JP4225113B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サスペンションアームを支えるクロスメンバが複数の弾性部材で車体側にマウントされる車両のサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車(車両)の後輪を独立懸架するサスペンション装置には、トレーリングアーム(サスペンションアーム)を用いて、後輪(車輪)を上下に揺動可能に懸架する構造がある。
【0003】
このトレーリングアーム式のサスペンション装置は、通常、車体の幅方向に延びるクロスメンバをフレームとして用い、このクロスメンバの車幅方向両側に、車両後方へ延びるトレーリングアームを配置して、このトレーリングアームの車両前方側の端部をクロスメンバに上下方向に揺動自在に支持し、トレーリングアームの車両後方側の端部に後輪を回転自在に支持させ、トレーリングアームと車体側との間にスプリングを介在させる構造が用いられる。つまり、同構造は、後輪が荷重を受けると、トレーリングアームが上下に揺動変位する。
【0004】
こうしたトレーリングアーム式のサスペンション装置では、衝撃力や振動が車体へ伝わるのを抑えるために、クロスメンバの端部を車体下面に弾性支持させることが行われている。近時では、荷重負担の軽減や乗り心地の向上のために、クロスメンバの各端部を、車両前後方向に並ぶ弾性部材を用いて、車体側に弾性支持させることが行われている。そのほとんどは、クロスメンバの端部近傍とそれから近い車幅方向内側の地点にそれぞれ弾性部材を設けて、車両前後方向両側からクロスメンバの端部を支持するという、左右4点の弾性支持で、クロスメンバを車体側にマウントさせる構造が採用されている(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−127935号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トレーリングアームを用いたサスペンション装置は、車両への組付けを考慮して各部を定めると、構造上、クロスメンバの上下方向の荷重入力中心、すなわち後輪(車輪)からトレーリングアームを介してクロスメンバへ入力される上下方向の荷重の入力中心は、そのほとんどがクロスメンバを弾性支持している弾性部材のうち、車両後方側の弾性部材の近くに定められる。
【0007】
このため、クロスメンバを弾性支持する弾性部材のうち、車両後方側の弾性部材の荷重負担が大きく、車両後方側の弾性部材の耐久性だけが偏って低下するおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、クロスメンバを支える弾性部材の耐久性の向上が図れる車両のサスペンション装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、特にサスペンションアームの車輪側の支持部と、同じくスプリングの支持部と、同じく車内側の端部が支持される支持部の三つの部位が直線上に並ぶという、クロスメンバの支持する弾性部材の荷重負担が偏りやすいサスペンション装置で顕著に効果が表れるよう、クロスメンバを弾性支持する弾性支持部材には、クロスメンバの端部と同じかそれよりも車両前方側の位置で弾性支持する第1弾性部材と、サスペンションアームに組付くスプリングと略同じ車体前後方向の位置で弾性支持する第2弾性部材とを組み合わせた構成を採用して、車輪側の支持部と車内側の支持部との中間に配置されるスプリングを考慮して車両後方側の第2弾性部材を、クロスメンバの荷重入力中心から確実に遠ざかる地点で、かつ荷重が車両前後方向で均等にバランスしやすい地点に配置して、請求項1のとき同様、車輪から入力される上下方向の荷重が第1弾性部材と第2弾性部材との双方に略均等に入力可能にした。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記目的に加え、さらに上下方向の荷重負担の偏りの改善に際し、第2弾性部材とサスペンションアームとの干渉を避けるよう、第2弾性部材がサスペンションアームよりも車両内側に配設される構成とした。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記目的に加え、さらに上下方向の荷重入力に対するクロスメンバのピッチング量を抑えるよう、第1弾性部材と第2弾性部材とに上下方向の荷重が入力される場合の弾性中心を、車内側支持部の近傍に設定して、各弾性部材の弾性中心をクロスメンバの荷重入力中心に近づけ、ピッチングの発生の要因となる両中心の車両前後位置の差を小さくするようにした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1ないし図3に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0023】
図1は、本発明を適用した例えば後輪駆動式自動車(車両)又は前輪駆動式自動車(車両)のリヤ側に採用されるトレーリングアーム型サスペンション装置の全体の外観、図2は、同サスペンション装置の平面図、図3は図1中のA〜A線から見たサスペンション装置の背面図(なお、デフは除いてある)をそれぞれ示している。
【0024】
図中1は、トレーリングアーム型サスペンション装置のフレームをなすクロスメンバ、2はクロスメンバ1の中央後方側に配設されたデファレンシャルである。なお、クロスメンバ2、デファレンシャル2は、いずれも車体(図示しない)の下側に配設される部品である。
【0025】
クロスメンバ1は、例えば中央が車両後方側および車両上方側の双方へ山形状に突き出した車幅方向に沿って延びる筒形部材で形成されている。そして、この中央の山形状部1a内に、デファレンシャル2のケース部分が支持され、デファレンシャル2の入力部2aを車両前方へ臨ませている。なお、3はデファレンシャル2の後端を車体側へ支持させるためのバー状のブラケットである。
【0026】
またクロスメンバ1の車幅方向両側には、サスペンションアームに相当するトレーリングアーム4a,4bが左右対称に組付けてある。トレーリングアーム4a,4bは、勝手反対となる同じ構造でクロスメンバ1に支持させてある。具体的には、両トレーリングアーム4a,4bは、例えば車両前方側がクロスメンバ1の傾斜部1bの形状にならって後退方向に傾斜する辺部5a、車両後方側の車幅方向最外側部が頂部5b、車幅方向内側が大きく傾く辺部5cとする三角板状部材から形成されている。そして、前端側をなす車体前方に延在する辺部5aが、後退角を保ったまま、後退方向に傾斜した傾斜部1bに上下方向に回動自在に支持させてある。同支持構造には、例えば同辺部5aを車幅方向外側と、それより車幅方向内側との2つに分岐し、このうちの車外側の端部8aを車外側の支持部、例えばアームピボット9aで、傾斜部1bの車外側、ここでは最外側となるクロスメンバ1aの端側に上下方向に回動自在に支持してある。また車内側の端部8bは、車内側の支持部、例えばアームピボット9b(片側だけ図示)を介して、傾斜部1bの中央寄りの部分に上下方向に回動自在に支持されている。つまり、車内側のアームピボット9bは、車外側のアームピボット9aよりも車両方向側にずれた位置に配置してある。この後退角に沿って配置したアームピボット9a,9bによって、トレーリングアーム4a,4bを上下方向に揺動自在に支持させてある。
【0027】
各トレーリングアーム4a,4bの車両後端側となる頂部5b側には、後輪10(図1だけに図示:本願の車輪に相当)が組付く部品、例えばハブ部材11が回動自在に設けられ、左右の両後輪10が上下方向に変位可能に支持される構造にしてある。これにより、後輪10からの上下方向の荷重が、トレーリングアーム4a,4bを介してクロスメンバ1へ入力されるようにしてある。このときクロスメンバ1へ入力される上下方向の荷重の入力中心(以下、荷重入力中心という)C1(図2に図示)は、トレーリングアーム4a,4bの支持構造上、クロスメンバ1の支持部の近く、具体的には車内側に配置されるアームピボッド9bの近くを通る線上に定まる。そして、例えば各ハブ部材11に、デファレンシャル2から車幅方向両側に延びているリアアクスル2bが、一対の自在継手、例えば等速ジョイント13(一方側しか図示せず)を介して連結される。
【0028】
また各トレーリングアーム4a,4bの上面の中央には、衝撃緩衝用のスプリング、例えばコイルスプリング14が縦置きで載せてある。これらコイルスプリング14は、下端部がトレーリングアーム4a,4b上に形成されたスプリング座14a(スプリングを支持する支持部に相当)に支持され、上端部が車体(図示しない)の下面側で支持され、トレーリングアーム4a,4bを上下方向に弾性支持させている。ここで、コイルスプリング14は、限られた大きさのトレーリングアーム4a,4bに配置されるために、構造上、コイルスプリング14のコイルスプリング座14aは、図2に示されるように後輪10の支持部を構成する例えばハブ部材11の軸中心となるホイールセンタとなるW/C点と、車内側のアームピボッド9bの軸中心となるG点とを結ぶ線α上に配置される傾向にある。つまり、本実施形態例のトレーリングアーム型サスペンション装置は、図2に示されるようにハブ部材11のW/C点、トレーリングアーム側のスプリングコイル端の軸心となるS点、車内側のアームピボット9bのG点が略一直線上に配置される。
【0029】
各トレーリングアーム4a,4bの頂部5b側には、車体(図示しない)に支持されるショックアブソーバ15が連結されていて、トレーリングアーム4a,4bを伝わる後輪10からの衝撃や振動が減衰される構造にしてある。なお、16はスタビライザを示す(例えば中間がクロスメンバ1で支持され、端部がそれぞれトレーリングアーム4a,4bに連結されるコ字形のバー部材からなる)。
【0030】
またクロスメンバ1の左右側(車幅方向)には、車体側にクロスメンバ1を弾性支持させる一対の弾性支持部材17a,17bが設けられている。弾性支持部材17a,17bには、クロスメンバ1と同じかあるいはそれよりも車両前方側となる位置に組付く左右一対の弾性部材、ここではクロスメンバ端に車両前方側へ突き出るように設けた左右一対の弾性部材18と、クロスメンバ1の中央部分に車両後方側に突き出るように設けた左右一対の弾性部材19とを組み合わせた構造が用いられている。
【0031】
具体的には、弾性部材18には、いずれも例えばボルト止めで車体側に支持可能とした弾性変位自在な筒形のブッシュ、例えばゴム材などで形成された弾性ブッシュが用いてある。また例えば車外側のアームピボット9aを支持するブラケット12aには、その一部を車両前方へ突き出させた車体支持側のブラケット部12bが形成されていて、そのブラケット部12bの先端部に上記弾性部材18が縦向き(軸心が上下方向に配置される向き)で組み付けてある。残る弾性部材19は、弾性部材18と同様、例えばボルト止めで車体側に支持可能とした例えばゴム材などで形成された筒形の弾性ブッシュが用いてある。またクロスメンバ1の山形状となっている中央部には、例えばデファレンシャル2の上側を覆い隠すように車両後方へE形状に張り出すE形のブラケット20が取着されていて、そのブラケット20の先端側の左右コーナー部分に対称をなして上記弾性部材19が縦向き(軸心が上下方向に配置される向き)で組み付けてある。これら弾性部材19の組付け位置は、トレーリングアーム4a,4b上のコイルスプリング14の取付位置と略同じ位置にしてある。具体的には、図2に示されるように弾性部材19は、その弾性部材19の弾性中心Rが、コイルスプリング14のS点と略同じ位置となるブラケット20の地点に組み付けてある。この組み付けにより、弾性部材19は、車体前後方向においてコイルスプリング14と略同じ位置に配設させてある。
【0032】
こうしたクロスメンバ1から車両前方の弾性部材18と、クロスメンバ1から車両後方の弾性部材19とにより、弾性部材18,19に対する入力荷重の均等化が図れる構造にしている。また同構造に加え、図2に示されるようにクロスメンバ1の荷重入力中心C1から弾性部材18までの距離Pと、荷重入力中心C1から弾性部材19までの距離Qとができるだけ等しくなるよう、サスペンション装置の各部を調整させてある。つまり、この調整によって、距離P,Qとを略等しくさせている。また弾性部材19は、いずれも図2および図3に示されるようにトレーリングアーム4a,4bよりも車両内側の地点に配置され、揺動するトレーリングアーム4a,4bとの干渉を避ける構造にもしてある。
【0033】
また図2に示されるように弾性部材18,19間に設定される弾性ブッシュの上下方向の弾性中心C2は、弾性部材18のばね定数の調整、弾性部材19のばね定数の調整によって、クロスメンバ1の荷重入力中心C1との距離Tをできる限り減少させている。そして、この調整により、弾性中心C2を荷重入力中心C1の近傍に設定させている。
【0034】
このように構成されたトレーリングアーム型サスペンション装置は、左右の後輪10が上下方向の荷重を受けると、トレーリングアーム4a,4bがアームピボット9a,9bを支点に上下に揺動しながら、後輪10からの荷重がクロスメンバ1に入力される。そして、トレーリングアーム4a,4bの振れが、リングアームコイルスプリング14、ショックアブソーバ15により抑えられる。
【0035】
このとき、後輪10から入力される上下方向の荷重は、トレーリングアーム4a,4bを支持する両アームピボット9a,9bを伝わってクロスメンバ1へ入力されるとともに、トレーリングアーム4a,4bの中間をシーソーのように支えるコイルスプリング14を通じて車体側へに伝えられる。
【0036】
このとき、コイルスプリング14が設置されている位置と略同じ車両後方側の位置は、クロスメンバ1の荷重入力中心C1を挟んで、クロスメンバ1と同じかそれよりも車両前方側に配置されている弾性部材18(荷重入力中心C1から離れた車両前方側の弾性部材18)に対して、荷重のバランスがとれやすく、荷重入力中心C1から遠ざかる地点であることがわかる。つまり、コイルスプリング14と略同じ位置は、トレーリングアーム4a,4bに加わる荷重を分散させるのに好適な位置である。
【0037】
ここで、弾性部材19は、この位置に設けてあるから、同弾性部材19には、トレーリングアーム4a,4bからの荷重が集中せずに分散して入力される。
【0038】
それ故、後輪10からトレーリングアーム4a,4bに入力される荷重は、弾性部材18と車両後方側の弾性部材19との双方から略均等に入力され、弾性部材18,19の耐久性を損なう要因となる荷重負担の偏りを改善することができる。むろん、同効果は、弾性部材19の設置によって、荷重入力中心C1から弾性部材19までの距離Qが増加して、荷重入力中心C1から弾性部材18までの距離Pに近づくこと、さらには距離Qの増加により、弾性部材18から弾性部材19までの点間前後距離(P+Q)が増大することにもよる。
【0039】
しかも、図2に示されるように荷重入力中心C1から弾性部材18までの距離Pと、荷重入力中心C1から弾性部材19までの距離Qとを略等しくすると、一層、後輪10から入力される荷重が、弾性部材18と弾性部材19との双方に対して均等に入力されるようになり、より両弾性部材18,19の耐久性の向上が図れる。
【0040】
即ち、トレーリングアーム4a,4bを介してクロスメンバ1に入力される荷重によりF点(弾性部材18)にかかる荷重をWf、R点(弾性部材19)にかかる荷重をWrとしたとき、図4に示されるように、上記荷重の中心が弾性部材18から弾性部材19に向かうにつれて弾性部材19に作用する上下方向の荷重Wrは大きくなる一方、弾性部材18に作用する上下方向の荷重Wfは小さくなる。従って、荷重入力中心C1から弾性部材18までの距離Pと荷重入力中心C1から弾性部材19までの距離Qとが等しくなるところ{(P+Q)/2}で、弾性部材18に作用する上下方向の荷重Wrと弾性部材19に作用する上下方向の荷重Wfとが等しくなり、荷重が均等に分配され両弾性部材18,19の耐久性を向上させることができる。また、クロスメンバ1に対する入力の偏りを少なくすることができるため、車両の乗り心地も向上させることができる。
【0041】
なお、下記の与式1を満たすように荷重の入力中心の値を設定すると、前後における極端な上下方向荷重の偏りを回避することができ、実用上十分に両弾性部材18,19の耐久性を向上させることができる。
【0042】
与式1:{(P+Q)/2}×0.7≦P≦{(P+Q)/2}×1.3
特に一実施形態のような後輪10を支持する支持部をなすハブ部材11と、コイルスプリング14の支持部と、トレーリングアーム4a,4bの車内側のアームピボット9bとの三つの部位が直線上に並ぶ(W/S点、S点、G点が直線α上に並ぶ関係)といった、弾性部材18,19の荷重負担が偏りやすくなる(一直線に並ぶ区間でシーソーのような荷重の伝達経路が形成されることによる)サスペンション装置には、コイルスプリング14の位置と略同じ車両前後方向の位置に弾性部材19を設ける構造は、弾性部材18,19の上下方向入力を平均化させるのには有効である。
【0043】
また各弾性部材18,19のばね定数を同一とせずに(双方のばね定数が同一の場合、弾性中心C2はF,R点からの距離が等しい地点)、図2に示されるように各弾性部材18,19のばね定数の調整で、各弾性部材18,19の弾性中心C2をクロスメンバ1の荷重入力中心C1に近づけると、クロスメンバ1のピッチングの発生要因となる両中心の差Tを小さくすることができる。これにより、荷重入力に対するクロスメンバ1のピッチング量が低減され、車両の操縦安定性の向上を図ることができる。
【0044】
即ち、車幅方向に2つ配設された弾性部材18両方の上下方向のばね定数をa、弾性部材18よりも車両後方側で車幅方向に2つ配設された弾性部材19両方の上下方向のばね定数をbとしたとき、弾性部材18の上下方向の変位量ZaはZa=Wf/aと表すことができ、弾性部材19の上下方向の変位量Zbは、Zb=Wr/bと表すことができる。また、弾性中心C2と弾性部材18との距離をUとすると、U=(P+Q)b/(a+b)と表すことができ、荷重入力中心C1と弾性中心C2との距離(オフセット)Tは、T=P−Uと表すことができる。
【0045】
このとき、図5に示すように、オフセットTが大きいと現状の荷重入力中心C1における弾性部材18の変位量Zaと弾性部材19の変位量Zbとの差Hが比較的大きくなる一方、ばね定数aとばね定数bを適宜変更させてオフセットを比較的小さい値T′とすると、現状の荷重入力中心C1における弾性部材18の変位量Zaと弾性部材19の変位量Zbとの差H′を比較的小さな値とすることができ、ピッチング量を低減することができる。
【0046】
そして、オフセットTを0にすると、現状の荷重入力中心C1において弾性部材18の変位量Zaと弾性部材19の変位量Zbとが等しくなって、クロスメンバ1のピッチング量を0とすることができ、車両の操縦安定性を最も向上させることができる。
【0047】
なお、オフセットTを以下の与式2を満たす値とすれば、実用上クロスメンバ1のピッチング量は十分低減され、車両の操縦安定性の向上を図ることができる。
【0048】
与式2:−0.1U≦T≦0.1{(P+Q)−U}
また弾性部材19の設定に際し、弾性部材19をトレーリングアーム4a,4bよりも車内側に配置したので、上下に揺動するトレーリングアーム4a,4bと弾性部材19との干渉を回避でき、良好に荷重入力の偏りを改善することができる。
【0049】
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。すなわち、一実施形態では、第1弾性部材をクロスメンバより前方に配置する構造を例に挙げたが、クロスメンバと同じ位置、例えばクロスメンバ端に第1弾性部材を配置する構造でも構わない。また例えば一実施形態では、E形のブラケットを用いて車両後方の弾性部材をコイルスプリングの位置と略同じ位置に配置する構造を挙げたが、これに限らず、他の部材や構造で、コイルスプリングと略同じ位置に設けるようにしてもよい。また一実施形態では、デファレンシャルが付いたリヤのサスペンション装置に本発明を適用したが、これに限らず、デファレンシャルの無いリヤのサスペンション装置に本発明を適用してもよい。また一実施形態では、後退角をもつセミトレーリングアームを用いたサスペンション装置を挙げたが、これに限らず、後退角の無いフルトレーリングアームを用いたサスペンション装置に本発明を適用してもよい。また、上記実施形態例では、弾性部材19の弾性中心Rをコイルスプリング14のS点と車両前後方向で略同じ位置となるように設定したが、少なくとも弾性部材19の外周面とコイルスプリング14の外周面とが重複するような位置にあれば、本実施形態例と略同様の作用効果を奏するものである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、車輪からサスペンションアームに入力される荷重が、クロスメンバと同じ位置かそれより車両前方側に配置される第1弾性部材とクロスメンバから車両後方側に配置される第2弾性部材との双方から略均等に入力させることが可能となり、両弾性部材の耐久性を損なう要因となる荷重負担の偏りを防ぐことができる。
【0051】
したがって、クロスメンバを支える両弾性部材における耐久性の向上を図ることができる。特にサスペンションアームにおける車輪側の支持部と、サスペンションアームにおけるスプリングの支持部と、サスペンションアームにおける車内側の端部を支持する支持部が直線上に並ぶという、クロスメンバを支持する弾性部材の荷重負担が偏りやすいサスペンション装置には有効である。
【0053】
請求項2に記載の発明によれば、上下に揺動するサスペンションアームと第2弾性部材との干渉が回避されるので、支障なく良好な荷重負担の偏りの改善ができるといった効果を奏する。
【0054】
請求項3に記載の発明によれば、第1、第2弾性部材の弾性中心をクロスメンバの荷重入力中心に近づけて、ピッチングの発生の要因となる両中心の差を小さくすることができ、荷重入力時のクロスメンバのピッチング量を抑えて、車両の操縦安定性の向上が図れるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサスペンション装置の外観を示す斜視図。
【図2】同サスペンション装置の平面図。
【図3】図1中のA〜A線に沿う、デファレンシャルを除いたサスペンション装置の背面図。
【図4】第1、第2弾性部材に作用する上下方向の荷重を説明するための線図。
【図5】第1、第2弾性部材の上下方向の変位量を説明するための線図。
【符号の説明】
1…クロスメンバ、4a,4b…トレーリングアーム(サスペンションアーム)、9a,9b…アームピボット(車外側支持部,車内側支持部)、10…後輪(車輪)、11…ハブ部材、14…コイルスプリング(スプリング)、17a,17b…弾性支持部材、18,19…弾性部材(第1弾性部材,第2弾性部材)、20…ブラケット。

Claims (3)

  1. 車幅方向に延在するクロスメンバと、
    一端側が車輪側に支持され、他端側が車体前方に延在し端部が車幅方向外側とそれより車幅方向内側とに分岐されかつ車外側の端部が車外側支持部で前記クロスメンバに支持され、車内側の端部が車外側支持部よりも車両後方側に配置した車内側支持部で前記クロスメンバに支持されるサスペンションアームと、
    下端側が前記サスペンションアームに支持され上端側が車体側に支持されるスプリングと、
    前記クロスメンバを車体側に弾性支持する弾性支持部材とを有し、
    前記サスペンションアームの前記車輪側への支持部、前記スプリングの前記サスペンションアームへの支持部および前記車内側支持部が略一直線上に配置された車両のサスペンション装置において、
    前記弾性支持部材は、前記クロスメンバの端部と同じかそれよりも車両前方側に配設された第1弾性部材と、
    車体前後方向において前記スプリングと略同じ位置に配設された第2弾性部材とを備えて構成される特徴とする車両のサスペンション装置。
  2. 前記第2弾性部材は、前記サスペンションアームよりも車両内側に配設させることを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンション装置。
  3. 前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とに上下方向の荷重が入力されたときの弾性中心を、前記車内側支持部の近傍に設定したことを特徴とする請求項2に記載の車両のサスペンション装置。
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