JP4198349B2 - 炭化ケイ素焼結体の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体各種部材及び電子部品用途向け炭化ケイ素焼結体の洗浄方法に関する。詳しくは、高純度が要求されるダミーウェハ、ターゲット、発熱体等に関する半導体製造用途炭化ケイ素焼結体の有機物汚染、金属元素汚染、及びパーティクル汚染等の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭化ケイ素焼結体の洗浄方法に関する報告としては、(1)登録181841号では、酸洗浄後、1200℃以上の温度で酸化処理し、その後窒素雰囲気で表面処理する方法が、(2)特開平5−17229号ではシリカ砥粒でブラスト洗浄した後に、フッ酸及び硝酸の混酸で湿式洗浄する方法が、(3)特開平6−77310号では、フッ酸水溶液に浸清洗浄した後、超純水で濯ぎ、更に酸素・ハロゲンガスで乾式洗浄した後に、酸素処理する方法が、(4)焼結後の、高純度化は非常に困難なことから、多孔質炭化珪素成形時にハロゲン化水素ガス及び無機酸洗浄処理をして一旦高純度化した後、二次焼結する方法(特開昭55−158622号、特開昭60−138913号、特開昭64−72964号)等が報告されている。
【0003】
しかしながら、以上の方法は工程が複雑になる点で改良の余地が多く残されていた。一方、近年、環境負荷のさらなる軽減が求められていることより、洗浄工程に用いられる薬液と純粋使用量の最小化、並びに排気や廃液の削減の要請が強まる傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記事実を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、半導体各種部材及び電子部品に用いられるよう、炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に存在する有機及び無機不純物を、簡易に洗浄除去することができる炭化ケイ素焼結体の洗浄方法を提供することにある。また、本発明は洗浄方法の環境に与える負荷を軽減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明によれば、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液で洗浄することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0006】
請求項2に係る発明によれば、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液に浸漬することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0007】
請求項3に係る発明によれば、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を用いてフラッシングすることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0008】
請求項4に係る発明によれば、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を用いてスクラブすることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0009】
請求項5に係る発明によれば、周波数24kHz以上の超音波を照射しながら洗浄することを特徴とする請求項1〜4に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0010】
請求項6に係る発明によれば、前記高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液として、媒体としての純水に高純度炭化ケイ素粉体を前記洗浄液の全重量基準で50重量%以上含む洗浄液を使用することを特徴とする請求項1〜5に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法が提供される。
【0011】
請求項7に係る発明によれば、媒体としての純水に、高純度炭化ケイ素粉体が洗浄液の全重量基準で50重量%以上含まれていることを特徴とする洗浄液が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に用いられる高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液について説明する。
前記洗浄液の好ましい1態様としては、溶媒としての水に、高純度炭化ケイ素粉体を混合した洗浄液が挙げられる。好ましくは高純度炭化ケイ素粉体が前記純水溶媒中に浮遊している(即ち、スラリー状態の)洗浄液が用いられる。
この場合、前記高純度炭化ケイ素粉体の含有量は、前記洗浄液の全重量基準で50重量%以上、好ましくは60〜70重量%、さらに好ましくは70〜80重量%である。50重量%以下だと洗浄効果が低下し、80重量%以上だと高純度炭化ケイ素粉末が分散しずらくなり洗浄効果が低下する。
【0013】
(高純度炭化ケイ素粉体)
前記洗浄液中に含まれる前記高純度炭化ケイ素粉体としては、α型、β型、非晶質あるいはこれらの混合物等が挙げられる。また、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。
【0014】
このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ型炭化ケイ素を用いることができる。炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度の観点からは、小さいことが好ましく、具体的には、0.01〜10μm程度、さらに好ましくは、0.05〜5μmである。粒径が、0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取扱いが困難となりやすく、10μmを超えると、比表面積が小さく、即ち、隣接する粉末との接触面積が小さくなり、高密度化し難くなるため好ましくない。
【0015】
高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少なくとも1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解し、乾燥した後に得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼成する工程により得ることができる。
【0016】
前記ケイ素化合物を含むケイ素源(以下、「ケイ素源」という。)として、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも1種は液状のものから選ばれなくてはならない。液状のものとしては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシシランの重合体が用いられる。アルコキシシランの中ではテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からは、エトキシシランが好ましい。また、テトラアルコキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げられる。前記反応焼結法において酸化ケイ素とは、SiOの他、シリカゲル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉末)等を含む。これらケイ素源は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0017】
これらケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉末シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
【0018】
高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いら料る重合及び架橋触媒としては、炭素源に応じて適宜選択でき、炭素源がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、硫酸等の酸類が挙げられる。これらの中でも、トルエンスルホン酸が好適に用いられる。
【0019】
前記反応焼結法に使用される原料粉末である高純度炭化ケイ素粉末を製造する工程における、炭素とケイ素の比(以下、C/Si比と略記)は、混合物をl000℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるばずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉末中の遊離炭素量が焼結体等の製造用途に適当でない量にならないように予め配合を決定することが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用いることができる。C/Si比を2.55以上にすると遊離炭素が頭著に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制する効果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧とする場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に限定するものではない。
【0020】
以上より、特に高純度の炭化ケイ素粉末を得る方法としては、本願出願人が先に出願した特開平9−48605号の単結晶の製造方法に記載の原料粉末の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成して炭化ケイ素粉末を得る炭化ケイ素生成工程と、得られた炭化ケイ素粉末を、1700℃以上2000℃未満の温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理を少なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5ppm以下である炭化ケイ素粉末を得ること、を特徴とする高純度炭化ケイ素粉末の製造方法等を利用することができる。この様にして得られた炭化ケイ素粉末は、大きさが不均一であるため、解粉、分級により前記粒度に適合するように処理する。
【0021】
炭化ケイ素粉末を製造する工程において窒素を導入する場合は、まずケイ素源と、炭素源と、窒素源からなる有機物質と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合するが、前述の如く、フェノール樹脂等の炭素源と、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質と、トルエンスルホン酸等の重合又は架橋触媒とを、エタノール等の溶媒に溶解する際に、テトラエトキシシランのオリゴマー等のケイ素源と十分に混合することが好ましい。
【0022】
前記高純度炭化ケイ素粉末として、(1)液状のケイ素化合物と、加熱により炭素を生成する液状の有機化合物と、重合又は架橋触媒と、を均一に混合して得られた混合物を固化することにより固化物を得る固化工程と、(2)得られた固化物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程と、を有する製造方法により得られた炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。
【0023】
(溶媒)
前記洗浄液の溶媒として、被洗浄体の逆汚染が好適に防止できる観点から、好ましくは純水が用いられる。前記純水として、蒸留水、イオン交換水等が用いられる。前記純水としては、純度が100ppt以下のレベルで、かつ比抵抗が16〜18MΩのものが好ましく、純度が10ppt未満のものであればより好ましい。
以上説明した洗浄液は高純度が要求される部材の洗浄液として好適に使用される。具体的には、被洗浄体表面の残留不純物濃度が100ppm以下、好ましくは10ppm以下であることが所望される被洗浄体の洗浄に使用される。
例えば、半導体各種部材及び電子部品に使用し得る高密度・高純度の部材、ダミーウェハ等の洗浄に好適に使用される。
最も好ましくは後に説明する炭化ケイ素焼結体の洗浄方法における洗浄液、即ち炭化ケイ素焼結体用洗浄液として使用される。
【0024】
次に、前記高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を用いる炭化ケイ素粉体の洗浄方法について説明する。
前記洗浄方法の第1の態様としては、被洗浄体である炭化ケイ素焼結体を、前記高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液に浸漬する方法が挙げられる。
【0025】
この場合、炭化ケイ素焼結体を浸漬する時間は、2分〜60分が好ましく、5分〜30分がより好ましく、10分〜20分がさらに好ましい。
また、前記洗浄液に浸漬する方法において、常に新しい洗浄液によって洗浄されるように、オーバーフロー方式で行ってもよく、さらに、この方式とカスケード方式とを組み合わせて行ってもよい。
さらに、好ましくは、炭化ケイ素焼結体の洗浄効果及びプロセスの簡略化の観点から、周波数24Hz以上の超音波を照射しながら処理することが好ましい。
【0026】
本発明の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法において、「超音波を照射しながら洗浄する」とは、被洗浄物を超音波振動させながら洗浄すること、洗浄液に超音波周波数をスイープさせながら洗浄すること、さらに、後に説明するフラッシングや、スクラブする際に用いられる洗浄装置の一部を超音波振動させながら洗浄することや、超音波が照射された洗浄液で洗浄することが含まれる。
【0027】
(照射する超音波)前記照射する超音波の周波数は、好ましくは24kHz以上38Hz以下である。38kHzを超えると、洗浄液が周りに散飛したり、洗浄液の液温が設定以上に上昇する場合があるので好ましくない。また、この周波数が、24kHz未満であると、洗浄効果が不十分となるため好ましくない。
【0028】
前記照射する超音波の強度(出力)は、好ましくは500W/cm2以上であり、より好ましくは900W/cm2以上、さらに好ましくは1kW/cm2以上であるが、3kW/cm2を超えると、洗浄液が周りに散飛したり、洗浄液の液温が設定以上に上昇する場合があるので好ましくない。また、この周波数が、500W/cm2未満であると、洗浄効果が不十分となるため好ましくない。
【0029】
前記照射する超音波を発生させる超音波発生装置としては、上記周波数、強度等の条件を満たす超音波を発生させる装置であれば、特に制限はないが、無機酸水溶液に浸漬する工程で使用する場合には、間接照射方式が好ましく、その他の工程で使用する場合には、直接照射方式が好ましい。
【0030】
前記洗浄方法の第2の態様としては、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を用いてフラッシングする洗浄方法が挙げられる。
【0031】
この場合、洗浄液として前記高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を使用することを除いて、従来公知の方法に従ってフラッシングすることができる。その際、超音波を照射しながら洗浄することが好ましい。
前記洗浄方法の第3の態様としては、炭化ケイ素焼結体を、高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を用いてスクラブする洗浄方法が挙げられる。
【0032】
この場合、洗浄液として前記高純度炭化ケイ素粉体を含有する洗浄液を使用することを除いて、従来公知の方法に従ってスクラブすることができる。その際、超音波を照射しながら洗浄することが好ましい。
(被洗浄体)
本発明の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法おいて、被洗浄体としての炭化ケイ素焼結体は、半導体各種部材及び電子部品に使用し得る高密度、高純度のものであれば、特に限定しないが、例えば、非金属助剤を用いてホットプレス焼結した炭化ケイ素焼結体、本願出願人が先に出願した特願平10−67565号に記載の炭化ケイ素焼結体等が挙げられる。
【0033】
以上説明した本発明の洗浄方法によれば、簡易に炭化ケイ素焼結体の洗浄を行うことが可能となる。また、洗浄材料として炭化ケイ素焼結体の製造に用いられる材料、即ち、炭化ケイ素粉体が使用されることより、炭化ケイ素焼結体の製造及び洗浄における材料供給及び材料管理の一元化が図られる。そのため、本発明は、作業工程の簡略化や、炭化ケイ素焼結体の製造コストの削減に寄与するものと期待される。
【0034】
さらに、本発明によれば、従来の洗浄方法に用いられていた薬液、特に有機溶剤の使用量を大幅に削減できることから、排気や廃液処理の手間が省けると共に廃液量の削減が図られる。また、洗浄に用いる純水のリサイクル率も向上するため純粋使用量の最小化も図ることが可能となる。そのため、本発明は、環境負荷軽減に寄与するものと期待される。
【0035】
本発明の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法によって得られた炭化ケイ素焼結体は、半導体各種部材及び電子部品等に好適に使用することができるが、半導体各種部材としては、ダミーウェハ、ヒーター、プラズマエッチング電極、イオン注入装置ターゲット等の高純度及びパーティクルフリーが望まれる部材が挙げられる。
【0036】
以上本発明の洗浄液及び洗浄方法についていくつかの実施態様を挙げて説明してきたが、本発明は前記実施態様に限定されない。
例えば、前記洗浄液の実施態様において、洗浄液の溶媒として純水を用いたが、被洗浄体の逆汚染が防止できるものであれば特に純水に限定されることなく、例えば通常の水を溶媒として用いてもよい。
【0037】
また、前記洗浄液に、所望により、被洗浄体の逆汚染を生じないない程度の量で界面活性剤等の添加剤を加えてもかまわない。界面活性剤を加えると高純度炭化ケイ素粉体の分散性が向上する。
【0038】
一方、本発明の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法にあっては洗浄効果の面では特に必要でないが、前記各工程間に、高純度炭化ケイ素粉末を含有する洗浄液を除く従来公知の洗浄水に浸漬する工程を行ってもよい。この洗浄水に浸漬する工程を行うと、シリコンウェハ並みの純度レベルが得られる。
前記従来公知の洗浄水としては、純水、蒸留水、イオン交換水等挙げられるが、洗浄水に浸漬する工程による被洗浄体の逆汚染を防止する観点から、純水が好ましい。前記純水としては、純度が100ppt以下のレベルで、且つ比抵抗が16〜18MΩのものが好ましく、純度が10ppt未満のものであればより好ましい。
前記従来公知の洗浄水に浸漬する工程において、炭化ケイ素焼結体を浸漬する時間は、2分〜60分が好ましく、5分〜30分がより好ましく、10分〜20分がさらに好ましい。
前記従来公知の洗浄水に浸漬する工程は、常に新しい洗浄水によって洗浄されるように、オーバーフロー方式で行ってもよく、さらに、この方式とカスケード方式とを組み合わせて行ってもよい。
【0039】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
〔実施例1〕
まず、平均粒径0.1〜2.0μmの高純度炭化ケイ素粉末((株)ブリヂストン社製、商品名ピュアベータ)を洗浄液の全重量基準で約70重量%含有する洗浄液を調製した。そして、被洗浄体(炭化ケイ素焼結体)として、片面は粗研磨、もう一方の面は鏡面である、40×40×2tの平板の表面に予め約1mm厚のワックス(マツヤニ)を塗布したものを使用した。その平版の表面に前記洗浄液を濡らした後、ブラシを用いて前記被洗浄体の表面を手で軽く約3分間ブラッシングした。このような作業を被洗浄体の両面に行った。
その後、被洗浄体を純水で洗浄し乾燥させた後に表面清浄度(不純物付着量)の測定を行った。その際、不純物付着量として、鏡面に付着したFe,Niの付着量を測定した。
前記表面清浄度(不純物付着量)の測定は、全反射蛍光X線分析装置(「Total Reflection X−Ray Fluorescencemeter(TXRF)」)で分析した。なお、全反射蛍光X線分析装置で分析する際、シリコンにおける相対感度係数を使用した。
【0040】
〔実施例2〕 平均粒径1〜2μmの高純度炭化ケイ素粉末((株)ブリヂストン社製、商品名ピュアベータ)を使用したことを除いて、実施例1と同様に処理した後、表面清浄度の測定を行った。
【0041】
〔比較例1〕 炭化ケイ素粉末を含有しない洗浄液、即ち沸硝酸液{水/HF/HNO3(15/2.5/2.5)(体積比)}を使用したことを除いて、実施例1と同様に処理した後、表面清浄度の測定を行った。
【0042】
実施例1及び2及び比較例1の条件において洗浄した後の被洗浄体の表面清浄度をまとめて表1に示す。
【0043】
【表1】
表1より、本発明(実施例1及び2)によれば、炭化ケイ素焼結体表面上の不純物が好適に取り除かれることが確認された。
尚、本発明の理解を容易にする目的から、半導体部品等を製造する際に主たる不純物となるFe,Niの濃度の測定結果のみを記載したが、本発明によればその他の不純物もFeやNiと同様に好適に除去されることが確認された。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、新たな設備投資を行うことなく既存の設備を用いて簡易に炭化ケイ素焼結体の洗浄を行うことができる。
また、本発明によれば、作業工程の簡略化や炭化ケイ素焼結体の製造コストを削減することができる。
さらに、本発明によれば、環境負荷を軽減することができる。
Claims (5)
- 被洗浄体表面の残留不純物濃度100ppm以下が求められる被洗浄体としての炭化ケイ素焼結体を、前記炭化ケイ素焼結体と材料源が同一であり不純物元素の含有量が0.5ppm以下の高純度炭化ケイ素粉体と、純水とを含有し、前記高純度炭化ケイ素粉体が、前記高純度炭化ケイ素粉体が洗浄液全重量に対して50〜80重量%含まれる洗浄液で洗浄することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の洗浄方法。
- 被洗浄体表面の残留不純物濃度100ppm以下が求められる被洗浄体としての炭化ケイ素焼結体を、不純物元素の含有量が0.5ppm以下の高純度炭化ケイ素粉体と、純水とを含有し、前記高純度炭化ケイ素粉体が洗浄液全重量に対して50〜80重量%含まれる洗浄液に浸漬することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法。
- 被洗浄体表面の残留不純物濃度100ppm以下が求められる被洗浄体としての炭化ケイ素焼結体を、不純物元素の含有量が0.5ppm以下の高純度炭化ケイ素粉体と、純水とを含有し、前記高純度炭化ケイ素粉体が洗浄液全重量に対して50〜80重量%含まれる洗浄液を用いてフラッシングすることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法。
- 被洗浄体表面の残留不純物濃度100ppm以下が求められる被洗浄体としての炭化ケイ素焼結体を、不純物元素の含有量が0.5ppm以下の高純度炭化ケイ素粉体と、純水とを含有し、前記高純度炭化ケイ素粉体が洗浄液全重量に対して50〜80重量%含まれる洗浄液を用いてスクラブすることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法。
- 周波数24kHz以上の超音波を照射しながら洗浄することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法。
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