JPH0517229A - 炭化珪素質部材の製造方法 - Google Patents
炭化珪素質部材の製造方法Info
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- JPH0517229A JPH0517229A JP3186923A JP18692391A JPH0517229A JP H0517229 A JPH0517229 A JP H0517229A JP 3186923 A JP3186923 A JP 3186923A JP 18692391 A JP18692391 A JP 18692391A JP H0517229 A JPH0517229 A JP H0517229A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 半導体の熱処理用として好適に使用し得る表
面における純度が極めて高い炭化珪素質部材を得る。 【構成】 炭化珪素質焼結体表面にSiO2粉末砥粒を
用いてブラスト加工処理を施した後、この炭化珪素質焼
結体を洗浄処理することを特徴とする炭化珪素質部材の
製造方法。
面における純度が極めて高い炭化珪素質部材を得る。 【構成】 炭化珪素質焼結体表面にSiO2粉末砥粒を
用いてブラスト加工処理を施した後、この炭化珪素質焼
結体を洗浄処理することを特徴とする炭化珪素質部材の
製造方法。
Description
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、半導体の製造工程におい
て使用される拡散炉(酸化炉)用として好ましく使用さ
れる炭化珪素質部材、具体的には灼熱管(ライナーチュ
ーブ)、反応管(プロセスチューブ)、治具(ウェハー
ボート等)などの製造方法に関し、更に詳述すると、製
造工程における表面汚染を防止、除去した炭化珪素質部
材を得ることができる炭化珪素質部材の製造方法に関す
る。
て使用される拡散炉(酸化炉)用として好ましく使用さ
れる炭化珪素質部材、具体的には灼熱管(ライナーチュ
ーブ)、反応管(プロセスチューブ)、治具(ウェハー
ボート等)などの製造方法に関し、更に詳述すると、製
造工程における表面汚染を防止、除去した炭化珪素質部
材を得ることができる炭化珪素質部材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
半導体拡散炉用の炭化珪素質部材は、反応焼結法、再結
晶法等により製造されるが、これらの方法により製造さ
れた炭化珪素質部材は、炉から取り出された段階では鋳
放した状態であり、その表面に付着残留物等が存在する
ためそのままでは使用に適さず、このため得られた炭化
珪素質部材の表面に炭化珪素粉末砥粒によりブラスト加
工を施し、表面を平滑化することが行われている。
半導体拡散炉用の炭化珪素質部材は、反応焼結法、再結
晶法等により製造されるが、これらの方法により製造さ
れた炭化珪素質部材は、炉から取り出された段階では鋳
放した状態であり、その表面に付着残留物等が存在する
ためそのままでは使用に適さず、このため得られた炭化
珪素質部材の表面に炭化珪素粉末砥粒によりブラスト加
工を施し、表面を平滑化することが行われている。
【0003】また、ブラスト加工後は、最終洗浄として
弗酸、塩酸等の酸による湿式洗浄か、もしくは塩酸ガス
や塩素ガスによる乾式洗浄が行われている。
弗酸、塩酸等の酸による湿式洗浄か、もしくは塩酸ガス
や塩素ガスによる乾式洗浄が行われている。
【0004】しかしながら、本発明者の検討によると、
ブラスト加工後にかかる洗浄を十分に行っても、しばし
ば炭化珪素質部材製品の良否にバラツキを生じさせるこ
とがあり、結果的に半導体特性のバラツキをもたらすこ
とがある。従って、良好な炭化珪素質部材製品を安定し
て製造する方法の開発が望まれた。
ブラスト加工後にかかる洗浄を十分に行っても、しばし
ば炭化珪素質部材製品の良否にバラツキを生じさせるこ
とがあり、結果的に半導体特性のバラツキをもたらすこ
とがある。従って、良好な炭化珪素質部材製品を安定し
て製造する方法の開発が望まれた。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、上述したバ
ラツキの原因が炭化珪素質部材の表面汚染、特に鉄によ
る汚染であること、またこの場合、この鉄は上記ブラス
ト加工で用いる炭化珪素粉末砥粒からもたらされるもの
であることを知見した。
記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、上述したバ
ラツキの原因が炭化珪素質部材の表面汚染、特に鉄によ
る汚染であること、またこの場合、この鉄は上記ブラス
ト加工で用いる炭化珪素粉末砥粒からもたらされるもの
であることを知見した。
【0006】即ち、炭化珪素質部材を反応焼結法、再結
晶法等によって製造する場合、その原料としては高純度
のものを使用して炭化珪素質部材を製造し、また上述し
たように最終工程として洗浄処理を行うもので、通常該
炭化珪素質部材は、表面汚染の極めて少ないもの、実質
的には表面汚染のないものと考えられる。この場合、こ
のような炭化珪素質部材表面の汚染度の調査及びその汚
染による半導体ウェハーへの影響を予測することは、技
術的に非常に困難である。即ち、このような部材表面の
汚染は、その汚染レベルが非常に微量であるために高精
度の表面分析装置や高度な技術が必要とされ、更にこの
ような分析は微小部の評価となるため、部材全体に亘っ
ての評価は実際上不可能である。その一方で、このよう
な部材を用いて熱処理される半導体ウェハーは、周知の
ように不純物に対して非常に敏感であり、炭化珪素質部
材の極く一部に不純物が存在してもその半導体特性に及
ぼす影響は大きいものである。
晶法等によって製造する場合、その原料としては高純度
のものを使用して炭化珪素質部材を製造し、また上述し
たように最終工程として洗浄処理を行うもので、通常該
炭化珪素質部材は、表面汚染の極めて少ないもの、実質
的には表面汚染のないものと考えられる。この場合、こ
のような炭化珪素質部材表面の汚染度の調査及びその汚
染による半導体ウェハーへの影響を予測することは、技
術的に非常に困難である。即ち、このような部材表面の
汚染は、その汚染レベルが非常に微量であるために高精
度の表面分析装置や高度な技術が必要とされ、更にこの
ような分析は微小部の評価となるため、部材全体に亘っ
ての評価は実際上不可能である。その一方で、このよう
な部材を用いて熱処理される半導体ウェハーは、周知の
ように不純物に対して非常に敏感であり、炭化珪素質部
材の極く一部に不純物が存在してもその半導体特性に及
ぼす影響は大きいものである。
【0007】本発明者は、このように通常は表面汚染が
極めて少ないと考えられる炭化珪素質部材でも製品の良
否にバラツキがあること、そしてこの点を解決すること
につき検討を続けた結果、炭化珪素質部材をブラスト加
工する場合に用いる砥粒として炭化珪素粉末の代わりに
洗浄除去が比較的容易なSiO2粉末砥粒を使用した場
合、製品の良否のバラツキを効果的に防止し得ることを
知見し、またかかることから製品良否のバラツキは、表
面汚染度の調査により評価し得ないとしてもブラスト加
工時に炭化珪素質部材の表面に微量付着した炭化珪素粉
末砥粒の粉砕物によるものであることが見出された。
極めて少ないと考えられる炭化珪素質部材でも製品の良
否にバラツキがあること、そしてこの点を解決すること
につき検討を続けた結果、炭化珪素質部材をブラスト加
工する場合に用いる砥粒として炭化珪素粉末の代わりに
洗浄除去が比較的容易なSiO2粉末砥粒を使用した場
合、製品の良否のバラツキを効果的に防止し得ることを
知見し、またかかることから製品良否のバラツキは、表
面汚染度の調査により評価し得ないとしてもブラスト加
工時に炭化珪素質部材の表面に微量付着した炭化珪素粉
末砥粒の粉砕物によるものであることが見出された。
【0008】即ち、ブラスト加工処理は、砥粒の破砕粉
が部材表面に残留することによって部材の表面汚染をも
たらすことになり、このような部材を用いて半導体に熱
処理を行うと、半導体ウェハーを汚染し、結果として半
導体の歩留まりを低下させることになる。この場合、ブ
ラスト加工処理を行った炭化珪素質部材に湿式又は乾式
の洗浄処理を施しても、上述した製品良否のバラツキに
見られるように、このような洗浄処理で部材表面の不純
物及び残留砥粒粉中の不純物を完全に除去することは非
常に困難であり、例えば湿式洗浄を行う場合、洗浄液と
しては通常弗酸や塩酸又はこれらの混合液が用いられる
が、これらの酸ではその洗浄効果が十分でなく、ブラス
ト加工により部材表面に付着した不純物を十分に除去す
ることは困難であること、また弗硝酸などのより強い酸
を用いることも考えられるが、この場合不純物除去の効
果は大であるものの、炭化珪素質部材は炭化珪素と珪素
との複合材であるため、弗硝酸により珪素が溶出してし
まい、実用に適さないものとなってしまう一方、乾式洗
浄を行う場合は、高温下において塩酸ガスや塩素ガスで
処理することが行われるが、この場合珪素が反応してし
まわないような緩やかな条件では、大きな洗浄効果は期
待できないものであることを見出した。
が部材表面に残留することによって部材の表面汚染をも
たらすことになり、このような部材を用いて半導体に熱
処理を行うと、半導体ウェハーを汚染し、結果として半
導体の歩留まりを低下させることになる。この場合、ブ
ラスト加工処理を行った炭化珪素質部材に湿式又は乾式
の洗浄処理を施しても、上述した製品良否のバラツキに
見られるように、このような洗浄処理で部材表面の不純
物及び残留砥粒粉中の不純物を完全に除去することは非
常に困難であり、例えば湿式洗浄を行う場合、洗浄液と
しては通常弗酸や塩酸又はこれらの混合液が用いられる
が、これらの酸ではその洗浄効果が十分でなく、ブラス
ト加工により部材表面に付着した不純物を十分に除去す
ることは困難であること、また弗硝酸などのより強い酸
を用いることも考えられるが、この場合不純物除去の効
果は大であるものの、炭化珪素質部材は炭化珪素と珪素
との複合材であるため、弗硝酸により珪素が溶出してし
まい、実用に適さないものとなってしまう一方、乾式洗
浄を行う場合は、高温下において塩酸ガスや塩素ガスで
処理することが行われるが、この場合珪素が反応してし
まわないような緩やかな条件では、大きな洗浄効果は期
待できないものであることを見出した。
【0009】従って、以上のことから、ブラスト加工
後、洗浄処理を行ってもブラスト加工時に付着した砥粒
の粉砕物がなお残留し、この粉砕物中に含まれた不純
物、特に鉄が上述したような製品バラツキを生じさせる
もので、本発明者はこのような事情に鑑み、通常の洗浄
処理で良好に部材表面から除去することができ、ブラス
ト加工処理時に部材表面に付着した砥粒の破砕粉が最終
製品まで残留することを可及的に防止することが可能な
ブラスト加工用の砥粒について鋭意検討した結果、ブラ
スト加工用砥粒としてSiO2粉末からなる砥粒を使用
した場合、その破砕粉は弗酸による洗浄処理によって容
易かつ良好に除去し得ることを知見したものである。
後、洗浄処理を行ってもブラスト加工時に付着した砥粒
の粉砕物がなお残留し、この粉砕物中に含まれた不純
物、特に鉄が上述したような製品バラツキを生じさせる
もので、本発明者はこのような事情に鑑み、通常の洗浄
処理で良好に部材表面から除去することができ、ブラス
ト加工処理時に部材表面に付着した砥粒の破砕粉が最終
製品まで残留することを可及的に防止することが可能な
ブラスト加工用の砥粒について鋭意検討した結果、ブラ
スト加工用砥粒としてSiO2粉末からなる砥粒を使用
した場合、その破砕粉は弗酸による洗浄処理によって容
易かつ良好に除去し得ることを知見したものである。
【0010】従って、本発明は、ブラスト加工処理時に
部材表面に付着した砥粒の破砕粉が最終製品まで残留す
ることを可及的に防止して、表面が極めて清浄な炭化珪
素質部材を確実に得ることができる炭化珪素質部材の製
造方法を提供することを目的とし、炭化珪素質焼結体表
面にSiO2粉末砥粒を用いてブラスト加工処理を施し
た後、この炭化珪素質焼結体を弗酸により洗浄処理する
ことを特徴とする炭化珪素質部材の製造方法を提供する
ものである。
部材表面に付着した砥粒の破砕粉が最終製品まで残留す
ることを可及的に防止して、表面が極めて清浄な炭化珪
素質部材を確実に得ることができる炭化珪素質部材の製
造方法を提供することを目的とし、炭化珪素質焼結体表
面にSiO2粉末砥粒を用いてブラスト加工処理を施し
た後、この炭化珪素質焼結体を弗酸により洗浄処理する
ことを特徴とする炭化珪素質部材の製造方法を提供する
ものである。
【0011】本発明の製造法によれば、洗浄除去が比較
的容易なSiO2粉末をブラスト加工用の砥粒として用
いたことにより、ブラスト加工処理工程において部材表
面にこの砥粒の破砕粉が付着しても、その後の洗浄処理
によってこの破砕粉のほとんどが除去され、最終製品の
表面清浄度が従来品に比べて著しく向上し、得られた炭
化珪素質部材を半導体ウェハーの熱処理に使用した場
合、半導体ウェハーの汚染を可及的に防止して品質や半
導体性能にバラツキのない半導体製品が得られるもので
ある。
的容易なSiO2粉末をブラスト加工用の砥粒として用
いたことにより、ブラスト加工処理工程において部材表
面にこの砥粒の破砕粉が付着しても、その後の洗浄処理
によってこの破砕粉のほとんどが除去され、最終製品の
表面清浄度が従来品に比べて著しく向上し、得られた炭
化珪素質部材を半導体ウェハーの熱処理に使用した場
合、半導体ウェハーの汚染を可及的に防止して品質や半
導体性能にバラツキのない半導体製品が得られるもので
ある。
【0012】なお、SiO2粉末砥粒によるブラスト処
理は、従来より幾つかの材質に対しては行われていた
が、炭化珪素質材料等の難加工性材料に対しては、加工
能力の点から使用されることはほとんどなく、これまで
炭化珪素質部材のブラスト加工処理に対してSiO2粉
末砥粒が用いられることはなかった。しかしながら、こ
のような加工能力の問題も本発明者の検討によれば、吐
出圧力やノズル距離の調整、被処理物の前処理等、加工
条件を種々選択することにより、容易に克服し得るもの
である。
理は、従来より幾つかの材質に対しては行われていた
が、炭化珪素質材料等の難加工性材料に対しては、加工
能力の点から使用されることはほとんどなく、これまで
炭化珪素質部材のブラスト加工処理に対してSiO2粉
末砥粒が用いられることはなかった。しかしながら、こ
のような加工能力の問題も本発明者の検討によれば、吐
出圧力やノズル距離の調整、被処理物の前処理等、加工
条件を種々選択することにより、容易に克服し得るもの
である。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の炭化珪素質部材の製造方法は、上述のよう
に炭化珪素質焼結体の表面をブラスト加工処理する場合
に、砥粒としてSiO2粉末を使用するものであるが、
この場合ブラスト加工処理を施す炭化珪素質焼結体は、
反応焼結法、再結晶法等の通常の方法により得られたい
ずれのものも用いることができる。
と、本発明の炭化珪素質部材の製造方法は、上述のよう
に炭化珪素質焼結体の表面をブラスト加工処理する場合
に、砥粒としてSiO2粉末を使用するものであるが、
この場合ブラスト加工処理を施す炭化珪素質焼結体は、
反応焼結法、再結晶法等の通常の方法により得られたい
ずれのものも用いることができる。
【0014】次に、この炭化珪素質焼結体のブラスト加
工処理に使用されるSiO2粉末砥粒としては、通常使
用されている市販のものを使用することができるが、特
に石英粉末、より好ましくはFe含有量が20ppm以
下の高純度石英粉末を使用することがよく、これにより
後述する洗浄処理がより容易になるものである。なお、
市販のSiO2粉末砥粒を使用する場合、現在市販され
てるものにはビーズとパウダーの2種類があり、いずれ
のグレードのものも使用することができるが、どちらか
といえば若干その加工能力に優れることからパウダーを
用いることが好ましい。また、砥粒の粒度にも特に制限
はないが、通常は平均粒径で150〜1500μm程
度、特に300〜1200μm程度のものが好ましく用
いられ、平均粒径が150μm未満であると加工能力が
極端に低下して良好なブラスト処理を行うことが困難に
なる場合があり、一方1500μmを超えると仕上がり
面が粗くなり過ぎて、製品の用途によっては使用に適さ
なくなる場合がある。
工処理に使用されるSiO2粉末砥粒としては、通常使
用されている市販のものを使用することができるが、特
に石英粉末、より好ましくはFe含有量が20ppm以
下の高純度石英粉末を使用することがよく、これにより
後述する洗浄処理がより容易になるものである。なお、
市販のSiO2粉末砥粒を使用する場合、現在市販され
てるものにはビーズとパウダーの2種類があり、いずれ
のグレードのものも使用することができるが、どちらか
といえば若干その加工能力に優れることからパウダーを
用いることが好ましい。また、砥粒の粒度にも特に制限
はないが、通常は平均粒径で150〜1500μm程
度、特に300〜1200μm程度のものが好ましく用
いられ、平均粒径が150μm未満であると加工能力が
極端に低下して良好なブラスト処理を行うことが困難に
なる場合があり、一方1500μmを超えると仕上がり
面が粗くなり過ぎて、製品の用途によっては使用に適さ
なくなる場合がある。
【0015】次いで、上記SiO2粉末砥粒を用いて上
記炭化珪素質焼結体の表面にブラスト加工処理を施す。
この場合、通常の加工条件で行うこともできるが、通常
の条件では炭化珪素粉末砥粒を使用した場合に比べて加
工能力がかなり低下してしまうため、加工条件を種々選
択することなどによって、できるかぎり加工能力を向上
させることが好ましい。例えば、砥粒吐出圧力を高くし
たり、ノズル距離を短くすること、また事前に被処理物
である炭化珪素質焼結体の表面を弗硝酸等の酸でエッチ
ングする前処理を施すことなどが好ましく、これにより
炭化珪素粉末砥粒を使用した場合と同等の加工能力を得
ることができる。処理条件としてより具体的には、砥粒
吐出圧力3.5〜5Kg/cm2程度、ノズル距離25
〜40mm程度の条件で処理することが好ましいもので
ある。なお、炭化珪素質部材に事前に酸によるエッチン
グ処理を施す場合は、砥粒吐出圧力やノズル距離などの
加工条件を炭化珪素粉末砥粒使用時と同一条件としても
良好な加工処理を行うことができる。
記炭化珪素質焼結体の表面にブラスト加工処理を施す。
この場合、通常の加工条件で行うこともできるが、通常
の条件では炭化珪素粉末砥粒を使用した場合に比べて加
工能力がかなり低下してしまうため、加工条件を種々選
択することなどによって、できるかぎり加工能力を向上
させることが好ましい。例えば、砥粒吐出圧力を高くし
たり、ノズル距離を短くすること、また事前に被処理物
である炭化珪素質焼結体の表面を弗硝酸等の酸でエッチ
ングする前処理を施すことなどが好ましく、これにより
炭化珪素粉末砥粒を使用した場合と同等の加工能力を得
ることができる。処理条件としてより具体的には、砥粒
吐出圧力3.5〜5Kg/cm2程度、ノズル距離25
〜40mm程度の条件で処理することが好ましいもので
ある。なお、炭化珪素質部材に事前に酸によるエッチン
グ処理を施す場合は、砥粒吐出圧力やノズル距離などの
加工条件を炭化珪素粉末砥粒使用時と同一条件としても
良好な加工処理を行うことができる。
【0016】そして、本発明の製造方法は、上記ブラス
ト加工処理後の炭化珪素質焼結体を流水洗浄して、表面
に付着した砥粒の粉砕物を十分に除去し、次いで弗酸に
より最終洗浄を行って最終製品を得るものである。この
場合、最終洗浄は湿式法でも乾式法でもよいが、特にS
iO2を良好に溶解除去し得ることから弗酸溶液による
浸漬洗浄が好ましく採用される。更に、市販のSiO2
粉末砥粒を使用する場合には、%オーダーで不純物が含
有されている場合もあるので弗酸と塩酸との混合溶液を
用いて24時間程度は浸漬洗浄し、数時間おきに洗浄溶
液を更新することがより好ましいものである。
ト加工処理後の炭化珪素質焼結体を流水洗浄して、表面
に付着した砥粒の粉砕物を十分に除去し、次いで弗酸に
より最終洗浄を行って最終製品を得るものである。この
場合、最終洗浄は湿式法でも乾式法でもよいが、特にS
iO2を良好に溶解除去し得ることから弗酸溶液による
浸漬洗浄が好ましく採用される。更に、市販のSiO2
粉末砥粒を使用する場合には、%オーダーで不純物が含
有されている場合もあるので弗酸と塩酸との混合溶液を
用いて24時間程度は浸漬洗浄し、数時間おきに洗浄溶
液を更新することがより好ましいものである。
【0017】本発明の炭化珪素質部材の製造方法は、半
導体の製造工程において使用される拡散炉(酸化炉)用
の炭化珪素質部材、具体的には灼熱管(ライナーチュー
ブ)、反応管(プロセスチューブ)、治具(ウェハーボ
ート等)などの製造に好適に採用されるものであるが、
その用途はこれらの製造に限定されるものではなく、い
ずれの炭化珪素質部材の製造にも採用し得るものであ
る。
導体の製造工程において使用される拡散炉(酸化炉)用
の炭化珪素質部材、具体的には灼熱管(ライナーチュー
ブ)、反応管(プロセスチューブ)、治具(ウェハーボ
ート等)などの製造に好適に採用されるものであるが、
その用途はこれらの製造に限定されるものではなく、い
ずれの炭化珪素質部材の製造にも採用し得るものであ
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例,比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0019】[実施例1]炭化珪素質治具(ウェハーボ
ート)焼結体をブラスト機にセットし、市販のSiO2
粉末砥粒(平均粒径350μm)を用い、砥粒の吐出圧
力4.0Kg/cm2、ノズル距離35mmで表面ブラ
スト加工処理を行った。
ート)焼結体をブラスト機にセットし、市販のSiO2
粉末砥粒(平均粒径350μm)を用い、砥粒の吐出圧
力4.0Kg/cm2、ノズル距離35mmで表面ブラ
スト加工処理を行った。
【0020】この焼結体を流水で十分洗浄した後、H
F,HCl,H2Oを容量比1:1:3で混合した溶液
に24時間浸漬して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い
落して炭化珪素質治具(ウェハーボート)を得た。
F,HCl,H2Oを容量比1:1:3で混合した溶液
に24時間浸漬して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い
落して炭化珪素質治具(ウェハーボート)を得た。
【0021】[実施例2]炭化珪素質治具(ウェハーボ
ート)焼結体をブラスト機にセットし、高純度石英粉末
砥粒(平均粒径230μm、Fe濃度16ppm)を用
い、砥粒の吐出圧力4.0Kg/cm2、ノズル距離3
5mmで表面ブラスト加工処理を行った。
ート)焼結体をブラスト機にセットし、高純度石英粉末
砥粒(平均粒径230μm、Fe濃度16ppm)を用
い、砥粒の吐出圧力4.0Kg/cm2、ノズル距離3
5mmで表面ブラスト加工処理を行った。
【0022】この焼結体を流水で十分洗浄した後、H
F,H2Oを容量比1:3で混合した溶液に8時間浸漬
して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い落して炭化珪素
質治具(ウェハーボート)を得た。
F,H2Oを容量比1:3で混合した溶液に8時間浸漬
して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い落して炭化珪素
質治具(ウェハーボート)を得た。
【0023】[比較例]炭化珪素質治具(ウェハーボー
ト)焼結体をブラスト機にセットし、市販の炭化珪素粉
末砥粒(GCグレード,#60)を用い、砥粒の吐出圧
力3.0Kg/cm2、ノズル距離50mmで表面ブラ
スト加工処理を行った。
ト)焼結体をブラスト機にセットし、市販の炭化珪素粉
末砥粒(GCグレード,#60)を用い、砥粒の吐出圧
力3.0Kg/cm2、ノズル距離50mmで表面ブラ
スト加工処理を行った。
【0024】この焼結体を流水で十分洗浄した後、H
F,HCl,H2Oを容量比1:1:3で混合した溶液
に24時間浸漬して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い
落して炭化珪素質治具(ウェハーボート)を得た。
F,HCl,H2Oを容量比1:1:3で混合した溶液
に24時間浸漬して洗浄した後、純水で十分に酸を洗い
落して炭化珪素質治具(ウェハーボート)を得た。
【0025】上記実施例1,2及び比較例で得られた炭
化珪素質治具(ウェハーボート)にそれぞれSiウェハ
ー(CZ−P型〈111〉)を装填し、拡散炉の反応管
内に装填してドライ酸素中,1100℃×40min.
の条件で熱処理を行た。熱処理終了後、Siウェハーの
ライフタイムを測定してウェハーへの汚染度を調べた。
結果を表1に示す。なお、ウェハーのライフタイムは汚
染が少ないほど長くなる。
化珪素質治具(ウェハーボート)にそれぞれSiウェハ
ー(CZ−P型〈111〉)を装填し、拡散炉の反応管
内に装填してドライ酸素中,1100℃×40min.
の条件で熱処理を行た。熱処理終了後、Siウェハーの
ライフタイムを測定してウェハーへの汚染度を調べた。
結果を表1に示す。なお、ウェハーのライフタイムは汚
染が少ないほど長くなる。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の製造方法により製造された炭化珪素質治具(ウェ
ハーボート)は、表面に付着した不純物が非常に少な
く、Siウェハーの汚染を可及的に防止して、良好な熱
処理を行い得ることが確認された。
発明の製造方法により製造された炭化珪素質治具(ウェ
ハーボート)は、表面に付着した不純物が非常に少な
く、Siウェハーの汚染を可及的に防止して、良好な熱
処理を行い得ることが確認された。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の炭化珪素
質部材の製造方法によれば、ブラスト加工処理時に部材
表面に付着した砥粒の破砕粉が最終製品まで残留するこ
とを可及的に防止して、表面純度が極めて高い炭化珪素
質部材を確実に得ることができるものである。
質部材の製造方法によれば、ブラスト加工処理時に部材
表面に付着した砥粒の破砕粉が最終製品まで残留するこ
とを可及的に防止して、表面純度が極めて高い炭化珪素
質部材を確実に得ることができるものである。
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(72)発明者 小林 博文
福井県武生市北府2−1−5 信越化学工
業株式会社磁性材料研究所内
(72)発明者 松本 福二
福井県武生市北府2−1−5 信越化学工
業株式会社磁性材料研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 炭化珪素質焼結体表面にSiO2粉末砥
粒を用いてブラスト加工処理を施した後、この炭化珪素
質焼結体を弗酸により洗浄処理することを特徴とする炭
化珪素質部材の製造方法。 - 【請求項2】 SiO2粉末砥粒としてFe濃度20p
pm以下の高純度石英粉末砥粒を使用する請求項1記載
の炭化珪素質部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3186923A JPH0517229A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 炭化珪素質部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3186923A JPH0517229A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 炭化珪素質部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517229A true JPH0517229A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16197074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3186923A Pending JPH0517229A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 炭化珪素質部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517229A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6375752B1 (en) * | 1999-06-29 | 2002-04-23 | Bridgestone Corporation | Method of wet-cleaning sintered silicon carbide |
US6419757B2 (en) | 1998-12-08 | 2002-07-16 | Bridgestone, Corporation | Method for cleaning sintered silicon carbide in wet condition |
JP2003145074A (ja) * | 2001-11-08 | 2003-05-20 | Bridgestone Corp | 炭化ケイ素焼結体の洗浄方法 |
US6638540B2 (en) * | 1997-05-06 | 2003-10-28 | Universitat Bern | Plant extracts for the treatment of increased bone resorption |
CN101979160A (zh) * | 2010-05-21 | 2011-02-23 | 北京天科合达蓝光半导体有限公司 | 一种清洗碳化硅晶片表面污染物的方法 |
US8445352B2 (en) | 2008-02-15 | 2013-05-21 | Hitachi, Ltd. | Manufacturing method of semiconductor device |
-
1991
- 1991-07-01 JP JP3186923A patent/JPH0517229A/ja active Pending
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