JP4227339B2 - 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム - Google Patents

剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4227339B2
JP4227339B2 JP2002043550A JP2002043550A JP4227339B2 JP 4227339 B2 JP4227339 B2 JP 4227339B2 JP 2002043550 A JP2002043550 A JP 2002043550A JP 2002043550 A JP2002043550 A JP 2002043550A JP 4227339 B2 JP4227339 B2 JP 4227339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release agent
cells
cell
time
adhesion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002043550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003235541A (ja
Inventor
良太 梅垣
正博 紀ノ岡
正仁 田谷
Original Assignee
正仁 田谷
株式会社 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 正仁 田谷, 株式会社 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング filed Critical 正仁 田谷
Priority to JP2002043550A priority Critical patent/JP4227339B2/ja
Priority to US10/224,497 priority patent/US20030157714A1/en
Publication of JP2003235541A publication Critical patent/JP2003235541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4227339B2 publication Critical patent/JP4227339B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/48Automatic or computerized control
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒト組織をインビトロ(in vitro)で培養し、培養した組織を患者に適用する技術が数多く報告されている。特にヒト皮膚組織については、欧米において商品化レベルにまで達している。ここで、ヒト皮膚組織、例えばヒト表皮角化細胞(Keratinocyte)による培養細胞シートの製品化のフローを図5に基づいて説明する。まず、患者又はドナーの健康な部位から少量の組織片を採取し、酵素処理によって細胞を分散させた後、角化細胞を分離・回収する(ステップS1)。次に、その角化細胞を用いて初代培養を行う(ステップS2)。その後、初代培養で増殖させた細胞を別の複数の培養容器に分けて接種(播種)し(ステップS3)、培地交換等の操作を必要に応じて行うと、細胞が培養面に接着したあと増殖して培養面での細胞の占める面積が徐々に増加し、所定面積に達してコンフルエントな状態となる(ステップS4)。このとき、製品として総合的に必要となる十分な面積(細胞数)が確保されたか否かをチェックし(ステップS5)、確保されていなければ培地を除去したあと培養面に接着している細胞をトリプシンなどのプロテアーゼによって培養面から剥離させたあと回収し(ステップS6)、必要な面積が確保されるまで継代培養を繰り返し行うことで面積を増やす。一方、必要な面積が確保されたならば、組織構築のために三次元培養(重層化)を施し(ステップS7)、これを移植用の培養細胞シートとして病院へ輸送し、移植を行う(ステップS8)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ステップ6の剥離操作において、プロテアーゼの処理時間が長いと、細胞がダメージを受けてその後の継代培養に支障が生じることがある。このため、剥離操作において、時間経過に伴って細胞の剥離状況を逐次把握することにより、プロテアーゼ処理時間の最適化を図ることが望ましい。
【0004】
一方、ステップ6の剥離操作におけるプロテアーゼの処理では、細胞が剥離するまでに要する時間が個々の細胞で異なるため、この点も考慮して培養面から剥離した細胞を回収することが望ましい。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決することを課題とするものであり、接着面から剥離した細胞を適切に回収できる剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明は上述した目的を達成するために以下の構成を採用した。
【0007】
本発明の第1は、接着依存性細胞が接着している培養容器に剥離剤を投入したあとの経過時間を計測する計時手段と、前記培養容器内の細胞を回収可能な細胞回収手段と、前記計時手段によって計測された前記経過時間に基づいて、前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に分類分けして回収させる分類回収制御手段とを備えた剥離細胞回収装置に関する。この剥離細胞回収装置では、接着依存性細胞が接着している培養容器に剥離剤を投入したあとの経過時間に基づいて、その剥離剤によって培養容器から剥離した接着依存性細胞を分類分けして回収する。したがって、剥離剤によって培養容器から早期に剥離する細胞やある程度時間が経過してから剥離する細胞を適切に分類し、回収することができる。また、剥離した細胞から順に回収することで剥離剤による細胞ダメージを抑えることができる。
【0008】
ここで、「接着依存性細胞」とは、まず培養容器の所定の面に直接接着するか又は細胞外マトリックスを介して間接的に接着し、次いでその接着面積が広がっていき、その後細胞分裂する細胞のことをいう。例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル等の温血動物から採取された種々の細胞が挙げられる。この温血動物の細胞としては、例えば、角化細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞若しくは間質細胞、又はこれらの細胞の前駆細胞、幹細胞若しくは接着依存性のガン細胞が挙げられる。また、胚性幹細胞を使用することもできる。或いは、エリスロポエチン、成長ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子、インスリン、インターフェロン、血液凝固第VIII因子等の血液凝固因子、グルカゴン、組織プラスミノーゲンアクチゲーター、ドーパミン、ガン遺伝子、ガン抑制遺伝子等をコードする外来遺伝子を前記細胞に導入し、それらの遺伝子を種々のプロモータを用いて強制的に又は特定の条件下で発現させるように構成した形質転換細胞を使用してもよい。また、細胞外マトリックスとしては、例えば、インテグリン、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、糖タンパク質等が挙げられる。
【0009】
また、「培養容器」としては、細胞が培養できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の合成樹脂、ヒドロキシアパタイトセラミックス、アルミナセラミックス、ガラス等から構成されたものが好適に使用される。
【0010】
本発明の第1の剥離細胞回収装置において、前記培養容器内に新たな剥離剤を投入する剥離剤投入手段を備え、前記分類回収制御手段は、前記経過時間に基づいて、前記細胞回収手段に前記剥離剤を全量回収させることによりその時点で前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を全量回収したあと前記剥離剤投入手段に新たな剥離剤を前記培養容器へ投入させてもよい。こうすれば、剥離剤によって剥離するまでに要した時間がほぼ同じ接着依存性細胞を回収することができる。例えば、培養容器内の剥離剤の全量を回収したあと新たな剥離剤を投入するという工程を時間経過に伴って繰り返し実行してもよい。
【0011】
本発明の第1の剥離細胞回収装置において、前記培養容器内に新たな剥離剤を投入する剥離剤投入手段を備え、前記分類回収制御手段は、前記経過時間に基づいて、前記細胞回収手段に前記剥離剤の一部を回収させることにより該剥離剤に含まれる前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を回収しつつ前記剥離剤投入手段に新たな剥離剤を前記培養容器に投入させてもよい。こうすれば、液体クロマトグラフィのフラクションコレクタと同様の原理を用いて、剥離剤によって剥離するまでに要した時間がほぼ同じ接着依存性細胞を回収することができる。
【0012】
本発明の第1の剥離細胞回収装置において、前記分類回収制御手段は、前記計時手段によって計測された経過時間が予め定めた所定の初期時間に達したとき前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に初期分類として回収させ、その後前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に本分類として回収させてもよい。こうすれば、例えば剥離剤によって培養容器から早期に剥離する細胞とある程度時間が経過してから剥離する細胞との間に能力(例えば増殖能等)の差があるような場合に、その能力差に応じて細胞を分取することができる。
【0013】
本発明の第1の剥離細胞回収装置において、前記分類回収制御手段は、前記計時手段によって計測された経過時間が予め定めた所定の初期時間に達したとき前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に初期分類として回収させ、その後前記経過時間が予め定めた所定の後期時間に達するまで前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に中期分類として回収させ、その後前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に終期分類として回収させてもよい。こうすれば、例えば剥離剤によって培養容器から早期に剥離する細胞と中程度の時間が経過してから剥離する細胞と長時間経過してから剥離する細胞との間に能力差や細胞へのダメージ差があるような場合に、その能力差やダメージの程度に応じて細胞を分取することができる。なお、本発明ではこのように初期、中期、終期分類の3つに分けてもよいが、必要に応じて経過時間を細分化して分類数を4つ以上に増やしてもよい。
【0014】
本発明の第2は、コンピュータを、本発明の第1の剥離細胞回収装置の少なくとも前記分類回収制御手段として機能させるためのプログラムに関する。また、本発明の第3は、コンピュータに、接着依存性細胞が接着している培養容器に剥離剤を投入したあとの経過時間に基づいて、前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を、前記培養容器内の細胞を回収可能な細胞回収手段によって分類分けして回収させる工程を実行させるためのプログラムに関する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ送信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。これらのプログラムをコンピュータに実行させれば、本発明の第1の剥離細胞回収装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
本発明の第4は、接着依存性細胞が接着している培養容器に剥離剤を投入したあとの経過時間に基づいて、前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を分類分けして回収する工程を含む剥離細胞回収方法に関する。この方法によれば、剥離剤によって培養容器から早期に剥離する細胞やある程度時間が経過してから剥離する細胞を適切に分類し、回収することができる。また、剥離した細胞から順に回収することで剥離剤による細胞ダメージを抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1は本実施形態の剥離細胞回収装置の概略構成図である。本実施形態の剥離細胞回収装置50は、支持台51と、培養容器60と、計時手段及び分類回収制御手段としての制御装置57とを備えている。
【0017】
支持台51は、培養容器60を固定して支持し、一端に回動軸51aが設けられ、他端に電動シリンダ56のロッドの先端が取り付けられている。電動シリンダ56は制御装置57からの指令信号によってロッドを伸縮させ、ロッドが伸長すると支持台51は水平状態となり(図1(a)参照)、ロッドが没入すると支持台51は傾斜状態となる(図1(b)参照)。
【0018】
培養容器60は、底面に接着し培地内で増殖して継代培養に適した状態になった接着依存性細胞(以下単に細胞という)61を有している。この培養容器60の近傍には、培養容器60内に剥離剤であるトリプシン溶液を注入可能な注入管52が設けられ、この注入管52には注入管52を開閉するソレノイドバルブ53が取り付けられている。また、培養容器60は内容物を排出可能な排出管54を備えており、この排出管54には排出管54を開閉するソレノイドバルブ55が取り付けられ、排出管54の出口には回収容器65が設置されている。各ソレノイドバルブ53,55は、制御装置57からの指令信号に基づいて開閉が制御される。なお、ソレノイドバルブ53及び注入管52が剥離剤投入手段に相当し、支持台51、電動シリンダ56、ソレノイドバルブ55の付いた排出管54及び回収容器65が細胞回収手段に相当する。
【0019】
制御装置57は、周知のCPU、ROM、RAM、タイマ等で構成されている。この制御装置57は、タイマにより計時すると共に、各ソレノイドバルブ53,55や電動シリンダ56に指令信号を出力する。
【0020】
次に、トリプシン処理時間と細胞の増殖能力との関係について説明する。まず培養容器として75cm2のT型フラスコ(ヌンク社)、細胞としてヒト角化細胞である0才(包皮)ドナー由来の細胞(KK−4009,倉敷紡績(株))、培地としてヒト角化細胞用無血清培地(Humedia−KG2,倉敷紡績(株))を用いて、温度37℃、5%CO2含有エアという条件下でコンフルエント状態になるまで培養した。このような底面に細胞が接着している培養容器を複数作製した。続いて、各培養容器に培地を排出しリンスしたあとトリプシン溶液を滴下し、トリプシン溶液滴下後の経過時間(以下、トリプシン処理時間という)が3分、6分、9分、12分、15分となった時点で各1つの培養容器にトリプシンインヒビタを投入してトリプシンの作用を停止させ、その後溶液(剥離状態の細胞を含む)を培養容器から回収し遠心分離したあと得られた剥離細胞につき増殖能力の一指標である倍加時間を調べたところ、表1に示す結果が得られた。この表1から分かるように、トリプシン処理時間が3分及び15分の剥離細胞では増殖能力が低くなっている。これは、処理時間が3分では分化により接着能力や増殖能力の低くなった細胞群が優先的に浮遊し、15分では過度のトリプシン処理による障害で活性の低下が引き起こされたためと考えられる。このようにトリプシン処理時間は細胞の増殖能力と密接に関係していることから、トリプシン処理時間を細胞増殖能力の一指標と見ることができる。したがって、トリプシン処理時間に応じて剥離細胞を分類分けして回収すれば、同様の細胞増殖能力を持つ細胞ごとの回収が可能となる。
【0021】
【表1】
Figure 0004227339
【0022】
次に、この剥離細胞回収装置50の動作について説明する。オペレータにより入力装置であるキーボードから制御装置57に剥離操作開始の指令が入力されると、制御装置57は内部メモリに記憶されている剥離操作プログラムを読み出してこれを実行する。図2はこの剥離操作プログラムのフローチャートである。このプログラムが開始されると、制御装置57は、まず排出管54のソレノイドバルブ55を閉鎖し注入管52のソレノイドバルブ53を開放してトリプシン溶液を培養容器60内に所定量投入したあとソレノイドバルブ53を閉鎖し(ステップS200)、ソレノイドバルブ53を閉鎖すると同時にタイマによりトリプシン処理時間の計測を開始する(ステップS210)。なお、培養容器60はトリプシン溶液を投入する前に培地を排出しリンスしておく。そして、トリプシン処理時間が予め定めた時間t1となった時点で電動シリンダ56のロッドを没入させて支持台51を傾斜させると共に、排出管54のソレノイドバルブ55を開放して培養容器60のトリプシン溶液を剥離細胞61と共に排出管54から回収容器65へ回収する(ステップS220)。ここで、時間t1は比較的短い時間(例えば3分とか5分)に設定されており、回収容器65には早期に剥離した細胞61が初期分類として回収される。
【0023】
そして、回収終了後、電動シリンダ56のロッドを伸長させて支持台51を水平状態に戻すと共に新たな回収容器65を設置し(ステップS230)、次いで排出管54のソレノイドバルブ55を閉鎖し注入管52のソレノイドバルブ53を開放してトリプシン溶液を培養容器60内に所定量投入したあとソレノイドバルブ53を閉鎖し(ステップS240)、ソレノイドバルブ53を閉鎖すると同時にトリプシン処理時間の計測を再開する(ステップS250)。そして、トリプシン処理時間がトータルで予め定めた時間t2となった時点で電動シリンダ56のロッドを没入させて支持台51を傾斜させると共に、排出管54のソレノイドバルブ55を開放して培養容器60のトリプシン溶液を剥離細胞61と共に排出管54から回収容器65へ回収する(ステップS260)。ここで、時間t2は比較的長い時間(例えば12分とか15分)に設定されており、回収容器65にはある程度時間が経過してから剥離した細胞61が本分類として回収される。そして、回収終了後、電動シリンダ56のロッドを伸長させて支持台51を水平状態に戻すと共に新たな回収容器65を設置し(ステップS270)、このプログラムを終了する。
【0024】
以上詳述した本実施形態の剥離細胞回収装置50によれば、トリプシンによって培養容器60の底面から早期に剥離する細胞やある程度時間が経過してから剥離する細胞を適切に分類分けして回収することができる。また、0才ドナー由来の細胞のように、トリプシンによって培養容器60から早期に剥離した細胞とある程度時間が経過してから剥離した細胞との間に増殖能力に差があるような場合に、その増殖能力の差に応じて細胞を分取することができるため好ましい。
【0025】
なお、図2のフローチャートにおいて、必要に応じてステップS270のあとに更にステップS240〜S270の処理を1回以上繰り返し実行してもよい。このときステップS260の時間t2を時間t3等に適宜変更する。こうすれば、0才ドナー由来の細胞のように、トリプシンによって培養容器60から早期に剥離した細胞と中程度の時間が経過してから剥離した細胞と長時間経過してから剥離した細胞との間に増殖能力に差があるような場合に、その増殖能力の差に応じて細胞を分取することができるため好ましい。
【0026】
[第2実施形態]
図3は本実施形態の剥離細胞回収装置の概略構成図である。本実施形態の剥離細胞回収装置70は、支持台71と、培養容器80と、計時手段及び分類回収制御手段としての制御装置77とを備えている。
【0027】
支持台71は、培養容器80を傾斜した状態で固定して支持している。
【0028】
培養容器80は、底面に接着し培地内で増殖してコンフルエントな状態になった細胞81を有している。支持台71に傾斜した状態で支持されている培養容器80の最も高い位置の近傍には、培養容器80内に剥離剤であるトリプシン溶液を注入可能な注入管72が設けられ、この注入管72には注入管72を開閉するソレノイドバルブ73が取り付けられている。また、培養容器80の最も低い位置の近傍には、内容物を排出可能な排出管74が設けられ、この排出管74には排出管74を開閉するソレノイドバルブ75が取り付けられている。各ソレノイドバルブ73,75は、制御装置77からの指令信号に基づいて開閉が制御される。
【0029】
回収容器91〜93は、駆動輪95と従動輪96との間に架け渡されたベルトコンベア97に載置され、制御装置77の指令信号に応じて駆動輪95が回転しベルトコンベア97が移動するのに伴って移動する。ここでは、当初、排出管74の出口と合致した位置には回収容器91が配置され、時間の経過に伴って回収容器92、回収容器93が同位置に配置される。ここで、支持台71、ソレノイドバルブ75の付いた排出管74、回収容器91〜93、駆動輪95、従動輪96及びベルトコンベア97が細胞回収手段に相当する。
【0030】
制御装置77は、周知のCPU、ROM、RAM、タイマ等で構成されている。この制御装置77は、タイマにより計時すると共に、各ソレノイドバルブ73,75や駆動輪95に指令信号を出力する。
【0031】
次に、この剥離細胞回収装置70の動作について説明する。オペレータにより入力装置であるキーボードから制御装置77に剥離操作開始の指令が入力されると、制御装置77は内部メモリに記憶されている剥離操作プログラムを読み出してこれを実行する。なお、培養容器80は予め培地を排出しリンスしておく。図4はこの剥離操作プログラムのフローチャートである。このプログラムが開始されると、制御装置77は、まず注入管72のソレノイドバルブ73及び排出管74のソレノイドバルブ75の開度を調節してトリプシン溶液が培養容器80内に所定流量で流れるようにし(ステップS300)、同時にタイマによりトリプシン処理時間の計測を開始する(ステップS310)。すると、排出管74の出口と合致する位置の回収容器91には培養容器80からの流出液が溜まっていく。なお、ステップS300では、培養容器80内に当初の液量がほぼ維持されるようにバルブ73,75を調節する。
【0032】
そして、トリプシン処理時間が時間t11となった時点で回収容器91を回収容器92に更新する(ステップS320)。即ち、駆動輪95に指令信号を出力して駆動輪95を回転させベルトコンベア97を移動させることにより、次の回収容器92が排出管74の出口と合致する位置に来るようにする。すると、回収容器92には培養容器80からの流出液が溜まっていく。なお、回収容器91にはトリプシンインヒビタを添加してトリプシンの作用を停止させる。
【0033】
そして、トリプシン処理時間が時間t12(>t11)となった時点で回収容器92を回収容器93に更新する(ステップS330)。即ち、駆動輪95に指令信号を出力して駆動輪95を回転させベルトコンベア97を移動させることにより、次の回収容器93が排出管74の出口と合致する位置に来るようにする。すると、回収容器93には培養容器80からの流出液が溜まっていく。なお、回収容器92にはトリプシンインヒビタを添加してトリプシンの作用を停止させる。
【0034】
そして、トリプシン処理時間が予め定めた終了時間となった時点でソレノイドバルブ73を閉鎖してトリプシン溶液の供給を停止し、培養容器80の内部が空になったあとソレノイドバルブ75を閉鎖し(ステップS340)、このプログラムを終了する。なお、回収容器93にはトリプシンインヒビタを添加してトリプシンの作用を停止させる。また、終了時間は、培養容器80の底面に接着した細胞81のすべてがトリプシンの作用により剥離するのに要する時間として予め経験的に定められたものである。
【0035】
以上詳述した本実施形態の剥離細胞回収装置70によれば、トリプシンによって培養容器80の底面から早期に剥離する細胞やある程度時間が経過してから剥離する細胞を適切に分類分けして回収することができる。また、0才ドナー由来の細胞のように、トリプシンによって培養容器80の底面から早期に剥離した細胞と中程度の時間が経過してから剥離した細胞と長時間経過してから剥離した細胞との間に増殖能力に差があるような場合に、その増殖能力の差に応じて細胞を分取することができるため好ましい。
【0036】
なお、図4のフローチャートにおいて、必要に応じてステップS340のあとに更にトリプシン処理時間が所定時間となった時点で回収容器を更新してもよく、この更新操作を何度か繰り返し行ってもよい。こうすれば、トリプシン処理時間をより細分化して細胞を回収することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態や実施例について説明したが、本発明はこれらに何等限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の剥離細胞回収装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態の剥離操作プログラムのフローチャートである。
【図3】第2実施形態の剥離細胞回収装置の概略構成図である。
【図4】第2実施形態の剥離操作プログラムのフローチャートである。
【図5】培養細胞シートの製品化のフローである。
【符号の説明】
50…剥離細胞回収装置、51…支持台、51a…回動軸、52…注入管、53…ソレノイドバルブ、54…排出管、55…ソレノイドバルブ、56…電動シリンダ、57…制御装置、60…培養容器、61…接着依存性細胞、65…回収容器。

Claims (4)

  1. 接着依存性細胞が接着している培養容器に剥離剤を投入したあとの経過時間を計測する計時手段と、
    前記培養容器内の細胞を回収可能な細胞回収手段と、
    前記計時手段によって計測された前記経過時間に基づいて、前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に分類分けして回収させる分類回収制御手段と
    を備え、
    前記接着依存性細胞は、前記剥離剤を投入したあと剥離するまでの時間によって増殖能力に差があるものであり、
    前記分類回収制御手段は、前記計時手段によって計測された経過時間が予め定めた所定の初期時間に達したとき前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に接着能力や増殖能力の低くなった細胞群を含む初期分類として回収させ、その後前記経過時間が予め定めた所定の後期時間に達するまで前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に中期分類として回収させ、その後前記剥離剤によって前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を前記細胞回収手段に前記剥離剤との過度の接触による障害で活性の低下が引き起こされた細胞群を含む終期分類として回収させる
    剥離細胞回収装置。
  2. 請求項1記載の剥離細胞回収装置であって、
    前記培養容器内に新たな剥離剤を投入する剥離剤投入手段を備え
    前記分類回収制御手段は、前記経過時間が前記所定の時間に達するごとに、前記細胞回収手段に前記培養容器から剥離した接着依存性細胞を含む前記培養容器内の剥離剤を全量回収させたあと前記剥離剤投入手段に新たな剥離剤を前記培養容器へ投入させる
    剥離細胞回収装置。
  3. 請求項1記載の剥離細胞回収装置であって、
    前記培養容器内に新たな剥離剤を投入する剥離剤投入手段を備え
    前記分類回収制御手段は、前記剥離剤投入手段による新たな剥離剤の投入量と前記培養容器から剥離した接着性細胞を含む前記培養容器内の剥離剤が前記細胞回収手段へ流出する流出量とを前記培養容器内に当初の液量がほぼ維持されるように調節すると共に前記培養容器内に前記剥離剤が所定流量で流れるようにし、前記経過時間が前記所定の時間に達するごとに前記細胞回収手段を更新する、
    剥離細胞回収装置。
  4. コンピュータを、請求項1〜のいずれかに記載の剥離細胞回収装置の少なくとも前記分類回収制御手段として機能させるためのプログラム。
JP2002043550A 2002-02-20 2002-02-20 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム Expired - Fee Related JP4227339B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043550A JP4227339B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム
US10/224,497 US20030157714A1 (en) 2002-02-20 2002-08-21 Apparatus for collecting detached cells, method of the same, and program for the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043550A JP4227339B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003235541A JP2003235541A (ja) 2003-08-26
JP4227339B2 true JP4227339B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=27678416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002043550A Expired - Fee Related JP4227339B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20030157714A1 (ja)
JP (1) JP4227339B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4510425B2 (ja) * 2003-10-30 2010-07-21 静志 永森 三次元培養による細胞の培養方法
DE102004054125B4 (de) * 2004-11-08 2011-01-05 Minucells And Minutissue Vertriebs Gmbh Gradientenkammer zum Kultivieren und/oder Differenzieren von Zellen/Geweben
WO2007136073A1 (ja) 2006-05-22 2007-11-29 Nikon Corporation 細胞剥離判定装置、細胞剥離判定方法、および細胞培養装置
JP5078468B2 (ja) * 2007-07-03 2012-11-21 オリンパス株式会社 内視鏡
DE112007003608A5 (de) * 2007-08-09 2010-06-10 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung und Verfahren zum Ablösen von Zellen
JP6057214B2 (ja) * 2013-06-03 2017-01-11 株式会社日立製作所 培養容器、培養システム及び培養装置
JP7428866B2 (ja) * 2019-06-20 2024-02-07 シンフォニアテクノロジー株式会社 細胞回収方法及び細胞培養装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5985653A (en) * 1995-06-07 1999-11-16 Aastrom Biosciences, Inc. Incubator apparatus for use in a system for maintaining and growing biological cells
JP4402249B2 (ja) * 2000-03-31 2010-01-20 正仁 田谷 細胞培養方法、細胞培養装置及び記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003235541A (ja) 2003-08-26
US20030157714A1 (en) 2003-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Catala et al. Approaches for corneal endothelium regenerative medicine
JP6687757B2 (ja) 3d軟骨オルガノイドブロックを調製するための方法
JP5946046B2 (ja) ヒト角膜内皮細胞シート
JP4535645B2 (ja) 接着細胞選別装置、細胞増殖能評価装置、それらのプログラム及びそれらの方法
CN101611139A (zh) 利用微载体的产后来源的细胞的体外扩增
Schlüter et al. Adult ventricular cardiomyocytes: isolation and culture
JP6326827B2 (ja) 細胞培養装置および細胞培養方法
JP4227339B2 (ja) 剥離細胞回収装置、剥離細胞回収方法及びそのプログラム
WO2024007982A1 (zh) 一种用于细胞培养肉生产的微流控仿生纤维及其制备方法和应用
JP2005500860A (ja) 細胞のインビトロ増殖のための方法および装置
WO2007043255A1 (ja) 培養角膜内皮シート及びその作製方法
JP4095811B2 (ja) 剥離細胞選別装置、剥離細胞選別方法及びそのプログラム
Leak et al. Lymphatic endothelium isolation, characterization and long term culture
CN101748095B (zh) 一种定向诱导软骨细胞的方法
CN110684802A (zh) 一种诱导汗腺功能性修复的方法
Ajmal et al. Organ regeneration through stem cells and tissue engineering
CN101657536B (zh) 软骨细胞制备方法
JP4394376B2 (ja) 細胞増殖能評価装置及びその方法
JP2005237274A (ja) 細胞培養方法、チャンバ及びそれを利用した細胞培養装置
CN112553154A (zh) 一种用于维持脂肪间充质干细胞功能的改良增殖培养基
CN103893831A (zh) 一种器官型人工皮肤、其制备方法及应用
WO2021182633A1 (ja) 細胞培養物、細胞培養物の評価方法、細胞培養物の製造方法、及び軟骨様組織形成特性評価用マーカー
WO2006057444A1 (ja) 細胞の分化度自動診断方法
CN108486038A (zh) 一种构建脂肪干细胞膜片的方法及应用
CN109988743A (zh) 一种快速高效分离人胎盘羊膜上皮细胞的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080812

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4227339

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141205

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees