JP4440744B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

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Description

この発明は、水晶振動子を用いた水晶発振器の温度特性を補償した温度補償型水晶発振器に関する。
水晶発振器は、水晶振動子の高いQ値のため、周波数安定度は他の発振器に比べ優れているが、近年の移動体無線の基準発振器として使用する場合は、水晶振動子の温度特性に起因する発振周波数の変動が問題となる。この問題を解決するために、水晶振動子の温度特性を補償する、いわゆる温度補償型水晶発振器が広く用いられている。
水晶振動子の温度補償方式には、直接補償方式と間接補償方式とがある。直接補償方式は位相雑音が低い利点があるが、所望周波数調整に労力がかかる。一方、間接補償方式は所望周波数調整や温度補償制御性が高いため広く用いられる。
移動体無線の基準発振器には、一般に温度による周波数変動が小さいATカット水晶振動子が用いられるが、その周波数温度変動特性は近似的に1次成分と3次成分とを有する関数で表せる。この比線形な周波数特性を補償するために、温度補償型水晶発振器は、発振回路のほかに、なんらかの回路を用いるなどして、温度特性を有するデバイスを調整して発振周波数の変動を抑えるための回路と、調整条件を記憶する回路とを備えるものである。
一般に広く用いられる間接補償方式は、電圧制御によって発振回路ループ内の容量成分を可変して共振周波数を調整する周波数電圧制御型発振器が最も多い。近年は多様な半導体製造プロセスにより、半導体集積回路内には、発振回路部と可変容量素子、そして周波数調整条件を記憶する不揮発性の記憶回路を搭載するものが多い。また、携帯電話機などの小型携帯機器に搭載する温度補償型水晶発振器の駆動電圧は、低消費電流化や集積度の高い半導体製造プロセス、水晶発振器の小型化などにより、5Vから3Vに移行し、さらに低電圧化が要求されてきている。
低電圧化は、温度補償回路においてトランジスタなどの能動素子の多段積みが困難になり、回路の入力信号振幅の電位範囲や、出力信号の振幅が狭くなるため、周波数調整に必要な電圧制御のための信号生成回路も制約が増える。またこうした信号振幅の制約は、周波数調整の可変容量素子の制御範囲も狭くなるほか、半導体集積回路の個体間バラツキ(製造バラツキ)の補正回路にも影響する。一方で小型化への要求は、半導体集積回路面積の縮小化に大きく関わる。
そこで、狭い電圧範囲で容量変化率が大きい可変容量回路、回路規模を小さくした温度補償信号発生回路が必要である。このようなことから、間接補償方式の温度補償型水晶発振器においては、容量可変に関わる回路が特に重要な構成要素となっている。本出願人は、先に、可変容量素子としてMIS(金属−絶縁体−半導体)型可変容量コンデンサを用いた温度補償型水晶発振器について出願している(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
図12は、特許文献1に示した従来技術の温度補償型水晶発振器の概略構成を示すブロック図である。302は発振回路部、500は温度センサー、503は第1の近似2次関数発生回路、504は第2の近似2次関数発生回路、505は近似1次関数補正回路、510はレギュレータ回路、520は周波数調整回路、530は加算回路である。S362は周波数調整電圧である。
発振回路部302の構成要素は次のとおりである。12はCMOSインバータ回路などからなるオシレータ、14は帰還抵抗、16は出力バッファ回路、18は抵抗素子、20aは固定コンデンサ、20bは第1のMIS型可変容量コンデンサ、22aは固定コンデンサ、22bは第2のMIS型可変容量コンデンサ、24は固定コンデンサ、31と32と33とはバイアス抵抗、51はATカット水晶振動子である。
図12に示す温度補償型水晶発振器では、温度センサー500は、発振回路部302の温度を検出して、温度に依存した電圧を出力する。温度に対する温度センサー500の出力電圧の関係は、1次関数に近似される。以下、1次関数に近似される関係を近似1次関数と呼ぶ。2次関数および3次関数についても同様に、各関数に近似される関係をそれぞれ近似2次関数および近似3次関数と呼ぶ。
温度センサー500の出力信号は、第1の近似2次関数発生回路503および第2の近似2次関数発生回路504に供給される。第1の近似2次関数発生回路503は、PチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタとする)よりなるソース接地アンプで構成されており、そのPMOSトランジスタのゲート電極に温度センサー500の出力電圧が印加される。第2の近似2次関数発生回路504は、NチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタとする)よりなるソース接地アンプで構成されており、そのNMOSトランジスタのゲート電極に温度センサー500の出力電圧が印加される。
近似1次関数補正回路505は、複数のパターンの温度傾斜を有する近似1次関数を発生し、ATカット水晶振動子51の温度特性に最も近い近似1次関数に基づく信号を選択する。加算回路530は、第1の近似2次関数発生回路503、第2の近似2次関数発生回路504および近似1次関数補正回路505のそれぞれで発生した信号を合成して出力する。温度に対する加算回路530の出力電圧の関係は、第1の近似2次関数発生回路503で発生した近似2次関数の一部と第2の近似2次関数発生回路504で発生した近似2次関数の一部とを合成した近似3次関数と、近似1次関数補正回路505で発生した近似1次関数とを合成した関数となる。
レギュレータ回路510は、外部から供給される電源電圧の変動を抑制し、第1の近似2次関数発生回路503、第2の近似2次関数発生回路504および近似1次関数補正回路505に基準電圧を供給する。一方、周波数調整回路520は、外部から入力された周波数調整電圧S362に基づいて、温度補償型水晶発振器の発振周波数の調整および標準周波数合わせのための直流バイアス信号を発生する。
発振回路部302のATカット水晶振動子51には、固定コンデンサ20aと第1のMIS型可変容量コンデンサ20bとが直列に接続されてなる直列接続体と、対抗して第2のMIS型可変容量コンデンサ22bと固定コンデンサ22aとが直列に接続されてなる直列接続体とが、並列に接続されている。第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの接続ノードは、固定コンデンサ24を介して交流的に接地されている。
加算回路530の出力信号は、バイアス抵抗31、32を介して第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの各ゲート電極に供給される。また、周波数調整回路520の出力信号は、バイアス抵抗33を介して第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの各ウエル電極に供給される。それによって、第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの両極に印加される電圧が温度変化に対して近似3次関数的に変化し、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性が打ち消され、温度変化に対して安定した周波数の発信信号が出力バッファ回路16を介して出力される。
図13は、特許文献2に示した従来技術の温度補償型水晶発振器の概略構成を示すブロック図である。302は発振回路部、600は温度センサー、603は第1の近似2次関数発生回路、604は第2の近似2次関数発生回路、605は近似1次関数補正回路、610はレギュレータ回路、620は周波数調整回路、630は第1の加算回路、640は第2の加算回路である。なお、既に説明した同一の構成要素には同一の番号を付与している。
図13に示す温度補償型水晶発振器では、ATカット水晶振動子51として、15〜45℃付近での温度で周波数の変化が極めて小さい、水晶振動子(以下、フラット水晶と呼ぶ)を用いている。また、第1の近似2次関数発生回路603および第2の近似2次関数発生回路604は、ともにNMOSトランジスタよりなるソース接地アンプで構成されている。
そして、第1の近似2次関数発生回路603の出力信号は、第1の加算回路630において近似1次関数補正回路605の出力信号と合成されて、第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの各ゲート電極に供給される。一方、第2の近似2次関数発生回路604の出力信号は、第2の加算回路640において周波数調整回路620の出力信号と合成されて、第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの各ウエル電極に供給される。
第1の加算回路630の出力電圧は、15℃よりも低温側の温度域において温度が下がるにつれて近似2次関数的に下がる。一方、第2の加算回路640の出力電圧は、45℃よりも高温側の温度域において温度が上がるにつれて近似2次関数的に下がる。したがって、低温域では、第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bのゲート電極の電位がウエル電極の電位よりも低くなり、高温域ではその逆になる。つまり、15℃よりも低温域および45℃よりも高温域において、第1および第2の可変容量コンデンサ20b、22bの両極に印加される電圧が温度変化に対して近似3次関数的に変化し、ATカットのフラット水晶振動子51の温度特性が打ち消され、温度補償を実現することができるとしている。
国際公開第02/19514号パンフレット (第1図) 特開平11−88052号公報 (図3、図12)
しかしながら、特許文献1に示した従来技術の温度補償型水晶発振器では、近似2次関数発生回路を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとは、キャリア移動度やスレッショルドが異なる異種のトランジスタの組み合わせであり、その電流特性は当然異なる。異種のMOSトランジスタの電流特性を電圧に変換してMIS型可変容量コンデンサの容量値を制御する方法では、半導体集積回路自体の個体間バラツキを補正した上で、ATカット水晶振動子の温度特性を全温度範囲にわたって完全に周波数調整するには多大な労力と時間を要するという欠点がある。
また、上記特許文献2に示した従来技術の温度補償型水晶発振器では、一般的なATカット水晶振動子を用いる場合、次のような欠点がある。すなわち、水晶振動子の温度特性にフラットな領域はないため、MIS型可変容量コンデンサのゲート電極とウエル電極との間に、全温度域にわたって線形領域を含まない3次関数的な温度特性を有する電圧を印加する必要がある。そのためには、ATカット水晶振動子の3次関数的な温度特性の偏曲点において、高温側および低温側の各近似2次関数発生回路で非線形な信号が発生されて
、MIS型可変容量コンデンサに印加される電位差、すなわち信号合成が非線形の連続でなければならない。
上記特許文献1に示した従来技術では、近似2次関数発生回路を構成するMOSトランジスタが異種のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの組み合わせであり、MOSトランジスタの半導体製造プロセスのバラツキや電気特性の相違を補正するために要する回路と調整に負担が大きい。さらに上記特許文献1および特許文献2に示した従来技術では、近似2次関数発生回路を構成するMOSトランジスタが近似2次関数的な温度特性を有する信号を発生する開始点が不明であるため、その開始点が3次関数の偏曲点に一致しているか否かも不明で、一般的なATカット水晶振動子の温度特性に対する補償に不完全な温度域ができることがある。
また、上記特許文献1および特許文献2に示した従来技術では、近似2次関数発生回路を構成するMOSトランジスタや抵抗素子の半導体製造プロセスのバラツキ補正方法については記載がない。補正のための信号振幅を大きくとれば補正は可能であるが、補正範囲の拡大は、調整のための分解能とも関わり、回路数の増大につながる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、ATカット水晶振動子の温度特性を、時間や労力のかからない簡便な調整のみで容易に補償することができる温度補償型水晶発振器を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、以下に記載するような技術構成を採用するものである。
温度変化に対して発振周波数が3次関数的に変化する温度特性を有する水晶振動子を含む発振回路部と、温度信号発生回路と、温度3次成分補正信号発生回路と、温度1次成分補正信号発生回路と、を有する温度補償型水晶発振器であって、
温度信号発生回路は、温度変化に対して電位が1次関数的に変化する温度信号を、MOSトランジスタのスレッショルド電位の温度変動から生成し、
温度3次成分補正信号発生回路は、温度信号と、水晶振動子の3次関数的な温度特性の偏曲点を中心に符号反転関係にある第1の入力信号と第2の入力信号と、を利用して近似
3次関数電流を発生する回路であり、温度信号と第1の入力信号とに基づいて、温度変化に対して2次関数的に変化する第1の補正電流を流す第1のMOSトランジスタと、第1のMOSトランジスタと構成が同じで、温度信号と第2の入力信号とに基づいて、温度変化に対して2次関数的に変化する電流を流す第2のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと異極性であり第2のMOSトランジスタと直列接続して電流を流す第3のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタとカレントミラー構成であり第1のMOSトランジスタと直列接続して温度変化に対して2次関数的に変化するとともに第2のMOSトランジスタの電流と対称な電流特性の第2の補正電流を流す第4のMOSトランジスタとを有し、第1の補正電流と第2の補正電流とから近似3次関数電流を発生し、
温度1次成分補正信号発生回路は、近似3次関数電流を電圧変換し、近似3次関数電圧に変換するとともに、近似3次関数電圧と1次補正バイアスとを合成し、温度補償信号を出力し、
温度補償信号で発振回路部の周波数調整を行うことを特徴とする。
温度1次成分補正信号発生回路は、電圧変換用抵抗素子と差動増幅回路とを有し、
電圧変換用抵抗素子は、温度3次成分補正信号発生回路で発生した近似3次関数電流を
近似3次関数電圧に変換し、差動増幅回路は、近似3次関数電圧と1次補正バイアスとを合成し、温度補償信号を出力することを特徴とする。
温度信号発生回路は、第5のMOSトランジスタを有し、第1のMOSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタとは、同極性であって、第1のMOSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタは、第5のMOSトランジスタのスレッショルド電位で制御されることを特徴とする。
温度信号発生回路は差動増幅器よりなり、帰還回路は、第5のMOSトランジスタと抵抗素子とからなる定電流回路とを直列接続した構成であり、第5のMOSトランジスタのドレイン電極の電位を帰還することを特徴とする。
温度信号発生回路は、第1の入力信号と第2の入力信号との中間電位と、ゲート電極とドレイン電極側とを接続する第5のMOSトランジスタのドレイン電極の電位との差動増幅器であり、
温度信号発生回路の出力は、第5のMOSトランジスタと第1のMOSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタとのソース電極およびバックゲート電極に接続することを特徴とする。
第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタおよび第5のMOSトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、第3のMOSトランジスタおよび第4のMOSトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであることを特徴とする。
第3のMOSトランジスタのゲート電極およびドレイン電極と第2のMOSトランジスタのドレイン電極と第4のMOSトランジスタのゲート電極とを接続し、第4のMOSトランジスタのドレイン電極と、第1のMOSトランジスタのドレイン電極とを接続することを特徴とする。
バイアス温度係数調整回路を有し、バイアス温度係数調整回路は、第1の勾配基準信号源と第2の勾配基準信号源とから、第1の入力信号と第2の入力信号と1次補正バイアスとを生成することを特徴とする。
本発明にかかる温度補償型水晶発振器によれば、2つの温度補償信号を発生するMOSトランジスタの構成が同じであり、また、それら2つのMOSトランジスタへの入力信号が、水晶振動子の3次関数的な温度特性の偏曲点を中心にして対称であるので、全温度域にわたって線形領域を含まない3次関数的な温度特性を有する水晶振動子の高温側および低温側の両方の温度特性を完全に補償することができる。また、水晶振動子の3次関数的な温度特性の偏曲点と、温度補償信号の偏曲点を一致させることが可能で、さらに、半導体製造プロセスのバラツキで生じるMOSトランジスタのスレッショルド変動を自己的に補正することができるので、温度補償の調整にかかる回路規模の縮小と、調整時間を削減することができる。
以下に図面を参照して、この発明にかかる温度補償型水晶発振器の好適な実施の形態を
詳細に説明する。
[水晶発振器の要部の説明:図1]
図1は、本発明の実施の形態の温度補償型水晶発振器の要部の構成を示す回路図である。302は発振回路部、330は温度信号発生回路、334は温度3次成分補正信号発生回路、341は温度1次成分補正信号発生回路である。
温度信号発生回路330の構成は次のとおりである。201と202と292と294とは抵抗素子、263は第5のMOSトランジスタ、280は温度補償用レギュレータ回路、S200はレギュレート電圧、S205は第1の基準信号源、S206は帰還電位である。
温度3次成分補正信号発生回路334の構成は次のとおりである。261は第2のMOSトランジスタ、262は第1のMOSトランジスタ、264は第3のMOSトランジスタ、265は第4のMOSトランジスタ、S214は低温側補正バイアス、S216は高温側補正バイアス、S220は補正基準バイアス、S240は温度補償用レギュレート電圧である。
温度1次成分補正信号発生回路341の構成は次のとおりである。270は差動増幅回路、293は電圧変換用抵抗素子、S215は1次補正バイアス、S250は温度補償信号である。
図1に示すように、温度補償型水晶発振器の発振回路部302は、従来技術の発振回路部変わらない。ATカット水晶振動子51と、例えばCMOSインバータ回路よりなるオシレータ12と、オシレータのバイアス点を決定するための帰還抵抗14と、安定な発振のための抵抗素子18と、ATカット水晶振動子51の両端に、容量素子を接続した回路構成をとる。なお、S218は基準周波数調整信号である。
ATカット水晶振動子51の一方の端子は、オシレータ12の入力側に接続し、さらに、固定コンデンサ20aと可変容量素子である第1のMIS型可変容量コンデンサ20bとを直列に接続してなる直列接続体が付加される。
またATカット水晶振動子51のもう一方の端子は、オシレータ12の出力側に接続し、さらに、固定コンデンサ22aと可変容量素子である第2のMIS型可変容量コンデンサ22bとを直列に接続してなる直列接続体が付加される。
第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bには容量値を可変するために、温度補償信号S250が入力されるので、第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bのゲート電極側とウエル電極側とは、固定コンデンサ20a、22aおよび固定コンデンサ24により直流成分から切り離されている。
第1のMIS型可変容量コンデンサ20bおよび第2のMIS型可変容量コンデンサ22bの各容量は、それぞれのゲート電極に印加する電位Vgとウエル電極に印加する電位Vwとの電位差(Vg−Vw)に依存する。第1のMIS型可変容量コンデンサ20bのゲート電極と第2のMIS型可変容量コンデンサ22bのゲート電極とは、それぞれバイアス抵抗31および32を介して、基準周波数調整信号S218(電位Vgに等しい)で制御される。
第1のMIS型可変容量コンデンサ20bおよび第2のMIS型可変容量コンデンサ22bのウエル電極は共通ノードで、このウエル電極はバイアス抵抗33を介して、温度補償信号S250(電位Vwに等しい)で制御される。
[全体構成の説明:図1、図2、図6]
図2は、本発明の実施の形態の温度補償型水晶発振器の全体構成を示すブロック図である。320はレギュレータ回路、326は第1の反転回路、328は第2の反転回路、340はバイアス温度係数調整回路、360は基準周波数調整回路である。S210は第1の勾配基準信号源、S211は第2の勾配基準信号源である。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
図2に示すように、本発明の温度補償型水晶発振器は、レギュレータ回路320、温度信号発生回路330、第1の反転回路326、第2の反転回路328、温度3次成分補正信号発生回路334、温度1次成分補正信号発生回路341、バイアス温度係数調整回路340、基準周波数調整回路360を備えている。
レギュレータ回路320は、使用する温度範囲および外部より入力される電源の変動においても一定の電圧を発生するための電源回路である。レギュレータ回路320で発生したレギュレート電圧S200は、温度信号発生回路330、第1の反転回路326、第2の反転回路328の電源としてではなく、回路入力の基準信号源(図示せず)を生成するために供給される。基準信号源(図示せず)は、レギュレート電圧S200から抵抗分割などして生成する調整用の信号である。
温度信号発生回路330の回路構成は、図1で示すように、温度補償用レギュレータ回路280と抵抗素子とで構成している。第1の基準信号源S205は、レギュレータ回路320の出力を、例えば、抵抗分割でレギュレート電圧S200の1/2の電位として、温度補償用レギュレータ回路280の差動(+)側端子に入力される。温度補償用レギュレータ回路280の出力には、接地ノードとの間に第5のMOSトランジスタ263と抵抗素子292および294とを直列接続している。温度補償用レギュレータ回路280の出力は、第5のMOSトランジスタ263のソース電極とバックゲート電極とに接続し、ドレイン電極の電位が温度補償用レギュレータ回路280の差動(−)側端子に帰還するように接続している。
抵抗素子292および294は、抵抗値の温度依存性が極めて小さい抵抗素子を用いる。抵抗素子には、例えば、低抵抗のポリシリコンや、温度特性の温度勾配係数が符号反転関係にある抵抗素子の組み合わせで温度依存性を下げる方法でも良い。
温度信号発生回路330内の温度補償用レギュレータ回路280の差動(+)側端子と差動(−)側端子とは、イマジナリーショートであるから、差動(−)側端子に帰還される帰還電位S206は、電圧の温度変動極めて小さい第1の基準信号源S205と等しい。抵抗素子292および294は、抵抗値の温度依存性が極めて小さい抵抗素子を用いているから、抵抗素子292および294に流れる電流は使用する広い温度範囲において定電流源として働く。
第5のMOSトランジスタ263は、ソース電極とバックゲート電極とに温度補償用レギュレータ回路280の出力を接続し、ゲート電極には、抵抗素子292と294との分割電位が接続する、いわゆるダイオード接続として構成している。抵抗素子292と294とで分割するのは、第5のMOSトランジスタ263のソース−ドレイン間電流を調整するためで、前述のごとく、第5のMOSトランジスタ263のドレイン電極は、温度補償用レギュレータ回路280の差動(−)側端子に接続している。したがって、第5のMOSトランジスタ263のソース−ドレイン間電流は、温度依存性の極めて小さい定電流となるのである。
このため、温度補償用レギュレータ回路280の出力である温度補償用レギュレート電圧S240は、第5のMOSトランジスタ263のバンドギャップ電位に相当する電位と第1の基準信号源S205とを加算した電圧となる。
すなわち、温度補償用レギュレート電圧S240は、第5のMOSトランジスタ263のバンドギャップと、その温度変動特性を検出した電圧といえる。
温度補償用レギュレート電圧S240は、温度3次成分補正信号発生回路334内の第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261とのそれぞれのソース電極とバックゲート電極とに接続している。
温度3次成分補正信号発生回路334は、ATカット水晶振動子51の3次関数的に変化する温度特性の高温側を補正する第1のMOSトランジスタ262と、低温側を補正する第2のMOSトランジスタ261とを備える。第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261とは、温度変化に対して近似2次関数的な電流特性を示すように制御される。この制御方法は後述する。
第3のMOSトランジスタ264と第4のMOSトランジスタ265とは、第2のMOSトランジスタ261と異極性なMOSトランジスタでカレントミラー回路を構成する。したがって、第2のMOSトランジスタ261の電流特性と対称な電流特性が第4のMOSトランジスタ265から検出される。
温度1次成分補正信号発生回路341は、後述するATカット水晶振動子51の3次関数的に変化する温度特性を補正するための1次補正バイアスS215の信号をインピーダンス変換する差動増幅回路270と、電圧変換用抵抗素子293とで構成している。差動増幅回路270の差動(+)側端子には、後述の1次補正バイアスS215が入力している。差動増幅回路270の差動(−)側端子は、差動増幅回路270の補正基準バイアスS220が入力している。この補正基準バイアスS220は、温度3次成分補正信号発生回路334で発生した近似3次関数の電流特性をもつため、差動増幅回路270の出力は、電圧変換用抵抗素子293を介して電流を消費することとなる。電圧で見ると、差動増幅回路270の持つイマジナリーショート特性により、電圧変換用抵抗素子293で発生した電位を補うために差動増幅回路270の出力である温度補償信号S250は、電圧変換用抵抗素子293の電位と符号反転した電位と、後述の1次補正バイアスS215の電位とを加算した出力信号を発生する。
第1の反転回路326は、温度信号発生回路330で発生した温度変動特性を有する温度補償用レギュレート電圧S240を反転増幅する反転増幅器である。反転の基準となる電位は、レギュレータ回路320で発生したレギュレート電圧S200を選択的に分圧した電位とする。第2の反転回路328も第1の反転回路326と同回路で構成し、反転の基準となる電位は、第1の基準信号源S205である。反転される信号は、第1の反転回路326の出力である負勾配信号の第1の勾配基準信号源S210で、反転された信号は、正勾配信号の第2の勾配基準信号源S211である。
バイアス温度係数調整回路340は、第1の反転回路326と第2の反転回路328とから出力する第1の勾配基準信号源S210と第2の勾配基準信号源S211とを、例えば、図6に示すような抵抗素子120aから120gで分圧し、選択回路110aから110dと、選択回路112aから112dと、選択回路114aから114dとで選択的に所望の温度特性を有する信号を取り出す。
図6では、4つの選択回路で1つの信号を取り出すように記載しているが、選択回路の数は特に限定するものではない。分圧される信号は、低温側補正バイアスS214、高温側補正バイアスS216、1次補正バイアスS215として、温度3次成分補正信号発生回路334と温度1次成分補正信号発生回路341とへ供給する。
基準周波数調整回路360は、温度補償型水晶発振器の個体間バラツキで生じた所望発振周波数からの離散を修正する電圧(図示せず)と、外部より電圧制御で発振周波数を可変するための周波数調整電圧S362との電圧合成回路であって、温度補償とは関係ない
直流電圧を発生する。その合成された電圧は基準周波数調整信号S218として、第1のMIS型可変容量コンデンサ20bおよび第2のMIS型可変容量コンデンサ22bのゲート電極の電位として供給する。
[MIS型可変容量コンデンサの説明:図3、図4]
図3に、図1および図2に示す第1および第2のMIS型可変容量コンデンサ20b、22bの構造を説明する図を示す。図3は、MIS型可変容量コンデンサの断面図を模式的に示したものである。
MIS型可変容量コンデンサの構造は、MOS(金属−酸化膜−半導体)型可変容量コンデンサ60であり、P型半導体基板61の表面層にN型ウエル領域62を形成し、そのN型ウエル領域62の表面上にゲート酸化膜63を介してゲート電極64を形成する。N型ウエル領域62の電位は、N型ウエル領域62に設ける高濃度不純物領域であるN型領域65より与える。図3では、N型領域65はゲート電極64の左右に設けている。66は素子分離用のフィールド酸化膜である。
MOS型可変容量コンデンサ60において、ゲート電極64の電位が正側に変位していく過程で、ゲート酸化膜63直下のN型ウエル領域62の表面は、蓄積状態から表面反転層が形成されるまでの間、MOS型可変容量コンデンサ60の容量が変化する。その際、ゲート電極64の電位が高周波で制御されると、発生−再結合プロセスでは、少数キャリアが表面反転層に十分に供給されないため、一定の極小値に保たれ、図4に示すようなCV特性カーブ67を示す。
本発明の実施の形態では、図4で示すCV特性カーブ67において、容量が変化する領域を利用する。なお、図4はCV特性を模式的に示したものである。図4において、縦軸は、MOS型可変容量コンデンサ60の容量であり、横軸は、MOS型可変容量コンデンサ60のゲート電極64の電位である。つまり、ゲート電極64の電位は、ゲート電極に印加する電位Vgとウエルの電位Vwとの差である。
[温度補償方法の説明:図1、図2、図5〜図11]
次に、本発明の温度補償型水晶発振器の作用とともに、ATカット水晶振動子の温度補償方法について説明する。
図1の中で、差動増幅器である温度信号発生回路330は、第1の基準信号源S205に基づいて、第5のMOSトランジスタ263のバンドギャップ電位だけ高い電圧を出力する。ここで得られる温度補償用レギュレート電圧S240は、第5のMOSトランジスタ263と、抵抗値の温度依存性が極めて小さい抵抗素子292および294とによって、補償温度範囲で温度依存性の高い電圧を発生する。MOSトランジスタのスレッショルドの温度依存性が大きいため、温度補償用レギュレート電圧S240は、大きな温度勾配係数をもった信号となる。温度信号発生回路330で得た温度勾配係数の高い温度補償用レギュレート電圧S240は、極めて温度変化に対して線形な信号であるため、温度検出信号の基準源として用いる。
図2で示す第1の反転回路326および第2の反転回路328の構成の一例を図5に示す。S207は第2の基準信号源S207である。すでに説明した同じ構成には同じ番号を付与している。図5において、左側が第1の反転回路326の反転増幅器であり、右側が第2の反転回路328の反転増幅器である。
温度信号発生回路330で得た温度補償用レギュレート電圧S240を、第1の反転回路326の差動(−)側端子に抵抗素子を介して入力するとともに、反転増幅器の出力である第1の勾配基準信号源S210を、差動(−)側端子に抵抗素子を介して入力する一般的な反転増幅器の回路構成をとる。この回路構成と同じくして、第1の勾配基準信号源S210を、第2の反転回路328の差動(−)側端子に抵抗素子を介して入力するとともに、反転増幅器の出力である第2の勾配基準信号源S211を、差動(−)側端子に抵
抗素子を介して入力する。
第1の反転回路326で、入出力の反転基準となる差動(+)側端子に第2の基準信号源S207を入力する。第2の基準信号源S207は、温度変化に対し1次関数的に変化する第1の勾配基準信号源S210と、第1の基準信号源S205とが、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性の偏曲点温度で、等しい電位となるための基準電位でなければならない。この基準電位である第2の基準信号源S207は、例えば、レギュレート電圧S200を抵抗素子により接地ノードと接続して、抵抗分圧による中間的電位を選択する。
第1の反転回路326で得た第1の勾配基準信号源S210は、第2の反転回路328で反転増幅器により信号反転されて第2の勾配基準信号源S211を得る。
第2の反転回路328の反転増幅器の差動(+)側端子の基準電位には、第1の基準信号源S205を入力する。したがって、第1の勾配基準信号源S210と第2の勾配基準信号源S211とは、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性の偏曲点で同電位の信号であり、かつ、第1の基準信号源S205と等しい電位となる。
第1の勾配基準信号源S210と第2の勾配基準信号源S211とは、バイアス温度係数調整回路340へ供給する。
バイアス温度係数調整回路340は、例えば、図6で示すような抵抗素子分割により、2つの温度勾配を有する第1の勾配基準信号源S210と第2の勾配基準信号源S211とから選択的に特定の温度勾配を有する信号を取り出す回路を備えている。図6では、抵抗素子120aから120cの3つの抵抗素子で分圧される分圧信号を選び、低温側補正バイアスS214として温度3次成分補正信号発生回路334内の第2のMOSトランジスタ261のゲート電極へ供給する。同様に、抵抗素子120eから120gの3つの抵抗素子で分圧される分圧信号を選び、高温側補正バイアスS216として温度3次成分補正信号発生回路334内の第1のMOSトランジスタ262のゲート電極へ供給する。また、抵抗素子120aから120fの6つの抵抗素子で分圧される分圧信号を選び、1次補正バイアスS215として温度1次成分補正信号発生回路341へ供給する。
図7には、温度信号発生回路330で発生した温度補償用レギュレート電圧S240と、第1の反転回路326で生成した第1の勾配基準信号源S210と、第2の反転回路で生成した第2の勾配基準信号源S211と、バイアス温度係数調整回路340で生成した分圧信号である低温側補正バイアスS214および1次補正バイアスS215および高温側補正バイアスS216と、第1の基準信号源S205との電圧−温度特性を示す。図7の縦軸は電圧、横軸は温度である。
上述した第1の勾配基準信号源S210、第2の勾配基準信号源S211、分圧信号である低温側補正バイアスS214、1次補正バイアスS215および高温側補正バイアスS216、および第1の基準信号源S205は全て交点90で同電位な信号となる。この交点90の温度は、第2の基準信号源S207によってATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性の偏曲点温度と一致している。
したがって、図1に示す第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261とのソース−ゲート間電位は、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性の偏曲点温度で常に等しい。すなわち、偏曲点温度においては、上述した2つのMOSトランジスタは、第5のMOSトランジスタ263のカレントミラー回路とみなすことができ、第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261とには、同じ値の電流が流れる。また、図6で示した回路でそれぞれに選択した低温側補正バイアスS214と高温側補正バイアスS216とは、交点90で常に等しいため、温度補正信号S250は、偏曲点温度で低温側補正バイアスS214と高温側補正バイアスS216との可変によらず常に一定の電位に保たれる。
バイアス温度係数調整回路340で制御された分圧信号である低温側補正バイアスS214および高温側補正バイアスS216は、図1に示す第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261のゲート電極へ供給する。温度変化に対してMOSトランジスタのソース−ドレイン電流が変化するため、2次関数的な電流が観測できる。第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261および第4のMOSトランジスタ265との電流−温度特性を図8に示す。262jと261jと265jとは、それぞれ第1のMOSトランジスタ262と第2のMOSトランジスタ261と第4のMOSトランジスタ265とのソース−ドレイン電流である。
図8に示すような電流−温度特性によれば、温度3次成分補正信号発生回路334内の第1のMOSトランジスタ262と第4のMOSトランジスタ265、および温度1次成分補正信号発生回路341の電圧変換用抵抗素子293より生成される温度補償信号S250は、図10に示すような近似3次関数の信号となる。この近似3次関数である温度補償信号S250が、MIS型可変容量コンデンサ20bおよび22bにより容量値変化に変換され、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性を補償する。図10についての詳細は後述する。
ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性を補償には上述した分圧信号である低温側補正バイアスS214および高温側補正バイアスS216の温度勾配を選択的に可変して、ATカット水晶振動子51の3次関数的な温度特性に一致するようにMIS型可変容量コンデンサ20bおよび22bへ供給することで温度補償する。図11には、一例として低温側補正バイアスS214によって生成される多様なスプラインを示す。図11に示すように、多様なスプライン(温度勾配カーブ)の中からMIS型可変容量コンデンサ20bおよび22bへ供給するスプラインを選択し、供給することで温度補償する。
また、図11に示すように、低温側補正バイアスS214のスプラインによらず、交点90より高温側のスプラインには干渉していない。
ところで、上述した図1に示す温度信号発生回路330内の第5のMOSトランジスタ263と抵抗素子292および294とで増幅された出力である温度補償用レギュレート電圧S240は、第5のMOSトランジスタ263の半導体製造プロセスのバラツキによって、スレッショルドが変動する。図9には、そのスレッショルドの変動によって生成された温度補償用レギュレート電圧S240を示し、図10には、スレッショルドの変動によって生成された温度補償信号S250を示す。
図9に示すS240−1は、温度補償用レギュレート電圧S240が、半導体製造プロセスにおいて、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタともスレッショルドが標準値であるときの信号電位を示している。S240−2は、PMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも低く、NMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも低いとき信号電位を示している。S240−3は、PMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも高く、NMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも高いときの信号電位を示している。S240−4は、PMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも低く、NMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも高いときの信号電位を示している。S240−5は、PMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも高く、NMOSトランジスタのスレッショルドが標準値よりも低いときの信号電位を示している。
図9で示すように、温度補償用レギュレート電圧S240がMOSトランジスタのスレッショルドによって電圧変化するのに対し、図10で示すように、温度補償信号S250は、スレッショルドの変動に対し、ほぼ不変であることがわかる。すなわち、半導体製造プロセスのバラツキを自己的に補正したことになる。
以上のように、本発明の温度補償型水晶発振器は、周波数温度特性を精度よく補正することができるため、通信機器に搭載する発振器として適している。特に、携帯電話機などの小型携帯機器に搭載する発振器として好適である。
本発明の温度補償型水晶発振器の要部の構成を示す回路図である。 本発明の温度補償型水晶発振器の概略構成を示すブロック図である。 本発明の温度補償型水晶発振器に用いるMIS型可変容量コンデンサの構造を説明する断面図である。 MIS型可変容量コンデンサのC−V特性を示す特性図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成するゲートバイアス発生回路を示す回路図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成するゲートバイアス制御回路の一例を示す回路図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成するゲートバイアス制御回路から出力される信号の温度特性を示す特性図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成するMOSトランジスタのドレイン電流を模式的に示す特性図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成する温度信号発生回路から出力される信号の温度特性を示す特性図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成する温度3次成分補正信号発生回路から出力される信号の温度特性を示す特性図である。 本発明の温度補償型水晶発振器を構成する温度3次成分補正信号発生回路から出力される信号の可変振幅を示す特性図である。 従来の温度補償型水晶発振器の概略構成を示すブロック図である。 従来の温度補償型水晶発振器の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
261 第2のMOSトランジスタ (低温側PMOSトランジスタ)
262 第1のMOSトランジスタ (高温側PMOSトランジスタ)
263 第5のMOSトランジスタ (PMOSトランジスタ)
264 第3のMOSトランジスタ (NMOSトランジスタ)
265 第4のMOSトランジスタ (NMOSトランジスタ)
293 電圧変換用抵抗素子
302 発振回路部
330 温度信号発生回路
341 温度1次成分補正信号発生回路
334 温度3次成分補正信号発生回路

Claims (8)

  1. 温度変化に対して発振周波数が3次関数的に変化する温度特性を有する水晶振動子を含む発振回路部と、温度信号発生回路と、温度3次成分補正信号発生回路と、温度1次成分補正信号発生回路と、を有する温度補償型水晶発振器であって、
    前記温度信号発生回路は、温度変化に対して電位が1次関数的に変化する温度信号を、MOSトランジスタのスレッショルド電位の温度変動から生成し、
    前記温度3次成分補正信号発生回路は、前記温度信号と、前記水晶振動子の3次関数的な温度特性の偏曲点を中心に符号反転関係にある第1の入力信号と第2の入力信号と、を利用して近似3次関数電流を発生する回路であり、前記温度信号と前記第1の入力信号とに基づいて、温度変化に対して2次関数的に変化する第1の補正電流を流す第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタと構成が同じで、前記温度信号と前記第2の入力信号とに基づいて、温度変化に対して2次関数的に変化する電流を流す第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタと異極性であり前記第2のMOSトランジスタと直列接続して前記電流を流す第3のMOSトランジスタと、前記第3のMOSトランジスタとカレントミラー構成であり前記第1のMOSトランジスタと直列接続して温度変化に対して2次関数的に変化するとともに前記第2のMOSトランジスタの前記電流と対称な電流特性の第2の補正電流を流す第4のMOSトランジスタとを有し、前記第1の補正電流と前記第2の補正電流とから前記近似3次関数電流を発生し、
    前記温度1次成分補正信号発生回路は、前記近似3次関数電流を電圧変換し、近似3次関数電圧に変換するとともに、前記近似3次関数電圧と1次補正バイアスとを合成し、温度補償信号を出力し、
    前記温度補償信号で前記発振回路部の周波数調整を行うことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 前記温度1次成分補正信号発生回路は、電圧変換用抵抗素子と差動増幅回路とを有し、
    前記電圧変換用抵抗素子は、前記温度3次成分補正信号発生回路で発生した前記近似3次関数電流を前記近似3次関数電圧に変換し、前記差動増幅回路は、前記近似3次関数電圧と前記1次補正バイアスとを合成し、温度補償信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 前記温度信号発生回路は、第5のMOSトランジスタを有し、前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタと前記第5のMOSトランジスタとは、同極
    性であって、前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタは、前記第5のMOSトランジスタのスレッショルド電位で制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の温度補償型水晶発振器。
  4. 前記温度信号発生回路は差動増幅器よりなり、帰還回路は、前記第5のMOSトランジスタと抵抗素子とからなる定電流回路とを直列接続した構成であり、前記第5のMOSトランジスタのドレイン電極の電位を帰還することを特徴とする請求項に記載の温度補償型水晶発振器。
  5. 前記温度信号発生回路は、前記第1の入力信号と前記第2の入力信号との中間電位と、ゲート電極とドレイン電極側とを接続する前記第5のMOSトランジスタのドレイン電極の電位との差動増幅器であり、
    前記温度信号発生回路の出力は、前記第5のMOSトランジスタと前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタとのソース電極およびバックゲート電極に接続することを特徴とする請求項に記載の温度補償型水晶発振器。
  6. 前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタおよび前記第5のMOSトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであることを特徴とする請求項からのいずれか1つに記載の温度補償型水晶発振器。
  7. 前記第3のMOSトランジスタのゲート電極およびドレイン電極と前記第2のMOSトランジスタのドレイン電極と前記第4のMOSトランジスタのゲート電極とを接続し、前記第4のMOSトランジスタのドレイン電極と、前記第1のMOSトランジスタのドレイン電極とを接続することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の温度補償型水晶発振器。
  8. バイアス温度係数調整回路を有し、該バイアス温度係数調整回路は、第1の勾配基準信号源と第2の勾配基準信号源とから、前記第1の入力信号と前記第2の入力信号と前記1次補正バイアスとを生成することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の温度補償型水晶発振器。
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