JP4199884B2 - ドア錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドア錠に関し、不特定多数の人が利用する駅、公園等の公衆トイレのドアの錠に適合する。
【0002】
【従来の技術】
公衆トイレのドア錠60は、図5で示すようにドアaの内壁面の側端部に水平状態に取付けられている。このドア錠60は、基本的には内壁面に固着具を介して固定されたガイド部材61と、このガイド部材61の端面T字型のカイド部62にスライド係合し、かつ、ドアaと合致する出入口前壁bの内壁面に取付けられたL型受け金具63の受け部64と係脱する端面リップミゾ形のデッドプレート65とから成る。
【0003】
上記構成のドア錠60にあっては、デッドプレート65を指で直接又は摘みを介して間接的に掴み、施錠並びに解錠方向へと引かなければならない。ところで、近年、バリヤ・フリーの思想が発達するにしたがって、不特定多数の人が利用するドア錠も、身体障害者や高齢者に優しい(日常生活で不便さを感じない意味)装置であることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の要望点に鑑み、第1の目的は特に身体障害者や高齢者に優しいドア錠を提供することである。第2の目的はワンタッチ操作でデッドプレートの施錠及び解錠ができることである。第3の目的は各部材を合理的に組み立てることができることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のドア錠は、ドア1の出入口前壁2の内壁面に取付けられた受け金具Yと対向するように、ドア1の内壁面1aに取付けられるドア錠Xであって、前記ドア錠Xは、固定部材10の軸受け板13の中央部に軸架された固定軸41と、この固定軸41を中心に固定部材10に対して左右に揺動するように該固定軸41に中央部が軸支されたケース型状揺動部材35と、操作する者を基準として、操作外壁面36の左右の部位が指で選択的に 押圧される揺動部材35用の窓部28を有し、かつ前記固定部材10をカバー状態に収納する収納ボックス25と、この収納ボックス25の案内孔29を介して外端部側から進退動し、かつ、収納ボックス25内に常時収納された内端部に係合部30を有するデッドプレート26と、このデッドプレート26と揺動部材35とに介在する状態で前記軸受け板13の一端部に棒状肩部44の中央部が枢軸42を介して軸支されていると共に、該棒状肩部44の一端部が揺動部材35の一端部に形成された枢支部39に軸支され、かつ該棒状肩部44の中央部から交差方向に延びる駆動腕45が前記係合部30に常時係合する前記枢軸42を備えた駆動部材43とから成ることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、駅、公園等の公衆トイレのドアに取付けた実施形態の一例を示す。ここで、実施形態の環境を説明すると、Xは公衆トイレのドア1の内壁面1aの側端部に水平状態に取付けられたドア錠である。一方、Yは前記ドア1と合致する出入口前壁2の内壁面に取付けられた受け金具である。
【0007】
まず、受け金具Yについて説明する。図1及び図3で示すように受け金具Yは端面L型に形成され、複数個のビス3用の挿通孔4を有する取付部5と、この取付部5と直交方向に連設し、かつ、ドア錠Xのデッドプレートが係脱する受孔6を有する受け部7とから成る。なお、受け金具Yとドア錠Xは、周知のように公衆トイレの内壁面に対向状態に固定される。
【0008】
次にドア錠Xを構成する各部材について説明する。10はドア1の内壁面1aにビス11を介して固定される固定部材である。この固定部材10の形態は特に問わないが、本実施例では図2で示すように、内壁面1aに直接固着される断面コ字型の取付けベース板12と、この取付けベース板12の内壁面に固定された軸受け板13とから成る。軸受け板13は取付けベース板12よりも長さ方向の寸法が短く、取付けベース板12に固定されると、左右(図2を基準にすると左右)に間隙14が形成される。
【0009】
ここで、図2を基準に前記取付けベース板12を説明する。15は複数個のビス11用の挿通孔16を有する取付けベース部で、この取付けベース部15がビス11を介してドア1の内壁面1aに固定される。したがって、取付けベース部15は、ドア1に取付けられた状態では水平の垂直壁ということになる(図1参照)。17は取付けベース部15に連なって直角方向に折曲げ形成された左右の端板部で、これらの端板部17の一つ(右側の端板部)には、前述した受け金具Yの方形受孔6と符合する方形貫通孔18が形成されている。
【0010】
図2及び図3を参照に前記軸受け板13を説明する。19は取付けベース板12の前記取付けベース部15の内壁面に固定された垂直壁である。20はこの垂直壁19に連なって直角方向に折曲げ形成された上下の水平側壁(図3では垂直に見える)で、これらの水平側壁20,20には、複数個の軸孔21が形成されている。また、水平側壁20,20は、図2で示すように、取付けベース板12の左右の端板部17,17から突出している。このように構成すると、各部材(枢軸、揺動部材等)を容易に取付けることができる。
【0011】
次に収納ボックス25とデッドプレート26について説明する。収納ボックス25は、図3で示すように一側壁が方形状開口27のボックスである。収納ボックス25は表面に揺動部材用の方形状窓部28を有すると共に、一側壁(図2を基準にすると右側壁)に前述した端板部17の方形貫通孔18や受け金具Yの方形受孔6符合する方形案内孔29が形成されている。
【0012】
この収納ボックス25は、図2で示すように固定部材10を収納状態にカバーするのみならず、前記方形案内孔29を介し、デッドプレート26を進退動自在に収納している。デッドプレート26は、収納ボックス25に常時収納された内端部に係合孔30を有し、また外端部側は、取付けベース板12の貫通孔18を形成する縁部又は/及び収納ボックス25の案内孔29を形成する縁部に支持されている。
【0013】
次に操作プレートとしての揺動部材35について説明する。揺動部材35は、図3で示すように一側(裏側)開放状のボックス型タッチプレート板である。
【0014】
しかして、36は表面に相当する操作外壁面(図3では下方に現れる面)で、この操作外壁面36は、普通一般に弧状に形成されているが、本実施例では中央部を基準として角度が大きい鈍角の傾斜面となっている。37は操作外壁面36に連なる上下の対向側壁で、これらの対向側壁37の中央部には、それぞれ突片状の軸受け部38が形成されている。39は対向側壁37の一つ、本実施例では上方の対向側壁の一端部に、前記軸受け部38と同様に突片状に形成された枢支部である。なお、前述した左右対称の傾斜状操作外壁面36には、開閉の文字、突起など開閉を意味する標識が適宜に付されている。
【0015】
次に揺動部材35とデッドプレート26に関わり合うその他の部材について説明する。
【0016】
41は揺動部材35の中央部の軸受け部38を貫通し、かつ、固定部材10の軸受け板13に軸架された固定軸である。揺動部材35はこの固定軸41を中心にして左右に揺動する。一方、42は前記軸受け板13の上下の水平側壁20に軸架された枢軸で、この枢軸42にはT字型状の駆動部材43の棒状肩部44の中央部が軸支されている。したがって、駆動部材43は枢軸42に揺動可能に設けられている。
【0017】
前記駆動部材43は、棒状肩部44と、この棒状肩部44の中央部から角度方向(交差方向)に延び、かつ、デッドプレート26の係合孔30に常時係合する駆動腕45とから成る。しかして、前記棒状肩部44の一端部(左端部)には、揺動部材43の枢支部39に入込む駆動ピン46が突設され、一方、その他端部(右端部)には、バネ用突起47が設けられている。
【0018】
50は駆動部材43と共働するように一端部がバネ端取付け用突起47に取付けられ、一方、他端部は前述した固定軸に取付けられた山形状の可動バネである。この可動バネ50はバネ力が開く方向に作用する開きバネの一種(通称、「メガネバネ」と言われ、クリックバネの機能を有する)である。可動バネ50は、その各端部が駆動部材43の前記突起47と収納ボックス25に軸架された固定軸41に、駆動部材43と共働するようにそれぞれ取付けられている。付言すると、開きバネ50は、駆動部材43の揺動により、その中心部50aの位置が、枢軸42を基準にして変位する。
【0019】
次に図2(施錠状態)及び図4(解錠状態)を参照にデッドプレート26の係脱状態を説明する。図2は揺動部材35の操作外壁面36の左側を指で押圧した場合に於いて、揺動部材35が固定軸41を支点に時計方向へと揺動し、その結果、デッドプレート26が駆動部材43を介して収納ボックス25から進出し、受け金具Yの受孔6に係合した状態を示している。この場合前記T字型駆動部材43の駆動ピン46は、枢軸42を支点に揺動部材35と同方向に回転する。つまり、駆動部材43も時計方向へ回転する。揺動部材35及び駆動部材43がこのように時計方向へ回転すると、デッドプレート26は駆動部材43の駆動腕45に押し出される。この駆動部材43の回転途中に於いて、可動バネ50は、そのバネ力に抗して一旦は内側に変位するものの、駆動部材43が所定の位置まで回転すると、開く状態へと復帰する。したがって、駆動部材43は、枢軸42を基準にすると、可動バネ50のバネ力により時計方向に付勢されている。そのため、揺動部材35は駆動部材43を介して自由に揺動しないように可動バネ50のバネ力で規制されている。
【0020】
一方、図4は、操作する者を基準として、揺動部材35の操作外壁面36の右側を指で押圧した場合に於いて、揺動部材35が固定軸41を支点に反時計方向へと揺動し、その結果、デッドプレート26が駆動部材43を介して収納ボックス25内へと後退し、受け金具Yの受孔7から離れた状態を示している。この場合前記T字型駆動部材43の駆動ピン46は、枢軸42を支点に揺動部材35と同方向に回転する。つまり、駆動部材43も反時計方向へ回転する。揺動部材35及び駆動部材43がこのように反時計方向へ回転すると、デッドプレート26は駆動部材43の駆動腕45に押し戻される。この駆動部材43の回転途中に於いて、可動バネ50は、そのバネ力に抗して一旦は内側に変位するものの、駆動部材43が所定の位置まで回転すると、開く状態へと復帰する。したがって、駆動部材43は、枢軸42を基準にすると、可動バネ50のバネ力により反時計方向に付勢されている。そのため、揺動部材35は駆動部材43を介して自由に揺動しないように可動バネ50のバネ力で規制されている。なお、揺動部材35が可動バネ50のバネ力に抗して回転すると、「クリック感」が得られる。また、可動バネ50の中心部50aの位置は変位している。
【0021】
【実施例】
ボックス型揺動部材35の表面に相当する外壁面36は、鈍角形状(断面山形形状)であるが、対称的なタッチ面であれば、弧状であっても良い。また可動バネ50の他端部は固定軸41に取付けられているが、揺動部材35に直接取付けても良い。さらに、デッドプレート26は、長板状であるが、長棒に設計変更しても良い。この場合には、収納ボックス25の案内孔29等は円形に形成される。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。
(1)特に身体障害者や高齢者に優しいドア錠を提供することができる。
(2)デッドプレートの施錠及び解錠をワンタッチ操作で行える。
(3)駆動部材と共働する可動バネを備えているので、「クリック感」を出すことができると同時に、所定の位置まで回転した揺動部材をバネ力で規制することができる。
(4)各部材を合理的に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図4は本発明の一実施例を示す各説明図。
【図1】発明の実施形態の一例を示す斜視図。
【図2】概略断面説明図(施錠状態)。
【図3】固定部材側から見た分解斜視図。
【図4】概略断面説明図(解錠状態)。
【図5】従来の一例を示す概略説明図。
【符号の説明】
X…ドア錠、Y…受け金具、6…受孔、7…受け部、10…固定部材、12…取付けベース板、13…軸受け板、15…取付けベース部、17…端板部、19…垂直壁、20…水平側壁、25…収納ボックス、26…デッドプレート、30…係合部(係合孔)、35…揺動部材、36…操作外壁面、37…対向側壁、38…軸受け部、39…枢支部、41…固定軸、42…枢軸、43…駆動部材、44…棒状肩部、45…駆動腕、46…駆動ピン、47…ハネ用突起、50…可動バネ。
Claims (2)
- ドア1の出入口前壁2の内壁面に取付けられた受け金具Yと対向するように、ドア1の内壁面1aに取付けられるドア錠Xであって、前記ドア錠Xは、固定部材10の軸受け板13の中央部に軸架された固定軸41と、この固定軸41を中心に固定部材10に対して左右に揺動するように該固定軸41に中央部が軸支されたケース型状揺動部材35と、操作する者を基準として、操作外壁面36の左右の部位が指で選択的に押圧される揺動部材35用の窓部28を有し、かつ前記固定部材10をカバー状態に収納する収納ボックス25と、この収納ボックス25の案内孔29を介して外端部側から進退動し、かつ、収納ボックス25内に常時収納された内端部に係合部30を有するデッドプレート26と、このデッドプレート26と揺動部材35とに介在する状態で前記軸受け板13の一端部に棒状肩部44の中央部が枢軸42を介して軸支されていると共に、該棒状肩部44の一端部が揺動部材35の一端部に形成された枢支部39に軸支され、かつ該棒状肩部44の中央部から交差方向に延びる駆動腕45が前記係合部30に常時係合する前記枢軸42を備えた駆動部材43とから成ることを特徴とするドア錠。
- 請求項1に於いて、駆動部材43の棒状肩部44の一端部には、揺動部材43の枢支部39に入込む駆動ピン46が突設され、一方、その他端部にはバネ端取付け用の突起47が設けられ、前記突起47と固定軸41には、駆動部材43と共働するように開きバネ50の各端部がそれぞれ取付けられていることを特徴とするドア錠。
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