JP3740210B2 - 棒材供給機の棒材搬送量検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋盤等の棒材加工機に棒材を自動供給する棒材供給機の棒材搬送量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
棒材供給機は、棒材の搬送方向に伸びる送りチェーンに取付けられた押し棒の先端のグリッパーで棒材の後端を把持し、該送りチェーンを送りモーターで駆動することにより、該棒材をその延長線上に配置された棒材加工機へと連続的に送り込むようにした装置である。
【0003】
棒材供給機で棒材を送る際、何等かの原因で押し棒の移動する距離が適正移動距離よりも小さくなったり又はストッパー(図2参照)の脱落等により適正移動距離よりも大きくなったりした場合、棒材が適正長さよりも短い長さしか送られず又は適正長さよりも長く送られてしまう。そのような場合には旋盤等の加工機で加工しても不良品となってしまう。
【0004】
そのような不都合を回避するため、従来、カウンターにより押し棒の移動開始時点からその移動距離dを計数し、適正移動距離D(図2参照)よりも短い移動距離d1 (図2参照)のプリセット値で信号を出力するようにし、またプリセット値以上押し棒が移動するのに要する時間経過後にタイマーが作動するようにしておき、上記カウンターが上記プリセット値による信号を出力する前にタイマーが作動すると送り異常と判断するようなことが試みられている。また、カウンターにより押し棒の移動開始時点からその移動距離dを計数し、適正移動距離Dよりも長い移動距離d2(図2参照)のプリセット値で信号を出力するようにしておき、カウンターがこのプリセット値を計数すると送り異常と判断するようなことが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の送り異常を検知する手段によれば、(D−d1 )又は(d2 −D)の範囲であれば「正常」と判断されるので、旋盤のストッパーに切粉等が付着したため棒材がストッパーに完全に当たらない場合、(D−d1)又は(d2 −D)の範囲で棒材の送りが停止した場合等においても加工が実施されてしまう。この加工品は不良品であるが、良品中に混入した場合は目視による判別は困難であり、結果的に全品再検査を必要とするなど多大な労力を費やさざるを得ない。
【0006】
また、従来押し棒の移動距離dは、押し棒の送りチェーンのスプロケットホイールに対してロータリーエンコーダーを配置しそのロータリーエンコーダーの回転によって検出しているので、棒材の先端が旋盤のストッパーに突き当たる時にスプロケットホイールが送りチェーンの弛み分だけ巻き上げると、棒材の移動距離≠ロータリーエンコーダーの計測値となり、適正な加工が困難になるおそれがある。
【0007】
従って、本発明はそのような問題点を解決することができる手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、駆動装置の駆動力により棒材をその長手方向に基台36上で搬送する押し棒12と、上記押し棒12の移動距離dを検出する移動距離検出手段と、上記移動距離検出手段により検出された移動距離dが予め設定された適正移動距離Dに達しない場合に搬送量不足のアラーム処理を行うアラーム手段とを具備した棒材供給機の棒材搬送量検出装置において、上記移動距離検出手段が、上記押し棒12に連結され押し棒12の移動とともに上記基台36上に配置された複数個のプーリー43b,43c間を走行する伸縮し難い無端体40と、この無端体40に連動することにより上記押し棒12の移動距離を検出するエンコーダー20とを備えた棒材供給機の棒材搬送量検出装置の構成を採用する。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の棒材供給機の棒材搬送量検出装置において、上記移動距離検出手段により検出された移動距離dが予め設定された適正移動距離Dに達しない場合に所定時間内で上記押し棒12に前進と後退のインチング動作を行わせるインチング手段を具備し、インチング動作による移動距離dが予め設定された適正移動距離Dに達しないことを上記移動距離検出手段が検出した場合に上記アラーム手段がアラーム処理を行うようにした棒材供給機の棒材搬送量検出装置の構成を採用する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1に示されるように、この棒材供給機2は、旋盤等の棒材加工機1に隣接しており、各種操作を行うための操作パネル3及び棒材供給機全体の制御を行うコントロールボックス4を備えている。
【0010】
棒材加工機1は、図2及び図3に示されるように、棒材供給機2から供給される棒材14の先端を受け止めて位置決めするためのストッパー16、棒材14を把持する主軸のチャック19、刃物18等を備えている。
【0011】
棒材供給機2の本体は上記棒材加工機1に向かって水平に伸びており、該本体の内部には図2及び第3図に示されるような機構が設けられている。すなわち、棒材加工機1の主軸のチャック19の延長線上に棒材14の押し棒12が往復移動可能に配置され、該押し棒12を駆動するための送りチェーン11が無端状に配設されている。押し棒12はその先端に棒材14の後端を着脱自在に把持するグリッパー13を有し、後端に上記送りチェーン11との連結部を有している。この場合、押し棒12は具体的にはフィードパイプであり、グリッパー13は具体的にはフィンガーチャックである。送りチェーン11は、本体内の前後にそれぞれ軸支されたスプロケットホイール9,10間に掛け渡されており、本体後部に配置された送りモーター5からプーリー6,7及びベルト8を介して動力が伝達されるようになっている。
【0012】
また、この棒材供給機2における棒材搬送量検出装置は、図2及び図3に示されるように、駆動装置の駆動力により棒材14をその長手方向に搬送する上記押し棒12と、押し棒12の移動距離dを検出する移動距離検出手段と、上記移動距離検出手段20により検出された移動距離dが予め設定された適正移動距離Dに達しない場合に搬送量不足のアラーム処理を行うアラーム手段とを具備している。
【0013】
上記駆動装置は、上記送りモーター5、送りチェーン11、プーリー6,7、ベルト8等で構成されてなるもので、押し棒12を往復移動させるためのものである。
【0014】
上記移動距離検出手段は、図3に示されるように、上記スプロケットホイール9の軸に連結されたロータリエンコーダ20をその主体とするもので、該ロータリエンコーダ20からのパルス信号を入力装置21を介しマイクロコンピュータ(以下、CPUという。)22で処理するようになっている。ロータリエンコーダ20は、上記プーリ7の回転角変位量に応じて所定数のパルス信号を出力するようになっている。このパルス信号は、例えば2000パルス/1回転である。このパルス信号により示される上記プーリ7の回転角変位量は、それぞれ送りチェーン11の直線変位量、押し棒の移動距離d、棒材14の直線変位量に等しい。
【0015】
上記CPU22は、ロータリエンコーダ20の出力パルス信号をカウントして棒材14の搬送量を算出するといった算出手段としての機能を有する(以下、当該機能を「カウンタ」と称する。)。CPU22の記憶部には、図2に示されるような適正移動距離Dすなわち加工時の棒材設定長さが記憶されている。CPU22は所定の表示装置34と入力キーボード35とを具備している。
【0016】
上記アラーム手段は、CPU22から出力される処理信号を出力装置23を介し外部に出力し、上記送りモーター5の停止、上記刃物18の棒材14からの引き離し、警報の発生等を行わせるようになっている。
【0017】
なお、入力装置21、CPU22及び出力装置23は上記コントロールボックス4内に納められ、表示装置34及び入力キーボード35は上記操作パネル3に配置されている。
【0018】
次に、この棒材供給機の棒材搬送量検出装置のより具体的な構成についてCPU22におけるアラーム処理手順と共に図2,図3及び図9を参照して説明する。
【0019】
図2に示されるように、上記適正移動距離Dは刃物18からストッパー16までの距離であり、製品長さを決めるため切断する刃物18の幅aと製品加工長さbに等しい。
【0020】
まず、操作者が、操作パネル3から、押し棒12の適正移動距離Dすなわち加工時の棒材設定長さと、適正移動距離Dよりも長い移動距離d2 の各設定値を設定する(ステップ101)。次に、加工機側からチャック開信号が入力されると(ステップ102,YES)、押し棒12が前進を開始する(ステップ103)。
【0021】
この時、ロータリーエンコーダー20のカウント値である押し棒12の移動距離dが移動距離d2 すなわち棒材14の有効加工長さをオーバーしたか否かを判断し(ステップ104)、カウント値が設定値以上の場合(ステップ104,YES)には送出量オーバのアラームが出力される(ステップ105)。これにより、送りモーター5の緊急停止、刃物18の棒材14からの離反、警報等の措置がなされることとなる。
【0022】
一方、カウント値が設定値に達しない場合(ステップ104,NO)、CPU22が送出完了信号が出力されたか否かを判断する(ステップ106)。送出完了信号は、チャック開信号入力時から2〜3秒後に、棒材供給機2から棒材加工機1に供給される。送出完了信号が出力されている場合(ステップ106,YES)には、チャック開信号がオフか否かを判断する(ステップ107)。
【0023】
チャック開信号がオフであると判断する場合(ステップ107,YES)、CPU22は、押し棒12の移動距離dが適正移動距離Dに達しているか否かを判断し(ステップ108)、達していないと判断した場合(ステップ108,NO)には、送出量不足のアラームが出力される(ステップ109)。これにより、上記と同様な警報等の措置がなされる。送出量不足は、棒材が送り出されなかった場合、ストッパー16に切粉等が付着した場合等に生じる。
【0024】
送出完了信号が出力され(ステップ106,YES)、チャック開信号がオフになると(ステップ107,YES)、カウンターのリセットとセットとがなされ(ステップ110,111)、押し棒12による送出力がオフとされ(ステップ112)、棒材14の加工が行われる(ステップ113)。製品加工が終了した後(ステップ114)、上記ステップ102〜113が繰り返される。
【0025】
なお、ステップ108で適正移動距離Dを検出した後、押し棒12による材送力が作用している時点でカウンターをリセットし(ステップ110)、直ちにカウンターをセット(ステップ111)するので、材送力が解除された場合に(ステップ112)、その反動で押し棒12が後退しても、その後退分だけ計測することができる。例えば、リセット位置を0とし、後退した距離をマイナス量として計測することができる。また、加工中における押し棒12の移動距離も同様にして表示することができる。
【0026】
このように構成することで、寸法不良の製品加工を未然に防止することができ、刃物18の破損等を防止することができる。
<実施の形態2>
この棒材供給機2の棒材搬送量検出装置は上記実施の形態1におけると略同様であり、図2及び図3に示されるように、駆動装置の駆動力により棒材14をその長手方向に搬送する押し棒12と、上記押し棒12の移動距離dを検出する移動距離検出手段とを具備するが、上記押し棒12の搬送開始から所定時間経過後、上記移動距離検出手段により検出された移動距離dが予め設定された適正移動距離Dよりも小さい場合に上記押し棒12に前進と後退のインチング動作を行わせるインチング手段を具備した点において相違している。
【0027】
上記インチング手段は、上記CPU22の出力信号により出力装置23を介して送りモーター5を小刻みに正逆転させ、押し棒12を前方と後方とに寸動させるようになっている。
【0028】
この棒材供給機2の棒材搬送量検出装置のより具体的な構成について、そのCPU22における処理手順と共に図2,図3及び図10に基づき説明する。まず、操作者が、操作パネル3から、押し棒12の適正移動距離Dすなわち加工時の棒材設定長さと、適正移動距離Dよりも長い移動距離d2 とを設定する(ステップ201)。次に、加工機1からチャック開信号が入力されると(ステップ202,YES)、押し棒12が前進を開始する(ステップ203)。
【0029】
この時、ロータリーエンコーダー20のカウント値である押し棒12の移動距離dが移動距離d2 すなわち棒材14の有効加工長さをオーバーしたか否かを判断し(ステップ204)、カウント値が設定値以上の場合(ステップ204,YES)は送出量オーバーのアラームが出力される(ステップ205)。これにより、送りモーター5の緊急停止、刃物18の棒材14からの離反、警報等の措置がなされることとなる。
【0030】
一方、カウント値が設定値に達しない場合(ステップ204,NO)、CPU22が送出が完了したか否かを判断する(ステップ206)。送出完了か否かはチャック開信号入力時より2〜3秒後にタイマーのタイムアップによりCPU22内で判断する。送出完了の場合(ステップ206,YES)はインチング(寸動)時間制御タイマーがタイムアップしたか否かを判断し(ステップ207)、タイムアップの場合(ステップ207,YES)は送出時間オーバーのアラームが出力される(ステップ208)。これにより、上述したと同様に送りモーター5の停止操作等がなされる。
【0031】
インチング時間制御タイマーがタイムアップしていない場合(ステップ207,NO)は、押し棒12の移動距離dが適正移動距離Dに達しているか否かを判断し(ステップ209)、達していないと判断した場合(ステップ209,NO)には、押し棒12をインチング動作させる。すなわち、まず押し棒12の前進を停止させ(ステップ210)、次に後退側にインチングさせた後(ステップ211)、停止させ(ステップ212)、前進させる(ステップ203)。このインチング動作を押し棒12の移動距離dが適正移動距離Dに到達するまでインチング時間制御タイマーのセット時間内で繰り返す。
【0032】
押し棒12の移動距離dが適正移動距離Dに到達した場合は(ステップ209,YES)、送出完了信号を出力する(ステップ213)。送出完了信号は、棒材供給機2から棒材加工機1に供給される。送出完了信号が出力されている場合(ステップ213,YES)には、チャック開信号がオフか否かを判断し(ステップ214)、チャック開信号がオフであると判断する場合は(ステップ214,YES)、材送力が解除される前にカウンターのリセットとセットとを行なう(ステップ215,216)。その後、押し棒12による送出力がオフとされ(ステップ217)、棒材14の加工が行われる(ステップ218)。製品加工が終了すると(ステップ219)、上記ステップ202〜219が繰り返される。
【0033】
なお、上記実施の形態1又は2のいずれにおいても押し棒12の駆動を送りチェーン11以外の手段によって行うことができ、例えばリードネジによって押し棒12を駆動し、リードネジを回転させる送りモーターにエンコーダー20を取り付けるようにしてもよい。
【0034】
<実施の形態3>
この棒材供給機は、図4に示されるように、その本体中に水平に配置された基台36を有し、該基台36上に同じく水平に支持された押し棒用ガイドレール37を有している。該押し棒用ガイドレール37の上には押し棒12が前後の押し棒用スライダー38,39を介して保持されている。各押し棒用スライダー38,39は無端状の送りチェーン11により駆動されるようになっており、送りチェーン11は押し棒用ガイドレール37の前後にそれぞれ軸支されたスプロケットホイール10,9に掛け渡されている。送りチェーン11は、上記基台36上に配置された送りモーター5からプーリー6,7及びベルト8を介して後側のスプロケットホイール9に動力が伝達されることにより駆動されるようになっている。
【0035】
この棒材供給機の棒材搬送量検出装置における移動距離検出手段は、上記押し棒12に連動するようになっている。具体的には、図4乃至図8に示されるように、ワイヤー、ケーブル等の伸縮し難い線材等からなる無端体40が後側の押し棒用スライダー39に連結され、押し棒用ガイドレール37の前後端のブラケット41,42上に軸支されたガイドプーリー43a,43b,43c,43d間に掛け渡されている。この場合、ガイドプーリー43b,43cのみ設け他のガイドプーリー43a,43dは省略してもよく、または四個以上設けるようにしてもよい。また、上記基台36上にはブラケット44を介しロータリーエンコーダー20が取り付けられており、該ロータリーエンコーダー20の軸端に固着されたエンコーダー用プーリー45に上記無端体40が掛けられている。このため、送りチェーン11の駆動により押し棒12が押し棒用ガイドレール37上を前後方向に移動すると、押し棒12の移動に伴って無端体40もガイドプーリー43a,43b,43c,43dに案内されつつ走行しロータリーエンコーダー20を回転させることとなる。
【0036】
また、上記エンコーダー用プーリー45の近傍には無端体40の弛みを解消し無端体40を該エンコーダー用プーリー45に一定巻き掛け角度で巻き付けるためのテンションプーリー46が配置されている。すなわち、テンションプーリー46は上記エンコーダー用プーリー45よりも後方において無端体40を後方へ引っ張るようになっており、テンションプーリー用スライダー47上に軸支され、該テンションプーリー用スライダー47はテンションプーリー用ガイドレール48上に摺動自在に支持され、該テンションプーリー用ガイドレール48は上記基台36上のブラケット44に片持ち状に固定されている。そして、テンションプーリー用スライダー47とブラケット44との間にはガス式スプリング49が介装されている。該ガス式スプリング49の付勢力によってテンションプーリー46は常時走行体に張力を加えるようになっている。ガス式スプリング49は、シリンダー49a内にガスを封入し、シリンダー49a内のピストンの両側に加わるガス圧の差でピストンロッド49bを一方向に付勢してなるものである。もちろんガス式スプリング49に代え通常のコイルスプリングを用いることもできる。また、上記エンコーダー用プーリー45とテンションプーリー46との位置を入れ替え、ガス式スプリング49を図5におけると逆向きにセットするようにしてもよい。
【0037】
しかして、送りチェーン11の駆動により押し棒12が前進すると、押し棒12の進行に伴って無端体40が走行し、ロータリーエンコーダー20が押し棒12の移動距離dを検出することとなる。このようにロータリーエンコーダー20は押し棒12に連動するので、押し棒12の移動距離dを正確に検出することができる。
【0038】
この棒材供給機2における棒材搬送量検出装置のその他の構成は上記実施の形態1又は2と同様であり、上記押し棒12に連動するロータリーエンコーダー20からの信号が入力装置21(図3参照)に入力されることになる。
【0039】
なお、上記押し棒12の駆動は送りチェーン11以外の手段によっても行うことができ、例えばリードネジによって送ることもできる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、押し棒の適正移動距離を予め設定し移動距離検出手段により検出した移動距離が適正移動距離に達しない場合に搬送量不足のアラーム処理を行うので、棒材が適正移動距離に等しい長さだけ送られた場合にのみ棒材を加工することができ、従って良品中に不良品が混じる等の不都合を防止することができる。また、移動距離検出手段は、押し棒に連結され押し棒の移動とともに走行する伸縮し難い無端体と、この無端体に連動することにより押し棒の移動距離を検出するエンコーダーとを備えるので、旋盤のストッパーに切粉等が付着して棒材がストッパーに完全に当たらない場合、押し棒を駆動する送りチェーンに弛みが生じている場合等においても、押し棒の移動距離を正確に検出し、送出量不足の場合はアラーム出力によって加工を止め、適正移動距離の場合にのみ加工を行うことができる。
【0041】
請求項2の発明によれば、例えば主軸のチャックの開きが悪く棒材の送りが不十分である場合、主軸内に付着した切粉等による棒材の送りが不十分である場合、送りチェーン、ガイドレール等に押し棒が引っ掛かっている場合等であっても、アラーム処理前にインチングにより棒材の送りを修正することができ、従って棒材供給機をできるだけ停止させないようにして稼働率を向上することができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 棒材供給機と棒材加工機の概要を示す正面図である。
【図2】 棒材供給機の機構の概略図である。
【図3】 棒材搬送量検出装置のブロック図である。
【図4】 棒材供給機の他の実施の形態を示す正面図である。
【図5】 上記棒材供給機のテンションプーリー近傍の部分切欠正面図である。
【図6】 上記棒材供給機のテンションプーリー近傍の部分切欠平面図である。
【図7】 図5中VII−VII線断面図である。
【図8】 図6中VIII−VIII線断面図である。
【図9】 棒材搬送量検出装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】 棒材搬送量検出装置の他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12…押し棒
14…棒材
d…移動距離
D…適正移動距離
Claims (2)
- 駆動装置の駆動力により棒材をその長手方向に基台上で搬送する押し棒と、上記押し棒の移動距離を検出する移動距離検出手段と、上記移動距離検出手段により検出された移動距離が予め設定された適正移動距離に達しない場合に搬送量不足のアラーム処理を行うアラーム手段とを具備した棒材供給機の棒材搬送量検出装置において、上記移動距離検出手段が、上記押し棒に連結され押し棒の移動とともに上記基台上に配置された複数個のプーリー間を走行する伸縮し難い無端体と、この無端体に連動することにより上記押し棒の移動距離を検出するエンコーダーとを備えたことを特徴とする棒材供給機の棒材搬送量検出装置。
- 請求項1に記載の棒材供給機の棒材搬送量検出装置において、上記移動距離検出手段により検出された移動距離が予め設定された適正移動距離に達しない場合に所定時間内で上記押し棒に前進と後退のインチング動作を行わせるインチング手段を具備し、インチング動作による移動距離が予め設定された適正移動距離に達しないことを上記移動距離検出手段が検出した場合に上記アラーム手段がアラーム処理を行うようにしたことを特徴とする棒材供給機の棒材搬送量検出装置。
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