JP4226201B2 - 帯電装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光導電性を有する感光体等の静電潜像担持体の光導電性部分に電圧印加部材を接触させて持続電荷を担持させる帯電装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置である複写機,プリンタ,ファクシミリ等では、静電潜像担持体である感光体の表面に静電潜像を形成するのに先立って、その静電潜像担持体を色々な方法で均一に帯電させている。
その帯電方法で主流となっているのは、コロナ放電を利用したものである。しかしながら、このコロナ放電によるものは放電時に多量のオゾンが発生すると共に、4〜10kV程度の高圧電源を必要とするという欠点があった。
【0003】
また、コロナ放電による帯電装置の場合には、窒素酸化物(以下NOxと称する)などの放電生成物が生成され、それが画像形成に悪影響を与えてしまうということもあった。
すなわち、帯電動作を開始させることにより放電が発生し、それによりNOxが形成されると、そのNOxが空気中の水分と反応して硝酸が生成されると共に、金属と反応して金属硝酸塩が生成される。
【0004】
その硝酸または硝酸塩が薄い膜になって静電潜像担持体の表面に付着すると、高湿環境下では画像が流れたような異常画像になる。これは硝酸や硝酸塩が吸湿することで低抵抗となり、静電潜像担持体の表面の静電潜像が壊れてしまうためである。
【0005】
そこで、近年ではコロナ放電による帯電器に代わる帯電装置として、接触帯電部材を感光体等の静電潜像担持体の表面に接触させた状態で帯電を行う接触帯電式の帯電装置が実用化されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように接触帯電部材を感光体等の静電潜像担持体の表面に接触させた状態で帯電を行う接触帯電式の帯電装置でも、その接触帯電部材から感光体への放電現象を利用して感光体を帯電させるため、帯電に必要とされる電圧は感光体の表面電位以上の値が必要である。
そのため、放電時に微量ではあるが、やはりオゾンが発生するということがあった。そうかといって、オゾンの発生を抑えるために接触帯電部材に印加する電圧を小さくすれば、感光体上に高精細の潜像を形成するために必要な帯電電位に感光体を帯電することができなくなってしまう。
【0007】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電時の放電現象によるオゾンの発生を防止し、静電潜像担持体の表面に低抵抗物質(放電生成物)が付着することに起因する画像ボケを防ぎ、静電潜像パターンの鮮鋭度を保って高精細の画像形成ができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、光導電性を有して移動する静電潜像担持体の光導電性部分に電圧印加部材を接触させた状態でその電圧印加部材に電圧を印加することにより静電潜像担持体に持続電荷を担持させる帯電装置を、次のように構成する。
【0009】
すなわち、上記静電潜像担持体の光導電性部分に光を照射してその静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させ、その光導電性部分の上記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値をその電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にする電気抵抗減少手段を設け、上記静電潜像担持体の光導電性部分の上記電気抵抗減少手段により光照射されて電気抵抗が低減された第1の部分と、該第1の部分に対して上記静電潜像担持体の移動方向下流側に位置し、暗順応していて上記第1の部分の電気抵抗よりも大きな電気抵抗の第2の部分とに、上記電圧印加部材を同時に接触させる。
そして、上記静電潜像担持体の暗抵抗をR D としたとき、上記第1の部分の電気抵抗はR D 1 −e −1 ) 未満であり、上記第2の部分の電気抵抗はR D 1 −e −1 ) 以上であり、上記電圧印加部材に電圧を印加して上記光導電性部分の電圧印加部材と接触する部分を電荷注入により帯電させるように構成する。
【0010】
上記静電潜像担持体の光導電性部分における上記第2の部分以降で、静電潜像形成用の露光を行う位置よりも上記静電潜像担持体の移動方向上流側の領域に照射する光量を、暗順応時の上記静電潜像担持体の帯電電位を1/10低下させる光量以下にするとよい。
【0011】
また、上記第1の部分と第2の部分にそれぞれ接触させている上記電圧印加部材の部分は、それらが静電潜像担持体の移動方向に連続しているか、1mm以下の間隔に並べて配置するとよい。
【0012】
上記電圧印加部材が光透過性部分を有するようにし、上記電気抵抗減少手段が、光をその電圧印加部材を透過させて上記静電潜像担持体の光導電性部分の電圧印加部材と接触する上記第1の部分に照射して、上記静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させるようにすることもできる。
【0013】
【0014】
また、上記電気抵抗減少手段を、上記静電潜像担持体の光導電性部分に400nmを超える波長の光を照射して上記静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させ、その光導電性部分の上記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を、その電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にする手段にするとよい。
【0015】
さらに、上記静電潜像担持体が導電性ベース層の外側に上記光導電性部分を有しており、その光導電性部分の上記導電性ベース層に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値にあるときに上記電圧印加部材に電圧を印加して帯電するようにするとよい。
【0016】
また、上記静電潜像担持体の光導電性部分の上記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を、静電潜像担持体に上記電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値となる1×1011Ω・cm未満にするとよい。
さらに、上記電気抵抗減少手段が静電潜像担持体の光導電性部分に照射した光が静電潜像担持体と上記電圧印加部材との接触終了位置から静電潜像担持体の移動方向下流側へ洩れるのを低減する遮光部材を設けるとよい。
この発明による画像形成装置は、導電性ベース層の外側に光導電性部分を有し、光導電性を有して移動する静電潜像担持体と、上記いずれかの帯電装置とを備えたことを特徴とする。
そして、上記静電潜像担持体の表面の画像パターン露光位置での体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値を維持するようにするのが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明を実施する帯電装置を備えた画像形成装置の作像部を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、光導電性を有して矢示A方向に回転移動する静電潜像担持体である感光体ドラム1を作像部に設けている。
【0018】
その感光体ドラム1の回りには、感光体ドラム1の厚み方向の電気抵抗を低減させる電気抵抗減少手段である露光ユニット2と、その露光ユニット2により抵抗を低減させた感光体ドラム1上の光導電性部分に接触するローラ状の電圧印加部材である接触帯電部材3と、その接触帯電部材3により帯電された感光体ドラム1の帯電面を露光して静電潜像を形成する静電潜像パターン露光系4と、その静電潜像を現像してトナー像(顕像)を形成する現像ユニット5と、そのトナー像を転写紙7に転写する転写ローラ6と、トナー像を転写した後に感光体ドラム1上に残った残存トナーをクリーニングするクリーニングユニット8とを、それぞれ配接している。
【0019】
この画像形成装置は、作像時には感光体ドラム1が矢示A方向に回転し、その周面が露光ユニット2により厚み方向の電気抵抗が所定の抵抗に低減され、その面が図示しない電圧印加部材用電源により電圧が印加される接触帯電部材3により、後述する電荷注入が行なわれて一様に帯電される。
そして、その帯電面に、所定のタイミングで静電潜像パターン露光系4から光が照射されることにより書き込みが行われ、そこに静電潜像が形成される。
その潜像は、感光体ドラム1が矢示A方向に回転することにより現像ユニット5の位置まで移動され、そこで現像ローラ13によりトナーが付着されてトナー像(顕像)となる。
【0020】
一方、図示しない給紙装置から転写紙7が給紙され、それがレジストローラ対14で一旦停止されて、その転写紙7の先端と感光体ドラム1上の画像の先端とが一致する正確なタイミングで、感光体ドラム1と転写ローラ6との間の転写位置へ搬送され、そこで感光体ドラム1上のトナー像が転写紙7に転写される。
【0021】
その転写紙7は、感光体ドラム1から分離されて定着ユニット9へ搬送され、そこでトナー像が定着され、その後は装置本体の外部に設けられている排紙トレイ等に排出される。
そして、感光体ドラム1上に残った残存トナーは、クリーニングユニット8によりクリーニングされ、再び次の作像工程に移る。
【0022】
接触帯電部材3は、感光体ドラム1と感光体回転方向の長さL1で接触しており、その間で感光体ドラム1の厚み方向の電気抵抗RXは、RD(1−e-1)未満からRD(1−e-1)以上(図2参照)と大きく変化するようにしている。
ここでRXは、感光体ドラム1の露光ユニット2による光照射位置と同一箇所又はその位置よりも感光体ドラム1の移動方向(矢示A方向)に僅かにずれた位置での電気抵抗であり、RDは感光体ドラム1の暗抵抗である。
【0023】
すなわち、感光体ドラム1の厚み方向の電気抵抗は、図2に示す線図のように、露光ユニット2が照射する光の強度により変化する。したがって、感光体ドラム1の接触帯電部材3が接する長さL1の領域内で露光ユニット2が照射した光の強度が異なるようにすることにより、電気抵抗RXがRD(1−e-1)未満からRD(1−e-1)以上に大きく変化するようにしている。
【0024】
具体的には、感光体ドラム1上の露光ユニット2により光照射されて電気抵抗がRD(1−e-1)未満に低減された第1の部分11と、その第1の部分11に対して感光体ドラム1の移動方向下流側(図1で右方側)に位置し、暗順応していて第1の部分11の電気抵抗よりも大きな電気抵抗であるRD(1−e-1)以上の第2の部分12とに、接触帯電部材3を同時に接触させている。
【0025】
このように、略狙いの帯電電位レベル(例えば400〜800ボルトレベルであって、コロナ放電器と比較すると大幅に低い印加電圧レベル)にある接触帯電部材3が、略零ボルトの状態にある感光体ドラム1と第1の部分11から接触を開始するが、その第1の部分11の接触開始位置は露光ユニット2の光照射による抵抗低減効果により電気抵抗が低減されているので、放電現象によるオゾン発生を抑えることができる。
【0026】
また、接触帯電部材3の接触が終了する位置(第2の部分12における感光体ドラム1の移動方向下流側)では、感光体ドラム1の厚み方向の電気抵抗は暗順応していて高まっているので、静電潜像パターン露光系4による光照射で得る潜像電荷は、感光体ドラム1の感光層縁面方向に拡散しない。したがって、高精細で鮮明な画像が得られる。
【0027】
なお、図2の線図において縦軸は、感光体ドラム1の厚み方向の電気抵抗R(Ω)のlog値を示しており、各値は次のようになる。
logRD=12
log[RD(1−e-2)]=11.84…RD(1−e-2)=0.865×1012Ω
log[RD(1−e-1)]=11.80…RD(1−e-1)=0.632×1012Ω
log[RD・e-1]=11.57 …RD・e-1=0.368×1012Ω
log[RD・e-2]=11.13 …RD・e-2=0.135×1012Ω
【0028】
また、図2では横軸を光強度で示したが、そこに照射時間を乗ずれば照射光量になる。なお、測定は所定光強度光を一定時間照射した後測定すると、測定値の再現性がよい。
また、図2に示した抵抗特性は、感光体の種類によって一様ではない。同時露光帯電であっても与える光が微弱な光の場合は帯電後の光照射を止めると潜像形成に充分な帯電電位を維持できる。
【0029】
図3は感光体ドラムの厚み方向の電気抵抗を測定する装置の一例を示す概略図である。
この測定装置は、透明支持層15の下面に取り付けられた所定面積Sの透明性導電電極16を、感光体17の導電層17aの外側に形成されている感光層17bに密着させ、その状態で帯電用露光波長分布に類似の波長分布光を透明支持層15を通して感光体17に照射しながら感光体17の厚み方向に電圧を印加して、その抵抗を抵抗計18により測定する。
【0030】
この画像形成装置では、過大電流によるリークを防止するためには接触帯電部材3の抵抗を102Ω以上にするとよい。また、感光体ドラム1の絶縁破壊を防止するためには、感光体ドラム1の絶縁耐圧電圧(有機感光体では通常感光体圧1μm当30ボルト程度)一杯ではなく、高々90%レベルに接触帯電部材3の接触部電圧を抑制するとよい。
なお、この実施の形態では、接触帯電部材3の体積固有抵抗率を1014Ω・cm以下にしている。
【0031】
また、この画像形成装置では、図1に示した暗順応していて第1の部分11の電気抵抗よりも大きな電気抵抗の第2の部分12以降で、静電潜像パターン露光系4が静電潜像形成用の露光を行う画像パターン露光位置aよりも感光体ドラム1の移動方向上流側の領域に露光ユニット2が照射する光量を、暗順応時の感光体ドラム1の帯電電位を1/10低下させる光量以下にしている。
すなわち、図4に露光ユニット2による照射光量と感光体ドラム1上における帯電電位の減衰特性を示すように、感光体ドラム1上の帯電電位は露光ユニット2の照射光量が増すと図示のように低下(絶対値が小さくなる)する。
【0032】
そこで、この実施の形態では、露光ユニット2が、第2の部分12以降で画像パターン露光位置aよりも感光体ドラム1の移動方向上流側の領域に照射する光量を、照射光量が零(ゼロ)の時の感光体ドラム1上の帯電電位となる暗順応時の−500V(感光体の暗中絶縁耐電圧VS−MAXの(1−e-2)×100%(VD))に対して、その帯電電位を1/10(VL)、すなわち−50V落とす照射光量以下にしている。
そうすることにより、帯電終了から潜像パターン露光迄に照射する光量を極力抑えることができるので、感光体ドラム1上の帯電電位の落ち込みを極力抑えて良好な画像を得ることができる。
【0033】
ところで、この画像形成装置は、接触帯電部材3により帯電して持続電荷を担持させた感光体ドラム1の光導電性部分(表面の部分)の電気抵抗RXEが図5に示す感光体厚み方向の抵抗のlogでRXE≧RD(1−e-2)になる位置を、静電潜像パターン露光系4が静電潜像形成用の露光を行なう前述した画像パターン露光位置a(図1参照)としている。
【0034】
したがって、露光ユニット2による露光位置から画像パターン露光位置aまでの距離L2(その間の経過時間は感光体速度をvとするとL2/v)は、感光体ドラム1の光導電性部分の電気抵抗RXEが図5に示したRXE≧RD(1−e-2)になる長さ以上に設定してあるので、感光体ドラム1が画像パターン露光位置aに達するまでに暗順応して未露光部が充分な高抵抗を維持することができる。
したがって、静電潜像パターン露光系4の露光によって得られる潜像電荷は感光層縁面方向に拡散しない。そのため、高精細で鮮明な画像を形成することができる。
【0035】
このように、感光体ドラム1上の露光された帯電面は、図5に示したように光照射遮断後(暗中放置後)の経過時間に応じて感光体の厚み方向の抵抗は高化回復を示す。そして、図示のように一定時間経過すると、その感光体厚み方向の抵抗はlogでRXE≧RD(1−e-2)まで充分高くなるので、静電潜像パターン露光系4による露光で得る潜像電荷は感光層縁面方向に拡散しなくなる。
【0036】
図6は感光体ドラムの第1の部分と第2の部分に接する部分が回転方向に連続して形成されている接触帯電部材の例を示す概略図である。
この接触帯電部材23は、感光体ドラム1の露光ユニット2により光照射されて電気抵抗が低減された第1の部分( X <R D (1−e -1 となる部分)11に接触させる第1帯電部材23aと、その第1の部分11に対して感光体ドラム1の回転方向下流側に位置し、暗順応していて第1の部分11の電気抵抗よりも大きな電気抵抗の第2の部分(RX≧RD(1−e-1)となる部分)12に接触させる第2帯電部材23bを、図示のように感光体ドラム1の回転方向に連続させている(あるいは1mm以下の微小間隔で配置するようにしてもよい)。
【0037】
その第1帯電部材23aと第2帯電部材23bは、共にブラシ状の帯電部材であり、それぞれブラシの先端が感光体ドラム1の表面の光導電性部分に接している。
そして、その第1帯電部材23aは、光透過性の導電性支持部材24によりブラシの後端側が固定支持されている。
また、第2帯電部材23bも導電性支持部材25によりブラシの後端側が固定支持されており、その導電性支持部材24と25の間に板状の遮光部材26を固定している。
【0038】
そして、露光ユニット2を光透過性の導電性支持部材24の上方に固定配置し、その露光ユニット2から照射した光が導電性支持部材24を透過して感光体ドラム1の光導電性部分に当たるが、その感光体ドラム1の遮光部材26により仕切られた図6で右側の部分には、露光ユニット2からの光が殆ど当たらないようにしている。
【0039】
このように構成することにより、前述した感光体ドラム1上の露光ユニット2により光照射されて電気抵抗がRD(1−e-1)未満に低減された第1の部分11と、その第1の部分11に対して感光体ドラム1の移動方向下流側(図6で右方側)に位置し、光照射による抵抗低減効果が薄れることにより暗順応していて第1の部分11の電気抵抗よりも大きな電気抵抗であり、接触帯電に必要なレベルの電気抵抗RD(1−e-1)以上になる第2の部分12とを形成できるようにしている。
【0040】
図7は感光体ドラム上の残存トナーを除去する部材を兼ねる接触帯電部材の例を示す概略図である。
この接触帯電部材33は、共にブレード状の第1帯電部材33aと第2帯電部材33bとからなり、その第1帯電部材33aと第2帯電部材33bのそれぞれ先端下側のエッジ部分を感光体ドラム1の表面の光導電性部分に摺接させるようにしている。
【0041】
その第1帯電部材33aは、光透過性の材質で形成された帯電部材であり、その下側の面には板状の遮光部材36を介して第2帯電部材33bを一体に固定している。そして、露光ユニット2を、そこから照射した光が第1帯電部材33aの先端付近の感光体ドラム1上に照射される位置にしている。
【0042】
したがって、その露光ユニット2から照射した光は、遮光部材36の先端より図7で左側の部分の感光体ドラム1上には十分に当たるが、その感光体ドラム1の遮光部材36により仕切られた図7で右側の部分には殆ど当たらない。
この接触帯電部材33を使用すれば、それが感光体ドラム1上の残存トナーを除去する部材としても兼ねるので、その感光体ドラム1上に付着した残存トナーや紙粉等の異物が帯電部内に侵入するのを防ぐことができるため、帯電性能が安定する。
【0043】
次に、この発明の参考例について説明する。
図8は微弱光を感光体ドラムに照射することにより接触注入帯電に適したレベルに感光体ドラムの光導電性部分の電気抵抗を制御しながら接触帯電を行う例を示す概略図である。
感光体の抵抗変化特性にも左右されるが、一般的に光導電性を有する感光体の光導電性部分に光照射したときの光導電性部分の電気抵抗RWEと暗抵抗RD の関係がRD(1−e-1)≦RWE≦RD(1-e-2) となる強さの光を照射しながら、接触帯電部材を静電潜像担持体に接触させてその静電潜像担持体を帯電させるとよい。
【0044】
そのため、この参考例では、接触帯電部材43を、光透過性のブレード状の帯電部材43aと、その略半分以上を遮光する大きさに形成されて帯電部材43aの後端側(図8で右方側)に固定された遮光部材43bと、その遮光部材43bの後端側に固定されて遮光部材43bと帯電部材43aとを支持する支持部材43cとにより構成している。
【0045】
そして、その接触帯電部材43の帯電部材43aの先端側の遮光部材43bが固定されていない部分に、露光ユニット2から照射した光が当たるように露光ユニット2を配置している。
それにより、露光ユニット2から照射した光により、感光体ドラム1の光導電性部分の電気抵抗RWEと暗抵抗RDの関係がRD(1-e-1)≦RWE≦RD(1-e-2)になるようにしている。
【0046】
図9は図8の参考例と同様に微弱光を感光体ドラムに照射して接触注入帯電するのに適したレベルに感光体ドラムの電気抵抗を制御しながら接触帯電を行うようにした参考例を示す概略図である。
この参考例で使用する接触帯電部材53は、光透過性の導電性支持部材53aにブラシ状の帯電部材53bを植設している。そして、その導電性支持部材53aの右端部(感光体ドラム1の回転方向下流側)に板状の遮光部材56を固定している。
【0047】
そして、露光ユニット2を光透過性の導電性支持部材53aの上方に固定配置し、その露光ユニット2から照射した光が導電性支持部材53aを透過して感光体ドラム1の光導電性部分に当たるようにし、その感光体ドラム1の遮光部材56により仕切られた図9で右側の部分には、露光ユニット2からの光が殆ど当たらないようにしている。
そうすることによって、露光ユニット2から照射した光により、感光体ドラム1の光導電性部分の電気抵抗RWEと暗抵抗RDの関係がRD(1-e-1)≦RWE≦RD(1-e-2)になるようにしている。
【0048】
以上、この発明の各実施の形態と参考例について説明したが、図6の実施の形態において第1帯電部材23aと第2帯電部材23bに、また図7の実施の形態において第1帯電部材33aと第2帯電部材33bに、それぞれ同一の電圧印加部材用電源により電圧を印加するようにするとよい。
【0049】
次に、この発明の実施の形態として、光体ドラム1′の光導電性部分に400nmを超える波長の光を照射して感光体ドラム1′の厚み方向(径方向)の電気抵抗を低減させる電気抵抗減少手段である露光ユニット2′を設けた帯電装置と、それを備えた画像形成装置について、図10を参照して説明する。
なお、図10において図1と対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
この実施の形態による画像形成装置は、図1で説明した画像形成装置に対して、露光ユニット2′が400nmを超える波長の光を感光体ドラム1′の表面の光導電性部分に照射して、その感光体ドラム1′の厚み方向(径方向)の電気抵抗を低減させるようにしている点が異なる。
【0051】
そして、この画像形成装置は、静電潜像担持体である感光体ドラム1′の光導電性部分の電圧印加部材である接触帯電部材3と接触する部分(L1で示す部分)の体積固有抵抗値が、その感光体ドラム1′に接触状態にある接触帯電部材3により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、光導電性部分の導電性ベース層(感光体ドラム1′の回転中心側にある)に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗にあるときに接触帯電部材3に電圧を印加して帯電するようにしている。
なお、ここで電荷注入が可能な体積固有抵抗値とは、例えば1×1011Ω・cm未満の抵抗値である。
【0052】
この画像形成装置の帯電装置も図1で説明した画像形成装置と同様に、感光体ドラム1′の略零ボルトの状態にある部分が、例えば400〜800ボルトレベルであって、コロナ放電器と比較すると大幅に低い印加電圧レベルにある接触帯電部材3と第1の部分11から接触を開始する。
そして、この接触開始位置では、感光体ドラム1′の光導電性部分は露光ユニット2′から照射された400nmを超える波長の光による抵抗低減効果により電気抵抗が電荷注入が可能な体積固有抵抗値まで低減されているので、接触帯電部材3により電荷注入帯電が行なわれ、放電現象によるオゾン発生を防止することができる。
【0053】
なお、過大電流によるリークを防止するためには、接触帯電部材3の抵抗を103Ω以上の抵抗にすることが効果的である。
また、接触帯電部材3の感光体ドラム1′との接触部電圧は、感光体ドラム1′の絶縁破壊を防止するために、感光体ドラム1′の絶縁耐圧電圧(有機感光体では通常感光体圧1μm当たり30ボルト程度)に対して一杯に設定するのではなく、絶縁耐圧電圧の90%程度に抑制することが望ましい。
【0054】
この画像形成装置においても、接触帯電部材3の接触が終了する位置(第2の部分12における感光体ドラム1′の移動方向下流側)bでは、感光体ドラム1′の厚み方向の電気抵抗は高まっている。
そのため、露光ユニット2′による露光位置から画像パターン露光位置aまでの距離 L2(その間の経過時間は感光体速度をvとするとL2/v)が充分長いと、感光体ドラム1′が暗順応して未露光部は充分な高抵抗を維持しているので、静電潜像パターン露光系4による光照射で得る潜像電荷は、感光体ドラム1′の感光層縁面方向に拡散しない。したがって、高精細で鮮明な画像が得られる。
【0055】
また、この画像形成装置では、露光ユニット2′が感光体ドラム1′の表面の光導電性部分に照射する光を、波長が400nmを超える光にして400nm以下の波長の紫外線を感光体ドラム1′の表面に照射しないようにしているので、その紫外光が感光体ドラム1′の光導電性部分に当たった際に生じる紫外光による感光体の劣化を防止することができる。
【0056】
なお、図10に示した位置bでは、感光体ドラム1′の光導電性部分の導電性ベース層(感光体ドラム1′の回転中心側にある)に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗にあれば所望の帯電電位が得られるので、その光導電性部分の表面の体積固有抵抗値は、必ずしも1×1012Ω・cm以上である必要はない。
【0057】
したがって、感光体ドラム1′の光導電性部分の接触帯電部材3と接触する部分の体積固有抵抗値が、接触帯電部材3により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、導電性ベース層にに近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値にあるときに接触帯電部材3に電圧を印加して帯電するようにするとよい。
【0058】
そうすれば、感光体ドラム1′に確実に電荷注入を行うことができる条件で接触帯電部材3を感光体ドラム1′の光導電性部分に接触させて帯電することができる。したがって、感光体ドラム1′に持続電荷を安定して担持させることができる。
【0059】
また、位置bで感光体ドラム1′の表面の体積固有抵抗値は既に1×1012Ω・cm以上の高抵抗値に高まっているので、距離L2が比較的短めの場合であっても、画像パターン露光位置aでは感光体ドラム1′が暗順応して未露光部は1×1012Ω・cm以上の高抵抗値を維持しているので、静電潜像パターン露光系4による光照射で得る潜像電荷は、感光体ドラム1′の感光層縁面方向に拡散しない。したがって、高精細で鮮明な画像が得られる。
【0060】
図11は帯電部への異物の侵入を防止できながら低電圧で帯電ができる帯電装置を感光体ドラムと共に示す図6と同様な概略図であり、図6及び図10と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態による帯電装置も、図10で説明した帯電装置と同様に、露光ユニット2′が400nmを超える波長の光を感光体ドラム1′の表面の光導電性部分に照射して、その感光体ドラム1′の厚み方向(径方向)の電気抵抗を低減させるようにしている。
【0061】
また、感光体ドラム1′の光導電性部分の第1帯電部材23a及び第2帯電部材23bと接触する部分、すなわち第1の部分11と第2の部分12の体積固有抵抗値が、その感光体ドラム1′に接触状態にあるブラシ状の第1帯電部材23a及び第2帯電部材23bにより電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、感光体ドラム1′の光導電性部分の導電性ベース層(感光体ドラム1′の回転中心側にある)に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗にあるときに第1帯電部材23aと第2帯電部材23bに電圧をそれぞれ印加して帯電する。
【0062】
この帯電装置によれば、帯電部であり電荷を感光体ドラム1′に注入するブラシ状の第1帯電部材23a及び第2帯電部材23bと感光体ドラム1′との間に異物が進入するのを防止することができる。
そして、前述した図10の実施の形態と同様に、感光体ドラム1′の抵抗を、感光体ドラム1′の表面に露光ユニット2′により光を照射することにより減じさせ、感光体ドラム1′の抵抗が充分に暗順応して高くなる前に、第1帯電部材23aと第2帯電部材23bを同一電源に接続して感光体ドラム1′に電荷注入をする。
【0063】
したがって、オゾンの発生を抑えることができる低電圧で感光体ドラム1′を所望の電位に帯電することができながら、静電潜像パターン露光系4(図10参照)による画像パターン露光位置(図10の位置aに相当する位置)では、感光体ドラム1′の表面の抵抗を1×1012Ω・cm以上の高抵抗にすることができるので、静電潜像パターン露光系4が形成した潜像電荷が感光体ドラム1′の感光層縁面方向に拡散するのを抑えることができる。それにより高精細で鮮明な画像が得られる。
【0064】
図12は感光体ドラムの抵抗が光照射で低くなっている部分と光照射が絶たれることにより抵抗低減効果が薄れている部分とに接触帯電部材を接触させた帯電装置を感光体ドラムと共に示す図7と同様な概略図であり、図7及び図10と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態による帯電装置も、図10及び図11で説明した帯電装置と同様に、露光ユニット2′が400nmを超える波長の光を感光体ドラム1′の表面の光導電性部分に照射して、その感光体ドラム1′の厚み方向(径方向)の電気抵抗を低減させるようにしている。
【0065】
また、感光体ドラム1′の光導電性部分の第1帯電部材33a及び第2帯電部材33bと接触する部分の体積固有抵抗値が、その感光体ドラム1′に接触状態にある共にブレード状の第1帯電部材33aと第2帯電部材33bにより電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、感光体ドラム1′の光導電性部分の導電性ベース層(感光体ドラム1′の回転中心側にある)に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗にあるときに第1帯電部材33aと第2帯電部材33bとに電圧を印加して帯電する。
【0066】
この帯電装置では、感光体ドラム1′の露光ユニット2′により光が照射されることにより抵抗が低くなっている部分に第1帯電部材33aを接触させ、露光ユニット2′からの光を遮光部材36により絶つことにより、露光ユニット2′の光照射による抵抗低減効果が薄れているが、電荷注入による帯電に必要なレベルに感光体抵抗がなっている部分に第2帯電部材33bを接触させ、その第1帯電部材33aと第2帯電部材33bとを感光体ドラム1′の回転方向に微小間隙をあけて(連続であってもよい)配置している。
【0067】
この帯電装置においても、露光ユニット2′から照射された光により電気抵抗が低減されている感光体ドラム1′の表面に第1帯電部材33aと第2帯電部材33bとが接触した状態で、従来のコロナ放電器と比較して大幅に低い印加電圧を第1帯電部材33aと第2帯電部材33bとに印加して、感光体ドラム1′を電荷注入により帯電するので、放電現象によるオゾンの発生を抑えることができる。
【0068】
また、その露光ユニット2′から感光体ドラム1′の表面に照射する光は、波長が400nmを超える光であって波長が400nm以下の紫外線を含まないので、感光体ドラム1′が紫外光により劣化するのを防止することができる。
そして、電圧印加部材である第1帯電部材33a,第2帯電部材33bが接触する感光体ドラム1′の光導電性部分の体積固有抵抗値が、第1帯電部材33aと第2帯電部材33bにより電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、導電性ベース層にに近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値にあるときに第1帯電部材33aと第2帯電部材33bに電圧をそれぞれ印加して帯電するようにしているので、感光体ドラム1′に確実に電荷注入して、それを帯電することができる。
【0069】
また、感光体ドラム1′上の静電潜像パターン露光系による画像パターン露光位置(図10の位置aに相当する位置)では、感光体ドラム1′の表面の抵抗が1×1012Ω・cm以上の高抵抗になるので、感光体ドラム1′上の潜像電荷が感光層縁面方向に拡散するのを抑えて、高精細で鮮明な画像が得られる。
【0070】
図13は図8で説明した参考例における露光ユニットが感光体ドラムの表面に照射する光の波長を400nmを超える波長とした参考例を示す図8と同様な概略図であり、図8と対応する部分には同一の符号を付してある。
この参考例による画像形成装置は、図8で説明した参考例に対し、露光ユニット2′が400nmを超える波長の光を感光体ドラム1′の表面の光導電性部分に照射して、その感光体ドラム1′の厚み方向(径方向)の電気抵抗を低減させるようにしている点が異なる。
【0071】
このように、露光ユニット2′から感光体ドラム1′の表面に照射する光を波長が400nmを超える光にすれば、感光体ドラム1′に対して照射する光には波長が400nm以下の紫外線が含まれないので、感光体ドラム1′が紫外光により劣化するのを防止することができる。
【0072】
なお、感光体ドラム1′の抵抗変化特性にも左右されるが、光導電性を有する感光体ドラム1′の光導電性部分に光照射したときの光導電性部分の電気抵抗RWEと暗抵抗RD の関係がRD(1−e-1)≦RWE≦RD(1-e-2) となる強さの光を照射しながら、電圧印加部材である接触帯電部材43を感光体ドラム1′の表面に接触させてその感光体ドラム1′を帯電させるとよい。
【0073】
また、この参考例においても、電圧印加部材である接触帯電部材43の帯電部材43aが接触する感光体ドラム1′の光導電性部分の体積固有抵抗値が、帯電部材43aにより電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、導電性ベース層に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値にあるときに接触帯電部材43に電圧を印加するようにしているので、感光体ドラム1′に確実に電荷注入して、それを帯電することができる。
【0074】
この帯電装置においても、露光ユニット2′から照射された光により電気抵抗が低減されている感光体ドラム1′の表面に帯電部材43aが接触した状態で、従来のコロナ放電器と比較して大幅に低い印加電圧を帯電部材43aに印加して、感光体ドラム1′を電荷注入により帯電するので、放電現象によるオゾンの発生を抑えることができる。
【0075】
また、感光体ドラム1′上の静電潜像パターン露光系による画像パターン露光位置(図10の位置aに相当する位置)では、感光体ドラム1′の表面の抵抗が1×1012Ω・cm以上の高抵抗になるので、感光体ドラム1′上の潜像電荷が感光層縁面方向に拡散するのを抑えて、高精細で鮮明な画像が得られる。
【0076】
なお、図10乃至図12の各実施の形態において、感光体ドラム1′の光導電性部分に照射する光の波長を、600nm以上にすれば、感光体ドラム1′に紫外光を完全に照射しないようにすることができるため、より確実に感光体ドラム1′の紫外光による劣化を防止することができる。
【0077】
また、図11及び図12の各実施の形態には、露光ユニット2′が感光体ドラム1′の光導電性部分に照射した光が感光体ドラム1′と各電圧印加部材との接触終了位置から感光体ドラム1′の移動方向下流側へ洩れるのを低減する遮光部材26,36,43bを設けているので、感光体ドラム1′に照射された光が上記接触終了位置から感光体ドラム1′の移動方向下流側へ洩れにくい。したがって、感光体ドラム1′上の帯電した面に光が当たって電位が減衰するのを防止することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による帯電装置及びそれを備えた画像形成装置によれば、次に記載する効果を奏する。
静電潜像担持体の光導電性部分における光照射されて電気抵抗が低減された第1の部分と、該第1の部分に対して静電潜像担持体の移動方向下流側に位置し、暗順応していて第1の部分の電気抵抗よりも大きな電気抵抗の第2の部分とに、電圧印加部材を同時に接触させた状態で、その電圧印加部材に電圧を印加することにより電荷注入によって静電潜像担持体を帯電させるので、電圧印加部材に印加する電圧を低く抑えることができ、帯電時に放電現象によって生じるオゾンの発生を防止することができる。また、静電潜像担持体の表面へ低抵抗物質が付着することに起因する画像ボケも防止することができる。
また、その電圧印加部材の静電潜像担持体との接触の終了位置付近では、上記電気抵抗は暗順応していて高まっているので、静電潜像パターンの鮮鋭度を保って高精細の画像形成ができる。
【0079】
請求項の発明によれば、静電潜像担持体の光導電性部分における第2の部分以降で、静電潜像形成用の露光を行う位置よりも静電潜像担持体の移動方向上流側の領域に照射する光量を、暗順応時の静電潜像担持体の帯電電位を1/10低下させる光量以下にするので、静電潜像担持体の露光を行う位置での帯電電位の落ちこみを抑えることができるため、高精細の画像形成ができる。
【0080】
請求項の発明によれば、静電潜像担持体の第1の部分と第2の部分にそれぞれ接触させる電圧印加部材の部分は、それらが静電潜像担持体の移動方向に連続しているか、1mm以下の間隔に並べて配置されているので、電圧印加部材を配設する部分の省スペース化が図れると共に、帯電性能の安定化も図れる。
【0081】
【0082】
請求項の発明によれば、電気抵抗減少手段が静電潜像担持体の光導電性部分に照射する光は、波長が400nmを超える光であって紫外光を含まないので、その紫外光が静電潜像担持体に当たった際に生じる紫外光による劣化も防止することができる。
請求項の発明によれば、静電潜像担持体の光導電性部分の導電性ベース層に近い部位の体積固有抵抗値は1×1012Ω・cm以上の高抵抗になるようにしているので、静電潜像担持体を所望の帯電電位に帯電させることができる。したがって、静電潜像パターンの鮮鋭度を保つことができるため高精細画像を形成することができる。
【0083】
請求項の発明によれば、静電潜像担持体の光導電性部分の電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を、静電潜像担持体に電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値となる1×1011Ω・cm未満にしているので、静電潜像担持体に電荷注入を行う際には光導電性部分の表面抵抗が電荷注入可能な抵抗値にまで下がっているため、接触帯電における高速化が図れると共に、低電圧印加による帯電ができる。
【0084】
請求項の発明によれば、電気抵抗減少手段が静電潜像担持体の光導電性部分に照射した光が静電潜像担持体と電圧印加部材との接触終了位置から静電潜像担持体の移動方向下流側へ洩れるのを遮光部材が規制するので、帯電した面に光が照射されて電位が減衰してしまうのを防止することができる。
それにより、静電潜像担持体の光導電性部分の抵抗を帯電終了後に十分に高い状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を実施する帯電装置を備えた画像形成装置の作像部を示す概略構成図である。
【図2】 同じくその画像形成装置に設けられている感光体ドラムの光強度と厚み方向の抵抗との関係を示す線図である。
【図3】 感光体ドラムの厚み方向の電気抵抗を測定する装置の一例を示す概略図である。
【図4】 露光ユニットによる照射光量と感光体ドラム上における帯電電位の減衰特性を示す線図である。
【図5】 光照射遮断後の経過時間と感光体の厚み方向の抵抗の回復との関係を示す線図である。
【図6】 感光体ドラムの第1の部分と第2の部分に接する部分が回転方向に連続して形成されている接触帯電部材の例を示す概略図である。
【図7】 感光体ドラム上の残存トナーを除去する部材を兼ねる接触帯電部材の例を示す概略図である。
【図8】 微弱光を感光体ドラムに照射することにより接触注入帯電に適したレベルに感光体ドラムの光導電性部分の電気抵抗を制御しながら接触帯電を行う参考例を示す概略図である。
【図9】 同じく微弱光を感光体ドラムに照射して接触注入帯電するのに適したレベルに感光体ドラムの電気抵抗を制御しながら接触帯電を行う他の参考例を示す概略図である。
【図10】 感光体ドラム1の光導電性部分に400nmを超える波長の光を照射する露光ユニットを設けたこの発明の実施の形態である帯電装置を備えた画像形成装置を示す図1と同様な概略構成図である。
【図11】 帯電部への異物の侵入を防止できながら低電圧で帯電ができる帯電装置を感光体ドラムと共に示す図6と同様な概略図である。
【図12】 感光体ドラムの抵抗が光照射で低くなっている部分と光照射が絶たれることにより抵抗低減効果が薄れている部分とに接触帯電部材を接触させた帯電装置を感光体ドラムと共に示す図7と同様な概略図である。
【図13】 図8で説明した参考例における露光ユニットが感光体ドラムの表面に照射する光の波長を400nmを超える波長とした参考例を示す図8と同様な概略図である。
【符号の説明】
1,1′:感光体ドラム(静電潜像担持体)
2,2′:露光ユニット(電気抵抗減少手段)
3,23,33,43,53:接触帯電部材(電圧印加部材)
4:静電潜像パターン露光系 11:第1の部分 12:第2の部分
23a,33a:第1帯電部材 23b,33b:第2帯電部材

Claims (10)

  1. 光導電性を有して移動する静電潜像担持体の光導電性部分に電圧印加部材を接触させた状態で該電圧印加部材に電圧を印加することにより前記静電潜像担持体に持続電荷を担持させる帯電装置において、
    前記静電潜像担持体の光導電性部分に光を照射して前記静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させ、該光導電性部分の前記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を該電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にする電気抵抗減少手段を設け、
    前記静電潜像担持体の光導電性部分の前記電気抵抗減少手段により光照射されて電気抵抗が低減された第1の部分と、該第1の部分に対して前記静電潜像担持体の移動方向下流側に位置し、暗順応していて前記第1の部分の電気抵抗よりも大きな電気抵抗の第2の部分とに、前記電圧印加部材を同時に接触させ、
    前記静電潜像担持体の暗抵抗をRDとしたとき、前記第1の部分の電気抵抗はRD(1−e−1)未満であり、前記第2の部分の電気抵抗はRD(1−e−1)以上であり、
    前記電圧印加部材に前記電圧を印加して前記光導電性部分の該電圧印加部材と接触する部分を電荷注入により帯電させるようにしたことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記静電潜像担持体の光導電性部分における前記第2の部分以降で静電潜像形成用の露光を行う位置よりも前記静電潜像担持体の移動方向上流側の領域に照射する光量を、暗順応時の前記静電潜像担持体の帯電電位を1/10低下させる光量以下にしたことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  3. 前記第1の部分と前記第2の部分にそれぞれ接触させている前記電圧印加部材の部分は、それらが前記静電潜像担持体の移動方向に連続しているか、1mm以下の間隔に並べて配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
  4. 前記電圧印加部材が光透過性部分を有し、前記電気抵抗減少手段が、光を該電圧印加部材を透過させて前記静電潜像担持体の光導電性部分の該電圧印加部材と接触する前記第1の部分に照射して、前記静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  5. 前記電気抵抗減少手段が、前記静電潜像担持体の前記光導電性部分に400nmを超える波長の光を照射して前記静電潜像担持体の厚み方向の電気抵抗を低減させ、該光導電性部分の前記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を該電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にする手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の帯電装置。
  6. 前記静電潜像担持体が、導電性ベース層の外側に前記光導電性部分を有しており、前記静電潜像担持体の前記光導電性部分の前記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値が、該電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値にあり、前記光導電性部分の前記導電性ベース層に近い部位の体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値にあるときに前記電圧印加部材に電圧を印加して帯電するようにしたことを特徴とする請求項5記載の帯電装置
  7. 前記静電潜像担持体の光導電性部分の前記電圧印加部材と接触する部分の体積固有抵抗値を、前記静電潜像担持体に前記電圧印加部材により電荷注入が可能な体積固有抵抗値となる1×1011Ω・cm未満としたことを特徴とする請求項5又は6記載の帯電装置。
  8. 請求項4記載の帯電装置において、前記電気抵抗減少手段が前記静電潜像担持体の光導電性部分に照射した光が前記静電潜像担持体と前記電圧印加部材との接触終了位置から前記静電潜像担持体の移動方向下流側へ洩れるのを低減する遮光部材を設けたことを特徴とする帯電装置。
  9. 導電性ベース層の外側に光導電性部分を有し、光導電性を有して移動する静電潜像担持体と請求項1から8のいずれか一項に記載の帯電装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記静電潜像担持体の表面の画像パターン露光位置での体積固有抵抗値が1×1012Ω・cm以上の高抵抗値を維持するようにしたことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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