JP4215503B2 - 魚加工機における工具作業開始制御装置および方法 - Google Patents

魚加工機における工具作業開始制御装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具と魚とを所定の搬送経路に沿って互いに相対的に移動させる、魚加工機における少なくとも1つの工具の作業開始制御装置および方法に関するものである。その際、魚の内部に侵入する案内要素を用いて工具に対する魚の位置を決定し、案内要素が魚の中に侵入することで魚の方向を調整した後に、工具の作業を開始するようにしてある。
【0002】
【従来の技術】
魚を加工または調製するに際しては、多くの場合、特に魚の内臓を除去していない場合、すなわち腹腔をまだ清浄していない場合、スリットカッターを用いて魚を開き、次に除去した内臓を吸引装置を用いて吸引し、および/または、スクレーパー、ブラシ等を用いて清浄できる領域で魚を整列させる必要がある。たとえばドイツ連邦共和国特許公開第19829376A1号公報に記載されているような従来の処置態様では、チェーンコンベヤのブロック内で魚の背中を上にして搬送するが、コンベヤベルトを用いて外側から魚を誘導して搬送するようにした機械も知られている。魚をその中心軸線に対して整列させるため、案内要素を腹腔または消化管の中へ侵入させる。上記公開公報に記載の装置では、これは肛門に侵入する挿入具を用いて行われる。
【0003】
このため、この公知の処置態様では、チェーンコンベヤの受け入れブロックで、或いはコンベヤベルトの間で魚は比較的ゆるく案内されるにすぎず、たとえば魚の動きを修正することができないので、この種の挿入具が肛門または他の侵入領域に侵入損ねたときに不具合が生じる。その結果、挿入具が魚の側面を押し、挿入具の尖端が魚の横腹のうろこを傷つけることになる。特に次に使用される工具、たとえばドイツ連邦共和国特許公開第19829376A1号公報に開示されているような吸引器、スクレーパー、及び挿入具を備えた機能ユニットを成して動作するが別個に使用されるスリットカッターは、魚を望ましくない個所で、特に魚の上面で破壊し、その結果最終生産物は要求されるプレミアム(品質に対する要求)を満たさない。これが特に不具合になるのは、すでに述べたように、これまで手でしか行えなかったいわゆる「プリンセスカットPrincess Cut」を機械で行うという目的を立てた場合(プリンセスカットは、最高品質に対する要求を満たす作業工程を保証し、えらの領域で腹壁を最後の2cmないし3cm閉じたままにしておく内臓除去方法である)、および特に高級魚をも機械加工しやすいようにしたい場合である。
【0004】
【特許文献1】
ドイツ特許第19829376A1号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、上記のような困難性および不具合に対する解消手段を提供し、とりわけ前述の魚の損傷を回避することである。
特に本発明の課題は、挿入具が正常に侵入した場合にのみ次の工具を作動させ、よって魚の正確な位置決めを保証することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題は、冒頭で述べた装置において、本発明によれば、案内要素に監視装置が付設され、その監視装置が、案内要素/魚の位置を検知するセンサと、センサによって作動する、目標値と実際値の比較用のコンピュータと、コンピュータによって作動する、工具のための操作装置とを有していることによって解決される。冒頭で述べた種類の方法においては、本発明によれば、案内要素に対する魚の位置をコントロールし、調整可能な位置目標値に達したときだけ工具操作信号を発生させることによって解決される。換言すれば、本発明によれば、スリットカッターも、魚に対し相対移動可能な次の他の工具も、監視装置によるコントロールによって、魚の位置に対する実際値が挿入具が正常に侵入した場合の魚の目標値に一致する場合にのみ作動する。
【0007】
本発明の有利な実施態様によれば、センサは送受信装置、特に電磁波用の送受信装置をを有しており、この場合、魚/案内要素の位置のコントロールは光学的に行うのが有利である。この場合センサとして光源を選定してよく、他方受信器が案内要素自体に配置され、且つ光導体を介して評価ユニットに接続されているのが合目的である。その際、外部光(日光、ランプ等)の外乱を十分に遮断するため、変調光を使用するのが有利である。この実施態様では、受信器は、魚の外側にある、有利には魚の上方にある送信器から出る変調光を記録する。挿入具の尖端が魚の内部にあれば、受信器は光信号を記録せず、評価ユニットは実際値と目標値との一致を確定して操作信号を初期化し、次に工具を腹腔の中へ侵入させて魚の内部または上で作動させることができる。これに対して挿入具尖端が侵入部位を誤って、すなわち肛門からはずれて腹腔の外側を移動すると、送信器から放射された光は挿入具尖端に設けた受信器により記録される。この状況は評価ユニット内に非一致信号を発生させ、これにより工具はその静止位置に留まったままにされる。横腹が損傷されずにいる魚は搬送装置の搬送区間の終端部において取り出されて、新たに装置内へ挿入される。
【0008】
本発明の他の有利な実施態様では、センサは案内要素に対する魚の位置を検知する機械的な感触器である。この場合、方法的には魚/案内要素の位置のコントロールは機械的に行われ、より厳密には魚胴体の検知と、信号を発生させるための、目標値に対する検知位置の監視とによって行われる。このような感触器は近接スイッチを用いて監視するのが有利である。
【0009】
感触器がダブル感触レバーとして案内要素の各側に形成され、ダブル感触レバーがそれぞれ他方のレバー要素とは別個に移動可能なレバー要素を備えているのが合目的である。方法的には、2つの検知位置で二重検知として検知を行い、信号を発生させるための目標値を検知点の比較によって求める。構造的な点では、案内要素の尖端の各側に感触レバーが配置され、両感触レバーは共通の回転軸で支持される。その際感触レバーの位置は前述の近接スイッチにより監視もしくはコントロールされる。両感触レバーの間に配置される挿入具が魚の外側にあると、両感触レバーは基本位置にあり、そして近接スイッチはダンピングされている。挿入具が魚の内部に侵入していれば、両感触レバーを変位させる。これにより前述した光学的コントロールのための実施態様と同じ結果が得られる。これに対して案内要素が魚の片面をスリップすると、魚と挿入具の間にある感触レバーのみが変位し、魚とは逆の側にある第2のレバーは基本位置に留まったままである。結果的には、実際値と目標値とのずれが記録されて、前述したように工具を非作動状態にさせる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の他の有利な実施形態もしくは実施の可能性は、概略的な図面に図示した実施形態の以下の説明から明らかである。
【0011】
図1Aと図1Bは、たとえばドイツ連邦共和国特許公開第19829376A1号公報に開示されている種類の魚内臓除去装置に使用されるような挿入具装置の第1実施形態を示すものである。腹側を上にしてコンベヤ(図示せず)に載せられている魚10は、矢印A方向に尾先端を前方にして搬送される。図には魚の腹腔11と腹壁12は概略的に示唆してある。魚10の方向を調整する目的で、挿入具20として構成された案内要素であって肛門(図示せず)を通じて腹腔に侵入する案内要素が配置されている。この挿入具20はその幅の範囲内に凹部を有し、この凹部の中で腹腔を切り裂くためのスリットカッター21が回転する。このスリットカッター21は、挿入具20によって方向づけられ保持される魚の腹壁12を矢印A方向への送りの際に腹継ぎ目に沿って切り裂き、除去した内臓の吸い取りと腹腔の清浄とを行なう工具を操作できるようにする。
【0012】
挿入具内には、一端をコンピュータ32または評価ユニット321に接続される光導体311が延びている。光導体311の他端は挿入具の表面から出て挿入具と面一になっている。この他端はセンサ31を形成しており、センサ31の第2の機能要素はセンサと対向して魚と挿入具の外側に位置して、この光導体の他端を向いている光源312である。光源312から放出される光または他の光学信号は、挿入具20が図面に図示したように正常に腹腔のなかに侵入して、その位置が、スリットカッター21の前方にあり、まだ閉じている腹壁12の領域にあるときは、光導体311の端部に到達しない。これに対して、挿入具20が正確に肛門に侵入せずに、魚の外側でその表面上にあるときに、コンピュータ32に接続されている光導体311は光を受ける。この場合、コンピュータ32または評価ユニット321は光導体311によって伝送された光信号を記録する。コンピュータの機能は、受信したこの光信号を制御値に変換して、たとえばドイツ連邦共和国特許公開第19829376A1号公報から知られている、工具操作部材としてのステッピングモータ(図示せず)に作用させることである。最初に述べたケースのように腹壁が正常に光源312とセンサ31との間にある場合には制御信号は発生せず、魚加工機は通常の動作を行なうことができる。これに対し、光がセンサ31にあたって制御信号または信号列が評価ユニット321内に発生した場合は、この制御信号または信号列が工具或いはその操作部材/ステッピングモータへ転送され、工具はそのホームポジションに留まる。このことは特にスリットカッター21にも該当し、この場合スリットカッター21はその位置に関し挿入具20の凹部内にあり、魚に係合することなく静止位置に留まる。公知の装置のように、挿入具とスリットカッターとが装置の共通の構成要素として構成され、運動ユニットとして構成されている場合は、挿入具が正常に機能どおりに肛門に侵入しなかったときにこれら両構成要素は矢印Bで示すように共通の静止位置へ戻る。この共通の回動運動は図面の外側にある軸線のまわりに行なわれるが、挿入具20だけはスリットカッター21の軸線210のまわりにさらに回動して、切断終了時に魚から出ることができる。矢印Bに対応する運動は魚が通過するたびにそれぞれ1回行なう。
【0013】
図2Aと図2Bに図した他の機械的実施形態もドイツ連邦共和国特許公開第19829276A1号公報から知られている種類の機械に使用できる。スリットカッター21の回転軸線210を中心にして魚の中に回動可能な挿入具20は、一対の感触器の形態のセンサと協働する。センサは回動軸316で支持され、その回動軸のまわりで回動可能である。各感触レバーには、近接スイッチ322と協働する機械的な切換え要素310が設けられている。近接スイッチ322はここには図示していないコンピュータ32と結線されている。
【0014】
実線で示した位置にあるとき、感触レバー315の間に配置される挿入具20は魚の外側にあり、両感触レバーは基本位置にある。その結果近接スイッチは切換え要素310によりダンプされたままである。今挿入具20が魚の肛門の中に正常に侵入すると、両感触レバーは315’で示した位置へ変位する。近接スイッチはコンピュータを介して信号を発生させ、次に工具を制御して、挿入具20により腹壁を開いた後に工具が腹腔を洗浄できるよう制御する。
【0015】
これに対して挿入具20が魚の片面をスリップすると、両感触レバーのうち一方の感触レバーのみが、すなわち魚の片面において魚と挿入具の間にある感触レバーのみが変位する。他方魚の反対側の面では、感触レバー315が復帰ばね317の作用で基本位置に留まっている。その結果近接スイッチ322はダンプされたままであり、信号の生成は行われない。
【0016】
このように機械的な切換え要素310との関連で感触レバー315の位置によって近接スイッチ322に発生する信号を用いて次の工具を制御し、挿入具20が魚の中に正常に存在してスリットカッター21が腹壁を開いた場合だけ工具が腹腔に侵入するようにする。
【0017】
結局、本発明を用いると、魚を機械的に加工する場合、特に高級魚を加工する場合も、今日の品質に対する極めて高度な要求に対応しうる生産品が得られるよう保証する前提が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 光学的監視装置の縦断面原理図である。
【図1B】 図1Aの図の平面図である。
【図2A】 機械的監視装置の縦断面図で、同様に原理図である。
【図2B】 図2Aの図の平面図である。

Claims (11)

  1. 工具と魚とを所定の搬送経路に沿って互いに相対的に移動させ、工具に対する魚(10)の位置を魚の内部(11)に侵入する案内要素(20)を用いて決定し、その案内要素(20)が魚の中に侵入することで魚を整列させた後に工具の作業を開始するようにした、魚加工機における少なくとも1つの工具の作業開始制御装置であって、
    前記案内要素(20)に付設され、この案内要素に対する魚(10)の相対的位置を検知する前記案内要素用のセンサ(31)と、
    のセンサ(31)に接続され、前記案内要素に対する魚の相対的位置の目標値と実際値とを比較して前記案内要素が魚の内部に侵入したと評価されるときだけ前記工具の作業を開始させる工具操作信号を出力するコンピュータ(32)と、
    のコンピュータ(32)に接続され、前記コンピュータからの工具操作信号に基づいて工具を作動させる操作装置とを有していることを特徴とする作業開始制御装置。
  2. 前記センサ(31)は、送受信装置(311,312)を有していることを特徴とする請求項1に記載の作業開始制御装置。
  3. 前記送受信装置の送信器光源(312)であり、
    前記送受信装置の受信器、案内要素(20)内に配置され且つ一端が評価ユニット(321)を構成する前記コンピュータと接続される光導体(311)の端部を形成していることを特徴とする請求項2に記載の作業開始制御装置。
  4. 前記センサは、前記案内要素(20)に対する魚(10)の相対的な位置を検知する機械的な感触器であることを特徴とする請求項1に記載の作業開始制御装置。
  5. 前記感触器は、前記案内要素(20)の両側にそれぞれ形成され互いに別々に動作可能なレバー要素を有するダブル感触レバー(315)であることを特徴とする請求項4に記載の作業開始制御装置。
  6. 前記案内要素は、魚の中に侵入する挿入具(20)であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の作業開始制御装置。
  7. 工具と魚とを所定の搬送経路に沿って互いに相対的に移動させ、工具に対する魚の位置を魚の内部に侵入する案内要素を用いて決定し、該案内要素が魚と係合することにより魚の中に侵入することで魚の方向を調整した後に工具操作信号に基づいて工具の作業を開始するようにした、魚加工機における少なくとも1つの工具の作業開始制御方法において、
    前記案内要素に対する魚の相対的位置を検知し、前記案内要素の魚に対する相対的位置の目標値と実際値とを比較して前記案内要素が魚の内部に侵入したと評価されるときだけ工具操作信号を発生させることを特徴とする作業開始制御方法。
  8. 前記案内要素に対する魚の相対的位置の検知を光学的に行うことを特徴とする請求項7に記載の作業開始制御方法。
  9. 前記案内要素に対する魚の相対的位置の検知を機械的に行うことを特徴とする請求項7に記載の作業開始制御方法。
  10. 前記案内要素に対する魚の相対的位置を、魚の胴体に接触する感触器を用いて検知することを特徴とする請求項9に記載の作業開始制御方法。
  11. 前記案内要素に対する魚の相対的位置の検知を、前記案内要素の両側の2つの検知位置で行、目標値と前記つの検知位置で検知した値とを比較して前記案内要素が魚の内部に侵入したか否かを評価することを特徴とする請求項10に記載の作業開始制御方法。
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