JP4233634B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話機などの通信機器に搭載する温度補償型水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信機器に搭載する温度補償型水晶発振器は、10MHz帯のATカット水晶振動子を振動源とする水晶発振回路と、その発振周波数を調整するための周波数調整回路を用いた温度補償回路とからなり、ATカット水晶振動子の3次曲線の温度特性を打ち消すことにより発振周波数を安定化させるようにしている。
【0003】
この種の温度補償型水晶発振器は、これまではディスクリート部品で構成する直接補償方式のアナログ温度補償型水晶発振器が主であった。
しかしながら、最近は国際間の通話方式の共通化に向けてCDMA(code division multiple access)方式を採用する気運が高まりつつあり、温度補償範囲の拡大が可能な間接補償方式の温度補償型水晶発振器が注目を集めている。
【0004】
間接補償方式の温度補償型水晶発振器は、なんらかの回路を用いて温度補償信号を発生し、その信号で可変容量回路などを制御して、ATカット水晶振動子の温度補償を行うものである。
その温度補償信号を発生する回路として、以前はディスクリート部品で構成する抵抗回路網などが採用されていたが、最近では半導体集積回路が使用されることが多くなってきている。
【0005】
そして、その温度補償信号は電圧信号として発生することがほとんどである。
そのため、周波数調整回路には電圧制御型の可変容量回路が採用されることが多い。
また、携帯電話機に搭載する温度補償型水晶発振器の駆動電圧は、5Vから3Vに移行し、さらなる低電圧化が要求されている。
これに伴って、可変容量回路に印加される信号の電圧幅は次第に狭まってきている。
【0006】
そこで、間接補償方式の温度補償型水晶発振器において温度補償範囲を拡大するためには、狭い電圧範囲で容量変化率が大きい可変容量回路が必要である。
また、温度補償と、外部信号によって発振周波数を制御する外部周波数制御との相互干渉を排除するために、温度補償信号と外部周波数制御信号とを合成し、この合成信号によって可変容量回路を制御するという方式も提案されている。
【0007】
このような提案も、可変容量回路の容量変化率が大きく、少しの電圧変化によって水晶発振回路の発振周波数を大幅に変化させることができることが前提となっている。
このようなことから、間接補償方式の温度補償型水晶発振器においては、可変容量回路がとくに重要な構成要素となっている。
【0008】
可変容量回路は、少なくとも1つの可変容量素子を使用して構成される。そこで、従来の可変容量回路の一例を図16に示す。
この可変容量回路は、DCカットコンデンサの役目を果たす固定容量45と、可変容量素子49とを直列に接続し、可変容量素子49の他端子をグランドに接続し、固定容量45の他端子46を出力端子として水晶発振回路に接続する。
そして、固定容量45と可変容量素子49との接続点に入力抵抗47を接続する。制御信号Aは、この入力抵抗47を介して印加される。
【0009】
入力抵抗47は交流信号を遮断する役目を果たすものであり、もし制御信号を発生する回路の出力インピーダンスが充分高ければ、入力抵抗47を省略する場合もある。可変容量素子49の他端子の接続先は、高電位側の電源(Vcc)の場合もある。
【0010】
可変容量素子49は、可変容量ダイオードやMOS型コンデンサなどが代表的なものである。
可変容量ダイオードやMOS型コンデンサは、いずれも半導体の空乏層幅が電圧によって変化することを利用しており、容量変化率を大きくするために、その製造段階でいくつかの工夫をしている。
【0011】
可変容量ダイオードはpn接合ダイオードの一種であり、空乏層が伸びる側すなわち低濃度側の不純物濃度分布に傾斜を設けたり、その不純物濃度を薄くするなどの工夫がみられる。
また、MOS型コンデンサの場合は、半導体基板の不純物濃度を薄くしたり、ゲート酸化膜の膜厚を薄くするなどの工夫がなされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体の不純物濃度を薄くすることには限度があるため、これらの可変容量素子の容量の最小値はあまり小さくはできないうえに、不純物濃度によって最小容量値を小さくしようとすると、使用電圧範囲での最大容量値も小さくなってしまうという問題点がある。
【0013】
さらに、MOS型コンデンサの場合は、ゲート酸化膜の膜厚を薄くして物理的な最大容量値を大きくしても、使用電圧範囲での最大容量値はあまり大きくはならないという問題点がある。
つまり、従来のように可変容量素子の製造段階で工夫しても、使用電圧範囲での容量変化率をあまり大きくできないという課題がある。
【0014】
そこでこの発明は、使用電圧範囲での周波数調整範囲が大きく、温度補償のための制御信号の発生回路を簡略化でき、制御信号の狭い電圧範囲でも温度補償範囲が広い温度補償型水晶発振器を、低コストで提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明による温度補償型水晶発振器は、上記の目的を達成するため、ATカット水晶振動子と発振周波数調整用の可変容量としてのMOS型コンデンサとを有する水晶発振回路と、そのMOS型コンデンサの一方の端子に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、上記MOS型コンデンサの他方の端子に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路とを備えたものである。
そして、上記第1の制御信号発生回路は、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、上記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなる。
また、上記前記第2の制御信号発生回路は、上記5つの信号発生回路のうち上記第1の制御信号発生回路に含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる。
【0016】
上記温度補償型水晶発振器における上記水晶発振回路は、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、その増幅器に並列に接続する第2の固定容量とによって構成することもできる。
【0017】
上記水晶発振回路はまた、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、その増幅器の入力端子および出力端子と任意の定電位源との間にそれぞれ接続される第2の固定容量および第3の固定容量とによって構成することもできる。
【0018】
上記水晶発振回路はまた、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、上記ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサとの直列接続に並列に接続される第2の固定容量とによって構成することもできる。
【0019】
上記水晶発振回路はまた、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、その増幅器とATカット水晶振動子との接続点と任意の定電位源との間に接続される第2の固定容量と、上記MOS型コンデンサと第1の固定容量との接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量とによって構成することもできる。
【0020】
上記水晶発振回路はまた、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、その増幅器に並列に接続するATカット水晶振動子とによって構成することもできる。
【0021】
上記水晶発振回路はまた、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、上記MOS型コンデンサに並列に接続されるATカット水晶振動子とによって構成することもできる。
【0022】
上記水晶発振回路はまた、ATカット水晶振動子と増幅器との並列接続と、そのATカット水晶振動子の一方の端子と任意の定電位源との間に接続される、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続とによって構成することもできる。
【0023】
この発明による温度補償型水晶発振器はまた、ATカット水晶振動子と増幅器との並列接続と、そのATカット水晶振動子に並列に接続される、第1の固定容量と第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、その第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量とによって水晶発振回路を構成することができる。
【0024】
あるいはまた、第1の固定容量とATカット水晶振動子と第2の固定容量との直列接続と、その直列接続に並列に接続する増幅器と、上記ATカット水晶振動子に並列に接続される、第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの直列接続と、その第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量ととによって水晶発振回路を構成してもよい。
【0025】
これらの場合、上記第1の固定容量と第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して温度補償用の第1の制御信号発生回路を接続し、上記第2の固定容量と第2のMOS型コンデンサとの接続点と第1の制御信号発生回路との間に第2の入力抵抗を接続し、上記第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して温度補償用の第2の制御信号発生回路を接続する。
上記各温度補償型水晶発振器における第1の制御信号発生回路および第2の制御信号発生回路の構成は、最初に記載したものと同じである。
【0026】
あるいは、上記第1の固定容量と第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して温度補償用の第1の制御信号発生回路を接続し、上記第2の固定容量と第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第2の入力抵抗を介して温度補償用の第2の制御信号発生回路を接続し、さらに、上記第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して温度補償用の第3の制御信号発生回路を接続するようにしてもよい。
【0027】
その温度補償型水晶発振器においては、上記第1の制御信号発生回路は、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、上前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、上記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路、あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなる。
そして、上記第2の制御信号発生回路は、上記5つの信号発生回路のうち、上記第1の制御信号発生回路に含まれない一つの信号発生回路、あるいは上記第1の制御信号発生回路に含まれない複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなる。
さらに、上記第3の制御信号発生回路は、上記5つの信号発生回路のうち、上記第1の制御信号発生回路および上記第2の制御信号発生回路のいずれにも含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる。
【0028】
また、ATカット水晶振動子と発振周波数調整用の可変容量としてのMOS型コンデンサとを有する水晶発振回路と、上記MOS型コンデンサの一方の端子に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、上記MOS型コンデンサの他方の端子に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路とを備えた温度補償型水晶発振器において、
上記第1の制御信号発生回路を、出力の温度特性がほぼ直線である温度センサと、該温度センサの出力を低温側にて2乗曲線信号に変換する低温側2乗変換回路とからなり、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路とし、
上記第2の制御信号発生回路を、出力の温度特性がほぼ直線である温度センサと、該温度センサの出力を高温側にて2乗曲線信号に変換する高温側2乗変換回路とからなり、上記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路とすることができる。
上記各温度補償型水晶発振器において、上記MOS型コンデンサが、シリコンオンインシュレータによる絶縁分離によって構成され、活性層の厚さが100nm以上のものであるとよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による温度補償型水晶発振器の種々な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
〔第1の実施形態:図1〜図4〕
まず、この発明の第1の実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。
この第1の実施形態の温度補償型水晶発振器は、図1にその構成を示すように、ATカット水晶振動子1とMOS型コンデンサ3と第1の固定容量5とが直列に接続されており、この直列接続に、発振インバータ7と帰還抵抗9との並列接続から成る増幅器11が並列に接続して、水晶発振回路10を構成している。8はその出力端子である。
【0031】
そして、この水晶発振回路10のATカット水晶振動子1とMOS型コンデンサ3との接続点に、温度補償用の第1の制御信号発生回路13が第1の入力抵抗17を介して接続し、MOS型コンデンサ3と第1の固定容量5との接続点に、温度補償用の第2の制御信号発生回路14が第2の入力抵抗18を介して接続している。また、増幅器11と並列に第2の固定容量21が接続されている。
【0032】
第1の入力抵抗17および第2の入力抵抗18は、直流信号を通し交流信号を遮断する役目を果たすものであり、もし第1の制御信号発生回路13および第2の制御信号発生回路14の出力インピーダンスが充分に高ければ、これらの入力抵抗17,18を省略して、第1,第2の制御信号発生回路13,14が出力する温度補償用の制御信号を、それぞれMOS型コンデンサ3の両側の端子に直接印加してもよい。
【0033】
第1の制御信号発生回路13および第2の制御信号発生回路14は、MOS型コンデンサ3の容量値が電源電圧変動の影響を受けないようにするため、同一の電位を基準として制御信号を発生する。たとえばどちらもグランドを基準とするなどである。
【0034】
ATカット水晶振動子には、室温付近(一般には15℃〜45℃)での周波数に温度による変化がない、いわゆるフラット水晶と呼ばれる水晶振動子があり、これを使用する水晶発振回路は、温度が15℃〜45℃の間での周波数偏差が温度補償型水晶発振器としての許容偏差以内である。温度が15℃以下の領域および45℃以上の領域では、3次曲線の温度特性を示す。
【0035】
この図1に示す第1の実施形態の有効性を理解するためには、MOS型コンデンサの電気特性を理解する必要がある。
そこでまず、MOS型コンデンサの電気特性について説明する。
図2は、MOS型コンデンサの電気特性の1つの例を示す。
【0036】
この図2に示す電気特性は、n形半導体基板とn形ゲート電極とを有するMOS型コンデンサの例であり、半導体基板(対向電極)を基準とするゲート電極の電圧と、容量値との関係を表すものである。この電気特性は、一般にC−Vカーブと呼ばれている。
【0037】
図2には、ゲート電圧(V)と容量(C)の関係を示す2本のC−Vカーブを示しており、それぞれ高濃度のn形半導体基板でゲート絶縁膜が厚い場合のC−Vカーブ23と、低濃度のn形半導体基板でゲート絶縁膜が薄い場合のC−Vカーブ25とを表している。
【0038】
この図から明らかなように、物理的な容量変化率を大きくするためには、C−Vカーブ23のような厚膜高濃度の条件ではなく、C−Vカーブ25のような薄膜低濃度の条件でMOS型コンデンサを形成する必要がある。
しかし、図2に示すように、薄膜低濃度のC−Vカーブ25は厚膜高濃度のC−Vカーブ23に比べて右方向(ゲート電圧のプラス側)に移動している。
【0039】
このC−Vカーブの移動は、MOSトランジスタのスレショールド電圧の移動と同じ現象であり、ゲート絶縁膜を薄くしたり、半導体基板の不純物濃度を薄くしたりすれば、このような特性の移動は避けられない。
そして、従来のように半導体基板を電源やグランドに接続すると、昇圧回路などを使用しない限り、C−Vカーブのうちゲート電圧がプラス側かマイナス側かのどちらかしか使用できない。
【0040】
したがって、たとえ物理的な容量変化率を大きくしても、薄膜低濃度のC−Vカーブ25のような特性のMOS型コンデンサでは、実際の使用電圧範囲での容量変化率が小さくなってしまう。
物理的な容量変化率が大きいままで、C−Vカーブを左方向(ゲート電圧の負方向)に移動させるためには、ゲート電極材料を、n形よりももっとn形の傾向が強い物質、すなわち仕事関数が小さい物質に変更する必要がある。
【0041】
しかし、半導体集積回路の電気特性に悪影響を与えることなく、そのような条件を満たす適当な物質は、今のところ見つかっていない。
そこで、MOS型コンデンサの電気特性を改良するのではなく、その使用方法を工夫することによって、使用電圧範囲での容量変化率を大きくしなければならない。
【0042】
この発明の各実施形態においては、このようなMOS型コンデンサの使用方法の工夫をしており、図1に示した第1の実施形態でもそのような工夫を行っている。
図1に示すようMOS型コンデンサ3は、ATカット水晶振動子1および第1の固定容量5によって、増幅器11などの直流レベルを有する回路から直流的に遮断されている。
したがって、第1の制御信号発生回路13および第2の制御信号発生回路14は、電源電圧範囲内で任意の電圧をそれぞれ出力することができる。
【0043】
そこでたとえば、第2の制御信号発生回路14が電源電圧の半分程度の電圧を出力し、第1の制御信号発生回路13の出力がグランドレベルから電源電圧まで変化するならば、図2に示すC−Vカーブをゲート電圧がマイナスの領域からプラスの領域まで使用することに相当する。
したがって、薄膜低濃度のC−Vカーブ25のような特性のMOS型コンデンサならば、容量変化が最も大きい範囲を使用できることになり、従来の構成に比べて、容量変化率は大幅に向上する。
【0044】
MOS型コンデンサ3の容量変化率が向上することによって、ATカット水晶振動子1の周波数可変幅も拡大するから、図1に示す第1の実施形態により、温度補償範囲が広い温度補償型水晶発振器を実現することができる。
なお、第2の固定容量21は、負荷容量の調整や周波数可変幅の確保のために設けている。
【0045】
ところで、この発明による温度補償型水晶発振器では、可変容量としてのMOS型コンデンサの容量変化率の拡大だけではなく、温度補償用の第1の制御信号と第2の制御信号との信号合成をも実質的に実現している。
【0046】
すなわち、図1におけるMOS型コンデンサ3の容量値は、第1の制御信号発生回路13から出力される第1の制御信号S1と、第2の制御信号発生回路14から出力される第2の制御信号S2との電位差により制御され、その容量値の変化により周波数が変化するから、この第1の実施形態の構成は一種の電位差検出回路となっている。
【0047】
そして電位差は、一方の制御信号を反転して他方の制御信号と加算すること、例えば、S1+(−S2)と等価であり、加算は信号合成の一種である。
したがって、図1に示す回路構成は、実質的に第1の制御信号S1と第2の制御信号S2との信号合成回路になっている。
このような、MOS型コンデンサ3による信号合成効果があるために、この発明による温度補償型水晶発振器は、温度補償信号の発生回路を簡略化できる。
【0048】
ここで、水晶発振回路10に使用するATカット水晶振動子1が、前述のように温度15℃から45℃の室温付近では温度による周波数の変化が殆どない、いわゆるフラット水晶と呼ばれる水晶振動子である場合の温度補償について説明する。
【0049】
このようなATカット水晶振動子1を用いた水晶発振回路10では、15℃より低温側および45℃より高温側の温度特性を、室温付近の温度特性の延長線上に直線化補正するのみで温度補償を実現できる。
このとき、可変容量素子が1つだけの場合、全温度範囲にわたって温度補償を行うためには、低温側直線化補正信号と高温側直線化補正信号とを合成する必要がある。
【0050】
しかし、図3の水晶発振回路10におけるMOS型コンデンサ3は信号合成回路を兼ねるから、第1の制御信号発生回路13を低温側直線化補正信号発生回路とし、第2の制御信号発生回路14を高温側直線化補正信号発生回路とすることにより、低温から高温までの範囲をすべて直線化補正することができる。
したがって、制御信号の発生段階で信号合成回路を1つ省略することができ、温度補償信号発生回路を簡略化できる。
【0051】
さて、低温側直線化補正信号発生回路あるいは高温側直線化補正信号発生回路としては、MOSトランジスタを使用して構成する例を、本出願人によって既に出願している(特願平9−156791号)。
それは、2つのMOSトランジスタがそれぞれ発生する2乗曲線信号を利用して、ATカット水晶振動子の温度特性の3次曲線の低温側と高温側とをそれぞれを近似し、直線化補正を行うものである。
【0052】
このような直線化補正回路を、図1に示した第1の実施形態に適用する場合の具体的な回路例を図3に示す。
図3は、MOSトランジスタの2乗則領域の電流電圧特性を利用して2乗曲線信号を発生させ、その2乗曲線信号を直線化補正信号としてMOS型コンデンサを制御する例を示す回路図である。
【0053】
図3において、nチャネルのMOSトランジスタMP1と抵抗R1との直列接続と、そのMOSトランジスタMP1に一定のゲート電圧を印加する直流電源EBとによって温度センサ27を構成している。その温度センサ27の出力である温度検知信号が、低温側2乗変換回路29と高温側2乗変換回路31に入力する。
【0054】
低温側2乗変換回路29は、オペアンプによる正転増幅器33と、nチャネルのMOSトランジスタMP2と抵抗R2との直列接続とからなる。
また、高温側2乗変換回路31は、オペアンプによる反転増幅器35と、nチャネルのMOSトランジスタMP3と抵抗R3との直列接続とからなる。
【0055】
水晶発振回路10の構成は図1に示したものと同じであり、ATカット水晶振動子1とMOS型コンデンサ3と第1の固定容量5とが直列に接続され、この直列接続に増幅器11および第2の固定容量21が並列に接続されている。
MOS型コンデンサ3は、n形半導体基板とn形ゲート電極とを有し、低濃度薄膜構造のものとする。
【0056】
ここで、温度センサ27と低温側2乗変換回路29とによって、図1における第1の制御信号発生回路13に相当する低温側直線化補正信号発生回路を構成し、MOSトランジスタMP2と抵抗R2との接続点から低温側直線化補正信号を第1の制御信号S1として出力し、入力抵抗17を介してMOS型コンデンサ3のゲート電極に印加する。
【0057】
また、温度センサ27と高温側2乗変換回路31とによって、図1における第2の制御信号発生回路14に相当する高温側直線化補正信号発生回路を構成し、MOSトランジスタMP3と抵抗R3との接続点から高温側直線化補正信号を第2の制御信号S2として出力し、入力抵抗18を介してMOS型コンデンサ3の対向電極に印加する。
【0058】
温度センサ27は、MOSトランジスタMP1のゲート電圧が、スレショールド電圧プラス0.2V程度で一定のとき、そのドレインからの出力(電圧)は温度変化に対してほぼ直線的に変化する。
そして低温側2乗変換回路29のMOSトランジスタMP2のゲートには、温度センサ27の出力を正転増幅器33によって増幅した電圧が印加される。具体的には、温度が下がるにつれて直線的に増加する電圧である。
【0059】
正転増幅器33の増幅率の調整などにより、このゲート電圧が、おおよそ温度15℃のときにMOSトランジスタMP2のスレショールド電圧になるように設定すれば、15℃以下の温度では、温度が下がるにつれてスレショールド電圧よりも高いゲート電圧がMOSトランジスタMP2に印加される。
【0060】
MOSトランジスタMP2のゲートにスレショールド電圧以上の電圧が印加されるとき、ソース・ドレイン間に流れる電流は、ゲート電圧とスレショールド電圧との差の2乗に比例する。
したがって、15℃以下では温度が降下するにつれて、低温側2乗変換回路29は、MOSトランジスタMP2のドレインから2乗曲線信号を出力する。
【0061】
一方、高温側2乗変換回路31のMOSトランジスタのゲートには、温度センサ27の出力を反転増幅器35によって反転増幅した信号(電圧)が印加される。具体的には、温度が上がるにつれて直線的に増加する電圧である。
反転増幅器35の増幅率の調整などにより、このゲート電圧が、おおよそ温度45℃のときにMOSトランジスタMP3のスレショールド電圧になるように設定すれば、45℃以上の温度では、温度が上がるにつれてスレショールド電圧よりも高いゲート電圧が、MOSトランジスタMP2に印加される。
【0062】
したがって、45℃以上では温度が上昇するにつれて、高温側2乗変換回路31は、MOSトランジスタMP3のドレインから2乗曲線信号を出力する。
このようなMOSトランジスタの2乗則領域での特性を利用した2乗曲線信号の一例を図4に示す。
【0063】
図4に示すように、低温側2乗変換回路29が発生する低温側2乗曲線信号37は、15℃から低温側に温度が下がるにつれて、15℃との温度差の2乗に比例して電圧が下がり、15℃以上の温度では一定である。
一方、高温側2乗変換回路31が発生する高温側2乗曲線信号39は、45℃から高温側に温度が上がるにつれて、45℃との温度差の2乗に比例して電圧が下がり、45℃以下の温度では一定である。
【0064】
そして、図3に示すように、低温側2乗変換回路29の出力は入力抵抗17を介してMOS型コンデンサ3のゲート電極に入力し、高温側2乗変換回路31の出力は入力抵抗18を介してMOS型コンデンサ3の対向電極に入力している。
したがって、15℃以下の低温側では、MOS型コンデンサ3のゲート電極の電位が対向電極の電位よりも低くなり、45℃以上の高温側では、MOS型コンデンサ3のゲート電極の電位が対向電極の電位よりも高くなる。
【0065】
このMOS型コンデンサ3は、n形半導体基板とn形ゲート電極とを有する低濃度薄膜構造であるから、その特性は図2に示したC−Vカーブ25のようになっている。
したがって、15℃以下の低温側では、MOS型コンデンサ3の容量値は減少し、45℃以上の高温側では、MOS型コンデンサ3の容量値は増加する。
【0066】
MOS型コンデンサ3の容量値が減少すれば、水晶発振回路10の発振周波数は上昇し、MOS型コンデンサ3の容量値が増加すれば、水晶発振回路10の発振周波数は低下する。
そして、低温側2乗変換回路29および高温側2乗変換回路31が発生する2乗曲線信号は、ATカット水晶振動子の温度特性の曲線部分を精度良く近似するから、図3に示す構成により、ATカット水晶振動子1としてフラット水晶を使用した水晶発振回路10の温度補償を実現できる。
【0067】
なお、図3に示す温度補償型水晶発振器においては、低温側2乗変換回路29と高温側2乗変換回路31とで1つの温度センサ27を共用している。しかし、これは必須の構成ではなく、低温側温度センサと高温側温度センサとを別に設けてもよい。
【0068】
ところで、ATカット水晶振動子はフラット水晶ばかりではなく、一般的にはフラット水晶の温度特性に、全温度範囲にわたって一定の勾配が付加された温度特性を有している。
そのようなATカット水晶振動子の場合でも、図1によって説明した第1の実施形態において、第1の制御信号発生回路13あるいは第2の制御信号発生回路14のいずれかに、勾配補正信号を付加することにより、温度補償を実現することができる。
【0069】
その場合の温度補償型水晶発振器は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路との3つの信号発生回路を備える構成とし、このうち任意の2つの信号発生回路とその信号を合成する回路を第1の制御信号発生回路13とし、残りの1つの信号発生回路を第2の制御信号発生回路14とすればよい。
ここで、第2の制御信号発生回路14が任意の2つの信号発生回路とその信号を合成する回路であってもよい。
【0070】
そして、任意の2つの信号が低温側直線化補正信号および高温側直線化補正信号の場合は、2つの抵抗を使用する内分回路で信号合成を行えばよい。
また、任意の2つの信号のうちのいずれか一方が勾配補正信号の場合は、勾配補正信号を反転ポイントとし、他の信号を入力とする反転増幅器で信号合成を行えばよい。
なお、勾配補正信号発生回路は、温度センサの出力を比例変換する回路とする。あるいは、ATカット水晶振動子によっては低温側と高温側とで勾配が異なる場合があり、その場合の勾配補正信号発生回路は、折れ線信号発生回路とする。
【0071】
さらに、ATカット水晶振動子は、温度補償だけではなく、全体的な周波数のシフト調整(fゼロ調整という)も行わなければならないことが一般的である。
そのような場合でも、図1によって説明した第1の実施形態において、第1の制御信号発生回路13あるいは第2の制御信号発生回路14のいずれかに、fゼロ調整信号を付加することにより、周波数精度の良い温度補償型水晶発振器を実現することができる。
【0072】
その場合の温度補償型水晶発振器は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路の4つの信号発生回路を備える構成とする。
そして、第1の制御信号発生回路13はこのうちの任意の2つの信号発生回路とその信号を合成する回路とし、第2の制御信号発生回路14は残りの2つの信号発生回路とその信号を合成する回路とすればよい。
【0073】
あるいは、第1の制御信号発生回路13は任意の3つの信号発生回路とその信号を合成する回路とし、第2の制御信号発生回路14は残りの信号発生回路としてもよい。
ここで、第2の制御信号発生回路14が任意の3つの信号発生回路とその信号を合成する回路であってもよい。
【0074】
任意の3つの信号が、低温側直線化補正信号と高温側直線化補正信号と勾配補正信号とである場合は、合成信号は温度補償信号ということである。
たとえ温度補償信号として合成するのであっても、温度補償信号をいきなり発生させるのではなしに、直線化補正信号と勾配補正信号とに分けて発生させることが、温度補償型水晶発振器の低コスト化のために重要である。
【0075】
なお、fゼロ調整信号発生回路は、不揮発性メモリとD/A変換回路とで容易に構成でき、特別な回路ではないので詳細な説明は省略する。
さらに、携帯電話の仕様によっては、外部周波数制御信号によって、基地局からの基準周波数に発振周波数を合わせる機能が必要である。
【0076】
そのような場合は、図1に示す第1の実施形態において、第1の制御信号発生回路13あるいは第2の制御信号発生回路14のいずれかに、外部周波数制御信号を付加すればよい。
ただし、外部周波数制御信号の電圧幅は、電源電圧の半分以上を占めるから、これをそのまま使用する場合は、温度補償などに必要な制御信号の電圧幅が不足してしまう。
【0077】
そこで、外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための、外部周波数制御比例信号発生回路が必要になる。
つまり、このような仕様の温度補償型水晶発振器は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路と、外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路を備える構成とする。
【0078】
そして、第1の制御信号発生回路13はこのうちの任意の4つの信号発生回路とその信号を合成する回路とし、第2の制御信号発生回路14は残りの信号発生回路とすればよい。
あるいは、第1の制御信号発生回路13は任意の3つの信号発生回路とその信号を合成する回路とし、第2の制御信号発生回路14は残りの2つの信号発生回路とその信号を合成する回路としてもよい。
【0079】
もちろん、第2の制御信号発生回路14が任意の4つの信号発生回路とその信号を合成する回路あるいは任意の3つの信号発生回路とその信号を合成する回路であってもよい。
合成する信号の組み合わせがどのようなものであっても、MOS型コンデンサ3の両端子を2つの信号で制御することが、一種の信号合成回路であるから、結局はすべての信号が合成されることになる。
【0080】
したがって、図1に示した第1の実施形態により、温度補償と外部周波数制御との相互干渉の排除が可能な温度補償型水晶発振器も実現できる。
以上の説明で明らかなように、本発明の第1の実施形態では、2つの制御信号で容量値を制御する1つのMOS型コンデンサを用いて、温度補償範囲が広い温度補償型水晶発振器を実現することができる。
【0081】
〔第2乃至第7の実施形態:図5乃至図11〕
ところで、MOS型コンデンサの使い方は第1の実施形態に限定されるものではない。1つのMOS型コンデンサを用いて、温度補償範囲が広い温度補償型水晶発振器を実現するための、いくつかの他の実施形態を以下に示す。
その各実施形態の構成を示す図5乃至図11において、図1と同じ部分には同一符号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0082】
図5は、この発明による温度補償型水晶発振器の第2の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
図1に示した第1の実施形態においては第2の固定容量21が増幅器11に並列に接続されていたのに対し、この第2の実施形態においては、増幅器11の出力端子及び入力端子と任意の定電圧源(この例ではグランド)との間に、それぞれ第2の固定容量21と第3の固定容量22とが接続されている点が異なっている。
【0083】
交流回路としては、第1の実施形態とは全く同等である。しかし、この第2の実施形態の場合には、電源投入時に増幅器11の両端子が一瞬グランドレベルになるため、第1の実施形態の温度補償型水晶発振器よりも発振起動性が良好である。
【0084】
図6は、この発明による温度補償型水晶発振器の第3の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この第3の実施形態の温度補償型水晶発振器は、図1に示した第1の実施形態に対して第2の固定容量21の接続が一部異なるのみであり、その他の構成及び機能は第1の実施形態の温度補償型水晶発振器と同等である。
【0085】
すなわち、この図6に示す第3の実施形態の温度補償型水晶発振器では、第2の固定容量21が、ATカット水晶振動子1とMOS型コンデンサ3との直列接続に並列に接続されている。
【0086】
図7は、この発明の第4の実施の形態である温度補償型水晶発振器の構成を示すブロック回路図である。
この第4の実施形態は、図5に示した第2の実施形態の温度補償型水晶発振器に対して、第3の固定容量22の接続が一部異なるのみである。
すなわち、この図7に示す第4の実施形態では、MOS型コンデンサ3と第1の固定容量5との接続点と任意の定電圧源(この例ではグランド)との間に、第3の固定容量22が接続されている。
【0087】
図8は、この発明による温度補償型水晶発振器の第5の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この第5の実施形態の温度補償型水晶発振器は、第1の固定容量5とMOS型コンデンサ3と第2の固定容量21との直列接続からなる可変容量回路全体が、ATカット水晶振動子1に並列に接続されている。
このような構成は、ATカット水晶振動子1の容量比を直接変化させる働きがあり、可変容量回路の容量変化がわずかであっても、発振周波数を大きく変化させることができる。
【0088】
図9は、この発明による温度補償型水晶発振器の第6の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
第6の実施形態の温度補償型水晶発振器は、第5の実施形態と同様な第1の固定容量5とMOS型コンデンサ3と第2の固定容量21との直列接続からなる可変容量回路を構成しているが、そのMOS型コンデンサ3とATカット水晶振動子1とを並列に接続している。
このような構成では、MOS型コンデンサ3の最大容量値を10pF以下に小さく設定することができる。
【0089】
図10および図11は、この発明による温度補償型水晶発振器の第7の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この第7の実施形態の温度補償型水晶発振器では、図10および図11に示すように、第1の固定容量5とMOS型コンデンサ3と第2の固定容量21との直列接続からなる可変容量回路が、ATカット水晶振動子1と増幅器11との並列接続の一端と任意の定電圧源(この例ではグランド)との間に接続されている。
【0090】
上記直列接続は、図11に示すように増幅器11の発振インバータ7の出力側に接続するようにしてもよいが、図10に示すように発振インバータ7の入力側に接続する方が、周波数可変幅が大きくなる。
【0091】
これらの各実施形態の温度補償型水晶発振器においても、第1の制御信号発生回路13と第2の制御信号発生回路14は、第1の実施形態において図3に示した温度センサ27と低温側2乗変換回路29および高温側2乗変換回路31からなる、低温側直線化補正信号発生回路および高温側直線化補正信号発生回路とすることができる。
【0092】
あるいはさらに、前述した勾配補正信号発生回路、fゼロ調整信号発生回路、
外部周波数制御比例信号発生回路等も設けて、第1の制御信号発生回路13はこのうちの任意の4つあるいは3つの信号を合成する回路とし、第2の制御信号発生回路14は残りの1つの信号発生回路あるいは残りの2つの信号を合成する回路などとしてもよい。もちろん、第2の制御信号発生回路14が任意の4つの信号あるいは3つの信号を合成する回路であってもよい。
【0093】
〔第8乃至第11の実施形態:図12乃至図15〕
つぎに、2つのMOS型コンデンサを用いるこの発明の実施形態について説明する。
図12は、この発明による温度補償型水晶発振器の第8の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【0094】
この第8の実施形態の温度補償型水晶発振器は、図12に示すように、ATカット水晶振動子1と増幅器11とを並列に接続し、そのATカット水晶振動子1に並列に、第1の固定容量5と第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4と第2の固定容量21との直列接続を並列に接続して、水晶発振回路10を構成している。さらに、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点と任意の定電位源(この例ではグランド)との間に第3の固定容量22を接続している。
【0095】
増幅器11は、前述の各実施形態と同様に発振インバータ7と帰還抵抗9との並列接続から成る。
そして、この水晶発振回路10の第1の固定容量5と第1のMOS型コンデンサ3との接続点に、第1の入力抵抗17を介して温度補償用の第1の制御信号発生回路13の出力端子を接続し、第2の固定容量21と第2のMOS型コンデンサ4との接続点と第1の制御信号発生回路13の出力端子との間に、第2の入力抵抗18を接続する。
【0096】
さらに、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点に、第3の入力抵抗19を介して温度補償用の第2の制御信号発生回路14の出力端子を接続する。
【0097】
第1の入力抵抗17,第2の入力抵抗18,および第3の入力抵抗19は、直流信号を通し交流信号を遮断する役目を果たすものであり、もし第1の制御信号発生回路13および第2の制御信号発生回路14の出力インピーダンスが充分に高ければ、その各出力である制御信号を、これらの入力抵抗を介さずに直接MOS型コンデンサ3,4に印加するようにしてもよい。
【0098】
ただし、第1の入力抵抗17と第2の入力抵抗18とを、両方とも省略することはできない。
第1の制御信号発生回路13および第2の制御信号発生回路14は、第1のMOS型コンデンサ3および第2のMOS型コンデンサ4の容量値が電源電圧変動の影響を受けないようにするため、同一の電位を基準として制御信号を発生する。たとえば、いずれもグランドを基準とするなどである。
【0099】
第1の実施形態の説明においても述べたように、一般的なATカット水晶振動子を使用する温度補償型水晶発振器は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路との4つの信号発生回路を備える構成とすることが、低コスト化のために重要である。
【0100】
あるいは、外部周波数制御信号によって基地局からの基準周波数に発振周波数を合わせる機能が必要な仕様の場合は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路と、外部周波数制御比例信号発生回路との5つの信号発生回路を備える構成とする。
【0101】
これら4つあるいは5つの信号発生回路を、第1の制御信号発生回路13あるいは第2の制御信号発生回路14にどのように振り分けるかについては、重複しないこと以外はとくに制限はない。
重複しない限りは、どのように振り分けたとしても、最終的にはすべての信号が合成されるからである。
【0102】
この図12に示した第8の実施形態では、ATカット水晶振動子1の両端子の容量値を同時に変化させる構成であるため、容量のバランスを最適に保ちながら温度補償ができるという効果がある。
【0103】
図13は、この発明による温度補償型水晶発振器の第9の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この温度補償型水晶発振器では、図13に示すように、第1の固定容量5とATカット水晶振動子1と第2の固定容量21とを直列に接続し、その直列接続と増幅器11とを並列に接続している。
【0104】
さらに、そのATカット水晶振動子1と並列に、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との直列接続を接続し、その第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点と任意の定電位源(この例ではグランド)との間に、第3の固定容量22を接続して、水晶発振回路10を構成している。
【0105】
そして、第1の固定容量5と第1のMOS型コンデンサ3との接続点に、直接あるいは第1の入力抵抗17を介して温度補償用の第1の制御信号発生回路13の出力端子を接続する。また、第2の固定容量21と第2のMOS型コンデンサ4との接続点と第1の制御信号発生回路13の出力端子との間に、第2の入力抵抗18を接続する。
【0106】
また、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点に、直接あるいは第3の入力抵抗19を介して温度補償用の第2の制御信号発生回路14の出力端子を接続する。
この第9の実施形態によっても、図12に示した第8の実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0107】
図14は、この発明による温度補償型水晶発振器の第10の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この、温度補償型水晶発振器は、ATカット水晶振動子1に発振インバータ7と帰還抵抗9との並列接続から成る増幅器11が並列に接続している。
【0108】
そして、第1の固定容量5と第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4と第2の固定容量21との直列接続が、ATカット水晶振動子1に並列に接続し、その第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点と任意の定電圧源(この例ではグランド)との間に第3の固定容量22を接続して、水晶発振回路10を構成している。
【0109】
この水晶発振回路10の第1の固定容量5と第1のMOS型コンデンサ3との接続点に、直接あるいは第1の入力抵抗17を介して第1の制御信号発生回路13の出力端子を接続する。
また、第2の固定容量21と第2のMOS型コンデンサ4との接続点に、直接あるいは第2の入力抵抗18を介して第2の制御信号発生回路14の出力端子を接続する。
【0110】
さらに、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との接続点に、直接あるいは第3の入力抵抗19を介して第3の制御信号発生回路15の出力端子を接続する。
【0111】
第1,第2,第3の制御信号発生回路13,14,15は、第1のMOS型コンデンサ3および第2のMOS型コンデンサ4の容量値が電源電圧変動の影響を受けないようにするため、同一の電位を基準として制御信号を発生する。たとえば、いずれもグランドを基準とするなどである。
そして、これらの各制御信号発生回路13,14,15は、電源電圧範囲内の任意の電圧を出力できる。
【0112】
このため、第1のMOS型コンデンサ3および第2のMOS型コンデンサ4の物理的な容量変化幅のすべてを有効に利用することができる。
前述のように、第1のMOS型コンデンサ3は、第1の制御信号S1と第3の制御信号S3との実質的な信号合成回路になっている。
そして、第1の制御信号S1と第2の制御信号S2とは同格であるから、第2のMOS型コンデンサ4は、第2の制御信号S2と第3の制御信号S3との実質的な信号合成回路になっている。
【0113】
したがって、この図14に示す第10の実施形態における第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との組は、第1の制御信号S1と第2の制御信号S2と第3の制御信号S3との、3つの信号の合成回路になっている。
【0114】
第1の実施形態の説明でも述べたように、一般的なATカット水晶振動子を使用する温度補償型水晶発振器は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路との4つの信号発生回路を備える構成とすることが、低コスト化のために重要である。
【0115】
あるいは、外部周波数制御信号によって基地局からの基準周波数に発振周波数を合わせる機能が必要な仕様の場合は、低温側直線化補正信号発生回路と、高温側直線化補正信号発生回路と、勾配補正信号発生回路と、fゼロ調整信号発生回路と、外部周波数制御比例信号発生回路との5つの信号発生回路を備える構成とする。
【0116】
これら4つあるいは5つの信号発生回路を、第1の制御信号発生回路13、第2の制御信号発生回路14、あるいは第3の制御信号発生回路15にどのように振り分けるかについては、重複しないこと以外はとくに制限はない。
重複しない限りは、どのように振り分けたとしても、最終的にはすべての信号が合成されるからである。
【0117】
したがって、この図14に示す第10の実施形態は、図12および図13に示した第8,第9の実施形態よりも制御信号発生回路が1つ多いため、最終的に1つの信号に合成されるという結果は同じであっても、制御信号発生段階における信号合成回路を1つ少なくすることができるという効果がある。
【0118】
図15は、この発明による温度補償型水晶発振器の第11の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
この第11の実施形態は、その水晶発振回路10の構成を図13に示した第9の実施形態における水晶発振器10と同じ構成にして、それに図14に示した第10の実施形態と同様に、第1,第2,第3の制御信号発生回路13,14,15の各出力端子を直接あるいは各入力抵抗17,18,19を介して接続して、その各制御信号S1,S2,S3をMOS型コンデンサ3,4に印加するようにしたものである。
【0119】
この第11の実施形態によっても、前述の第10の実施形態の温度補償型水晶発振器と同様な作用効果が得られる。
さて、上述のようにこの発明においては、いずれの実施形態においてもMOS型コンデンサの両端子に制御信号を印加する構成としている。
したがって、この発明に使用するMOS型コンデンサは、ゲート電極のみでなく、対向電極も周囲から電気的に分離する構造でなければならない。
【0120】
MOS型コンデンサの対向電極を電気的に分離する公知の技術は、pn接合を用いる手段である。
しかしこの手段は、pn接合による浮遊容量の問題の他に、電圧印加後の周波数のドリフトという致命的な欠点があるため、この発明には採用できない。
【0121】
そこで、この発明において使用するMOS型コンデンサの対向電極は、周囲から絶縁分離する構造とする。
この絶縁分離の手段として最も容易なものは、制御信号発生回路などを形成する半導体基板と、MOS型コンデンサを形成する半導体基板とを分離することである。
【0122】
このように半導体基板を分離することは、MOS型コンデンサのゲート絶縁膜の種類や厚さを、制御信号発生回路などとは無関係に自由に設定できるため、物理的な容量変化率が大きいMOS型コンデンサを作りやすいという効果がある。
【0123】
また、シリコンオンインシュレータによる絶縁分離という手段を採用してもよい。ただし、この場合、活性層の厚さが薄すぎて空乏層が活性層の下面に達してしまうと、容量値が激変するため、活性層はある程度以上の厚さが必要である。
温度補償型水晶発振器の電源電圧は通常3V以下であるから、活性層の厚さは100nm以上あればよい。
【0124】
以上、この発明の各種の実施形態にについて説明したが、この発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0125】
たとえば、上述の各実施形態においては、n形半導体基板とn形ゲート電極とを有するMOS型コンデンサを例にして説明しているが、p形半導体基板とp形ゲート電極とを有するMOS型コンデンサでもよいし、半導体基板とゲート電極とが反対導電形でもよい。
【0126】
さらに、図5,図7,図10,図11,図12,図13,図14,および図15に示した各実施形態においては、第2の固定容量21又は第3の固定容量22の接続先をグランドとしているが、接続先の直流レベルは任意である。したがって、たとえば高電位側の電源(Vcc)でもよい。
【0127】
また、図12から図15に示した実施形態において、第1のMOS型コンデンサ3と第2のMOS型コンデンサ4との対向電極同士を接続しているが、別チップで構成するなどの手段により半導体基板を分離するならば、第2のMOS型コンデンサ4のゲート電極を第1のMOS型コンデンサ3の対向電極に接続してもよい。
【0128】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による温度補償型水晶発振器においては、MOS型コンデンサの両端子に制御信号を印加する構成とすることにより、温度補償範囲の拡大が可能で、温度補償と外部周波数制御との相互干渉の排除が可能な温度補償型水晶発振器を提供することができる。
したがって、特にCDMA仕様が要求される携帯電話機搭載用の温度補償型水晶発振器に適用すれば、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による温度補償型水晶発振器の第1の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図2】 この発明による温度補償型水晶発振器で使用するMOS型コンデンサのC−Vカーブの特性例を示す線図である。
【図3】 図1の実施形態において第1,第2の制御信号発生回路の具体例を示した回路図である。
【図4】 この発明による温度補償型水晶発振器で使用する2乗曲線信号の一例を示す線図である。
【図5】 この発明による温度補償型水晶発振器の第2の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図6】 この発明による温度補償型水晶発振器の第3の実施の形態の構成を示すブロック回路図である。
【図7】 この発明による温度補償型水晶発振器の第4の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図8】 この発明による温度補償型水晶発振器の第5の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図9】 この発明による温度補償型水晶発振器の第6の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図10】 この発明による温度補償型水晶発振器の第7の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図11】 同じくその変形例を示すブロック回路図である。
【図12】 この発明による温度補償型水晶発振器の第8の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図13】 この発明による温度補償型水晶発振器の第9の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図14】 この発明による温度補償型水晶発振器の第10の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図15】 この発明による温度補償型水晶発振器の第11の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図16】 従来の温度補償型水晶発振器に使用されている可変容量回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1:ATカット水晶振動子
3,4:MOS型コンデンサ
5,21,22:固定容量 7:発振インバータ
8:出力端子 9:帰還抵抗 11:増幅器
13:第1の制御信号発生回路
14:第2の制御信号発生回路
15:第3の制御信号発生回路
17:第1の入力抵抗 18:第2の入力抵抗
19:第3の入力抵抗
27:温度センサ 29:低温側2乗変換回路
31:高温側2乗変換回路
33:正転増幅器 35:反転増幅器

Claims (14)

  1. ATカット水晶振動子と発振周波数調整用の可変容量としてのMOS型コンデンサとを有する水晶発振回路と、
    前記MOS型コンデンサの一方の端子に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記MOS型コンデンサの他方の端子に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    を備えた温度補償型水晶発振器であり、
    前記第1の制御信号発生回路は、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記前記第2の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち前記第1の制御信号発生回路に含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、該増幅器に並列に接続する第2の固定容量とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  3. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、該増幅器の入力端子および出力端子と任意の定電位源との間にそれぞれ接続される第2の固定容量および第3の固定容量とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  4. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、前記ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサとの直列接続に並列に接続される第2の固定容量とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  5. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、ATカット水晶振動子とMOS型コンデンサと第1の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、該増幅器と前記ATカット水晶振動子との接続点と任意の定電位源との間に接続される第2の固定容量と、前記MOS型コンデンサと第1の固定容量との接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  6. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、該増幅器に並列に接続するATカット水晶振動子とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  7. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、該直列接続に並列に接続する増幅器と、前記MOS型コンデンサに並列に接続されるATカット水晶振動子とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  8. 請求項1記載の温度補償型水晶発振器において、
    前記水晶発振回路が、ATカット水晶振動子と増幅器との並列接続と、前記ATカット水晶振動子の一方の端子と任意の定電位源との間に接続される、第1の固定容量とMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続とからなることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  9. ATカット水晶振動子と増幅器との並列接続と、
    前記ATカット水晶振動子に並列に接続される、第1の固定容量と第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量と、
    前記第1の固定容量と前記第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記第2の固定容量と前記第2のMOS型コンデンサとの接続点と前記第1の制御信号発生回路との間に接続される第2の入力抵抗と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    からなる温度補償型水晶発振器であり、
    前記第1の制御信号発生回路は、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路、あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記前記第2の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち前記第1の制御信号発生回路に含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  10. 第1の固定容量とATカット水晶振動子と第2の固定容量との直列接続と、
    該直列接続に並列に接続する増幅器と、
    前記ATカット水晶振動子に並列に接続される、第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの直列接続と、
    その第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量と、
    前記第1の固定容量と前記第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記第2の固定容量と前記第2のMOS型コンデンサとの接続点と前記第1の制御信号発生回路との間に接続される第2の入力抵抗と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    からなる温度補償型水晶発振器であり、
    前記第1の制御信号発生回路は、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路、あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記前記第2の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち前記第1の制御信号発生回路に含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  11. ATカット水晶振動子と増幅器との並列接続と、
    前記ATカット水晶振動子に並列に接続される、第1の固定容量と第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサと第2の固定容量との直列接続と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量と、
    前記第1の固定容量と前記第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記第2の固定容量と前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第3の制御信号発生回路と、
    からなり、
    前記第1の制御信号発生回路は、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための勾配補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路、あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記第2の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち、前記第1の制御信号発生回路に含まれない一つの信号発生回路、あるいは前記第1の制御信号発生回路に含まれない複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記第3の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち、前記第1の制御信号発生回路および前記第2の制御信号発生回路のいずれにも含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  12. 第1の固定容量とATカット水晶振動子と第2の固定容量との直列接続と、
    この直列接続に並列に接続する増幅器と、
    前記ATカット水晶振動子に並列に接続される、第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの直列接続と、
    その第1のMOS型コンデンサと第2のMOS型コンデンサとの接続点と任意の定電位源との間に接続される第3の固定容量と、
    前記第1の固定容量と前記第1のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記第2の固定容量と前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    前記第1のMOS型コンデンサと前記第2のMOS型コンデンサとの接続点に直接あるいは第3の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第3の制御信号発生回路と、
    からなり、
    前記第1の制御信号発生回路は、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線の勾配を補正するための 勾配補正信号発生回路、前記ATカット水晶振動子の周波数のシフと調整をするためのfゼロ調整信号発生回路、および外部周波数制御信号を比例変換して電圧幅を圧縮するための外部周波数制御比例信号発生回路の5つの信号発生回路のうちの、一つの信号発生回路、あるいは複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記第2の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち、前記第1の制御信号発生回路に含まれない一つの信号発生回路、あるいは前記第1の制御信号発生回路に含まれない複数の信号発生回路とその各信号を合成する回路とからなり、
    前記第3の制御信号発生回路は、前記5つの信号発生回路のうち、前記第1の制御信号発生回路および前記第2の制御信号発生回路のいずれにも含まれないすべての信号発生回路と、該信号発生回路が複数の場合はその各信号を合成する回路とからなる、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  13. ATカット水晶振動子と発振周波数調整用の可変容量としてのMOS型コンデンサとを有する水晶発振回路と、
    前記MOS型コンデンサの一方の端子に直接あるいは第1の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第1の制御信号発生回路と、
    前記MOS型コンデンサの他方の端子に直接あるいは第2の入力抵抗を介して接続する温度補償用の第2の制御信号発生回路と、
    を備えた温度補償型水晶発振器において、
    前記第1の制御信号発生回路は、出力の温度特性がほぼ直線である温度センサと、該温度センサの出力を低温側にて2乗曲線信号に変換する低温側2乗変換回路とからなり、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を低温側にて直線化補正するための信号を発生する低温側直線化補正信号発生回路であり、
    前記第2の制御信号発生回路は、出力の温度特性がほぼ直線である温度センサと、該温度センサの出力を高温側にて2乗曲線信号に変換する高温側2乗変換回路とからなるり、前記ATカット水晶振動子の温度特性曲線を高温側にて直線化補正するための信号を発生する高温側直線化補正信号発生回路である、
    ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  14. 前記MOS型コンデンサは、シリコンオンインシュレータによる絶縁分離によって構成され、活性層の厚さが100nm以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の温度補償型水晶発振器。
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