JP4189891B2 - 工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置 - Google Patents
工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工事用昇降装置のカウンターウエイトによる作業員の挟まれ事故を防止するための、工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工事現場で用いられている工事用エレベータや建設リフトの如き工事用昇降装置のうち、高速又は大型機種は、昇降台とカウンターウエイトがワイヤーロープを介して連結されており、昇降台の昇降に応じて下降、上昇するカウンターウエイトに対して特に警報装置は設けられていない。このため、工事用昇降装置の運転中に静かに上下動しているカウンターウエイトに作業員がうっかり挟まれてしまうという事故が発生している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の事故の発生を防止するため、静かに上下動するカウンターウエイトに電気的に作動する近接警報器、例えばメロディーホーン、フラッシュライト等を取り付け、カウンターウエイトが昇降してきたときに、その上方、下方にいる作業員に対しカウンターウエイトが接近しつつあることを報知して注意を促すように構成することが考えられる。
【0004】
しかしながら、カウンターウエイトは吊り下げ用のワイヤーロープを介して昇降台と連結され、昇降台と連結された昇降駆動装置を上昇、加工させることにより、カウンターウエイトも上昇、下降する構成であるから、カウンターウエイトには電源が供給されておらず、近接警報器をカウンターウエイトに設置することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、したがって、工事用昇降装置のカウンターウエイトの昇降路近接作業中の作業員に対し、カウンターウエイトが近接したときに注意を喚起させることができるようにした、工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の特徴は、頂部シーブに捲着されたワイヤーロープを介して昇降台と連結されているカウンターウエイトの近接を作業員に知らせるための、工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置において、前記ワイヤーロープを電らん入りロープとすると共に前記カウンターウエイトに近接警報器を設け、該近接警報器に前記電らん入りロープ内の電線を介して前記昇降台から電力供給を行うようにした点にある。
【0007】
カウンターウエイトに設けられた近接警報器には、昇降台に供給されている電力が電らん入りロープ内の電線を経由して供給され、近接警報器が常時作動可能となっている。
【0008】
近接警報器は、例えばブザーとフラッシュライトとすることもできる。警報ブザーに代えてメロディーホーンとしてもよい。カウンターウエイトにこのような構成の近接警報器を設けておけば、昇降路近接作業中の作業員に対してカウンターウエイトが近づいてきたことの注意を喚起することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明による近接警報装置を設けた工事用エレベータの実施の形態の一例を示す立面図である。工事用エレベータ1は、工事現場に仮設されたものであり、基礎面Gに立設された昇降用(昇降路)の支柱2と、この支柱2の一側面2Aにおいて鉛直方向に案内されて昇降する昇降台3と、支柱2の他側面2Bにおいて同じく鉛直方向に案内されて上下動するカウンターウエイト4とを備えている。
【0011】
符号5で示されるのは、電らん入りのワイヤーロープであり、その一端部5Aは昇降台3に連結され、その他端部5Bはカウンターウエイト4に連結されている。このワイヤーロープ5は、支柱2の上端部に配設されている頂部シーブ6Aに捲着されており、昇降台と連結された昇降駆動装置6が上昇、下降することで頂部シーブ6Aを矢印U方向又はD方向に回すことにより、カウンターウエイト4が上昇又は下降する公知の構成である。
【0012】
昇降台3には外部から電力の供給が行われており、昇降台3の下面3Aに取り付けられているメロディーホーン7及びフラッシュライト8と、昇降台3のかご3Bの上端3Cに取り付けられているフラッシュライト9とに、それぞれ所要の電力が供給され、メロディーホーン7及びフラッシュライト8、9が昇降台3の昇降時にそれぞれ作動する構成となっている。このように、メロディーホーン7及びフラッシュライト8、9は、昇降台3の昇降時にその近接を作業者等に知らせ注意を喚起するための手段として設けられている。
【0013】
一方、カウンターウエイト4にも、その昇降路近接作業中の作業員にカウンターウエイト4の近接注意を喚起させる目的で、近接警報器が取り付けられている。本実施の形態では、カウンターウエイト4の下面4Aにメロディーホーン10とフラッシュライト11とが近接警報器として設けられると共に、カウンターウエイト4の上面にもフラッシュライト12が近接警報器として設けられている。カウンターウエイト4に設けられる近接警報器の種類と数とは適宜に定めることができる。
【0014】
電源設備のないカウンターウエイト4に取り付けられたメロディーホーン10及びフラッシュライト11、12に昇降台3から電力を供給するため、ワイヤーロープ5には電らん入りのワイヤーロープが使用されている。
【0015】
図2及び図3には、この電らん入りのワイヤーロープ5の構成が詳細に示されている。図2及び図3から判るように、ワイヤーロープ5はロープの繊維心の中に電らんを入れたものである。すなわち、ストランド51に囲まれている心綱52内に、絶縁体53に被覆された電線54が複数本綿糸を介在させて通されているビニールシース55を配設した公知の構造となっている。電らん入りのワイヤーロープ5は多種多様なロープの構成、種類、径に対応でき、機械的特性は一般繊維心入りロープと同等であるため、あらゆる機種のエレベーター、リフトに対応可能である。
【0016】
図1に戻ると、ワイヤーロープ5内に仕込まれている電線54によって、メロディーホーン10及びフラッシュライト11、12はそれぞれ昇降台3内の電源盤13と接続されている。電源盤13には、外部電源盤17から電源ケーブル16、電源中継ボックス14、電源ケーブル15を介して電力が供給されており、この供給電力の一部が電源盤13及び電線54を介して、カウンターウエイト4に設けられているメロディーホーン10及びフラッシュライト11、12に供給される。カウンターウエイト4の近接警報装置の電力は感電事故がないよう昇降台3の電源盤13にて直流24Vに整流して供給される。
【0017】
この結果、カウンターウエイト4の昇降時にメロディーホーン10が鳴ると共に、フラッシュライト11、12が発光し、カウンターウエイト4の昇降路作業中の作業員の注意を喚起することができる。したがって、作業員はカウンターウエイト4の接近を音と光によって容易に察知することができ、作業員が作業中カウンターウエイト4に挟まれるという事故を有効に防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、カウンターウエイトにブザー又はメロディーホーン及び又はフラッシュライト等の近接警報器を設け、近接警報器に、昇降台に供給されている電力を電らん入りロープ内の電線を経由して供給されるようにしたので、昇降路近接作業中の作業員に対してカウンターウエイトが近づいてきたことの注意を喚起することができる。したがって、カウンターウエイトの近接作業中の作業員が接近してきたカウンターウエイトに挟まれるという事故を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による近接警報装置を設けた工事用エレベータの実施の形態の一例を示す立面図。
【図2】図1に示した電らん入りのワイヤーロープの端部付近の正面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【符号の説明】
1 工事用エレベータ
2 支柱
3 昇降台
4 カウンターウエイト
5 ワイヤーロープ
6 昇降駆動装置
6A 頂部シーブ
7、10 メロディーホーン
8、9、11、12 フラッシュライト
13 電源盤
14 電源中継ボックス
15、16 電源ケーブル
17 外部電源盤
51 ストランド
52 心綱
53 絶縁体
54 電線
55 ビニールシース
G 基礎面
Claims (1)
- 頂部シーブに捲着されたワイヤーロープを介して昇降台と連結されているカウンターウエイトの近接を作業員に知らせるための、工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置において、
前記ワイヤーロープを電らん入りロープとすると共に前記カウンターウエイトに近接警報器を設け、該近接警報器に前記電らん入りロープ内の電線を介して前記昇降台から電力供給を行うようにしたことを特徴とする工事用昇降装置のカウンターウエイト近接警報装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JP4189891B2 true JP4189891B2 (ja) | 2008-12-03 |
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Family Applications (1)
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-
1998
- 1998-09-02 JP JP26227798A patent/JP4189891B2/ja not_active Expired - Lifetime
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