JP4204035B2 - 外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の屋外開口に設置する、下枠の上面全体を略フラットに形成した屋外開口用下枠フラットサッシにおける防虫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の屋外開口部に設置されるサッシの下枠には、当該サッシを構成する障子を左右にスライドさせるために、障子の下框に設けられた戸車を回動させるリブ状のレール部が形成されている。
【0003】
通常、このリブ状のレール部並びに内障子及び外障子の当該レール部によって区画されたレール溝は、サッシの雨仕舞の観点より、室外側よりも室内側が高くなるように段差を設けて形成されている。すなわち、障子や窓ガラスに吹き付けられた雨水は、障子や窓ガラスに沿って落下し、下枠のレール溝に溜まるが、このレール溝が室外側よりも室内側が高くなるように段差を設けて形成されているため、レール溝に溜まった雨水の自重により室内側への雨水の侵入を防ぎ、またレール溝に溜まった雨水は屋外へ排出されるようになっている。
【0004】
一方、近年では、バリアフリー若しくはユニバーサルデザインの観点から、リブ状のレール部を室内側と室外側で段差を設けることなく略フラットに配設した下枠フラットサッシや、さらにレール部をリブ状でなくレ−ル部の上面を略フラットにした下枠フラットサッシも開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
とりわけ、このレール部の上面を略フラットにした下枠フラットサッシでは、一定以上の水密性、気密性を確保することが課題となっており、特許文献1では、室内への雨水の侵入を防ぐために、障子と下枠との間を横タイト材を介して気密にする等気圧構造を採用している。具体的には、障子下框の室内側に垂下片(スライド片)が形成され、この垂下片と下枠のレール溝の室内側側壁に設けられた横タイト材とで水密性と気密性を確保している。
【0006】
また、この種の下枠フラットサッシにおいて、防虫装置に関しては特許文献2に開示がある。
【0007】
【特許文献1】
特許第333058号(6頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−242562号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2における下枠フラットサッシにおける防虫構造は、下枠屋外側に下枠凹部を設けて網戸下框室外側側壁に設けた垂下片を呑み込ませて虫押えラインを形成したものである。さらに、網戸縦框の底部と下枠フラット面の間にタイトピースを介在させて虫押えラインを形成した、また、網戸縦框の室内側側壁と障子戸当框又は召合框の室外側側壁間に縦タイト材を介在させて虫押えラインを形成したものである。
【0009】
この特許文献2の形態では、網戸縦框の底部と下枠フラット面の間にタイトピースを介在させて虫押えラインを形成することが必須となる。
【0010】
しかるに、タイトピースが下枠フラット面に可能な限り接近していることが虫押えのために必要であるが、過度に接近していると、網戸をスライドするときに下枠フラット面に接触し、円滑な走行性を阻害することが懸念される。
【0011】
そこで、本発明の主たる課題は、枠と障子の水密性や気密性を高める観点を基礎におきながら、網戸の良好な走行性を確保しつつ、優れた防虫性能を発揮する構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
下枠のレール部に沿って左右にスライドする障子と、その外側に設けられた左右にスライドする網戸とを有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した外部開口用下枠フラットサッシであって:
前記下枠の上方に、上面が略フラットな前記レール部と、このレール部の室内側と室外側とにそれぞれ前記レール部と略同じ高さの室内側立ち上がり片及び室外側立ち上がり片とを並設し、
前記障子にはその下框の室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
前記室内側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、並びに前記室外側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を、それぞれ形成し、
前記室外側立ち上がり片を網戸走行用のレール部に利用し、
前記網戸下框に長手方向に沿う前記室外側ガイド溝内に嵌り込む呑込み片を一体に形成し、
この呑込み片が前記障子の室外側垂下片と共に、相互の離間距離が10mm未満の近接状態で前記室外側ガイド溝内に呑込まれ、
前記室外側ガイド溝内には、前記網戸の中央側縦框及び前記障子の召し合わせ框の部位に、防虫用仕切り材を設け、
前記呑込み片の下端及び前記障子の室外側垂下片の下端が、前記防虫用仕切り材に近接または摺接する
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
【0013】
(作用効果)
本発明では、障子の下框の室内側だけでなく、室外側にも垂下片が形成されているので、この室外側垂下片によって、室外側の障子面や窓ガラスに沿って落下した雨水の室内への侵入が拒まれる。すなわち、当該室外側垂下片は実質的な水切りとして機能する。したがって、この室外側垂下片で水切りを行い、かつ室内側垂下片と横タイト材とで水密性や気密性を確実に確保することができる。具体的には、室外側垂下片で水切りが行われることにより、雨水の大半は室外側ガイド溝に流れ落ち下枠中空部を介して外部に排出されるので、横タイト材によるタイトラインよりも上に位置するレール部の上面に雨水が浸入しにくく、仮にレール部の上面に雨水が浸入した場合でも、室内側垂下片と横タイト材により室内へ漏水をすることなく、雨水は室内側ガイド溝に落ち、下枠中空部を介して外部に排出される。つまり、水切りラインとタイトラインを別々に設ける二重構造により、タイトラインの負担を軽減させ、水密性や気密性を高めている。
また、室外側垂下片を設けレール部の上面への雨水の侵入を少なくしたことにより、引き違いサッシの内障子や、片引きサッシ又は引き分けサッシの嵌め殺し障子の、召し合わせ框の室外側下部や当該框の底部における水密性や気密性の確保がしやすくなっている。すなわち、レール部の上面に位置する、召し合わせ框の底部の水密性や気密性は高くなっており、また、室外側垂下片を設けたことにより、召し合わせ框の室外側下部の雨仕舞を、その構造を複雑にせずに確実に行うことができる。
さらに、室外側垂下片を設けたことにより、レール部の上面に埃や塵が溜まりにくく、メンテナンス性にも優れており、また、外部からバール等を差し込まれるような隙間がないため,防犯性にも優れている。
他方で、本発明では、室外側立ち上がり片とレール部側面とで障子の室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成するが、前記室外側立ち上がり片を網戸走行用のレール部に利用する。そして、網戸下框に前記室外側ガイド溝内に嵌り込む長手方向に沿う呑込み片を形成し、この呑込み片を障子の室外側垂下片と共に前記室外側ガイド溝内に近接状態で呑込ませる形態を採っている。
その結果、虫は網戸下框の呑込み片と障子の室外側垂下片との近接した隙間から室内に侵入し難くなる。しかも、この形態では、サッシ下部において、室外側ガイド溝が長手方向に連続した防虫ラインとなるので、基本的には室内側への防虫ラインを考慮する必要がなく、単純な形態の防虫性能に優れる防虫ラインを構成できる。
さらに、室外側ガイド溝内に虫が侵入したとしても、障子の室外側垂下片とレール部との隙間を虫が乗り越えることが必要となり、もって虫が侵入し難いものとなる。
また、室外側ガイド溝内の網戸の中央側縦框及び障子の召し合わせ框の部位に、防虫用仕切り材を設け、呑込み片の下端及び障子の室外側垂下片の下端が、防虫用仕切り材に近接または摺接することにより、室外側ガイド溝内に入り込み室内へと長手方向に侵入する虫についても阻止できる。
【0016】
<請求項2項記載の発明>
下枠のレール部に沿って左右にスライドする内外障子と、その外側に設けられた左右にスライドする網戸とを有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した外部開口用下枠フラットサッシであって:
前記下枠中空部の上方に、室内側から室外側にかけて順に、前記中空部上方に、第1の立ち上がり片、内障子用のレール部、第2の立ち上がり片、外障子用のレール部及び第3の立ち上がり片を形成し、かつ前記第1〜第3の立ち上がり片は前記レール部と略同じ高さに形成し、
前記内障子及び外障子は、それぞれの下框に室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
前記内障子用のレール部室内側側面と前記第1の立ち上がり片とで内障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記内障子用のレール部室外側側面と前記第2の立ち上がり片とで内障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、また、前記外障子用のレール部室内側側面と前記第2の立ち上がり片とで外障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記外障子用のレール部室外側側面と前記第3の立ち上がり片とで外障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、
前記第3の立ち上がり片を網戸走行用のレール部に利用し、
前記網戸下框に長手方向に沿う前記室外側ガイド溝内に嵌り込む呑込み片を一体に形成し、
この呑込み片が前記障子の室外側垂下片と共に、相互の離間距離が10mm未満の近接状態で前記室外側ガイド溝内に呑込まれている、
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
【0017】
(作用効果)
内外障子からなる引き違いサッシにおける内外障子の下框の室内側だけでなく、室外側にも垂下片が形成されているので、この室外側垂下片によって、室外側の障子面や窓ガラスに沿って落下した雨水の室内への侵入が拒まれる。すなわち、当該内障子及び外障子の室外側垂下片は実質的な水切りとして機能する。したがって、これら室外側垂下片で水切りを行い、かつ室内側垂下片と横タイト材とで水密性や気密性を確実に確保することができる。具体的には、内障子及び外障子の室外側垂下片で水切りが行われることにより、雨水の大半はそれぞれの室外側ガイド溝に流れ落ち下枠中空部を介して外部に排出されるので、横タイト材によるタイトラインよりも上に位置するレール部の上面に雨水が浸入しにくく、仮にレール部の上面に雨水が浸入した場合でも、内障子及び外障子の室内側垂下片と横タイト材により室内へ漏水をすることなく、雨水はそれぞれの室内側ガイド溝に落ち、下枠中空部を介して外部に排出される。つまり、水切りラインとタイトラインを別々に設ける二重構造により、タイトラインの負担を軽減させ、水密性や気密性を高めている。
また、内障子及び外障子の室外側垂下片を設けレール部の上面への雨水の侵入を少なくしたことにより、引き違いサッシの内障子の召し合わせ框の室外側下部や当該框の底部における水密性や気密性の確保がしやすくなっている。すなわち、内障子用のレール部の上面に位置する、召し合わせ框の底部の水密性や気密性は高くなっており、また、内障子の下框に室外側垂下片を設けたことにより、召し合わせ框の室外側下部の雨仕舞を、その構造を複雑にせずに確実に行うことができる。
さらに、内障子及び外障子の下框に室外側垂下片を設けたことにより、レール部の上面に埃や塵が溜まりにくく、メンテナンス性にも優れており、また、外部からバール等を差し込まれるような隙間がないため,防犯性にも優れている。
【0018】
防虫に関しては、請求項1の作用効果の欄で説明したと同様の作用効果を奏するものである。
【0019】
<請求項3項記載の発明>
外障子の室外側ガイド溝内における、網戸の中央側縦框及び外障子の召し合わせ框の部位に、第1の防虫用仕切り材を設けた請求項2記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
【0020】
(作用効果)
第1の防虫用仕切り材を設けたことによって、請求項2作用効果の欄で説明したと同様の作用効果を奏するものである。
【0021】
<請求項4項記載の発明>
外障子の室内側ガイド溝内における、外障子の召し合わせ框と内障子の召し合わせ框との召し合わせ部位に、第2の防虫用仕切り材を設けた請求項2または3記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
【0022】
(作用効果)
仮に、虫が室外側ガイド溝内に入り込み、室内へと長手方向に侵入する虫については、第2の防虫用仕切り材にて阻止できる。
【0023】
<請求項5項記載の発明>
網戸の中央側縦框及び外方縦框の室内面側に、それぞれ対向する障子の縦框及び枠体の縦枠に当接するタイト材を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
【0024】
(作用効果)
縦方向の防虫ラインを形成できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明するに先立って、理解を深めるために、実施の形態に含まれる実施態様を予め説明しておく。
『実施態様の説明』
前述の特許文献1のように、障子下框の室内側の垂下片と横タイト材のみによる水密性と気密性の確保には、以下のような問題点がある。
【0026】
第1に、垂下片(スライド片)が室内側にのみ形成されているので、図21(a)の点線で囲った範囲に示すように、内障子1及び外障子2や窓ガラス3に吹き付けられた雨水は、障子下框1a、2aの下部の室外側から侵入し、障子下框垂下片1c、2cと横タイト材76によるタイトラインよりも上に位置する下枠レール部の上面4,5に溜まりやすいので、当該横タイト材76の負担が大きく、水密性に不利である。
【0027】
第2に、下枠レール部上面4、5まで雨水が侵入し、かつ溜まるので、引き違いサッシの内障子1等の召し合わせ框の室外側下部や当該框の底部における水密性や気密性の確保が難しくなっている。
【0028】
第3に、図22(a)の点線で囲った範囲に示すように、下枠レール部上面4,5には埃や塵も溜まりやすく、また、これらが溜まった下枠レール部上面4,5を障子の戸車6が移動することにより、人目につきやすいレール部上面4,5に細かな傷がつき、美感等の観点から、頻繁に補修や交換等のメンテナンスを行う必要が生じる。
【0029】
第4に、内障子及び外障子の室外側に垂下片が形成されていないので、図23(a)に示すように、室外側から内障子及び外障子下框1a,2aの底部と下枠レール部の上面4,5との隙間に、バール7等が差し込まれて、障子が持ち上げられることによって内障子及び外障子1,2が外され、屋外からの侵入を容易にさせるという防犯上の危険性を伴っている。
【0030】
上記課題を解決するための実施の態様は、次のとおりである。
<実施の態様1>
実施の態様1は、下枠のレール部に沿って、障子下框に設けられた戸車を介して左右にスライドする障子を有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した、外部開口用下枠フラットサッシであって、
前記下枠内に外部と連通する排水口を有する中空部を形成し、
前記障子はその下框の室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
前記中空部上方に、上面が略フラットな前記レール部と、このレール部の室内側と室外側とにそれぞれ前記レール部と略同じ高さの室内側立ち上がり片及び室外側立ち上がり片とを並設し、
前記室内側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、並びに前記室外側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を、それぞれ形成し、
前記室内側垂下片と前記室内側立ち上がり片との間に横タイト材を摺接するように介在させ、
前記室外側ガイド溝に水抜き孔を設けて、前記下枠中空部を介して外部と連通させる
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシである。
【0031】
(作用効果)
この実施の態様1における作用効果に関しては、請求項1の作用効果の欄において記述した。
【0032】
<実施の態様2>
実施の態様2は、下枠のレール部に沿って、障子下框に設けられた戸車を介して左右にスライドする障子を有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した、内外障子からなる引き違いサッシにおける外部開口用下枠フラットサッシであって、
前記下枠内に外部と連通する排水口を有する中空部を形成し、
前記内障子及び外障子は、それぞれの下框に室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
サッシ下枠を室内側から室外側を見て、前記中空部上方に、第1の立ち上がり片、内障子用のレール部、第2の立ち上がり片、外障子用のレール部及び第3の立ち上がり片を形成し、かつ前記第1〜第3の立ち上がり片は前記レール部と略同じ高さであり、
前記内障子用のレール部室内側側面と前記第1の立ち上がり片とで内障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記内障子用のレール部室外側側面と前記第2の立ち上がり片とで内障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、
また、前記外障子用のレール部室内側側面と前記第2の立ち上がり片とで外障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記外障子用のレール部室外側側面と前記第3の立ち上がり片とで外障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、
前記内障子の室内側垂下片と前記第1の立ち上がり片との間、及び前記外障子の室内側垂下片と前記第2の立ち上がり片との間とに横タイト材を摺接するように介在させ、
前記内障子及び前記外障子用の室外側ガイド溝と、前記外障子用の室内側ガイド溝とに水抜き孔を設けて、前記下枠中空部を介して外部と連通させる
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシである。
【0033】
(作用効果)
この実施の態様2における作用効果に関しては、請求項2の作用効果の欄において記述した。
【0034】
<実施の態様3>
実施の態様3は、内外障子からなる引き違いサッシにおける内障子の召し合わせ框の室外面に、当該室外面と外障子の召し合わせ框の室内面との間を気密にする縦タイト材を形成し、
内障子の召し合わせ框の室外面下部及び当該框底部にブロック体を設け、当該框室外面下部と外障子の召し合わせ框の室内面下部との間を気密にするとともに、当該内障子の召し合わせ框底部と内障子用のレール部上面との間を気密にし、
また、前記引き違いサッシを閉じた状態で前記内障子の召し合わせ框の底部に位置する、レール部の室内側及び室外側のガイド溝にタイト材を埋設し、
さらに、前記引き違いサッシを閉じた状態で前記縦タイト材、前記ブロック体及び前記埋設されたタイト材により形成されたタイトラインよりも外部かつ近接した位置の下枠に、水抜き孔を設けた実施の態様1又は2記載の外部開口用下枠フラットサッシである。
【0035】
(作用効果)
内外障子からなる引き違いサッシにおける内障子の召し合わせ框室外面と外障子の召し合わせ框の室内面との間を縦タイト材により気密状態にすることによって、内障子の召し合わせ框及び外障子の召し合わせ框に吹き付けられた雨水は、室内への侵入が拒まれ、それぞれの召し合わせ框に沿って落下する。
次に、それぞれの召し合わせ框に沿って落下した雨水や召し合わせ框下部に吹き付けられた雨水に対しては、内障子の召し合わせ框室外面下部と外障子の召し合わせ框の室内面下部との間の隙間部分を気密にするブロック体により、室内への漏水を防止することができる。加えて、このブロック体により、内障子の召し合わせ框底部と内障子用のレール部上面との間が気密状態にされるので、下枠レール部の上面からの雨水の侵入を防止することができる。
また、前記引き違いサッシを閉じた状態で前記内障子の召し合わせ框の底部に位置するレール部の室内側及び室外側のガイド溝にタイト材を埋設することにより、ガイド溝から室内への雨水の流れ込みを防止することができる。
さらに、前記縦タイト材、前記ブロック体及び前記埋設されたタイト材により形成されたタイトラインで気密と水密を確実にするだけではなく、このタイトラインよりも外部かつ近接した位置の下枠に設けた水抜き孔により、下枠中空部を介して雨水の外部への排出を促進することで、室内への漏水防止効果を高めている。
【0036】
<実施の態様4>
実施の態様4は、片引きサッシ又は引き分けサッシにおける嵌め殺し部の縦枠の室外面に、当該室外面と外障子の召し合わせ框の室内面との間を気密にする縦タイト材を形成し、
前記嵌め殺し障子部の縦枠の室外面下部に、当該室外面下部と外障子の召し合わせ框の室内面下部との間を気密にするブロック体を設け、
また、前記片引きサッシ又は引き分けサッシにおける外障子を閉じた状態で、前記縦タイト材及び前記ブロック体により形成されたタイトラインよりも外部かつ近接した位置の下枠に、水抜き孔を設けた実施の態様1記載の外部開口用下枠フラットサッシである。
【0037】
(作用効果)
片引きサッシ又は引き分けサッシにおける嵌め殺し部の縦枠の室外面と外障子の召し合わせ框の室内面との間を縦タイト材により気密状態にすることによって、嵌め殺し部の縦枠及び外障子の召し合わせ框に吹き付けられた雨水は、室内への侵入が拒まれ、それぞれの召し合わせ框に沿って落下する。
【0038】
次に、それぞれの召し合わせ框に沿って落下した雨水や召し合わせ框下部に吹き付けられた雨水に対しては、嵌め殺し部の縦枠室外面下部と外障子の召し合わせ框の室内面下部との間の隙間部分を気密にするブロック体により、室内への漏水を防止することができる。
【0039】
また、前記縦タイト材及び前記ブロック体により形成されたタイトラインで気密と水密を確実にするだけではなく、このタイトラインよりも外部かつ近接した位置の下枠に設けた水抜き孔により、下枠中空部を介して雨水の外部への排出を促進することで、室内への漏水防止効果を高めている。
【0040】
<実施の態様5>
実施の態様5は、前記レール部は、一対の立ち上がり片で室内側及び室外側側面を形成し、かつ着脱自在なレール部の上面構成部材を前記レール部の室内側及び室外側側面と嵌合することで形成される、実施の態様1乃至4のいずれかの1項に記載の外部開口用下枠フラットサッシである。
【0041】
(作用効果)
レール部の上面を略フラットにした下枠フラットサッシでは、室内への雨水の侵入を防ぐために、一定以上の水密性、気密性を確保するとともに、防水効果を高めるために、下枠に水抜き孔を設けてタイトラインの外側で排水を促進させる必要がある。
しかし、水抜き孔にゴミ等が詰まり、外部に通じている中空部に排水不可能となってしまっては、タイトラインを超えて室内に雨水が侵入する虞が生じる。
【0042】
そこで、レール部の上面を取外し可能な構造としてレール部の下部のメンテナンスを可能とし、このレール部の下部を清掃することにより、水抜き孔の詰まりを防止し、もって防水効果を確実なものとし、併せてゴミ等の蓄積による不衛生状態を防止することができる。
【0043】
<実施の態様6>
引き違いサッシを閉じた状態で内障子の召し合わせ框の底部に位置する、レール部の前記上面構成部材並びに前記レール部の室内側及び室外側側面で囲まれる範囲に、タイト材が埋設されている実施の態様5記載の外部開口用下枠フラットサッシである。
【0044】
(作用効果)
引き違いサッシを閉じた状態で内障子の召し合わせ框の底部に位置する、レール部の前記上面構成部材並びに前記レール部の室内側及び室外側側面で囲まれる範囲に、タイト材が埋設されることにより、レール部下部に流れ込んだ雨水の室内への侵入が拒まれるため、防水効果を高めることができる。
【0045】
『具体的な実施の形態』
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本発明に係るサッシの一実施例である縦及び横断面図を、引き違いサッシについて図1〜4に、片引きサッシについて図6及び7に示す。図1〜4及び6,7に示すように、当該サッシは、下枠10、上枠70、左縦枠71及び右縦枠72で枠体を形成し、この枠体に、引き違いサッシの場合には内障子30及び外障子40が装着され、又は片引きサッシ若しくは引き分けサッシの場合には、嵌め殺し障子60及び外障子40が装着され、当該サッシが構成される。
【0046】
下枠10の上面全体は略フラットに形成され、図9に示すように、室内の床面から下枠10の上面、グレーチング部材73、バルコニー74に設けられたウッドデッキ75等を略フラットに形成することができる。
【0047】
以下に、内障子30及び外障子40からなる引き違いサッシを例にして、本発明に係るサッシの構造を詳述することにする。
【0048】
<障子構造>
図1〜4に示すように、外障子40は、外障子下框41及び上框42と、並びに外障子縦框43及び召し合わせ框44とで障子を形成し、框で四周を囲まれた内部にガラス等が装着される。また、外障子下框の底部45には、戸車46が設けられており、この戸車46が下枠レール部の上面12aを回動することにより、外障子40が左右に移動する。
【0049】
さらに、外障子下框41には、室内側と室外側にそれぞれ垂下片47,48が延在している。上記障子の構造は、内障子30においても、後述するブロック体50を除いては略同様である。
【0050】
本発明に係る内障子下框36と外障子下框41には、室内側垂下片32、47に加えて室外側垂下片33、48が設けられているので、図25(b)の点線で囲む範囲に示すように、室外側垂下片33、48によって、室外側の障子面や窓ガラスに沿って落下した雨水の室内への侵入が拒まれる。すなわち、室外側垂下片33、48は実質的な水切りとして機能している。
【0051】
したがって、室外側垂下片33、48で水切りが行われることにより、雨水の大半は下枠室外側ガイド溝17,19に流れ落ち、中空部21を介して外部に排出されるので、横タイト材76によるタイトラインよりも上に位置するレール部の上面11a、12aに雨水が浸入しにくくなっており、かつ室内側垂下片32、47と後述する横タイト材76とで水密性や気密性を確実に確保することができる。
【0052】
また、室外側垂下片33、48を設けたことにより、図26(b)の点線で囲った範囲に示すように、レール部の上面11a、12aに埃や塵が溜まりにくく、そのため戸車31,46移動等による傷もつきにくくメンテナンス性にも優れており、また、図27(b)に示すように外部からバール7等を差し込まれるような隙間がなく、さらに、図2に示すように、サッシ右縦枠72には、突出片72aを設けて内障子縦框とサッシ右縦枠72との間にバール等が差し込まれる隙間をなくしており、同様に、外障子縦框43とサッシ左縦枠71との隙間もなくしているので防犯性にも優れている。
【0053】
<下枠構造>
図1及び図8(a)に詳細を示すように、下枠10には、サッシ下枠を室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片13、内障子30に設けられた戸車31が回動する内障子用のレール部11、第2の立ち上がり片14、及び外障子40に設けられた戸車46が回動する外障子用のレール部12及び第3の立ち上がり片15が形成されている。
【0054】
図1及び図8(a)に示すように、内障子用のレール部室内側側面11bと第1の立ち上がり片13とで内障子の室内側垂下片32の室内側ガイド溝16を、及び内障子用のレール部室外側側面11cと第2の立ち上がり片14とで内障子の室外側垂下片33の室外側ガイド溝17を形成している。なお、図8(a)中の斜線部分は、後述する水抜き孔、結露水孔、切欠きの部分を示しており、図8(b)には、水抜き孔20a部分の部分断面を示している。
【0055】
外障子用のレール部室内側側面12bと第2の立ち上がり片14とで外障子の室内側垂下片47の室内側ガイド溝18を、及び外障子用のレール部室外側側面12cと第3の立ち上がり片15とで外障子の室外側垂下片48の室外側ガイド溝19を形成している。
【0056】
また、内障子の室内側垂下片32と第1の立ち上がり片13との間、及び外障子の室内側垂下片47と第2の立ち上がり片14との間を気密及び水密にするために、横タイト材76が設けられており、この横タイト材76とそれぞれの室内側垂下片32,47とが摺接及び密接することにより、下枠10におけるタイトラインの一部が形成されている。
【0057】
ここで、第2の立ち上がり片14は、図8(a)に示すように、排水溝としても機能するガイド溝17とガイド溝18とを区分けしている。この第2の立ち上がり片14の上面14aは平面であり、かつ外障子用の横タイト材76を取付けているので、実質的な外障子40のタイトラインを形成している。好ましくは、横タイト材76も上面14aと同一平面になるほうがよい。
【0058】
さらに、内障子及び外障子用の下枠室外側ガイド溝17,19と外障子用の室内側ガイド溝18には、排水溝としても機能するガイド溝に溜まった雨水を排出する水抜き孔20a、20c、20d、20eが形成されており、水抜き穴20a、20c、20d、20eに落ちた雨水は、下枠内に形成された中空部21に流れ落ち、この中空部21は、排水口22を介して外部と連通しているため、最終的に雨水は、外部に排出されることになる。同様に、結露水孔20fにより、結露水は、結露水排水弁20gを通って排水口22を介して外部に排出される。
【0059】
すなわち、本発明に係るサッシ構造では、内障子下框36及び外障子下框41に、室外側垂下片33、48が設けられているので、室外側垂下片33、48が実質的な水切りとして機能するが、仮にレール部の上面11a、12aに雨水が浸入した場合でも、室内側垂下片33,47と横タイト材76により室内へ漏水をすることなく、雨水は下枠室内側ガイド溝16,18に落ち、中空部21を介して外部に排出される。つまり、図19に示すように、水切りライン84とタイトライン85を別々に設ける二重構造により、タイトライン85の負担を軽減させ、水密性や気密性を高めているのである。
【0060】
下枠10の材質としては、アルミニウム合金等からなり、下枠自体は押出成形された部材によって形成されている。下枠10の構成として、図8(a)に示すように、下枠レール部の上面11a、12bを、下枠のベースを構成する下枠部材23とは別部材とする場合、すなわちレール部の上面11a、12aが取外し可能な下枠レール部の上面構成部材24,25を別に製造し、出来上がってからそれぞれを下枠部材23の内障子用レール部立ち上がり片11e、11f、外障子用の立ち上がり片12e、12fに嵌合することが考えられる。上面構成部材24,25を別部材とすると、図8に示すように、レール部の下部溝11d,12dに水抜き孔20b、20d、結露水孔20fを容易に設けることができるだけでなく、この水抜き孔20b、20d、結露水孔20fに詰まったゴミなどを清掃し目詰まりによる室内への漏水を防ぐことができる。さらに、ゴミ等の蓄積による不衛生状態を防止することができる。
【0061】
なお、図10(a)、(b)に示すように、下枠部材23a、23bとして下枠を一体成形する場合、すなわち、中空部21、レール部11,12並びに第1〜第3の立ち上がり片12,13,14等を一体成型することも考えられる。ここで、例えば、図10(b)のような、レール部の下部溝11d、12dに相当する空間が中空部21と一体になっている下枠部材23bでは、これらレール部の下部溝11d、12dがないので、レール部の下部溝11d、12dがある場合に必要な、清掃等のメンテナンスは不要である。
【0062】
図11(a)、(b)は、下枠レール部の上面構成部材24,25を取外した状態の平面図及び下枠断面図を示している。下枠10には、水抜き孔20a,20b、20c、20d、20eが設けられており、これらの水抜き孔20a,20b、20c、20d、20eは、下枠内に形成された中空部21と連通し、内障子及び外障子用の下枠室外側ガイド溝17,19と外障子用の室内側ガイド溝18や内障子及び外障子用の下枠レール部の下部溝11d、12dに溜まった雨水が、この中空部21に流れ落ちるようになっている。同様に、結露水孔20fにより、結露水も逆止弁つき結露水排水弁20gを通って中空部21に流れ落ちる。また、ガイド溝とレール部の下部溝との間を連通させるための切欠き26も設けられている。
【0063】
ここで、レール溝11d、12dに設けられた水抜き孔20b、20dについては、レール部の上面11a、12aを乗り越えガイド溝16、18、に侵入した雨水があっても、外障子用レール部の室内側立ち上がり片12eの切欠き26及び内障子用レール部の室内側立ち上がり片11eの切欠き26により水抜き孔20b、20dで排出され、また、風圧等で中空部21からのしぶき(吹き上げ状態)があっても、レール部の上面でカバーされており、横タイト材76へのしぶきはかかり難くしてある。
【0064】
下枠の中空部21には、外部と連通する排水口22が設けられており、内障子及び外障子用の下枠室外側ガイド溝17,19と外障子用の室内側ガイド溝18や内障子及び外障子用の下枠レール部の下部溝11d、12dから水抜き孔20a,20b、20c、20d、20eを介して流れ落ちてきた雨水や結露水孔20fから結露水排水弁20gを通って落ちてきた結露水をこの排水口22から、排出するようになっている。なお、この排水口22には、外部からの風や、雨水、虫等の侵入を防ぐために、蓋22aが取り付けられており、逆止弁の機能を果たしている。
【0065】
<召し合わせ框部分の気密・水密構造>
内障子の召し合わせ框の室外面34aと外障子の召し合わせ框の室内面44aとの間には、内外障子を閉じた状態で内障子の召し合わせ框34と外障子の召し合わせ框44とが噛み合い、外部からの風圧に耐えうるように、煙返し34b、44bが設けられている。このうち、内障子の召し合わせ框の室外面34aに設けられた煙返し34bには、内外障子が閉じた状態で、内障子の召し合わせ框の室外面34aと外障子の召し合わせ框の室内面44aとの間を気密にするための縦タイト材78が設けられている。この縦タイト材78は、内障子の召し合わせ框の室外面34aと外障子の召し合わせ框の室内面44aとの間を密接して気密性や水密性を確保し、内障子の召し合わせ框34及び外障子の召し合わせ框44に吹き付けられた雨水の室内への侵入を防ぐ。そして、縦タイト材78はその下端で、図12に示すように、後述する召し合わせ框下部気密ブロック51の側面で密接しており、縦タイトラインを形成している。なお、この縦タイト材78を外障子の召し合わせ框の室内面44aに設けてもよい。
【0066】
内障子の召し合わせ框の室外面34a下部及び当該框底部34cには、気密ブロック体50が設けられている。この気密ブロック体50は、内障子の召し合わせ框の室外面34a下部と外障子の召し合わせ框の室内面44a下部との間を気密・水密状態にするとともに、内障子の召し合わせ框底部34cと第2の立ち上がり片14の上面14a及び内障子用の下枠レール部上面11aとの間を気密・水密状態にする。ここで、第2の立ち上がり片14には横タイト材76が取付けられており、かつ第2の立ち上がり片14の上面14aと横タイト材76とが略同一平面を形成しているので、水密性・気密性は確実なものとなっている。
【0067】
図12,13に示すように、気密ブロック体50は、召し合わせ框下部気密ブロック51、召し合わせ框底部気密ブロック52及び底部気密ブロック用ヒレ53から構成されている。
【0068】
召し合わせ框下部気密ブロック51は、ビス等により内障子の召し合わせ框の室外面34a下部に高さ調整可能に取り付けられ、召し合わせ框底部気密ブロック52と密接している。このうち、図14で示す、ヒレの部分51aはABSを含む軟質塩ビ等の弾性体からなっている。この召し合わせ框下部気密ブロック51の複数のヒレ51aにより、複数の気密・水密空間を形成し、内障子の召し合わせ框の室外面34a下部と外障子の召し合わせ框の室内面44a下部との間の高気密・高水密状態を確保し、召し合わせ框に沿って落下した雨水や召し合わせ框下部に吹き付けられた雨水の室内への侵入を防止することができる。
【0069】
召し合わせ框底部気密ブロック52は、内障子の召し合わせ框底部34cに嵌合されている。図15で示すように、この召し合わせ框底部気密ブロック52には、室内側垂下片52a及び室外側垂下片52bが一体成形されていて、内障子の召し合わせ框底部34cで切欠かれた内障子下框の室内側垂下片32及び室外側垂下片33を、実質的に延在させたかたちになっている。なお、召し合わせ框底部気密ブロックの室内側垂下片52a及び室外側垂下片52bは、必ずしも設ける必要がなく、その場合は内障子の下框の室内側垂下片32及び室外側垂下片33を延在させればよい。
【0070】
召し合わせ框底部気密ブロック52の底には、底部気密ブロック用ヒレ53が、嵌合又は接着等されている。図15で示す、底52cが嵌合又は接着等される箇所である。図16に示す、この底部気密ブロック用ヒレ53は、ABSを含む軟質塩ビ等の弾性体からなり、内障子用のレール部上面11aと密接することにより、内障子の召し合わせ框底部34cと内障子用のレール部上面11aとの間が気密・水密状態にされるので、下枠レール部上面11aからの雨水の侵入を防止することができる。なお、図17に示すように、ヒレ54aを別部材とせずに、召し合わせ框底部気密ブロック54と一体成形してもよい。
【0071】
なお、これら召し合わせ框底部気密ブロック51、召し合わせ框底部気密ブロック52、54及び底部気密ブロック用ヒレ53等を、外障子の召し合わせ框の室内面44a下部及び当該框底部44cに設けてもよい。
【0072】
図18に示すように、召し合わせ框下部気密ブロック51、召し合わせ框底部気密ブロック52及び底部気密ブロック用ヒレ53からなる気密ブロック体50に加え、防水効果をさらに高めるため、召し合わせ框下部気密補助ブロック55を、内障子の召し合わせ框のサッシ長手方向面34d下部にビス等で取り付けてもよい。召し合わせ框下部気密補助ブロック55のうち、板状部材55aは、ABSを含む軟質塩ビ等の弾性体からなり、この板状部材55aは、外障子の召し合わせ框の室内面44a下部の端部、下枠第2の立ち上がり片14の上面14a、内障子用の下枠室外側ガイド溝16、及び内障子用レール部上面11aに密接し、雨水の室内への侵入があった場合にガイド溝17,18に排出を促して止水するので、防水効果をさらに高めることができる。
【0073】
また、図11に示すように、引き違いサッシを閉じた状態で内障子の召し合わせ框の底部34cに位置する、内障子用の下枠レール部の室内側及び室外側のガイド溝16,17には、溝付きタイトブロック79が埋設されている。この溝付きタイトブロック79は、ガイド溝16、17に流れ込んだ雨水の室内への流出を塞き止め、水抜き孔20aに雨水を排出させる
【0074】
さらに、内障子用の下枠レール部の上面11aを,下枠のベースを構成する下枠部材23bとは別部材とする場合、すなわち内障子用の下枠レール部の上面11aが取外し可能な上面構成部材24を別部材とする場合には、引き違いサッシを閉じた状態で内障子の召し合わせ框の底部34cに位置する、レール部の上面構成部材24並びに前記レール部の立ち上がり片11e,11fで囲まれる範囲(内障子用の下枠レール部の下部溝11d)に、溝付きタイトブロック80が埋設されている。この溝付きタイトブロック80により、上記と同様に、レール部の下部溝11dに流れ込んだ雨水の室内への流出を塞き止め、水抜き孔20a、20dに雨水を排出させる。
【0075】
図11に示すように、水抜き孔20aは、召し合わせ框タイトライン85cよりも外部かつ近接した位置に設けられており、レール部下部溝11d、ガイド溝17、18の底部及び内障子用レール部室外側立ち上がり片11f、第2の立ち上がり片14を切欠いて開孔している。
【0076】
ここで、第2の立ち上がり片14のが召し合わせ框タイトライン85cの外で切欠かれ、上面14aの連続性が遮断されているのは、上面14aに落ちた雨水がそのまま第2の立ち上がり片14の上面14aを伝わって室内側に侵入するのを遮断するとともに、召し合わせ框タイトライン85cの外部での排水を良好にし、召し合わせ框タイトライン85cの負担を軽減するためである。
【0077】
<水切りライン及びタイトライン>
本発明に係るサッシ構造では、内障子30及び外障子40に室外側垂下片33,48を設け下枠レール部の上面11a,12aへの雨水の侵入を少なくしたことにより、下枠全体として水密性や気密性を高めている。すなわち、図19(a)で示すように、内障子30及び外障子40に室外側垂下片33,48による水切りライン84と、上記に述べた、内障子及び外障子の室内側垂下片32,47と横タイト材76との密接、内障子召し合わせ框34部分の縦タイト材78、気密ブロック50、溝付きタイトブロック79,80及び必要に応じて召し合わせ框下部気密補助ブロック55を加えた、内障子室内側タイトライン85a、外障子室内側タイトライン85b及び召し合わせ框タイトライン85cより構成される下枠タイトライン85とを別々に設ける二重構造により、タイトライン85の負担を軽減させ防水性を高めている。
【0078】
また、内障子30及び外障子40に室外側垂下片33,48を設けたことにより、引き違いサッシの内障子30の召し合わせ框の室外側34a下部や当該框の底部34cにおける水密性や気密性の確保を容易にしている。すなわち、レール部の上面11aに位置する、召し合わせ框の底部34cの水密性や気密性は高くなっている。
【0079】
さらに、内障子30及び外障子40に室外側垂下片33,48を設けたことにより、召し合わせ框の室外側34a下部の気密ブロック50、溝付きタイトブロック79,80及び水抜き孔20aによる雨仕舞を、その構造を複雑にせずに確実に行うことができるようにしている。
【0080】
他方、当然のことながら、本発明に係るサッシは、図2〜4で示すように、左右のサッシ縦枠71、72には、縦タイト材81を設けており、引き違いサッシを閉じた状態で、外障子の縦框43の室内面及び内障子の縦框35の室内面とそれぞれの縦タイト材81とを密接させ、サッシ高さ方向のタイトラインも形成しており、下枠のタイトライン85と実質的に一体化して室内への漏水を防いでいる。
【0081】
本発明の別の実施形態としては、片引きサッシ又は引き分けサッシ等の開閉式外部開口部への適用が考えられる。これらのサッシと引き違いサッシとの大きな違いは、内障子30の代わりに嵌め殺し部60が設けられることである。したがって、サッシ構造の違いとしては、図7で示すように、引き違いサッシの場合に必要であった内障子用のレール部11がなくなり、この部分の防水対策が不要になる。
【0082】
<グレーチング装置>
本発明に係るグレーチング装置については、先に図9を参照して若干説明したが、詳細を図20及び図21に図示した。なお、図20及び図21は、片引き障子の例であるが、内外障子からなる引違いサッシにおいても、当然に適用できるものであることを予め述べておく(図9は内外障子からなる引違いサッシにグレーチング装置を設けた例を示してある。)。
【0083】
本発明に従って、図9にも示されているように、前述の構造の外部開口用下枠フラットサッシと、室外側のデッキ75と、これらの間を塞ぐグレーチング部材73とを略フラットに配設してグレーチング装置を構成してある。
【0084】
図1及び図20に示すように、下枠10から網戸82の走行用のレール部(第3の立ち上がり片)15を立ち上げて形成してある。すなわち、第3の立ち上がり片15を網戸82の走行用のレール部としてある例である。
【0085】
このレール部15には、 図1及び図20に示すように、網戸82の戸車82aが走行できるように、レール部15の上部室外側に突出してフック片部15Aが形成され、下向きの係合受け溝15Bが長手方向に連続して形成されている。
【0086】
他方で、図23に示すように、下枠10の長手方向中間に室外側に突出して複数の、実施の形態では3つの受け支持部材90が配設されている(図23には長手方向端部に位置する受け支持部材90のみが図示されている)。
【0087】
受け支持部材90は、その室内側端面が下枠10の室外面に当接し、かつ受け支持部材20の室内側上部が係合受け溝15Bに係合した状態で下枠10に固定され、グレーチング部材73は複数の受け支持部材90,90…上に跨って配設されている。
【0088】
受け支持部材90の具体例は、図23及び図24が参照されるように、隣接して室外側に突出する受け支持板部90A,90Aと、これら室外側を繋ぐ繋ぎ部90Bと、各受け支持板部90A,90Aの室内側において下枠10の長手方向に沿う固定座部90C,90Cとが一体化されたものである。
【0089】
固定座部90C,90Cは各受け支持板部90A,90Aの下部に形成され、かつ、図20及び図24に示されているように、固定座部90C,90Cの室内面は各受け支持板部90A,90Aの室内側端面より室内側に張出して位置し、他方で、下枠10の室外面には下側より上側が室外側に張出す段部10aが形成されている。
【0090】
そして、各受け支持板部90A,90Aの室内側上部90a,90aが係合受け溝15Bにそれぞれ係合し、各受け支持板部90A,90Aの室内側端面が下枠10の室外面、より具体的には段部10aからレール部15にかけて当接している。かかる状態で、固定座部90C,90Cが下枠10の室外面に、より具体的には下枠10の段部10aの肩に当てられた状態で当接され,固定具、具体例としては固定ビス91,91により固定されている。また、前記段部10aの下方には、図20に示すように、下枠10に受け突片部10bが室外側に突出して形成されている。
【0091】
一方で、グレーチング部材73は、例えばステンレス製とされ、横断面溝形に形成され、その中央に長手方向に間隔を置いて排水用孔が多数形成され、その室内片73Aが受け支持板部90A,90Aに形成された係止切欠部90a,90aに係止され、室外片73Bが受け支持板部90A,90Aの室外側面にほぼ当たる状態で、複数の受け支持部材90,90…上に跨って配設されている。グレーチング部材73に対し、受け支持部材90も金属製であるので、図23に示すように、受け支持部材90上面に設けた、より具体的には各受け支持板部90A,90A上面に設けたゴムまたはプラスチック材92,92を介して乗っている。
【0092】
このように構成されたグレーチング装置においては、受け支持部材90は、その室内側上部がレール部15の上部室外側に下向きの係合受け溝15Bに係合し、受け支持部材90の室内側端面が下枠10の室外面に当接し、されに受け突片部10b上に乗る状態で下枠10に固定されている。したがって、グレーチング部材73を介しての載荷重に伴う受け支持部材90の、図1及び図20基準で反時計回りの回転モーメントを、係合受け溝15Bで受け止めつつ、受け支持部材90の室内側端面が下枠10の室外面に当接する突っ張りで支持できる。よって、荷重に対する安定性はビス止めによる場合に比較して、格段に優れたものとなる。
【0093】
その結果、ビス91,91による固定箇所は、特許文献1のように上下それぞれにおいてビス固定が必要となることなく、受け支持部材90の下部のみで足りる、実施の形態では2つの固定箇所で足りるので、その分施工の手数が削減する。しかも、受け支持部材90は、その室内側上部90aを係合受け溝15Bに係合することで、上下方向に位置決めを行うことができ、位置決めを簡易にかつ正確に行うことができ、下枠フラットサッシ−室外側のデッキ−グレーチング部材のフラット化を確実に行うことができる。さらに、受け支持部材90の取り付け開始時において、受け支持部材90の室内側上部90aを係合受け溝15Bに係合し、かつ、受け支持部材90下部を受け突片部10bに乗せておくことにより、受け支持部材90を手での押さを係続することなく下枠10に対して仮保持できるので、受け支持部材90のビス91,91固定作業が簡易に行うことができる。
【0094】
<防虫装置>
図1〜図4に示すように、網戸82は、上框、右框82A、左框82B及び下框82Cで囲まれる框内に防虫網が設けられたもので、図1に図示のように、下框82Cの下部に室外側ガイド溝19内に嵌り込む長手方向に沿う呑込み片82cが形成されている。
【0095】
この呑込み片82cは、外障子40の室外側垂下片48と共に室外側ガイド溝19内に近接状態で呑込まれている。ここで「近接状態」における間隔としては、所望の防虫効果によって適宜定めることができるが、通常は5mm以内であることが望ましい(「近接状態」とは虫が簡単に侵入する10mm以上の間隔でないことを意味するための語句としてある。)。
【0096】
他方、外障子の室外側ガイド溝19内内における、網戸82の中央側縦框82A及び外障子40の召し合わせ框44の部位に、第1の防虫用仕切り材92を設けてある。
【0097】
第1の防虫用仕切り材92の形態としては、たとえば図5に示すように、ベース部から間隔を置いたヒレ部92a,92a……が上方に突出したもので、塩化ビニル樹脂などの軟質材料から形成できる。第1の防虫用仕切り材92のヒレ部92a,92a……が垂下片48及びまたは呑込み片82cの下端が近接または摺接するように配設される。
【0098】
また、外障子40の室内側ガイド溝18内における、外障子40の召し合わせ框44と内障子30の召し合わせ框44との召し合わせ部位に、第2の防虫用仕切り材93を設けてある。第2の防虫用仕切り材93の形状としては、図5で代替するように、第1の防虫用仕切り材92と同様な形状を採ることができる。
【0099】
また、図2及び網戸使用状態を示す図3に注目すると、網戸82の中央側縦框(右框82A)及び外方縦框(左框82B)の室内面側に、それぞれ外障子40の縦框43,44及び枠体の縦枠71に当接するタイト材82b,82b……を設けて縦の防虫ラインを構成してある。
【0100】
図4は、仮の網戸使用状態を図示するもので、外障子40の左右縦框下端にはレール部12と近接する防虫用のブロックが配され、防虫を図るものである。
【0101】
なお、図1に示す塞ぎ材94により、網戸82の下框82Cと外障子40の下框との間からの防虫を図ることができる。また、網戸82の上部における上枠との間には、適宜の部材を設けて防虫を図ることができる。
【0102】
図6及び図7に示す方引きサッシの場合においても、同様の防虫構造を採用できることは勿論である。
【0103】
上記の防虫装置の利点は前述の作用効果の欄に記載のとおりである。
【0104】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置によれば、水密性や気密性を高める観点を基礎におきながら、網戸の良好な走行性を確保しつつ、優れた防虫性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る、引き違いサッシの場合のサッシ下枠構造の縦断面図を示す。
【図2】 本発明に係る、引き違いサッシの場合のサッシ構造の横断面図を示す。
【図3】 網戸使用状態の横断面図を示す。
【図4】 網戸の他の位置状態の横断面図を示す。
【図5】 防虫用仕切り材92の斜視図を示す。
【図6】 本発明に係る、方引きサッシの場合のサッシ構造の縦断面図を示す。
【図7】 本発明に係る方引きサッシの場合のサッシ構造の横断面図を示す。
【図8】 本発明に係る、引き違いサッシの場合のサッシ下枠構造の縦断面の部分拡大図を示す。
【図9】 本発明に係る、引き違いサッシを採用したマンション等の、室内から屋外バルコニーまでの縦断面図を示す。
【図10】 本発明に係る、引き違いサッシの場合の、他の実施例のサッシ下枠構造の縦断面の部分拡大図を示す。
【図11】 本発明に係る、引き違いサッシの場合のサッシ下枠構造の水抜き孔、水切り、タイト材の平面配置図及び下枠断面図を示す。
【図12】 気密ブロック体を内障子の召し合わせ框に取り付け、下から見上げた状態を示す。
【図13】 気密ブロック体を内障子の召し合わせ框に取り付け、室外側から見た状態を示す。
【図14】 召し合わせ框下部気密ブロックの射影図、正面図、側面図を示す。
【図15】 召し合わせ框底部気密ブロックの正面図、側面断面図、底面図を示す。
【図16】 底部気密ブロック用ヒレの正面図、正面断面図、底面図を示す。
【図17】 召し合わせ框底部気密ブロックの他の実施例の正面図、射影図を示す。
【図18】 召し合わせ框下部気密補助ブロックの射影図、正面図を示す。
【図19】 下枠の水切りライン、タイトライン及び下枠断面図を示す。
【図20】 本発明に係る、方引きサッシの場合のサッシ構造の縦断面図を示す。
【図21】 本発明に係る方引きサッシの場合のサッシ構造の横断面図を示す。
【図22】 グレーチングの取り付け状態斜視図である。
【図23】 受け支持部材の取り付け状態斜視図である。
【図24】 受け支持部材の平面図である。
【図25】 従来例であるサッシ下枠構造(b)と本発明に係るサッシ下枠構造(a)の防水性を比較する図面を示す。
【図26】 従来例であるサッシ下枠構造(b)と本発明に係るサッシ下枠構造(a)のメンテナンス性を比較する図面を示す。
【図27】 従来例であるサッシ下枠構造(b)と本発明に係るサッシ下枠構造(a)の防犯性を比較する図面を示す。
【符号の説明】
1…従来の内障子、1a…従来の内障子下框、1c…従来の内障子下框の垂下片、2…従来例の外障子、2a…従来例の外障子下框、2c…従来の内障子下框の垂下片、3…窓ガラス、4…従来例の内障子用の下枠レール部上面、5…従来例の外障子用の下枠レール部上面、6…戸車、7…バール、10…下枠、11…内障子用の下枠レール部、11a…内障子用の下枠レール部上面、11b…内障子用の下枠レール部室内側側面、11c…内障子用の下枠レール部室外側側面、11d…内障子用の下枠レール部の下部溝、11e…内障子用の下枠レール部室内側立ち上がり片、11f…内障子用の下枠レール部室外側立ち上がり片、12…外障子用の下枠レール部、12a…外障子用の下枠レール部上面、12b…外障子用の下枠レール部室内側側面、12c…外障子用の下枠レール部室外側側面、12d…外障子用の下枠レール部の下部溝、12e…外障子用の下枠レール部室内側立ち上がり片、12f…外障子用の下枠レール部室外側立ち上がり片、13…第1の立ち上がり片、14…第2の立ち上がり片、15…第3の立ち上がり片(網戸走行用のレール部)、16…内障子用の下枠室内側ガイド溝、17…内障子用の下枠室外側ガイド溝、18…外障子用の下枠室内側ガイド溝、19…外障子用の下枠室外側ガイド溝、20a、20b、20c、20d、20e…水抜き孔、21…下枠中空部、22…排水口、22a…排水口蓋、23、23a、23b…下枠部材、24…内障子用の下枠レール部上面構成部材、25…外障子用の下枠レール部上面構成部材、26…切欠き、30…内障子、31…内障子戸車、32…内障子室内側垂下片、33…内障子室外側垂下片、34…内障子召し合わせ框、34a…内障子召し合わせ框室外面、34b…内障子煙返し、34c…内障子召し合わせ框底部、34d…内障子召し合わせ框のサッシ長手方向面下部、35…内障子縦框、36…内障子下框、40…外障子、41…外障子下框、43…外障子縦框、44…外障子召し合わせ框、44a…外障子召し合わせ框室外面、44b…外障子煙返し、44c…外障子召し合わせ框底部、45…外障子下框底部、46…外障子戸車、50…気密ブロック体、51…召し合わせ框下部気密ブロック、51a…ヒレ部、52…召し合わせ框底部気密ブロック、52a…室内側垂下片部、52b…室外側垂下片部、52c…底部、53…底部気密ブロック用ヒレ、53a…ヒレ部、54…召し合わせ框底部気密ブロック(ヒレ付き)、54a…ヒレ部、55…召し合わせ框下部補助ブロック、55a…板状部材、60…嵌め殺し障子、70…サッシ上枠、71…サッシ左縦枠、72…サッシ右縦枠、72a…突出部、73…グレーチング、74…バルコニー、76…横タイト材、78,81…縦タイト材、79、80…埋設タイト材、82…網戸、83…グレーチング、84…水切りライン、85…タイトライン、92…第1の防虫用仕切り材、93…防虫用仕切り材。
Claims (5)
- 下枠のレール部に沿って左右にスライドする障子と、その外側に設けられた左右にスライドする網戸とを有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した外部開口用下枠フラットサッシであって:
前記下枠の上方に、上面が略フラットな前記レール部と、このレール部の室内側と室外側とにそれぞれ前記レール部と略同じ高さの室内側立ち上がり片及び室外側立ち上がり片とを並設し、
前記障子にはその下框の室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
前記室内側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、並びに前記室外側立ち上がり片と前記レール部側面とで前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を、それぞれ形成し、
前記室外側立ち上がり片を網戸走行用のレール部に利用し、
前記網戸下框に長手方向に沿う前記室外側ガイド溝内に嵌り込む呑込み片を一体に形成し、
この呑込み片が前記障子の室外側垂下片と共に、相互の離間距離が10mm未満の近接状態で前記室外側ガイド溝内に呑込まれ、
前記室外側ガイド溝内には、前記網戸の中央側縦框及び前記障子の召し合わせ框の部位に、防虫用仕切り材を設け、
前記呑込み片の下端及び前記障子の室外側垂下片の下端が、前記防虫用仕切り材に近接または摺接する
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。 - 下枠のレール部に沿って左右にスライドする内外障子と、その外側に設けられた左右にスライドする網戸とを有し、かつ前記レール部の上面を含んで前記下枠の上面全体を略フラットに形成した外部開口用下枠フラットサッシであって:
前記下枠中空部の上方に、室内側から室外側にかけて順に、前記中空部上方に、第1の立ち上がり片、内障子用のレール部、第2の立ち上がり片、外障子用のレール部及び第3の立ち上がり片を形成し、かつ前記第1〜第3の立ち上がり片は前記レール部と略同じ高さに形成し、
前記内障子及び外障子は、それぞれの下框に室内側垂下片及び室外側垂下片を形成し、
前記内障子用のレール部室内側側面と前記第1の立ち上がり片とで内障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記内障子用のレール部室外側側面と前記第2の立ち上がり片とで内障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、また、前記外障子用のレール部室内側側面と前記第2の立ち上がり片とで外障子の前記室内側垂下片の室内側ガイド溝を、及び前記外障子用のレール部室外側側面と前記第3の立ち上がり片とで外障子の前記室外側垂下片の室外側ガイド溝を形成し、
前記第3の立ち上がり片を網戸走行用のレール部に利用し、
前記網戸下框に長手方向に沿う前記室外側ガイド溝内に嵌り込む呑込み片を一体に形成し、
この呑込み片が前記障子の室外側垂下片と共に、相互の離間距離が10mm未満の近接状態で前記室外側ガイド溝内に呑込まれている、
ことを特徴とする外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。 - 外障子の室外側ガイド溝内における、網戸の中央側縦框及び外障子の召し合わせ框の部位に、第1の防虫用仕切り材を設けた請求項2記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
- 外障子の室内側ガイド溝内における、外障子の召し合わせ框と内障子の召し合わせ框との召し合わせ部位に、第2の防虫用仕切り材を設けた請求項2または3記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
- 網戸の中央側縦框及び外方縦框の室内面側に、それぞれ対向する障子の縦框及び枠体の縦枠に当接するタイト材を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の外部開口用下枠フラットサッシの防虫装置。
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