JP4440394B2 - 車両用の長椅子 - Google Patents

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修司 岡根
憲一 羽田
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近畿日本鉄道株式会社
近畿車輌株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電車の車室等に設けられた長椅子の構造に係り、特に、高齢者や身体障害者等が利用するのに好適な車両用の長椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車、バスといった公共交通機関のうち、普通電車や乗合バス等の車両には、一般に長椅子が設置されている。
電車の長椅子の場合、車室の長さ方向に沿って座席が延設されており、多数の乗客が座れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の長椅子の場合、手が届く高さには何も無いので、高齢者や身体障害者が乗車して座る際や、立ち上がる際に、大変苦労するという不具合があった。特に長椅子の中央部に座った場合には、手すりが全くなく、極めて利用し難いものであった。なお、長椅子には、いわゆる優先座席も設けられているが、単なる長椅子である限り、高齢者等にとって使い易いものとは言えなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、通常のシートでありながら、高齢者や身体障害者等が利用した場合には、座り易く立ち易い長椅子を提供することを目的としている。
【0004】
上記目的を達成するため、本発明のうち請求項1に記載の発明は、車室の長さ方向に沿って座席が延設された電車の車両用の長椅子において、前記車室に設けられたドアの近傍側の座席に、前記長椅子の両端に肘掛けを有すると共に該両端から一人が座れる間隔をあけて内側に肘掛けが設けられ、この内側の肘掛けは、垂直部と垂直部の上端から後方に延びる水平部とからなり、前記垂直部の下端を座席の腰掛け部に固着して内側の肘掛けを立設すると共に、前記水平部の後端を背もたれ部に固着して一人座り用の座席部が設けられ、前記一人座り用の座席部の肘掛けが、左右同じ高さの水平部を有して立設して構成されることにより、前記一人座り用の座席部が長椅子の両端部にそれぞれ設けられたこと
を特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図示例を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用の長椅子を示す斜視図である。
この車両用の長椅子6は、普通電車の車室1に設置されたもので、座席9に一人座り用の座席部10を設けた構成となっている。
この電車の車室1は、車内の両側部における前部側と後部側とに出入り口1a,1bを開設し、各出入り口1a,1bに自動ドア2,3がそれぞれ設けられている(図1は、車室1の一側部のみを表示しているが、他側部も同様である)。5は、車体の壁面4に開設された窓である。
【0006】
長椅子6は、横長の腰掛け部7と背もたれ部8とで座席9を形成し、車室1の長さ方向に沿って各出入り口1a,1bの間に延設している。これにより、車室1の両側部に長椅子6が対向して配置されるので、多数の乗客が横並びで座ることができる。
座席部10は、長椅子6の座席9に肘掛け11を取り付けて他と区分したもので、前記長椅子6の両端部にそれぞれ設けている。
肘掛け11は、垂直部11aと水平部11bとからなり、2本1組で1つの座席部10を構成する。すなわち、この肘掛け11は、一人が座れる間隔をあけて、垂直部11aの下端を各出入り口1a,1b側の腰掛け部7に固着し、水平部11bの後端を背もたれ部8側の壁面4にそれぞれ固着している。
なお、座席部10が専用座席であることを明示するためのシールを貼ってもよい。また、13は、金属製の把持部であり、腰掛け部7の端部側と背もたれ部8の上部側との間に取り付けられている。
【0007】
以上のように、上記車両用の長椅子6は、車室1に設けられた自動ドア2,3寄りの座席9上に、一人座り用の座席部10をそれぞれ配設している。
これら座席部10は、通常のシートの一部として利用可能なことは勿論であるが、ドアのすぐ横に設けられていることから、高齢者や身体障害者等の利用に特に優しいものとなる。つまり、この車両に身体の不自由な人が乗車したとき、車室1の奥に進む必要がなく直ぐに座れるので、乗り降りが容易になる。
さらに、座席部10が、肘掛け11を立設したものであり、手が届く高さに水平部11bが存在しているので、高齢者や身体障害者が乗車してから座るときに水平部11bを把持して姿勢を低くしてゆくことができる。また、座った後で立ち上がるときも左右同一高さの水平部11bを支えにできるから、左右均等に力を加えて動作をすることができるので、安定して立ち居の動作を行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、電車の車室1に設置された長椅子6に一人座り用の座席部10を設ける場合について説明したが、乗合バス等に設置された長椅子にも採用し得る。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の長椅子によれば、車室に設けられたドアの近傍の座席に、前記長椅子の座席に肘掛けを立設して一人座り用の座席部を設けたことから、高齢者や身体障害者等が利用した場合にも、座り易くて立ち易いものとなる。また、公共交通機関の車両に身体の不自由な人が乗車したとき車室の奥に進む必要なく直ぐに座れるので、乗り降りが容易になるといった効果がある。
また、前記1人用の座席部の肘掛けが、左右同じ高さに立設して構成した場合には、手が届く高さに把持部が存在しており、左右均等に力をかけて動作することができるので高齢者や身体障害者が乗車してから座るときに姿勢を低くしたり、座った後で立ち上がる動作が安定し楽になる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用の長椅子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車室
2 ドア
3 ドア
6 長椅子
9 座席
10 座席部

Claims (1)

  1. 車室の長さ方向に沿って座席が延設された電車の車両用の長椅子において、
    前記車室に設けられたドアの近傍側の座席に、前記長椅子の両端に肘掛けを有すると共に該両端から一人が座れる間隔をあけて内側に肘掛けが設けられ、
    この内側の肘掛けは、垂直部と垂直部の上端から後方に延びる水平部とからなり、
    前記垂直部の下端を座席の腰掛け部に固着して内側の肘掛けを立設すると共に、前記水平部の後端を背もたれ部に固着して一人座り用の座席部が設けられ、
    前記一人座り用の座席部の肘掛けが、左右同じ高さの水平部を有して立設して構成されることにより、
    前記一人座り用の座席部が長椅子の両端部にそれぞれ設けられたこと
    を特徴とする電車の車両用の長椅子。
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