JP4219195B2 - 基板搬送装置およびそれを備えた基板処理装置 - Google Patents

基板搬送装置およびそれを備えた基板処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板を搬送する基板搬送装置およびそれを備えた基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用ガラス基板、半導体ウェハ等の基板に種々の処理を行うために基板処理装置が用いられる。
【0003】
基板処理装置においては、例えば、平行に配列された複数の搬送ローラに基板が載置され、上方の噴射ノズルから処理液が噴射され、基板面に洗浄処理、現像処理、エッチング処理、剥離処理等のウェット処理が行われる。基板は、ウェット処理がなされるとともに搬送ローラにより搬送される。
【0004】
この場合、搬送ローラに対向するように基板上に上乗せローラが設けられる。ウェット処理により搬送ローラと基板との間の摩擦が低減しないように、搬送ローラと上乗せローラとで基板が挟まれ、搬送ローラと上乗せローラとが回転することにより基板が搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−10096号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上乗せローラの重量で摩擦を生じさせるためには、上乗せローラを重量のある材料で構成せざるを得ず、金属材料が使用される。しかしながら、金属材料は基板処理時の処理液により腐食されるため、樹脂等で被覆する必要があり、加工にコストがかかる。
【0007】
また、上乗せローラが傾斜している場合には、基板に加わる押圧力が分散し、搬送ローラおよび上乗せローラと基板との間の摩擦力が低減する。
【0008】
本発明の目的は、重量が要求されずかつ低コスト化が可能なローラを有する基板搬送装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、重量が要求されずかつ低コスト化が可能なローラを有する基板搬送装置を備えた基板処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明に係る基板搬送装置は、基板を搬送する基板搬送装置であって、基板を支持しつつ回転可能に設けられた第1のローラと、基板を挟んで第1のローラに対向するように回転可能に設けられた第2のローラと、第1のローラを回転させる回転駆動手段と、第1のローラの回転力を第2のローラに伝達する回転力伝達手段とを備え、第1のローラは、回転可能に設けられた第1の軸と、第1の軸に同心に設けられ、基板の一面に接触する外周部を有する第1の押さえ部材とを含み、第2のローラは、回転可能に設けられた第2の軸と、第2の軸に同心に設けられ、基板の他面に接触する外周部を有する第2の押さえ部材と、第2の押さえ部材が第1の押さえ部材に対して離間または近接するように第2の軸を所定位置を支点として揺動可能に支持する支持手段とを含み、回転力伝達手段は、第1のローラに設けられ、第1のと同心の第1の外周面を有する第1の伝達部材と、第2のローラに設けられ、第2のと同心でかつ第1の外周面に対向する第2の外周面を有する第2の伝達部材とを含み、第1の伝達部材および第2の伝達部材は、第1の外周面と第2の外周面との間で磁力による引力で回転力を伝達するとともに磁力による引力で第1の押さえ部材の外周部および第2の押さえ部材の外周部によりそれぞれ基板の一面および他面に押圧力が加えられるように設けられたものである。
【0011】
本発明に係る基板搬送装置においては、基板が第1のローラと第2のローラとで挟まれる。回転駆動手段は、第1のローラを回転させる。このとき、第1の伝達部材の第1の外周面と第2の伝達部材の第2の外周面との間に磁力による引力が発生する。第1のローラの回転は、第1の伝達部材の第1の外周面と第2の伝達部材の第2の外周面との間の磁力による引力で第2のローラへ伝達される。
【0012】
また、支持手段により支持された第2の軸の所定位置が支点となり、第1の伝達部材と第2の伝達部材との対向する位置が力点となり、第1の押さえ部材と第2の押さえ部材との対向する位置が作用点となり、基板の一面に第1の押さえ部材により押圧力が加えられるとともに、基板の他面に第2の押さえ部材により押圧力が加えられる。それにより、基板が第1の押さえ部材と第2の押さえ部材とで確実に挟持される。この状態で、第1の押さえ部材が第1の軸とともに回転し、第1の伝達部材から第2の伝達部材へ磁力による引力で回転力が伝達されることにより、第2の押さえ部材が第2の軸とともに回転する。
この場合、第1の伝達部材および第2の伝達部材の磁力による引力で第1のローラの第1の押さえ部材および第2のローラの第2の押さえ部材と基板との間には摩擦が発生する。したがって、第2のローラが重量を有さなくても第1のローラおよび第2のローラが基板に対して空転することがない。したがって、基板を確実に搬送することができる。また、第2のローラに重量が要求されないことから、第2のローラの製作コストが低減する。さらに、第2のローラを支持する第1のローラの強度が要求されないことから、第1のローラの製作コストも低減する。
【0013】
第1の伝達部材は、非磁性材料により形成されるとともに第1の外周面に沿って配列された複数の第1の磁石を内蔵し、第2の伝達部材は、非磁性材料により形成されるとともに第2の外周面に沿って配列された複数の第2の磁石を内蔵し、第1の伝達部材の各第1の磁石と第2の伝達部材の各第2の磁石との間に引力が作用するように複数の第1の磁石と複数の第2の磁石とが配置されてもよい。
【0014】
この場合、第1の伝達部材に内蔵された複数の第1の磁石と第2の伝達部材に内蔵された複数の第2の磁石との間に磁力による引力が発生する。したがって、基板は、重力に関係なく第1のローラと第2のローラとで一定の押圧力で挟まれる。
【0015】
第1の外周面にN極およびS極が交互に形成されるように複数の第1の磁石が等ピッチで設けられ、第2の外周面にN極およびS極が交互に形成されるように複数の第2の磁石が複数の第1の磁石と同じピッチで設けられてもよい。
【0016】
この場合、第1の外周面のN極と第2の外周面のS極との間に引力が発生し、第1の外周面のS極と第2の外周面のN極との間で引力が発生する。したがって、第1の伝達部材の回転に伴い第2の伝達部材も回転する。また、第1の磁石と第2の磁石とが等ピッチで設けられているため、第1の伝達部材および第2の伝達部材の周速は等しくなる。その結果、第1の伝達部材の回転力が第2の伝達部材に確実に伝達される。
【0019】
第1のローラは、第1の軸に設けられ、第1の軸と同心の外周面を有する第1の隙間調整部材をさらに含み、第2のローラは、第2の軸に設けられ、第2の軸と同心の外周面を有する第2隙間調整部材をさらに含み、第1の隙間調整部材の外周面と第2の隙間調整部材の外周面とが接触した状態で第1の押さえ部材の外周部と第2の押さえ部材の外周部との間の隙間が所定の大きさに設定されてもよい。
【0020】
この場合、第1の伝達部材と第2の伝達部材の引力により第1の隙間調整部材と第2の隙間調整部材が接触することにより、第1の押さえ部材の外周部と第2の押さえ部材の外周部との間に所定の大きさの隙間が確保される。したがって、基板に過度の押圧力が加わらず、基板が破損することが防止される。
【0021】
第1のローラおよび第2のローラは、水平面に平行にまたは水平面に対して傾斜するように設けられてもよい。
【0022】
この場合、第1のローラおよび第2のローラの傾斜の有無に関わりなく、基板は第1の伝達部材と第2の伝達部材との間の磁力により第1のローラと第2のローラとで効率的に挟持される。
【0023】
本発明に係る基板処理装置は、基板を搬送する基板搬送装置と、基板搬送装置により搬送される基板に処理液を供給する処理液供給手段とを備え、基板を支持しつつ回転可能に設けられた第1のローラと、基板を挟んで第1のローラに対向するように回転可能に設けられた第2のローラと、第1のローラを回転させる回転駆動手段と、第1のローラの回転力を第2のローラに伝達する回転力伝達手段とを備え、第1のローラは、回転可能に設けられた第1の軸と、第1の軸に同心に設けられ、基板の一面に接触する外周部を有する第1の押さえ部材とを含み、第2のローラは、回転可能に設けられた第2の軸と、第2の軸に同心に設けられ、基板の他面に接触する外周部を有する第2の押さえ部材と、第2の押さえ部材が第1の押さえ部材に対して離間または近接するように第2の軸を所定位置を支点として揺動可能に支持する支持手段とを含み、回転力伝達手段は、第1のローラに設けられ、第1のと同心の第1の外周面を有する第1の伝達部材と、第2のローラに設けられ、第2のと同心でかつ第1の外周面に対向する第2の外周面を有する第2の伝達部材とを含み、第1の伝達部材および第2の伝達部材は、第1の外周面と第2の外周面との間で磁力による引力で回転力を伝達するとともに磁力による引力で第1の押さえ部材の外周部および第2の押さえ部材の外周部によりそれぞれ基板の一面および他面に押圧力が加えられるように設けられたものである。
【0024】
本発明に係る基板処理装置においては、基板が第1のローラと第2のローラとで挟まれる。回転駆動手段は、第1のローラを回転させる。このとき、第1の伝達部材の第1の外周面と第2の伝達部材の第2の外周面との間に磁力による引力が発生する。第1のローラの回転は、第1の伝達部材の第1の外周面と第2の伝達部材の第2の外周面との間の磁力による引力で第2のローラへ伝達される。また、処理液供給手段により基板に処理液が供給される。
【0025】
また、支持手段により支持された第2の軸の所定位置が支点となり、第1の伝達部材と第2の伝達部材との対向する位置が力点となり、第1の押さえ部材と第2の押さえ部材との対向する位置が作用点となり、基板の一面に第1の押さえ部材による押圧力が加えられるとともに、基板の他面に第2の押さえ部材による押圧力が加えられる。それにより、基板が第1の押さえ部材と第2の押さえ部材とで確実に挟持される。この状態で、第1の押さえ部材が第1の軸とともに回転し、第1の伝達部材から第2の伝達部材へ磁力による引力で回転力が伝達されることにより、第2の押さえ部材が第2の軸とともに回転する。
この場合、第1の伝達部材および第2の伝達部材の磁力による引力で第1のローラの第1の押さえ部材および第2のローラの第2の押さえ部材により基板に押圧力が加えられる。それにより、処理液により基板の摩擦係数が低減しても、基板に対して第1のローラと第2のローラとが空転することはない。したがって、基板を確実に搬送することができる。
【0026】
また、第2のローラに重量が要求されないことから、第2のローラの製作コストが低減する。さらに、第2のローラを支持する第1のローラの強度が要求されないことから、第1のローラの製作コストも低減する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の概略的側面図である。図2は、図1の基板処理装置の概略的平面図である。図3は、図1の基板処理装置の一部拡大正面図である。以下、図1〜図3を参照して本実施の形態に係る基板処理装置の説明を行う。
【0028】
ここで、図1〜図3において水平面内で互いに直交する2方向を第1の方向Xおよび第2の方向Yとする。また、基板とは、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、半導体ウエハ等をいう。
【0029】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の上乗せローラ20および複数の搬送ローラ30a,30bを含む。各搬送ローラ30a,30bは、後述するように、第2の方向Yから上方にやや傾斜した方向に延びるように設けられている。各搬送ローラ30a上に上乗せローラ20が設けられている。
【0030】
図2に示すように、支持板50b,50cが所定の間隔を隔てて第1の方向Xに沿ってかつ鉛直方向からやや傾斜して設けられている。また、支持板50aが支持板50bに沿って設けられている。搬送ローラ30a,30bの一端は、支持板50bを貫通しかつ回転可能に支持板50bに支持されている。搬送ローラ30a,30bの他端は、支持板50cを貫通しかつ回転可能に支持板50cに支持されている。
【0031】
上乗せローラ20の一端は、支持板50aに回転可能に支持され、他端は支持板50bに回転可能に支持されている。また、複数の基板支持部材40が支持板50bに沿って第1の方向Xに配列されている。
【0032】
基板Wは、搬送ローラ30a,30b上に支持されるとともに、上乗せローラ20と搬送ローラ30aとで挟み込まれる。また、基板Wの側部端面が基板支持部材40に接触し、基板Wの第2の方向Yの位置が規制される。
【0033】
また、基板処理装置100の上方には、図1の処理液供給装置200が設けられており、搬送中の基板Wに処理液が供給される。処理液は、例えば、エッチング液、現像液、洗浄液などである。
【0034】
図3に示すように、搬送ローラ30aは、搬送ローラ軸31、マグネット円板32、隙間調整円板33および基板支持円板34,35を備える。基板支持円板34の外周面にはOリング36が装着されており、基板支持円板35の外周面にはOリング37が装着されている。
【0035】
マグネット円板32、隙間調整円板33および基板支持円板35は搬送ローラ軸31の一端側に取り付けられており、搬送ローラ軸31の一端側からマグネット円板32、隙間調整円板33、基板支持円板34の順に並んでいる。基板支持円板35は、搬送ローラ軸31の他端側に取り付けられている。それにより、搬送ローラ軸31、マグネット円板32、隙間調整円板33および基板支持円板34,35は一体となって回転する。
【0036】
マグネット円板32と隙間調整円板33との間の搬送ローラ軸31の部分が軸受け52により支持板50bに回転可能に支持される。基板支持円板35よりも他端側の搬送ローラ軸31の部分が軸受け53により支持板50cに回転可能に支持される。支持板50b,50cは鉛直方向からやや傾斜しているため、搬送ローラ30aは、一端側に対して他端側が高くなるように傾斜する。搬送ローラ30bの構造は、搬送ローラ30aの構造と同様である。
【0037】
搬送ローラ30a,30bは、Oリング36により基板Wの一側部下面を支持し、Oリング37により基板Wの他側部下面を支持する。
【0038】
上乗せローラ20は、上乗せローラ軸21、マグネット円板22、隙間調整円板23および基板押え円板24を備える。基板押え円板24の外周面にはOリング27が装着されている。マグネット円板22、隙間調整円板23および基板押え円板24は、上乗せローラ軸21に取り付けられている。それにより、上乗せローラ軸21、マグネット円板22、隙間調整円板23および基板押え円板24は一体となって回転する。
【0039】
なお、上乗せローラ軸21、搬送ローラ軸31、マグネット円板22,32、隙間調整円板23,33、基板押え円板24および基板支持円板34,35は、非磁性体で形成される。例えば、PTFE(四フッ化エチレン)、PCTFE(三フッ化エチレン)等のフッ素樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)等の樹脂またはチタン、アルミニウム等の非磁性体の軽金属もしくは合金を用いることができる。それにより、上乗せローラ20および搬送ローラ30a,30bの軽量化が図られる。また、ステンレスを用いることもできる。それにより、上乗せローラ20および搬送ローラ30a,30bの強度が向上する。
【0040】
上乗せローラ軸21、搬送ローラ軸31、マグネット円板22,32、隙間調整円板23,33、基板押え円板24および基板支持円板34,35を構成する材料は、処理液の種類により選択する。
【0041】
上乗せローラ軸21の一端が軸受け25により支持板50aに回転可能に支持され、マグネット円板22と隙間調整円板23との間の上乗せローラ軸21の部分が軸受け26により支持板50bに回転可能に支持されている。軸受け26は、支持板50bの上端に形成された矩形の切欠き54(図2参照)に上下動可能に嵌合している。
【0042】
また、マグネット円板32の外周面はマグネット円板22の外周面に対向し、隙間調整円板33の外周面は隙間調整円板23の外周面に対向し、基板支持円板34の外周面は基板押え円板24の外周面に対向する。
【0043】
基板支持部材40は、ローラ部41と支持棒42とから構成される。ローラ部41は、支持棒42の上端に回転自在に設けられている。ローラ部41は基板Wの一側部端面に接触し、基板Wの搬送に伴い回転する。それにより、搬送ローラ31a,31bの傾斜による基板Wの横ずれが防止される。
【0044】
搬送ローラ駆動装置10は、支持板50cの外側に設けられ、モータ、ギア等の駆動機構を内蔵する。制御部60からの制御信号に基づいて搬送ローラ駆動装置10の内部のモータが回転することにより、搬送ローラ30a,30bが一斉に同一方向に回転する。それにより、基板Wは第1の方向Xに搬送される。
【0045】
図4は、図3のマグネット円板22およびマグネット円板32の模式的断面図である。以下、図4を用いてマグネット円板22およびマグネット円板32の回転動作について説明する。
【0046】
図4に示すように、マグネット円板22の外周近傍には、複数の磁石MGが上乗せローラ軸21に対して同心円を形成するように埋め込まれている。また、複数の磁石MGは、外周側が交互にN極およびS極になるように配置されている。
【0047】
マグネット円板32も同様に、外周近傍に複数の磁石MGが搬送ローラ軸31に対して同心円を形成するように埋め込まれている。また、複数の磁石MGは、外周側が交互にN極およびS極になるように配置されている。
【0048】
したがって、マグネット円板22およびマグネット円板32の外周面上には、N極およびS極の磁界が交互に発生している。また、マグネット円板22およびマグネット円板32における磁石MGのピッチは等しい。さらに、マグネット円板22の直径とマグネット円板32の直径との比は、基板押え円板24の直径と基板支持円板34の直径との比に等しい。
【0049】
マグネット円板22の外周面のN極とマグネット円板32の外周面のS極とが磁力で引き合い、さらに、マグネット円板22の外周面のS極とマグネット円板32の外周面のN極とが磁力で引き合う。それにより、マグネット円板22とマグネット円板32との間に引力が発生する。
【0050】
さらに、マグネット円板22とマグネット円板32との間の引力により、マグネット円板22およびマグネット円板32が非接触であっても、マグネット円板32が回転するとマグネット円板22も回転する。それにより、マグネット円板22とマグネット円板32とが摺動することがない。したがって、パーティクルの発生が防止される。
【0051】
また、マグネット円板22およびマグネット円板32における磁石MGのピッチは等しいため、マグネット円板32の回転における周速V1とマグネット円板22の回転における周速V2とは等しくなる。さらに、マグネット円板22の直径とマグネット円板32の直径との比が基板押え円板24の直径と基板支持円板34の直径との比に等しいため、基板押え円板24の周速と基板支持円板34の周速とは等しくなる。
【0052】
上記のように、マグネット円板22とマグネット円板32とは内蔵された磁石の磁力で互いに引き合う。それにより、軸受け25が支点となり、マグネット円板22とマグネット円板32との引力発生点が力点となり、Oリング27と基板Wとの接触点が作用点となって基板Wに対して押圧力が加わる。
【0053】
したがって、上乗せローラ20の重量による押圧力以上の押圧力が基板Wに加わる。その結果、図1の処理液供給装置200から処理液が基板Wに供給されることにより基板Wの摩擦係数が低減しても、基板Wに対して搬送ローラ30aが空転することはない。
【0054】
また、重力に関係なくマグネット円板22とマグネット円板32とが磁力で引き合う。それにより、搬送ローラ30aの傾斜角度が異なっても基板Wに加わる押圧力が分散することはない。したがって、基板Wは搬送ローラ30aおよび上乗せローラ20により常に一定の押圧力で挟持される。
【0055】
なお、マグネット円板22とマグネット円板32との間に作用する磁力が大きい場合には、隙間調整円板23と隙間調整円板33とが接触し、Oリング27とOリング36との隙間が所定値以下になることはない。したがって、基板Wに過度の押圧力が加わらず、基板Wが破損することが防止される。
【0056】
また、上乗せローラ20を重量のある材料で構成した場合には、基板Wに過度の押圧力が加わらないように軸受け25の位置をマグネット円板22に近い方向に移動させてもよい。また、上乗せローラ20の重量が大きすぎる場合には、軸受け25をマグネット円板22と軸受け26との間に設け、基板Wに加わる過大な押圧力を低減してもよい。
【0057】
Oリング25とOリング35との間の隙間は搬送される基板の厚みに応じて設定されるが、外径の異なる隙間調整円板23および隙間調整円板33を使用することでその隙間を調整することもできる。
【0058】
なお、マグネット円板22,32、隙間調整円板23,33、基板押え円板24および基板支持円板34,35の形状は、上記実施の形態に限定されず、上乗せローラ軸21または搬送ローラ軸31と同心の外周面を有すれば球状等の他の形状であってもよい。また、搬送ローラ30a,30bは水平に配置されてもよい。
【0059】
本実施の形態においては、搬送ローラ30aが第1のローラに相当し、上乗せローラ20が第2のローラに相当し、搬送ローラ駆動装置10が回転駆動手段に相当し、マグネット円板22,32が回転力伝達手段に相当し、マグネット円板32が第1の伝達部材に相当し、マグネット円板22が第2の伝達部材に相当し、マグネット円板32の外周面が第1の外周面に相当し、マグネット円板22の外周面が第2の外周面に相当する。
【0060】
また、磁石MGが第1の磁石および第2の磁石に相当し、搬送ローラ軸31が第1の軸に相当し、上乗せローラ軸21が第2の軸に相当し、基板支持円板34が第1の押さえ部材に相当し、基板押さえ円板24が第2の押さえ部材に相当し、軸受け25が支持手段に相当し、隙間調整円板33が第1の隙間調整部材に相当し、隙間調整円板23が第2の隙間調整部材に相当し、処理液供給装置200が処理液供給手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の概略的側面図である。
【図2】図1の基板処理装置の概略的平面図である。
【図3】図1の基板処理装置の一部拡大正面図である。
【図4】図3のマグネット円板の模式的断面図である。
【符号の説明】
10 搬送ローラ駆動装置
20 上乗せローラ
21 上乗せローラ軸
22,32 マグネット円板
23,33 隙間調整円板
24 基板押え円板
25,26,52,53 軸受け
27,36,37 Oリング
30a,30b 搬送ローラ
31 搬送ローラ軸
34,35 基板支持円板
40 基板支持部材
50a,50b,50c 支持板
60 制御部
100 基板処理装置
MG 磁石
W 基板

Claims (6)

  1. 基板を搬送する基板搬送装置であって、
    基板を支持しつつ回転可能に設けられた第1のローラと、
    基板を挟んで前記第1のローラに対向するように回転可能に設けられた第2のローラと、
    前記第1のローラを回転させる回転駆動手段と、
    前記第1のローラの回転力を前記第2のローラに伝達する回転力伝達手段とを備え、
    前記第1のローラは、
    回転可能に設けられた第1の軸と、
    前記第1の軸に同心に設けられ、基板の一面に接触する外周部を有する第1の押さえ部材とを含み、
    前記第2のローラは、
    回転可能に設けられた第2の軸と、
    前記第2の軸に同心に設けられ、基板の他面に接触する外周部を有する第2の押さえ部材と、
    前記第2の押さえ部材が前記第1の押さえ部材に対して離間または近接するように前記第2の軸を所定位置を支点として揺動可能に支持する支持手段とを含み、
    前記回転力伝達手段は、
    前記第1のローラに設けられ、前記第1のと同心の第1の外周面を有する第1の伝達部材と、
    前記第2のローラに設けられ、前記第2のと同心でかつ前記第1の外周面に対向する第2の外周面を有する第2の伝達部材とを含み、
    前記第1の伝達部材および前記第2の伝達部材は、前記第1の外周面と前記第2の外周面との間で磁力による引力で回転力を伝達するとともに前記磁力による引力で前記第1の押さえ部材の外周部および第2の押さえ部材の外周部によりそれぞれ基板の一面および他面に押圧力が加えられるように設けられたことを特徴とする基板搬送装置。
  2. 前記第1の伝達部材は、非磁性材料により形成されるとともに前記第1の外周面に沿って配列された複数の第1の磁石を内蔵し、
    前記第2の伝達部材は、非磁性材料により形成されるとともに前記第2の外周面に沿って配列された複数の第2の磁石を内蔵し、
    前記第1の伝達部材の各第1の磁石と前記第2の伝達部材の各第2の磁石との間に引力が作用するように前記複数の第1の磁石と前記複数の第2の磁石とが配置されたことを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
  3. 前記第1の外周面にN極およびS極が交互に形成されるように前記複数の第1の磁石が等ピッチで設けられ、前記第2の外周面にN極およびS極が交互に形成されるように前記複数の第2の磁石が前記複数の第1の磁石と同じピッチで設けられたことを特徴とする請求項2記載の基板搬送装置。
  4. 前記第1のローラは、
    前記第1の軸に設けられ、前記第1の軸と同心の外周面を有する第1の隙間調整部材をさらに含み、
    前記第2のローラは、
    前記第2の軸に設けられ、前記第2の軸と同心の外周面を有する第2隙間調整部材をさらに含み、
    前記第1の隙間調整部材の外周面と前記第2の隙間調整部材の外周面とが接触した状態で前記第1の押さえ部材の外周部と前記第2の押さえ部材の外周部との間の隙間が所定の大きさに設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板搬入装置。
  5. 前記第1のローラおよび前記第2のローラは、水平面に平行にまたは水平面に対して傾斜するように設けられることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の基板搬入装置。
  6. 基板を搬送する基板搬送装置と、
    前記基板搬送装置により搬送される基板に処理液を供給する処理液供給手段とを備え、
    前記基板搬送装置は、
    基板を支持しつつ回転可能に設けられた第1のローラと、
    基板を挟んで前記第1のローラに対向するように回転可能に設けられた第2のローラと、
    前記第1のローラを回転させる回転駆動手段と、
    前記第1のローラの回転力を前記第2のローラに伝達する回転力伝達手段とを備え、
    前記第1のローラは、
    回転可能に設けられた第1の軸と、
    前記第1の軸に同心に設けられ、基板の一面に接触する外周部を有する第1の押さえ部材とを含み、
    前記第2のローラは、
    回転可能に設けられた第2の軸と、
    前記第2の軸に同心に設けられ、基板の他面に接触する外周部を有する第2の押さえ部材と、
    前記第2の押さえ部材が前記第1の押さえ部材に対して離間または近接するように前記第2の軸を所定位置を支点として揺動可能に支持する支持手段とを含み、
    前記回転力伝達手段は、
    前記第1のローラに設けられ、前記第1のと同心の第1の外周面を有する第1の伝達部材と、
    前記第2のローラに設けられ、前記第2のと同心でかつ前記第1の外周面に対向する第2の外周面を有する第2の伝達部材とを含み、
    前記第1の伝達部材および前記第2の伝達部材は、前記第1の外周面と前記第2の外周面との間で磁力による引力で回転力を伝達するとともに前記磁力による引力で前記第1の押さえ部材の外周部および第2の押さえ部材の外周部によりそれぞれ基板の一面および他面に押圧力が加えられるように設けられたことを特徴とする基板処理装置。
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