JP4190917B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を観察部に照射して、この光の照射により観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する内視鏡装置に関し、特に観察部に少なくとも2種類のマークが付与された観察部の画像データを取得する内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光学像を電気信号に変換するCCDなどの撮像素子を用いて、観察部の画像データを取得する内視鏡装置が医療分野において利用されている。これら内視鏡装置は、撮像素子を用いて取得した画像データをモニタなどに表示することにより、観察部の画像を複数の人間が同時に観察することができる利点を有し、また表示前に画像データに種々の画像処理を施すことにより、肉眼では認識することのできない組織変化なども表示する画像をモニタ上に表示することもでき、医療の発展に大きく貢献している。
【0003】
近年では、これらの内視鏡装置へ搭載される記憶装置の開発が進み、取得した画像データを内蔵メモリや、外部メモリに記憶し、次回に同一部位の画像データを取得して表示する際に、以前に取得した画像データを読み出して表示し、両者を比較する比較診断が頻繁に行われている。このような比較診断は、病変部位の経過観察の際に行われることが多く、特に投薬等の治療を行う際の経過観察あるいは手術後の経過観察などを行う際に有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの比較診断を行う際には、診断精度を向上させるために、以前に取得した画像データ(以下参照画像データと記載)をモニタ等に表示した時の病変部位近傍の表示状態、すなわち倍率あるいは表示角度等が、今回取得した画像データ(以下比較画像データと記載)をモニタなどに表示した時の病変部位近傍の表示状態と一致していることが望ましい。
【0005】
しかしながら、内視鏡装置を用いて画像を取得する場合には、観察部近傍の形状が複雑であるうえに、観察時の体腔の広がり方の違い等により、観察部そのものの形状が異なっている場合もあり、参照画像データ取得時と同一の状態で比較画像データを取得することは困難である。
【0006】
例えば、参照画像データ取得時と比較画像データ取得時とで、内視鏡装置のスコープ部先端と観察部との距離が異なれば、参照画像データと比較画像データの撮像倍率が異なり、これらの画像データをモニタ等に表示した場合には、同じ大きさの病変部位であっても、異なる大きさの病変部位画像として表示されてしまう。また参照画像データ取得時と比較画像データ取得時とで、観察部に対するスコープ部先端の回転角度が異なれば、参照画像データと比較画像データの撮像(回転)角度が異なり、これらの画像データをモニタ等に表示した場合には、同じ病変部位であっても、表示角度の異なる病変部位画像として表示されてしまう。
【0007】
すなわち、参照画像と比較画像を用いて比較診断を行う際に、表示される病変部位画像の倍率あるいは表示角度が異なることが多いため、診断者は即時に診断を下すことが難しく、特に細部の比較が難しいため、詳細を比較しようとすると診断効率が低下するという問題があった。また手動調整によりこれらの病変部位画像の倍率あるいは表示角度を調整することは可能ではあるが、煩わしい手動操作が必要である上に、目視による調整では、正確に参照画像と比較画像の倍率あるいは表示角度を一致させることは困難であり、詳細な比較は難しく、やはり診断効率が低下してしまう。
【0008】
さらに、例えば参照画像データ取得時と比較画像データ取得時とで、観察部に対する内視鏡装置のスコープ部先端の撮像角度が異なれば、参照画像データとして取得された部位の形状と、比較画像データとして取得された部位の形状は異なり、これらの画像データをモニタ等に表示した場合には、同じ形状の病変部位であっても、異なる形状の病変部位画像として表示されてしまう。また生体組織自体の伸張により、参照画像データ取得時と比較画像データ取得時とで、病変部位の形状そのものが変化してしまう場合もあり、この場合にも異なる形状の病変部位画像が表示され、参照画像と比較画像を用いて比較診断を行う際の診断効率が低下してしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて、参照画像データと比較画像データを用いて比較診断を行う際の診断効率を向上することのできる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による内視鏡装置は、光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
第1マークと該第1マークと異なる第2マークとが付与された観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記第1マークと前記第2マークとが付与された前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の前記第1マーク画像データと前記第2マーク画像データ間の距離が、前記第2画像データ内の前記第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに倍率補正処理を施す倍率補正手段を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、「再輻射光」とは、光を照射されたことにより観察部から発せられる光を意味し、具体的には、観察部から発せられる蛍光や、観察部で反射された反射光、あるいは観察部の表面付近で散乱し、その後射出された散乱光などを意味している。また、上記各マークは、比較診断を行う病変部位等の近傍に予め付与されているものである。
【0012】
本発明による他の内視鏡装置は、光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
第1マークと該第1マークと異なる第2マークとが付与された観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記第1マークと前記第2マークとが付与された前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の前記第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記第2画像データ内の前記第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、上記第1マークおよび第2マークは、比較診断を行う病変部位等の近傍に予め付与されているものである。また第1マークおよび第2マークは、第1マークと第2マークを結ぶ直線が、病変部位等のほぼ中心を通るように予め付与されていることが好ましい。また、「前記第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位」とは、画像面上において、第1マーク画像から第2マーク画像を見たときの方向を意味している。
【0014】
本発明のさらに他の内視鏡装置は、光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
第1マークと、該第1マークと異なる第2マークおよび第3マークにより規定された特定エリアを含む観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記特定エリアを含む前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の特定エリア画像データの形状が、前記第2画像データ内の特定エリア画像データの形状と略等しくなるように、前記第1画像データの特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに形状補正処理を施す形状補正手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
なお、上記マークは3つ以上付与されていればよいが、全マークにより形成される多角形内に病変部位等の比較診断部位が含まれていることが好ましい。
【0016】
また、上記各内視鏡装置においては、各「画像データ」は、アナログデータであっても、デジタルデータであってもよい。
【0017】
また、上記内視鏡装置は、上記補正処理後の前記第1画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記補正処理後の前記第2画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データ内の特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段をさらに備えたものであってもよい。
【0018】
また、上記の各内視鏡装置は、上記補正処理後の2つの画像データの輝度分布が略等しくなるように、この2つの画像データの少なくとも1つの画像データに輝度分布補正処理を施す輝度補正手段をさらに備えたものであってもよい。
【0019】
さらに、各内視鏡装置は、前記補正処理後の2つの画像データ間の演算処理により診断画像データを生成する診断画像生成手段をさらに備えたものであってもよい。
【0020】
上記前記診断画像生成手段は、前記補正処理後の2つの画像データの内、1つの画像データを半透明化し、他の画像データへ重畳して重畳診断画像データを生成する重畳診断画像生成手段を有するものであってもよい。
【0021】
また、上記診断画像生成手段は、前記補正処理後の2つの画像データの内、少なくとも1つの画像データ内の病変領域を該画像データに基づいて判定し、判定された病変領域の輪郭からなる輪郭画像データを生成し、該輪郭画像データを他の画像データに重畳して輪郭重畳診断画像データを生成する輪郭重畳診断画像生成手段を有するものであってもよい。なお、2つの画像データを重畳する際には、各画像データ内のマーク画像位置が略一致するように重畳することが好ましい。
【0022】
さらに、上記診断画像生成手段は、前記補正処理後の2つの画像データの対応する画素毎の差分に基づいた差分診断画像データを生成する差分診断画像生成手段を有するものであってもよい。なお、「対応する画素」とは、各画像データ内のマーク画像位置が略一致するような位置関係において、略同位置に存在する画素を意味している。
【0023】
前記光照射手段が、前記光として波長400nm〜420nmの励起光を前記観察部に照射するものであれば、前記画像取得手段は、前記励起光の照射により、前記観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光画像データを取得するものであってもよい。なお、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも1つの画像データを蛍光画像データとして取得してもよい。
【0024】
また、上記各マークは、生体接着剤により作成されるものであってもよい。また蛍光内視鏡を用いる場合であれば、前記マークは蛍光体を含んだ接着剤等により作成されることが好ましい。
【0025】
なお各補正手段は、補正処理を施した画像データを再度記憶し、その後出力するものであっても良いし、補正処理を施した画像データを記憶することなく、モニタなどの外部機器へ直接出力するものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明による内視鏡装置においては、記憶手段に記憶されている第1マークと第2マークとが付与された観察部の第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に取得した前記観察部の第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離が、前記第2画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに倍率補正処理を施す倍率補正手段を備えたことにより、補正処理後の第1画像データおよび第2画像データをモニタ等に表示した際に、第1画像および第2画像の表示倍率がほぼ等しくなり、両画像の比較が容易になり、比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0027】
本発明による他の内視鏡装置においては、記憶手段に記憶されている第1マークと第2マークとが付与された観察部の第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に取得した前記観察部の第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の前記第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記第2画像データ内の前記第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段を備えたことにより、補正処理後の第1画像データおよび第2画像データをモニタ等に表示した際に、第1画像および第2画像の表示角度がほぼ等しくなり、両画像の比較が容易になり、比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0028】
さらに他の内視鏡装置においては、記憶手段に記憶されている第1マーク、第2マークおよび第3マークとが付与された観察部の第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に取得した前記観察部の第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の特定エリア画像データの形状が、前記第2画像データ内の特定エリア画像データの形状と略等しくなるように、前記第1画像データ内の特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに形状補正処理を施す形状補正手段を備えたことにより、補正処理後の第1画像データおよび第2画像データをモニタ等に表示した際に、第1画像内の特定エリア画像および第2画像内の特定エリア画像の表示形状が略等しくなり、両特定エリア画像の比較が容易になり比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0029】
また、前記補正処理後の前記第1画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記補正処理後の前記第2画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データ内の特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段をさらに備えたものであれば、第1画像および第2画像に表示される特定エリアの形状に加え表示角度も略等しくなるため、両特定エリア画像の比較が一層容易になり、比較診断を行う際の診断効率がさらに向上する。
【0030】
さらに、例えば参照画像データ取得時と比較画像データ取得時とで、観察部に対する内視鏡装置のスコープ部先端の撮像角度が異なり、このため照明光の分布も異なってしまい、病変部位画像の輝度が変化してしまい、比較が困難になる場合があるが、補正処理後の2つの画像データの輝度分布が略等しくなるように、この2つの画像データの少なくとも1つの画像データに輝度分布補正処理を施す輝度補正手段を備えたものであれば、第1画像と第2画像、あるいは第1画像内の特定エリア画像と第2画像内の特定エリア画像の輝度分布が略等しくなるため、両画像の色合いを容易に比較することができる。
【0031】
さらに、各内視鏡装置が、前記補正処理後の2つの画像データ間の演算処理により診断画像データを生成する診断画像生成手段をさらに備えたものであれば、2つの画像データに含まれる情報を1つの画像データに抽出して診断画像データを生成することができる。
【0032】
上記診断画像生成手段が、前記補正処理後の2つの画像データの内、1つの画像データを半透明化し、他の画像データへ重畳して重畳診断画像データを生成する重畳診断画像生成手段、または前記補正処理後の2つの画像データの内、少なくとも1つの画像データ内の病変領域を該画像データに基づいて判定し、判定された病変領域の輪郭からなる輪郭画像データを生成し、該輪郭画像データを他の画像データに重畳して輪郭重畳診断画像データを生成する輪郭重畳診断画像生成手段、あるいは前記補正処理後の2つの画像データの対応する画素毎の差分に基づいた差分診断画像データを生成する差分診断画像生成手段を有するものであれば、これらの診断画像データをモニタ等に表示し、1枚の画像を観察することにより、比較診断を行うことができ、一層診断効率が向上する。
【0033】
また、上記光照射手段として、波長400nm〜420nmの励起光を前記観察部に照射するものを用いて、上記画像データ取得手段としては、前記励起光の照射により、前記観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光画像データを取得するものを用いれば、この蛍光画像データをモニタ等に表示することにより、生体の組織性状を反映する蛍光画像に基づいて比較診断を行うことができる。
【0034】
なお、上記各マークが、生体接着剤により作成されるものであれば、容易に生体等にもマークを付与することができる。さらに、本内視鏡装置として、蛍光内視鏡装置を用いる場合に、前記マークが蛍光体を含んだ接着剤等により作成されるものであれば、蛍光画像データにおいて、マーク画像データを容易に識別することができる。また蛍光画像上でマーク画像を容易に視認することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明による第1の具体的な実施の形態である内視鏡装置について説明する。図1は内視鏡装置の概略構成図であり、この内視鏡装置は生体観察部に、照明光であるR光(赤色光)Lr、G光(緑色光)Lg、B光(青色光)Lbを順次照射して、観察部で反射された反射光を内視鏡先端に取り付けられたCCD撮像素子で撮像し、観察部の画像データをカラー画像としてモニタ上に表示する面順次方式の内視鏡装置であり、事前に取得した第1画像としての参照画像と、該参照画像を取得してから所定時間経過後に取得した第2画像としての比較画像とを比較する際には、比較画像の表示状態と参照画像の表示状態が略等しくなるように、参照画像に倍率補正処理、回転補正処理および輝度分布補正処理を施した上で両画像をモニタ上に表示するものである。なお両画像をモニタ上に表示する際には、両画像を並べて表示する並列表示モード、参照画像を半透明化して比較画像に重畳した重畳診断画像を表示する重畳モードあるいは参照画像の病変領域の輪郭を比較画像に重畳した輪郭重畳診断画像を表示する輪郭重畳モードの中から所望のモードが選択可能である。
【0036】
本発明の第1の実施の形態にかかる内視鏡装置は、先端にCCD撮像素子を備え、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部100 、照明光を発する光源を備える光照射手段としての照明ユニット110 、CCD撮像素子の動作を制御するCCDドライバ120 、撮像した画像データをカラー画像として表示するための画像処理を行う通常画像処理ユニット130 、動作タイミングの制御、比較診断を行う際の補正処理あるいは表示制御等を行うコントローラ140 、撮像した画像を表示するモニタ150 、種々の設定入力を行う入力部160 とから構成されている。
【0037】
スコープ部100 は、内部に先端まで延びるライトガイド101 およびCCDケーブル102 を備えている。ライトガイド101 およびCCDケーブル102 の先端部、即ちスコープ部100 の先端部には、照明レンズ104 および対物レンズ105 を備えている。CCDケーブル102 の先端部には、CCD撮像素子106 が接続され、該CCD撮像素子106 には、プリズム107 が取り付けられている。
【0038】
ライトガイド101 は、照明ユニット110 へ接続されている。CCDケーブル102 は、CCD撮像素子106 の駆動信号が送信される駆動ライン103aと、CCD撮像素子106 から信号電荷を読み出す出力ライン103bが組み合わされ、駆動ライン103aの一端は、CCDドライバ120 に接続され、出力ライン103bの一端は、通常画像処理ユニット130 へ接続されている。
【0039】
照明ユニット110 は、白色光を射出するキセノンランプからなる白色光源111 、該白色光源111 に電気的に接続されている光源用電源112 、白色光源から射出される白色光を集光する集光レンズ113 、白色光をR光、G光およびB光に、順次色分解するための切換フィルタ114 、および切換フィルタ114 を回転させるフィルタ回転部115 を備えている。
【0040】
上記切換フィルタ114 は、図2に示すように、R光を透過するRフィルタ114a、G光を透過するGフィルタ114b、B光を透過するBフィルタ114cおよび遮光機能を有するマスク部114dとから構成されている。
【0041】
CCDドライバ120 は、CCD撮像素子106 の動作タイミングを制御する動作制御信号を出力するものである。
【0042】
通常画像処理ユニット130 は、CCD撮像素子106 で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路131 、該信号処理回路131 で得られた画像データをデジタル化するA/D 変換回路132 、デジタル化された画像データを各色毎に保存する画像メモリ133 、該画像メモリ133 から同時化されて出力された3色の画像データをビデオ信号に変換して出力するビデオ信号処理回路134 を備えている。
【0043】
なお、コントローラ140 は、各部位に接続され、動作タイミングを制御している。また、比較診断を行う際に、参照画像に補正処理を施す補正部141 および比較診断を行う際の表示動作を制御する比較表示制御部142 を備えている。補正部141 は、画像データを記憶する記憶部143、倍率補正処理を参照画像データに施す倍率補正部144 、回転補正処理を参照画像データに施す方位補正部145 および輝度補正処理を参照画像データに施す輝度補正部146 とを有している。また比較表示制御部142 は、重畳診断画像データを生成する重畳診断画像生成部147 および輪郭重畳診断画像データを生成する輪郭重畳診断画像生成部148とを有している。
【0044】
以下、本発明による第1の実施形態である内視鏡装置の動作について説明する。まず参照画像取得動作について説明を行い、次に比較画像の取得および参照画像の補正および両画像の表示動作の説明を行う。画像取得に先立ち、観察者はスコープ部100 を、被験者の体腔内に挿入し、スコープ部100 先端を観察部10の近傍に誘導する。なお、本実施例においては、図3に示すようみ、観察部10内の病変部位11近傍に第1マーク12および第2マーク13が付与されている。この第1マーク12および第2マーク13は、事前の内視鏡検査時にあらかじめ病変部位11近傍に付与されたもので、生体に無害な白色の色素が混入された生体接着剤、例えばアノアクリレート系外科用接着剤であるティシールあるいはベリプラスト等を用いて付与されたものであり、第1マーク12は2点のドットで形成され、第2マーク13は1点のドットで形成されている。また上記生体接着剤としてはヒストアクリールブルーやアロンアルファーA等も使用することができる。
【0045】
まず、R画像を取得する際の動作を説明する。コントローラ140 からの信号に基づき、光源用電源112 が駆動され、白色光源111 から白色光が射出される。白色光は、集光レンズ113 により集光され、切換フィルタ114 を透過する。切換フィルタ114 では、コントローラ140 からの信号に基づいて、Rフィルタ114aが光路上に配置されている。このため、白色光は、切換フィルタ114 を透過するとR光Lrとなる。R光Lrは、ライトガイド101 に入射され、スコープ部100の先端まで導光された後、照明レンズ104 から観察部10へ照射される。
【0046】
観察部10で反射されたR光Lrの反射光は、集光レンズ105 により集光され、プリズム107 に反射して、CCD撮像素子106 上にR光反射像Zrとして結像される。
【0047】
CCD撮像素子106 では、R光反射像Zrが受光され、光電変換により、光の強弱に応じた電気信号に変換されて出力される。CCD撮像素子106 より出力されたR画像の出力信号は、通常画像処理ユニット130 の信号処理回路131 で、プロセス処理を施されR画像データとして出力され、A/D 変換回路132でデジタル信号に変換されて、画像メモリ133 のR画像データの記憶領域へ記憶される。
【0048】
以後、所定時間が経過する毎に、G光を透過するGフィルタ114bおよびB光を透過するBフィルタ114cが順次光路上に配置され、上記と同様な動作によりG画像データおよびB画像データが取得され、それぞれ、画像メモリ133 のG画像データの記憶領域およびB画像データの記憶領域へ記憶される。
【0049】
3色の画像データ(以下RGB画像データと記載)が画像メモリ133 に記憶されると、表示タイミングに合わせて同時化されて出力され、ビデオ信号処理回路134 で、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、カラー画像として表示される。
【0050】
診断者は、このカラー画像を観察しながら、第1マーク12および第2マーク13がカラー画像のほぼ中央に適切な大きさで表示されるように、スコープ部100 の先端の位置を調整する。図4に示すような所望のカラー画像(以下参照画像14と記載)が表示されている時に、診断者は入力部160 を操作して、参照画像データを記憶させる指示を入力する。コントローラ140 では、この指示が入力された時にモニタ150 に表示されているカラー画像のRGB画像データを記憶部143 に記憶させる。この際この画像データを特定できる付加情報、例えば被験者名、撮像部位名あるいは撮像日時等をこのRGB画像データと共に記憶させる。
【0051】
上記の動作により参照画像データを記憶させてから、所定期間経過後に同一被験者の同一部位の内視鏡検査を行う。観察者はスコープ部100 を、再び被験者の体腔内に挿入し、スコープ部100 先端を第1マーク12および第2マーク13が付与されている観察部10の近傍に誘導する。前述した参照画像取得動作と同様の動作により、観察部10の画像データを取得し、カラー画像としてモニタ150 に表示する。
【0052】
第1マーク12および第2マーク13が付与されている観察部10の病変部位16のカラー画像が表示されると、診断者は第1マーク12および第2マーク13がこのカラー画像のほぼ中央に表示されるように、スコープ部100 の先端の位置を調整する。図5に示すような所望のカラー画像(以下比較画像15と記載)が表示されている時に、診断者は入力部160 を操作して、比較画像データを記憶させる指示を入力する。コントローラ150 では、この指示が入力された時にモニタ150 に表示されているカラー画像のRGB画像データを画像メモリ133 から読み出して記憶部143 に記憶させる。この際この画像データを特定できる付加情報、例えば被験者名、撮像部位名あるいは撮像日時等をこのRGB画像データと共に記憶させる。
【0053】
診断者が入力部160 を介して比較診断を指示すると、補正部141 は、上述の比較画像15の付加情報に基づいて参照画像14を記憶部143 から読み出す。
【0054】
なお、投薬の効果により病変部位11は病変部位16まで縮小しているが、図6の(a)に示すように比較画像15の倍率の方が参照画像14の倍率よりも大きいため、参照画像14と比較画像15を比較観察しても、病変部位の縮小を簡単に認識することは困難である。
【0055】
診断者は、比較診断の指示を入力する際には、同時に表示モードを指定する。両画像を並べて表示する並列表示モード、参照画像を半透明化して比較画像に重畳した重畳診断画像を表示する重畳モードあるいは参照画像の病変領域の輪郭を比較画像に重畳した輪郭重畳診断画像を表示する輪郭重畳モードの中から所望のモードが選択可能である。
【0056】
コントローラ140 の補正部141 では、上記の指示が入力されると、最初に倍率補正部144 において倍率補正処理が行われる。まず比較画像データの色分布から第1マークが撮像されている第1マーク画像データと第2マークが撮像されている第2マーク画像データを識別し、第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離(以下マーク間距離と記載)を計算により算出する。同様に、参照画像データの色分布から第1マーク画像データと第2マーク画像データを識別し、マーク間距離を算出する。その後比較画像データにおけるマーク間距離と、参照画像データにおけるマーク間距離とが略等しくなるように参照画像の倍率を変更して記憶部143 に補正参照画像データとして記憶させる。この時点での補正参照画像データおよび比較画像データを表示させれば、図6の(b)に示すような画像となる。
【0057】
次に、方位補正部145 において回転補正処理が行われる。比較画像データにおける第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位(以下マーク間方位と記載)と、補正参照画像データにおけるマーク間方位を算出し、その後比較画像データのマーク間方位と、補正参照画像データのマーク間方位とが略等しくなるように補正参照画像データを回転させて記憶部143 に再記憶させる。なお、第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位とは、これらの画像データをモニタ等に表示した際の画像平面上における第1マーク画像に対して、第2マーク画像の方向のなす角度を意味している。例えば第1マーク画像の画像平面の上方向を0度と規定して、時計方向をプラス角度に設定して、第2マーク画像の表示されている方向の角度を測定することにより方位を求めることができる。
【0058】
最後に、輝度補正部146 において輝度分布補正処理が行われる。比較画像データにおける輝度分布と、補正参照画像データにおける輝度分布を算出し、その後比較画像データの輝度分布と、補正参照画像データの輝度分布とが略等しくなるように補正参照画像データのγ補正処理あるいはコントラスト処理等の輝度分布補正処理を施して、輝度分布を変更して記憶部143 に再記憶させる。
【0059】
つぎに、まず表示モードとして並列表示モードが選択された場合の動作を説明する。比較表示制御部142 は、記憶部143 に記憶された比較画像データと補正参照画像データをビデオ信号処理回路134 に出力する。両画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図6の(c)に示すような補正参照画像14’および比較画像15として表示される。診断者は補正参照画像14’と比較画像15とを見比べることにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0060】
表示モードとして重畳モードが選択された場合には、重畳診断画像生成部147 は、まず記憶部143から補正参照画像データおよび比較画像データを読み出し、補正参照画像データを半透明化して比較画像データに重畳して重畳診断画像データを作成する。なお画像データを重畳する際には、比較画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置に、半透明化された補正参照画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置とが略一致するように重畳を行うものである。比較表示制御部142 は、この重畳診断画像データをビデオ信号処理回路134 に出力する。重畳診断画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図7の(a)に示すような重畳診断画像17として表示される。診断者はこの重畳診断画像17を観察することにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0061】
表示モードとして輪郭重畳モードが選択された場合には、輪郭重畳診断画像生成部147 は、まず記憶部143から補正参照画像データおよび比較画像データを読み出す。補正参照画像データの色分布等から病変領域を判定し、病変領域の輪郭および第1マーク画像データと第2マーク画像データからなる輪郭画像データを作成し、この輪郭画像データを比較画像データに重畳して輪郭重畳診断画像データを作成する。なお画像データを重畳する際には、比較画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置に、輪郭画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置が略一致するように重畳を行うものである。比較表示制御部142 は、この輪郭重畳診断画像データをビデオ信号処理回路134 に出力する。輪郭重畳診断画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図7の(b)に示すような輪郭重畳診断画像18として表示される。診断者はこの輪郭重畳診断画像18を観察することにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0062】
以上の説明で明らかなように、本発明による内視鏡装置においては、まず参照画像データにおけるマーク間距離と、比較画像データにおけるマーク間距離とが略等しくなるように、参照画像データに倍率補正処理を施し、次に参照画像データにおけるマーク間方位が、比較画像データにおけるマーク間方位と略等しくなるように参照画像データに回転補正処理を施し、さらに参照画像データにおける輝度分布と比較画像データにおける輝度分布とが略等しくなるように参照画像データに輝度分布補正処理を施して、補正参照画像データを作成し、この補正参照画像データと比較画像データをモニタに表示したため、補正参照画像14’に表示される病変部位11近傍の画像と、比較画像15に表示される病変部位16近傍の画像の倍率、表示方位および輝度分布がほぼ等しくなるので、両画像の比較が容易になり、比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0063】
また、表示モードとして、重畳モードが選択された場合には、1つの画像を観察することにより、比較診断を行うことができ、一層診断効率が向上する。さらに、輪郭重畳モードが選択された場合には、時間経過に伴い病変部位が拡大しているのか縮小しているかが、容易に視認可能となりさらに比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0064】
また、表示モードとしては、対応する画素毎に補正参照画像データにおける輝度から比較画像データにおける輝度を差し引いた差分値を算出し、該差分値に疑似カラーを当てはめた差分診断画像データを生成して、この差分診断画像データをモニタ等に表示する差分モードをさらに備えてもよい。
【0065】
なお、比較画像15を取得した際に、適宜必要に応じて、倍率補正処理、方位補正処理および輝度分布補正処理のうち、1つあるいは2つの補正処理のみを施してもよい。また、本実施の形態においては、参照画像データに補正処理を施すことにより、参照画像データと比較画像データとの表示状態が略等しくなるようにしているが、変形例として、比較画像データに上述した各補正処理を施す内視鏡装置、あるいは参照画像データおよび比較画像データの両画像データに補正処理を施す内視鏡装置も考えられる。また、画像データを重畳する際に、比較画像データを透明化して、あるいは比較画像データから輪郭画像データを作成して、補正参照画像データに重畳してもよい。
【0066】
次に、図8および図9を参照して、本発明による第2の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置について説明する。図8は蛍光内視鏡装置の概略構成図である。なお、図8においては、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0067】
この蛍光内視鏡装置は、生体観察部に、照明光(Lr、Lg、Lb)を順次照射して、観察部で反射された反射光を蛍光内視鏡先端に取り付けられたCCD撮像素子で撮像し、観察部の画像データをカラー画像としてモニタ上に表示する通常画像表示機能に加え、生体観察部に励起光を照射して、観察部から発せられた蛍光を、内視鏡先端に取り付けられたCCD撮像素子で撮像し、蛍光像を所定波長帯域の信号強度の相対的比率に応じた疑似カラー画像である蛍光診断画像として、モニタ上に表示する蛍光診断画像表示機能を有するものである。蛍光診断画像を表示する場合には、事前に取得した第1画像としての参照画像と参照画像を取得してから所定時間経過後に取得した第2画像である比較画像との比較が可能であり、画像を比較する際には、比較画像の表示状態と参照画像の表示状態が略等しくなるように、参照画像に形状補正処理および回転補正処理を施した上で両画像をモニタ上に表示するものである。なお比較画像と参照画像をモニタ上に表示する際には、両画像を並べて表示する並列表示モード、参照画像を半透明化して比較画像に重畳した重畳診断画像を表示する重畳モード、参照画像の病変領域の輪郭を比較画像に重畳した輪郭重畳診断画像を表示する輪郭重畳モードあるいは対応する画素毎に参照画像の相対的比率から比較画像の相対的比率を差し引いた差分を求め、該差分に基づいた差分診断画像を表示する差分モードの中から所望のモードが選択可能である。
【0068】
本発明の第2の実施の形態にかかる蛍光内視鏡装置は、先端にCCD撮像素子205 を備え、患者の病巣と疑われる部位に挿入されるスコープ部200、通常像撮像用の照明光を発する光源と、蛍光像撮像用の励起光を発する光源を備える照明ユニット210 、CCD撮像素子の動作を制御するCCDドライバ220 、通常画像処理ユニット130 、蛍光像を所定波長帯域の信号強度の相対的比率に応じた疑似カラー画像として表示するための画像処理を行う蛍光画像処理ユニット230 、動作タイミングの制御や、比較診断を行う際の補正処理や表示制御等を行うコントローラ240 、通常画像または蛍光診断画像を表示するモニタ150 、種々の設定入力を行う入力部260 とから構成されている。
【0069】
スコープ部200は、内部に先端まで延びるライトガイド201 およびCCDケーブル202 を備えている。ライトガイド201 およびCCDケーブル202 の先端部、即ちスコープ部200の先端部には、照明レンズ104 および対物レンズ105 を備えている。ライトガイド201 は、照明光用のライトガイド201a、励起光用のライトガイド201bがバンドルされ、ケーブル状に一体化されており、各ライトガイドは、照明ユニット210 へ接続されている。CCDケーブル202 の先端部には、微少な帯域フィルタがモザイク状に組み合わされたモザイクフィルタ204 がオンチップされたCCD撮像素子205 が接続され、該CCD撮像素子205 には、プリズム107 が取り付けられている。
【0070】
モザイクフィルタ204 は、図9に示すように、430nm〜530nmの波長帯域の光を透過させる狭帯域フィルタ204aと、430nm〜700nmの波長帯域の光を透過させる広帯域フィルタ204bが交互に組み合わされ、各帯域フィルタはCCD撮像素子205 の画素に一対一で対応している。
【0071】
CCDケーブル202 は、CCD撮像素子205 の駆動信号が送信される駆動ライン203aと、CCD撮像素子205 から信号電荷を読み出す出力ライン203bおよび203cが組み合わされ、駆動ライン203aの一端は、CCDドライバ220 に接続され、出力ライン203bの一端は、蛍光画像処理ユニット230 へ接続され、出力ライン203cの一端は、通常画像処理ユニット130 へ接続されている。
【0072】
照明ユニット210 は、白色光源111 と、光源用電源112 と、集光レンズ113 と、切換フィルタ114 と、フィルタ回転部115 と、蛍光像撮像用の励起光Leを発するGaN系半導体レーザ211 と、該GaN系半導体レーザ211 に電気的に接続されている励起光源用電源212 と、集光レンズ213 とを備えている。
【0073】
CCDドライバ220 は、CCD撮像素子205 の動作タイミングを制御する動作制御信号を出力するものである。
【0074】
蛍光画像処理ユニット230 は、CCD撮像素子205 で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路231 、該信号処理回路231 で得られた画像信号をデジタル化するA/D 変換回路232 、デジタル化された画像信号をモザイクフィルタ201の対応する光学フィルタ毎に保存する画像メモリ233 、該画像メモリ233 に記憶された狭帯域フィルタ204aを透過した狭波長帯域の画像信号(以後狭帯域画像信号と記載)と広帯域フィルタ204bを透過した広波長帯域の画像信号(以後広帯域画像信号と記載)から疑似カラー画像信号である蛍光画像データを作成する蛍光画像生成回路234、この蛍光画像生成回路から出力された蛍光画像データをビデオ信号に変換して出力するビデオ信号処理回路235 を備えている。
【0075】
なお、コントローラ240 は、各部位に接続され、動作タイミングを制御している。また、比較診断を行う際に、参照画像に補正処理を施す補正部241 および比較診断を行う際の表示動作を制御する比較表示制御部242 を備えている。補正部241 は、画像データを記憶する記憶部243、形状補正処理を参照画像データに施す形状補正部244 および回転補正処理を参照画像データに施す方位補正部245 とを有している。また比較表示制御部242 は、重畳診断画像データを生成する重畳診断画像生成部247 、輪郭重畳診断画像データを生成する輪郭重畳診断画像生成部248および差分診断画像データを生成する差分診断画像生成部249 とを有している。
【0076】
以下、本発明による蛍光内視鏡装置の作用について説明する。なお、本実施の形態においては、照明光(Lr、Lg、Lb)の照射と、通常像(Zr、Zg、Zb)の撮像と、励起光Leの照射と蛍光像Zjの撮像とを、時分割で行ない、通常画像および蛍光診断画像を同時にモニタ150 上に表示してもよいし、切り替え動作により、どちらか一方を行ない、通常画像または蛍光診断画像をモニタ150 上に表示してもよい。照明光(Lr、Lg、Lb)の照射と、通常像(Zr、Zg、Zb)の撮像および通常画像の表示を行うための画像処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略し、励起光Leの照射と、蛍光像Zjの撮像と、蛍光診断画像の表示および、蛍光診断画像の比較を行うため動作に関し以下詳細な説明を行う。
【0077】
画像取得に先立ち、観察者はスコープ部200 を、被験者の体腔内に挿入し、スコープ部200 先端を観察部10の近傍に誘導する。なお、本実施例においては、観察部10内の病変部位11近傍に図10に示すような第1マーク21、第2マーク22、第3マーク23、第4マーク24および第5マーク25が付与されている。これらのマークは、事前の内視鏡検査時にあらかじめ病変部位11近傍に付与されたもので、生体に無害な蛍光体が混入された生体接着剤、例えばシアノアクリレート系外科用接着剤であるティシールあるいはベリプラスト等を用いて付与されたものであり、第1マーク21は2点のドットで形成され、第2マーク22、第3マーク23、第4マーク24および第5マーク25は1点のドットで形成されている。なお、通常画像上に上記マークが表示されない方が好ましい場合には、無色な生体接着剤を使用すればよいし、通常画像上に、上記マークが表示された方が好ましい場合には、生体内で目立つ色が付与された生体接着剤を使用すればよい。
【0078】
まず参照画像取得動作について説明を行い、次に比較画像の取得および補正参照画像の作成動作の説明を行う。コントローラ240 からの信号に基づき、励起光源用電源212 が駆動され、GaN系半導体レーザ211 から波長410nmの励起光Leが射出される。励起光Leは、レンズ213 を透過し、ライトガイド201 に入射され、スコープ部先端まで導光された後、照明レンズ104 から観察部10へ照射される。
【0079】
励起光Leを照射されることにより生じる観察部10からの蛍光は、集光レンズ105 により集光され、プリズム107 に反射して、モザイクフィルタ204 を透過して、CCD撮像素子205 上に蛍光像Zjとして結像される。
【0080】
CCD撮像素子205 では、蛍光像Zjが受光されて、光電変換され光の強弱に応じた電気信号として蛍光画像処理ユニット230 へ出力される。
【0081】
CCD撮像素子205から出力された信号は、蛍光画像処理ユニット230 の信号処理回路231 で、プロセス処理を施され画像信号として出力され、A/D 変換回路232でデジタル信号に変換されて、狭帯域画像信号と広帯域画像信号とに分けて、画像メモリ233 の記憶領域へ記憶される。蛍光画像生成回路234 では、隣接する画素毎に狭帯域の画像信号と広帯域の画像信号の信号強度の比(以下信号強度比と記載)を算出し、その信号強度比に基づいた色情報すなわち疑似カラーを当てはめた蛍光画像データを作成し、表示タイミングに合わせてビデオ信号処理回路235 へ出力する。ビデオ信号処理回路235 では、蛍光画像データをビデオ信号に変換し、モニタ150 に出力する。モニタ150 には、疑似カラー画像である蛍光診断画像が表示される。
【0082】
なお、蛍光診断画像は、広帯域画像信号の信号強度と狭帯域画像信号の信号強度の相対的比率の変化に応じて表示色が変化する疑似カラーで表示されている。正常組織から発せられた蛍光と、病変組織から発せられた蛍光の表示色の差異が明らかになるような疑似カラーを設定することが好ましい。例えば正常組織から発せられた蛍光は白色となり、病変組織から発せられた蛍光はピンクあるいは他の色となるように、疑似カラー表示することにより、観察者は病変組織を容易に認識することができる。
【0083】
診断者は、この蛍光診断画像を観察しながら、第1マーク21〜第5マーク25が蛍光診断画像のほぼ中央に適切な大きさで表示されるように、スコープ部200 の先端の位置を調整する。図11に示すような所望の蛍光診断画像(以下参照画像26と記載)が表示されている時に、診断者は入力部260 を操作して、参照画像データを記憶させる指示を入力する。コントローラ240 では、この指示が入力された時にモニタ150に表示されている蛍光診断画像の蛍光画像データ(以下参照画像データと記載)を蛍光画像生成回路234 から読み出して記憶部243 に記憶させる。この際この画像データを特定できる付加情報、例えば被験者名、撮像部位名あるいは撮像日時等をこの画像データと共に記憶させる。
【0084】
上記の動作により参照画像データを記憶させてから、所定期間経過後に同一被験者の同一部位の内視鏡検査を行う。観察者はスコープ部200 を、再び被験者の体腔内に挿入し、スコープ部200 先端を第1マーク21〜第5マーク25が付与されている観察部10の近傍に誘導する。前述した参照画像取得動作と同様の動作により、観察部10の画像データを取得し、カラー画像としてモニタ150 に表示する。
【0085】
第1マーク21〜第5マーク25が付与されている観察部10の病変部位16のカラー画像が表示されると、診断者は第1マーク21〜第5マーク25がこのカラー画像のほぼ中央に表示されるように、スコープ部200 の先端の位置を調整する。図12に示すような所望のカラー画像(以下比較画像27と記載)が表示されている時に、診断者は入力部260 を操作して、比較画像データを記憶させる指示を入力する。コントローラ240 では、この指示が入力された時にモニタ150に表示されている蛍光診断画像の蛍光画像データ(以下比較画像データと記載)を蛍光画像生成回路234 から読み出して記憶部243 に記憶させる。この際この画像データを特定できる付加情報、例えば被験者名、撮像部位名あるいは撮像日時等をこの画像データと共に記憶させる。
【0086】
診断者が入力部260 を介して比較診断を指示すると、補正部241は、上述の比較画像27の付加情報に基づいて参照画像26を記憶部243から読み出す。
【0087】
なお、投薬の効果により病変部位11は病変部位16まで縮小しているが、図13の(a)に示すように比較画像27に比べて参照画像26が歪んでいるため、参照画像26と比較画像27を比較観察しても、病変部位の縮小を簡単に認識することは困難である。
【0088】
診断者は、比較診断の指示を入力する際には、同時に表示モードを指定する。並列表示モード、重畳モード、輪郭重畳モードあるいは差分モードの中から所望のモードが選択可能である。
【0089】
コントローラ240 の補正部241 では、上記の指示が入力されると、最初に形状補正部244 において形状補正処理が行われる。まず比較画像データの色分布から第1マーク21〜第5マーク25が撮像されている第1マーク画像データ〜第5マーク画像データを識別する。その後、第1マーク画像データ、第2マーク画像データおよび第3マーク画像データに囲まれた三角形状のエリアの形状補正処理を行う。形状補正処理を行う際には、比較画像データにおける第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離、第2マーク画像データと第3マーク画像データ間の距離と、第3マーク画像データと第1マーク画像データ間の距離が、参照画像データにおけるおける第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離、第2マーク画像データと第3マーク画像データ間の距離と略等しくなるように三角形状のエリアの形状を補正する形状補正処理を参照画像データに施す。順次同様の形状補正処理を、第1マーク画像データ、第3マーク画像データおよび第4マーク画像データに囲まれた三角形状のエリアおよび、第1マーク画像データ、第4マーク画像データおよび第5マーク画像データに囲まれた三角形状のエリアにおいても施し、これらの第1マーク画像データ〜第5マーク画像データで囲まれた多角形エリアの画像データを記憶部243 に補正参照画像データとして記憶させる。この時点での補正参照画像データおよび比較画像データを表示させれば、図13の(b)に示すような画像となる。なお形状補正処理は各マークにより囲まれたエリアのみに施されるため、補正参照画像としては各マークにより囲まれたエリアのみが表示される。なお、上記形状補正処理を行う際には、各マークに囲まれたエリアの位置関係も略同一となるように、補正処理を施す。例えば両画像の各エリアの重心位置を求め、その位置関係が等しくなるように補正処理を施せばよい。
【0090】
次に、方位補正部245 において回転補正処理が行われる。比較画像データにおける第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位(以下マーク間方位と記載)と、補正参照画像データにおけるマーク間方位を算出し、その後比較画像データのマーク間方位と、補正参照画像データのマーク間方位が略等しくなるように補正参照画像データを回転させて記憶部243 に再記憶させる。なお、回転補正処理を施す際には、例えば補正参照画像データにおける全マークで囲まれたエリアの重心位置を求め、その重心位置と第1マーク画像間の方位と、比較画像データにおける全マークで囲まれたエリアの重心位置を求め、その重心位置と第1マーク画像間の方位とが略等しくなるように、補正参照画像データに回転補正処理を施してもよい。
【0091】
つぎに、まず表示モードとして並列表示モードが選択された場合の動作を説明する。比較表示制御部242 は、記憶部243 に記憶された比較画像データと補正参照画像データをビデオ信号処理回路235 に出力する。両画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図13の(c)に示すような補正参照画像26’および比較画像27として表示される。診断者は補正参照画像26’および比較画像27を見比べることにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0092】
表示モードとして重畳モードが選択された場合には、重畳診断画像生成部247 は、まず記憶部243から補正参照画像データおよび比較画像データを読み出し、補正参照画像データを半透明化して比較画像データに重畳して重畳診断画像データを作成する。なお画像データを重畳する際には、比較画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置に、半透明化された補正参照画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置が略一致するように重畳を行うものである。比較表示制御部242 は、この重畳診断画像データをビデオ信号処理回路235 に出力する。重畳診断画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図14の(a)に示すような重畳診断画像28として表示される。診断者はこの重畳診断画像28を観察することにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0093】
表示モードとして輪郭重畳モードが選択された場合には、輪郭重畳診断画像生成部247 は、まず記憶部243から補正参照画像データおよび比較画像データを読み出す。補正参照画像データの色分布等から病変領域を判定し、病変領域の輪郭および第1マーク画像データと第2マーク画像データからなる輪郭画像データを作成し、この輪郭画像データを比較画像データに重畳して輪郭重畳診断画像データを作成する。なお画像データを重畳する際には、比較画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置に、輪郭画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置が略一致するように重畳を行うものである。比較表示制御部242 は、この輪郭重畳診断画像データをビデオ信号処理回路235 に出力する。輪郭重畳診断画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図14の(b)に示すような輪郭重畳診断画像29として表示される。診断者はこの輪郭重畳診断画像29を観察することにより、病変部位16が病変部位11に比べ縮小していることを容易に識別できる。
【0094】
表示モードとして差分モードが選択された場合には、差分診断画像生成部249 は、まず記憶部243から補正参照画像データおよび比較画像データを読み出す。次に補正参照画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置に、比較画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データの位置が略一致するように比較画像データの画素位置を移動させる。その後補正参照画像データおよび比較画像データの各画素毎に、まず画像データ(色情報)から信号強度比を逆算し、補正参照画像データの信号強度比から比較画像データの信号強度比を差し引き、その値に疑似カラーを当てはめた差分診断画像データを作成する。比較表示制御部242 は、この差分診断画像データをビデオ信号処理回路235 に出力する。差分診断画像データは、ビデオ信号に変換されて、モニタ150 に出力され、図14の(c)に示すような差分診断画像30として表示される。
【0095】
なお、差分診断画像は、対応する画素間の信号強度比の差分の変化に応じて表示色が変化する疑似カラーで表示されている。例えば組織性状が改善された時(例えば癌→正常等)に差分が負の値となり、組織性状が悪化した時(例えば正常→癌等)に差分が正の値となる場合であれば、負の値に対して緑を割り当て、正の値に対して赤を割り当てて疑似カラー表示することにより、観察者は組織性状の変化を容易に認識することができる。あるいは負の値(緑)→0値(黄色)→正の値(赤)と成るように、割り当てる疑似カラーを連続的に変化させてもよい。
【0096】
以上の説明で明らかなように、本発明による内視鏡装置においては、まず参照画像データにおける3つのマークで規定されたそれぞれのエリアの形状が、比較画像データにおける対応するマークで規定されたそれぞれのエリアの形状と略等しくなるように、参照画像データに形状補正処理を施し、次に参照画像データにおけるマーク間方位が、比較画像データにおけるマーク間方位と略等しくなるように参照画像データに回転補正処理を施して、補正参照画像データを作成し、この補正参照画像データと比較画像データをモニタに表示したため、補正参照画像26’に表示される病変部位11近傍の画像の表示状態と、比較画像27に表示される病変部位16近傍の画像の表示状態とがほぼ等しくなるので、両画像の比較が容易になり、比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0097】
また、各マークが蛍光体を含んだ接着剤により作成されているため、コントローラ240 の補正部241 では、蛍光画像データ内のマーク画像データを容易に識別することができる。また補正参照画像データと比較画像データをモニタに表示する際にも、マーク画像を容易に視認することができる。
【0098】
また、表示モードとして重畳診断画像表示モードが選択された場合には、1つの画像を観察することにより、比較診断を行うことができ、一層診断効率が向上する。さらに、輪郭重畳モードが選択された場合には、時間経過に伴い病変部位が拡大しているのか縮小しているかが、容易に視認可能となりさら比較診断を行う際の診断効率が向上する。差分モードが選択された場合には、時間経過に伴い組織性状が改善されているのか、悪化しているのかが容易に視認可能となり一層比較診断を行う際の診断効率が向上する。
【0099】
なお、比較画像27を取得した際に、適宜必要に応じて、形状補正処理あるいは方位補正処理のみを施してもよい。また、本実施の形態においては、第1マーク21〜第5マーク25の5つのマークを用いたがこれに限定されるものではなく、マークは、3つ以上であれば幾つ用いてもよい。マーク数が少なければ、補正処理動作が簡単化され、短時間で補正処理を行うことができる。また、マーク数が多ければ、補正処理動作は複雑になるものの、小さなエリア内で歪みを補正することができ、補正精度が向上する。
【0100】
なお、本実施の形態におては、通常画像の比較は行っていないが、蛍光診断画像の比較と同様に、あるいは第1の実施の形態に記載されている比較動作と同様な動作により、通常画像の比較を行ってもよい。
【0101】
また、各実施の形態においては、参照画像データに補正処理を施して、比較画像データと表示状態が略等しくなるようにしているが、変形例として、比較画像データに上述した各補正処理を施す蛍光内視鏡装置、あるいは参照画像データおよび比較画像データの両画像データに補正処理を施す蛍光内視鏡装置も考えられる。また、画像データを重畳する際に、比較画像データを透明化して、あるいは比較画像データから輪郭画像データを作成して、補正参照画像データに重畳してもよい。また、必要に応じて、輝度補正処理を行ってもよい。
【0102】
また、並列表示モードが選択された際には、モニタ150 に2つの画像を表示しているが、モニタを2つ設け、それぞれ別個のモニタに表示してもよい。なお、このように2つのモニタにそれぞれ補正参照画像および比較画像を表示する場合等には、補正参照画像データにおける全マークで囲まれたエリアの重心位置と、比較画像データにおける全マークで囲まれたエリアの重心位置とが略等しくなうように、どちらか一方の画像データに位置補正処理を施しておくことが好ましく、各モニタ内の同じ位置に全マークで囲まれたエリアの画像が表示されることにより、一層診断効率が向上する。
【0103】
なお、各実施の形態においては、比較画像としては、静止画像または動画を用いることができる。比較画像として動画を用いる場合には、高速動作可能なコントローラが必要であるが、リアルタイムで表示される比較画像に対して、補正を施した参照画像を順次表示することにより、内視鏡操作を中断することなく、比較診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の具体的な実施の形態である内視鏡装置の概略構成図
【図2】切換フィルタの概略構成図
【図3】病変部位およびマークの模式図
【図4】参照画像の模式図
【図5】比較画像の模式図
【図6】参照画像、補正参照画像および比較画像の模式図
【図7】重畳診断画像および輪郭重畳診断画像の模式図
【図8】本発明による第2の具体的な実施の形態である蛍光内視鏡装置の概略構成図
【図9】モザイクフィルタの概略構成図
【図10】病変部位およびマークの模式図
【図11】参照画像の模式図
【図12】比較画像の模式図
【図13】参照画像、補正参照画像および比較画像の模式図
【図14】重畳診断画像および輪郭重畳診断画像の模式図
【符号の説明】
10 観察部
11,16 病変部位
12,13,21,22,23,24,25 マーク
14,26 参照画像
14’,26’ 補正参照画像
15,27 比較画像
17,28 重畳診断画像
18,29 輪郭重畳診断画像
30 差分診断画像
100,200 スコープ部
106,205 CCD撮像素子
110,210 照明ユニット
120,220 CCDドライバ
130 通常画像処理ユニット
140,240 コントローラ
141,241 補正部
142,242 表示制御部
143,243 記憶部
144 倍率補正部
145,245 方位補正部
146 輝度補正部
147,247 重畳診断画像生成部
148,248 輪郭重畳診断画像生成部
150 モニタ
204 モザイクフィルタ
230 蛍光画像処理ユニット
244 形状補正部
249 差分診断画像生成部

Claims (10)

  1. 光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
    第1マークと該第1マークと異なる第2マークとが付与された観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記第1マークと前記第2マークとが付与された前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離が、前記第2画像データ内の第1マーク画像データと第2マーク画像データ間の距離と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに倍率補正処理を施す倍率補正手段を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
  2. 光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
    第1マークと該第1マークと異なる第2マークとが付与された観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記第1マークと前記第2マークとが付与された前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記第2画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
  3. 光を観察部に照射する光照射手段と、前記光の照射により前記観察部から発せられた再輻射光に基づく画像データを取得する画像取得手段とを備えてなる内視鏡装置において、
    第1マークと、該第1マークと異なる第2マークおよび第3マークとが付与され、前記第1マーク、第2マークおよび第3マークにより規定された特定エリアを含む観察部に光を照射して取得した画像データを第1画像データとして記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶されている前記第1画像データと、前記第1画像データを記憶してから所定時間経過後に、前記特定エリアを含む前記観察部に光を照射して取得した第2画像データとを比較し、前記第1画像データ内の特定エリア画像データの形状が、前記第2画像データ内の特定エリア画像データの形状と略等しくなるように、前記第1画像データ内の特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに形状補正処理を施す形状補正手段を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
  4. 前記補正処理後の前記第1画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位が、前記補正処理後の前記第2画像データ内の第1マーク画像データに対する第2マーク画像データの方位と略等しくなるように、前記第1画像データ内の特定エリア画像データまたは前記第2画像データ内の特定エリア画像データの少なくとも1つの画像データに回転補正処理を施す方位補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の内視鏡装置。
  5. 前記補正処理後の2つの画像データの輝度分布が略等しくなるように、この2つの画像データの少なくとも1つの画像データに輝度分布補正処理を施す輝度補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の内視鏡装置。
  6. 前記補正処理後の2つの画像データ間の演算処理により診断画像データを生成する診断画像生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の内視鏡装置。
  7. 前記診断画像生成手段が、前記補正処理後の2つの画像データの内、1つの画像データを半透明化し、他の画像データへ重畳して重畳診断画像データを生成する重畳診断画像生成手段を有することを特徴とする請求項6記載の内視鏡装置。
  8. 前記診断画像生成手段が、前記補正処理後の2つの画像データの内、少なくとも1つの画像データ内の病変領域を該画像データに基づいて判定し、判定された病変領域の輪郭からなる輪郭画像データを生成し、該輪郭画像データを他の画像データに重畳して輪郭重畳診断画像データを生成する輪郭重畳診断画像生成手段を有することを特徴とする請求項6または7記載の内視鏡装置。
  9. 前記診断画像生成手段が、前記補正処理後の2つの画像データの対応する画素毎の差分に基づいた差分診断画像データを生成する差分診断画像生成手段を有することを特徴とする請求項6から8いずれか1項記載の内視鏡装置。
  10. 前記光照射手段が、前記光として波長400nm〜420nmの励起光を前記観察部に照射するものであり、
    前記画像取得手段が、前記励起光の照射により、前記観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光画像データを取得するものであることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の内視鏡装置。
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