JP4194854B2 - 酸化物半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発光ダイオードや半導体レーザなどの半導体発光素子に関し、さらに詳しくは、多層反射膜を有する酸化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化亜鉛(ZnO)は、約3.4eVのバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型半導体で、励起子結合エネルギーが60meVと極めて高く、また原材料が安価、環境や人体に無害で成膜手法が簡便であるなどの特徴を有し、高効率・低消費電力で環境性に優れた発光デバイスを実現できる可能性がある。
【0003】
半導体レーザや発光ダイオードなどの素子においては、屈折率の異なる誘電体膜もしくは半導体膜の交互積層によって構成された多層反射膜を形成する技術が知られている。具体的には、上記発光ダイオード素子に多層反射膜を用いる場合、基板と発光層との間に多層反射膜を設ける。これにより、上記発光ダイオード素子は、基板側に進む光を多層反射膜で反射して素子上面側に進ませ、外部への光の取出し効率を非常に向上させている。また、このような多層反射膜を半導体レーザに用いた場合、多層反射膜により光閉込め効率が向上するので、発振閾値電流の低減など素子特性が改善する。
【0004】
多層反射膜を有する半導体発光素子としては、例えば、青色発光素子として既に実用化され、III族窒化物半導体を用いた半導体発光素子が存在する。この半導体発光素子では、InおよびGaを含むn型窒化物半導体によって構成されたn型クラッド層とn型コンタクト層との間に多層反射膜を設けるか、または、そのn型コンタクト層中に多層反射膜を設けることにより、外部への光取出し効率を向上させている。ここで、上記多層反射膜は、屈折率の異なる2種類の窒化物半導体が2層以上積層されて構成されている。このような半導体発光素子は特許3141824号公報(特許文献1)に開示されている。
【0005】
また、多層反射膜を有する他の半導体発光素子としては、ZnO系半導体を用いた半導体発光素子が国際公開WO00/16411号公報(特許文献2)に開示されている。上記半導体発光素子では、屈折率の異なる誘電体膜または半導体膜を基板上に偶数層積層して多層反射膜を構成している。ここで、上記誘電体膜または半導体膜の膜厚は、λ/(4n)(nは誘電体膜または半導体膜の屈折率、λは発光波長)と一致するように設定されている。また、上記多層反射膜では、屈折率の小さい層と屈折率の大きい層とがこの順番で交互に基板上に偶数層積層されている。このような多層反射膜が基板とは反対側からの光を反射することにより、外部への光取出し効率が向上している。
【0006】
【特許文献1】
特許3141824号公報
【特許文献2】
国際公開WO00/16411号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の半導体発光素子においては、多層反射膜上に結晶性に優れた発光素子構造をエピタキシャル成長することができる。しかしながら、上記多層反射膜を構成する2種類の窒化物半導体間の屈折率差が小さいため、多層反射膜の反射率を高めるには、多層反射膜を構成する層の数を増やさなければならない。具体的には、通常、上記多層反射膜は10〜30ペア程度の2種類の窒化物半導体で構成する必要がある。その結果、製造工程が複雑化すると共に、製造コストが高くなるという問題が生じる。
【0008】
一方、上記特許文献2の半導体発光素子は、屈折率差の大きい2種類の誘電体を選択し、これらの誘電体で多層反射膜を構成できるので、少ない積層数で高い反射率の多層反射膜を得ることが可能である。しかし、このような構成の多層反射膜は、基板と、多層反射膜上の層の材料である半導体とは結晶構造、格子定数および結晶成長条件が大きく異なる。したがって、上記多層反射膜上に発光素子構造をエピタキシャル成長で設けることは不可能であるという問題が生じる。または、上記多層反射膜上に成長させた結晶は結晶性などが非常に悪く実用に耐えないという問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、製造工程を簡略化できると共に、製造コストを低減できて、結晶性に優れた発光素子構造を多層反射膜上に形成できる酸化物半導体発光素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、製造工程を簡略化できて反射率が高い多層反射膜を形成し、この多層反射膜上に結晶性に優れた発光素子構造を形成する技術について鋭意検討した結果、絶縁体酸化物と、半導体発光素子の少なくとも一部を構成する半導体材料とを用いて多層反射膜を形成することにより目的を達成できることを見い出し本発明に至った。
【0011】
本発明の酸化物半導体発光素子は、
基板上に、少なくとも、第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層が順次積層され、
上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層が酸化物半導体より成り、
上記基板と上記第1導電型クラッド層との間に、酸化物半導体と絶縁体酸化物とを交互に積層して成る多層反射膜を有し、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であり、
上記絶縁体酸化物が、αβO 2 (α,βは単数または複数の原子)なる構成の斜方晶構造を有し、
上記αの元素がLi、NaおよびKのうちの少なくとも1つを含み、且つ、上記βの元素がAlとGaとの少なくとも一方を含むことを特徴としている。
【0012】
ここで、「少なくとも」と言う文言は、発光層の両側の光ガイド層、エッチングストップ層、平坦化層およびキャップ層などを設けてもよいということを意味している。
【0013】
また、本明細書において、第1導電型とは、p型またはn型を意味する。また、第2導電型とは、第1導電型がp型の場合はn型、n型の場合はp型を意味する。
また、以下において、ZnO系半導体とは、ZnOおよびこれを母体としたMgZnO あるいはCdZnOなどで表される混晶を含めるものとする。
【0014】
上記構成の酸化物半導体発光素子において、上記酸化物半導体と絶縁体酸化物とは屈折率の差が大きいので、多層反射膜を構成する層の数を少なくしても、多層反射膜の反射率が高くなる。これにより、上記多層反射膜の反射率を高めるために、多層反射膜を構成する層の数を増やさなくてもよい。したがって、上記多層反射膜を構成する層の数を少なくして、製造工程を簡略化できると共に、製造コストを低減できる。
【0015】
また、上記多層反射膜は酸化物半導体と絶縁体酸化物とで構成している。したがって、上記多層反射膜の一部と、その多層反射膜上の第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層とが、共に酸化物半導体から構成しているので、結晶性に優れた発光素子構造を多層反射膜上に形成できる。
【0016】
また、上記酸化物半導体発光素子は、発光素子構造の結晶性を良好にできるので、信頼性を高めることができる。
また、上記絶縁体酸化物の屈折率は概ね1.5前後であり、ZnO系半導体の屈折率は概ね2.0である。つまり、上記絶縁体酸化物とZnO系半導体とでは屈折率の差が大きい。したがって、上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であることにより、高反射率の多層反射膜を少ない積層数で確実に得ることができる。
また、上記構成の絶縁体酸化物は歪んだウルツ鉱型の結晶構造を有している。この場合、上記絶縁体酸化物は、αおよびβの元素の組成比を適切に選択することにより、ウルツ鉱型半導体であるZnO系半導体と相互にエピタキシャル成長できる。その結果、上記多層反射膜の結晶性をより高めることができる。
【0017】
なお、上記「活性層」は、発光ダイオード素子の場合には「発光層」と称されるが、発光を司る層という意味において同義であるので、以下においては特に区別しない。
本発明の酸化物半導体発光素子は、
基板上に、少なくとも、第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層が順次積層され、
上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層が酸化物半導体より成り、
上記基板と上記第1導電型クラッド層との間に、酸化物半導体と絶縁体酸化物とを交互に積層して成る多層反射膜を有し、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であり、
上記絶縁体酸化物が、γαβO 4 またはγαO 3 (βO) n (但し、γ,α,βは単数または複数の原子、nは1以上の自然数)なる構造を有し、
上記γの元素がScとInとの少なくとも一方であり、且つ、上記αの元素がAl、FeおよびGaのうちの少なくとも1つであり、且つ、上記βの元素がMg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdのうちの少なくとも1つであることを特徴としている。
ここで、「少なくとも」と言う文言は、発光層の両側の光ガイド層、エッチングストップ層、平坦化層およびキャップ層などを設けてもよいということを意味している。
また、本明細書において、第1導電型とは、p型またはn型を意味する。また、第2導電型とは、第1導電型がp型の場合はn型、n型の場合はp型を意味する。
また、以下において、ZnO系半導体とは、ZnOおよびこれを母体としたMgZnOあるいはCdZnOなどで表される混晶を含めるものとする。
上記構成の酸化物半導体発光素子において、上記酸化物半導体と絶縁体酸化物とは屈折率の差が大きいので、多層反射膜を構成する層の数を少なくしても、多層反射膜の反射率が高くなる。これにより、上記多層反射膜の反射率を高めるために、多層反射膜を構成する層の数を増やさなくてもよい。したがって、上記多層反射膜を構成する層の数を少なくして、製造工程を簡略化できると共に、製造コストを低減できる。
また、上記多層反射膜は酸化物半導体と絶縁体酸化物とで構成している。したがって、上記多層反射膜の一部と、その多層反射膜上の第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層とが、共に酸化物半導体から構成しているので、結晶性に優れた発光素子構造を多層反射膜上に形成できる。
また、上記酸化物半導体発光素子は、発光素子構造の結晶性を良好にできるので、信頼性を高めることができる。
また、上記絶縁体酸化物の屈折率は概ね1.5前後であり、ZnO系半導体の屈折率は概ね2.0である。つまり、上記絶縁体酸化物とZnO系半導体とでは屈折率の差が大きい。したがって、上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であることにより、高反射率の多層反射膜を少ない積層数で確実に得ることができる。
また、上記構成の絶縁体酸化物はウルツ鉱型の結晶構造を含んでいる。この場合、上記絶縁体酸化物は、γ,α,βの元素を適切に選択することにより、ウルツ鉱型半導体であるZnO系半導体と相互にエピタキシャル成長できる。その結果、上記多層反射膜の結晶性をより高めることができる。
なお、上記「活性層」は、発光ダイオード素子の場合には「発光層」と称されるが、発光を司る層という意味において同義であるので、以下においては特に区別しない。
【0018】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層を構成する酸化物半導体がZnO系半導体である。
【0019】
【0020】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層をZnO系半導体で構成するので、消費電力を低減することができる。
【0021】
【0022】
【0023】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体の面内格子定数に対して、上記絶縁体酸化物の面内格子定数が(100±3)%の範囲内に収まっている。
【0024】
本明細書において、面内格子定数とは、結晶成長方向(半導体層の積層方向)に対して垂直な2次元平面での格子点間の距離のことで、例えば最も近い酸素元素と酸素元素との距離のことである。
【0025】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体の面内格子定数に対して、絶縁体酸化物の面内格子定数が(100±3)%の範囲内に収まっているので、その酸化物半導体と絶縁体酸化物とを相互にエピタキシャル成長できる。つまり、上記多層反射膜をエピタキシャル成長で形成することができる。したがって、上記多層反射膜の結晶性を良好にすることができるので、その多層反射膜上に形成する発光素子構造の結晶性をより高めることができる。
【0026】
【0027】
【0028】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記絶縁体酸化物が、Li1-aNaaAlO2、Li1-bNabGaO2、LiAl1-cGacO2、NaAl1-dGadO2(但し、0≦a,b,c,d≦1)のいずれか1つである。
【0029】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記構成の絶縁体酸化物は、レーザ分子線エピタキシー法などを用いることにより簡便に結晶成長させることができ、且つ、組成制御によって±3%の格子歪を制御できる。
【0030】
【0031】
【0032】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記絶縁体酸化物が、ScAlMgO4、ScGaMgO4、ScAlMnO4、ScGaCoO4、ScAlCoO4、ScGaZnO4、ScAlZnO4、ScGaO3(ZnO)nおよびScAlO3(ZnO)nのうちのいずれか1つである。
【0033】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記構成の絶縁体酸化物は、レーザ分子線エピタキシー法などを用いることにより簡便に結晶成長させることができ、且つ、組成制御によって±3%の格子歪を制御できる。
【0034】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記多層反射膜を構成する一層当たりの層厚が、
λ/(4n) …(1)
λ;発光波長
n;上記酸化物半導体または上記絶縁体酸化物の屈折率
である。
【0035】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によると、上記多層反射膜を構成する層の層厚がほぼ上記(1)の式を満たすことにより、高い反射率を有する多層反射膜を少ない積層数で確実に形成できる。したがって、発光特性および信頼性を向上させることができると共に、歩留りを高めることができる。
【0036】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記多層反射膜と上記第1導電型クラッド層との間に第1導電型ZnOコンタクト層を有する。
【0037】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記基板として絶縁体基板を用いる場合、第1導電型ZnOコンタクト層(第1導電型ZnOより成るコンタクト層)を多層反射膜と第1導電型クラッド層との間に設けることにより、第1導電型オーミック電極を第1導電型ZnOコンタクト層上に形成できる。したがって、上記第1導電型ZnOコンタクト層の形成が容易になる。また、上記第1導電型オーミック電極を第1導電型ZnOコンタクト層上に形成することにより、動作電圧を低減できる。
【0038】
また、上記基板として導電性基板を用いる場合でも、本発明の多層反射膜は絶縁体と半導体との積層構造であるので、第1導電型ZnOコンタクト層を多層反射膜と第1導電型クラッド層との間に設けることにより、動作電圧を低減できる。
【0039】
したがって、省電力性に優れた酸化物半導体発光素子を得ることができる。
【0040】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記基板がサファイア基板である。
【0041】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記サファイア基板は安価で高品質な絶縁体基板であるので、発光特性および信頼性を低コストで向上させることができる。
【0042】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記基板が導電性基板であり、上記多層反射膜が上記基板の中央部上のみに形成され、上記基板において上記多層反射膜とは反対側の表面に第1導電型電極が形成されている。
【0043】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記導電性基板を用いることにより、導電性基板において多層反射膜とは反対側の表面、つまり基板裏面に電極を形成できるので、動作電圧および製造コストと低減できる。
【0044】
また、上記多層反射膜が基板の中央部上のみに形成されているので、多層反射膜の周辺部を電流が流れやすくなる。
【0045】
したがって、上記多層反射膜の効果と裏面電極の効果を同時に得ることができる。
【0046】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記基板がSiまたはZnO単結晶から成る。
【0047】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、Siはサファイアと同様に、低コストで高品質な単結晶が得られる。したがって、上記基板がSi単結晶から成る場合、基板を低コストで高品質にすることができる。また、上記基板がSi単結晶から成る場合に問題となる基板光吸収(基板における光吸収)は、基板上に多層反射膜があるので回避される。
【0048】
また、上記基板がZnO単結晶から成る場合、ZnOからなる層を基板上にエピタキシャル成長させると、その層と基板との親和性が高いので、その層の結晶性を良好にすることができると共に、その層の欠陥を極めて少なくすることができる。
【0049】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体が、ZnO、CdxZn1-xO、MgyZn1-yOおよびBezZn1-zOのうちのいずれか1つである。
【0050】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記ZnO、CdxZn1-xO、MgyZn1-yOおよびBezZn1-zOは、ZnO系半導体であり、絶縁体酸化物に対して屈折率差が大きい。したがって、上記多層反射膜の反射率を少ない積層数でより確実に大きくできる。
【0051】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記xが0<x≦0.2を満たす。
【0052】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記CdxZn1-xOのxが上記の式を満たしていれば、Cd含有量が少なくなり、多層反射膜の結晶性が低下するのを防ぐことができる。また、上記多層反射膜のCd含有量が少ないので、多層反射膜の製造時における安全性を確保することができる。
【0053】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記yが0<y≦0.35を満たす。
【0054】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子において、上記MgyZn1-yOのyが上記の式を満たしていれば、Mg含有量が少なくなり、多層反射膜の結晶性が低下するのを防ぐことができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸化物半導体発光素子を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0056】
(実施形態1)
本実施形態1では、本発明の酸化物半導体発光素子の一例である青色発光ダイオード素子について説明する。この青色発光ダイオード素子はZnO系半導体で発光素子構造を構成している。
【0057】
図1に、上記青色発光ダイオード素子の模式断面図を示す。
【0058】
上記青色発光ダイオード素子は、基板の一例であるファイア基板1上に、多層反射膜の一例である多層反射膜2、n型ZnOコンタクト層3、第1導電型クラッド層の一例であるn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4、活性層の一例であるノンドープ量子井戸発光層5、第2導電型クラッド層の一例であるp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層6、p型ZnOコンタクト層7が積層されている。なお、上記サファイア基板1はサファイアC面(0001)を主面としている。また、上記n型ZnOコンタクト層3はGaが3×1018cm-3の濃度でドープされた厚さ0.1μmの層、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4はGaが1×1018cm-3の濃度でドープされた厚さ1μmの層、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層6はNが1×1019cm-3の濃度でドープされた厚さ1μmの層、p型ZnOコンタクト層7はNが5×1019cm-3の濃度でドープされた厚さ0.3μmの層である。
【0059】
上記多層反射膜2は、絶縁体酸化物の一例である厚さ75nmのLiGaO2層と、酸化物半導体の一例である厚さ55nmのZnO層とを交互に積層することで構成している。上記LiGaO2層およびZnO層は夫々5層づつある。また、上記量子井戸発光層5は、厚さ5nmのMg0.1Zn0.9O障壁層と、厚さ4nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とを交互に積層することで構成している。上記Mg0.1Zn0.9O障壁層は8層あり、Cd0.1Zn0.9O井戸層は7層ある。
【0060】
また、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4から図中上方に向ってp型ZnOコンタクト層7までの層を形成するためのエピタキシャル層の一部をエッチングして、n型ZnOコンタクト層3の表面の一部を露出させている。この露出したn型ZnOコンタクト層3の表面上には、Alから成る厚さ100nmのn型オーミック電極10を形成している。
【0061】
そして、上記p型ZnOコンタクト層7の主表面全面上には、厚さ15nmのp型オーミック電極8が積層されている。このp型オーミック電極8は、Ni層からなり、透光性を有している。また、上記p型オーミック電極8上には、Auから成る厚さ100nmのボンディング用パッド電極9をp型オーミック電極8より小さい面積で形成している。
【0062】
上記構成の青色発光ダイオード素子は、固体あるいは気体原料を用いた分子線エピタキシ(MBE)法、レーザ分子線エピタキシ(レーザMBE)法、有機金属気相成長(MOCVD)法などの結晶成長手法で作製することができるが、本実施形態1では、レーザ分子線エピタキシ(以下、レーザMBEと称する)法で作製した。
【0063】
図2に、上記レーザMBE法で用いるレーザMBE装置100の概略構成を示す。
【0064】
上記レーザMBE装置100は超高真空に排気可能な成長室101を備えている。この成長室101の一方の側壁には、パルスレーザ光108が通過するビューポート107を設けている。そして、上記成長室101の他方の側壁には、ラジカルセル109と、成長室101内に複数のガスを導入できるようガス導入管110とを複数(図2では1つのみ示す)設けている。また、上記成長室101の上部には、基板103が固定された基板ホルダ102を配置している。この基板ホルダ102の上方にはヒータ104を配置し、基板ホルダ102の下方には所定の距離をおいてターゲットテーブル105を配置している。このターゲットテーブル105は、原料ターゲット106を上面(基板ホルダ102側の表面)上に複数配置できる。また、図示しないが、上記ターゲットテーブル105は回転機構を有している。
【0065】
上記ヒーター104は、基板ホルダー102の上面(原料ターゲット106とは反対側の表面)を加熱する。そうすると、上記基板ホルダー102の上面の熱が熱伝導により基板103に伝わって、基板103が加熱される。その後、上記ビューポート107を通じてパルスレーザ光108を原料ターゲット106の表面に照射し、原料ターゲット106の表面をアブレーションする。これにより、瞬時に蒸発した原料ターゲット106が基板103の下面に付着し、基板103下に薄膜が成長する。そして、上記パルスレーザ光108の照射シーケンスに同期してターゲットテーブル105の回転を制御することにより、異なる原料ターゲット106の表面にパルスレーザ光108を照射して、その異なる原料ターゲット106を上記薄膜に付着させることが可能となる。つまり、上記薄膜とは異なる薄膜を基板103下に成長させることが可能となる。また、上記ラジカルセル109によって活性化された原子状ビームを基板103に照射することも可能である。
【0066】
上記レーザMBE法は、原料ターゲットと、この原料ターゲットの表面をアブレーションすることで成長させた薄膜との間において組成ずれが小さく、またZnGa2O4などの意図しない副生成物の生成を抑えることができるので好ましい。
【0067】
以下、上記青色発光ダイオード素子の製造方法を順に説明する。
【0068】
まず、洗浄処理したサファイア基板1をレーザMBE装置100に導入し、温度600℃で30分間加熱して清浄化する。
【0069】
次に、基板温度を500℃に降温し、LiGaO2単結晶およびノンドープZnO単結晶を原料ターゲット106として用い、回転機構によるターゲットテーブル105の駆動周期と、KrFエキシマレーザのパルス照射周期とを外部制御装置(図示しない)によって同期させる。そして、上記LiGaO2単結晶およびノンドープZnO単結晶の表面を交互にKrFエキシマレーザでアブレーションして、LiGaO2とZnOとの交互積層により多層反射膜2を構成する。
【0070】
上記KrFエキシマレーザは、波長が248nm、パルス数が10Hz、出力1J/cm2のものである。なお、上記多層反射膜2の成長中には、ガス導入管110によりO2ガスを成長室101内に導入する。
【0071】
次に、ノンドープZnO単結晶と、Ga2O3を添加したZnO燒結体とを原料ターゲット106として用い、n型ZnOコンタクト層3を形成する。具体的には、上記ノンドープZnO単結晶の表面と、Ga2O3を添加したZnO燒結体の表面とを、所望のGaドーピング濃度が得られる比率で交互にアブレーションしてn型ZnOコンタクト層3を得る。
【0072】
次に、ノンドープZnO単結晶と、Ga2O3を添加したMgZnO燒結体とを原料ターゲット106として用い、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4を形成するためのエピタキシャル層を得る。具体的には、ノンドープZnO単結晶の表面と、Ga2O3を添加したMgZnO燒結体の表面とを、所望のMg組成とGaドーピング濃度が得られる比率で交互にアブレーションして、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4を形成するためのエピタキシャル層を得る。
【0073】
次に、ノンドープZnO単結晶、CdZnO燒結体およびMgZnO燒結体を原料ターゲット106として用い、ノンドープ量子井戸活性層5を形成するためのエピタキシャル層を得る。具体的には、ノンドープZnO単結晶、CdZnO燒結体およびMgZnO燒結体の表面を、所望のCd組成比およびMg組成比が得られる比率で順次アブレーションして、ノンドープ量子井戸活性層5を形成するためのエピタキシャル層を得る。このエピタキシャル層は、Mg0.1Zn0.9O障壁層とCd0.1Zn0.9O井戸層とより成っている。
【0074】
次に、上記ラジカルセル109よりプラズマ化したN2ガスを流しながら、ノンドープZnO単結晶およびノンドープMgZnO燒結体を原料ターゲット106として用い、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層6を形成するためのエピタキシャル層を成長させる。具体的には、ノンドープZnO単結晶およびノンドープMgZnO燒結体の表面を交互にアブレーションして、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層6を形成するためのエピタキシャル層を得る。
【0075】
次に、上記ラジカルセル109よりプラズマ化したN2ガスを流しながら、ノンドープZnO単結晶を原料ターゲット106として用い、そのノンドープZnO単結晶の表面をアブレーションして、p型ZnOコンタクト層7を形成するためのエピタキシャル層を得る。
【0076】
次に、上記サファイア基板1をレーザMBE装置100から取り出し、サファイア基板1の一部上にレジストマスクを形成する。そして、1重量%の硝酸水溶液を用いて、n型ZnOコンタクト層3上の複数のエピタキシャル層を部分的にエッチング除去する。これにより、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4から図中上方に向ってp型ZnOコンタクト層7までが形成される。
【0077】
次に、露出したn型ZnOコンタクト層3上にn型オーミック電極10としてAlを真空蒸着する。引き続き、上記レジストマスクを洗浄除去した後、p型ZnOコンタクト層7の上面全面に、p型オーミック電極8としてNi薄膜を真空蒸着する。このNi薄膜は高い透光性を有し、青色発光を80%透過する。
【0078】
最後に、上記p型オーミック電極8上にパッド電極9としてAuを真空蒸着する。
【0079】
なお、本実施形態1では、所望のMg組成およびGaドーピング濃度を、ZnO単結晶とGaドープMgZnO燒結体との2つの原料ターゲット106を交互アブレーションして制御したが、ZnO単結晶、ノンドープMgZnO燒結体およびGaドープZnO燒結体の3つの原料ターゲット106を打ち分けるなどの方法で制御してもよい。
【0080】
また、MgZnO燒結体を用いず、ZnO単結晶とMgO単結晶を交互アブレーションして所望組成のMgZnO混晶を得てもよい。
【0081】
更に、Ga2O3添加燒結体を用いず、蒸発セルを用いて金属Gaをドーピングしてもよい。
【0082】
本実施形態1の青色発光ダイオード素子をチップ状に分離してリードフレームに取り付け、n型オーミック電極10およびp型パッド電極9に配線を行った後、樹脂モールドし発光させたところ、発光ピーク波長420nmの青色発光が得られた。
【0083】
比較例1として、多層反射膜2を形成しない他は本実施形態1と同様にして青色発光ダイオード素子を作製したところ、素子寿命は本実施形態1の青色発光ダイオード素子と同程度であったが、発光強度は本実施形態1の青色発光ダイオード素子の20%程度であった。
【0084】
このように、上記多層反射膜2を形成すると、ノンドープ量子井戸活性層5から下側に放射される光を反射し、光取り出し効率の高い素子上面や側面に反射させるため、発光効率が著しく向上する。
【0085】
比較例2として、Cd0.2Zn0.8OとMg0.3Zn0.7Oとを用いて多層反射膜を形成した他は本実施形態1と同様にして青色発光ダイオード素子を作製したところ、本実施形態1の青色発光ダイオード素子と同等の発光強度を得るには、多層反射膜の積層回数を25対以上にする必要があった。
【0086】
これに対して、本発明に係る多層反射膜2は、屈折率の低い絶縁体酸化物と屈折率の高い酸化物半導体とを交互積層して形成したので、高反射率を得るのに積層数が少なくて済む。
【0087】
比較例3として、SiO2とTiO2を用いて多層反射膜を形成した他は本実施形態1と同様にして青色発光ダイオード素子を作製したところ、素子寿命は本実施形態1の青色発光ダイオード素子の1/100であり、発光強度は本実施形態1の青色発光ダイオード素子の40%程度であった。
【0088】
これに対して、本発明に係る多層反射膜2は、多層反射膜2上に成長させる層の材料と同じZnO系半導体で高屈折率層を形成し、そのZnO系半導体と格子整合する絶縁体酸化物で低屈折率層を形成している。これにより、上記多層反射膜2と、この多層反射膜2上に成長させる層との結晶性を高めて、素子寿命および発光強度を向上させることができる。
【0089】
図3に、本実施形態1の多層反射膜2に用いた絶縁体酸化物であるLiGaO2の結晶構造と、ZnO系半導体であるZnOの結晶構造とを示す。
【0090】
LiGaO2のような、αβO2なる構成の斜方晶酸化物は、ZnO系半導体のウルツ鉱構造に類似の結晶構造である。
【0091】
特に、上記αの元素がLi、NaおよびKのうちの少なくとも2つを含み、且つ、上記βの元素がAlとGaとの少なくとも一方を含む場合、上記斜方晶酸化物の面内格子定数はZnOの面内格子定数に極めて近くなる。また、その場合、上記斜方晶酸化物の構成元素の組成比を適切に選択することにより、斜方晶酸化物をZnO系半導体に格子整合させると共に、斜方晶酸化物の屈折率を制御することができる。
【0092】
このような斜方晶酸化物としては、本実施形態1のLi1-aNaaAlO2の他に、Li1-bNabGaO2、LiAl1-cGacO2およびNaAl1-dGadO2(但し、0≦a,b,c,d≦1)などを用いることができる。
【0093】
図4(a),(b)に、上記4つの酸化物に対して実効格子定数を求めた結果を示す。ここで「実効格子定数」とは、同一面内の6つの酸素原子で構成される六角形と同じ面積の正六角形を仮定し、この正六角形の一辺を成す酸素−酸素原子間距離と定義する。
【0094】
図4(a),(b)から判るように、Li1-aNaaAlO2、Li1-bNabGaO2、LiAl1-cGacO2およびNaAl1-dGadO2は、ZnOに対して全組成範囲で0.312〜0.344nmの格子定数差を制御できる。特に、Li0.5Na0.5AlO2およびLi0.75Na0.25GaO2は、ZnOと完全に格子整合する。このLi0.5Na0.5AlO2またはLi0.75Na0.25GaO2と、ZnOとで多層反射膜を構成した場合は、多層反射膜の結晶性を極めて高めることができる。
【0095】
上記多層反射膜2に用いるZnO系半導体としては、ZnOの他に、CdxZn1-xO、MgyZn1-yOおよびBezZn1-zOの少なくとも1つを用いることができる。
【0096】
特に、多層反射膜2の材料としては屈折率の高いCdZnO混晶が好ましいが、このCdZnO混晶は、Cd組成比が大きくなると結晶性と組成均一性とが劣り、吸収損失を生じるようになると発光効率が低下する。したがって、Cd組成比の範囲としては0〜0.2の範囲、つまりCdxZn1-xOのxが0<x≦0.2を満たして、且つ、CdZnO混晶のバンドギャップは活性層のバンドギャップより大きいことが好ましい。
【0097】
また、多層反射膜の材料としてMgZnO混晶を用いる場合は、Mg組成比は、0〜0.35の範囲が結晶性と組成均一性に優れ好ましく、特に、0〜0.33の範囲が結晶性と組成均一性により優れ好ましい。
【0098】
また、サファイアなどの異種基板上に本発明の多層反射膜を形成する場合、まずZnO系半導体層を形成し、そのZnO系半導体層上に絶縁体酸化物層を形成し、以後この順で交互積層することが好ましい。これは、上記絶縁体酸化物は、異種基板よりもZnO系半導体層との親和性が高く、異種基板上に直接形成するよりもZnO層系半導体層を形成した上に形成すると平坦性・結晶性が格段に向上するからである。したがって、上記ZnO系半導体層をバッファ層として積層した後、絶縁体酸化物を積層することにより、欠陥の極めて少ない多層反射膜を得ることができる。その結果、上記多層反射膜上にZnO系半導体エピタキシャル層を形成すると、ZnO系半導体エピタキシャル層の欠陥を極めて少なくすることができる。
【0099】
上記多層反射膜での光反射において、入射光は屈折率の高いZnO系半導体層から屈折率の低い絶縁体酸化物層への境界で反射されると位相が変化しないのに対して、絶縁体酸化物層からZnO系半導体層への境界で反射されると位相がπだけ変化する。したがって、上記多層反射膜を構成する一層当たりの層厚を、λ/(4n)(λ;入射光の波長(発光波長)、n;上記多層反射膜を構成する層の屈折率)とすると、入射光に対する各境界からの反射光位相が全て揃い、高い反射率が得られるので好ましい。
【0100】
本実施形態1においては、成長主面としてサファイアC面(0001)を用いたが、成長主面としてサファイアA面(11−20)を用いてもよい。
【0101】
また、基板に入射した発光を乱反射させるために、研磨やエッチングなどの公知の手法で基板裏面に凹凸を形成すれば、光取り出し効率が向上するので好ましい。
【0102】
また、本発明の高い発光効率を最大限の効果で得るためには、p型ZnOコンタクト層7にp型不純物を高ドープし低抵抗化することが好ましい。しかし、上記p型ZnOコンタクト層7にp型不純物を過剰にドーピングすると、キャリア損失および結晶性劣化が顕著となるので、p型ZnOコンタクト層7に対するp型不純物のドーピングは、5×1016〜5×1019cm-3のキャリア濃度範囲となるようにすることが好ましい。
【0103】
上記p型不純物としては、I族元素のLi、Cu、Agや、V族元素のN、As、Pなどを用いることができる。このI族元素およびV族元素の中で、NとLiおよびAgは活性化率が高いので特に好ましい。また、NはN2をプラズマ化し結晶成長中に照射する手法によって、結晶性を良好に保って高濃度ドーピングが行えるのでより好ましい。
【0104】
本実施形態1のように絶縁性基板を用いる場合は、多層反射膜2とn型MgZnOクラッド層4の間にn型コンタクト層3を形成し、このn型コンタクト層3上にn型オーミック電極10を形成する必要がある。上記n型コンタクト層3の材料としては、結晶性に優れキャリア濃度を高くできるZnOを用いることが好ましい。また、上記n型ZnOコンタクト層3のドーピング濃度は、1×1018〜1×1021cm-3の範囲内で調整されることが好ましく、5×1019〜5×1020cm-3の範囲内で調整されることがより好ましい。また、上記n型ZnOコンタクト層3の膜厚は、0.001〜1μmが好ましく0.005〜0.5μmがより好ましく、0.01〜0.1μmがより更に好ましい。
【0105】
また、n型ZnO系半導体層にドープするn型不純物としては、III族元素のB、Al、GaおよびInなどを用いることができる。このIII族元素のうち、ZnO系半導体中での活性化率が高いGaまたはAlが好ましい。
【0106】
また、上記p型オーミック電極8は、Niで形成していたが、Niの代わりにPt、Pd、Auなどで形成してもよい。また、Ni、Pt、PdおよびAuなどの金属材料を合金化して、p型オーミック電極を形成してもよい。これらのNi、Pt、Pd、Auなどの中でNiは、低抵抗で密着性の良いので、p型オーミック電極8の材料として好ましい。
【0107】
また、高い発光効率を最大限の効果で得るためには、本実施形態1で示したように、p型オーミック電極8が透光性を有するように形成して光取り出し効率を向上させることが好ましい。上記p型オーミック電極8において、良好なオーミック特性と高い透光性を両立する厚みとしては5〜200nmの範囲内が好ましく、30〜100nmの範囲がより好ましい。
【0108】
上記p型オーミック電極8の形成後にアニール処理を行うと、p型オーミック電極8の密着性が向上すると共に、p型オーミック電極8の接触抵抗が低減するので好ましい。上記アニール処理を行う場合、ZnO結晶に欠陥を生じずにアニール効果を得るには、アニール処理の温度を300〜400℃の範囲内に設定するのが好ましい。また、上記アニール処理における雰囲気はO2あるいは大気雰囲気中が好ましい。なお、上記アニール処理における雰囲気をN2にすると、p型オーミック電極8の抵抗が増大する。
【0109】
上記ボンディング用パッド電極9をp型オーミック電極8より小さな面積で形成することは、透光性電極の効果を損なわずにリードフレームへの実装プロセスが容易になるので好ましい。また、上記ボンディング用パッド電極9の材料としては、ボンディングが容易でZnO中へ拡散してもドナー不純物とならないAuが好ましい。また、上記p型オーミック電極8とボンディング用パッド電極9との間に、密着性や光反射性を向上させる目的で他の金属層を設けてもよい。
【0110】
上記n型オーミック電極10は、Alで形成していたが、TiやCrなどで形成してもよい。これらのAl、TiおよびCrなどの中でも、Alは低抵抗でコストが低いの点で好ましく、Tiは密着性の良いTiが好ましい。また、上記n型オーミック電極10は、Al、TiおよびCrなどの金属材料を合金化して形成してもよい。
【0111】
その他の構成は任意であり、本実施形態1によって限定されるものではない。
【0112】
(実施形態2)
本実施形態2の青色発光ダイオード素子は、多層反射膜2とは異なる多層反射膜と、Si基板とを用いた以外は上記実施形態1の青色発光ダイオード素子と同様に作製した。なお、以下では、図1で示した構成部と同一構成部については、図1における構成部と同一参照番号を用いて説明を行う。
【0113】
本実施形態2の青色発光ダイオードでは、Si基板の(111)面を主面として用いている。また、上記Si基板上の多層反射膜は、絶縁体酸化物の一例である厚さ75nmのScAlMgO4層と、酸化物半導体の一例である厚さ55nmのCd0.2Zn0.8O層とを交互に積層して構成している。上記ScAlMgO4層およびCd0.2Zn0.8O層は夫々5層づつある。
【0114】
本実施形態2の青色発光ダイオード素子を、チップ状に分離してリードフレームに取り付け、n型オーミック電極10およびp型オーミック電極9に配線を行った後、樹脂モールドし発光させたところ、発光ピーク波長420nmの青色発光が得られ、多層反射膜2を形成しない発光ダイオード素子に比べ8倍の発光強度が得られた。
【0115】
図5に、本実施形態2の多層反射膜の材料として用いたScAlMgO4の結晶構造を示す。
【0116】
上記ScAlMgO4のような、γαβO4またはγαO3(βO)nなる構造を有する酸化物は、ZnO系半導体と同じウルツ鉱構造を含む。なお、上記γ,α,βは単数または複数の原子、nは1以上の自然数である。
【0117】
図6および図7に、γαβO4またはγαO3(βO)nなる構造を有する絶縁体酸化物の格子定数とイオン半径の関係図を示す。
【0118】
図6および図7から判るように、上記γの元素がScとInとの少なくとも一方であり、且つ、上記αの元素がAl、FeおよびGaのうちの少なくとも1つであり、且つ、上記βの元素がMg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdのうちの少なくとも1つであるようにすることによって、γαβO4またはγαO3(βO)nなる構造を有する絶縁体酸化物は、ZnO系半導体に格子整合させることができると共に、屈折率を制御することができる。
【0119】
このような絶縁体酸化物には、本実施形態のScAlMgO4の他に、ScGaMgO4、ScAlMnO4、ScGaCoO4、ScAlCoO4、ScGaZnO4、ScAlZnO4、ScGaO3(ZnO)nおよびScAlO3(ZnO)nなどがZnO系半導体との格子不整合が極めて小さく好ましい。
【0120】
(実施形態3)
図8に、本実施形態3の青色発光ダイオード素子の模式断面図を示す。
【0121】
上記青色発光ダイオード素子は、基板の一例であるZnO基板31上に、多層反射膜の一例である多層反射膜32、n型ZnOコンタクト層33、第1導電型クラッド層の一例であるn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層34、活性層の一例であるノンドープ量子井戸発光層35、第2導電型クラッド層の一例であるp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層36、p型ZnOコンタクト層37が積層されている。ここで、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層34はGaが1×1018cm-3の濃度でドープされた厚さ1μmの層、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層36はNが1×1019cm-3の濃度でドープされた厚さ1μmの層、p型ZnOコンタクト層37はNが5×1019cm-3の濃度でドープされた厚さ0.3μmの層である。
【0122】
上記多層反射膜32は、ZnO基板31の中央部上のみに形成されている。そして、上記多層反射膜32は、絶縁体酸化物の一例である厚さ75nmのLiGaO2層と、酸化物半導体の一例である厚さ55nmのZnO層とを交互に積層することで構成している。上記LiGaO2層およびZnO層は夫々5層づつある。また、上記量子井戸発光層35は、厚さ5nmのMg0.1Zn0.9O障壁層と、厚さ4nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とを交互に積層することで構成している。上記Mg0.1Zn0.9O障壁層は8層あり、Cd0.1Zn0.9O井戸層は7層ある。
【0123】
また、上記n型ZnOコンタクト層33は、ZnO基板31および多層反射膜32を覆うように積層されている。これにより、上記n型ZnOコンタクト層33は、多層反射膜32の周囲においてZnO基板31と接触している。また、上記ZnOコンタクト層33は、Gaが3×1018cm-3の濃度でドープされ、多層反射膜32上の厚みが0.1μmになっている。
【0124】
また、上記p型ZnOコンタクト層37の主表面全面上には、厚さ15nmのp型オーミック電極38が積層されている。このp型オーミック電極38は、Ni層からなり、透光性を有している。また、上記p型オーミック電極38上には、Auから成る厚さ100nmのボンディング用パッド電極39をp型オーミック電極38より小さい面積で形成している。一方、上記ZnO基板31の下面全面には、Alから成るn型オーミック電極40を設けている。
【0125】
上記青色発光ダイオード素子をチップ状に分離してAgペーストでリードフレームに取り付け、p型パッド電極39に配線を行った後、樹脂モールドし発光させたところ、発光ピーク波長420nmの青色発光が得られた。上記青色発光ダイオード素子の発光強度は、多層反射膜32を形成しない発光ダイオード素子に比べて5倍に向上した。また、本実施形態3の青色発光ダイオード素子は、絶縁体基板を用いた上記実施形態1の青色発光ダイオード素子と比べて、発光強度が1.5倍向上し、動作電圧が0.3V低減した。
【0126】
このように、本実施形態3の青色発光ダイオード素子の発光強度が向上したのは、ZnO基板1上にエピタキシャル成長で形成される発光素子構造と、そのZnO基板1とが親和性に優れていることにより、結晶性が良好で欠陥の極めて少ない発光素子構造を作製することができたためであると考えられる。
【0127】
(実施形態4)
本実施形態4では、本発明の酸化物半導体発光素子の一例である青色半導体レーザ素子について説明する。
【0128】
図9に、本実施形態4の青色半導体レーザ素子20の模式斜視図を示す。
【0129】
上記青色半導体レーザ素子は、基板の一例であるサファイア基板41上に、多層反射膜の一例である第1多層反射膜42、n型ZnOコンタクト層43、第1導電型クラッド層の一例であるn型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層44、n型Mg0.1Zn0.9O光ガイド層45、活性層の一例である量子井戸発光層46、p型Mg0.1Zn0.9O光ガイド層47、第2導電型クラッド層の一例であるp型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層48、p型ZnOコンタクト層49が積層されている。なお、上記サファイア基板1はサファイアC面(0001)を主面としている。また、上記n型ZnOコンタクト層43はGaがドープされた厚さ0.1μmの層、n型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層44はGaがドープされた厚さ0.1μmの層、n型Mg0.1Zn0.9O光ガイド層45およびp型Mg0.1Zn0.9O光ガイド層47は共にGaがドープされた厚さ50nmの層、p型Mg0.1Zn0.9O光ガイド層47はNがドープされた厚さ50nmの層、p型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層48はNがドープされた厚さ1.0μmの層、p型ZnOコンタクト層49はNがドープされた厚さ0.5μmの層である。
【0130】
上記第1多層反射膜42は、絶縁体酸化物の一例である厚さ75nmのLiGaO2層と、酸化物半導体の一例である厚さ55nmのZnO層とを交互に積層して構成している。上記LiGaO2層およびZnO層は夫々5層づつある。また、上記量子井戸発光層46は、厚さ5nmのMg0.1Zn0.9O障壁層と、厚さ4nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とを交互に積層して構成している。上記Mg0.1Zn0.9O障壁層は2層あり、Cd0.1Zn0.9O井戸層は3層ある。
【0131】
また、上記p型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層48は、リッジストライプ状にエッチング加工されたリッジストライプ部を有している。このリッジストライプ部の側面は、Gaドープのn型Mg0.35Zn0.65O電流ブロック層50と、第1多層反射膜と同じ構成の第2多層反射膜51とによって埋め込まれている。
【0132】
また、上記n型Mg0.3Zn0.7Oクラッド層44から図中上方に向ってp型ZnOコンタクト層49までの層を形成するためのエピタキシャル層の一部をエッチングすることにより、n型ZnOコンタクト層43の表面の一部を露出させている。この露出したn型ZnOコンタクト層43の表面上には、n型オーミック電極42を形成している。
【0133】
なお、上記p型ZnOコンタクト層49の上に形成されているのは、p型オーミック電極53である。
【0134】
また、上記青色半導体レーザ素子は、上記リッジストライプ部が延びる方向に垂直なミラー端面に保護膜を蒸着された後、300μmに分離されたものである。
【0135】
上記青色半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長405nmの青色発振光が得られ、発振閾値電流は、第1,第2多層反射膜42,51を形成しない半導体レーザ素子に比べて30%低減した。このように、本発明の多層反射膜は、発光ダイオード素子のみならず、端面発光型の半導体レーザ素子においても、多層反射膜が光閉込め効率を向上させるので、閾値電流を低減させ、素子特性を向上させることができる。
【0136】
本実施形態4においては、基板としてサファイア基板を用いたが、上記実施形態3の製造方法と同様にして、ZnOなどの導電性基板を用いてもよい。
【0137】
また、多層反射膜は活性層に対して片側のみに設けても本発明の効果は発揮されるが、より大きな光閉じ込めや、対称性の良い光分布を得るためには、両側に設けることが好ましい。つまり、上記第1,第2多層反射膜42,51の一方だけ設けても本発明の効果を得られるが、より大きな光閉じ込めや、対称性の良い光分布を得る観点上、第1,第2多層反射膜42,51の両方を設けることが好ましい。
【0138】
上記実施形態1〜4においては、基板側から順に、n型クラッド層、活性層およびp型クラッド層を積層していたが、基板側から順に、p型クラッド層、活性層およびn型クラッド層を積層してもよい。
【0139】
また、本発明の酸化物半導体発光素子の基板として、SiまたはZnO単結晶から成る基板を用いてもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の酸化物半導体発光素子は、酸化物半導体と絶縁体酸化物とを交互に積層して多層反射膜を構成しているので、多層反射膜を構成する層の数を少なくしても、多層反射膜の反射率が高くなる。したがって、上記多層反射膜を構成する層の数を少なくして、製造工程を簡略化できると共に、製造コストを低減できる。
【0141】
また、上記多層反射膜の一部と、その多層反射膜上の第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層とを、共に酸化物半導体から構成しているので、結晶性に優れた発光素子構造を多層反射膜上に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施形態1の青色発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図2】 図2は上記青色発光ダイオード素子の製造に使用するレーザMBE装置の概略構成図である。
【図3】 図3は、LiGaO2の結晶構造とZnOの結晶構造とを示す図である。
【図4】 図4(a)はLiNaGaO2およびNaAlGaO2の組成と実行格子定数との関係を示す図であり、図4(b)はLiNaAlO2およびLiAlGaO2の組成と実行格子定数との関係を示す図である。
【図5】 図5はScAlMgO4の結晶構造を示す図である。
【図6】 図6はγαβO4構造の絶縁体酸化物の格子定数とイオン半径との関係を示す図である。
【図7】 図7はγαO3(βO)n構造の絶縁体酸化物の格子定数とイオン半径との関係を示す図である。
【図8】 図8は本発明の実施形態3の青色発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図9】 図9は本発明の実施形態4の青色半導体レーザ素子の模式断面図である。
【符号の説明】
1,41 サファイア基板
2,32 多層反射膜
4,34 n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層4
5,35,46 量子井戸発光層
6,36 p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層
31 ZnO基板
42 第1多層反射膜
51 第2多層反射膜
Claims (13)
- 基板上に、少なくとも、第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層が順次積層され、
上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層が酸化物半導体より成り、
上記基板と上記第1導電型クラッド層との間に、酸化物半導体と絶縁体酸化物とを交互に積層して成る多層反射膜を有し、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であり、
上記絶縁体酸化物が、αβO2(α,βは単数または複数の原子)なる構成の斜方晶構造を有し、
上記αの元素がLi、NaおよびKのうちの少なくとも1つを含み、且つ、上記βの元素がAlとGaとの少なくとも一方を含むことを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 基板上に、少なくとも、第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型クラッド層が順次積層され、
上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層が酸化物半導体より成り、
上記基板と上記第1導電型クラッド層との間に、酸化物半導体と絶縁体酸化物とを交互に積層して成る多層反射膜を有し、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体がZnO系半導体であり、
上記絶縁体酸化物が、γαβO4またはγαO3(βO)n(但し、γ,α,βは単数または複数の原子、nは1以上の自然数)なる構造を有し、
上記γの元素がScとInとの少なくとも一方であり、且つ、上記αの元素がAl、FeおよびGaのうちの少なくとも1つであり、且つ、上記βの元素がMg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdのうちの少なくとも1つであることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記第1導電型クラッド層、上記活性層および上記第2導電型クラッド層を構成する酸化物半導体がZnO系半導体であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体の面内格子定数に対して、上記絶縁体酸化物の面内格子定数が(100±3)%の範囲内に収まっていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記絶縁体酸化物が、Li1-aNaaAlO2、Li1-bNabGaO2、LiAl1-cGacO2、NaAl1-dGadO2(但し、0≦a,b,c,d≦1)のいずれか1つであることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記絶縁体酸化物が、ScAlMgO4、ScGaMgO4、ScAlMnO4、ScGaCoO4、ScAlCoO4、ScGaZnO4、ScAlZnO4、ScGaO3(ZnO)nおよびScAlO3(ZnO)nのうちのいずれか1つであることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記多層反射膜と上記第1導電型クラッド層との間に第1導電型ZnOコンタクト層を有することを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記基板がサファイア基板であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記基板が導電性基板であり、
上記多層反射膜が上記基板の中央部上のみに形成され、
上記基板において上記多層反射膜とは反対側の表面に第1導電型電極が形成されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記基板がSiまたはZnO単結晶から成ることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項1または2に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記多層反射膜に含まれる酸化物半導体が、ZnO、CdxZn1-xO、MgyZn1-yOおよびBezZn1-zOのうちのいずれか1つであることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項11に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記xが0<x≦0.2を満たすであることを特徴とする酸化物半導体発光素子。 - 請求項11に記載の酸化物半導体発光素子において、
上記yが0<y≦0.35を満たすことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
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