JP4380804B2 - トーションダンパー - Google Patents

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Description

本発明は、トーションダンパーに関する。
より詳細には、本発明は、特に自動車用の、流体結合装置の駆動要素と被動要素との間で作動するようになっているロックアップクラッチ用トーションダンパーに関する。
公知のように、トーションダンパーは、入力要素と出力要素とを備え、これら入出力要素は、互いに同軸状となっており、少なくとも1つの圧縮スプリングの作用に抗して、互いに回転自在となっている。
スプリングは、一般に、例えばおおむね共通する直径位置に配置された、円周方向に作用するタイプのものである。
より詳細には、このダンパーは、2つの要素、すなわち入力要素および出力要素とそれぞれ連動する2つの隣接する、径方向に配置された横方向部品を含み、各横方向部品は、スプリングを受けるハウジングを含み、スプリングの両端は、2つの入出力要素の間で作用するよう、2つのハウジングの境界を定める端部当接面と協働するようになっている。
スプリングに対して使用される装置のタイプとは無関係に、スプリングが作動し始める前に、入力要素と出力要素との間に、デッド移動距離CNの回転角方向のコースを設ける必要がある。
この目的のために、図6Aに略示してある、ある公知の構造によれば、例えばコイルタイプの圧縮スプリングとなっているスプリングの輪郭とほぼ相補的な輪郭を有するウィンド状に構成された2つのハウジングの一方は、スプリングの長さにほぼ等しい長さを有し、他方のハウジングは、スプリングの長さLRよりも長いウィンド長さLFを有し、長さの差LF−LRの半分に等しい、2方向の回転の各々で、デッド移動距離CMのコースを大きいほうのウィンド内に、スプリングがセンタリングされる静止位置を基準として利用できるようになっている。
特に、スプリングがいわゆる二次タイプのスプリングである場合、すなわち、いわゆる一次タイプのスプリングの第1の組が、入力要素と出力要素との間で既に円周方向に作用した後に、第2の時間にわたって作動するスプリングの第2の組の一部となっている場合に、特に振動を良好に吸収するには、かなりの長さのデッド移動距離のコースを設けることが重要である。
これに関連し、二次スプリングは、径方向内側に位置するように配置され、スプリングを取り付けるため、特にスプリングを受けるハウジングを構成するウィンドを形成するために利用できる空間が縮小される。
従って、例えば共通の直径位置に沿って、円周方向に直列にスプリングを配置する場合、良好な機械的強度を有しながら、デッド移動距離の最大可能な回転角方向のコースを備える最大可能な数のスプリングを設けることを可能とすることが好ましい。
これに鑑み、本発明は、ハウジングの対向する端部当接表面を分離する2つの連動する各ハウジングの長さが、静止時のスプリングの長さよりも長いことを特徴とする、上記タイプのトーションダンパーを提案するものである。
この構造によると、例えば2つの連動するハウジングの長さが等しい場合には、デッド移動距離CMのコースだけ、長さLFが短縮されているウィンドによる従来技術による解決案と同じように、同じスプリング長さLRに対し、回転の2つの方向に、デッド移動距離CMの同じコースを利用できる。
従って、デッド移動距離の同じ所望するコースに対し、より多くのスプリングを設けることができるか、または同じ数のスプリングに対し、ハウジングを構成するウィンドが形成されている構成部品を、より強固にすることができる。その理由は、2つの連続する運動の間に、より多くの材料が存在するからである。
ハウジングが形成される入口要素、および出口要素の2つの隣接する部分は、2つの径方向を向く横方向のほぼ平らな部分から成っている。
スプリングが、ある直径位置において、円周方向に配置された2次スプリングである場合、各ハウジングは、好ましくは、要素の対応する平らな部分に形成されたウィンドであり、端部当接表面は、ウィンドの対向する側方ターミナルエッジから成る。スプリングは、コイルタイプの圧縮スプリングであるのが好ましい。
これらの2つの隣接する部品は、それぞれ、入力要素および出力要素の一部とすることができ、ハウジングは、円周方向に作用するスプリングを受ける円周方向を向いている。
最後に述べたケースでは、ダンパーは、共通する直径位置にほぼ配置された、1組の円周方向に作用するスプリング含み、これら各スプリングは、本発明に係わる2つのハウジングに嵌合されている。
入力要素は、円周方向に作用するスプリングを径方向の所定位置に係止するとともに、ロックアップクラッチの被動要素に結合された、少なくとも1つのガイドリングを含み、出力要素は、ロックアップクラッチの駆動要素と共に回転するよう、この駆動要素に結合されたラジアルプレートを含んでいる。
入力要素は、2つの相補的なガイドリングを含み、各リングは、径方向を向く横方向部分を含み、これら2つの部分は、ラジアルプレート(19)の対応する径方向を向く横方向部分の両側に対称的に配置されており、ガイドリングの前記2つの部分は、向き合ったウィンドを含み、これらのウィンドは、ペア状に連動しながら、入力要素のハウジングを構成し、ハウジングは、2つのリングの間に延びるラジアルプレートの部分のハウジング内に、それ自身が嵌合された円周方向に作用するスプリングを収容する。
2つの相補的リングは、これらを共に回転するように、両者を結合させる手段を含み、2つのリングを共に回転するように結合する手段が位置する直径位置よりも内側方の直径位置に、円周方向に作用するスプリングが配置されている。
添付図面を参照し、次の詳細な説明を読めば、本発明の上記以外の特徴および利点が明らかとなろう。
図1は、本発明の特徴を備えるトーションダンパーを含む流体結合装置の主要部品の一部を切り欠いて示す、分解斜視図である。
図2は、ガイドリングの1つを一部切り欠いて示す、図1の矢印F2の方向に見た軸方向側面図である。
図3は、図2における3−3線に沿った断面図である。
図4は、2つの連動するリングのうちの一方または他方における二次スプリング用のウィンドの1つの輪郭および形状を示す拡大部分図である。
図5は、図4における5−5線に沿う断面図である。
図6Aおよび図6Bは、図6Aに示す状態と比較して、本発明の構造から得られる利点を、図6Bにおいて示す2つの図である。
例えば国際特許出願第WO94/07058号(米国特許第4,590,750号)により公知となっているある構造では、流体結合装置は、トルクコンバータおよびロックアップクラッチ1を含み、これらは、オイルが充填されている共通の、シールされたハウジング内に収容されており、1つのケーシングを構成している。
例えば金属製であるケーシングは、駆動部品を構成し、このケーシングは、駆動シャフト、例えば自動車に利用されている場合には、内燃機関(図示せず)のクランクシャフトと共に回転しうるように、このシャフトに結合されている。
ほぼ環状形状をなすケーシングは、2つのハーフシェルから構成され、これらハーフシェルは、互いに向き合うように配置されており、通常、外周部を溶接によりシール状態で固定されている。
第1シェル2、3は、駆動シャフトと共に回転するように、この駆動シャフトに結合されるようになっている。第1シェルは、基本的には環状壁2を備え、この環状壁2は、ほぼ横方向を向き、すなわち、装置のX−X軸線に直角なラジアル面にあり、外周部がほぼ軸方向を向く環状の円筒形壁3として延びている。
第2シェル(簡潔にするために、図には示されておらず、コンバータの反作用ホイールについても同様である)は、ハーフシェルの内面から突出する翼を備えるインパルスホイールを形成している。これらの翼は、タービンホイール4の翼の方を向いており、タービンホイール4は、ハブ5と共に回転するよう、このハブに結合されたハブプレート102に、リベット留め、または溶接により固定されている。ハブ5の内側には、スプラインが切られており、被動シャフト(図示せず)と共に回転するように、この被動シャフトに結合されている。被動シャフトは、例えば自動車に利用される場合には、ギアボックスの入力シャフトとすることができる。
被動シャフトは、ガイドスリーブ6にオイルが流入できるようにするための内側ダクトを構成するように中空となっており、ガイドスリーブ6は、本例では一体であり、ハブ5と横方向壁2との間に軸方向に嵌合されている。
ガイドスリーブは、センタリング装置として働く前方部分106と後方部分108とから成っている。前方部分106は、小径となっているガイドスリーブ6の部分であり、この前方部分の機能は、本例では溶接によりガイドスリーブ6を横方向壁2に締結することにある。他方、直径の大きい後方部分108は、ピストン9を軸方向にスライドしながらガイドするための機械加工された円筒形表面110によって、径方向外側の境界が定められている。
ピストン9は、この目的のために、中心の軸方向を向くスリーブ部分112を有し、このスリーブ部分は、本例では、軸方向に沿って後方、すなわちスプラインの設けられたハブ5のプレート102の方を向いている。表面110は、この表面に沿ったスリーブ部分112のスライド機構をシールするための環状シールリング(参照符号なし)を受ける溝を含んでいる。ハブ5は、スリーブ6の内部に進入する前方部分を有する。
公知の構造によれば、ピストン9は、ガイドスリーブ6とによって横方向壁2を構成し、ディスクの横方向の両面に、例えば接着により固定された摩擦ライナー11を支持する環状ディスク10は、容積可変型チャンバ30を構成し、注油のための孔(符号なし)を有するガイドスリーブ6を通して、このチャンバに注油が行われる。
ピストン9の外周部には、ディスク10が嵌合されている。ピストン9を、径方向に越えた外周部において、ディスク10は、ノッチ202が形成された径方向を向く部分200を備えるラグを有し、外部ガイドリング12の外側部分に形成された軸方向を向く駆動ラグ14が、各ノッチ202内に突入している。
ディスク10は、リング12によって支持されている。従って、ラグ14とノッチ202から成るほぞとほぞ孔タイプの結合装置13によって、軸方向に移動でき、かつガイドリング12と共に回転しうるように、このガイドリングに結合されている。
ラグ14は、軸方向を向いており、スタンプ加工および曲げ加工によって形成され、外部ガイドリング12のほぼ横方向を向く部分206から突出している。ガイドリング12は、本例では金属製リングとなっている。
このラグ14は、横方向壁2の内側面124に向かって軸方向に延びている。横方向部分206は、その外周部において、環状の円筒形スカート状をした軸方向を向く環状部分15として延びている。この環状部分15は、コイルスプリング16を、その外側の径方向の所定位置に保持するように働き、コイルスプリング16の内側は、内側ガイドリング18の環状係止部分17によって、径方向にも保持されている。
内側ガイドリング18は、平らな環状体をした内側横方向部分208を有し、この横方向部分208は、スプリング16を係止するよう、ほぼ切頭円錐形をした環状部分17に接合されると共に、それ自身は平らな環状体となっている横方向の第2部分201によって外側に延びている。この第2部分201は、第1横方向部分208と平行であり、この第1横方向部分208に対し、タービンホイール4の方に軸方向にずれている。
リング18の横方向第2部分210は、外周部にノッチ212を有し、これらノッチ212は、図2および図5に詳細に示した実施例では、スロットから成り、このスロットに、軸方向を向くショルダー付きほぞ211が突入している。このほぞは、ピストン9に隣接する外側ガイドリング12の環状部分15の自由端に形成されている。
公知のように、シーム加工において、タービンホイール4の方を向いている内側ガイドリング18の横方向第2部分201の面に接触するほぞ211の端部218を据え込むことにより、2つのガイドリングの間で、すなわち外側ガイドリング12と内側ガイドリング18との間で、ほぞとほぞ孔タイプのシーム加工された接続部が形成される。
ほぞ211は、環状部分15の自由ターミナルエッジに形成されている。これらは、駆動ラグ14と反対方向に軸方向に延びており、駆動ラグ14は、前記環状部分15に対して内側にオフセットされている。環状部分15は、性能を改善するために、スプリング16を更に内側に位置させるよう、ハーフシェルの壁3のできるだけ近くに配置されている。
ほぞ211は、シーム加工中に、第2部分201の面に接触する材料の流れを、公知の方法で容易にするための中心リセスを有する。従って、内側ガイドリング12は、頑丈なリングとなっている。
ディスク10のラグは摩擦ライナー11を支持するディスク10の主要部分に対して、タービンホイール4の側に軸方向にずれており、ラグ14の長さを短くし、軸方向の寸法を縮小し、干渉を防止するようになっていることが理解できよう。
ガイドリング12と18とは、短いボス部材24によって内周部が共に固定されている。
ラジアルプレート19の両側には、軸方向にリング12および18が配置されている。ラジアルプレート19には、円周方向の開口部25が設けられ、この開口部25を、ボス部材24が円周方向の間隙をもって貫通している。
この目的のために、外側ガイドリング12は、横方向を向く環状部分222を有し、この環状部分222は、ラジアルプレート19の方を向いた状態で、ラジアルプレート19の横方向表面224に隣接するが、径方向を向く内側ガイドリング18の横方向第1部分208は、タービン4に隣接するディスク18の表面226に隣接している。
ラジアルプレート19は、外周部にラジアルラグ20を有し、このラジアルラグ20は、円周方向に作用するスプリング16の円周方向端部に対する係合部分を構成している。
ラグ20(図1)は、コイルタイプのスプリング16を保持するための円周方向のフィンガーを支持しており、これらフィンガーは、2つのラグ20の間に延びるスプリング16の内側に突入している。
内側ガイドリング12および外側ガイドリング18には、スプリング16の円周方向の端部と係合するための、互いに対向するプレス加工された部品230および232が、それぞれ設けられている。ラグ20は、リング12、18を補強するプレス加工された部品の間に進入することが可能となっている。
従って、一次リングと称される円周方向に作用するコイルスプリング16の第1の組により、ディスク10は、振動を良好に吸収するよう、ラジアルプレート19に弾性的に結合されている。
ラジアルプレート19は、固定のために、外周部にラグ(図示せず)を有するタービンホイール4と同時に、スプライン付きハブ5のハブプレート102にリベット締め、または変形例では、溶接により固定されている。ラジアルプレート19は、平らな環状体80となっている内側ラジアル部分により固定されている。平らな環状体80は、ラグ20とほぼ同一平面にあり、平らな環状体80となっている外側ラジアル部分に対し、ラジアルホイール4側に軸方向にずれ、平らな環状体82をボス部材24が貫通している。
流体結合装置の部品は、シールおよび摩擦ライナー11を除けば、金属製であり、一般にスプリング16を除けば、スチール製のプレス加工品となっている。
従って、ロックアップクラッチ1は、トーションダンパー23を含み、このトーションダンパーは、第1シェル2、3の外周部において、主にタービンホイール4と壁2との間に軸方向に嵌合されている。入力部品は、ピストンの径方向内側に位置するリング12と摩擦ライナー11とから成り、ダンパーは、ハーフシェル状をしたガイドリングと、コイルスプリング16と、ラジアルプレート19から成る出力部品を含んでいる。
出力部品19は、タービンホイール4、より正確には、タービンホイールのスプライン付きハブ5と共に回転するように、このハブに結合されているが、一方の入力部品12は、ピストン9に対して径方向に突出するディスク10と共に回転するよう、このディスク10に結合されている。従って、入力部品12は、ディスク10およびライナー11を介して、駆動シャフトに係脱自在に結合されている。
摩擦ライナー11を備えるディスク10は、ピストン9およびカウンタピストンを構成する横方向壁2の内側表面124の対向する部分に、軸方向に、かつ係脱自在にグリップされるようになっている。このようにディスク10は、スプライン付きハブおよびタービンホイール4に弾性的に結合されている。
ピストン9は、円周方向に一定の間隔に隔置された接線方向を向く弾性タング40によって、第1シェルの横方向壁2と共に回転するよう、この壁に結合されており、この弾性タング40によって、ピストン9は軸方向に移動できるようになっている。
フランス国特許公開第2726620号公報に記載されているように、ピストン9にタングを取り付ける作業が、ピストン9の片側だけで済むように、2部品締結手段が使用されている。このフランス国特許出願を参考とすることができる。
リング12から成る入力部品とプレート19から成る出力部品の間の相対的回転運動が生じると、円周方向に作用するスプリング16は圧縮され、このような相対的変位を行うことができる。
スリーブおよび被動シャフトを通して供給されるチャンバー30内の圧力を変化させることにより、自動車が始動した後に、タービンホイールとインパルスホイールとの間のスライド運動を防止するように、ライナー11をグリップできることを思い出して欲しい。
公知の構造では、トーションダンパー23は、円周方向に作用するスプリング300の第2の組、すなわちいわゆる二次スプリングを含んでいる。
スプリング300(本例では8個設けられている)は、コイルタイプの圧縮スプリングであり、これらのスプリングのいずれも、同じ直径位置に円周方向に配置されている。この直径は、ボス部材24が嵌合されている直径よりも小さく、二次スプリング300は、一次スプリング16よりもほぼ径方向内側に位置する。
このようにするために、ウィンド状をしたハウジング302内に、各スプリング300が嵌合されている。ウィンドは、ラジアルプレート19のうちの平らな環状体をした中心部分304内に形成されており、ラグ20の平面およびラジアルプレート19の内側ラジアル部分に対して、横方向壁2の内側面124に向かって軸方向にずれた平面内にある。
各ウィンド302の円周方向の長さは、径方向を向く側方ターミナル両エッジ304によって決められている。
特に図2から判るように、ウィンド302の円周方向の長さは、対応するスプリング300の円周方向の長さよりも、おおむね長くなっている。
ラジアルプレート19の両側において、ウィンド302の外に軸方向に延びる各スプリング300を受けるために、連動する外側ガイドリング12および内側ガイドリング18は、連動するウィンド306と308のペアを含んでいる。このために、外側ガイドリング12および内側ガイドリング18の各々は、径方向を向く平らな環状体310、312状をした横方向内側部分を、それぞれ有する。
これら平らな部分310および312は、ウィンドを含むラジアルプレート19の部分303と対向する関係にあるラジアルプレートに、平行をなし、かつ隣接している。例えば外側リング12の場合、図4および図5から判るように、ウィンド306は、部分310をスタンプ抜き加工し、プレス形成することによって形成され、これらウィンドが受けるコイルスプリング300の外側の円筒形状と一致するよう、湾曲した長手方向エッジ314で構成されている。
このように、ウィンド306および308は、スプリング300を適当に係止できる頑丈な輪郭を有する。
各ウィンド306、308の円周方向の長さは、ウィンドのそれぞれの側方の両ターミナルエッジ316、318によって決定されている。
リング12と18とは、ボス部材24を通して互いに連動し、各ボス部材は、ラジアルプレート19内の長円通路25を貫通するので、連動するウィンド306と308とは互いに対向している。ウィンド306と308は、互いに等しい円周方向の長さLFを有し、更に図面に示した本発明の実施例では、ラジアルプレート19の対応するウィンド302の円周方向の長さと等しい長さを有する。
次に、図6Aおよび図6Bを参照し、本発明に係わる構造によって得られる利点について説明する。
図6Aに略示された従来技術の構造では、ラジアルプレート19のウィンド302の円周方向の長さは、静止しているスプリング300の長さLRとほぼ等しいが、リング12のウィンド306およびリング18のウィンド308は、長さLRよりもおおむね長いウィンド長さLFを有するので、図6Aに示される静止位置でスタートする際に、双方向へのデッド移動距離CMのコースが得られ、リング12および18から成る入力要素は、ラジアルプレート19から成る出力要素に対し、円周方向のデッド移動距離CMに対応する移動距離の回転角方向のコースだけ、一方向または多方向に回転角方向に変位できる。このような変位は、二次スプリングが作動し始める前に生じる。
図6Bに略示された本発明に係わる構造により、ラジアルプレート19内のウィンド302、およびリング12および18内のウィンド306および308の長さは、互いにほぼ等しく、スプリング300の長さLRよりも長い共通する長さLFを有する。
従来技術と比較して、デッド移動距離CMだけ長さLFを短縮するように、ウィンド306、308を製造することにより、図6Aの従来技術の変形例の距離に等しい、各方向への円周方向のデッド移動距離CMが得られることが判る。よって、双方向への共通するデッド移動距離CMを得るには、ウィンドの長さを、LR+CMに等しくなるように、ウィンド302、306、308を製造すれば十分である。
一方、従来技術による解決案では、長さLFを、LR+2CMに等しくなるように、ウィンド306、308を製造する必要があった。
ウィンド306、308の全体の輪郭は、湾曲していることが理解されると思う。
別の変形例として、トーションダンパーを摩擦クラッチから構成し、自動車に使用した場合、ギアボックスの入力シャフトと共に回転するように、この入力シャフトに結合できるよう、内側にスプラインが設けられたハブに、ラジアルプレート19が固定される。
次に、両面の各々に固定された摩擦ライナーを支持する支持ディスクを、リベット締めによりガイドリング12に固定する。このガイドリングは、駆動ラグを有していない。
クラッチの圧力プレートと反作用プレートとの間に、ライナーがグリップされるようになっており、これらのプレートは、本ケースでは、自動車のエンジンのクランクシャフトと共に回転できる。より細部については、例えば欧州特許公開第0286213号(米国特許第5,004,088号)公報を参照されたい。

Claims (10)

  1. 互いに同軸状であり、少なくとも1つの圧縮スプリング(300)の作用に抗して、互いに回転自在である外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)およびラジアルプレート(19)を含むトーションダンパー(23)であって、
    外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)の各々は、径方向を向く環状体部分(310〜312、303)を、それぞれ、具備していて、環状体部分(310〜312、303)は、それぞれ、スプリング(300)を収容するハウジング(306〜308、302)を備えていて、
    スプリングの両端が、当接している2つのハウジングの径方向端面(316〜318、304)と協働して、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)およびラジアルプレート(19)の間で作用する構造のトーションダンパー(23)において、
    2つの当接するハウジング(306〜308、302)の各々の周方向長さ(LF)が、静止時のスプリング(300)の長さ(LR)よりも長いことを特徴とするトーションダンパー。
  2. 当接する2つのハウジング(306〜308、302)の周方向長さ(LR)が等しいことを特徴とする請求項1記載のトーションダンパー。
  3. 各ハウジング(306〜308、302)が、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)の平らな部分に形成された窓で、前記当接している2つのハウジングの径方向端面(316〜318、304)が、前記窓の対向する径方向短辺であることを特徴とする請求項1記載のトーションダンパー。
  4. スプリング(300)が、コイルタイプの圧縮スプリングであることを特徴とする、請求項1記載のトーションダンパー。
  5. 前記2つの隣接する径方向に向いた環状体部分(310〜312、303)が、それぞれ、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)およびラジアルプレート(19)の一部であり、ハウジングが、円周方向に作用するスプリングを受ける円周方向を向く窓であることを特徴とする請求項1記載のトーションダンパー。
  6. 共通する直径上に配置された1組の円周方向に作用するスプリング(300)を含み、これら各スプリングが、2つのハウジング(302、306〜308)に嵌合されていることを特徴とする請求項5記載のトーションダンパー。
  7. 外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)が、円周方向に作用するスプリング(300)を、径方向の所定位置に係止するとともに、ロックアップクラッチの被動要素に結合されていて、ラジアルプレート(19)が、ロックアップクラッチの駆動要素と共に回転することを特徴とする請求項6記載のトーションダンパー。
  8. 外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)が、径方向に向いた2つの環状体部分(310、312)を含むこと、
    これら径方向に向いた2つの環状体部分(310、312)が、ラジアルプレート(19)の径方向環状体部分(303)の両側に対称的に配置されていること、
    外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)の前記径方向に向いた2つの環状体部分(310、312)が、向き合った窓(306)(308)を含み、これらの窓が組み合わさって、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)を収容するハウジングを構成していること、
    ハウジングが、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)の間に延びるラジアルプレート(19)の径方向環状体部分(303)のハウジング(302)内に円周方向に作用するスプリング(300)を収容していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトーションダンパー。
  9. 外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)が、これらを一緒に回転可能に結合する手段(24)を含み、外側ガイドリング(12)および内側ガイドリング(18)を共に回転するように結合する手段(24)が位置する直径位置よりも内側の直径上に、円周方向に作用するスプリング(300)が配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいづれかに記載のトーションダンパー。
  10. 流体結合装置の駆動要素と被動要素との間で、トーションダンパーが作用するようになっていることを特徴とする請求項6記載のトーションダンパー。
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