以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
第1の実施形態
図1に示すように、材料加工システム100は、旋盤1と、旋盤1の隣に配置された加工機としての材料供給機2を有する。材料供給機2は、各種操作を行うための操作パネル3と、材料供給機2の全体の制御を行う制御ボックス4を有する。
図2、3に示すように、旋盤1は加工材料としての材料B1が通過可能な筒状の主軸11を有する。旋盤1は、主軸11の端に配置されると共に材料B1を把持する加工機チャックとしての旋盤チャック12を有する。旋盤1は主軸移動型であり、旋盤チャック12は主軸線A1に沿って直線移動可能であり、また、主軸線A1を中心に回転可能である。旋盤1は、旋盤チャック12の前にガイドブッシュ13を有する。旋盤1は、ガイドブッシュ13の前に刃物を有する。刃物は、例えば、材料B1の先端を加工する切削バイト16(図4(C)参照)、加工後の材料B1を切断する突切バイト14を有する。なお、旋盤1はガイドブッシュ13を有しないものを使用してもよい。
図2において、材料供給機2は、材料B1をストックする材料棚20を有する。同供給機2は、材料棚20から材料B1を受け取り、旋盤1に搬送する搬送装置30を有する。同供給機2は、その先端に、搬送装置30と旋盤1の間に配置された振れ止め装置40を有する。振れ止め装置40は、回転する材料B1の振れを止めることによって、回転する材料B1からフィードロッド21へ振動が伝わることを阻止する。なお、材料供給機2は、材料棚20、振れ止め装置40を備えないものを用いてもよい。
搬送装置30は、主軸11の軸線A1にセンタリングされたフィードロッド31と、フィードロッド31を駆動する送出モータ32を含む。フィードロッド31は、図3に示すように、材料B1の後端を把持可能なフィンガーチャック31aと、フィンガーチャック31aを固定する押し棒31bを有する。搬送装置30は、フィードロッド31の後部位に固定されたスライダ33を含む。搬送装置30は、軸線A1に沿って配置されると共にスライダ33と係合するスライダガイド34(図2参照)とを含む。搬送装置30は、スライダ33と連結したドライブチェーン35と、ドライブチェーン35が掛けられた駆動スプロケット36及び先端スプロケット37を含む。駆動スプロケット36は送出モータ32のプーリ32aとVベルト39で巻かれている。搬送装置30は、駆動スプロケット37と同期して回転するように連結した位置センサとしてのロータリエンコーダ38を有する。
なお、搬送装置30は、上記以外の部品の組み合わせで構成された機械を対象としてもよい。また、Vベルト39、ドライブチェーン35は、タイミングベルトに換えてもよい。搬送装置30の変速装置はプーリ以外の歯車列の変速機構を用いてもよい。又は、電気信号変換による変速装置、例えば、インバータ、サーボアンプ等を用いてもよい。
図6に示すように、材料加工システム100は旋盤1、材料供給機2を制御する加工制御システム50を有する。加工制御システム50は、旋盤チャック12、突切バイト14、切削バイト16等を制御する旋盤制御装置51と、制御ボックス4に格納されると共に材料棚20、搬送装置30の送出モータ32、ロータリエンコーダ38等を制御する材料供給機制御装置52を有する。旋盤制御装置51と材料供給機制御装置52とは、有線又は無線で通信可能である。
旋盤制御装置51、材料供給機制御装置52は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ、RAM(Random Access Memory)を有する。半導体メモリは制御実行プログラムを格納する。CPUは制御プログラムに従って制御を実行する。RAMは制御に必要なデータを一時的に格納する。
旋盤制御装置51は、制御実行プログラムに従って、旋盤チャック12の直線移動、回転、開閉、突切バイト14、切削バイト16の動作について指令を発する。さらに、同制御装置51は、旋盤1の加工後に旋盤チャック12が開いたときに開信号を生成し、旋盤チャック12が材料B1に対して後退した後閉じたときに閉信号を生成する。
材料変位判定装置としての材料供給機制御装置52は、旋盤制御装置51から旋盤チャック12の開信号を受信する。同制御装置52は、同開信号に基づいてロータリエンコーダ38のカウンタをリセットして、材料B1の基準位置を決定する。同制御装置52はロータリエンコーダ38のカウンタ計数に基づいて材料B1の現位置と基準位置との差から移動距離(変位)を決定する。
次に、図1〜3を参照して材料供給システムの動作を説明する。
旋盤1を作動可能な状態とし、操作パネル3を操作して材料供給機2を作動させる(図1参照)。シリンダ等の駆動源が作動して材料棚20から材料B1を取り出し、搬送装置30へ供給する(図2参照)。
図2、3において、搬送装置30の送出モータ32が始動して、プーリ32aを用いてVベルト39を走行させ、駆動スプロケット36を回転させる。回転する駆動スプロケット36は、先端スプロケット37を用いてドライブチェーン35を走行させ、スライダ33をスライダガイド34に沿って旋盤1へ向けて移動させる。スライダ33と連結したフィードロッド31は、主軸線A1に沿って旋盤1へ向けて移動する。
フィードロッド31は、棒材B1を材料棚20より1本取り出すために、主軸線A1上より遠ざかるように移動し、棒材B1は材料棚20より1本だけ取り出される。次に、取り出された棒材B1の後端が所定の位置まで押された後、フィードロッド31は主軸線A1上に戻る。
材料B1の後端は、クランプ装置によりクランプされる(図示なし)。その後、フィードロッド31が前進して、フィンガーチャック31aで材料B1の後端を把持する。続いてアンクランプとなり、フィードロッド31は材料B1と共に主軸線A1上で旋盤に向かって移動する。これにより、材料B1は振れ止め装置40を通過し、旋盤1の主軸11の中へ進む。
旋盤1を作動させて、主軸11の端に配置された旋盤チャック12を閉じ、材料B1を把持させる。切削バイト16を材料B1に接触させ、材料B1と共に旋盤チャック12を回転させ、前方又は後方へ移動させる。この間、切削バイト16は材料B1の先端部位を切削加工する(図4(C)参照)。材料B1の加工後、突切バイト14は材料B1から製品B2を切断する(図4(D)参照)。
続いて、旋盤チャック12は材料B1を掴み換える。すなわち、旋盤チャック12は開いて材料B1を解放する(図4(A)参照)。このとき、送出モータ32はフィードロッド31に対して前進トルクの入力を継続し、フィードロッド31は材料B1を前方へ押している。突切バイト14は材料B1の前進を止めており、ストッパの役割を果たす。
旋盤チャック12は材料B1に対して後退する。旋盤チャック12は再度閉じて材料B1を把持する(図4(B)参照)。刃物を突切バイト14から切削バイト16に切替えて、切削バイト16で材料B1の先端部位を切削加工し(図4(C)参照)、突切バイト14で材料B1から製品B2を切断する(図4(D)参照)。
次に、図7を参照して、材料B1の掴み換え時における材料変位検出方法を説明する。
運転を開始するに当たり、まずオペレータは、手動操作にて旋盤1のチャック12を開き、材料供給機2の操作盤3を操作して、材料B1を突っ切りバイト14に押し当てる。次に材料供給機2を自動運転状態にする。このとき、材料供給機2は、送出モータ32が駆動し、フィードロッド31を経由して材料B1に前進トルクをかける(ステップS102、図3参照)。材料B1の前進は突っ切りバイト14によって止められる(図4(A)参照)。続いて旋盤を自動運転状態にして、加工プログラムを実行すると、旋盤チャック12は開いて材料B1を解放する(ステップS103)。尚、旋盤チャック12は旋盤1を自動運転状態にする前から開いてもよい。
旋盤制御装置51は旋盤チャック12の「チャック開信号」を生成し、材料供給機制御装置52は「チャック開信号」の入力ONを確認する(ステップS104)。旋盤チャック12の「チャック開信号」の入力ONが確認された場合(ステップS104のYES)、材料供給機制御装置52はロータリエンコーダ38のカウンタの計数を0からスタートさせる(ステップS105)。ここで、計数の開始時点の材料B1の位置を基準位置P0とする。旋盤チャック12は材料B1に対して後退した後に閉じ、材料B1を把持する(ステップS106、図4(B)参照)。材料供給機制御装置52はチャック開信号の入力OFFを確認し(ステップS107)、チャック開信号の入力OFFを確認した場合(ステップS107のYES)、処理はステップS108へ進む。
材料供給機制御装置52は、ステップS105からステップS107の間に計測カウントが0であるか判断する(ステップS108)。計測カウントが0でない場合(ステップS108のNO)、材料B1の現位置が基準位置P0と一致しない場合、同制御装置52は材料B1の「移動確認アラーム(変位確認アラーム)」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS109)。
ここで、「移動確認アラーム」を出力する場合とは、図5(A)に示すように、材料B1が後退する旋盤チャック12によって連れ戻され、基準位置P0から材料先端が下がる。これは寸法不足の製品を製造する原因となる。
また、別の場合は、図5(B)に示すように、材料B1が旋盤チャック12の後進の間に突切バイト14より前に前進し、突切バイト14を破損することである。
よって、材料B1の基準位置P0から材料先端が下がることによる寸法不足の材料B1を加工する際の不良製品を生じさせず、また、材料B1の送出量オーバーにより突切バイト14が破損したことを検出できる。
一方、計測カウントが0の場合(ステップS108のYES)、すなわち、材料B1の現位置が基準位置P0と一致する場合、ステップS110へ進み、同制御装置52はロータリエンコーダ38のカウンタをリセットする。以後、材料B1は加工され(ステップS111)、加工終了となる(ステップS112)。加工終了後、次の加工のために、処理はステップS103に戻る。
以上の実施形態によれば、材料B1の次の加工のために、旋盤チャック12が材料B1を解放してから再度材料B1を把持するまでの間に、材料B1の基準位置P0からの変位を検出する。これにより、材料B1を加工する際の不良製品を低減し、また、突切バイト14が破損したことを検出でき、不良製品の加工を未然に防止できる。
第2の実施形態
本実施形態の制御は、材料B1の基準位置P0からの+側の変位、−側の変位を別々に認識して、それぞれのアラームを出力することである。
具体的には、図8に示すように、ステップS201〜ステップS207までの処理は図7に示す第1の実施形態とステップS101〜ステップS107と同様である。ステップS208において、ロータリエンコーダ38の計測カウントが0以下でない場合(ステップS208のNO)、すなわち、計測カウントが0より大きい場合、材料供給機制御装置52は、「+(プラス)側移動確認アラーム(前方変位確認アラーム)」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS209)。ここで、計測カウントが+(プラス)になる場合とは、材料B1が主軸線上の刃物側に変位し、送出量オーバー(超過)となることである(図5(B)参照)。
一方、計測カウントが0以下である場合、ステップS210へ移行する。
続いて、計測カウントが0以上でない場合(ステップS210のNO)、すなわち、計測カウントが0より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「−(マイナス)側移動確認アラーム(後方変位確認アラーム)」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS211)。ここで、計測カウントが−(マイナス)になる場合とは、材料B1が主軸線上の材料供給機側へ変位し、送出量不足になることである(図5(A)参照)。
一方、計測カウントが0以上である場合(ステップS210のYES)、ステップS212へ移行し、カウンタをリセットする。以後、材料B1を加工し(ステップS213)、加工終了となる(ステップS214)。加工終了後、次の加工のために、処理はステップS203に戻る。
第3の実施形態
本実施形態の制御は、計測カウントに基準位置P0からマイナスのD3、プラスのD4の公差を設定することである。つまり、基準位置P0から前方、後方に許容範囲を設定する。
具体的には、図9に示すように、ステップS302において、計測カウントの公差として基準位置P0に対してマイナスのD3、プラスのD4を設定する。ステップS303〜ステップS308の処理は図7に示す第1の実施形態のステップS102〜107と同様である。
ステップS309において、計測カウントが基準位置P0に対してD4以下でない場合(ステップS309のNO)、材料供給機制御装置52は、「+側移動確認アラーム(前方変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS310)。すなわち、計測カウントがD4より大きく、基準位置P0に対する材料B1の送出量がオーバーする場合、送出モータ32を停止して材料B1の前進を止める。一方、計測カウントがD4以下である場合(ステップS309のYES)、ステップS311へ移行する。
ステップS311において、計測カウントがD3以上でない場合(ステップS311のNO)、材料供給機制御装置52は、「−側移動確認アラーム(後方変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS312)。すなわち、計測カウントがD3より小さく、基準位置P0に対する材料B1の送出量が不足する場合、送出モータ32を停止して材料B1の前進を止める。一方、計測カウントがD3以上である場合(ステップS311のYES)、ステップS313へ移行し、カウンタをリセットする。以後、材料B1を加工し(ステップS315)、加工終了となる(ステップS314)。加工終了後、次の加工のために、処理はステップS304へ戻る。
第4の実施形態
本実施形態の制御は、計測カウントが0より小さい場合、計測カウントを0にするようにリトライすることである。つまり、材料B1が基準位置P0に達しない場合、材料B1を基準位置P0に移動させる。
具体的には、図10に示すように、ステップS401〜S409の処理は図8に示す第2の実施形態のステップS201〜ステップS209と同様である。
ステップS410において、計測カウントが0以上である場合、ステップS420へ移行する。計測カウントが0以上でない場合(ステップS410のNO)、すなわち、基準位置P0に対して材料B1の送出量が不足する場合、処理はステップS411へ移行する。
ステップS411において、タイマにより一定の時間が経過したかどうか、又はリトライが所定回数に達したか判断する。一定時間が経過した等の場合(ステップS411のYES)、オーバータイムアラーム、又は、回数オーバーアラームを出力し、前進トルクを切る(ステップS412)。一方、一定時間が経過してない等の場合(ステップS411のNO)、処理はステップS414へ移行する。その際、リトライ信号を旋盤制御装置51へ送る(ステップS413)。
ステップS414において、旋盤チャック12が開く。材料B1はフィードロッド31によって前進し、突切バイト14に当たって止まる。旋盤チャック12が閉じて材料B1を把持する(ステップS415)。
ステップS416で、材料供給機制御装置52がチャック開信号の入力OFFを確認した場合(ステップS416のYES)、処理はステップS417へ進む。計測カウントが0以下でない場合(ステップS417のNO)、材料供給機制御装置52は「+側移動確認アラーム(前方変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS418)。計測カウントが0以下である場合(ステップS417のYES)、処理はステップS419へ移行する。
ステップS419において、計測カウントが0以上でない場合(ステップS419のNO)、処理ステップS411へ戻る。計測カウントが0以上である場合(ステップS419のYES)、材料B1は基準位置P0に一致し、処理はステップS420へ移行し、カウンタをリセットする。以下、材料B1の加工(ステップS421)、加工終了(ステップS422)を実行する。加工終了後、処理はステップS403へ戻り、次の加工が実行される。
第5の実施形態
本実施形態の制御は、計測カウントが基準位置P0からマイナスのD3の公差を越える場合、計測カウントをD3の公差内にするようにリトライすることである。つまり、材料B1が基準位置P0から後方側へ許容範囲外となる場合、材料B1が許容範囲内に入るようにする。
具体的には、図11に示すように、ステップS502において、基準位置P0に対してマイナスのD3、プラスのD4の公差を設定する。ステップS503〜S508の処理は図10に示す第4の実施形態のステップS402〜S407と同様である。
ステップS509において、計測カウントがD4以下でない場合(ステップS509のNO)、材料供給機制御装置52は、「+側移動確認アラーム(前方変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS510)。一方、計測カウントがD4以下である場合(ステップS509のYES)、処理はステップS511へ移行する。
ステップS511において、計測カウントがD3以上である場合(ステップS511のYES)、処理はステップS521へ移行する。一方、計測カウントがD3以上でない場合(ステップS511のNO)、つまり、計測カウントがD3より小さい場合、処理はステップS512へ移行する。
ステップS512〜ステップS517の処理は第4の実施形態のステップS411〜S416と同様である。
ステップS518において、計測カウントがD4以下でない場合(ステップS518のNO)、材料供給機制御装置52は、「+側移動確認アラーム(前方変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS519)。一方、計測カウントがD4以下である場合(ステップS518のYES)、ステップS520へ移行する。
ステップS520において、計測カウントがD3以上でない場合(ステップS520のNO)、処理はステップS512へ戻る。一方、計測カウントがD3以上である場合(ステップS520のYES)、処理はステップ521へ進む。以下、ステップS521〜S523の処理は第4の実施形態のステップS420〜S422と同様である。
第6の実施形態
本実施形態の制御は、旋盤チャック12が閉じた後、「フィードロッド停止信号」の継続を確認することである。ここで、「フィードロッド停止信号」とは、フィードロッド31の停止状態、つまり、材料B1の停止状態を意味する。「フィードロッド停止信号」は、例えば、送出モータ32を制御するサーボアンプ、ロータリエンコーダ38の作動状態を示す信号を用いる。送出モータ32のサーボアンプ、ロータリエンコーダ38は本発明のフィードロッド停止信号生成装置に該当する。そして、「フィードロッド停止信号」の継続しない場合とは、「フィードロッド停止信号」が反転した場合であり(例えば、0→1、1→0)、サーボアンプ、ロータリエンコーダ38の作動状態が別の状態に移行したことを意味する。この場合、フィードロッド31が停止状態から移動状態へ移行し、材料B1も変位したと考えられる。
具体的には、図12に示すように、ステップS601〜ステップS604の処理は、図7に示す第1の実施形態のステップS101〜S104と同様である。旋盤チャック12が開いた後、ステップS605において、材料供給機制御装置52は「FR停止信号」の確認を開始する。尚、図12のFRはフィードロッドを指す。以後、FR停止信号をフィードロッド停止信号と表記することもある。ステップS606において、旋盤チャック12は材料B1に対して後退し、閉じて材料B1を把持する。ステップS607において、材料供給機制御装置52がチャック開信号の入力OFFを確認したら(ステップS607のYES)、ステップS608へ移行する。
ステップS608において、材料供給機制御装置52は、旋盤チャック12が開いてから閉じるまで、「フィードロッド停止信号」の継続を確認しない場合(ステップS608のNO)、「移動確認アラーム(変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る(ステップS609)。すなわち、「フィードロッド停止信号」が反転した場合、送出モータ32を停止し、材料B1への前進トルクを止める。
一方、材料供給機制御装置52が「フィードロッド停止信号」の継続を確認した場合(ステップS608のYES)、処理はステップS610へ移行し、材料供給機制御装置52は「フィードロッド停止信号」の確認を終了する。以後、材料B1を加工し(ステップS611)、加工終了する(ステップS612)。加工終了後、次の加工のために、処理はステップS603に戻る。
第7の実施形態
本実施形態の制御は、材料B1の加工後、旋盤チャック12を開いてから閉じるまで「フィードロッド停止信号」の継続を確認することである。
図13に示すように、ステップS701〜S704の処理は図12に示す第6の実施形態のステップS601〜S604と同様である。旋盤チャック12を開いた後(ステップS703)、ステップS705において、材料供給機制御装置52は「フィードロッド(FR)停止信号」の継続を確認する。材料供給機制御装置52が「フィードロッド停止信号」の継続を確認しない場合(ステップS706のNO)、すなわち、「フィードロッド停止信号」が反転した場合、すなわち、「移動確認アラーム(変位確認アラーム)」を出力させ、前進トルクを切る。これにより、材料B1が突切バイト14から離れてから再前進する際の破損を防止することができる。
一方、材料供給機制御装置52が「フィードロッド停止信号」の継続を確認する場合(ステップS706のYES)、ステップS708へ移行し、旋盤チャック12が閉じて材料B1を把持する。
ステップS709において、材料供給機制御装置52がチャック開信号の入力OFFを確認した場合(ステップS709のYES)、ステップS710へ移行し、フィードロッド停止信号の確認を終了する。以後、材料B1を加工し(ステップS711)、加工終了する(ステップS712)。加工終了後、次の加工のために、処理はステップS703に戻る。
第8の実施形態
本実施形態の制御は、主軸移動型旋盤1の加工サイクルに於ける1サイクルの材料B1の移動を検出し、カウンタ計測信号によって加工済みの材料B1先端(製品B2)を突切る前に製品長さ異常を検出し、旋盤1を停止することである。
具体的には、図14に示すように、予めi=1が設定されている(ステップS801)。iは加工サイクルの回数であり、i=1は、1回目の加工サイクルを意味する。また、以下で説明するステップS807においてi=1の時に、ステップS808をジャンプさせるために設定する。
計測カウントの設定値をD5に設定する(ステップS802)。この設定値D5は、材料B1の加工後の製品B2の長さを設定するために利用する。送出モータ32を作動させてフィードロッド31を経由して材料B1に前進トルクを入力する(ステップS803)。旋盤チャック12が開いて、材料B1が旋盤チャック12を通過する(ステップS804)。旋盤制御装置51は「チャック開信号」を生成し、材料供給機制御装置52は「チャック開信号」を確認する。具体的な操作は第1の実施形態のステップS101〜S104と同様である。
旋盤チャック12は閉じて材料B1を把持する(ステップS805)。旋盤制御装置51は「チャック開信号」の生成を停止する。材料供給機制御装置52は、「チャック開信号」の入力OFFを確認する(ステップS806)。材料供給制御装置52は、加工サイクルの回数が1回目であるか否かを確認する(ステップS807)。加工サイクルが1回目である場合(ステップS807のYES)、ステップS808へ移行する。ステップS808において、ロータリエンコーダ38のカウンタの計数を0からスタートさせる。この計数スタートの時の材料B1の位置が第1回目の加工サイクルの基準位置となる。なお、加工サイクルが1回目でない場合(ステップS807のNO)、ステップS809へ移行する。
旋盤1は材料B1を加工し(ステップS809)、加工終了後、旋盤チャック12は材料B1の突切位置へ移動する(ステップS810)。
材料供給機制御装置52は、カウンタ計測信号の入力を確認し(ステップS811のYES)、材料B1の現位置の計測カウントと設定値D5とを比較する(ステップS812)。すなわち、製品長さ決定装置としての材料供給機制御装置52は、材料B1の現位置の計測カウントと基準位置の計測カウントとの差から製品長さを決定する。ここで、基準位置においてカウンタの計数を0にしたので、基準位置に対する現位置の計測カウントがそのまま製品長さとなる。その結果、材料B1の移動量に基づいて計測した製品長さと設定した製品長さとが比較される。現位置の計測カウントが設定値D5と一致しない場合(ステップS812のNO)、製品長異常判定装置としての材料供給機制御装置52は材料B1の製品長さの異常を判定する。すなわち、決定した製品長さが設定した製品長さと一致しておらず、材料B1は加工の間に設定した製品長さに対して異なる距離を移動したと考えられる。材料供給機制御装置52は「製品長異常アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS813)。
一方、材料B1の現在位置の計測カウントがD5と一致する場合(ステップS812のYES)、つまり、決定した製品長さが設定した製品長さと一致する場合、カウンタをリセットし(ステップS814)、カウンタを0から再スタートさせる(ステップS815)。第2回目以降の加工サイクルでは、カウンタの再スタートした時の材料B1の現在位置を基準位置とする。これにより、第2回目以降の加工サイクルにおいて、旋盤チャック開(ステップS804)から旋盤チャック突切位置移動(ステップS810)までの材料B1の移動を計測することができる。
突切バイト14が材料B1から製品B2を突っ切り、第1回目の加工が終了する(ステップS816)。以後、ステップ804へ戻り、第2回目以降の材料B1の加工を継続する。
第9の実施形態
本実施形態の制御は、第8の実施形態の処理に加えて、材料B1を加工する際の製品B2の長さが設定値に対して大きいか、小さいかを判定してアラームを出力することである。
具体的には、図15に示すように、ステップS902からステップS911の処理は、図14に示す第8の実施形態のステップS802からステップS811と同様である。
ステップS912において、材料供給機制御装置52は材料B1の現在位置の計測カウントが設定値D5以下であるか否か、確認する。計測カウントが設定値D5以下でない場合(ステップS912のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より大きい場合、材料供給機制御装置52は「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS913)。この場合、材料B1がフィードロッド31のフィンガーチャック31aから外れ、フィンガーチャック31aが材料B1の後端より前に前進していると示唆される。一方、計測カウントが設定値D5以下である場合(ステップS912のYES)、ステップS914へ移行する。
ステップS914において、材料供給機制御装置52は、材料B1の現在位置の計測カウントが設定値D5以上であるか確認する。計測カウントが設定値D5以上でない場合(ステップS914のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より小さい場合、材料供給機制御装置52は「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS915)。この場合、旋盤チャック圧の低下により、端面の穴開け加工等の際にフィードロッド31が材料B1と共に押し戻されたと示唆される。一方、計測カウントが設定値D5以上である場合(ステップS914のYES)、ステップS916へ移行する。
以後、ステップS916〜S918の処理は、第8の実施形態のステップS814〜S816と同様である。以後、処理はステップS904へ戻り、加工サイクルが繰り返される。
第10の実施形態
本実施形態の制御は、第8の実施形態の処理に対して、材料B1の製品長さについて許容範囲を設定し、製品長さが許容範囲外であるかを判定してアラームを出力することである。
具体的には、図16に示すように、処理を開始し(ステップS1001)、計測カウントの設定値を下限D6、上限D7に設定する(ステップS1002)。ステップS1003〜S1011の処理は、図14に示す第8の実施形態のステップS803〜811と同様である。
ステップS1012において、材料供給機制御装置52は、計測カウントがD7以下であるか確認する。計測カウントがD7以下でない場合(ステップS1012のNO)、つまり、計測カウントがD7より大きい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1013)。一方、計測カウントがD7以下である場合(ステップS1012のYES)、処理はステップS1014へ移行する。
ステップS1014において、材料供給機制御装置52は、計測カウントが設定値D6以上であるか確認する。計測カウントがD6以上でない場合(ステップS1014のNO)、つまり、計測カウントがD6より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1015)。一方、計測カウントがD6以上である場合(ステップS1016のYES)、ステップS1016へ移行する。このとき、計測カウントはD6からD7の範囲にある。
ステップS1016〜S1018の処理は、第8の実施形態のステップS814〜S816のものと同様である。以後、処理はステップS1004へ戻り、加工サイクルが繰り返される。
第11の実施形態
本実施形態の制御は、主軸移動型旋盤の加工サイクルに於ける加工時の材料B1の異常移動を検出し、カウンタ計測信号によって加工済みの材料先端(製品)を突切る前に製品異常を検出し、旋盤1を停止させることである。
具体的には、図17に示すように、処理を開始し(ステップS1101)、計測カウントを設定値D5に設定する(ステップS1102)。この設定値D5は、材料B1の製品長さを設定するために利用する。送出モータ32を作動させてフィードロッド31を経由して材料B1に前進トルクを入力する(ステップS1103)。
旋盤チャック12が開いて、材料B1が旋盤チャック12を通過する(ステップS1104)。旋盤制御装置51は「チャック開信号」を生成し、材料供給機制御装置52は「チャック開信号」を確認する。具体的な操作は第1の実施形態のステップS101〜S104と同様である。
旋盤チャック12は閉じて材料B1を把持する(ステップS1105)。旋盤制御装置51は「チャック開信号」の生成を停止する。材料供給機制御装置52は、「チャック開信号」の入力OFFを確認する(ステップS1106)。
「チャック開信号」の入力OFFが確認されたら(ステップS1106のYES)、ロータリエンコーダ38のカウンタの計数を0からスタートさせる(ステップS1107)。このスタート時の材料B1の現在位置が基準位置となる。
旋盤1は材料B1を加工し(ステップS1108)、加工終了後、旋盤チャック12は材料B1の突切位置へ移動する(ステップS1109)。
材料供給機制御装置52は、カウンタ計測信号の入力を確認したら(ステップS1110のYES)、計測カウントが設定値D5と一致するか確認する(ステップS1111)。これにより、材料B1の加工の間の異常移動を検出することができる。
計測カウントが設定値D5に一致しない場合(ステップS1111のNO)、材料供給機制御装置52は「製品長異常アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1112)。一方、計測カウントがD5と一致する場合(ステップS1111のYES)、処理はステップS1113へ移行する。
カウンタをリセットし(ステップS1113)、材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1114)。以後、ステップS1104へ戻り、材料B1の加工
を繰り返す。
第12の実施形態
本実施形態の制御は、第11の実施形態の処理に対して、製品B2の長さが超過する場合、「製品長+(プラス)側異常アラーム」を出力し、製品B2の長さが不足する場合、「製品長−(マイナス)側異常アラーム」を出力することである。
具体的には、図18に示すように、ステップS1201〜ステップ1210の処理は図17に示す第11の実施形態のステップS1101〜1110と同様である。
材料供給機制御装置52は計測カウントが設定値D5以下であるかを確認する(ステップS1211)。計測カウントが設定値D5以下でない場合(ステップS1211のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より大きい場合、材料供給機制御装置52は「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1212)。一方、計測カウントがD5以下の場合(ステップS1211のYES)、処理はステップS1213へ移行する。
材料供給機制御装置52は、計測カウントが設定値D5以上であるかを確認する(ステップS1213)。計測カウントが設定値D5以上でない場合(ステップS1213のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1214)。一方、計測カウントが設定値D5以上である場合(ステップS1213のYES)、つまり、計測カウントがD5と一致する場合、処理はステップS1215へ移行する。
カウンタをリセットし(ステップS1215)、材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1216)。以後、ステップS1204へ戻り、材料B1の加工を繰り返す。
第13の実施形態
本実施形態の制御は、第11の実施形態の処理に対して、材料B1の製品長さについて許容範囲を設定し、製品長さが許容範囲外であるかを判定してアラームを出力することである。
具体的には、図19に示すように、処理を開始し(ステップS1301)、カウンタの設定値を下限D6、上限D7の許容範囲に設定する(ステップS1302)。ステップS1303〜S1310の処理は、図17に示す第11の実施形態のステップS1103〜S1110と同様である。
材料供給機制御装置52は、計測カウントがD7以下であるか、確認する(ステップS1311)。計測カウントがD7以下でない場合(ステップS1311のNO)、つまり、計測カウントがD7より大きい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1312)。一方、計測カウントがD7以下である場合(ステップS1311のYES)、処理はステップS1313へ移行する。
ステップS1313において、材料供給機制御装置52は、計測カウントが設定値D6以上であるか確認する。計測カウントがD6以上でない場合(ステップS1313のNO)、つまり、計測カウントがD6より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1314)。一方、計測カウントがD6以上である場合(ステップS1313のYES)、ステップS1315へ移行する。このとき、計測カウントはD6以上、D7以下の範囲にある。
カウンタをリセットし(ステップS1315)。材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1316)。以後、ステップS1304へ戻り、材料B1の加工を繰り返す。
第14の実施形態
本実施形態の制御は、カウンタ計測信号による製品長異常を検出する際に、フィードロッド停止確認の条件を加えることにより、移動量計測の信頼性を高め、更に、旋盤1に突切許可信号を出力することにより、不良品の混在をより少なくすることである。
具体的には、図20に示すように、処理を開始し(ステップS1401)、カウンタの設定値をD5に設定する(ステップS1402)。ステップS1403〜S1410の処理は図17に示す第11の実施形態のステップS1103〜S1110と同様である。
材料供給機制御装置52は、フィードロッド31の停止を確認した場合(ステップS1411のYES)、ステップS1412移行する。これにより、移動量計測の信頼性を高めることができる。
材料供給機制御装置52は、計測カウントがD5と一致するかを確認する(ステップS1412)。計測カウントがD5と一致しない場合(ステップS1412のNO)、材料供給機制御装置52は、「製品長異常アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1413)。
計測カウントがD5と一致する場合(ステップS1412のYES)、材料供給機制御装置52は旋盤制御装置51へ材料B1から製品B2を突っ切るための突切許可信号を出力する(ステップS1414)。これにより、不良品の混在を少なくする。
カウンタをリセットし(ステップS1415)、材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1416)。以後、ステップS1404へ戻り、材料B1の加工を繰り返す。
第15の実施形態
本実施形態の制御は、カウンタ計測信号による製品長異常を検出する際に、フィードロッド停止確認の条件を加えることにより、移動量計測の信頼性を高め、更に、旋盤1に突切許可信号を出力することにより、不良品の混在をより少なくすることである。
具体的には、図21に示すように、処理を開始し(ステップS1501)、カウンタの設定値をD5に設定する(ステップS1502)。ステップS1503〜S1510の処理は図18に示す第12の実施形態のステップS1203〜S1210と同様である。
材料供給機制御装置52は、フィードロッド31の停止を確認した場合(ステップS1511のYES)、ステップS1512移行する。これにより、移動量計測の信頼性を高めることができる。
材料供給機制御装置52は、計測カウントがD5以下であるか否かを確認する(ステップS1512)。計測カウントが設定値D5以下でない場合(ステップS1512のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より大きい場合、材料供給機制御装置52は「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1513)。一方、計測カウントがD5以下の場合(ステップS1512のYES)、処理はステップS1514へ移行する。
材料供給機制御装置52は、計測カウントが設定値D5以上であるかを確認する(ステップS1514)。計測カウントが設定値D5以上でない場合(ステップS1514のNO)、つまり、計測カウントが設定値D5より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、材料B1に対する前進トルクを切る(ステップS1515)。一方、計測カウントが設定値D5以上である場合(ステップS1514のYES)、つまり、計測カウントがD5と一致する場合、材料供給機制御装置52は旋盤制御装置51へ材料B1から製品B2を突っ切るための突切許可信号を出力する(ステップS1516)。これにより、不良品の混在を防止する。
カウンタをリセットし(ステップS1517)、材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1518)。以後、ステップS1504へ戻り、材料B1の加工を繰り返す。
第16の実施形態
本実施形態の制御は、カウンタ計測信号による製品長異常を検出する際に、フィードロッド停止確認の条件を加えることにより、移動量計測の信頼性を高め、更に、旋盤1に突切許可信号を出力することにより、不良品の混在を防止することである。
具体的には、図22に示すように、処理を開始し(ステップS1601)、カウンタの設定値を下限D6、上限D7の許容範囲に設定する(ステップS1602)。ステップS1603〜S1610の処理は図19に示す第13の実施形態のステップS1303〜S1310と同様である。
材料供給機制御装置52は、フィードロッド31の停止を確認した場合(ステップS1611のYES)、ステップS1612移行する。これにより、移動量計測の信頼性を高めることができる。
材料供給機制御装置52は、計測カウントがD7以下であるか、確認する(ステップS612)。計測カウントがD7以下でない場合(ステップS1612のNO)、つまり、計測カウントがD7より大きい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長超過アラーム」としての「製品長+側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1613)。一方、計測カウントがD7以下である場合(ステップS1612のYES)、処理はステップS1614へ移行する。
材料供給機制御装置52は、計測カウントが設定値D6以上であるか確認する(ステップS1614)。計測カウントがD6以上でない場合(ステップS1614のNO)、つまり、計測カウントがD6より小さい場合、材料供給機制御装置52は、「製品長不足アラーム」としての「製品長−側アラーム」を出力させ、送出モータ32を停止させ、前進トルクを切る(ステップS1615)。一方、計測カウントがD6以上である場合(ステップS1614のYES)、つまり、計測カウントはD6以上、D7以下の許容範囲にある場合、材料供給機制御装置52は旋盤制御装置51へ材料B1から製品B2を突っ切るための突切許可信号を出力する(ステップS1616)。これにより、不良品の混在を少なくする。
カウンタをリセットし(ステップS1617)、材料B1から製品B2を突切り、加工を終了する(ステップS1618)。以後、ステップS1604へ戻り、材料B1の加工を繰り返す。
なお、以上の実施形態は発明の趣旨を変更しない範囲で変更、修正可能である。例えば、第1〜第7の実施形態に係る検出方法および第8〜第16の実施形態に係る検出方法を1サイクルで用いてもよい。これにより、製品長さ異常の発生に伴う全品検査や、刃具交換等の時間的、機械的損失の低減が図られる。また、アラームの原因推測が容易になるため適切な対応が可能となる。