JP4222589B2 - 基板搬送装置及びそれを用いた基板処理装置 - Google Patents

基板搬送装置及びそれを用いた基板処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや磁気ディスク等に用いられるドーナツ状のディスク基板を複数個支持し搬送するための基板搬送装置及びそれを用いた基板処理装置に係り、特に複数基板の同時装着を安定して行うことができる基板搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクは、一般に、中心に開口を有するドーナツ状のアルミニウム製基板の両面に下地膜、磁性薄膜、及び保護膜が形成された積層構造を有する。
このような磁気ディスクの製造には、例えば、図3に示したインライン型製造装置が用いられる。この装置は、ロボットにより基板を補助室のカセットから取り出し、基板搬送装置(キャリア)1に搭載するロード室101と、基板の加熱室102と、スパッタ室やプラズマCVD(PCVD)等の成膜室103と、処理済みの基板をキャリアから取り外し補助室のカセットに戻すアンロード室104とから構成され、各室はゲートバルブ106を介して接続されている。なお、装置の4隅に位置する真空室105は、キャリアの方向を90゜回転して次の真空室にキャリア1を送るための方向転換室であり、ロード室101で基板を搭載したキャリア1は、各室に敷設された搬送路上を移動する。
【0003】
図6に従来のキャリアを示し、基板の装着手順を説明する。図6は、(a)キャリア構造を示す模式的正面図、(b)基板ホルダの正面図、及び(c)A−A’線の矢視図である。
キャリア1は、図6に示すように、2枚の板状基板ホルダ20と、これらを保持するスライダ部材10とからなり、スライダ部材が搬送路上を移動して基板を搬送する。スライダ部材10の断面は、図6(c)に示すように、くぼみ部10bが形成されたコの字形状をなし、上部の肉厚部10aには基板ホルダを嵌合するスリット状の溝がくぼみ部10bへ貫通して形成されている。なお、高特性磁性薄膜の成膜は、通常基板に所定のバイアスを印加しながら行われるため、スライダ部材の溝部と基板ホルダとの嵌合部には、絶縁部材11が取り付けられ、基板ホルダはスライダ部材から電気的に絶縁されている。
【0004】
一方、基板ホルダ20は、図6(b)に示すように、その下部が2段階に幅狭となる形状をしており、中間部20bが絶縁部材11と嵌合し、先端部20cはくぼみ部10bに突出して、不図示のバイアス用端子と接触できる構造となっている。
また、基板ホルダ20の上部には、基板30が挿入される円形の開口20aが形成され、基板を支持するためのL字型インコネル製バネ部材21,22,23が3個、ネジ24により固定されている。バネ部材の先端部には、V字状の溝が形成され、この溝が支持爪として働き基板外周端面を把持する。溝の開き角度は成膜を妨害しないように、例えば160゜程度の広い角度とされている。なお、3つのバネ部材のうち、下部に取り付けられるバネ部材(可動バネ部材)23は、基板装着及び脱着時に、開閉機構(不図示)により下方に押し下げられる。
【0005】
アンロード室104において基板が取り外されたキャリア1は、ロード室101に搬送され、未処理基板が2枚装着される。キャリア1は、位置決めピン等によりロボットアームの進入方向と第1の基板ホルダ中心とが一致する位置で停止する。この間、補助室101a内のロボットは、アームが2枚の基板の内周端面上部を載置した状態で待機している。キャリアの位置決めがされると、可動バネ部材23が押し下げられるとともに、ロボットアームが前進する。アームに保持された基板が支持爪の位置にきたところで前進を停止し、続いて所定高さ上昇して基板外周端面を上部の2つのバネ部材の支持爪21,22に当接させる。ここで、可動バネ部材23を戻して、3つの支持爪で基板を把持させる。この後、ロボットアームは後方に退避し、再びキャリア1を第2の基板ホルダ中心がアーム位置に来るまで移動させ、同様に2枚目の基板をホルダに装着する。なお、アンロード室での基板の脱着は、逆の操作が行われる。
【0006】
このようにして、2枚の基板を搭載したキャリアは、各室のキャリアとともに同時に移動して次の処理室に送られる。未処理の基板を搭載したキャリアは、まず加熱室102に移動し、2枚の基板は両側からカーボンヒータ等により、例えば220℃程度に加熱される。続いて、成膜室103に順次送られ、下地膜、磁性薄膜、保護膜が2枚同時に両面に形成され、その後アンロード室104でキャリアから処理済み基板が取り外される。このようにして積層構造の磁気ディスクが連続して作製される。なお、成膜室等処理室の数は、作製しようとする磁気ディスクの膜構成及び各処理のタクトタイムに応じて定められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の製造装置により、高特性磁気ディスクを安定して生産することが可能となった。その一方、より生産性の高い製造装置が強く望まれており、そのためには、キャリアの搬送時間やキャリアへの基板の装着時間をさらに短縮する必要があった。
そこで、本発明者は、キャリアの搬送時間を短縮するための検討として、例えば、特開平10−159934号公報に開示した磁気結合を利用した搬送機構を用い、かつキャリアの材質にAl系金属材料を用いて軽量化することにより、600mm/sec以上の高速移動を可能とした。この搬送機構は、図4に示すように、スライダ部材10の底面に垂直方向に着磁された磁石14を着磁方向を交互に逆にして取り付けるとともに、複数のらせん状磁石が外周面に取り付けられた回転ローラ40を搬送路に沿って配置したものであり、ローラ40を回転することによりキャリアを浮上させた状態で移動させる機構である。
【0008】
しかし、キャリアを高速に移動させるには、急加速、急減速させる必要があり、停止時等の衝撃により基板ホルダ20がスライダ部材10からずれてしまい、ロード室やアンロード室で基板の装着・脱着に支障をきたす場合が起こった。そこで、基板ホルダの保持機構を改善し、図4に示すように、スライダ部材10の溝内部に配置される2つの絶縁部材のうち、外側の絶縁部材11aを可動とし、これをバネ強度の大きなインコネル製板バネ12でスライダ部材の中心方向に押さえつけ、ネジ13で固定する構造のキャリアを考案した。このような構成とすることにより、基板ホルダのずれはなくなって高速な基板搬送が可能となり、搬送時間の短縮化を達成することができた。
【0009】
一方、キャリアへの基板の装着・脱着工程を短縮化するために、図5に示すように、ロボットアームを二股とし、2つのアーム44でカセット45から同時に2つの基板30を取り出し、基板ホルダに装着する方法を検討した。しかしながら、実際に2股アームのロボットを用い、図4に示したキャリアに基板を装着して磁気ディスクの連続生産を行ったところ、基板外周面に支持爪の傷がついて不良品となったり、あるいは基板が落下する事故が起こり時には製造装置を停止しなければならないという事態が起こった。
【0010】
この原因を解明すべく種々の検討を行い、従来のロボットアームではほとんど起こらず、特に、2股アームを用いた場合に起こり易くなった現象であることから、ロボットアーム位置と基板ホルダ中心位置の位置決め精度と上記現象との関係を調べたところ、アーム中心軸と基板ホルダ開口中心との間に0.5mm程度の微少なずれがあっても、基板の傷や落下等の問題が起こることが分かった。これは、ずれがあると、アームを所定高さ上昇させる際に上部支持爪の一方に強い力が加わってしまって傷が付き、また爪と基板外との当接点は滑ることがないため、可動爪23を上昇させた際に基板は3つの爪で均等に支持されず、極端な場合は2点支持となって基板が落下するものと考えられる。
【0011】
そこで、アーム中心軸間距離と基板中心間距離とのずれの原因を種々調査する中で、基板加熱に伴うスライダ部材及び基板ホルダの熱膨張に着目し、連続運転時の温度測定を行ったところ、例えば基板を220℃に加熱する場合、図4において、基板ホルダのA点は280℃、絶縁部材(B)は150℃、キャリア中心部(C)は100℃、くぼみ部(D)は93℃程度となることが分かった。
そこで、各部材の熱膨張係数から、キャリア中心から基板ホルダ中心までの距離を計算したところ、3.5インチ基板の場合で、基板ホルダ中心とキャリア中心との距離は、室温の場合と比べて約0.4mm伸びることが分かった。即ち、ロボットアームと基板ホルダ中心とは、熱処理により0.4mm程度のずれが起こり得ることが分かり、熱膨張が基板の傷及び落下の原因となることが分かった。
【0012】
本発明は、かかる知見を基にさらに検討を加えて完成したものである。なお、キャリアの熱膨張に起因する基板の傷や落下の問題を防止するために、熱膨張を考慮してその分広くロボットアームの間隔を設定しておくことも考えられるが、キャリア温度が一定になるまで基板を装着せずに空運転する必要があり、また、プロセス条件が変わるごとにアームの微妙な調整をしなければないという煩雑な工程が必要となるという問題がある。
【0013】
かかる状況に鑑み、本発明は、加熱処理に起因するアーム位置と基板ホルダ位置とのずれを抑え、2つ又はそれ以上のロボットアームを用いて複数の基板を同時に装着可能な基板搬送装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、高スループットの生産を安定して行える基板処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板搬送装置は、ディスク状基板が挿入される円形の開口を有し、該開口の周辺に前記基板の外周端面を把持する複数のバネ部材が取り付けられた板状の基板ホルダと、2つの該基板ホルダをホルダ面が同一面となるように取り付けるスライダ部材と、からなる基板搬送装置であって、前記スライダ部材に前記基板ホルダの下部が挿入可能な溝を2つ所定の間隔を開けて形成し、各々の溝の内部であって前記スライダ部材の中心側の端部に可動部材を配置するとともに、該可動部材を前記スライダ部材の端部側に付勢する弾性体を配置し、前記基板ホルダの側端面を前記スライダ部材の端部側に押しつけて固定する構成としたことを特徴とする
【0015】
このように、2つの基板ホルダをスライダ部材の中心側から外側に押しつけるように可動部材及び弾性体を配置する構成としたため、スライダ部材及び基板ホルダ等が熱処理により加熱されて膨張しても、スライダ部材の熱膨張による展延方向と基板ホルダーの熱膨張による展延方向が逆向きとなり、2つの基板ホルダ中心間距離は室温の場合と実質的に同一に保つことが可能となる。即ち、室温状態にあるロボットのアーム中心軸間距離とのずれを無視できる程度に抑えることができるため、複数の基板の同時装着が可能となる。この結果、基板に傷がつくことがなくなり歩留まりが向上するとともに、基板落下事故に伴う装置の停止及びその復旧のために生産性が低下するという問題を解消することができる。従って、安定した生産が確保され、かつスループットの高い製造装置を実現することができる。また、熱処理温度にかかわらず、確実に基板ホルダに基板を装着することができることから、種々のディスク生産に対応することができる。
【0016】
本発明の基板搬送装置は、スライダ部材に3つ以上の基板ホルダを保持させてもよく、例えば3つ基板ホルダを保持させる場合は、前記スライダ部材の前記2つの溝の外側に第3の溝を形成し、該第3の溝内の前記スライダ部材の中心側に第3の可動部材及び第3の弾性体を配置すればよい。また、基板ホルダの取付操作が複雑となるが、前記スライダ部材において、前記2つの溝の間に第3の溝を形成し、該第3の溝内端部の両方に可動部材及び弾性体を配置するようにしてもよい。
【0017】
前記バネ部材は、板状バネ部材をL字状に折り曲げ、折り曲げられた先端部分にV字状の溝が形成されたものであり、該L字型バネ部材の取り付け方向をL字が回転対称となるようにするのが好ましい。このようにバネ部材を取り付けることにより、基板が回転する方向に力が加わるため、構造的な基板中心と基板ホルダ中心とのずれを吸収することができるとともに、熱膨張があった場合に、より増長されるずれの影響を解消することができる。
【0018】
本発明の基板処理装置は、上記本発明の基板搬送装置に複数の未処理基板を装着し、これを処理室に移動させて処理を所定の行い、処理後基板を取り外して、再び未処理基板を装着する工程を繰り返し行う基板処理装置であって、前記基板搬送装置への基板の装着を、複数のアームを有するロボットにより複数の基板について同時に行う構成とし、室温において2つのアーム中心軸間距離を前記基板ホルダの中心間距離に一致させたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の基板搬送装置(キャリア)の一構成例を図1に示す。図1(a)及び(b)はキャリアの構造を示す模式的正面図及び側面図である
図1に示すように、キャリア1は、2つの基板ホルダ20と、これを保持し搬送路上を移動するスライダ部材10とから構成される。スライダ部材及び基板ホルダには、通常軽量のAl(A5052)等が用いられる。
【0020】
基板ホルダ20は、図6(b)に示したように、中央部に基板が挿入される円形の開口20aを有し、下部側ではその幅が2段階に縮小する形状となっている。開口20aの周囲に3カ所にインコネル製のL字型バネ部材21,22,23が取り付けられ、このうち、バネ部材(可動バネ部材)23は下方に押し下げられる構成となっている。バネ部材の先端部には、基板の外周端面を把持するためのV字型の溝が形成され、開口20a内に突出している。ここで、L字型バネ部材の取り付け方向は、図6(b)とは異なり、回転対称的に取り付けられている。また、2つのバネ部材21,22の支持爪は、基板ホルダ開口中心を通る鉛直線に対し対称な位置に配置され、可動バネ部材23の支持爪は、この鉛直線上に配置される。このように配置することにより、基板をキャリアに装着する際に、何らかの原因で基板ホルダの開口中心と装着される基板の中心とが若干ずれた場合でも、基板が回転する方向に力が加わるため、より均等に3本の支持爪で基板を保持することができ、また熱膨張があった場合に増長されるずれを解消することができる。
基板ホルダの中間部20bは、スライダ部材内部に取り付けられたアルミナ等の絶縁部材11によりその側端面が保持される。また、先端部20cは、基板バイアス印加用接点との接触部となる。
【0021】
スライダ部材10は、図1(b)に示すように、中央部にくぼみ10bが形成されたコの字型の断面形状を有し、上部の肉厚部10aには、基板ホルダの中間部20bを保持するためのスリット状の溝がくぼみ部10bに貫通して形成されている。スリット状溝内の両端には1対の絶縁部材11が配置され、スライダ部材の端部側の絶縁部材11aは溝内に固定され、スライダ部材の中央側の絶縁部材11bは左右に移動可能に配置されている。さらに、可動絶縁部材11bをスライダ部材の端部側に付勢するように板バネ12が取り付けられている。このように、スライダ部材の溝内に基板ホルダ20を差し込み、ネジ13を締め付けることにより、基板ホルダはキャリア外側に押しつけられ強固に固定される。
【0022】
また、スライダ部材の底部には、上述したように、多数の磁石14が着磁方向を交互に逆にして取り付けられ、スライダ部材は、搬送路に沿って配置される回転磁石40との相互作用により移動する。なお、搬送路からスライダの離脱を防止するためのガイドローラ41や、倒れを防止するためのローラ42が所定の間隔を開けて搬送路に取り付けられている。
【0023】
次に、キャリア1に基板を装着する手順を説明する。
図5は、処理済みの基板がアンロード室104で取り外され、空のキャリア1がロード室101に搬送されてきた状態を示している。キャリアは加熱室や成膜室における熱的処理により、高温の状態にある。空のキャリアが搬送されてくると、搬送路に取り付けられたシリンダ駆動の位置決めピンがスライダ部材中心部に形成された溝に嵌りこみ、キャリア中心とロボットの2つのアーム44の中心とが一致した位置で停止する。
【0024】
この時点で、不図示の開閉機構により、可動バネ部材23を押し下げ、同時に、基板を保持した2つのアーム44を前進させ、基板を基板ホルダ内に挿入した後上昇させ、基板外周端面をバネ部材21,22の支持爪に接触させて停止する。なお、ロボットの2つのアーム中心軸間距離Lは、室温でのホルダの開口中心間距離と同一となるように設定されているが、本実施形態のキャリアは加熱されても基板ホルダ中心間距離はほとんど変化しない構成としてあるため、基板外周端面は2つのバネ部材支持爪21,22と均等に接触する。
続いて、可動バネ部材23を戻すと、2つの基板はそれぞれ3つのバネ部材支持爪21、22、23の均等な力により、ホルダの開口中心部で確実に保持されることになり、基板外周面に傷が付いたり、基板が落下することはない。
【0025】
以上述べてきたように、図1に示した構造のキャリアを用いることにより、キャリアが高温に加熱された状態にあるにもかかわらずホルダ中心間距離がほとんど変化せず、2つのアームで2つのホルダ開口部20aの中心に基板を挿入することができ、その結果、確実な装着操作が可能となる。この理由を計算をまじえて以下に説明する。
キャリアが加熱されると、各構成部分はその温度に応じて膨張し、任意の2点間距離は変化することになるが、図1に示したように、スライダ部材の溝内部に配置される板バネをスライダ部材の中心側に配置し、かつスライダ部材の端部側に基板ホルダを付勢する構成としたため、各部材の熱膨張が基板ホルダの開口中心間距離の変化を相殺する方向に作用し、実質的な基板ホルダ中心間距離の変化は無視できる程度となる。
【0026】
これを図4に示したキャリア及び本実施形態のキャリアについて、加熱による基板ホルダ中心とキャリア中心との距離Lの変化量を計算した結果を以下に示す。図2(a)及び(b)は、それぞれ図1及び図4におけるA−A線の矢視図である。図2において、Lは室温における基板ホルダ中間部20bの中心から端部までの距離、Lはスライダ部材の中心から固定絶縁部材端部までの距離を示し、Lは絶縁部材長さである。
【0027】
加熱処理によりキャリア各部の温度は、次のようになる。
基板ホルダ中間部20bの温度TA:280℃、
絶縁部材温度TB:150℃ 、
スライダ部材肉厚部10aの中央部温度TC:100℃
スライダ部材くぼみ部10bの温度TD:93℃
ここで、Al及びアルミナの熱膨張係数をそれぞれ2.3x10−5(/℃)、5x10−6(/℃)として、キャリアが以上の温度に加熱された状態での基板ホルダ中心とキャリア中心との距離Lを計算すると次のようになる。
【0028】
図2(b)に示した従来のキャリアの場合、各部材の膨張量は、
dL1=Lx2.3x10−5x(TA−20)=0.26mm
dL=Lx2.3x10−5x(TC−20)=0.12mm
dL=Lx5x10−6x(TB−20)=8.45x10−3mmとなる。
ここで、固定絶縁部材はスライダ部材の中心側に配置されているため、スライダ部材、基板ホルダー及び絶縁部材の膨張がいずれもスライダ部材中心と基板ホルダ中心間距離Lを増加させる方向に寄与し、増加量dLは
dL=dL1+dL+dL=0.39mmとなる。
【0029】
一方、図2(a)に示した本実施形態のキャリアの場合、各部材の膨張量は、
dL1=Lx2.3x10−5x(TA−20)=0.26mm
dL=Lx2.3x10−5x(TD−20)=0.33mm
dL=Lx5x10−6x(TB−20)=8.45x10−3mm
となる。
固定絶縁部材がスライダ部材の端部側に配置され、可動絶縁部材は中央部側に配置されているため、基板ホルダ及び絶縁部材の熱膨張により、基板ホルダの中心はスライダ部材の中心部側に移動することになる。即ち、スライダ部材の熱膨張がLを増加させるように作用するのに対し、基板ホルダ及び絶縁部材の熱膨張はLを減少させるように作用する。
従って、スライダ部材中心と基板ホルダ中心間距離Lの増加量dLは、
dL=dL−(dL+dL)=0.06mmとなり、従来のキャリアの場合(0.39mm)と比べてほとんど変化しないことが分かる。
【0030】
このように、本実施形態のキャリアは、従来のキャリアとは異なり、加熱されても基板ホルダの中心間距離はほぼ一定に保たれるため、基板の傷、落下事故等を回避することができる。即ち、室温時の基板受け渡し位置で設計することができることになり、プロセスごとに設計する必要はなくなる。
【0031】
以上の実施形態では、2つの基板ホルダを保持するキャリアについて述べてきたが、3個以上の基板ホルダを保持するキャリアも拡張することができる。即ち、例えば、偶数個の基板ホルダを取り付ける場合は、上記可動絶縁部材と板バネを中心側とし、キャリア中心で対称となるように配置するればよい。また奇数個の場合は、偶数個の基板ホルダの外側に可動絶縁部材と板バネをキャリア中心側に配置する構成とすればよい。また、両端側の基板ホルダ以外の基板ホルダを2組の可動絶縁部材と板バネで両側から固定する構成としてもよい。
さらに、基板ホルダ自体に複数の開口及びバネ部材を設けて、1つの基板ホルダに複数の基板を把持させる構成としてもよい。なお、本発明の基板ホルダは、図1に示したように下部が幅狭となる形状に限らず、どのようの形状のものであってもよく、例えば、単に四角形状のものでもよい。
【0032】
なお、本発明において、基板側端面を絶縁部材に嵌合させる構成としたが、基板バイアスを印加する必要がない場合は、あえて絶縁部材を用いる必要はなく、金属等を用いてもよい。また、板バネの代わりに、コイルバネや処理条件によってはゴム等の弾性体を用いることもできる。さらに、基板ホルダやスライダ部材をAl以外の他の材料を用いても良いことは言うまでもない。
また、本発明は、以上述べてきたように、複数の基板を同時に装着する場合に好適に適用できるものであるが、基板を1枚ずる装着する場合であっても、キャリアの停止位置の位置決めをキャリアの中心位置で行うことにより、キャリアが加熱されてもアーム位置と基板ホルダの開口中心位置とのずれが抑えられ、従来のキャリアに比べてより安定した装着を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ほぼ従来の部品だけで基板加熱時の熱膨張による影響をなくすことができるため、さまざまなプロセス条件でも、複数基板の安定した同時装着が行えることになる。即ち、さまざまなプロセスに対応できる、高生産性、高信頼性の基板搬送装置を実現することが可能となる。この結果、高スループットのディスク生産装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板搬送装置の一例を示す概略図である。
【図2】基板搬送装置各部の具体的形状例を示す概略図である。
【図3】本発明の基板搬送装置が適用されるインライン型磁気ディスク製造装置の模式的平面図である。
【図4】図6の従来構造を改良した基板搬送装置を示す概略図である。
【図5】複数枚基板の同時装着を行うロード室を示す概略平面図である。
【図6】従来の基板搬送装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板搬送装置(キャリア)、
10 スライダ部材、
11 絶縁部材、
12 弾性体(板バネ)、
13 ネジ、
14 磁石、
20 基板ホルダ、
21,22,23 バネ部材(支持爪)、
40 回転磁石、
101 ロード室、
101a、104a 補助室、
102 加熱室、
103 成膜室、
104 アンロード室、
105 キャリア方向転換室、
106 ゲートバルブ。

Claims (4)

  1. ディスク状基板が挿入される円形の開口を有し、該開口の周辺に前記基板の外周端面を把持する複数のバネ部材が取り付けられた板状の基板ホルダと、2つの該基板ホルダをホルダ面が同一面となるように取り付けるスライダ部材と、からなる基板搬送装置であって、前記スライダ部材に前記基板ホルダの下部が挿入可能な溝を2つ所定の間隔を開けて形成し、各々の溝の内部であって前記スライダ部材の中心側の端部に可動部材を配置するとともに、該可動部材を前記スライダ部材の端部側に付勢する弾性体を配置し、前記基板ホルダの側端面を前記スライダ部材の端部側に押しつけて固定する構成としたことを特徴とする基板搬送装置。
  2. 前記スライダ部材の前記2つの溝の外側に第3の溝を形成し、該第3の溝内の前記スライダ部材の中心側に第3の可動部材及び第3の弾性体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
  3. 前記バネ部材は、板状バネ部材をL字状に折り曲げ、折り曲げられた先端部分にV字状の溝が形成されたものであり、該L字型バネ部材をL字が回転対称となる方向に取り付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板搬送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された基板搬送装置に複数の未処理基板を装着し、これを処理室に移動させて処理を所定の行い、処理後基板を取り外して、再び未処理基板を装着する工程を繰り返し行う基板処理装置であって、前記基板搬送装置への基板の装着を、複数のアームを有するロボットにより複数の基板について同時に行う構成とし、室温において2つのアーム中心軸間距離を前記基板ホルダの中心間距離に一致させたことを特徴とする。
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