余分なインクを取り除くためのどんな方法も提供していない。さらに、このインク装置システムは、長時間の洗浄時間が必要となるインク再循環を必要としている。

上記の全ての特許は、インク装置システムにおける「ゴースト」現象と、飢餓と蓄積の問題を解決すると思われている。しかし、問題解決のために印刷機アセンブリが複雑化し、色変えのためにインクを循環させるインク装置の洗浄が面倒となり、かつまたインク着けローラーの損傷をもたらすことがある。

＜本発明の目的＞
従来のインク装置システムには通常つきものであった「ゴースト」現象と反復される複写と飢餓と蓄積の問題を削減または排除することのできるインク装置システムの提供を本発明の目的としている。

また、均一なインク供給を行うことのできる構造が比較的に複雑でないインク装置の提供を、本発明の別の目的としている。

また、印刷版の上に均一なインクのフィルムを塗布するために、１本のインク着けローラーを有する効果的なインク装置の提供を、本発明の別の目的としている。

また、インクの効果的な制御を有することにより、インクが印刷版に二次元的に均一に塗布されるインク装置システムの提供を、本発明の別の目的としている。

また、洗浄が最小の洗浄液または溶剤を用いて効果的に達成されるインク装置システムの提供を、本発明の別の目的としている。

また、インク色を変えるときに、洗浄を簡素化することでインク循環を必要としないインク装置の提供を本発明の別の目的としている。

また、インク塗布ローラーの速度を変えることにより、印刷版に一様に塗布されたインクのフィルムの有効な制御を有するインク装置システムの提供を、本発明の別の目的としている。

また、インク着けローラーの表面から取り除かれるインクの有効な制御を有するインク装置システムの提供を、本発明の別の目的としている。

また、洗浄が圧力の補助なしで効率的に達成されるインク装置システムの提供を、本発明の別の目的としている。インク塗布機と減量ローラーのモーターはインク装置に洗浄に必要な回転力を提供する。

これらの目的と、他の目的および特徴については、ここに含まれる記述と図面から明らかになるであろう。

＜発明の概要＞
ここに開示される発明は、キーを用いないインク装置システムを有する印刷機を提供する。キーを用いて調整を行う従来のインク装置システムは、二次元のインク分配を一次元の制御系(すなわち、印刷機の幅方向に沿って配置されるキーの列)により解決する試みであった。本発明は、一枚または複数の印刷版の表面に、単一のインク着けローラーにより二次元的なインク分配を制御するものである。

本発明のインク装置システムによれば、インクを印刷版に適用するためのインク着けローラーおよびインク着けローラーに隣接した印刷の後のインク着けローラーから余分なインクを取り除くための転写ローラーを使用する。転写ローラーに隣接した減量ローラーは、転写ローラーから余分なインクを取り除き、減量ローラーに隣接したスクレイパー刃は前述の減量ローラーから余分なインクをこすり落とす。スクレイパー刃に隣接したインク壷は、減量ローラーからこすり落とされるインクを受けて、インクをインク着けローラーへの塗布のために供給する。インク壷に隣接した塗布用のローラーはインク壷からインクを受けて、インクをインク着けローラーに供給する。

望ましくは、スクレイパー刃とドクター刃は可動な共通の刃ホルダーに取り付けられ、滑らかに表面を仕上げているインクの減量ローラーに対してスクレーパー刃が、またスクレイパー刃が塗布用ローラーの表面に対して同時に係合すると良い。スクレイパー刃とドクター刃の間の間隙は、減量ローラーからインクを受けてインクを塗布用ローラーに供給するインク溜め部分を形成する。したがって、インク装置はインク壷が提供され、このインク壷はインク着けローラーから余分なインクを受け取る減量ローラーと塗布のためにインク壷からインクをインク着けローラーに受け渡すための塗布用ローラーの間に介在される。

本発明の実施例では、印刷版を保持する回転版シリンダとインクを印刷版に塗布するための単一のインク着けローラーを含む。この発明の別の形態によれば版シリンダとインク着けローラーが同じ回転数で回転するので、インク着けローラーの上の同じ領域は版シリンダの各回転の間、印刷版の上の同じ領域に接触する。版シリンダとインク着けローラーは異径の寸法を有するように構成される。この結果、それらの間のニップにおける表面速度が異なることになる。このシステムは、上述のようにキーの無い減算のインク装置システムを装備する場合がある。稼働中において、このシステムでは本質的には、ゴースト現象と反復と蓄積および飢餓を根絶することのできる単一のインキ着け用のローラーの表面に対して二次元的なインクフィルムを形成できることになる。塗布用ローラーの簡単な速度調整を通じて、インクの本質的な一定のフィルムは印刷版の画像領域に適用される。ズレないように揃える作業の不足から引き起こされる印刷版とインク着けローラーの各表面の間の反復と印刷ゴースト現象は排除される。

本発明の印刷システムの好ましい実施例では、インク着けローラーは版シリンダと似たサイズのものがある。このインク着けローラーは、移動可能なカバーとともに組み付けられることで、保守点検時の手順を容易にすることで、印刷機から比較的大きいインク着けローラーを取り外す必要性を減少させると良い。

本発明の別の好ましい実施例では、塗布用ローラーは井戸状の凹部のアレイで固い表面が形成され、隣接している凹部は少なくとも１つの流路によって相互に連結される。インク壷の一部を形成するドクター刃は、インク壷から塗布用ローラーに塗布されるインクを計量する。インク着けローラーに塗布され、続いて、印刷版に塗布されるインクの量は、印刷速度に比例して塗布用ローラーの速度を調整することで調整すると良い。

本発明の印刷システムによる好ましい実施例によれば、効率的かつ有効なインク洗浄を容易にするように設計される。これらのシステムでは。印刷機のインク装置から印刷駆動装置を取り外すための機構と、洗浄の間、インク装置システムを個別に駆動する機構の双方または一方を備えると良い。１本またはそれ以上の噴射器バーがインク装置システムの少なくとも１本のローラーに対して洗浄液を吹付けるために使用されると良い。稼働中においてインクの減量ローラーは、印刷機システムから洗浄液と残留インクの混合物をインク装置システムから取り除くために使用され、混合物を共通の貯液槽の中に堆積させると良い。

上述した事項は本開示において便利な概要を提供することを意図している。しかしながら、本発明は請求の範囲に述べられた範囲で保護されることを意図している。

以下、添付の図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。なお、各図において、同様の構成部品については同様の符号を附しており、発明の好ましい実施例の図面による理解を容易にしている。図１を参照して、数字１０は多色印刷された製品を生産するために異なったカラーインクを紙、プラスチックおよび同様のものなどの媒体１３に対して連続して適用するための多くの印刷アセンブリ１１を備えたオフセット印刷機を示している。インクには従来のインクが含まれるが、従来のインクの混合物をも含むことができ、さらに湿らせるための流体をも含むことができる。

夫々の印刷アセンブリ１１は、媒体で印刷する画像を含んだ印刷版１４を保持するための版シリンダ１２を含んでいる。画像は、インク装置２１の単一のインク着けローラー１５からのインクを塗布するように構成された版１４上の画像領域で形成される。インク装置２１によって印刷版１４にインクが塗布され、印刷版１４上の画像領域に対応して転写可能なインク画像が形成される。版シリンダ１２は回転可能に取り付けられたブランケット胴１６との間で印刷版14を噛み合わせ、インクで表された画像をブランケット胴１６に移すように回転する。そして、ブランケット胴１６は媒体をブランケット胴１６と圧胴１９との間で挟み、インクで表現された画像を転写する。圧胴１９に隣接したトランスファシリンダ２３は、異なるカラー画像を媒体１３に印刷するために隣り合うアセンブリ１１間における媒体１３の転送を容易にする。オプション的に、湿らすシステム２２が設けられ、流体を塗布してインク着けローラー１５を湿らせると良い。

図２、３を参照して、インク装置２１はフィルム状のインクを印刷版１４上の画像領域に塗布するための単一のインク着けローラー１５を含む。インク壷は塗布されるインクをインク着けローラー１５に供給する。ここに記述される追加的に回転可能に取り付けられたローラーはインクをインク着けローラー１５に塗布するか、またはゴースト現象を引き起こすインク蓄積を最小にするか、または排除するためにインク着けローラー１５から余分なインクを取り除くために設けられる。インク着けローラー１５から取り除かれた余分なインクは、インク着けローラー１５への塗布のために再循環されず、有効にインク壷５０中に直接的に回収される。

この単一のインク着けローラー１５は弾力性を有する表面を有しており、印刷版１４との間で回転するように取り付けられる。印刷版１４上の画像領域に対応するインク着けローラー１５上のインクは印刷版１４に塗布される一方、印刷版１４上の非画像領域に対応するインク着けローラー１５上のインクはインク着けローラー１５上に残る。望ましくは、インク着けローラー１５の外周円面は印刷版シリンダ１２の外周円面と等しくないと良い。

インク着けローラー１５に隣接して回転可能に取り付けられた塗布用ローラーは、インク壷５０からインクを受けて、インク着けローラー１５に塗布する。望ましくは、この塗布用ローラーは、セラミックコーティングされて、滑らかで固く長持ちするように表面に無数の凹部を備えたアナロックス（analox）ローラー４０であり、凹部にインク着けローラー１５の表面までインクを運ぶための貯液部を設けている。インク壷５０の中のインクがアナロックスローラー４０の表面上に流れ、インク着けローラー１５まで運ばれるべきインク量が正確に制御されるようにドクター刃４２によって計量される。望ましくは、図６に示されるように、アナロックスローラー４０の表面とインク着けローラー１５の表面との間のニップで同じ方向に回転するように回転駆動される。このアナロックスローラー４０は、可変速電動機によって駆動されて、アナロックスローラー４０の表面とインク着けローラー１５の表面の間においてスベリを発生して、インクがアナロックスローラー４０の貯液部で運ばれてインク着けローラー１５に塗布されるインクの量を制御する。

再度、図２と図３を参照して、振動ローラー１８、３５がインク着けローラー１５の周りに配置されており、インク着けローラー１５上へのインクフィルムの塗布状態を整えるようにしている。振動ローラー１８、３５は望ましくは弾力性の表面を有しており、それらの表面はインク着けローラー１５を回転させる回転力を増加させず、またはインク着けローラー１５を傷つけないように、各ニップにおいてインク着けローラー１５の表面と同じ方向に回転される。インク着けローラー１５の表面と振動ローラー１８と３５の表面は、選択された硬度(例えば、およそ３５ショアＡデュロメーター)を有しており、振動ローラー１８と３５の表面がインク着けローラー１５の表面９に対して圧力をかけた状態で付勢されたときに、ニップ１８Ａとニップ３５Ａが平らなニップとなることで、半分のインクフィルムが各ニップから離れる各ローラー表面ことで略フイルムが分割されるようになる。

弾力体で覆われた振動ローラー１８と弾力体で覆われた振動ローラー３５は、インク着けローラー１５の表面まで運ばれる画像を形成させる方向の反対方向に縦に振動する。ここで、振動ローラー３５がインク着けローラー１５の表面速度よりも大きい表面速度で動く場合には、転写ローラーとして機能する結果、インク着けローラー１５の表面からよりも、平らなニップ３５ａからより多くのインクを運ぶことが容易に理解されよう。望ましくは、ローラー３５の表面速度はインクがインク着けローラー１５の表面から取り除かれるレートを制御できるように調整可能であると良い。図５で細部について示されるように、振動ローラー３５の一方の片側に取り付けられたギヤ３７は隣接している減量ローラー３０上のギヤ３４により回転駆動される。

振動ローラー３５はインクの蓄積を防ぐためにインク着けローラー１５の表面から余分なインクを取り除き、それを減量ローラー３０の滑らかな表面に移す。望ましくは、図６に示されるように、減量ローラー３０の表面は振動ローラー３５の表面との間におけるニップにおいて同じ方向に回転する。この構成により、ローラー３０と３５とを回転させるために必要となる動力が最小になる。この減量ローラー３０はセラミックコーティングされインク転送を容易にするように振動ローラー３５の表面よりも固い滑らかな表面を備えている。この減量ローラー３０上のインクは、インク壷の一部を形成するスクレイパー刃３２によってインク壷５０中に直接的にこすり落とされる。

望ましくは、図５に示されるように減量ローラー３０は可変速電動機３９によって回転駆動される。減量ローラー３０の上のギヤ３４Ｇは、振動ローラー３５を運転するためにギヤ３７に噛合する。望ましくは、ローラー３０は可変速電動機３９によって運転され、インク着けローラー１５から除かれるインクの量を制御可能にすると良い。単一のモータで駆動されるローラー３５とローラー３０とを設けることが望ましいが、本発明の範囲によれば各ローラー３０と３５とを個別に駆動することもできる。

この振動ローラー３５、減量ローラー３０及びアナロックスローラー４０は、望ましくは、インク着けローラー１５の表面速度とは異なる表面速度で回転駆動されると良い。振動ローラー３５は、望ましくはインク着けローラー１５の表面速度よりも約１％から１０％の範囲で高速駆動され、より望ましくはインク着けローラー１５の表面速度よりも約２％から５％の範囲で高速駆動されることで、インク着けローラー１５の表面から半分以上のインクフィルムを取り除くと良い。このようにして、インク着けローラー１５の表面における余分なインクの蓄積を防ぐように印刷版に接触した後に、振動ローラー３５はインク着けローラー１５の表面からインクを効率的に取り除くことができる。

図６に図示されるように、インク壷５０は、インク着けローラー１５に塗布されるインクをアナロックスローラー４０に供給し、減量ローラー３０から余分なインクを受けとる。このインク壷５０は、複数のハンガー(それの内の一つが図６中において数字７３で示される)の上に支持されており、減量ローラー３０とアナロックスローラー４０の間に置かれており、インクが減量ローラー３０から取り除かれるとインク壷５０中に直接回収されるとともに、インク壺中のインクは望ましくは重力による下向きの流れによって直接的にアナロックスローラー４０に塗布される。追加インクがインク壷に供給されてインク壺５０の中のインクレベルが確実に維持されて、連続的にアナロックスローラー４０に対してインクを十分に供給できるようにしている。インク壷を減量ローラーとアナロックスローラーの間に効果的に配置することによって、インクの再循環は不要になる。その上、個別にインク着けローラー１５の上のインクを計量し、インク着けローラー１５からインクを取り除くことによって、回転駆動のための動力条件を増加させることなく従来技術より正確にインク着けローラー１５の上のインクフィルムの制御ができる。

インク壷５０は、ドクター刃４２とそこに取り付けられたスクレイパー刃３２を有する調整式刃ホルダー３４が含まる。刃３２、４２はアナロックスローラー４０と減量ローラー３０の長手方向よりも長く延設されるくさびを形成する。このくさびは所定量のインクを保持し、所謂「インク噴水」を形成する。

刃ホルダー３４は、間にくさびを形成する位置に設けられた各ローラー３０、４０に対して相対的に調整可能である。刃ホルダー３４は、スライドブロック（不図示）の内部で垂直方向に調整可能であり、スクレイパー刃３２とドクター刃４２とが夫々減量ローラー３０とアナロックスローラー４０とに対する係合位置に個別に調整される。望ましくは、刃ホルダー３４は、スライドブロックに対してその長手方向軸回りに回転自在に設けられ、スクレイパー刃３２の調整される圧力がドクター刃４２の圧力に対して調整可能であると良い。

図６(ａ)の詳細図に示されるように、この刃ホルダー３４は、互いに対向する側面から外側に延設される一対の突起３３と４３を有するベース５２を備え、スクレーパー刃３２とドクター刃４２を位置決めするための肩部３２Ａ、４２Ａを対向して形成した受け部５４を形成している。刃留め金４４はベースの受け部５４に受け入れられるように構成されており、突起部３３Ａ、４３Ａを互いに隣接して形成している。ボルト４５は刃留め金４４を通過するように設けられており、ベース５２のネジ孔に螺合されることでスクレイパー刃３２とドクター刃４２を刃留め金４４とベース５２の間で挟持している。

刃ホルダー３４が留め金で留められるときに、スクレイパー刃３２は、刃の片側から遠くの位置で保持され、余分なインクをこすり落とすために減量ローラー３０に対して係合するようになる。ドクター刃４２は、アナロックスローラー４０上のインクの塗布状態を計量するために刃の反対側から遠くの位置でホルダー３４により保持されてアナロックスローラー４０に向かうように設けられる。望ましくは、このスクレイパー刃３２とドクター刃４２とは、ローラー３０、４０の長手方向軸に沿うように延設される軸線より上方においてこすり落としと計量とを行うと良く、また各刃は例えばグラスファイバー材料から形成されると良い。

端部ダム４６が、刃ホルダー３４とスクレーパー刃３２とドクター刃４２の対向する端部に隣接した位置に設けられ、くさびの各端を蓋をするようにしている。キャビティが各端部ダム４６の内部表面に形成されて、刃ホルダー３４とスクレーパー刃３２とドクター刃４２とシールキャップをくさびの端部において受け入れるようにしている。インクの所定量分は、スクレイパー刃３２とドクター刃４２の上側の端部の上に拡散することで、スクレイパー刃３２と減量ローラー３０の表面の間における潤滑状態を提供し、またインク着けローラー１５の表面への塗布のために十分なインクをドクター刃４２とアナロックスローラー４０の表面の間に提供する状態を保証している。

図４と７に良く示されているように、ダム４６が減量ローラーとアナロックスローラー４０に係合している。ダム端部の表面はローラー３０と４０の周辺表面に対して液密状態で係合している。これらの表面は、インク壺の中でインクを保有している間、ローラー３０、４０を回転可能にするために、滑らかな自己潤滑性の表面を形成するコーティングが施されている。複数の受け台４８とブラケット４９は、ダム端部をローラー３０と４０に対する所定位置に保持する。

図２に図示されるように、乾式オフセットモードで印刷するときには、内部から温度制御され良い熱導体の表面を備えることで温度制御されたローラー１８と６０とを設けることができる。この温度制御されたローラー１８と６０は、乾式オフセットモードで印刷するために必要となる温度にインクを維持する。以上記述されたインク装置システムが印刷機に用いられ乾式オフセット印刷モードで使用される場合には、温度制御されたローラー１８と６０はインク着けローラー１５に対して所定圧力で押付けられた関係にされ、温度制御された水がローラー１８と６０を通過するように循環されるであろう。温度制御されたローラー１８と６０は、インク着けローラー１５の表面と温度制御されたローラーとの間のニップから外に出ようとするインクの温度を所定温度である、例えば、華氏約６７度から７２度の間に維持する。

図３に図示されるように、インク装置システムが湿式オフセット印刷モードで印刷する印刷機であって、リトグラフの印刷などで使用される場合には、必要に応じてインク温度を安定させるために温度制御されたローラー１８と６０を使用することができる。例えば、米国、テキサス州、アーリントンのエピックプロダクツインターナショナルコーポレーションから購入できる湿式システムを設けることで正確に計量された濡らし用流体のフィルムを、インクを塗布した状態のインク着けローラー１５の表面に塗布することができる。一般に、このような濡らし装置は、湿らせる流体用の容器と、容器中の流体を通過するように駆動されるとともに弾性体で覆われた調量ローラーＤ２とを具備する。このローラーＤ２は、親水性のクロムローラーＤ１との間に水であふれたニップを形成する。この親水性のクロムローラーＤ１によって運ばれた流体の薄膜がインク着けローラー１５に塗布される。インク着けローラー１５の表面９から湿らせる流体を取り外すように配置された振動ローラー１８の表面の流体を気化するように空気ナイフ１８Ｂが取り付けられている。

望ましくは、刃留め金４４とスクレイパー刃３２およびドクター刃４２は、刃ホルダーベース５２から移動可能な単一なユニットとして構成される。すなわち刃３２、４２を刃留め金４４に対してボルト締め、溶接および同様の従来方法を使用することで固定して組み立てることで印刷アセンブリ１１における色の交換手順を簡素化することができる。このように移動可能なユニットは、色の交換の間は、インク装置から洗浄のために取り除かれて、図８に示されるように、洗浄アセンブリ７０と取り替えられる。この洗浄アセンブリ７０は、洗浄液と印刷機１１から洗浄されたインクとを回収するために移動可能なユニットに設置される。

図８に図示されるように、洗浄アセンブリ７０には減量ローラー３０からインクと洗浄液とをこすり落とすために減量ローラー３０に接触する洗浄刃７２が含まれる。使用中において、この洗浄アセンブリは印刷機の反対側に位置するハンガ７３によって印刷機に固定される。洗浄刃７２は、刃固定用のねじとナット７４で刃ホルダーベース５２Ａに固定される。この洗浄刃は、端部バリア（不図示）とともにくさび７１を形成し、このくさびにおいて色の交換時にインク装置２１からインクと洗浄液の回収を行う。望ましくは、洗浄刃７２と刃留め金７４は、インク装置２１へのインストールと取り外しを簡素化するために単一の移動可能な単位として組み立てられると良く、このため洗浄刃アセンブリをハンガー７３に取り付けると良い。洗浄アセンブリの端に取り付けられたハンドルをユーザが握ることで、アセンブリ７０をインストールするとともにインク装置２１からアセンブリ７０を取り外すことができる。洗浄刃の張力は、刃張力調整ねじ７５を使用して調整すると良い。

洗浄工程の間、塗布用ローラー４０に隣接した噴射管８４から噴射される洗浄液が塗布用ローラー４０の表面に噴射され、インク着けローラー１５の表面に洗浄対策のための洗浄液が塗布される。この洗浄対策によりローラーからインクが洗い流されて洗浄アセンブリ７０のくさびの中に集められる。この洗浄過程が終了すると、洗浄アセンブリ７０が取り外されて、清潔な刃留め金とスクレイパー刃およびドクターが設置される。くさびの中に回収されたインクと洗浄液は廃棄される。

本発明の別の好ましい実施例が図９に図示される。この印刷アセンブリ１００には版シリンダ１０２とインク装置システム１０４とが含まれる。印刷工程では、図示のような印刷アセンブリの１組または１組以上が設置されることで単色または多色印刷製品が印刷される。この印刷過程では、インクまたはコーティングの一方または双方が夫々の印刷アセンブリによって実施される。

オフセット印刷では、版シリンダ１０２は、回転可能に取り付けられたブランケット胴１０８とともに回転する１枚またはそれ以上の取り外し可能な印刷版１０６を回転させる。このブランケット胴１０８は次に、インクで表現された１つまたは複数の画像を、媒体に転写する。この媒体は、ブランケット胴１０８（図９に一部が示されている）と押圧シリンダ（図９では不図示）との間で挟まれている。これに連続する隣り合う印刷アセンブリは、図１に関連して上述したように異なるコーティングと異なるカラー画像を媒体に印刷する。

インク装置システム１０４は、上記のような単一のインク着けローラー１１０を使用してキーを用いない減算のインク装置システムを含むと良い。版シリンダとインク着けローラーは異径を有しており、異なる表面速度を版シリンダとインク着けローラーの間のニップ１１２に有する。速度差は、より鋭く印刷された画像を作り出し、版の表面から残骸を取り除く傾向をもたらす。また、これは従来のインク装置によりもたらされる反復と筋を排除する傾向がある。例えば、ニップ１１２における表面速度の違いは１分あたり１フィート以上が有効であり、例えば１分あたり４〜１０フィートの間である。

好ましい実施例では、インク着けローラーと版シリンダ１０２が同じ回転数で回転することで、各版シリンダの回転中において、インク着けローラー上の同じ領域が版シリンダ１０６の上の同じ領域に接触すると良い。これは、従来からの駆動装置の適切な選択により実現でき、例えば、図９に図示されるチェーン連結された駆動部１１４と駆動モータ１１６により実現できる。

単一のインク着けローラーと版シリンダとが同じ回転速度で回転することによって、印刷版とインク着けローラーの表面の間で行われる位置合わせ不足によって引き起こされる反復またはゴーストが排除される。この効果については、図１０を参照して説明することができる。

図１０(ａ)は従来の印刷システムではゴースト現象または複写の発生なしで印刷するのが難しいかまたは不可能であるレイアウト２００を表している。図中の矢印は、印刷システムにおいてシートが搬送される方向を表している。インク着けローラーの対応する領域においてインクが塗布された領域２０２(クロスハッチングで示した）において、インク着けローラーからインクが使い果たされる傾向があるという事実から印刷の困難さが発生する一方で、非印刷領域２０４は未使用のインクがインク着けローラーの上に起こる領域に対応することで印刷上の困難さが残る。

図１０(ｂ)は、このような影響を受けて、次に印刷されたシート２０６について表している。例えば、領域２０８は、前に印刷されたページ２０８’の影響を受けて、インク着けローラーのインクの蓄積に対応する領域への印刷がされている。このように発生する蓄積は、領域２１０（点で示す）でゴースト現象となり、そして、反復領域２１２（点とクロスハッチングで示す）において高いインク密度状態をもたらす。その印刷結果は、図１０(ａ)に表されるような必要な画像を忠実に模写できず、ゴースト現象と反復領域の縁部において幻想線（例えば、線２０９）を印刷した粗悪な印刷製品となる。

上述の技法を使うことによって、印刷版とインク着けローラーの表面の間の位置合わせが達成される結果、この種のゴースト現象と反復が最小になる。しかしながら、このようなシステムによれば、領域２０４に対応するインク着けローラーの上の領域において、インクのより急速な蓄積が引き起こされることが理解されよう。この問題は、上述したような減算のインク装置システムにより解決される。

インク着けローラー１１０と版シリンダ１０２に幾分か異なる半径のものを使うことによって、表面速度の差がもたらされる。これらの半径は、図９においてＲ_FとＲ_Pとして夫々記載されている。例えば、半径は夫々半径Ｒ_F＝７．８２０インチ、Ｒ_P＝８．００インチである。版シリンダのサイズと略同じサイズのインク着けローラーを使用することで、インク着けローラーは特に複数のローラーを使用した従来のインク装置システムでのインク着けローラーよりも大きくなる。このために、インク着けローラーの点検作業は大きなサイズで困難となり、また大きなサイズの版シリンダを交換のためにシステムから取り外すことが困難となる。本発明の好適な実施例によれば、インク着けローラー１１０は短時間で操作される離脱金具１２で所定位置に保持されるとともに、取り外し可能なカバー１１８を設けている。また、永久的に弾力性を有する下層１２２も使用される場合がある。

図９のキーのない減算のインク装置システム１０４について記述する。このインク装置システムは、インク着けローラー１１０と、インクの減算のサブシステム１２４と、インク塗布サブシステム１２６と共通のインク壷１２８とを含んでいる。

このインク塗布システム１２６は、塗布用ローラー１３０とドクター刃１３２を含む場合がある。この塗布用ローラー１３０の上のインクはニップ１３４においてインク着けローラーに転写される。このインク塗布システムの構造と操作は、図１１の詳細図に基づき詳しく記述される。

図１１は、本発明の好適な実施例であるインク塗布システム１２６の外観斜視図である。インクをインク着けローラー１１０に塗布するための塗布用ローラー１３０は、本発明においてクレームされた使用において特に有効な表面構造を備えた筒状の表面１３６を備えている。フレクソ印刷塗布で従来から使用されるタイプの炭素繊維アナロックスローラーが使用される。このようなローラーに関するその表面構造の一部が図１１(ａ)において、詳細に拡大されて示されており、図示のように表面において各部屋に分かれた井戸状の凹部１３８が規則的アレイとして設けられている。この凹部は図示のようにピラミッド状である場合がある。望ましくは、隣接する凹部はオフセット流路１４０で連通されることでインクの出入を可能にするように表面が仕上げられると良い。このローラーは、パーマーコ社（PAMARCO Company）から入手可能である。図１１(ａ)に表される特殊な表面を備えたものは、ロト-フロ（Roto-Flo、登録商標)クアッドとして販売されている。本発明で使用可能な表面の事例は、２００個の部屋数（セルカウント）と３５．６４ミクロンの深さのセルを有するものである。

使用中において、インク壷の中に維持されたインク１４２は下向きにインク噴水１４４に注ぐ。ワイパブレード１３２はインク壺から塗布用ローラー上へのインクを計量する。噴水のインクは、塗布用ローラー１３０のセル１３８中で掬い上げられて、インク着けローラー１１０に預けられる。

塗布用ローラー１３０は、無段変速駆動装置１４６で回転駆動される。この駆動装置は可変速電動機、可変ギヤ、ベルトドライブまたは同等な装置で良い。出願人は、ニップ１３４におけるローラー速度の差は、インク着けローラー１１０に適用されるインク量に影響を与えるものと判断した。塗布用ローラーの回転速度を変えることは、インク着けローラーに適用されたインクの量は、結局は印刷された媒体に適用されるインクの量を変えることになる。

再度、図９を参照して、減算のシステム１２４は弾性体表面またはカバー１４８を有する転写ローラー１４７を含み、この転写ローラーの表面がインク着けローラーの表面に対してニップ１５０で接触し、双方の表面は各ローラーの周辺の矢印方向に移動する。この転写ローラー１４７に隣接した減量ローラー１５２が転写ローラーから過剰なインクを受け取る。この転写ローラー１４７は、その回転軸１５４であって図示の面に対して垂直となる回転軸の方向に振動されると良い。このような振動により、インクを減算する前準備を提供し、インクが暴れる状態になることを補助する。振動ローラー１５６は、同様の目的で機能する。インクは刃１５７によって減量ローラー１５２から取り除かれる。

本発明の特徴の一つが図１０（ｃ）に図示されている。図１０（ｃ）はインク減量サブシステム１２４を解除したとき作り出される印刷画像に関する事例である。図１０（ｃ）では、図１０（ａ）で示した画像の左上の手の角を示す図であって、減量サブシステムを使用しない場合に得られる印刷結果である。インク蓄積は、非印刷部分の筋２１０に対応する領域のインク着けローラーの上に起こるであろう。上記の振動ローラー１５６は、非印刷部分の筋２１０の一部を動かす傾向がある。このインク減量サブシステム１２４がない場合には、このインク蓄積は除去されないことから、次に印刷されるページにゴースト領域２１４(領域を点で示した）と反復領域２１６（点とクロスハッチングで示した領域)を発生する。

再度、図９を参照して、このシステムは任意に湿らせるためのシステム１５８と良い。湿式オフセット印刷モードで印刷を行うときには、例えば、米国、テキサス州、アーリントンのエピックプロダクツインターナショナルコーポレーションから購入できる湿式システムを設けることで、正確に計量された濡らし用の液体フィルムをインクを塗布したインク着けローラー上に適用しながら湿式印刷を行うことができる。このような濡らし装置は、濡らし用液体１６１を溜めた容器１６０と、弾性体で覆われた容器ローラー１６２に対して圧接される親水性のクロムローラー１６８とを具備し、可変速電動機（不図示）で回転駆動されることで、必要量の濡らし用流体を振動している弾性体で覆われた振動ローラー１６４の表面に付け、インク着けローラー１１０の表面に分配する。

図９の装置は、効率的な洗浄工程を実施するために特に有効なので以下に述べる。先ず、インク装置システム１０４を使用することにより版シリンダ１０２にインクが上述したように塗布されたと仮定する。洗浄の工程では、この版シリンダはインク着けローラー１１０から取り外されるであろう。この作業によりインク装置システムの各ローラーを印刷ローラーの駆動系とは独立して回転できるようになる。洗浄を行う間、次に行われる印刷のためのクリーニング作業と版の交換の作業の一方または双方を行うために版シリンダへ手を入れることができる。インク着けローラーと版シリンダとを取り外すための機構は、１７０で模式図で示されている。この機構は、従来のクラッチとギア機構を用いて構成すると良い。

図１２は、インク着けローラー１１０を駆動し、洗浄の間はこのローラーを解除する駆動機構の実施例を表している。図１２において、回転するインク着けローラー１１０の表面は矢印３０２で示されており、また版シリンダ１０２の回転する表面は矢印３０４で、胴ブランケット胴１０８の回転する表面は矢印３０６で、そして圧胴の回転する表面は矢印３０８で示されている。後者の３本のシリンダの主印刷駆動部は、モーター３１０によって図式的に示されており、一般に従来の印刷機に使用される動力伝達経路３１２、３１４と３１６を介して動力伝達される。

インク装置のインク着けローラー１１０は、インク装置のシャーシー３１８上で回転可能に取り付けられる。このシャーシーはシャーシー３２０の上に回動可能に取り付けられている。印刷を行う間は、インク着けローラーは、版シリンダ１０２と印刷機の駆動系とともに同期して回転する一連のギヤ３２２、３２４、３２６、３２８、３３０を介して回転駆動される。

洗浄を行う間、油圧式シリンダ３３２は軸３３４周りに、例えば矢印３３６で示されるように約５度の角度でインク装置のシャーシー３１８を回転させるために作動する。

この動きにより、印刷版はインク着けローラーの表面から離れる。空気圧クラッチ３３８は、印刷シリンダ群とインク着けローラーが互いに別々に回転することができるようにインク着けローラー１１０からギヤ３２２を外すたに使用される。この構成によれば、インク着けローラーは、洗浄の間において、例えば、図９で記載した減算システムの回転する転写ローラー１４７との機能的な噛合で回転されることとなる。

再度、図９を参照して、洗浄の間において、余分なインクがインク壷１２８から取り除かれるであろう。換言すると、移動可能なインクユニット１７２は取り除かれて、上述の洗浄アセンブリと取り替えられるかもしれない。従来からのインク溶剤か洗浄流体がインク装置に適用されるかもしれない。実施例の一つによれば、流体が噴射管１７４を使用して塗布用ローラー１３０に吹付けられると良い。あるいはさらに洗浄液がインク装置のほかのローラーに噴射されるかもしれない。インク装置の各ローラーは回転しているので、洗浄液とローラー上の残りのインクとの混合物は徐々にインク壺に貯まる。この混合物は洗浄を完結するために空にされるかふき取られることで、新しいインクの供給をするための準備をする。

この洗浄手順は、実質的に自動で行われ、インク減量システムは混合物の排除と回収とを行う。また洗浄は、従来の洗浄で使用される洗浄液の量と比較して少ない量で行うことができるので、材料節約となり環境に優しい利益がある。インク装置は、洗浄を行うときに、印刷機駆動部と版シリンダから取り外すことができるので、印刷機と印刷版のクリーニングまたは交換作業などが、洗浄作業と同時に行えることとなる。

なお、上述の各実施例と図面とは本発明の好適な事例について記載したものであり、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、当業者は様々な変更乃至修正を加えることができることは言うまでもない。

キーの無いインク装置を取り付けた印刷機を図解した図である。乾式オフセット印刷モードにおける、図１の印刷アセンブリのインク装置を断片的に示した横断面図である。湿式オフセット印刷モードにおける、図１の印刷アセンブリのインク装置を断片的に示した横断面図である。図１の印刷機の断片的な平面図である。図２の振動ローラーと係合した状態の減量ローラーを断片して示した図である。図６は、図１のインク壷の横断面図、図６(ａ)は、図８の細部を示した図である。図６のインク壷の端部のダムアセンブリの詳細図である。洗浄刃とトレーアセンブリの横断面図である。キーのない減算式のインク装置を備えた印刷機を図解した図であって、本発明の様々な局面を例証している図である。図１０(ａ)、図１０(ｂ)及び図１０(ｃ)は、印刷された様々な画像の図である。図９に関連して記載されたインク塗布サブシステムの外観斜視図、図１１(ａ)は、図１１で表現されたローラーの表面構造の詳細図である。本発明の印刷機の実施例によるインク着けローラーを運転でき、かつ取り外すための機構の図である。

Claims

少なくとも１枚の印刷版を含む回転式の版シリンダと、前記少なくとも１枚の印刷版に対してインクを塗布するための単一のインク着けローラーとを有した印刷システムであって、
前記版シリンダと前記インク着けローラーは同じ回転数で回転されることで、前記インク着けローラー上の領域は前記版シリンダ上の同じ領域に接触し、そして、
前記版シリンダと前記インク着けローラーは異なる直径を有し、前記版シリンダと前記インク着けローラーの間のニップにおいて異なる表面速度を有することを特徴とする印刷システム。
前記版シリンダと前記インク着けローラーの間の前記ニップにおける異なる前記表面速度の差は、１分あたり１フィート（３０．４８ｃｍ）以上であることを特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
前記版シリンダと前記インク着けローラーの間の前記ニップにおける異なる前記表面速度の差は、１分あたり４フィートから１０フィート（１２１．９２ｃｍから３０４．８ｃｍ）の範囲であることを特徴とする請求項２に記載の印刷システム。
前記印刷版と前記インク着けローラーの表面の間における位置合わせ不足が原因で引き起こされる反復とゴースト現象が、実質的に排除されることを特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
前記インク着けローラーは、着脱可能なカバーを有することを特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
前記インク着けローラーは、弾力性の下層を有し、前記着脱可能なカバーは滑らかであることを特徴とする請求項５に記載の印刷システム。
前記インク着けローラーは、キー無しの減量式インク装置システムの一部であって、
前記インク着けローラーから余分なインクを取り除くために前記インク着けローラーに隣接した転写ローラーと、
前記転写ローラーから余分なインクを受けるために前記転写ローラーに隣接した、固い表面仕上げをした減量用ローラーと、
前記減量用ローラーから余分なインクをこすり落とすために前記減量用ローラーに隣接したスクレイパー刃と、
前記減量用ローラーからこすり落とされたインクを溜め、インクを前記インク着けローラーの上に塗布するために前記スクレイパー刃に隣接したインク壷と、
前記インク壺とインク着けローラーの間に介在される塗布用ローラーとを備え、前記インク壷からのインクが前記塗布用ローラーによって前記インク着けローラーに塗布されることを特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
前記塗布用ローラーは、井戸状の凹部が列状に形成され、かつ隣接する前記凹部が少なくとも一つの流路で連通された固い表面を有することを特徴とする請求項７に記載の印刷システム。
前記インク壷の一部を形成し、前記インク壷から前記塗布用ローラーに塗布されるインクを計量する刃をさらに備え、印刷版に塗布されるインクの量は、印刷機の速度に対して相対的に前記塗布用ローラーの速度を調整することで行われることを特徴とする請求項８に記載の印刷システム。