JP4233685B2 - エステル交換触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エステル交換触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
エステル交換触媒において、反応後の触媒成分の分離の面から不均一触媒が検討されている。その例としては、無機固体酸を利用する方法、例えばシリカアルミナ、ゼオライト(特開昭61−200943号)、アルミニウム酸化物及び/又は鉄酸化物を含有する触媒(特開昭61−236749号)、IV族元素のシリケート(EP0623581A2)等を用いる方法、イオン交換樹脂等の有機固体酸を利用する方法(WO98/25876)、含水酸化ジルコニウムを用いる方法(特公平4−28250号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の不均一触媒は、エステル交換反応において活性、選択性及び耐久性の何れも満足できるものではなかった。具体的には、無機固体酸は何れも酸強度が強く、例えば、モルデナイト等のゼオライトでは、エステル交換反応の際にエーテル体等の好ましくない副生成物の生成が著しい。IV族元素のシリケートは、活性が比較的低く、高い温度条件を採用しなければならないという制約がある。また、反応中にケイ素の溶出が起き、長期運転時に活性が低下する。有機固体酸であるイオン交換樹脂は、活性が低いと共に、耐熱性が低いことから使用できる温度範囲に制約がある。それにも拘わらず、イオン交換樹脂を用いる特許では、温度及び圧力を調整して反応を気相で行うという条件が記述されている。従って、イオン交換樹脂触媒は沸点の低い低分子量の反応物に対してのみ適用可能であり、高沸点の反応物には応用できない。その一方で、イオン交換樹脂触媒は低級アルコールと接触した場合に膨潤が起きるという問題点を有している。また、選択性を改善する手段として含水酸化ジルコニウムの利用が開示されているが、活性が低く、工業化に至っていない。
【0004】
従って、本発明の目的は、高活性で選択性が良好であり、かつ反応中の触媒活性成分の溶出がない長寿命の不均一系触媒を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属のリン酸塩を含有する、エステル交換触媒に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
一般に、リン酸塩には、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩など、多くの形態が可能であるが、本発明の触媒においてはオルトリン酸塩が好ましく用いられる。但し、他の形態のリン酸塩を含有しても差し支えない。本発明に係るリン酸塩を形成する金属としては、アルミニウム、ガリウム、鉄から選ばれる1種以上であり、特にアルミニウムが好ましい。尚、2種類以上の金属のリン酸塩を複合して用いても構わず、その金属は上記の金属に限定されるものではない。
【0007】
本発明におけるリン酸塩は、市販品をそのまま用いてもよく、調製によって得たものを用いてもよい。リン酸塩の形態は、非晶質、結晶性の何れのものも使用できる。例えば、非晶質のリン酸塩の例としては、金属硝酸塩溶液とリン酸の混合物にアルカリ性物質を作用させることによって沈澱物を得、濾過、水洗、乾燥、焼成等の処理を行うことで得ることができる。沈殿物は、焼成を行わず乾燥させた状態で触媒として用いることができる。この場合、エーテル体の生成が抑制される。一方、触媒活性向上の観点からは、150℃以上の温度で0.1時間以上焼成することが好ましい。
【0008】
また、結晶性リン酸塩の例としては、結晶性リン酸アルミニウムであるVPI−5、AlPO−5等を挙げることができる。VPI−5は1.2から1.3nmの細孔を持つ結晶性リン酸アルミニウムであり、その製造方法は文献(ZEOLITES、1992年,12巻、2頁)により得ることができる。また、AlPO−5も結晶性を持つリン酸アルミニウムであり、その合成方法は、文献(触媒、1985年、27巻、251頁)により得ることができる。
【0009】
触媒の組成については、触媒活性の観点から、金属イオンとリン酸イオンのモル比が1:3〜1:0.1が好ましく、1:1.2〜1:0.2が更に好ましい。
【0010】
また、調製の際に、2種類以上の金属を共存させて沈澱させることにより、複合化したリン酸塩触媒を調製することが可能である。例えば、アルカリ土類金属の添加によって、エーテル体の抑制といった選択性の改善効果を得ることができる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムが好ましく、マグネシウム及びカルシウムが特に好ましい。
【0011】
更なる触媒活性向上の観点から、調製の際にリン酸に加えてホウ酸及び/又はホウ酸塩を共存させて触媒を調製することが好ましい。具体的には、(1)式で定義するホウ酸基含有率が0.1〜60モル%の範囲でホウ酸基を含有させることが好ましい。
【0012】
【数1】
【0013】
また、リン酸金属塩、或いは複合化したリン酸金属塩を調製する際に、高表面積の担体を共存させ、担持リン酸金属塩或いは担持複合化リン酸金属塩として調製することもできる。担体としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭等、一般に担体として使用されるものを用いることができる。担体を過剰に用いると活性成分であるリン酸塩の含有量が低下し、活性を低下させるため、触媒中の担体の占める割合は、90%重量以下が好ましい。触媒の形態は、粉末のまま原料に分散させて用いることもできるし、或いは成形して使用することもできる。成形の際に適当なバインダーを使用しても良い。粉末で使用する場合には、反応後に濾過によって触媒を反応液から分離するが、成形触媒として用いる場合には、反応塔に充填して連続反応を行うことが可能である。
【0014】
エステル交換反応は、原料エステルと原料アルコール、原料エステルと原料カルボン酸、又は原料エステルと原料エステルとを混合して反応条件下に触媒と接触させることで行われる。使用する原料エステル、原料アルコール及び原料カルボン酸には特に制約はない。
【0015】
例えば、原料エステルとしては、炭素原子を1個ないし22個含む直鎖或いは分岐鎖を持つ脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸或いはそれらの混合物と、炭素原子を1個〜22個含む直鎖或いは分岐鎖を持つ1価アルコール或いは多価アルコールとのエステル或いは部分エステルが用いられる。より具体的には、例えば酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等のカルボン酸或いはジカルボン酸及びそれらの混合物と、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ステアリルアルコール等の一価脂肪族アルコール、ベンジルアルコール等の一価芳香族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールとからなるエステルであり、それらの例としてはモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の天然植物油、牛脂、豚脂等の動物油等が挙げられる。
【0016】
また、原料アルコールとしては、炭素原子を1個ないし22個含む直鎖或いは分岐鎖を持つ1価アルコール或いは多価アルコールが用いられる。より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ステアリルアルコール等の一価脂肪族アルコール、ベンジルアルコール等の一価芳香族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールを例示することができる。
【0017】
また、原料カルボン酸としては、炭素原子を1個ないし22個含む直鎖或いは分岐鎖を持つ脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸が用いられる。より具体的には、例えば酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等が例示できる。
【0018】
原料エステル及び原料アルコール、原料カルボン酸又は原料エステル(以下原料アルコール等という)の仕込み比は、製品エステルの要求純度に応じて変化させることができる。すなわち、製品中に多少の原料エステルが混在しても差し支えない場合には、原料アルコール等供給量を理論量或いはそれ以下にし、原料アルコール等消費量を節約することができる。一方、製品エステル純度を高めたい場合には、過剰の原料アルコール等を供給することにより平衡をエステル側にずらすことができ、高い収率を得ることが可能である。
【0019】
エステル交換反応の方法としては、従来の方法をそのまま用いることができる。例えば、原料エステルと原料アルコールを、触媒を充填した反応塔に連続的に供給することも可能であるし、或いは、反応槽で回分式に反応を行うこともできる。また、反応進行によりグリセリン等の分離液が発生する場合には、これを連続的或いは間欠的に分離除去することもできる。また、反応条件としては、常圧又は加圧下で行うことができる。加圧の場合は、アルコールの液化を促進することができるため、反応速度上有利である。
【0020】
本触媒は耐熱性に優れ、400℃以上でも安定である。従って使用する反応温度条件に特に制約はない。また、原料エステルや原料アルコール等に対して不溶性であり、活性成分の溶出がおきないため、反応は、気相系でも液相系でも行うことができる。
【0021】
本発明の触媒を用いたエステル交換反応では、触媒成分の溶出がないために、未反応物や副生成物及び触媒溶出成分を殆ど含まない高純度かつ高品質のエステルを長期的に得ることができる。
【0022】
【実施例】
実施例1
硝酸アルミニウム・9水和物562.7g(1.5モル)を水5000gに溶解し、85%オルトリン酸水溶液172.9g(1.5モル)を加えた。この混合水溶液に10%アンモニア水を25℃で滴下することで、pH7とし、リン酸アルミニウムの沈澱を得た。これを濾過・水洗し、110℃で12時間乾燥することでエステル交換触媒を得た(この触媒をA−1とする)。
【0023】
パーム核油(トリグリセリド)200gに、メタノール55.8gを加え、上記触媒A−1を10g加えた。これを、反応温度200℃で5時間反応させた後、触媒を濾別し反応終了液を分析したところ、原料中のトリグリセリドの転化率は83%、メチルエステル収率は63%であった。副生したグリセリン相中のエーテル体濃度は0.8%と低い値であった。ここで、エーテル体とは、グリセリンとメタノールの脱水縮合により生成する3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、及び2−メトキシ−1,3−プロパンジオールを指す。このとき、反応終了品中に、溶解したアルミニウム及びリンは検出されず、吸着処理等による触媒溶出成分の除去は不要であった。
【0024】
実施例2
実施例1と同じ方法でリン酸アルミニウムの沈澱を得た。これを濾過・水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後400℃で3時間焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をA−2とする)。上記触媒A−2を用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム及びリンは検出されなかった。
【0025】
実施例3〜5
実施例2と同じ方法で、但し、仕込みの硝酸アルミニウム・9水和物とオルトリン酸のモル比をそれぞれ1:1.2、1:0.5、1:0.15に変えて調製し、110℃で12時間乾燥し、その後400℃で3時間焼成することでエステル交換触媒を得た(これらの触媒をそれぞれA−3、A−4、及びA−5とする)。各触媒を用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。何れの触媒も良好な活性と選択性を示した。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム及びリンは検出されなかった。
【0026】
実施例6
オルトリン酸と硝酸ガリウム・n水和物(nは7〜9)を1:1のモル比で含有する混合水溶液にアンモニア水を25℃で滴下することで、リン酸ガリウムの沈澱を得、これを濾過・水洗・乾燥・焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をGとする)。上記触媒Gを用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したガリウム及びリンは検出されなかった。
【0027】
実施例7
オルトリン酸と硝酸第二鉄・9水和物を1:1のモル比で含有する混合水溶液にアンモニア水を25℃で滴下することで、リン酸第二鉄の沈澱を得、これを濾過・水洗・乾燥・焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をFとする)。上記触媒Fを用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解した鉄及びリンは検出されなかった。
【0028】
実施例8
硝酸アルミニウム・9水和物と硝酸ガリウム・n水和物(nは7〜9)を9:1のモル比で含有する水溶液を調製し、アルミニウム及びガリウムの化合物の合計モル数になるように等モル量にオルトリン酸を85%水溶液で加える。この混合水溶液に25℃でアンモニア水を滴下することで、リン酸アルミニウム−ガリウムの沈澱を得、これを濾過・乾燥・焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をAGとする)。上記触媒AGを用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム、ガリウム及びリンは検出されなかった。
【0029】
実施例9
硝酸アルミニウム・9水和物と硝酸マグネシウム・9水和物を9:1のモル比で含有する水溶液を調製し、アルミニウム及びマグネシウムの化合物の合計モル数になるように等モル量にオルトリン酸を85%水溶液で加える。この混合水溶液に25℃でアンモニア水を滴下することで、リン酸アルミニウム−マグネシウムの沈澱を得、これを濾過・水洗・乾燥・焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をAMとする)。
上記触媒AMを10g用いて実施例1と同じ条件で反応させた後、触媒を濾別し反応終了品を分析したところ、原料中のトリグリセリドの転化率は82%、メチルエステル収率は66%であった。副生するグリセリン相中のエーテル体の濃度は1.2%であり、マグネシウムを共存させることで選択性の改善が見られた。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム、マグネシウムおよびリンは検出されなかった。
【0030】
実施例10
アルミナ粉末(Cataloid、触媒化成)68.7gを水600gに分散し、硝酸アルミニウム・9水和物37.5g、85%オルトリン酸水溶液11.5gを加えた。この分散液に25℃でアンモニア水を滴下することで、アルミナ担持リン酸アルミニウムの沈澱を得、これを濾過・水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後400℃で3時間焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をA−6とする)。このとき、エステル交換触媒中の担体の含有率は80%であった。上記触媒A−6を用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム及びリンは検出されなかった。
【0031】
実施例11、12
実施例10と同じ方法で、但し、エステル交換触媒中の担体の含有量がそれぞれ50重量%又は25重量%になるように調整してエステル交換触媒を得た(これらの触媒をそれぞれA−7、A−8とする)。上記触媒A−7又はA−8を用いて、それぞれ実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。何れも良好な活性と選択性を示した。また、溶解したアルミニウム及びリンは検出されなかった。
【0032】
実施例13
硝酸アルミニウム・9水和物112.5g、85%オルトリン酸水溶液27.7g、及びホウ酸3.71gに水1000gを加えて溶解させた。この水溶液に25℃でアンモニア水を滴下することで沈澱を得、これを濾過・水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後400℃で3時間焼成することでエステル交換触媒を得た(この触媒をA−9とする)。(1)式で定義されるホウ酸基含有率は20モル%であった。上記触媒A−9を用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム、リン及びホウ素は検出されなかった。陰イオンの共存により活性の向上が見られた。
【0033】
実施例14
85%オルトリン酸水溶液を17.3g、及びホウ酸を9.27gとする以外は実施例12と同様にしてエステル交換触媒を得た(この触媒をA−10とする)。(1)式で定義されるホウ酸基含有率は50モル%であった。上記触媒A−10を用いて実施例1と同じ条件で反応を行った結果を表1に示す。また、反応終了品中に、溶解したアルミニウム、リン及びホウ素は検出されなかった。陰イオンの共存により活性の向上が見られた。
【0034】
比較例1
ゼオライトの一種であるモルデナイト(東ソー製)10gを用いて、実施例1と同じ条件で反応を行った。表1に示す如くエステル交換反応活性は低かった。また、グリセリンは殆ど生成しなかった。さらに、原料メタノールの脱水反応が起き、ジメチルエーテルが多量に生成した。
【0035】
比較例2
含水ケイ酸アルミニウムであるモンモリロナイト(商品名「シルトン」、水澤化学製)10gを用いて、実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示す。また、グリセリンの純度はわずか24%であった。
【0036】
比較例3
水酸化ジルコニウム(第一稀元素製)を空気中で300℃で2時間焼成し、含水酸化ジルコニウムを得た。これを用いて、実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
(注)表1中の記号は下記の意味である。
Al:硝酸アルミニウム・9水和物
Ga:硝酸ガリウム・n水和物(nは7〜9)
Fe:硝酸第二鉄・9水和物
Mg:硝酸マグネシウム・9水和物
PO4 :オルトリン酸
BO3 :ホウ酸
また、A−1は乾燥後、焼成を行わずにエステル交換触媒として反応に用いた。それ以外の実施例の触媒は、110℃で12時間乾燥後、400℃で3時間の焼成を行った。
【0039】
実施例15
実施例2で用いたリン酸アルミニウム触媒A−2を、直径3mmの円筒形に成形した。この成形触媒500ccを、内径35.5mmの反応塔に充填し、パーム核油(トリグリセリド)及びメタノールを原料として、連続運転を行った。運転条件は、反応温度200℃、トリグリセリド/メタノールモル比60[mol/mol]、LHSV 0.2[1/hr]で行った。表2に示す如く、長期間の連続運転においてもアルミニウム及びリンの溶出は見られず、高いメチルエステル収率が維持され、耐久性が高いことが示された。
【0040】
比較例4
チタノシリケート〔Ti/Si=1/9.2、アルコキシド法により調製(「金属アルコキシドを用いる触媒調製」、303頁、上野晃史ら編、平成5年、アイピーシーを参照)〕をヌードル状に押し出しチタノシリケート成形品を得た。実施例15と同じ反応塔に充填して実施例15と同じ条件で固定床連続反応を行った。表2に示す如く、メチルエステル収率は徐々に低下した。また、反応生成物からケイ素が検出され、活性成分の溶出が認められた。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、高活性で選択性が良好であり、触媒成分の溶出が起きない長寿命の不均一系触媒が得られ、本触媒を用いることにより、エステル交換によって高品質のエステルを、生成物と触媒の分離を容易に行いながら、長期間に渡って連続的に製造することができる。
Claims (4)
- アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属のオルトリン酸塩と、ホウ酸基とを含有する、エステル交換触媒。
- アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属のオルトリン酸塩と、アルカリ土類金属とを含有する、エステル交換触媒。
- アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる金属のオルトリン酸塩を2種含有する、エステル交換触媒。
- アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属のオルトリン酸塩が担体に担持されてなる、エステル交換触媒。
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