JP4221106B2 - プレスブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、曲げ加工機としての例えばプレスブレーキ101においては、図7に示されているように立設されたC形フレーム103の上部前面には上下動可能な上部テーブル107が設けられており、この上部テーブル107の下部にはパンチPが着脱可能に装着されている。一方、C形フレーム103の下部前面には下部テーブル109が固定して設けられている。この下部テーブル109の上面にはダイDが着脱可能に装着されている。
【0003】
また、プレスブレーキ101には、パンチPとダイDからなる金型に対しワークWを供給及び位置決め自在とするロボットグリッパ111を備えたロボット113が設けられている。このロボット113により自動的にステップベンドが行われる際に、ロボットグリッパ111によりクランプされているワークWを掴み換えする必要が生じてくることがある。
【0004】
従来では、掴み換え装置115が例えば図7及び図8に示されているように上部テーブル105の前面側に固定して設けられている。ロボット113が作動してロボットグリッパ111によりクランプされているワークが掴み換え装置115の掴み換えグリッパ117へ移動され、この掴み換えグリッパ117によりワークWが一時的にクランプされた後に、ロボットグリッパ111がワークWをアンクランプし、ロボットグリッパ111が図9に示されているように2点鎖線の位置から実線の位置へ旋回してワークWを掴み換えするように構成されている。
【0005】
例えば、図10(A)〜(E)を参照するに、ロボット113のロボットグリッパ111によりクランプされているワークWを掴み換えする際に、ワークWはロボットグリッパ111によりクランプされ、図10(A)に示されているように掴み換えグリッパ117へ移動される。
【0006】
上記のワークWは図10(B)に示されているように掴み換えグリッパ117によりクランプされると共にワークWがロボットグリッパ111でアンクランプされる。
【0007】
ロボットグリッパ111は図10(C)において右方のワークWの反対側へ大きく旋回移動される。
【0008】
ロボットグリッパ111がワークWの右側縁の方向つまり図10(D)において左方向へ移動され、このロボットグリッパ111によりワークWがクランプされると共に前記ワークWが掴み換えグリッパ117によりアンクランプされるので、ワークWはロボットグリッパ111に掴み換えされる。
【0009】
図10(E)では、ワークWはロボットグリッパ111により移動されてプレスブレーキ101に対して供給、位置決めされて曲げ加工が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の曲げ加工方法ではワークWの掴み換え動作中のロボット113の移動量が多いために、掴み換えの時間が多くかかるという問題点があった。
【0011】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ワークの掴み換え動作中のロボットの移動量を減少して掴み換え時間を短縮し得るプレスブレーキを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき従来の問題点に鑑みてなされたもので下部にパンチ(P)を備えた上部テーブル(5)と、上記パンチ(P)と協働してワーク(W)の折曲げ加工を行うダイ(D)を備えた下部テーブル(11)とを備え、前記パンチ(P)とダイ(D)との間へワーク(W)の位置決めを行うためのロボット(19)を前記下部テーブル(11)の表側に左右方向へ移動自在に設けたプレスブレーキにおいて、前記ロボット(19)においてワーク(W)を把持するロボットグリッパ(21)を、前後方向及び上下方向に移動自在に設け、前記ロボット(19)の前記ロボットグリッパ(21)にクランプされているワーク(W)の掴み換えをする際に前記ワーク(W)をクランプする掴み換えグリッパ(25)を、前記上部テーブル(5)に上下動自在かつ水平に旋回自在に備え、前記ワーク(W)の掴み換えを行うときには前記掴み換えグリッパ(25)を下降し、前記ロボットグリッパ(21)から下降した掴み換えグリッパ(25)に前記ワーク(W)を移動して水平に旋回した後、前記ロボットグリッパ(21)に前記ワーク(W)を掴み換え、その後に前記掴み換えグリッパ(25)を原位置へ上昇復帰する構成であることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るプレスブレーキついて、図面を参照して説明する。
【0017】
図3及び図4を参照するに、本実施の形態に係わる曲げ加工機としての例えばプレスブレーキ1は、立設されたC形フレーム3L,3Rを備えており、このC形フレーム3L,3Rの上部前面には上下動可能な上部テーブル5が設けられており、この上部テーブル5の下部の金型装着部9にはパンチPが着脱可能に装着されている。一方、C形フレーム3L,3Rの下部前面には下部テーブル11が固定して設けられている。この下部テーブル11の上の金型装着部13にはダイDが着脱可能に装着されている。
【0018】
各金型装着部9,13には図3に示されているようにワークWの折曲げ長さに応じて複数の金型が組み合わされて複数のステーション例えばSA,SB,SCを形成できるよう構成されている。
【0019】
上記のプレスブレーキ1の上部、下部テーブル5,11の長手方向のほぼ中央には複数の金型を保管、収納する金型格納部15が上下動自在に設けられており、例えば、上部テーブル5の裏側には複数のパンチPのパンチ格納部(図示省略)が設けられ、下部テーブル11の裏側には複数のダイDのダイ格納部(図示省略)が設けられている。
【0020】
また、プレスブレーキ1には上部、下部テーブル5,11の各金型装着部9,13の金型を着脱して上記の金型格納部15の金型と交換するための金型交換装置17が上部、下部テーブル5,11の裏側を図3及び図4において左右方向に移動自在に設けられている。
【0021】
また、プレスブレーキ1にはワークWを把持して所望のステーションへ移動するためのワーク移動装置としての例えばロボット19が下部テーブル11の表側を図3及び図4において左右方向(X軸方向)に移動自在に設けられている。なお、上記のロボット19には所望のステーションに対しワークWを供給及び位置決め自在とするロボットグリッパ21がプレスブレーキ1に対して前後方向(図4において上下方向で、Y軸方向)及び上下方向(図3において上下方向で、Z軸方向)に移動自在に設けられている。
【0022】
また、プレスブレーキ1には図4に示されているようにロボット19のロボットグリッパ21に把持されて移動されるワークWの位置決めをするためのワーク位置決め装置としての例えば突当て装置23が下部テーブル11の裏側を図4において左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y軸方向)に移動位置決め自在に設けられている。
【0023】
したがって、プレスブレーキ1は、折曲げ加工すべきワークWがロボット19により突当て装置23へ突き当てられるように移動されて、ステーションのパンチPとダイDとの間に位置決めされ、本実施の形態では上部テーブル5が昇降して前記パンチPとダイDの協働でワークWが図示せざる昇降駆動シリンダにより折曲げ加工されるよう構成されている。なお、プレスブレーキ1としては上部テーブル5が固定で下部テーブル11が上下動自在であっても構わない。
【0024】
なお、上記の金型交換装置17、ロボット19及びロボットグリッパ21、突当て装置23、昇降駆動シリンダは制御装置に電気的に接続されている。
【0025】
また、プレスブレーキ1の上部テーブル5には図3に示されているようにワークWを掴み換えするための掴み換えグリッパ25を上下動並びに旋回自在に備えた掴み換え装置27が設けられている。
【0026】
より詳しくは、掴み換え装置27は図1及び図2に示されているように上下用ガイド29がベースプレート31に上下方向に延伸されており、ベースプレート31はボルトBTにより上部テーブル5に固定されている。前記上下用ガイド29にはガイド体33がガイドされて上下動自在に設けられている。
【0027】
本実施の形態では図2において下方に向けて伸縮するピストンロッド35を備えた上下用シリンダ37が上記のベースプレート31に設けられており、上下用シリンダ37のピストンロッド35の先端に上記のガイド体33が連結用ブラケット39を介して固定されている。
【0028】
上記のガイド体33の図1において下方側には掴み換えグリッパ25をほぼ水平面に旋回するためのロータリアクチュエータ41が設けられており、ロータリアクチュエータ41の旋回軸43の先端には掴み換えグリッパ25が設けられている。
【0029】
掴み換えグリッパ25はワークWを上下にクランプするための上下ジョー45,47から構成されており、本実施の形態では下ジョー47が旋回軸43の先端にジョーガイド49を介して固定されており、上ジョー45が図示省略のクランプシリンダによりジョーガイド49に沿って上下動自在に設けられている。
【0030】
したがって、掴み換えグリッパ25は上下用シリンダ37の作動により昇降され、ロータリアクチュエータ41の作動によりほぼ水平面に旋回される。例えば、図1に示されているように実線で示されているA位置から2点鎖線で示されているB位置までの90°旋回、C位置までの180°旋回が可能である。
【0031】
上記構成により、上記の掴み換え装置27を用いて曲げ加工を行う曲げ加工方法について図5を参照して説明する。
【0032】
ロボット19のロボットグリッパ21によりクランプされているワークWを掴み換えする際に、掴み換え装置27の掴み換えグリッパ25は上下用シリンダ37の作動により図2において下降端へ降下されていると共にロータリアクチュエータ41の作動により図5(A)に示されているようにA位置に向いている。ワークWはロボットグリッパ21によりクランプされ、掴み換えグリッパ25へ移動される。
【0033】
上記のワークWは図5(B)に示されているように掴み換えグリッパ25によりクランプされる。この後に、ワークWがロボットグリッパ21でアンクランプされ、ロボットグリッパ21が図5(C)において右方向へ待避される。
【0034】
図5(D)では、上記のワークWはロータリアクチュエータ41の作動により旋回される掴み換えグリッパ25によってほぼ水平面でA位置からC位置へ180°旋回位置決めされる。
【0035】
上記の旋回位置決めされたワークWは、図5(E)において左方向つまりワークWの方向へ前進移動されるロボットグリッパ21によりクランプされる。次いで掴み換えグリッパ25が前記ワークWをアンクランプすることにより、ワークWがロボットグリッパ21に掴み換えされる。
【0036】
ワークWは図5(F)に示されているようにロボットグリッパ21により移動されてプレスブレーキ1に対して供給、位置決めされて曲げ加工が行われる。この間に、上記の掴み換えグリッパ25はロータリアクチュエータ41の作動によりほぼ水平面でC位置からA位置へ180°旋回されると共に上下用シリンダ37の作動により図2において上昇端へ上昇され原位置へ復帰される。
【0037】
以上のことから、ワークWの姿勢は掴み換えグリッパ25により予めロボットグリッパ21がワークWを掴みやすい位置となるように変更されるので、ワークWの掴み換え動作中におけるロボット19の移動量が減少し、ロボット19の掴み換え動作に要する時間を短縮せしめることができる。
【0038】
図6はワークWが掴み換えグリッパ25によりA位置からB位置へほぼ90度旋回されるときの例を示したものであり、上述した図5における180°旋回の場合とほぼ同様である。
【0039】
図6(A)〜(C)は図5(A)〜(C)と同様である。
【0040】
図6(D)では、掴み換えグリッパ25にクランプされたワークWはロータリアクチュエータ41の作動によりほぼ水平面でA位置からB位置へ90°旋回位置決めされる。
【0041】
図6(E)では、ロボットグリッパ21がワークWの方向つまり図5(E)において左方向へ前進移動される。この移動されたロボットグリッパ21により上記の旋回位置決めされたワークWがクランプされると共に掴み換えグリッパ25が前記ワークWをアンクランプし、ワークWがロボットグリッパ21に掴み換えされる。
【0042】
図6(F)では、ロボットグリッパ21によりワークWが移動されてプレスブレーキ1に対して供給、位置決めされて曲げ加工が行われる。一方、上記の掴み換えグリッパ25はロータリアクチュエータ41の作動によりほぼ水平面でB位置からA位置へ90°旋回されると共に上下用シリンダ37の作動により図2において上昇端へ上昇され原位置へ復帰される。
【0043】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、本発明によれば、掴み換え装置の掴み換えグリッパをプレスブレーキの上部テーブルに上下動自在かつ水平に旋回自在に設けたので、掴み換えグリッパにより予めロボットグリッパがワークを掴みやすい位置となるようにワークの姿勢を変更できるために、ワークの掴み換え動作中におけるロボットの移動量を減少でき、ロボットの掴み換え動作に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、掴み換え装置の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、掴み換え装置の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態で用いられるプレスブレーキの正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】(A)〜(F)は、本発明の実施の形態のプレスブレーキによるロボットグリッパの掴み換え工程を示す動作説明図である。
【図6】(A)〜(F)は、本発明の実施の形態のプレスブレーキによるロボットグリッパの掴み換え工程を示す動作説明図である。
【図7】従来の掴み換え装置を備えたプレスブレーキの正面図である。
【図8】図7の左側面図である。
【図9】従来のプレスブレーキによるロボットグリッパの掴み換え動作を示す部分的な斜視図である。
【図10】(A)〜(E)は、従来のプレスブレーキによるロボットグリッパの掴み換え工程を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ(曲げ加工機)
5 ラム
7 上部テーブル
11 下部テーブル
19 ロボット
21 ロボットグリッパ
25 掴み換えグリッパ
27 掴み換え装置
29 上下用ガイド
33 ガイド体
37 上下用シリンダ
41 ロータリアクチュエータ

Claims (1)

  1. 下部にパンチ(P)を備えた上部テーブル(5)と、上記パンチ(P)と協働してワーク(W)の折曲げ加工を行うダイ(D)を備えた下部テーブル(11)とを備え、前記パンチ(P)とダイ(D)との間へワーク(W)の位置決めを行うためのロボット(19)を前記下部テーブル(11)の表側に左右方向へ移動自在に設けたプレスブレーキにおいて、前記ロボット(19)においてワーク(W)を把持するロボットグリッパ(21)を、前後方向及び上下方向に移動自在に設け、前記ロボット(19)の前記ロボットグリッパ(21)にクランプされているワーク(W)の掴み換えをする際に前記ワーク(W)をクランプする掴み換えグリッパ(25)を、前記上部テーブル(5)に上下動自在かつ水平に旋回自在に備え、前記ワーク(W)の掴み換えを行うときには前記掴み換えグリッパ(25)を下降し、前記ロボットグリッパ(21)から下降した掴み換えグリッパ(25)に前記ワーク(W)を移動して水平に旋回した後、前記ロボットグリッパ(21)に前記ワーク(W)を掴み換え、その後に前記掴み換えグリッパ(25)を原位置へ上昇復帰する構成であることを特徴とするプレスブレーキ。
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