JP4226914B2 - 排版ボックス・排版装置・孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離された使用済みの孔版原紙(以下、「マスタ」という)を収容する排版ボックス、該排版ボックスが着脱自在に設けられる排版装置、該排版装置を有する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な印刷ドラム(版胴)の外周面に巻装し、印刷ドラム内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラあるいは版胴とほぼ同径の圧胴等の押圧手段でシート状記録媒体としての印刷用紙を印刷ドラムに連続的に押圧して、ドラム開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
印刷ドラムは、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。マスタは、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは大体1〜2μm程度のものが一般に用いられる)に、多孔質支持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方向に作動させ、搬送手段としてのプラテンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら穿孔製版するようになっている。
【0003】
印刷に供された使用済みのマスタは排版装置の例えば排版ローラ対により挟持され、印刷ドラムの外周面から剥離されて排版ボックス内に収容されるようになっている。
指定の印刷枚数が完了すると、使用済みのマスタは排版装置により自動的に剥離され、排版ボックスに収納される。排版ボックスは排版装置の装置本体に対して着脱自在に設けられ、収納枚数が所定枚数に達したことが検知され、あるいは検知手段により満杯が検知されると、オペレータが適宜排版ボックスを排版装置装置本体から取り外して使用済みのマスタを廃棄するようになっている。排版ボックスへの使用済みのマスタの収納効率を高めて廃棄作業の頻度を少なくするために、排版ボックス内で使用済みのマスタを機械的に強制圧縮することも行われている。
【0004】
排版ボックスは一般に合成樹脂で容器状に形成されており、排版装置の所定空間に挿入されて使用される。排版ボックスと排版装置との間には装着時に互いを係止状態にするロック機構が設けられており、任意に係止状態を解除できるようになっている。
ロック機構は、取手やフック及びこれらを排版装置の受部に弾性的に係合させるスプリングなどから構成されている。
しかしながら、このようなロック機構では、排版ボックスの着脱頻度が増えてくると経時的な部品の緩みによってスプリング等が外れて使用できなくなるという問題が生じたり、部品点数の多さによってコストが高くなるという問題があった。
【0005】
特開2002−96542号公報には、板状部材を断面U字上に形成してその上下面に排版装置の受部に係合する係合片を設け、U字形状の弾性変形を利用して係合させ、取り外すときは手で摘んでU字形状を圧縮して外す構造の排版ボックスが記載されている。全体形状としてはシート状部材を単にU字状に折り曲げた形状を呈している。
このような構成によれば機械的な動作をする箇所がなく、手動操作力を利用した単純な一体形成が可能であり、上述したような部品外れやコストの問題を解消できる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−96542号公報
【特許文献2】
特開2002−36701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−96542号公報に記載された排版ボックスは、排版ボックス全体を手の摘み力(把持力)で変形させる構成であるため、自ずとその大きさ及び強度(剛性)は限定され、且つ、両サイドは開放された形状とならざるを得ない。
このため、収納容量(貯容数)が極めて少なく、廃棄作業を頻繁に行わなければならない煩わしさがあった。排版ボックスの箱形状としての剛性が低いので、強制的な圧縮が十分にできず、収納容量を増やすことは困難であった。
また、両サイドが開放されているため、廃棄時にサイドから使用済みのマスタがはみ出して作業者や周囲へのインキ汚れを招く懸念があり、作業環境の観点からも問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、部品外れやコスト上昇の問題を解消できるとともに、十分な収納容量が得られ、廃棄作業時に使用済みのマスタがはみ出す虞のない排版ボックス、該排版ボックスを有する排版装置、該排版装置を有する孔版印刷装置の提供を、その主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置に着脱自在に設けられ、使用済みの孔版原紙を収容する排版ボックスにおいて、剛性を有する基本的形状を維持したまま一部分が弾性変形可能に設けられたボックス本体と、該ボックス本体の上記弾性変形可能な部分に一体に設けられ上記排版装置側の受部に係合する係合部を有し、上記弾性変形可能な部分を弾性変形させることにより上記係合部を上記受部に対して係合・離脱自在とし、上記ボックス本体に取手部が設けられ、該取手部に押圧力を加えることにより上記一部分が弾性変形し、上記ボックス本体の底面側の一部が2重構造に形成され、そのうちの内面側が上下方向に弾性変位可能に設けられてその自由端側に上記取手部が設けられ、外面側には上記係合部の出没用穴が形成され、上記取手部の近傍に固定取手部が設けられているとともにこれらの取手部は上記ボックス本体の着脱方向の手前側に設けられ、該固定取手部と上記取手部とを両者が近づくように把持することにより上記取手部に押圧力を付与する、という構成を採っている。
【0010】
請求項2記載の発明では、使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置において、請求項1記載の排版ボックスを有する、という構成を採っている。
【0011】
請求項3記載の発明では、使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置を有する孔版印刷装置において、上記排版装置が請求項2記載の排版装置である、という構成を採っている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における孔版印刷装置100の構成の概要を説明する。孔版印刷装置100は、図示しない原稿の画像を読み取る周知構成の画像読取装置(スキャナ)50と、該画像読取装置50によって読み取られた画像情報又は図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてマスタ8を製版するとともに給版する製版装置51と、印刷用紙Pを給紙する給紙装置52と、印刷ドラム1と、該印刷ドラム1から剥離された印刷用紙Pを吸引搬送する排紙搬送装置53と、該排紙搬送装置53により搬送された印刷用紙Pが排出収容される排紙トレイ54と、印刷ドラム1の外周面から使用済みのマスタ8を剥離する排版装置55等を有している。
【0027】
製版装置51において、マスタ8は芯材8bにロール状に巻成されており、芯材8bを介して図示しないホルダ部材に回転可能に支持されている。マスタ8の繰り出し方向下流には、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ10と、無数の発熱素子を有するサーマルヘッド11が設けられており、マスタ8は図示しない付勢手段により付勢されたサーマルヘッド11によりプラテンローラ10に押圧されている。
プラテンローラ10は図示しないステッピングモータにより時計回り方向に回転駆動され、これによりマスタ8がマスタロール8aから繰り出されるようになっている。さらに下流側には製版されたマスタ8を所定の長さに切断するギロチンタイプのカッター12が設けられている。カッター12は、上刃12aと下刃12bを有している。カッター12としては回転刃移動タイプを採用してもよい。
【0028】
カッター12の下流側には図示しない製版部側板に回転自在に支持された反転ローラ対13が設けられており、該反転ローラ対13は互いに圧接した状態に設けられている。反転ローラ対13はプラテンローラ10の周速より僅かに速い速度に設定されており、マスタ8との間で滑りながらマスタ8に適度な張力を付加するようになっている。反転ローラ対13の下流側には、製版されたマスタ8の先端部を後述するクランパ7に案内する湾曲したガイド板14が設けられている。
【0029】
図示しないが画像読取装置50の上部には原稿を分離搬送する自動原稿搬送装置(ADF)が設けられている。画像読取装置50はADFにより搬送された原稿を順次自動的に搬送しながら読み取ったり、ADFを用いずに図示しないコンタクトガラス面に載置された原稿を読み取ることができる周知の機能を有している。
印刷ドラム1は、多孔性支持円筒体1aの外周に図示しない樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンが複数層巻装された構成を有している。印刷ドラム1はインキパイプ5を支軸に回転自在に支持された図示しないフランジにその両端を固定され、図示しないギヤ等の駆動伝達手段により駆動力を伝達されて時計回り方向に回転駆動される。
印刷ドラム1の内部には図示しない側板がドラム軸方向に間隔をおいてインキパイプ5に固定されており、これらの側板間にはインキローラ2がその軸部を支持されて回転自在に設けられている。インキローラ2は図示しないギヤやベルト等の駆動伝達手段により印刷ドラム1と同期して同一方向に回転駆動される。
【0030】
インキローラ2の外周面と僅かに間隔をおいてドクターローラ3が設けられており、該ドクターローラ3は、インキローラ2とドクターローラ3との間に形成される楔状のインキ溜まり4のインキをインキローラ2の外周面に薄膜状に供給する。インキ溜まり4のインキは、図示しないインキ供給装置により印刷ドラム1の外部に設けられたインキパック等より吸引され、インキパイプ5の供給穴5aより滴下供給されてインキローラ2とドクターローラ3の回転により混練される。
印刷ドラム1の非開孔部表面には、印刷ドラム1の一つの母線に沿って、磁性体で形成され平坦面を有するステージ6が設けられている。ステージ6と平行にクランパ7が回動可能に支持されており、図示しない開閉装置によりクランパ7が所定位置で開閉される。クランパ7の閉じ動作によって製版装置51から供給された製版済みのマスタ8の先端部がステージ6との間で挟持される。印刷ドラム1は孔版印刷装置本体に対してその軸方向に上記インキパック等と一体のユニットで着脱可能となっている。
【0031】
図中印刷ドラム1の左側に配置された排版装置55は、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられた使用済みのマスタ(以下、「廃棄マスタ」ともいう)8dを挟持して剥離しながら引き込む排版ローラ対56を有している。排版ローラ対56は互いに圧接する排版ローラ上31と排版ローラ下33を有しており、これらのローラの軸部は図示しない排版ユニット側板に回転自在に支持されている。排版ローラ上31と排版ローラ下33はモータ等の図示しない駆動手段により互いに反対向きに回転駆動される。
排版ローラ対56は、印刷ドラム1の軸方向に間隔をおいて複数設けられており、各排版ローラ対56における排版ローラ上31の脇には該排版ローラ上31と同期回転する羽根車32が設けられている。
排版ローラ上31、羽根車32はニトリルゴムやシリコンゴム等の弾性体で形成されており、排版ローラ下33は外周面に歯形加工やローレット加工が施された合成樹脂で形成されている。すなわち、使用済みのマスタ8との接触面積を減じる構成となっており、使用済みのマスタ8の貼り付き防止機能が得られるようになっている。
【0032】
排版ローラ対56の左側には、上記排版ユニット側板間に一端側を回転可能に支持され矢印方向(上下方向)に回動する圧縮部材としての圧縮板34が設けられている。圧縮板34の自由端側は排版ローラ対56に近接した位置を通過して、排出された廃棄マスタ8dを押圧しながら後述する排版ボックス35の壁面に沿って移動し、排版ボックス35の奥部に廃棄マスタ8dを移動しながら圧縮収納するようになっている。圧縮板34は図示しないモータ等により所定のタイミングで駆動される。
排版ボックス35は排版装置本体37(図3参照)に対して着脱自在に設けられており、満杯になった廃棄マスタ8dを適宜廃棄できるようになっている。排版ボックス35は排版装置本体37に装着したとき、該排版装置本体37の一部をなす受け台36に係合し、抜け止めがなされる。
排版ローラ対56、圧縮板34、排版ボックス35、排版装置本体37等により排版装置55が構成されている。
【0033】
印刷ドラム1の下側には、印刷用紙Pを印刷ドラム1に押圧する押圧手段57が設けられている。押圧手段57は、図示しない孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されたアーム軸22aと、該アーム軸22aに一端側を固定されたプレスローラアーム対22と、該プレスローラアーム対22の他端側に軸部を支持されて回転自在に設けられたプレスローラ23を有している。
アーム軸22aの一端側には図示しないカムフォロアが設けられており、印刷ドラム1と同期して回転する図示しないカムに沿って図示しない付勢手段により印刷ドラム1に対して接離するようになっている。プレスローラ23は、印刷時以外は図示しない係止手段により印刷ドラム1から離間した実線で示す位置に保持されている。
【0034】
給紙装置52は、印刷用紙Pを積載収する昇降自在な給紙トレイ58と、印刷用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する分離給紙手段としての給紙コロ59、60及び分離コロ61と、分離給紙された印刷用紙Pを所定のタイミングで印刷ドラム1とプレスローラ23間の印圧部に搬送するレジストローラ対20を有している。
印刷ドラム1の左下側には、印刷ドラム1に近接して印刷用紙Pを印刷ドラム1の表面より剥離する回動自在な剥離爪62が設けられている。剥離爪62で剥離された印刷用紙Pは排紙搬送装置53の搬送ローラ63によりファン64の吸引力で吸着されながら搬送され、排紙トレイ54へ排出される。
【0035】
上記構成における孔版印刷装置100の印刷動作を説明する。
電源が投入されると、圧縮板34が時計回り方向に回転し、設定された図示しないセンサ位置まで動かなかったときは排版ボックス35内が廃棄マスタ8dで一杯になったと判断され、図示しない操作パネルの表示部に満杯の警告が表示される。この警告を受けてオペレータは排版ボックス35を排版装置本体37から引き出して外し、廃棄マスタ8dを捨て処理した後、空になった排版ボックス35を排版装置本体37の所定位置に装着する。図示しないセンサにより排版ボックス35の装着が検知されて排版処理が完了する。
【0036】
図示しないADFに原稿がセットされて、図示しない操作パネルのテンキー等により印刷枚数が入力設定される。スタートボタン等が押されること等によりスタート信号が出され、図示しない駆動モータにより印刷ドラム1が時計回り方向に回転し、クランパ7が排版ローラ対56に近接する所定位置に達するまで回転して停止する。
図示しない開閉手段によりクランパ7が二点鎖線で示すように開放され、同時に排版ローラ対56が回転して開放された廃棄マスタ8dの先端部を羽根車32の弾性羽根に接触させて排版ローラ上31と排版ローラ下33のニップ部に引き込む。
図示しない検知手段により廃棄マスタ8dの先端がニップ部に引き込まれたことが検知されると、印刷ドラム1が回転を再開し、廃棄マスタ8dは印刷ドラム1の回転と共に排版ローラ上31と排版ローラ下33間に挟持されて印刷ドラム1の表面から羽根車32等により排版ローラ上31との貼り付きを防止されながら剥離され、排版ボックス35内に蛇腹状に収納される。
【0037】
廃棄マスタ8dの剥離が完了すると、印刷ドラム1はクランパ7が給版位置に達するまで回転して停止し、その後図示しない開閉装置によりクランパ7が開放されて給版待機状態となる。
給版待機状態になると原稿が画像読取装置50に搬送され、CCD、A/D変換器、製版制御装置等を経由して画像情報に応じてサーマルヘッド11の発熱素子にパルス状に通電がなされる。サーマルヘッド11を主走査方向に作動させるとともに、図示しないステッピングモータが回転してプラテンローラ10及び反転ローラ対13等によりマスタ8を副走査方向に搬送しながら、マスタ8の感熱フィルムが加熱穿孔される製版が行われる。
ガイド板14によりマスタ8の先端部がステージ6とクランパ7との間に案内される。図示しないステッピングモータのステップ数などの情報によりマスタ8の先端部がクランパ7の挟持領域に到達したと判断されると、図示しない開閉装置によりクランパ7が閉じられ、挟持される。マスタ8の先端部の挟持と共に印刷ドラム1がマスタ8の搬送速度とほぼ同じ速度で回転を再開し、製版されたマスタ8の巻装が行われる。
【0038】
図示しないステッピングモータのステップ数より製版が終了したと判断されると、カッター12が作動してマスタ8が切断されると共に、プラテンローラ10及び反転ローラ対13等が停止し、切断されたマスタ8の後端が印刷ドラム1の回転により引き出されて印刷ドラム1へのマスタ巻装が完了する。
この給版・巻装動作と並行して排版装置55における圧縮板34が時計回り方向に回転し、蛇腹状に収納された廃棄マスタ8dを排版ボックス35の壁面に沿って移動させ、奥部へ押圧しながら廃棄マスタ8dを圧縮した状態で所定位置で停止する。所定時間後、圧縮板34は反時計回り方向に回転し、初期位置に復帰する。このとき、排版ボックス35は後述する係合爪35hにより排版装置本体37にロックされて抜けないようになっている。
【0039】
印刷ドラム1への製版済みのマスタ8の巻装が完了すると、給紙トレイ58から印刷用紙Pが1枚給紙され、所定のタイミングで回転するレジストローラ対20により印刷ドラム1とプレスローラ23との間に向けて搬送される。図示しない用紙センサにより印刷用紙Pの進入が検知されると、押圧手段57の図示しない係止手段が解除されることによりプレスローラ23が図示しないカムの回転に沿って上昇し、印刷ドラム1に印刷用紙Pを押圧し、マスタ8にインキを充填する版付けが行われる。
印刷用紙Pは、印刷ドラム1に接近・離間する剥離爪62により印刷ドラム1の表面から剥離され、排紙搬送装置53等により搬送されて排紙トレイ54に排出積載される。その後、設定された枚数の印刷が同じ動作で行われる。
【0040】
次に、図2及び図3に基づいて排版ボックス35の形状及び排版装置本体37に対する着脱構成等を説明する(第1の参考例)。
図2に示すように、排版ボックス35は、廃棄マスタ8dを収容可能な容器状(箱形状)に合成樹脂で形成されており、上面35a、底面35b、着脱方向(矢印X方向)手前側の前面(操作面)35c、側面35d、開口部35e等を有している。これらの要素によりボックス本体35Aが構成されている。
底面35bの着脱方向奥側部35b−1は湾曲形状を有しており、水平部35b−2(N位置から手前側の部分)は両側面35dと分離されている。水平部35b−2の手前側端部には前面35cの一部をなす側壁35c−1が連続して立ち上げられており、側壁35c−1の上端部には凸状の取手部35fが一体に設けられている(一体成形の概念を含む。以下、同じ)。取手部35fの上方近傍には、凸状の固定取手部35gが前面35cに一体に設けられている。
【0041】
底面35bの水平部35b−2及び側壁35c−1は側面35dと分離されているので、上下方向への弾性変形(弾性変位)が可能であり、これに一体に設けられた取手部35fは固定取手部35gに対して可動取手部ということができる。
水平部35b−2の下面には、受け台36の受部36aに係合する係合部としての鋸歯状の係合爪35hが一体に設けられている。係合爪35hは、受部36aに係合する垂直辺35h−1と、着脱方向奥側へ向かって緩やかに低くなる斜辺35h−2を有している。排版ボックス35の装着時には先端部を挿入した後、前面35cを押圧するだけで斜辺35h−2の形状によって水平部35b−2が弾性変位して滑らかに挿入され、受部36aに対応する所定位置に達すると水平部35b−2が弾性復帰して受部36aに係合爪35hが係合する。
【0042】
図3(図1の矢印M方向から見た図)に示すように、取手部35f及び固定取手部35gは排版ボックス35の幅方向(着脱方向に直交する水平方向)に延びる長さを有しており、係合爪35hは同方向両側に設けられている。
排版ボックス35を排版装置本体37から取り外す場合には、例えばR1、R2位置においてそれぞれ右手、左手で取手部35fと固定取手部35gとを両者が近づくように把持する。この把持による押圧力により取手部35fは上方に変位し、図2で示したように受部36aから係合爪35hが外れる。
このとき、取手部35fが上方に変位することによりボックス本体35Aの内面である前面35cや側壁35c−1に貼り付いた廃棄マスタ8dが剥がされ、また、水平部35b−2が上方に変位(反る)ことにより、ボックス本体35Aの下面に貼り付いた廃棄マスタ8dが剥がされる。この状態で引き出すことにより排版ボックス35を排版装置本体37から取り外すことができる。
取手部35f等により排版ボックス35内の廃棄マスタ8dが一部内面から分離しているので、排版ボックス35を取り外して廃棄マスタ8dを廃棄するときの廃棄作業が容易となる。
【0043】
底面35bの水平部35b−2と側壁35c−1が側面35dから分離されているだけであるので、排版ボックス35は全体的には剛性を有する基本的形状(容器形状)を維持することができ、圧縮板34による強制圧縮にも十分耐えられる強度を有している。ここで、剛性とは、材質的なものではなく構造的剛性の意味合いである。
【0044】
次に、図4に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、上記参考例と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の参考例において同じ)。
上記参考例のように底面35bの水平部35b−2を側面35dから分離した構成とした場合、廃棄マスタ8dが圧縮されたときに分離領域の隙間から廃棄マスタ8dがはみ出して底面側からインキが漏れ落ちて装着部位を汚損する懸念がある。
本実施形態ではこのような問題を解消することを目的としている。図4に示すように、底面35bの内面には上記幅方向に延びる凸部35iが形成されており、この凸部35iに着脱方向奥側端部を保持されて内側底面35jが設けられており、この内側底面35jに側壁35c−1が連続して立ち上げられている。内側底面35jはボックス本体35Aと同じ剛性樹脂で形成されており、その下面に係合爪35hが一体に設けられている。
【0045】
すなわち、ボックス本体35Aの底面側の一部が2重構造に形成され、そのうちの内面側が上下方向に弾性変位可能に設けられている。
2重構造の外面側となる本来の底面35bの係合爪35hに対応する部位には係合爪35hの出没用穴35b−3が設けられている。
固定取手部35gと取手部35fを把持すると、内側底面35jが上方に弾性変位し、係合爪35hと受部36aとの係合が解除される。
底面側の開口部は小さくて狭い出没用穴35b−3のみとなるので、インキ漏れが極力抑制される。
【0046】
図5に第2の参考例を示す。本参考例では、ボックス本体35Aの着脱方向の手前側に左右方向に間隔をおいて取手部としての固定取手部35kが2つ設けられ、ボックス本体35Aの左右側面35dには排版装置本体37の図示しない受部に係合する係合部としての係合爪35lが設けられている。
また、ボックス本体35Aの左右側面35dには、左右側面35が所定箇所を基準に変形し易いように、内方に突出して上下方向に延びる凹部35mが形成されている。各固定取手部35kをそれぞれ片手で持って両者が近づくように押圧することにより、二点鎖線で示すように、凹部35mを基準にボックス本体35Aの左右側面35dが弾性変形し、係合爪35lと受部との係合が解除される。
凹部35mの形成部位に他の部位よりも厚みの小さい薄肉部を形成しても、左右側面35dが所定箇所を基準に変形し易い機能を得ることができる。
【0047】
図6及び図7(図6のY−Y線での断面図)に第3の参考例を示す。図5で示した参考例ではボックス本体35Aの側面35d全体に固定取手部35kによる押圧力を及ぼして弾性変形させる構成であるので、幾分大きな押圧力を必要とする。
本参考例では、側面係合方式において小さな押圧力で着脱操作を可能とすることを目的としている。
図6に示すように、側面35dの一部35d−1がスリット35nにより分離されており、その自由端部に取手部35pが一体に設けられている。図7に示すように、側面35dの一部35d−1の外面には排版装置本体37の図示しない受部に係合する係合部としての係合爪35lが設けられている。取手部35pの左右方向近傍には、前面35cに固定取手部35qが一体に設けられている。
各取手部35pと固定取手部35qとをそれぞれの手で把持することにより、二点鎖線で示すように、側面35dの一部35d−1が容易に弾性変位し、係合爪35lと受部との係合が解除される。
【0048】
図8に示すように、上面35aに係合爪35hを一体に設けてその近傍から取手部35gまでを側面35dから分離して可動部としてもよい。この場合、取手部35fは固定取手部となる(第4の参考例)。
また、図9に示すように、固定取手部35gと取手部35fを把持してボックス本体35Aを弾性変形させ、ボックス本体35Aの底面35bに設けられた係合爪35hと上面35aとの間の高さが排版装置本体37の挿入口の高さよりも低くなるようにしてもよい(第5の参考例)。符号35a―1は挿入を円滑にするための斜面である。本参考例の場合、取手部35f及び固定取手部35gの双方が変位する。
【0049】
上記各参考例及び実施形態では、取手部35f、固定取手部35gを凸状に形成したが、図10及び図11に示すように、手の指が入る大きさの長穴形状としてもよい(第6の参考例)。このようにすれば、ボックス本体34Aからの凸状要素を低減できるので、取手部に作業服を引っ掛けるなどの事故の防止に寄与できる。ボックス本体35Aの内部に指を入れることになるので、インキで汚れる心配があるが、廃棄処理では一般的にゴム手袋等を使用するので問題はない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、部品はずれやコスト上昇の問題を解消できる。また、排版ボックス全体的の剛性を有する基本的形状を維持することができ、強制圧縮にも十分耐えられるので廃棄頻度を少なくできる。また、少ない労力で着脱操作を容易に行うことができるとともに、インキ漏れによる装着部位の汚損を抑制できる。
また、着脱操作面に取手部が存在するので、係合部の外し操作とボックス本体の引き出し操作を同一面側ででき、着脱操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】 第1の参考例における排版ボックスの概要断面図で、係合爪を外した状態を示す図である。
【図3】 第1の参考例における排版ボックスの概要側面図である。
【図4】 本発明の実施形態における排版ボックスの概要断面図である。
【図5】 第2の参考例における排版ボックスの概要平面図である。
【図6】 第3の参考例における排版ボックスの概要正面図である。
【図7】 図6のY−Y線での概要断面図である。
【図8】 第4の参考例における排版ボックスの概要断面図である。
【図9】 第5の参考例における排版ボックスの概要断面図である。
【図10】 第6の参考例における排版ボックスの概要断面図である。
【図11】 第6の参考例における排版ボックスの概要側面図である。
【符号の説明】
1 印刷ドラム
8d 使用済みの孔版原紙としての廃棄マスタ
35 排版ボックス
35A ボックス本体
35b−3 出没用穴
35d 側面
35f 取手部
35g 固定取手部
35m 凹部
36a 受部
55 排版装置
Claims (3)
- 使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置に着脱自在に設けられ、使用済みの孔版原紙を収容する排版ボックスにおいて、
剛性を有する基本的形状を維持したまま一部分が弾性変形可能に設けられたボックス本体と、該ボックス本体の上記弾性変形可能な部分に一体に設けられ上記排版装置側の受部に係合する係合部を有し、上記弾性変形可能な部分を弾性変形させることにより上記係合部を上記受部に対して係合・離脱自在とし、
上記ボックス本体に取手部が設けられ、該取手部に押圧力を加えることにより上記一部分が弾性変形し、
上記ボックス本体の底面側の一部が2重構造に形成され、そのうちの内面側が上下方向に弾性変位可能に設けられてその自由端側に上記取手部が設けられ、外面側には上記係合部の出没用穴が形成され、
上記取手部の近傍に固定取手部が設けられているとともにこれらの取手部は上記ボックス本体の着脱方向の手前側に設けられ、該固定取手部と上記取手部とを両者が近づくように把持することにより上記取手部に押圧力を付与することを特徴とする排版ボックス。 - 使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置において、
請求項1記載の排版ボックスを有することを特徴とする排版装置。 - 使用済みの孔版原紙を印刷ドラムより剥離する排版装置を有する孔版印刷装置において、
上記排版装置が請求項2記載の排版装置であることを特徴とする孔版印刷装置。
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