JPH064293U - 引違い窓の下枠水密装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 敷居の段差が小さくても十分に水密を保持す
る。 【構成】 下枠１を室外壁２と室内壁３との上面を段差
を有する敷居皿４で接続し、下面を底板５で接続して空
間部６を有するようにして形成し、室外壁に複数個の水
抜孔１９₁ ，１９₂ …を、敷居皿１２には内外側用レー
ル９，１０の近傍に夫々複数個の外側用水抜孔２２₁ ，
２２₂ ，…，及び内側用水抜孔２３₁ ，２３₂ ，…を設
け内外側用水抜孔２３₁ …，２２₁ …の間に位置した敷
居皿の下面に搖動できる排水弁１７を取付けた引違い窓
の下枠水密装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は引違い窓の下枠水密装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

引違い窓における下枠部分の水密機構は大別して「下枠内に水を溜める構造」 と「水を溜めない構造」とがある。 下枠内に水を溜める構造としては図３に示すように、風の圧力に押されてイの 経路で下枠内の空間部に雨水が侵入し、下枠内の空間部にある程度の水が溜ると ロの部分での水の重力で侵入水を押し返そうとする力が働き、バランスがとれ、 水密性を保持することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記機構においては初期段階においてはイの経路で侵入した雨水が室内に侵入 する恐れがあった。 又、前記機構においては、レールの高さに大きな段差があるときには有効では あるが段差が小さい場合には実施できないという問題がある。 そこで、本考案においては初期段階においても室内への侵入を阻止することが でき、且つレールの段差が小さくても実施できる引違い窓の下枠水密装置を提供 しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記問題点を解決するために、下枠を室外壁と室内壁との上面を段差 を有する敷居皿で接続し、下面を底板で接続して空間部を有するようにして形成 し、室外壁に複数個の水抜孔を、敷居皿には内外側用レールの近傍に夫々複数個 の内側用水抜孔と外側用水抜孔とを設け、内外側用水抜孔の間に位置した敷居皿 の下面に搖動できる排水弁を取付けた引違い窓の下枠水密装置を構成したもので ある。

【０００５】

【作用】

本考案は前記のように構成したもので、風圧により室外壁に設けた水抜孔から 侵入した雨水は排水弁により上昇が阻止され、室内への侵入が阻止される。 又、敷居皿上の雨水は、水抜孔から空間部に速やかに流下して滞溜し、その雨 水の重量にて室外壁の水抜孔から雨水の侵入を阻止し、一定量以上の雨水は室外 側へ流出させる。 又、晴天になった際には室外壁の水抜孔から重量で自動的に雨水が外部へ流出 する。

【０００６】

【実施例】

本考案の第１実施例を図１乃至図２に基いて詳細に説明する。下枠１は図１に 示すように室外壁２と室内壁３との上面を段差を設けた敷居皿４で接続し、下面 を段差を有する傾斜面で形成した底板５で接続して空間部６を有する形状に形成 している。

【０００７】 そして、敷居皿４の段差部７，８の上面に内側用レール９と外側用レール１０ を突出し、室外壁２の上面室外側に網戸敷居１１を設けて網戸レール１２を突設 する。 この網戸用敷居１１の室外端に設けた室外立上り片１３と室内壁３の上面の室 内立上り片１４と高低差を小さくして車椅子が通過できるように形成する。

【０００８】 前記敷居皿４の内側用レール９と外側用レール１０との中間上面に仕切り片１ ５を突設し、仕切り片１５の下面室外側にリップ付溝型に形成した取付部１６を 全面に亘つて設け、この取付部１６に塩化ビニールで形成した排水弁１７を下端 が底板５の中間段差１８に接するように搖動自在に設けている。

【０００９】 又、室外壁２の両端及び中央の３個所（図２参照）に水抜孔１９₁ ，１９₂ ， １９₃ を底板５と接する個所に開口し、敷居皿４の段差部８と室外壁２との間で 内外側障子２０，２１の夫々竪框近傍に外側用水抜孔２２₁ ，２２₂ ，２２₃ ， ２２₄ を設け、敷居皿４の段差部７と仕切り片１５との間で内障子２０の両竪框 近傍２個所に内側用水抜孔２３₁ ，２３₂ を設ける。 尚、前記排水弁１７は外側用水抜孔２２₁ ，…と内側用水抜孔２３₁ ，…の間 に位置すればよいものである。

【００１０】 本実施例は前記のように構成したもので、雨天の際に雨水は各水抜孔１９₁ ， １９₂ …，外側用水抜孔２２₁ ，２２₂ …，及び内側用水抜孔２３₁ ，２３₂ か ら夫々下枠１の空間部６に侵入する。この際風圧力により水抜孔１９₁ ，１９₂ ，…から侵入した雨水は上側に向かって吹き上げられ室内に侵入しようとするが 、排水弁１７の先端が段差部１８に当接して雨水の侵入を防止し、室内への雨水 侵入を防止する。

【００１１】 そして、各水抜孔１９₁ ，…２２₁ ，…２３₁ …から侵入した雨水は空間部６ に滞溜し、一定量の雨水が溜ると重力により室内壁２の水抜孔１９₁ ，１９₂ ， …からの雨水の侵入を阻止する。 又、雨水の滞溜が一定量以上になると水抜孔１９₁ ，１９₂ ，…から室外側へ 排出する。 晴天になれば、雨水の重量で水抜孔１９₁ ，１９₂ ，…から全雨水を室外側へ 排出する。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は前記のような構成、作用を有するもので、下枠の空間部内に排水弁を 設けて風力による雨水を室内へ侵入するのを阻止することができる。 又、敷居皿の内外障子の近傍に水抜孔を設けて雨水を空間部内に落下させ、常 時一定量の雨水を滞留させることにより外部からの侵入を阻止するとともに一定 量以上の雨水が滞留した際には自動的に外部へ排出させることができる。

【００１３】 それ故、敷居皿の段差を大きくする必要がなく、小さな段差でも十分に対処す ることができる。 又、排水弁は下枠の内部にあるため耐候性に優れたものである。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る引違い窓の下枠水密装置の一実施
例の縦断側面図。

【図２】水抜孔の位置を示すための正面図。

【図３】従来の水密構造の断面図。

【符号の説明】

１ 下枠 ２ 室外壁 ３ 室内壁 ４ 敷居皿 ５ 底板 ６ 空間部 ７ 段差部 ８ 段差部 ９ 内側用レール １０ 外側用レール １１ 網戸用敷居 １２ 網戸用レール １３ 室外立ち上り片 １４ 室内立ち上り片 １５ 仕切り片 １６ 取付部 １７ 排水弁 １８ 空中段差 １９₁ 水抜孔 １９₂ 水抜孔 １９₃ 水抜孔 ２０ 内障子 ２１ 外障子 ２２₁ 外側用水抜孔 ２２₂ 外側用水抜孔 ２２₃ 外側用水抜孔 ２２₄ 外側用水抜孔 ２３₁ 内側用水抜孔 ２３₂ 内側用水抜孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下枠を室外壁と室内壁との上面を段差
   を有する敷居皿で接続し、下面を底板で接続して空間部
   を有するようにして形成し、室外壁に複数個の水抜孔
   を、敷居皿には内外側用レールの近傍に夫々複数個の内
   側用水抜孔と外側用水抜孔とを設け、内外側用水抜孔の
   間に位置した敷居皿の下面に搖動できる排水弁を取付け
   たことを特徴とする引違い窓の下枠水密装置。