JP4235934B2 - 輸送用車両のための構造支柱上の側面固定懸架座席 - Google Patents

輸送用車両のための構造支柱上の側面固定懸架座席 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、乗客が輸送車両で座るための、単席もしくは多席、長椅子もしくは他の支えの、懸架座席に関するものである。
【0002】
本発明による座席は、車両の構造支柱にオーバハングで固定させることを目的とする。
【0003】
組み立ての固定は、座席の側壁の一つの部位で実現されるので、座席の下部と車両と床との間に位置する空間が解放される。
【0004】
公共交通機関の車両に従来の手法で使用される座席は、実施態様によって形と大きさが様々な1本または複数個の脚によって、車両の床に一般的に固定されている。この解決方法は、多くの不都合を呈している。
【0005】
旅客にとっては、これらの座席の脚は邪魔になる、なぜなら座った乗客が脚を快適に伸ばす妨げになるからである。
【0006】
さらに、混雑の場合、きわめて多数の旅客の輸送を可能にするために、中央の通路と車両の出入口の区域を最大限に解放することが必要である。しかるに、これらの座席の脚は、椅子の下に位置する空間を占有し、旅客がそこに自分の小荷物や、かさばる荷物を置く妨げになる。同様に、中央通路に立っている乗客はそこに自分の足の先を滑り込ませることができない。
【0007】
床面で座席を支えるこの脚は公共交通機関の車両の掃除を担当する人にとっても邪魔になる。車両の床の清潔さを保つために、座席の脚をねじ曲げしなければならないが、それによって掃除器具とロボットの使用が制限される。そのため掃除作業の時間と費用が、大幅に増大する。
【0008】
本発明の目的は、設置が容易かつ迅速で、座席の下の空間を解放する、単純で安価な構造の、例えば都市の、公共交通機関の車両のための座席を提供することである。
【0009】
すでに、床への脚を含まない公共交通機関の車両用の座席は知られているが、それは例えばMAKOTOの名義での、米国特許5,464,273号において記載されているようなものである。
【0010】
この座席は、内部構造物、外部構造物および後部パネルから成る、かなり複雑な混合構造物から作られており、互いに溶接された多くの部品を含んでいる。
【0011】
この座席は、垂直枝の上端、水平枝の上端、これら二つの枝の交点に配置された三つのボルトによって、外部形鋼および内部形鋼からなる側面を貫通して車両の壁に固定される。この座席は同時に天井に懸架されるが、それは向かい合う面の上端部位に位置する垂直な支持構造物による。
【0012】
複雑な構成のために、MAKOTOの従来の座席は、製造や使用の高いコストがかかっていた。さらには、幅寸法の調整はなかなかできなかった。
【0013】
さらにこの重厚で複雑な構造物は、上部で支えることなく側面部位で、オーバハングで単に固定する可能性を排除してきた。
【0014】
他方では、固定の側面位置は、側面部品の垂直部に配置されるだけではないため、車両の支柱にこの座席を固定することは不可能である。
【0015】
この技術的問題を解決するために、本発明による座席装置は:
・座席本体を構成するために、少なくとも一つの連結用および補強用の梁によって、互いに結合された垂直と水平の2つの枝付き側面部品と;
・好適には生体の体型的な形状で、詰め物層を被せた、座席本体を覆う少なくとも一つの着座面、
の二つの部分で製作されるきわめて単純な構造を有する。
【0016】
側面部品の一方は、固定手段、例えばボルトによって、公共交通機関の車両の構造支柱または車体の他の要素に、その垂直枝の部位だけで取り付けられ、ついで固定される。
【0017】
ついで、座席本体の幅寸法はその少なくとも一つの連結用および補強用の梁を長手方向におくだけで得られる。
【0018】
側面固定装置によって保持された、本発明による座席は、支柱に対して、もっと一般的には壁に対して、オーバハングで懸架される。それによって下部の空間は完全に解放される。
【0019】
この配置はとくに有利である。それによって例えば、座った乗客は自分たちの前の座席の脚に邪魔されることなしに自分の脚を伸ばすことができる。
【0020】
混雑の場合、通路および乗降口の区域を空けるために、乗客は、自分の小荷物と大きな荷物を座席の下にしまうことができる。中央通路に立っている乗客もそこに自分の足の先を滑り込ませることができる。
【0021】
美観の面からは、床面上に座席の支え脚がないということは、視野に破断線がなくなるために、内部空間がもっと広い印象を受ける。
【0022】
列車の車両の床面積全体を一瞥しただけで認識できるので、乗客の忘れ物がないか容易に確認でき、また怪しい小荷物や大きな荷物の発見が容易になることで、テロリストの脅威のある時期の安全性が向上する。
【0023】
くわえて、公共交通機関の車両の清掃と手入れの便宜は、床全体に容易に手が届くので、大幅に向上する。掃除ロボットの使用が可能になり、それによって車両の床面が迅速、効果的、かつ経済的な掃除が実現できる。例えば、座席の下にもぐり込むのに適した清掃アームを備えた、中央通路を巡回する、ロボットの使用が考えられる。
【0024】
他方で、その構造がきわめて簡単なので、本発明による座席の単位製造コストは下げられる。かかる座席の設置は迅速かつ容易である。
【0025】
本発明による座席はモジュラー式である。例えば、単席版、並んで座る多席版、および本発明によって懸架された座席に背中合わせに座る多席版を考案することができる。これらの異なる変型は特殊な座席本体または互いに一体化した本発明による座席の複数個の基本ユニットを単純に掛けることによって実現できる。
【0026】
座席は好適には対称なので、公共交通機関の車両の内部の両壁の一方または他方に等しく固定することができる。
【0027】
需要の変化に応じて座席を適合化させることは、迅速かつ容易である。したがって、車両の内部を再整備したり、一時的に内部を変更するときに、座席は需要の変化に応じて取り外し、縮小、移動またはその他の変更を加えることができる。このようにして座席を個性化(個人の好みや要求に合わせること)したり、その個性化を変更することができる。その主たる色彩の変更は、別の美装カバーを素早く取り付けることによって実行される。
【0028】
本発明のその他の特徴と利点は、付属の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことによっていっそう明らかになるだろう。
図1は、ベース手段内に単席の座席を備えた、本発明による懸架座席の前部の概略斜視図であり、着座面を空間内でずらして示し、
図2は、ベース手段内に背中合わせの座席を備えた懸架座席の前部の概略斜視図であり、2つの着座面を空間内でずらして示し、
図3は、本発明による懸架座席の単席基本版の実施態様の前部の全体透視図であり、
図4は、図3と同様な、ただし着座面が空間内にずらされた、本発明による懸架座席の全部の斜視図であり、
図5は、本発明による懸架座席の基本単席版の後部の斜視図であり、
図6は、坐骨支えを具備した本発明による懸架座席の基本単席版の後部の斜視図であり、
図7は、ヘッドレストを具備し、自由な側面部に保持装置を有する本発明による懸架座席の単席版の前部の斜視図であり、
図8は、本発明による懸架座席の背中合わせの座席を備えた双席版の前部の斜視図であり、
図9は、本発明による懸架座席の横並びの座席を備えた双席版の前部の斜視図であり、着座面の一方を取り除いて示し、
図10は、成型されたモノコックと単一の着座面で形成され、横並びの着座面を備えた本発明による懸架座席の別の双席版の前部の斜視図である。
【0029】
つぎに、図1から10を参照して本発明による懸架座席装置を詳細に説明する。異なる図に示した同等の要素には同じ参照番号を付けるものとする。
【0030】
本発明は、側面部品が梁と共に座席本体を形成するように構成された、少なくとも一つの、好適には2つの梁によって結合された2つの部品によって、公共交通機関の車両の乗客用の座席を形成することから成る一般的発明原理から生じるものである。その単一または複数の梁の長さの設定だけでその幅寸法が得られるこの座席本体は、座席本体に取り付けられる適合した幅の単一部品の少なくとも一つの着座面によって完成される。全体にはカバーが掛けられ、公共交通機関の車両の内部空間内に設置する、あるいは双席ユニットを構成するために第二の座席と側面で結合する準備ができた完全な座席を構成するために、適合した補助部品によって必要に応じて補足される。
【0031】
本発明の独創性の一つは、側面部品の少なくとも一つが、座席を備える車の、壁面または、例えば、垂直の構造支柱への固定手段を具備し、他方が、双席ユニットを構成するために同一の第2の座席との結合の適性または備えを有することである。
【0032】
異なる図において、一つの座席が示されている。この座席は、例えば、路面電車や地下鉄の車両、バスまたは乗客の都市輸送車両などの、都市のものをはじめとする公共交通機関の車両内に取り付けるためのものである。本発明から逸脱することなしに、鉄道車両客車内、駅内、または都市輸送車両の停車場内、または座席の下の空間を空けることが有利になる他のいっさいの場所内をはじめとして、この懸架座席の他の使用を考えることができる。
【0033】
座席は、座席本体1と着座面2の2つの主要部分から成るきわめて簡単な構造を有する。
【0034】
まず、図1と2に示した本発明による懸架座席の基本的変型を説明するが、図1は単席版を、図2は背中合わせの座席を備えた双席版を図示している。
【0035】
座席本体1は、それに十分な機械的剛性を与える、一つまたは複数個の連結用および補強用の梁5によって結合された2つの側面部品3と4によって構成される。側面部品3と4はそれぞれほぼ平坦な部品の形で製作され、両者共に好適には同一であり、例えば、金属製、とりわけアルミニウム製である。それらは図1の単席版ではほぼL字型の、図2の双席版ではほぼ逆T字型の形状を有する。
【0036】
連結用および補強用の梁5の数は、好適には2つである。例えば、管状の梁はL字またはT字の垂直の枝6の末端部位で、好適には連結している2つの側面部品3と4に垂直に延長する。これらの梁5は図示したものと異なる直径または断面形状を有することができるが、それをもって本発明を逸脱することはできない。また一つまたは複数個の横断方向の補強板の使用を考えることもできる。
【0037】
座席の幅寸法の適合が重要なときは、長さが調節できる梁5の変型が提案される。
【0038】
それは例えば、伸縮式のように互いに差し込まれた2つの部分で製作された梁5である。安全の理由から、これらの部分は長手方向のブロック構造、すなわち縦溝、溝、その他によって旋回できないようにすることができる。長さ方向の固定は、例えば、横断方向の要素:ピン、キー、ニップル、その他によって保証することができる。
【0039】
連結用および補強用の梁5によって接続された2つの側面部品3と4によって構成された座席本体1は、好適には単一部品で、とくに成型アルミニウムで製作されるが、それに限定されない。それはまた、座席本体1を形成するためにあらかじめ組み立てられた、独立した複数個の部品で構成することもできる。
【0040】
生体の体型的な形状の着座面2は乗客の身体を支え受けるために座席本体1上に取り付けられる。着座面2はここでは、それが支えられる側面部品3と4にほぼ水平7および垂直6な枝によって形成される角度に対応する角度に従って湾曲させ、きれいに丸みをつけた、ほぼ長方形の、単一の薄板の形を備えている。このように、着座面2は、背の役割を果たす上部8と、乗客が座る下部9を備えている。着座面は、好適には単独の部品で製作されるが、複数個の構成要素の組み立てによって製作することもできる。
【0041】
着座面2は、所望の着席幅に対応する寸法に従って、成型またはその他の方法で、単一部品で製作される。
【0042】
着座面2は、長尺で製造され、座席本体に取り付けるのに適した長さの区分を構成するために所定の長さに裁断された、形材の形から製作することもできる。
【0043】
着座面2は、座席本体1に付け加えるかその他の形で取り付けられ、図示ししていない任意の固定手段で維持される。
【0044】
その取り外し自在な性格は、座席本体1と着座面2の間に選択された連結、保持形態によって多少の差がある。解除の迅速性と容易さがねらいの場合は、例えば、クリップ留め、ピン留め、フック留めなどの迅速な保持手段を使用することができる。
【0045】
図2に示した双席実施態様は、T字の垂直枝6に対して対称に背中合わせに配置された、同一の2つの着座面2を具備している。これら2つの着座面2のそれぞれは、2つの側面部品3と4のそれぞれの垂直な枝6と水平な枝7の半分の縁に当接して取り付けられる。これら2つの着座面2は図示されていない任意の固定手段によって座席本体1の上の位置に維持される。本発明による座席のこの実施態様は、2人の旅客が座席の上に背中合わせに同時に座ることを可能にする。
【0046】
着座面は、すぐに設置できる完全な座席を構成するために、ある厚みの詰め物を閉じこめるカバーを備えることができる。特定の適合した補助部品(図示されていない)、例えば、押さえ装置、ヘッドレスト、肘掛けなども付加することができるが、それをもって本発明の枠を逸脱することはできない。
【0047】
明らかなごとく、座席本体1の幅寸法を広げるために、連結用および補強用の梁5は長さを増すことが考えられる。つぎに、対応する幅の着座面2を設置して、長椅子タイプの多席座席を得ることができる。並置された複数個の個別の着座面2による変型も考えられる。
【0048】
側面部品3または4の一方は、構造の、例えば、垂直な支柱11に、あるいは座席を備える車両の車体の他のいっさいな適切な部品に、その垂直枝6の部位でのみ、側面方向に座席を固定することを可能にする固定手段10を具備している。支柱に対してオーバハングで固定された座席は、床面上に懸架される。座席の下に位置する、下部空間12は、このようにして完全に解放される。
【0049】
固定手段10は、任意の種類のものとする。例えば、関係する側面部品3と4の壁を通って製作された、ネジを切ったか否かを問わず、穿孔14と、また場合によっては図示されていないナット部品と協働するネジまたはボルト13のユニットとすることができる。
【0050】
対抗する側面部品、例えば4も、穿孔14あるいはその他いっさいの同等な装置を有することができる。このようにして、本発明による座席は、支柱が位置する車両の側を問わず、また座席の所望の方向の向きを問わず、いっさいの構造支柱11に有利に取り付けることができる。
【0051】
この構成は、このようにして、互いに側面方向に固定することによって本発明による2つの座席を対にすることができる。したがって、例えば、車両の構造支柱にオーバハングで固定された第一の座席に1つまたは複数個の同一の単席座席を順に接合することによって側面固定多席懸架座席を実現することができる。この実現は上述の長椅子タイプの変型と同等である。また、4人の乗客が座ることができる懸架ユニットを得るために背中合わせの座席を備えた2つの双席座席をこのようにして接合することができる。
【0052】
つぎに本発明による懸架座席の推奨実施態様を、図3から10を参照して説明する。
【0053】
座席は、上述の変型の場合と同様に、座席本体1と着座面2で構成された2つの部分から成るきわめて簡単な構造を有する。
【0054】
このとき座席本体1は、単一部品、例えば、成型アルミニウムで製作されるが、それに限定されるものではない。それは後部壁15と、下部壁16と、上述の2つの側面部品と同等な2つの側面壁3と4とから成る中空殻体に成形され、その前面に開口部17を備えている。
【0055】
座席本体または殻体1は、十分な機械的剛性を座席本体に付与するために、一つまたは複数個の連結用および補強用の梁5を閉じこめている。例えば管状の連結用および補強用の梁5の数は、好適には2つである。それらは好適にはその上部と、後部壁15と下部壁16の間の湾曲の部位でそれらが連結する2つの側面壁3と4に垂直に延長している。
【0056】
これらの連結用および補強用の梁5は、殻体1を備えて単一部品で製作することができる、あるいはネジ止めなどの、任意の固定手段によって、その内部で後から組み立てることができる。
【0057】
着座面2はこの変型において、座席本体の開口部17の断面と輪郭の、ほぼ長方形の、薄板の形を取る。この着座面2はその上部8に乗客の背中、その下部9に臀部を支え受けるために湾曲した生体の体型的な形状に沿って製作される。
【0058】
着座面2はその前面の開口部17を閉塞して座席本体1に取り付けられる。それは図示されていない固定、はめ込み、または不動化の任意の手段によってその位置に維持される。さらに座席に座った乗客の快適さを向上させる厚みの詰め物18を具備することができる。
【0059】
本発明の範囲を逸脱することなしに、図8と10に示した座席本体1の異なる変型を考えることができる。
【0060】
図8は2つの座席が背中合わせに配置された懸架座席の双席版を示している。座席本体1を形成する中空殻体はその頂点部で狭い上部壁19によって、その底部で下部壁16によって連結された、ほぼ逆T字形の2つの側面壁3と4を具備している。上述の実施態様と同様に、中空殻体は少なくとも一つの、好適には2つの連結用および補強用の梁5を閉じこめている。座席本体1は前部と後部の2つの面の上に対称な17のような2つの開口部を有する。上述と同じように固定された、例えば、同一の2つの着座面2は2人の旅客が背中合わせに同時に座ることができる完全な着席ユニットを構成するように、これら2つの開口部17を閉塞する。
【0061】
図10の実施態様は後部壁15,下部壁16と上部壁19の幅が増え、それに応じて連結用および補強用の梁5の長さが増した点だけが図3に示した基本版と異なっている。前面の開口部17も拡大されたので、複数の乗客の支えとなることができる拡大された着座面2の挿入がそれによって可能になる。これによって長椅子タイプの多席座席が得られる。
【0062】
また、背中合わせに配置された2つの長椅子で形成された変型を考えることもできる。
【0063】
着座面2は個別の座席の異なる席の分離を示す境界線の有無を問わず、単一部品で製作することができる。また、個別の複数個の着座面を並置して構成することもできる。
【0064】
有利には、長椅子の所望の幅寸法に適した長さに裁断した、長尺の形材から製作することもできる。
【0065】
実施態様を問わず、本発明による座席は、座席を備える車両の構造支柱11または壁面に側面方向に座席を固定することを可能にする固定手段10を側面壁3と4の少なくとも一つの上に備えている。
【0066】
図3から10において、これらの固定手段は構造支柱11に対して座席を維持するためにボルトユニット13と協働する穿孔ユニット14から成る。例えば、数が6つの穿孔14は、好適には耳の形の補強肉厚部20で、関連する側面壁3と4を通って製作される。
【0067】
上述のごとく、対抗する側面壁、例えば4は、座席をどちら側かを問わずいっさいの構造支柱11に取り付け可能にするか、あるいは同一の個別座席に結合可能にする穿孔14を備えることもできる。このようにして、上述の図10の実現と同等な長椅子タイプの多席座席をきわめて容易に得ることができる。この実施態様は図9に示した。また4人の乗客が座ることができる懸架ユニットを得ることができるように背中合わせの座席を備えた2つの双席座席をこのようにして結合することができる。
【0068】
本発明による懸架座席は短時間で、きわめて容易に設置できる。そのため、座席本体1を構成する成形殻体を、快適な着席位置を確保するために床面に対して適合した高さで、適切な構造支柱11に対して位置づけるだけで十分である。座席本体1の側部壁3と4は穿孔14を貫通するボルト13によって構造支柱11に固定される。ボルトの設置は座席本体の開口部17を介して行われる。後者の寸法は組み立て工がこの作業の際に支障を感じない十分な寸法である。つぎに着座面2が開口部17を閉塞して取り付けられる。その上端21は、全体が例えば、簡単なネジで固定を維持されるので、開口部17の上縁22の下に滑り込ませることができる。
【0069】
支柱に対してオーバハングで固定された座席はこのようにして床面上に懸架される。座席の下に位置する下部空間12は完全に解放されるので、上述のすべての利点が得られる。
【0070】
特定の補助部品を必要ならば本発明による座席に適合させることができる。座席の後面は、懸架座席の後ろに立った乗客が、立位よりも楽で、混雑時に座位よりも場所を取らない「腰掛け」姿勢で臀部に寄りかかることを可能にする、図6に示したような坐骨支えクッション23をとくに具備することができる。
【0071】
本発明による懸架座席は例えば、肘掛け、ヘッドレスト24,座席の側に立つ旅客のための支えまたは保持装置25、その他考えられるいっさいの補助装置を備えることができる。
【0072】
支えまたは保持装置25は輸送車両の構造支柱11またはその他の車体の要素に固定されていないその側面部品3と4の部位でだけ好適には座席本体1に固定される。
【0073】
側面部品は上述の部品または装置のいずれかを受納する備えのある手段を具備することができる。
【0074】
これらの部品のいくつか、ヘッドレスト24および手すりタイプの保持装置25は図7に示した。本発明による座席はもちろんこれに限定されず、これらの補助部品の寸法と形状は単なる例としてあげられたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ベース手段内に単席の座席を備えた、本発明による懸架座席の前部の概略斜視図であり、着座面を空間内でずらして示す。
【図2】 ベース手段内に背中合わせの座席を備えた懸架座席の前部の概略斜視図であり、2つの着座面を空間内でずらして示す。
【図3】 本発明による懸架座席の単席基本版の実施態様の前部の全体斜視図である。
【図4】 図3と同様な本発明による懸架座席の全体の斜視図であり、ただし、着座面を空間内でずらして示す。
【図5】 本発明による懸架座席の基本単席版の後部の斜視図である。
【図6】 坐骨支えを具備した本発明による懸架座席の基本単席版の後部の斜視図である。
【図7】 ヘッドレストを具備し、自由な側面部に保持装置を有する本発明による懸架座席の単席版の前部の斜視図である。
【図8】 本発明による懸架座席の背中合わせの座席を備えた双席版の前部の斜視図である。
【図9】 本発明による懸架座席の横並びの座席を備えた双席版の前部の斜視図であり、着座面の一方を取り除いて示す。
【図10】 成型されたモノコックと単一の着座面で形成され、横並びの着座面を備えた本発明による懸架座席の別の双席版の前部の斜視図である。

Claims (21)

  1. 乗客輸送車両のための座るための単席または多席の懸架座席、長椅子またはその他の支えにおいて:
    ・座席本体(1)を構成するために少なくとも一つの連結用および補強用の梁(5)によって互いに結合され、垂直枝(6)と水平枝(7)とを持つ、二つの側面部品(3)および(4)と;
    ・座席本体(1)を覆う少なくとも一つの着座面(2)、
    とからなり、
    側面部品(3)または(4)の一方が、座席が車両の支柱または車体要素に対してオーバハングに組み立てされたものとなるように、適切な高さにおいて、輸送車両の構造支柱(11)または車体の他の要素に、その垂直枝(6)の側面の部位だけで固定され、座席本体(1)の幅寸法がその少なくとも一つの連結用および補強用の梁(5)の長さの設定だけで得られることを特徴とする座席。
  2. 支えまたは保持装置(25)が、輸送車両の構造支柱(11)またはその他車体要素に固定されていないその側面部品(3)または(4)の部位でだけ座席本体(1)に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の座席。
  3. 着座面(2)が、取り外し自在であることを特徴とする、請求項1または2に記載の座席。
  4. 座席本体(1)が、成型で製作されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の座席。
  5. 座席本体(1)が、中空の箱形に成形された殻体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の座席。
  6. 座席本体(1)が、着座面(2)によって閉塞されるのに適した前面に開口部(17)を具備することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の座席。
  7. 連結用および補強用の梁(5)が、調節可能な長さまたは伸張部を有することを特徴とする、前記請求項1から4のいずれか一つに記載の座席。
  8. 連結用および補強用の梁(5)が、伸縮式構造であることを特徴とする、請求項7に記載の座席。
  9. 連結用および補強用の梁(5)が、旋回を固定された管状の差し込みの形で製作されることを特徴とする、請求項8に記載の座席。
  10. 2つの側面部品(3)と(4)が、2つの管状の連結用および補強用の梁(5)によって結合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の座席。
  11. 着座面(2)が、乗客の身体を支え受けるために生体の体型的に湾曲させ、きれいに丸みをつけた、ほぼ長方形の、薄板であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の座席。
  12. 側面部品(3)または(4)の少なくとも一方が、装備される車両の構造支柱(11)あるいは別の車体要素、または別の座席への固定手段(14)を具備していることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一つに記載の座席。
  13. 2つの側面部品(3)と(4)が、車両の構造支柱(11)または別の座席への固定手段(14)を具備していることを特徴とする、請求項12に記載の座席。
  14. 固定手段が、座席を車両の構造支柱(11)または別の座席に固定するために、ネジあるいはボルト(13)またはネジとナット部品と協働する、ネジ山を切ったか否かを問わず、穿孔(14)を具備することを特徴とする、請求項12または13に記載の座席。
  15. 穿孔(14)の少なくとも一つが、補強肉厚部(20)の部位で、側面部品(3)または(4)を通って製作されることを特徴とする、請求項14に記載の座席。
  16. 並んで座った複数の乗客を同時に受け入れるために、着座面が、もっと広いことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一つに記載の座席。
  17. 2つの座席の並置と組み立てによって形成されることを特徴とする、請求項16に記載の座席。
  18. 背中合わせに複数の乗客を同時に受け入れることを可能にする、後部の第2の着座面を具備することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一つに記載の座席。
  19. 後部の第2の着座面が、もっと広く、並んで座った複数の乗客を後部で同時に受け入れことを可能にすることを特徴とする、請求項18に記載の座席。
  20. ある厚みの詰め物(18)を閉じこめるカバーが掛けられることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一つに記載の座席。
  21. 肘掛け、ヘッドレスト(24)、坐骨支えクッション(23)の中から選択された、一つまたは複数の補助部品をさらに具備することを特徴とする、請求項1から20のいずれか一つに記載の座席。
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