JP4195683B2 - 車両用スライドドア装置 - Google Patents

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本発明は、車体の側部に形成された開口を、前後に移動するスライドドアにより開閉する車両用スライドドア装置に関する。
従来から、ワンボックスタイプ等の自動車車両においては、車体の側部に形成された開口を、スライドドアにより開閉するものが一般的である。スライドドアは平行に設けられた3本のレールにより、前後に案内されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。3本のレールのうち、アッパレールとロアレールは車体に設置され、センタレールはスライドドアに設置される。
アッパレールとスライドドアとは、略左右に延びるアッパアームにより接続される。アッパレールは車体の開口の上辺に沿って前後に延びアッパアームの一端を前後に案内する。アッパアームの他端はスライドドアのピラー部に固定される。アッパアームは、一端側と他端側とが前後方向を中心軸として互いに回動自在に接続され、スライドドアの前後移動に際して一端と他端の相対的な変位が許容されるようになっている。
スライドドアのピラー部は、室内側のインナパネルと、室外側のアウタパネルとを有する。ピラー部の上端側においてはインナパネルとアウタパネルとが接合され、インナパネルは室内側へ傾斜しつつ下方へ延び、アウタパネルとともに閉断面を形成して、ピラー部の上部の剛性、強度が確保される。アッパアームの他端は、ピラー部のインナパネルに固定される。
特開平11−157339号公報
しかしながら、前記車両用スライドドア装置では、アッパアームが上端から下方へ向かって室内側へ傾斜したインナパネルに取り付けられているので、アッパアームと車体のルーフパネルと上下方向について所定の間隙を確保することが困難となり、車体のルーフ廻りの造形が制約されるという問題点があった。また、インナパネルにアッパアームを固定していることから、アッパアームが室内側へ突出するので、室内空間が小さくなるとともに、ルーフトリムの造形が制約されるという問題点もある。ここで、インナパネルを室内側に傾斜しないよう形成してこれらの問題点を回避することが考えられるが、これではインナパネルとアウタパネルによって形成される閉断面の断面係数が著しく低下し、スライドドアの周縁部分の剛性、強度が大幅に低下してしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スライドドアのピラー部の断面係数を確保しつつ、車体のルーフ廻りとルーフトリムの造形の自由度を向上させるとともに、室内空間の拡大を図ることのできる車両用スライドドア装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車体の側部に形成された開口と、前記前後へ移動して開口を開閉するスライドドアと、前記開口の上辺に沿って延びるアッパレールと、前記アッパレールに一端が前後方向へ案内され、他端が前記スライドドアのピラー部に固定されるアッパアームと、を備え、前記ピラー部は、室内側のインナパネルと、室外側のアウタパネルと、前記インナパネルと前記アウタパネルの間に配されるピラーリンフォースと、を有し、前記インナパネルに切欠を形成し、前記アッパアームの他端側が該切欠を通じて前記インナパネルを跨ぐよう構成するとともに、前記アッパアームの他端を前記ピラーリンフォースに固定したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、アッパアームの他端側は、インナパネルの切欠を通じてピラーリンフォースに固定される。すなわち、インナパネルに他端側を固定する場合に比べ、アッパアームは車両外側に固定される。これにより、アッパアームの室内側への突出量を小さくして、室内空間の拡大を図るとともに、ルーフトリムの造形自由度を向上することができる。
また、従来のように、下方に向かって室内側に傾斜するインナパネルに略垂直にアッパアームを直接固定すると、アッパアームがインナパネル取付部よりも上方に位置し、アッパアームと車体のルーフ廻りとの間隙が小さくなるところ、アッパアームをピラーリンフォースに固定することによりアッパアームの回転中心をインナパネルに固定する場合に比して下側とすることができる。これにより、アッパアームと車体のルーフ廻りとの間隙を確保し易くなり、車体のルーフ廻りの造形自由度を向上することができる。
また、インナパネルにアッパアームの切欠を形成することにより、切欠の形成分だけピラー部の断面係数が低下するものの、アッパアームとインナパネルとが干渉しないことから、インナパネル自体を室内側へ傾斜させることができ、却って断面係数は大きくなる。これにより、スライドドアに必要な剛性、強度等を十分に確保することができる。また、スライドドアの成形性も向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用スライドドア装置において、前記インナパネルにおける前記切欠の近傍と、前記ピラーリンフォースと、を接続するアームリンフォースを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、アームリンフォースによりインナパネルの切欠の近傍とピラーリンフォースとが接続されるので、ピラー部におけるインナパネルの切欠近傍に閉断面が形成される。これにより、ピラー部における剛性、強度を向上させることができるし、インナパネルの切欠を通じたピラー部内部への雨水等の侵入を阻止することができる。
請求項3に記載の発明では、車体の側部に形成された開口と、前記前後へ移動して開口を開閉するスライドドアと、前記開口の上辺に沿って延びるアッパレールと、前記アッパレールに一端が前後方向へ案内され、他端が前記スライドドアのピラー部に固定されるアッパアームと、を備え、前記ピラー部は、室内側のインナパネルと、室外側のアウタパネルと、前記インナパネルと前記アウタパネルの間に配されるピラーリンフォースと、を有し、前記インナパネルに前記アッパアームの他端側が挿通される挿通穴を形成し、前記アッパアームの他端を前記ピラーリンフォースに固定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、アッパアームの他端側は、インナパネルの挿通穴を通じてピラーリンフォースに固定される。すなわち、インナパネルに他端側を固定する場合に比べ、アッパアームは車両外側に固定される。これにより、アッパアームの室内側への突出量を小さくして、室内空間の拡大を図るとともに、ルーフトリムの造形自由度を向上することができる。
また、従来のように、下方に向かって室内側に傾斜するインナパネルに略垂直にアッパアームを直接固定すると、アッパアームがインナパネル取付部よりも上方に位置し、アッパアームと車体のルーフ廻りとの間隙が小さくなるところ、アッパアームをピラーリンフォースに固定することによりアッパアームの回転中心をインナパネルに固定する場合に比して下側とすることができる。これにより、アッパアームと車体のルーフ廻りとの間隙を確保し易くなり、車体のルーフ廻りの造形自由度を向上することができる。
また、インナパネルにアッパアームの挿通穴を形成することにより、挿通穴の形成分だけピラー部の断面係数が低下するものの、アッパアームとインナパネルとが干渉しないことから、インナパネル自体を室内側へ傾斜させることができ、却って断面係数は大きくなる。これにより、スライドドアに必要な剛性、強度等を十分に確保することができる。また、スライドドアの成形性も向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の車両用スライドドア装置において、前記インナパネルにおける前記挿通孔の近傍と、前記ピラーリンフォースとを、接続するアームリンフォースを備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の作用に加え、アームリンフォースによりインナパネルの挿通孔の近傍とピラーリンフォースとが接続されるので、ピラー部におけるインナパネルの挿通穴の下側に閉断面が形成される。これにより、ピラー部における剛性、強度を向上させることができるし、インナパネルの挿通孔を通じたピラー部内部への雨水等の侵入を阻止することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2または4に記載の車両用スライドドア装置において、前記ピラーリンフォースは上端にて前方または後方に湾曲するよう形成され、前記アームリンフォースを、前記ピラーリンフォースの湾曲部分に沿って形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2または4の作用に加え、ピラー部の上部におけるピラーリンフォースの湾曲部分がアームリンフォースにより補強される。ここで、ピラー部の上部の剛性、強度は、側面衝突時のエネルギ吸収に大きく寄与する。すなわち、ピラー部の湾曲部分における折れ曲がりを抑制して、側面衝突時のエネルギ吸収量を大きくして車両の安全性能を向上させることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項2、4または5に記載の車両用スライドドア装置において、前記アームリンフォースと前記インナパネルをスポット溶接により接続し、前記インナパネルにおける前記アームリンフォースとの溶接部分を室内側から覆う樹脂部材を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項2、4または5の作用に加え、樹脂部材によりインナパネルにおけるアームリンフォースとの溶接部分を室内側から覆うようにしたので、車両室内の見栄えを損なうことなくアームリンフォースをスポット溶接により追加することができ、実用に際して極めて有利である。
請求項7に記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用スライドドア装置において、前記ピラーリンフォースは、上部に前記アッパアームが固定され、下部に、車体の前記開口の下辺に沿って延びるロアレールに一端が前後方向へ案内されるロアアームの他端が固定されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、ピラーリンフォースによりアッパアームとロアアームとが互いに位置決めされるので、スライドドアにおける車体側への取付精度を向上させることができる。すなわち、アッパアームとロアアームとの間に、複数の部材を介在させる従来のもののように、各部材の加工精度、組付精度等によりスライドドアの取付精度が低下することはない。
このように、本発明の車両用スライドドア装置によれば、スライドドアのピラー部の断面係数を確保しつつ、車体のルーフ廻りとルーフトリムの造形の自由度を向上させるとともに、室内空間の拡大を図ることができる。
図1から図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1はスライドドア装置を備えた自動車車両の概略外観斜視図、図2はスライドドアのピラー部の上部における正面断面図、図3はスライドドア装置の一部分解斜視図、図4はスライドドアのピラー部の上部におけるアウタパネルを除いた板組を示す側面図、図5はピラーリンフォースの側面図である。
図1に示すように、この車両用スライドドア装置1は、ワンボックス型の自動車車両100に用いられ、車体2の側部に形成された開口3を、前後へ移動する矩形状のスライドドア4により開閉するものである。車両用スライドドア装置1は、アッパレール5、センタレール6及びロアレール7の前後へ延びる3本のレールにより、スライドドア4を前後へ案内するよう構成される。
本実施形態においては、アッパレール5及びロアレール7は車体2に配され、センタレール6はスライドドア4に配される。図1に示すように、アッパレール5は開口3の上辺に沿って延び、ロアレール7は開口3の下辺に沿って延びる。アッパレール5とスライドドア4とは左右へ延びるアッパアーム8により接続され、ロアレール7とスライドドア4とは左右へ延びるロアアーム9により接続される。また、センタレール6と車体2の開口3の後部周縁は、図示しないセンタアームにより接続される。
図1に示すように、アッパアーム8及びロアアーム9の一端は、アッパレール5及びロアレール7によりそれぞれ前後方向へ案内される。また、アッパアーム8及びロアアーム9の他端は、スライドドア4の前部周縁をなすピラー部11に固定される。このピラー部11は上下に延び、図2に示すように、上端側にて室外側のアウタパネル12と、室内側のインナパネル13とで閉断面Sを形成する。これにより、スライドドア4の周縁における剛性、強度が効率よく確保されるようになっている。また、アウタパネル12とインナパネル13の間には、閉断面Sを分割するようピラーリンフォース14が配されている。
図2に示すように、インナパネル13には、アッパアーム8の他端側が配される切欠13aが形成される。すなわち、アッパアーム8の他端側がこの切欠13aを通じてインナパネル13を跨ぐよう構成されている。そして、アッパアーム8の他端はピラーリンフォース14に固定される。アッパアーム8は、正面視にて略平坦に形成され、一端側(室内側)から他端側(室外側)へ向かって幅広となるよう形成される。
アッパアーム8の一端側の上部には、アッパレール5と係合するローラ15が設けられる。本実施形態においては、アッパレール5が下方へ開口しており、開口を通じてアッパアーム8の上面から突出するローラ15がアッパレール5の内部に嵌入している。ローラ15は略上下方向を軸として、アッパレール5の側壁と当接して回動する。
アッパアーム8の他端は、ボルト16によりピラーリンフォース14に締結される。本実施形態においては、アッパアーム8の他端の前部及び後部に前後外側へ突出するフランジ部8aがそれぞれ形成されており、ボルト16はフランジ部8aを挿通してピラーリンフォース14側と螺合する。また、各フランジ部8aは、アッパアーム8の本体部分に対して略前後方向を中心軸として回動自在となっている。
ここで、アッパレール5は、図2に示すように、車体2の上部左右にて前後に延びるサイドフレーム部17に固定される。また、自動車車両100の天井部外板をなすルーフパネル18は、車両の左右端部でサイドフレーム部17に接続されている。すなわち、アッパアーム8の各フランジ部8aは本体部分に対して回動自在であるので、スライドドア4が前後方向へ移動するとアッパアーム8の一端がアッパレール5に追従して上下に変位するところ、アッパアーム8の一端の他端に対する相対的な上下方向の移動が許容されることとなる。また、アッパアーム8の下側には、室内空間を外縁をなすルーフトリム19が配される。
本実施形態においては、図2に示すように、スライドドア4のピラー部11には、インナパネル13とピラーリンフォース14とを接続し、アッパアーム8に対応して設けられるアームリンフォース20が備えられる。
アームリンフォース20は、インナパネル13の切欠13aの上側にて、インナパネル13とピラーリンフォース14に挟まれ、インナパネル13及びピラーリンフォース14にスポット溶接により固着される。そして、アームリンフォース20は、インナパネル13の切欠13aの形成部分においては、切欠13aの近傍からピラーリンフォース14に沿って下方に延びるよう形成される。また、アームリンフォース20は、アッパアーム8の下方でピラーリンフォース14と離隔し、ピラーリンフォース14とともに閉断面を形成する。すなわち、アームリンフォース20は、インナパネル13における切欠13aの近傍と、ピラーリンフォース14とを接続するようになっている。また、アッパアーム8は、ピラーリンフォース14とアームリンフォース20が重ねられた部位に固定される。
以上、車両用スライドドア装置1について、図2を参照して正面視に基づいて説明した。次いで、車両用スライドドア装置1について、図3及び図4に基づいて側面視の観点から説明する。図3に示すように、ピラーリンフォース14は上端にて後方に湾曲するよう形成されており、アームリンフォース20はピラーリンフォース14の湾曲部分に沿って形成される。図4に示すように、本実施形態においてはこの湾曲部分がスライドドア4の前上部の角部に対応する。尚、ピラーリンフォース14及びアームリンフォース20はピラー部11から所定距離だけ後方へ延びた位置まで形成され、インナパネル13及びアウタパネル12はピラー部11と連続的に後端側へ延びるよう形成されている。
本実施形態においては、図3に示すように、インナパネル13におけるアームリンフォース20との溶接部分を室内側から覆う板状の樹脂部材21が設けられる。樹脂部材21には、アッパアーム8が挿通される挿通孔21aが形成される。樹脂部材21には、図示しない爪等により、インナパネル13に係合固定される。
図5に示すように、ピラーリンフォース14は、スライドドア4の前部周縁にて上下にわたって延び、下端もまた後方に湾曲するよう形成される。ピラーリンフォース14の下部には、前述のロアアーム9の他端が固定される。すなわち、アッパアーム8とロアアーム9とは、一の部材により連結された状態となっている。
以上のように構成された車両用スライドドア装置1では、アッパアーム8の他端側は、インナパネル13の挿通穴13aを通じてピラーリンフォース14に固定されるので、インナパネル12に他端側を固定する場合に比べ、アッパアーム8は車両外側に固定される。これにより、アッパアーム8の室内側への突出量を小さくして、ルーフトリム19を車体2側に寄せて室内空間の拡大を図るとともに、ルーフトリム19の造形自由度を向上することができる。
また、従来のように、下方に向かって室内側に傾斜するインナパネルに略垂直にアッパアームを直接固定すると、アッパアームの回転中心がインナパネル取付部よりも上方となり、アッパアームと車体のルーフ廻りとの間隙が小さくなるところ、アッパアーム8をピラーリンフォース14に固定することによりアッパアーム8の回転中心をインナパネル13に固定する場合に比して下側とすることができる。これにより、アッパアーム8と車体2のルーフ廻りとの間隙を確保し易くなり、車体2のルーフ廻りの造形自由度を向上することができる。
また、インナパネル13にアッパアーム8の切欠13aを形成することにより、切欠13aが形成された分だけピラー部11の断面係数が低下するものの、アッパアーム8とインナパネル13とが干渉しないことから、インナパネル13自体を室内側へ傾斜させることができ、却って断面係数は大きくなる。これにより、スライドドア4に必要な剛性、強度等を十分に確保することができる。また、スライドドア4の成形性も向上させることができる。
また、本実施形態の車両用スライドドア装置1によれば、アームリンフォース20によりインナパネル13の切欠13aの近傍とピラーリンフォース14とが接続されるので、ピラー部11におけるインナパネル13の切欠13aの下側が閉塞される。これにより、ピラー部11における剛性、強度を向上させることができるし、インナパネル13の切欠13aを通じたピラー部11の内部への雨水等の侵入を阻止することができる。
また、本実施形態の車両用スライドドア装置1によれば、アームリンフォース20をピラーリンフォース14の湾曲部分に沿って形成したので、ピラー部11の上部の湾曲部分がアームリンフォース20により補強される。ここで、ピラー部11の上部の剛性、強度は、側面衝突時のエネルギ吸収に大きく寄与する。すなわち、ピラー部11の湾曲部分における折れ曲がりを抑制して、側面衝突時のエネルギ吸収量を大きくして自動車車両100の安全性能を向上させることができる。
また、本実施形態の車両用スライドドア装置1によれば、ピラーリンフォース14の上部にアッパアーム8が固定され、下部にロアアーム9が固定されるようにしたので、ピラーリンフォース14によりアッパアーム8とロアアーム9とが互いに位置決めされ、スライドドア4における車体2側への取付精度を向上させることができる。すなわち、アッパアーム8とロアアーム9との間に、複数の部材を介在させる従来のもののように、各部材の加工精度、組付精度等によりスライドドア4の取付精度が低下することはない。
また、本実施形態の車両用スライドドア装置1によれば、図2に示すように、樹脂部材21によりインナパネル13におけるアームリンフォース20との溶接部分を室内側から覆うようにしたので、車両室内の見栄えを損なうことなくアームリンフォース20をスポット溶接により追加することができ、実用に際して極めて有利である。
尚、前記実施形態においては、アームリンフォース20を設けたものを示したが、ピラー部11の水密性、剛性等が確保されるのならば、必ずしもアームリンフォース20を設ける必要はない。すなわち、水密性に関して言えば、例えば、車体2のルーフ形状やスライドドア4の形状によりピラー部11に雨水等が侵入するおそれがなかったり、ピラー部11に水抜き用の案内路等が形成されているならば、アームリンフォース20を設けずとも支障をきたすことはない。
また、前記実施形態においては、インナパネル13に切欠13aを形成したものを示したが、図6に示すように、インナパネル13にアッパアーム8を挿通する挿通孔13bを形成してもよい。この場合、図7に示すように、アームリンフォース20により、インナパネル13における挿通孔13bの近傍と、ピラーリンフォース14が接続される。この構成としても、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、前記実施形態においては、ピラーリンフォース14をスライドドア4の前部周縁にて上下にわたって延びるよう形成したものを示したが、ピラーリンフォース14がスライドドア4の上側にのみ位置して下側まで延在しない構成であってもよい。さらに、ピラー部11のインナパネル13、アウタパネル12、ピラーリンフォース14等の形状は任意であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態を示すスライドドア装置を備えた自動車車両の概略外観斜視図である。 スライドドアのピラー部の上部における正面断面図である。 スライドドア装置の一部分解斜視図である。 スライドドアのピラー部の上部におけるアウタパネルを除いた板組を示す側面図である。 ピラーリンフォースの側面図である。 本発明の変形例を示すスライドドアのピラー部の上部における正面断面図である。 変形例を示すスライドドア装置の一部分解斜視図である。
符号の説明
1 車両用スライドドア装置
2 車体
3 開口
4 スライドドア
5 アッパレール
7 ロアレール
8 アッパアーム
9 ロアアーム
11 ピラー部
12 アウタパネル
13 インナパネル
13a 切欠
13b 挿通孔
14 ピラーリンフォース
20 アームリンフォース
21 樹脂部材

Claims (7)

  1. 車体の側部に形成された開口と、
    前記前後へ移動して開口を開閉するスライドドアと、
    前記開口の上辺に沿って延びるアッパレールと、
    前記アッパレールに一端が前後方向へ案内され、他端が前記スライドドアのピラー部に固定されるアッパアームと、を備え、
    前記ピラー部は、室内側のインナパネルと、室外側のアウタパネルと、前記インナパネルと前記アウタパネルの間に配されるピラーリンフォースと、を有し、
    前記インナパネルに切欠を形成し、前記アッパアームの他端側が該切欠を通じて前記インナパネルを跨ぐよう構成するとともに、前記アッパアームの他端を前記ピラーリンフォースに固定したことを特徴とする車両用スライドドア装置。
  2. 前記インナパネルにおける前記切欠の近傍と、前記ピラーリンフォースと、を接続するアームリンフォースを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用スライドドア装置。
  3. 車体の側部に形成された開口と、
    前記前後へ移動して開口を開閉するスライドドアと、
    前記開口の上辺に沿って延びるアッパレールと、
    前記アッパレールに一端が前後方向へ案内され、他端が前記スライドドアのピラー部に固定されるアッパアームと、を備え、
    前記ピラー部は、室内側のインナパネルと、室外側のアウタパネルと、前記インナパネルと前記アウタパネルの間に配されるピラーリンフォースと、を有し、
    前記インナパネルに前記アッパアームの他端側が挿通される挿通穴を形成し、前記アッパアームの他端を前記ピラーリンフォースに固定したことを特徴とする車両用スライドドア装置。
  4. 前記インナパネルにおける前記挿通孔の近傍と、前記ピラーリンフォースと、を接続するアームリンフォースを備えたことを特徴とする請求項3に記載の車両用スライドドア装置。
  5. 前記ピラーリンフォースは上端にて前方または後方に湾曲するよう形成され、
    前記アームリンフォースを、前記ピラーリンフォースの湾曲部分に沿って形成したことを特徴とする請求項2または4に記載の車両用スライドドア装置。
  6. 前記アームリンフォースと前記インナパネルをスポット溶接により接続し、
    前記インナパネルにおける前記アームリンフォースとの溶接部分を室内側から覆う樹脂部材を設けたことを特徴とする請求項2、4または5に記載の車両用スライドドア装置。
  7. 前記ピラーリンフォースは、
    上部に前記アッパアームが固定され、
    下部に、車体の前記開口の下辺に沿って延びるロアレールに一端が前後方向へ案内されるロアアームの他端が固定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用スライドドア装置。
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