JP2010215092A - 車両の車体下部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クロスメンバ20の車幅方向外側のサイドシル6との結合端部近傍に、側突時の衝撃を緩和する衝撃吸収部23を設け、クロスメンバ20本体部20Aの車幅方向外側端近傍に補強部材24を配設し、補強部材24の車幅方向外側端部を衝撃吸収部23に対して車幅方向にラップして設けたことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
従来においては、上記クロスメンバで側突荷重を積極的に受けるために、該クロスメンバはサイドシルのサイドシルインナと上記トンネル部の縦壁部との間に完全に結合固定されていた。
この構成によれば、側突時にクロスメンバに側突荷重が入力すると、上記穴が潰れるので、衝撃エネルギの吸収を図ることができる利点がある反面、上記穴が潰れ切った場合、クロスメンバ本体部に作用する荷重が急激に立上がり、仮に、該クロスメンバの車幅方向中間が下方へ座屈して折れ曲がると、荷重を受けることができなくなる問題点があった。
上述の衝撃吸収部は、切欠部や開口部などの脆弱部によって構成してもよく、また、上述の補強部材は、乗員用シートを取付けるためのシート取付部材となるナットプレートによって構成してもよい。
上記構成によれば、衝撃吸収部を切欠部と成したので、該衝撃吸収部を成形性、加工性を確保した上で、上記請求項1の効果が得られる。
上記構成によれば、シート取付部材(補強部材)を利用して、上記請求項1の効果を得ることができる。
上記構成によれば、デッドスペースとなるクロスメンバの閉断面内に設けられる上記ナットプレートを利用して、上記請求項1の効果を確保することができる。
上述の強度設定については、クロスメンバの本体部をハイテン鋼(高張力鋼板)で形成し、補強部材を一般的な鋼板で形成することにより、補強部材の強度を弱く設定してもよく、あるいは、クロスメンバの本体部の板厚に対して、補強部材の板厚を薄くすることにより、補強部材の強度を相対的に弱く設定してもよい。
上記構成によれば、クロスメンバの本体部に作用する衝撃荷重の立ち上がりの緩和代を調整して、該クロスメンバの座屈変形抑制機能を向上することができる。
上述のクロスメンバの補強部は、下方に凸形状または上方に凸形状のビードによって構成してもよい。
上記構成によれば、補強部によりクロスメンバの本体部の強度が向上し、この補強部と補強部材とを車幅方向にオーバラップさせたので、補強部材の車幅方向内側端部に荷重が集中してクロスメンバの本体部が座屈することを抑制できる。
上記構成によれば、衝撃吸収部による側突荷重の吸収効果を確実に得ながら、クロスメンバの座屈変形を抑制することができる。
上記構成によれば、衝撃吸収部で側突荷重を吸収することができると共に、上述の荷重緩和手段は、衝撃吸収部の衝撃の吸収が完了する手前で荷重の立上がりを緩和する。
このため、クロスメンバの座屈変形を抑制することができる効果がある。
図面は車両の車体下部構造を示し、図1において、車室の底面を形成するフロアパネル1を設け、このフロアパネル1の車幅方向中央には、車室内ヘ突出して車両の前後方向へ延びるトンネル部2(いわゆるフロアトンネル)を一体または一体的に形成している。このトンネル部2は車体剛性の中心となるものである。
このサイドシル6は、図2、図3に示すように、サイドシルインナ7と、サイドシルレインフォースメント8と、サイドシルアウタ9とを接合固定して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面10を備えた強度部材である。
ヒンジピラー11は、ヒンジピラーアウタとヒンジピラーインナとを備えて、上下方向に延びるヒンジピラー閉断面をもった車体剛性部材であって、このヒンジピラー11はルーフサイドレール13とサイドシル6との間に立設固定されており、必要に応じて上記ヒンジピラーアウタとヒンジピラーインナとの間には、ヒンジピラーレインフォースメントが設けられる。
ここで、上述のヒンジピラー11と、サイドシル6と、センタピラー12と、ルーフサイドレール13とで囲繞された空間部を、前席乗員の乗降口14(ドア開口部)に設定すると共に、センタピラー12と、サイドシル6と、クオータピラー15と、ルーフサイドレール13とで囲繞された空間部を、後席乗員の乗降口16(ドア開口部)に設定している。
また、このクロスメンバ20と前後方向に離間するように上述のセンタピラー12と対応して、フロアパネル1上部のトンネル部2と、サイドシル6との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ30(いわゆるNo.2.5クロスメンバ)を設けている。
上述の各クロスメンバ20,30および各リヤクロスメンバ40,50は、車体剛性部材であって、これらの各クロスメンバ20,30,40,50により車体下部の剛性向上を図るように構成している。
この実施例では、上述のフロアフレーム18は、その前部がサイドシルインナ7とトンネル部2の縦壁部との車幅方向中間に位置し、該フロアフレーム18が後方にいくに従って車幅方向外方に位置するように、平面視スラント状に配設されている。
この切欠部23は、図5、図6に示すように、クロスメンバ20におけるサイドシルインナ7との結合端部近傍において車幅方向内側に切欠かれた脆弱部であって、さらに詳しくは、クロスメンバ20の上片20aと前片20bとの間の前側の稜線Xと、上片20aと後片20dとの間の後側の稜線Yとを、サイドシルインナ7との結合端部近傍において車幅方向内側に切欠いて構成したものである。
このように、強度が高い稜線X,Y部分を切欠いて切欠部23を前後に設けることで、適切な衝撃吸収部となすことができる。
ここで、補強部材としてのナットプレート24の車幅方向外側端部24aは、図6に拡大図で示すように、サイドシルインナ7に対して車幅方向内側に離間して設けられている。
上述のナットプレート24は、図示しない乗員用シート(フロントシート)を上述のクロスメンバ20に固定するためのシート取付部材であり、また該ナットプレート24はクロスメンバ20とフロアパネル1との間の閉断面21(図4参照)内に、そのデッドスペースを利用して、設けられて乗員用シート固定用のナット25を保持するためのプレートである。
しかも、補強部材およびシート取付部材としてのナットプレート24の強度は、上述のクロスメンバ20の本体部20Aの強度よりも弱く設定されている。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
クロスメンバ20の車幅方向外側のサイドシルインナ7との結合端部近傍には、衝撃吸収部としての切欠部23を設けているので、車両の側突時に、その衝撃荷重がサイドシル6を介してクロスメンバ20に入力されると、この切欠部23で衝撃荷重を吸収することができる。
これにより、クロスメンバ20の車幅方向中間が下方に座屈して、該クロスメンバ20が正面視で略V字状に折曲がるような変形を抑制することができるので、該クロスメンバ20で側突荷重を適切に受けることができる。
この構成によれば、衝撃吸収部を切欠部23と成したので、該衝撃吸収部(切欠部23参照)を成形性、加工性を確保した上で、上記請求項1の効果が得られる。
この構成によれば、シート取付部材(ナットプレート24参照)を利用して、上記請求項1の効果を得ることができる。
この構成によれば、デッドスペースとなるクロスメンバ20の閉断面21内に設けられる上記ナットプレート24を有効利用して、上記請求項1の効果を確保することができる。
この構成によれば、クロスメンバ20の本体部20Aに作用する衝撃荷重の立ち上がりの緩和代を調整して、該クロスメンバ20の座屈変形抑制機能を向上することができる。
この構成によれば、補強部(ビード22参照)によりクロスメンバ20の本体部20Aの強度が向上し、この補強部(ビード22参照)と補強部材(ナットプレート24参照)とを車幅方向にオーバラップさせたので、補強部材(ナットプレート24参照)の車幅方向内側端部24bに荷重が集中してクロスメンバ20の本体部20Aが座屈することを抑制できる。
この構成によれば、衝撃吸収部(切欠部23参照)による側突荷重の吸収効果を確実に得ながら、クロスメンバ20の座屈変形を抑制することができる。
この構成によれば、切欠部23で側突荷重を吸収することができると共に、荷重緩和手段としてのナットプレート24は、切欠部23の衝撃の吸収が完了する手前で荷重の立上がりを緩和する。
この結果、クロスメンバ20の座屈変形を抑制することができる効果がある。
すなわち、クロスメンバ20の車幅方向外側のサイドシル6(詳しくは、サイドシルインナ7)との結合端部近傍に、側突時の衝撃を緩和する衝撃吸収部としての開口部28(脆弱部)を設けたものである。
この発明の衝撃吸収部は、実施例の切欠部23または開口部28に対応し、
以下同様に、
補強部材(シート取付部材)および荷重緩和手段は、ナットプレート24に対応し、
クロスメンバの本体部に形成された補強部は、ビード22に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記切欠部23または開口部28の形成位置は、強度が高い稜線X,Y以外のクロスメンバ20の上片20a、前片20b、後片20dにおいてナットプレート24とオーバラップする他の位置であってもよい。
また、ナットプレート24の車幅方向外側端部24aを切欠部23に対して車幅方向にオーバラップさせることに代えて、クロスメンバ20における上片20aの下面の上記切欠部23に対応する位置に、前後の切欠部23,23に跨る長方形状の別のプレート(荷重緩和手段)を溶接等により接合するように構成してもよい。
さらに、この構成を図7の他の実施例において適用することもできる。
2…トンネル部
6…サイドシル
20…クロスメンバ
20A…本体部
21…閉断面
22…ビード(補強部)
23…切欠部(衝撃吸収部)
24…ナットプレート(補強部材、シート取付部材、荷重緩和手段)
25…ナット
28…開口部(衝撃吸収部)
Claims (8)
- フロアパネル上部のトンネル部と、サイドシルとの間に車幅方向に延びるクロスメンバが設けられた
車両の車体下部構造であって、
上記クロスメンバの車幅方向外側の上記サイドシルとの結合端部近傍に、側突時の衝撃を緩和する衝撃吸収部を設けると共に、
上記クロスメンバの本体部の車幅方向外側端近傍に補強部材が配設され、
上記補強部材の車幅方向外側端部を上記衝撃吸収部に対して車幅方向にオーバラップして設けた
車両の車体下部構造。 - 上記衝撃吸収部が、上記クロスメンバにおけるサイドシルとの結合端部近傍において車幅方向内側に切欠かれた切欠部として構成された
請求項1記載の車両の車体下部構造。 - 上記補強部材が、乗員用シートを上記クロスメンバに固定するためのシート取付部材にて構成された
請求項1または2記載の車両の車体下部構造。 - 上記シート取付部材が、上記クロスメンバとフロアパネルとの間の閉断面内に設けられて乗員用シート固定用のナットを保持するナットプレートとされた
請求項3記載の車両の車体下部構造。 - 上記補強部材の強度が、上記クロスメンバの本体部の強度よりも弱く設定された
請求項1〜4の何れか1に記載の車両の車体下部構造。 - 上記クロスメンバの本体部の車幅方向内側に座屈防止用の補強部が形成され、
上記補強部材の車幅方向内側端部が該補強部に対して車幅方向にオーバラップして設けられた
請求項1〜5の何れか1に記載の車両の車体下部構造。 - 上記補強部材の車幅方向外側端部がサイドシルに対して車幅方向内側に離間して設けられた
請求項1〜6の何れか1に記載の車両の車体下部構造。 - フロアパネル上部のトンネル部と、サイドシルとの間に車幅方向に延びるクロスメンバが設けられた
車両の車体下部構造であって、
上記クロスメンバの車幅方向外側の上記サイドシルとの結合端部近傍に、側突時の衝撃を緩和する衝撃吸収部を設けると共に、
上記衝撃吸収部と車幅方向にオーバラップして設けられ、該衝撃吸収部の衝撃の吸収が完了する手前で荷重の立上がりを緩和する荷重緩和手段を設けた
車両の車体下部構造。
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