JP4215175B2 - ロッキンッグクラッチのためのトーションダンパー、及びこのようなトーションダンパーを備えるロッキンッグクラッチ - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、特に自動車用の、流体動力学的連結装置の駆動部と被駆動部との間で作用しうるロッキンッグクラッチのためのトーションダンパー、及びこのようなトーションダンパーを備えるロッキンッグクラッチに関する。
【０００２】
【従来の技術】
公知のように、駆動部と被駆動部との間で作用する流体動力学的連結装置のための、通常ロックアップクラッチとして知られるロッキンッグクラッチは、トーションダンパー、軸方向に動くように取り付けられたピストン、ピストンと連係し、ピストンと、駆動部と一体の径方向の壁との間で締めつけられるのに適している少なくとも１つの摩擦ライニングを備えている。
【０００３】
トーションダンパーは、入力部、出力部、及び両者を結合するための前記入力部と出力部との間で円周方向に挿入されたバネを備えている。
このようなクラッチは、例えば、特許ＷＯ−Ａ−９４／０７０５８号の明細書に記載されている。
【０００４】
詳しく言うと、この明細書では、トーションダンパーは、互いに対し、及び円周方向に作用するバネと反対に動くことができる２つの同軸部、すなわちガイドワッシャーを備える入力部と、ウェブを備える出力部を有している。
【０００５】
ガイドワッシャーは、バネを個別に保持し、それを支持できるように、２枚貝の殻の１枚と、支持部の形をした、バネを受け入れる円周方向を向く孔に接する保持部を有しており、ウェブもバネを支持することができるように、支持部を有している。
【０００６】
ガイドワッシャーは、ウェブの少なくとも大部分を取り囲んでいる。ウェブはバネを径方向に保持するため、ハーフシェル（２枚貝の殻の１枚）の形で保持部を有しており、ウェブの支持部は、前記ウェブの保持部によって取り付けられており、ガイドワッシャーとウェブの前記保持部は、軸方向に互いにずれている。
【０００７】
部品が少なくなるこのような構成は、組立てが容易で、望ましい。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、構成部品の製造がより簡単で、組立てがより容易な上記形式のトーションダンパーを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトーションダンパーは、互いに対し、及び円周方向に作用するバネと反対に動くことができる２つの同軸部、すなわちガイドワッシャーを備える入力部と、ウェブを備える出力部を有しており、ガイドワッシャーは、バネを個別に保持し、それを支持できるように、２枚貝の殻の１枚と、支持部の形をした、バネを受け入れる円周方向を向く孔に接する保持部を有しており、ウェブもバネを支持することができるように、支持部を有している、流体動力学的連結装置の駆動部と被駆動部との間で作用することができるロッキンッグクラッチのためのトーションダンパで、ガイドワッシャーは、折り曲げにより組立てられた第１部と第２部の２つの部分からなり、かつ第１部は、その外側にバネを保持していることを特徴とする。
【００１０】
第１部は、環状部であり、その中心軸方向を通過する面に沿ったその一部の全体が、逆Ｌ形で、軸方向に伸びるスカートによって、その外部で伸びる径方向の壁を有しており、かつ第２部は、径方向に伸びるリングの形をしている。
【００１１】
第２部及び第１部の径方向の壁は、ウェブの各側に軸方向に設けられており、かつ第１部のスカートは、ウェブの外縁をカバーしているのがよい。
【００１２】
保持部は、ガイドワッシャーの孔を備えるスカートとフラップによって形成されているのがよい。
【００１３】
第２部は、その外縁に第１部のスカートの軸方向の突起が貫通する円周方向に伸びるスロットを備えており、軸方向の突起は、その端部に、突起より狭い指部を備え、第１部と第２部を共に固着するため、端を折り曲げられるステップを有しており、指部は、第２部を越えて軸方向に伸び、各面に摩擦ライニングを備える摩擦盤の外縁に設けられ、ノッチに嵌合するようになっているのがよい。
【００１４】
変形例によるトーションダンパーの摩擦ライニングは、駆動部に取り付けられており、第１部は、ピストンからなり、かつ第１部は、径方向の壁を有し、その外縁に軸方向に向くスカートを有している。
【００１５】
ウェブは、バネを支持するための突起を有するリングであるのがよい。
【００１６】
第２部は、領域の端部からなるバネのための支持面を有する環状部であり、上記領域のうち、軸方向の領域は、スカートと平行に軸方向に伸びており、第２部は、軸方向の領域の自由端によって取り付けられた径方向の突起によってスカートに固着されており、径方向の突起は、対で群をなしており、各対は、ノッチによって分離しており、スカートは、前記径方向の突起が嵌合するノッチを有しており、スカートに設けられたノッチは、同じ対の２つの径方向の突起を分離するノッチに嵌合する指部によって分離しており、その端部は、クリンピングにより折り曲げられていることが望ましい。
【００１７】
本発明による他の実施例によれば、第２部は、スカートのノッチに嵌合する径方向の突起を有し、スカートの自由端は、軸方向にゆるい縦勾配をつけている。
【００１８】
本発明によるロッキンッグクラッチは、全体が径方向に向くピストンを有し、回転に対し、ケーシングに固着されている、特に自動車用の、ケーシングと流体動力学的連結装置のタービンホィールとの間に取り付けられロッキンッグクラッチにおいて、上記第１変形例のトーションダンパーを有し、ウェブは、ピストンとケーシングの径方向の壁との間に締め付けられるようになっている摩擦ライニングを各面に備える摩擦盤を支持するガイドワッシャーとタービンホィールに固着されていることを特徴とする。
【００１９】
本発明による他のロッキンッグクラッチは、全体が径方向に向くピストンを有し、回転に対し、ケーシングに固着されている、特に自動車用の、ケーシングと流体動力学的連結装置のタービンホィールとの間に取り付けられロッキンッグクラッチにおいて、上記第２変形例のトーションダンパーを有し、タービンホィールとケーシングの径方向の壁に固着されているウェブは、ピストンの形の第１部と前記径方向の壁との間に締めつけられるようになっている摩擦ライニングを備えている。
【００２０】
本発明のより良き理解を得るため、添付図面に示す実施例について説明する。実施例は、単なる例示にすぎず、それに限定されるものではない。
【００２１】
【実施例】
図１に示すように、ロッキンッグクラッチ４は、流体動力学的連結装置１に取り付けられている。図１に一部を示す流体動力学的連結装置１は、タービンホィール１０が一部見えるトルクコンバーター３と、密封されたケーシング２に設けられたロッキンッグクラッチ４を有している。
【００２２】
ケーシング２は、駆動部を有し、回転に対し、自動車の内燃機関のクランクシャフトに連結されることができる。このケーシング２は、環状の径方向の壁５を有しており、径方向の壁５は、第２外板の内面に固着されたブレードを有するインペラーホィールを形成するように作られた第２外板に結合された第１外板の一部をなしている。
【００２３】
タービンホィール１０は、ブレード１３を備えている。タービンホィール１０は、リベット１２で中央ハブ１１に接続されている。中央ハブ１１は、被駆動軸を駆動するため、内側に長手方向のリブ１４を有している。
【００２４】
中央ハブ１１は、ケーシング２の径方向の壁５とトルクコンバーター３のタービンホィール１０との間に、軸方向に設けられたロッキンッグクラッチ４の出力部を備えている。
【００２５】
ロッキンッグクラッチ４は、トーションダンパー７、軸方向に動くように取り付けられたピストン２０、及びピストン２０と関連し、ピストン２０とケーシング２の径方向の壁５との間に締めつけるのに適している、少なくとも１つの摩擦ライニング１６を備えている。
【００２６】
トーションダンパー７は、円周方向に作用するバネ３０に、互いに反対方向に動くように取り付けられた２つの同軸部を備えている。これらは、ガイドワッシャー２６，２７からなる入力部とウェブ２５からなる出力部である。
【００２７】
ウェブ２５はおおむね径方向に伸び、その内縁でハブ１１に固着されている。
この実施例によれば、この固着は、タービンホィール１０とハブ１１を固着するリベット１２により得られる。
【００２８】
ウェブ２５は、外縁に円周方向に伸びるノッチを有し、ノッチには、円周方向に作用するバネ３０、この実施例によれば、らせん状のバネが設けられており、バネ３０は、ノッチの端部３５を押圧している。
【００２９】
図１に示すように、端部３５は、バネ３０に対して正反対に伸び、バネ３０は、そこにうまく支持されており、このため、下記のガイドワッシャー２６，２７によって、それらはこの位置に案内され、保持されている。
【００３０】
ガイドワッシャー２６，２７は、２つの部分２６と２７を備えている。
第１部２６は、環状部で、その中心軸を通過する面に沿った断面は、軸方向に伸びるスカート３８によって、外部で伸びる径方向の壁３３を有する全体が逆Ｌ形である。
【００３１】
第２部２７は、径方向に伸びるリング形であり、第２部２７と第１部２６の径方向の壁３３は、その外縁付近に、ウェブ２５の各側に軸方向に設けられ、径方向の壁３３は、タービンホィール１０の側部に設けられ、第２部２７は、ピストン２０の側部に設けられ、第１部２６のスカート３８は、後者が有する軸方向のリム３１と並ぶウェブ２５の外縁をカバーしている。
【００３２】
第１部２６と第２部２７の径方向の壁３３は、それぞれ孔４３，４４を有し、これは円周方向に伸び、バネ３０を受け入れ、バネ３０は、孔４３，４４の径方向の端部３６，３７を、その外縁で押圧し、孔４３，４４は、それぞれフラップ４６，４７を備え、フラップは、第１部２６のスカート３８と共に、作動中、遠心力を受けるバネ３０を案内する。
【００３３】
その内縁で、第１部２６と第２部２７の径方向の壁３３は、ウェブ２５に設けられ、円周方向の細長い通路２９を通過するブレース２８によって結合され、この配置によって、ウェブ２５とガイドワッシャー２６，２７の相互の円周方向の隙間は、三角形状に限定することができる。
【００３４】
その外縁で、第２部２７は、図２、図３に示すように、円周方向に伸び等間隔にあるスロット３２を、第１部２６のスカート３８にある突起３９が貫通している。
【００３５】
詳しく言うと、図２〜図５に示すように、軸方向の突起３９は、隙間内のスロット３２に嵌合し、突起３９は、その端に突起３９より狭い指部４０とステップ（湾曲部）４１，４２を備え、指部４０を折り曲げて，２つの部分２６，２７を共に固着することができる。
【００３６】
第２部２７を越えて軸方向に伸びる指部４０は、摩擦ライニング１６に面している摩擦盤１５の外縁に設けられ、ノッチ４５に嵌合している。
【００３７】
摩擦盤１５は、ケーシング２の径方向の壁５とピストン２０との間に軸方向に設けられ、ノッチ４５は、ピストン２０の外縁を越して径方向に伸びる摩擦盤１５の一部に設けられている。
【００３８】
摩擦盤１５は、懸垂形で、ノッチ４５の径方向の端と協動する指部４０によって回転させられる。前記ロッキンッグクラッチ４の働きは、上記の結果である。
【００３９】
全ての場合、タービンホィール１０は、ケーシング２に含まれる液体の循環によるインペラーホィールによって駆動される。
【００４０】
自動車がスタートした後、ロッキンッグクラッチ４は、タービンとインペラーホィールとの間のスリップ現象を避けるため、被駆動部１１と駆動部２を共に固着させる。
【００４１】
これは、油圧の影響下で、ピストン２０が、自身とケーシング２の径方向の壁５との間に摩擦盤１５をクランプで締める時、そこから生じるロッキングは、ギアボックスの入力軸のように、自動車のエンジンのクランクシャフトに回転しうるように接続され、ケーシング２に固着され、ハブ１１の縦溝１４によって被駆動軸を直接駆動することができ、トーションダンパー７によって、このロッキングは衝撃なしに得られ、エンジンからの振動は取り除かれる。
【００４２】
図６〜図１１は、本発明によるロッキンッグクラッチ４のトーションダンパー７の変形例の概略を示す。この変形例によれば、ガイドワッシャー２６，２７の２つの部分の１つは、ピストン自身からなる。
【００４３】
詳しく言うと、この場合、図６〜図１０に示すように、ケーシング１０２は、内部の径方向の壁１０５に固着された摩擦ライニング１１６を有している。
【００４４】
この場合、ウェブ１２５は、１３４でタービンホィール１１０に溶接されたリングであり、そのリングは、らせん状のバネ１３０の支持のため、それに対しておおむね正反対に伸びる突起１６０を有している。
【００４５】
ピストン１２０は、ロッキンッグクラッチ１０４に属しており、径方向の壁１２４とケーシング１０２との間に、摩擦ライニング１１６を締めることができる。
【００４６】
ピストン１２０は、ロッキンッグクラッチ１０４のガイドワッシャーの第１部であり、その外縁に環状リム１２３、すなわち軸方向に向きタービンホィール１１０の方に伸びているスカートを有している。
【００４７】
ガイドワッシャーは、領域１４８，１４９，１５０の端部からなるバネ１３０のための円周方向に押圧する面を有する第２環状部１２２を有している。
第２環状部１２２の外縁にある領域１４８は、軸方向に伸び、ピストン１２０の端部、すなわちスカート１２３と平行である。
【００４８】
領域１４８は、ピストン１２０の径方向の壁１２４の方を向く凸面の湾曲した断面を有する領域１４９に沿って内方向へ伸びている。それは、ピストン１２０と接触しており、領域１４９は、断面を有するが径方向の壁１２４に向く凹面を有する領域１５０に沿って内方向に伸びている。領域１５０は、支持されているピストン１２０の径方向の壁１２４に沿って伸びている径方向部１５１に接続されており、径方向部１５１は、３６０度にわたり円周方向に伸びている。
【００４９】
バネ１３０は、バネ１３０のための案内と停止面を形成するスカート１２３と径方向の壁１２４によって形成されたかどに設けられ、停止面と向かい合う案内と停止面はまた、第２部１２２が有するフラップ１５６，１５７の形に作られている。
【００５０】
ピストン１２０には孔がなく、第２部１２２のみが、バネ１３０とブラケット１５６，１５７の支持面に境を接する孔を有している。
【００５１】
第２部１２２は、外縁に端を折り曲げて、ピストン１２０のスカート１２３に固着されている。このため、領域１４８の自由端は、２つの部分が組立ての前後にあることを示す図１１に示すように、円周上に等間隔にある１対の突起１５２を有し、各対の突起１５２は、ノッチ１５８で分離されている。ピストン１２０のスカート１２３は、ノッチ１５３，１５４を有し、そこに突起１５２は、第２部１２２の回転に対し、ピストン１２０に対しロックするため嵌合している。ノッチ１５３，１５４は、指部１５５によって分離されており、指部１５５は、第２部１２２のノッチ１５８に嵌合し、その端は、図に示すように、クリンピングにより折り曲げられる。
【００５２】
径方向内側に向く他の突起２００は、図８、図１０に示すように、ピストン１２０からきており、タービンホィール１１０と面する面と協動して、第２部１２２を軸方向に保持しており、突起２００は、指部１５５に対して軸方向と円周方向にずれている。第２部１２２は、従ってピストン１２０に対して固着されている。
【００５３】
図１２、図１３に示すように、変形例による変形の第２部１２２は、ピストン１２０のスカート１２３のノッチ２５３に嵌合する径方向の突起２５２を有している。ノッチ２５３の自由端は、クリンピングのため、２４０に示すように、軸方向にゆるい縦勾配をつけられる。
【００５４】
図１２は、組立て前後の２つの部分を示す。各場合、この実施例によれば、金属製の第２部２７，１２２は、この実施例では金属製の第１部２６，１２０に軸方向と回転方向に対し接続されている。
【００５５】
第２部２７，１２２は、簡単な形をしており、第１部２６，１２０は、外側にバネ１３０を保持している。一般に、ピストン２０、１２０、ウェブ２５、１２５、タービンホィール１０、ケーシング２、及びハブ１１も金属製である。
【００５６】
【発明の効果】
本発明によれば、前記形式の構成部品の生産がより簡単になり、組立てがより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるトーションダンパーを備える流体力学的連結装置のロッキングクラッチの部分断面図である。
【図２】図１のクラッチのガイドワッシャーを形成する２つの部分が、いかに共に固着されるかを示す部分斜視図である。
【図３】図２の切断線ＩＩＩ−ＩＩＩにおける部分断面図である。
【図４】図２の矢印ＩＶの方から見た部分平面図である。
【図５】図４の矢印Ｖの方から見た部分側面図である。
【図６】図７、図８の切断線ＶＩ−ＶＩにおける部分断面図で、本発明によるクラッチの変形例を示す。
【図７】図６の矢印ＶＩＩの方から見たタービンホィールなしの部分平面図である。
【図８】図６の矢印ＶＩＩＩの方から見たタービンホィールなしの部分斜視図である。
【図９】図７、図８の切断線ＩＸ−ＩＸにおけるタービンホィール付きの部分断面図である。
【図１０】図７、図８の切断線Ｘ−Ｘにおけるタービンホィール付きの部分断面図である。
【図１１】図６〜図１０のクラッチのガイドワッシャーを形成する２つの部分が、いかに共に固着されるかを示す部分斜視図である。
【図１２】図１１の変形例を示す。
【図１３】図１２の矢印ＸＩＩＩの方から見た部分平面図である。
【符号の説明】
１ 流体力学的連結装置
２，１０２ ケーシング
３ トルクコンバーター
４，１０４ ロッキングクラッチ
５，１０５ 径方向の壁
７ トーションダンパー
１０，１１０ タービンホィール
１１ 中央ハブ、被駆動部
１２ リベット
１４ 縦溝
１５ 摩擦盤
１６ 摩擦ライニング
２０，１２０ ピストン
２５，１２５ ウェブ、出力部
２６，２７ ガイドワッシャー
２８ ブレース
２９ 通路
３０，１３０ バネ
３２ スロット
３３ 径方向の壁
３５、３６、３７ 端部
３８ スカート
３９ 突起
４０，１５５ 指部
４３，４４ 孔
４５ ノッチ
４６，４７ フラップ
１２２ 第２環状部
１２３ 環状リム
１２４ 径方向の壁
１４８，１４９，１５０ 領域
１５１ 径方向部
１５２，２００，２５２ 突起
１５３，１５４ ノッチ
１５６，１５７ フラップ
１５８，２５３ ノッチ
【産業上の利用分野】
本発明は、特に自動車用の、流体動力学的連結装置の駆動部と被駆動部との間で作用しうるロッキンッグクラッチのためのトーションダンパー、及びこのようなトーションダンパーを備えるロッキンッグクラッチに関する。
【０００２】
【従来の技術】
公知のように、駆動部と被駆動部との間で作用する流体動力学的連結装置のための、通常ロックアップクラッチとして知られるロッキンッグクラッチは、トーションダンパー、軸方向に動くように取り付けられたピストン、ピストンと連係し、ピストンと、駆動部と一体の径方向の壁との間で締めつけられるのに適している少なくとも１つの摩擦ライニングを備えている。
【０００３】
トーションダンパーは、入力部、出力部、及び両者を結合するための前記入力部と出力部との間で円周方向に挿入されたバネを備えている。
このようなクラッチは、例えば、特許ＷＯ−Ａ−９４／０７０５８号の明細書に記載されている。
【０００４】
詳しく言うと、この明細書では、トーションダンパーは、互いに対し、及び円周方向に作用するバネと反対に動くことができる２つの同軸部、すなわちガイドワッシャーを備える入力部と、ウェブを備える出力部を有している。
【０００５】
ガイドワッシャーは、バネを個別に保持し、それを支持できるように、２枚貝の殻の１枚と、支持部の形をした、バネを受け入れる円周方向を向く孔に接する保持部を有しており、ウェブもバネを支持することができるように、支持部を有している。
【０００６】
ガイドワッシャーは、ウェブの少なくとも大部分を取り囲んでいる。ウェブはバネを径方向に保持するため、ハーフシェル（２枚貝の殻の１枚）の形で保持部を有しており、ウェブの支持部は、前記ウェブの保持部によって取り付けられており、ガイドワッシャーとウェブの前記保持部は、軸方向に互いにずれている。
【０００７】
部品が少なくなるこのような構成は、組立てが容易で、望ましい。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、構成部品の製造がより簡単で、組立てがより容易な上記形式のトーションダンパーを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトーションダンパーは、互いに対し、及び円周方向に作用するバネと反対に動くことができる２つの同軸部、すなわちガイドワッシャーを備える入力部と、ウェブを備える出力部を有しており、ガイドワッシャーは、バネを個別に保持し、それを支持できるように、２枚貝の殻の１枚と、支持部の形をした、バネを受け入れる円周方向を向く孔に接する保持部を有しており、ウェブもバネを支持することができるように、支持部を有している、流体動力学的連結装置の駆動部と被駆動部との間で作用することができるロッキンッグクラッチのためのトーションダンパで、ガイドワッシャーは、折り曲げにより組立てられた第１部と第２部の２つの部分からなり、かつ第１部は、その外側にバネを保持していることを特徴とする。
【００１０】
第１部は、環状部であり、その中心軸方向を通過する面に沿ったその一部の全体が、逆Ｌ形で、軸方向に伸びるスカートによって、その外部で伸びる径方向の壁を有しており、かつ第２部は、径方向に伸びるリングの形をしている。
【００１１】
第２部及び第１部の径方向の壁は、ウェブの各側に軸方向に設けられており、かつ第１部のスカートは、ウェブの外縁をカバーしているのがよい。
【００１２】
保持部は、ガイドワッシャーの孔を備えるスカートとフラップによって形成されているのがよい。
【００１３】
第２部は、その外縁に第１部のスカートの軸方向の突起が貫通する円周方向に伸びるスロットを備えており、軸方向の突起は、その端部に、突起より狭い指部を備え、第１部と第２部を共に固着するため、端を折り曲げられるステップを有しており、指部は、第２部を越えて軸方向に伸び、各面に摩擦ライニングを備える摩擦盤の外縁に設けられ、ノッチに嵌合するようになっているのがよい。
【００１４】
変形例によるトーションダンパーの摩擦ライニングは、駆動部に取り付けられており、第１部は、ピストンからなり、かつ第１部は、径方向の壁を有し、その外縁に軸方向に向くスカートを有している。
【００１５】
ウェブは、バネを支持するための突起を有するリングであるのがよい。
【００１６】
第２部は、領域の端部からなるバネのための支持面を有する環状部であり、上記領域のうち、軸方向の領域は、スカートと平行に軸方向に伸びており、第２部は、軸方向の領域の自由端によって取り付けられた径方向の突起によってスカートに固着されており、径方向の突起は、対で群をなしており、各対は、ノッチによって分離しており、スカートは、前記径方向の突起が嵌合するノッチを有しており、スカートに設けられたノッチは、同じ対の２つの径方向の突起を分離するノッチに嵌合する指部によって分離しており、その端部は、クリンピングにより折り曲げられていることが望ましい。
【００１７】
本発明による他の実施例によれば、第２部は、スカートのノッチに嵌合する径方向の突起を有し、スカートの自由端は、軸方向にゆるい縦勾配をつけている。
【００１８】
本発明によるロッキンッグクラッチは、全体が径方向に向くピストンを有し、回転に対し、ケーシングに固着されている、特に自動車用の、ケーシングと流体動力学的連結装置のタービンホィールとの間に取り付けられロッキンッグクラッチにおいて、上記第１変形例のトーションダンパーを有し、ウェブは、ピストンとケーシングの径方向の壁との間に締め付けられるようになっている摩擦ライニングを各面に備える摩擦盤を支持するガイドワッシャーとタービンホィールに固着されていることを特徴とする。
【００１９】
本発明による他のロッキンッグクラッチは、全体が径方向に向くピストンを有し、回転に対し、ケーシングに固着されている、特に自動車用の、ケーシングと流体動力学的連結装置のタービンホィールとの間に取り付けられロッキンッグクラッチにおいて、上記第２変形例のトーションダンパーを有し、タービンホィールとケーシングの径方向の壁に固着されているウェブは、ピストンの形の第１部と前記径方向の壁との間に締めつけられるようになっている摩擦ライニングを備えている。
【００２０】
本発明のより良き理解を得るため、添付図面に示す実施例について説明する。実施例は、単なる例示にすぎず、それに限定されるものではない。
【００２１】
【実施例】
図１に示すように、ロッキンッグクラッチ４は、流体動力学的連結装置１に取り付けられている。図１に一部を示す流体動力学的連結装置１は、タービンホィール１０が一部見えるトルクコンバーター３と、密封されたケーシング２に設けられたロッキンッグクラッチ４を有している。
【００２２】
ケーシング２は、駆動部を有し、回転に対し、自動車の内燃機関のクランクシャフトに連結されることができる。このケーシング２は、環状の径方向の壁５を有しており、径方向の壁５は、第２外板の内面に固着されたブレードを有するインペラーホィールを形成するように作られた第２外板に結合された第１外板の一部をなしている。
【００２３】
タービンホィール１０は、ブレード１３を備えている。タービンホィール１０は、リベット１２で中央ハブ１１に接続されている。中央ハブ１１は、被駆動軸を駆動するため、内側に長手方向のリブ１４を有している。
【００２４】
中央ハブ１１は、ケーシング２の径方向の壁５とトルクコンバーター３のタービンホィール１０との間に、軸方向に設けられたロッキンッグクラッチ４の出力部を備えている。
【００２５】
ロッキンッグクラッチ４は、トーションダンパー７、軸方向に動くように取り付けられたピストン２０、及びピストン２０と関連し、ピストン２０とケーシング２の径方向の壁５との間に締めつけるのに適している、少なくとも１つの摩擦ライニング１６を備えている。
【００２６】
トーションダンパー７は、円周方向に作用するバネ３０に、互いに反対方向に動くように取り付けられた２つの同軸部を備えている。これらは、ガイドワッシャー２６，２７からなる入力部とウェブ２５からなる出力部である。
【００２７】
ウェブ２５はおおむね径方向に伸び、その内縁でハブ１１に固着されている。
この実施例によれば、この固着は、タービンホィール１０とハブ１１を固着するリベット１２により得られる。
【００２８】
ウェブ２５は、外縁に円周方向に伸びるノッチを有し、ノッチには、円周方向に作用するバネ３０、この実施例によれば、らせん状のバネが設けられており、バネ３０は、ノッチの端部３５を押圧している。
【００２９】
図１に示すように、端部３５は、バネ３０に対して正反対に伸び、バネ３０は、そこにうまく支持されており、このため、下記のガイドワッシャー２６，２７によって、それらはこの位置に案内され、保持されている。
【００３０】
ガイドワッシャー２６，２７は、２つの部分２６と２７を備えている。
第１部２６は、環状部で、その中心軸を通過する面に沿った断面は、軸方向に伸びるスカート３８によって、外部で伸びる径方向の壁３３を有する全体が逆Ｌ形である。
【００３１】
第２部２７は、径方向に伸びるリング形であり、第２部２７と第１部２６の径方向の壁３３は、その外縁付近に、ウェブ２５の各側に軸方向に設けられ、径方向の壁３３は、タービンホィール１０の側部に設けられ、第２部２７は、ピストン２０の側部に設けられ、第１部２６のスカート３８は、後者が有する軸方向のリム３１と並ぶウェブ２５の外縁をカバーしている。
【００３２】
第１部２６と第２部２７の径方向の壁３３は、それぞれ孔４３，４４を有し、これは円周方向に伸び、バネ３０を受け入れ、バネ３０は、孔４３，４４の径方向の端部３６，３７を、その外縁で押圧し、孔４３，４４は、それぞれフラップ４６，４７を備え、フラップは、第１部２６のスカート３８と共に、作動中、遠心力を受けるバネ３０を案内する。
【００３３】
その内縁で、第１部２６と第２部２７の径方向の壁３３は、ウェブ２５に設けられ、円周方向の細長い通路２９を通過するブレース２８によって結合され、この配置によって、ウェブ２５とガイドワッシャー２６，２７の相互の円周方向の隙間は、三角形状に限定することができる。
【００３４】
その外縁で、第２部２７は、図２、図３に示すように、円周方向に伸び等間隔にあるスロット３２を、第１部２６のスカート３８にある突起３９が貫通している。
【００３５】
詳しく言うと、図２〜図５に示すように、軸方向の突起３９は、隙間内のスロット３２に嵌合し、突起３９は、その端に突起３９より狭い指部４０とステップ（湾曲部）４１，４２を備え、指部４０を折り曲げて，２つの部分２６，２７を共に固着することができる。
【００３６】
第２部２７を越えて軸方向に伸びる指部４０は、摩擦ライニング１６に面している摩擦盤１５の外縁に設けられ、ノッチ４５に嵌合している。
【００３７】
摩擦盤１５は、ケーシング２の径方向の壁５とピストン２０との間に軸方向に設けられ、ノッチ４５は、ピストン２０の外縁を越して径方向に伸びる摩擦盤１５の一部に設けられている。
【００３８】
摩擦盤１５は、懸垂形で、ノッチ４５の径方向の端と協動する指部４０によって回転させられる。前記ロッキンッグクラッチ４の働きは、上記の結果である。
【００３９】
全ての場合、タービンホィール１０は、ケーシング２に含まれる液体の循環によるインペラーホィールによって駆動される。
【００４０】
自動車がスタートした後、ロッキンッグクラッチ４は、タービンとインペラーホィールとの間のスリップ現象を避けるため、被駆動部１１と駆動部２を共に固着させる。
【００４１】
これは、油圧の影響下で、ピストン２０が、自身とケーシング２の径方向の壁５との間に摩擦盤１５をクランプで締める時、そこから生じるロッキングは、ギアボックスの入力軸のように、自動車のエンジンのクランクシャフトに回転しうるように接続され、ケーシング２に固着され、ハブ１１の縦溝１４によって被駆動軸を直接駆動することができ、トーションダンパー７によって、このロッキングは衝撃なしに得られ、エンジンからの振動は取り除かれる。
【００４２】
図６〜図１１は、本発明によるロッキンッグクラッチ４のトーションダンパー７の変形例の概略を示す。この変形例によれば、ガイドワッシャー２６，２７の２つの部分の１つは、ピストン自身からなる。
【００４３】
詳しく言うと、この場合、図６〜図１０に示すように、ケーシング１０２は、内部の径方向の壁１０５に固着された摩擦ライニング１１６を有している。
【００４４】
この場合、ウェブ１２５は、１３４でタービンホィール１１０に溶接されたリングであり、そのリングは、らせん状のバネ１３０の支持のため、それに対しておおむね正反対に伸びる突起１６０を有している。
【００４５】
ピストン１２０は、ロッキンッグクラッチ１０４に属しており、径方向の壁１２４とケーシング１０２との間に、摩擦ライニング１１６を締めることができる。
【００４６】
ピストン１２０は、ロッキンッグクラッチ１０４のガイドワッシャーの第１部であり、その外縁に環状リム１２３、すなわち軸方向に向きタービンホィール１１０の方に伸びているスカートを有している。
【００４７】
ガイドワッシャーは、領域１４８，１４９，１５０の端部からなるバネ１３０のための円周方向に押圧する面を有する第２環状部１２２を有している。
第２環状部１２２の外縁にある領域１４８は、軸方向に伸び、ピストン１２０の端部、すなわちスカート１２３と平行である。
【００４８】
領域１４８は、ピストン１２０の径方向の壁１２４の方を向く凸面の湾曲した断面を有する領域１４９に沿って内方向へ伸びている。それは、ピストン１２０と接触しており、領域１４９は、断面を有するが径方向の壁１２４に向く凹面を有する領域１５０に沿って内方向に伸びている。領域１５０は、支持されているピストン１２０の径方向の壁１２４に沿って伸びている径方向部１５１に接続されており、径方向部１５１は、３６０度にわたり円周方向に伸びている。
【００４９】
バネ１３０は、バネ１３０のための案内と停止面を形成するスカート１２３と径方向の壁１２４によって形成されたかどに設けられ、停止面と向かい合う案内と停止面はまた、第２部１２２が有するフラップ１５６，１５７の形に作られている。
【００５０】
ピストン１２０には孔がなく、第２部１２２のみが、バネ１３０とブラケット１５６，１５７の支持面に境を接する孔を有している。
【００５１】
第２部１２２は、外縁に端を折り曲げて、ピストン１２０のスカート１２３に固着されている。このため、領域１４８の自由端は、２つの部分が組立ての前後にあることを示す図１１に示すように、円周上に等間隔にある１対の突起１５２を有し、各対の突起１５２は、ノッチ１５８で分離されている。ピストン１２０のスカート１２３は、ノッチ１５３，１５４を有し、そこに突起１５２は、第２部１２２の回転に対し、ピストン１２０に対しロックするため嵌合している。ノッチ１５３，１５４は、指部１５５によって分離されており、指部１５５は、第２部１２２のノッチ１５８に嵌合し、その端は、図に示すように、クリンピングにより折り曲げられる。
【００５２】
径方向内側に向く他の突起２００は、図８、図１０に示すように、ピストン１２０からきており、タービンホィール１１０と面する面と協動して、第２部１２２を軸方向に保持しており、突起２００は、指部１５５に対して軸方向と円周方向にずれている。第２部１２２は、従ってピストン１２０に対して固着されている。
【００５３】
図１２、図１３に示すように、変形例による変形の第２部１２２は、ピストン１２０のスカート１２３のノッチ２５３に嵌合する径方向の突起２５２を有している。ノッチ２５３の自由端は、クリンピングのため、２４０に示すように、軸方向にゆるい縦勾配をつけられる。
【００５４】
図１２は、組立て前後の２つの部分を示す。各場合、この実施例によれば、金属製の第２部２７，１２２は、この実施例では金属製の第１部２６，１２０に軸方向と回転方向に対し接続されている。
【００５５】
第２部２７，１２２は、簡単な形をしており、第１部２６，１２０は、外側にバネ１３０を保持している。一般に、ピストン２０、１２０、ウェブ２５、１２５、タービンホィール１０、ケーシング２、及びハブ１１も金属製である。
【００５６】
【発明の効果】
本発明によれば、前記形式の構成部品の生産がより簡単になり、組立てがより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるトーションダンパーを備える流体力学的連結装置のロッキングクラッチの部分断面図である。
【図２】図１のクラッチのガイドワッシャーを形成する２つの部分が、いかに共に固着されるかを示す部分斜視図である。
【図３】図２の切断線ＩＩＩ−ＩＩＩにおける部分断面図である。
【図４】図２の矢印ＩＶの方から見た部分平面図である。
【図５】図４の矢印Ｖの方から見た部分側面図である。
【図６】図７、図８の切断線ＶＩ−ＶＩにおける部分断面図で、本発明によるクラッチの変形例を示す。
【図７】図６の矢印ＶＩＩの方から見たタービンホィールなしの部分平面図である。
【図８】図６の矢印ＶＩＩＩの方から見たタービンホィールなしの部分斜視図である。
【図９】図７、図８の切断線ＩＸ−ＩＸにおけるタービンホィール付きの部分断面図である。
【図１０】図７、図８の切断線Ｘ−Ｘにおけるタービンホィール付きの部分断面図である。
【図１１】図６〜図１０のクラッチのガイドワッシャーを形成する２つの部分が、いかに共に固着されるかを示す部分斜視図である。
【図１２】図１１の変形例を示す。
【図１３】図１２の矢印ＸＩＩＩの方から見た部分平面図である。
【符号の説明】
１ 流体力学的連結装置
２，１０２ ケーシング
３ トルクコンバーター
４，１０４ ロッキングクラッチ
５，１０５ 径方向の壁
７ トーションダンパー
１０，１１０ タービンホィール
１１ 中央ハブ、被駆動部
１２ リベット
１４ 縦溝
１５ 摩擦盤
１６ 摩擦ライニング
２０，１２０ ピストン
２５，１２５ ウェブ、出力部
２６，２７ ガイドワッシャー
２８ ブレース
２９ 通路
３０，１３０ バネ
３２ スロット
３３ 径方向の壁
３５、３６、３７ 端部
３８ スカート
３９ 突起
４０，１５５ 指部
４３，４４ 孔
４５ ノッチ
４６，４７ フラップ
１２２ 第２環状部
１２３ 環状リム
１２４ 径方向の壁
１４８，１４９，１５０ 領域
１５１ 径方向部
１５２，２００，２５２ 突起
１５３，１５４ ノッチ
１５６，１５７ フラップ
１５８，２５３ ノッチ
Claims (3)
- 油圧式連結装置の駆動部 ( ２ ) と、この駆動部と同軸的に設けられ、この駆動部によって回動される被駆動部 (10) との間で働くロックアップクラッチ ( ４ ) 用トーションダンパであって、
周方向を向いて間欠的に配置される複数のばね (30) を収容する入力セクションと、前記ばね (30) から力を受けて入力セクションと同軸的に回動しうる出力セクションとを有し、
前記入力セクションは、互いに同軸的な第１のガイドワッシャ (26) および第２のガイドワッシャ (27) からなり、
前記出力セクション (25) は、膨らみを帯びた環状体であり、かつ前記ばね (30) の力を受ける受部 (35) を有し、
前記第１および第２のガイドワッシャ (26)(27) は、前記各ばね (30) を個別に抑え付けうるばね抑え部と、ばね (30) を収容しつつ周方向に延びる窓 (43)(44) を区画するばね支持部 (36)(37) とを有するようになっているトーションダンパにおいて、
前記第１のガイドワッシャ (26) は、中心軸を含む面に沿う断面が概ね逆Ｌ形となるよう、径方向に延びる壁体 (33) 、およびこの壁体 (33) の縁部から第２のガイドワッシャ (27) の方向に延びるスカート部 (38) を有し、
前記第１および第２のガイドワッシャ (26)(27) は、互いに嵌め合わされ、前記第１のガイドワッシャ (26) と第２のガイドワッシャ (27) との間に、ばね (30) を保持するようになっており、
前記第２のガイドワッシャ (27) の径方向外側の縁部には、前記スカート (38) の軸方向を向く突起 (39) が貫通しうる、周方向に延びるスロット (32) が設けられ、
前記突起 (39) の端部には、この突起 (39) よりも周方向の長さが短い指部 (40) が設けられ、
前記指部 (40) は、前記第１のガイドワッシャ (26) と第２のガイドワッシャ (27) とを固着するために前記スロット (32) に嵌め合わされる段差部 (41)(42) を区画し、さらに前記第２のガイドワッシャ (27) を越えて軸方向に延び、かつ前記駆動部 ( ２ ) およびピストンにそれぞれ接しうる２つの摩擦ライニング (16)(16) を軸方向の各側に備える摩擦ディスク (15) における径方向外側の縁部に設けられたノッチ (45) に嵌め合わされるようになっていることを特徴とするトーションダンパ。 - 前記第１のガイドワッシャ (26) の壁体 (33) および前記第２のガイドワッシャ (27) は、それぞれ、前記出力セクション (25) の軸方向の各側に設けられ、かつ前記第１のガイドワッシャ (26) のスカート部 (38) は、出力セクション (25) の径方向外側の縁部を覆っていることを特徴とする請求項１記載のトーションダンパ。
- 前記ばね抑え部は、前記スカート (38) 、および前記窓 (43)(44) の周縁において軸方向に張り出したフラップ (46)(47) からなることを特徴とする請求項１記載のトーションダンパ。
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