JP4188399B2 - 温度制御装置、温度制御方法、定着装置、画像形成装置、温度制御プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

温度制御装置、温度制御方法、定着装置、画像形成装置、温度制御プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、温度制御装置に関するものであり、より詳細には、例えば電熱器やオーブンレンジ、湿式電子写真器、インクジェットプリンタ、乾式電子写真器などに用いられる温度制御装置及びこれに用いられる温度制御方法に関するものである。また、本発明は、上記温度制御装置を備えた定着装置、画像形成装置にも関する。さらに本発明は、温度制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも関する。
用紙等の印字媒体に画像を形成する複写機等の画像形成装置には、印字媒体に転写されたトナーを熱圧着して定着させる定着装置が備えられている。この定着装置は、対向して設けられた定着ローラ及び加圧ローラを備えており、定着ローラには1又は複数のヒータが内蔵されている。
定着ローラの表面はヒータによって所定の目標温度に加熱され、加熱された定着ローラ及び加圧ローラが印字媒体を両面から圧接することにより、トナーが印字媒体に定着する。この際、定着ローラは印字媒体のトナー転写面側に圧接され、加圧ローラは印字媒体のトナー非転写面側に圧接される。
定着ローラの温度は、トナーが印字媒体に綺麗に定着するか否かを決定する重要な因子となる。定着ローラを加熱するヒータには、通常、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するものが用いられるため、定着ローラの温度制御は、ヒータに供給する電力を制御することによって行われる。定着ローラの温度制御には、通常、定着ローラの温度を検出しつつ、検出した温度を目標温度と比較してヒータへの供給電力を増減するフィードバック制御が用いられている。
定着ローラの表面温度を検出する手法としては様々なものがあるが、従来は、サーミスタなどの温度検知素子を定着ローラの印字媒体が当接する領域に接触させる手法が用いられていた。この手法では、温度に応じた温度検知素子の抵抗値を電圧によって検出し、検出した電圧から定着ローラの表面温度を求めていた。
しかし、近年、画像形成装置は高速化、カラー化が進み、定着ローラの回転速度が大きくなった。その結果、温度検知素子を定着ローラに接触させる従来の手法では、接触させる圧力を小さくしても定着ローラの表面に摺刷痕や擦過傷を発生させてしまい、これに起因して、トナーが均一に定着せず、印字媒体に形成した画像の品質が劣化するという問題が発生していた。
そこで、特許文献1では、定着ローラの記録紙が当接する部分については、サーミスタや熱電対などの温度検知素子を非接触で設置する手法が提案されている。これによれば、定着ローラの温度変化を高速に検知でき、かつ、温度検知素子の接触による摺刷痕や擦過傷を防止できるとされている。しかしながら、定着ローラの温度を直接検知するためには、温度検知素子を定着ローラのすぐ近くに設置する必要があり、温度検知素子の耐熱性が問題となっていた。
また、非接触の温度検知素子としては、サーモパイル素子が多く用いられているが、サーモパイル素子は、検知する温度の変化に対して出力信号の変化が微小である。従って、サーモパイル素子のすぐ近くで基準温度に対して補償を行い、増幅を行わなければノイズを多く含んだ出力信号となってしまい、正確な温度検知ができない。このため、サーモパイル素子や増幅用アンプを熱源である定着ローラ近傍に設ける必要があったが、これらの部材は熱に弱く、耐熱性の問題が特に顕著になっていた。
そこで、特許文献2では、定着ローラから放射される赤外線をサーミスタ素子で検知することにより定着ローラの温度を検出する非接触温度センサが提案されている。このセンサでは、赤外線を吸収するフィルム上にサーミスタ素子を設け、定着ローラから放射される赤外線を赤外線フィルムに吸収させるとともに、吸収によって生じた熱を温度検知素子によって検知する。このように、温度検知素子としてサーミスタ素子を用いることによって、耐熱性の問題を軽減することができるようになった。その結果、従来の100℃までであった使用条件を150℃までに上げることができ、定着装置内への非接触温度検知素子の設置が可能となった。
なお、この方法では、温度検知素子が検出することができるのは、定着ローラの表面温度そのものではなく、温度検知素子と定着ローラとの相対温度差である。そこで、赤外線を検知する温度検知素子の周辺に、周辺部の温度を検知する補償用温度検知素子をさらに設け、この補償用温度検知素子の出力値によって赤外線を検知する温度検知素子の出力値を補償することが一般的に行われている。
また、特許文献3にも、赤外線を検知する温度検知素子と、補償用の温度検知素子とを備え、これらからの出力電圧の差が、定着ローラが所望の温度範囲内のときに一定になるように構成された温度検知手段が開示されている。これにより、定着ローラの過昇温を検知することができる。
特開平11−133796号公報(1999年5月21日公開) 特開平11−223555号公報(1999年8月17日公開) 特開2003−302288号公報(2003年10月24日公開) 特開2003−149981号公報(2003年5月21日公開)
しかしながら、従来の非接触式の温度検知手段では、定着ローラの温度制御を充分に精度よく行うことができない。引用文献2,3の技術では、非接触型の温度検知手段の出力値を補償用の温度検知手段の出力値でアナログ的に補償し、これにより定着ローラの温度を検出しているが、様々な外乱が生じた場合に、検出した定着ローラの温度が不正確になることが予想される。例えば、特許文献3に記載された温度検知手段の場合、補償用サーミスタの検出する周囲の温度に応じて、17℃程度の誤差が発生することが記載されている。このように、従来の技術では、非接触型の温度検知部周辺の環境条件に変動があると、検出した温度の誤差が大きくなり、温度制御性に影響を与えてしまうという問題があった。
また、文献4では、温度センサの検出値から演算によって定着ローラの温度を求めることが提案されている。しかしながら、実際問題として、検出値と温度との関係を数式で正確に表現することは困難である。特に、通常は計算時間の短縮化の観点から近似式を用いることが多いが、この場合、演算結果と実際の温度とが大きくずれてしまうことも少なくない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触式で温度を検出する温度制御装置であって、正確な温度検出、ひいては温度制御を行うことのできる温度制御装置を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る温度制御装置は、加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、上記主温度検知部の周囲温度を検出するための補償用温度検知部と、上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、加熱対象物から放射される赤外線により発生する熱が、主温度検知部によって検知される。ここで、主温度検知部によって検知される熱には、加熱対象物からの赤外線によるもの以外に、例えば主温度検知部の周囲の部材である保持体などからの熱も含まれる。従って、補償用温度検知部により、主温度検知部に影響を及ぼしうる周囲温度を検知し、この周囲温度により、主温度検知部の検知した温度を補償する。これにより、加熱対象物に接触することなく、正確に加熱対象物の温度を検出できることになる。
ここで、本発明では、主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から温度算出部が加熱対象物の温度を求める際に、記憶部に格納された温度対応テーブルを用いる構成となっている。この温度対応テーブルには、主温度検知部の出力値と加熱対象物の温度との対応関係が補償用温度検知部の出力値ごとに示されているので、温度算出部は、各検知部の出力値に対応するセルを参照することにより、加熱対象物の温度を迅速に求めることができる。また、予め実験などにより各出力値に対応する温度を求め、これを基に温度対応テーブルを作成しておけば、実際と誤差の少ない温度を求めることが可能になる。
さらに、上記構成によれば、温度対応テーブルは、補償用温度検知部の出力値に対応する補償温度の隣り合う値の差(幅)が、主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差(幅)よりも小さくなるように、補償用温度検知部及び主温度検知部の出力値の値が設定されている。これには次の利点がある。
主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値を用いて加熱対象物の温度を求める場合、通常、補償用温度検知部によって検知される温度が1℃変わると、対応する加熱対象物の温度は数℃変化する。従って、従来のように、補償温度と加熱対象物の温度の幅がともに同じ値(例えば1℃)になるように設定された温度対応テーブルを用いると、主温度検知部により1℃の精度で加熱対象物の温度を検知したとしても、補償用温度検知部により検知できる補償温度の精度の数倍(すなわち数℃)の誤差が、最終的に求められる加熱対象物の温度に含まれることになる。しかしながら、本発明の上記構成によれば、補償用温度検知部により検知する補償温度の精度が、主温度検知部により検知する加熱対象物の温度の精度よりも高くなり、各温度検知部により検知される温度の誤差はバランスがとれたものとなる。従って、温度対応テーブルにおいて、各温度の幅をいたずらに小さくしなくても、加熱対象物の温度を正確に求めることができる。
そして、加熱制御部は、温度算出部が求めた加熱対象物の正確な温度に基づいて加熱部の加熱力が制御するので、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
以上のように、非接触式で温度を検出する本発明に係る温度制御装置は、正確な温度検出、ひいては温度制御を行うことができる。
なお、主温度検知部が保持体に保持されている場合、上記周囲温度として、保持体の温度を検知する構成としてもよい。
また、上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差に対して0.1倍以上0.5倍未満となるように設定されていることが好ましく、0.2倍となるように設定されていることがさらに好ましい。
上記構成によれば、各温度検知部により検知される温度の誤差のバランスがさらによくなり、加熱対象物の温度を一層正確に求めることができ、ひいては一層正確な温度制御を行うことができる。
また、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の各出力値は、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の各出力値に対応する上記加熱対象物の温度の隣り合う値の差が、上記加熱部による上記加熱対象物に対する制御温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、主温度検知部により検知される加熱対象物の温度の精度が、加熱制御部による制御温度精度に対してよくなるので、加熱対象物に対して、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
また、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の出力値は、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の出力値に対応する上記加熱対象物の温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部による検知温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、主温度検知部により検知される加熱対象物の温度の精度がよくなり、正確な温度を求めることができるとともに、加熱対象物に対して、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
また、上記記憶部は、上記補償用温度検知部の各出力値に対応する温度ごとの補正値のデータである第1補正値データを格納し、上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第1補正値データの補正値を用いて、上記補償用温度検知部の出力値に対応する温度に基づいて補正し、上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することが好ましい。
上記構成によれば、補償用温度検知部により検知した補償温度に基づいて、温度対応テーブルを参照して求められた加熱対象物の温度が適切に補正される。従って、温度制御装置は、加熱対象物の温度を一層正確に求められるとともに、一層正確な温度制御を行うことができるようになる。
また、上記記憶部は、環境条件ごとに異なる複数の上記第1補正値データを格納し、上記温度算出部は、補正に用いる第1補正値データを、上記複数の第1補正値データの中から環境条件に基づいて選択することが好ましい。
上記構成によれば、第1補正値データが環境条件ごとに用意され、温度算出部は、環境条件に基づいて適切な第1補正値データを選択し、それに基づいて温度の補正を行うことになる。加熱対象物の温度を非接触で求める際には様々な外乱の影響をうけるが、環境条件に応じて第1補正値のデータを使い分けることにより、環境条件に左右されることなく、常に加熱対象物の温度を正確に求めることができるようになる。
なお、環境条件の具体例としては、室温や湿度などが挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
また、上記加熱対象物は、順次搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着部であり、上記記憶部は、連続して定着を行った印字媒体の量ごとの補正値のデータである第2補正値データを格納し、上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第2補正値データの補正値を用いて、連続して定着を行った印字媒体の量に基づいて補正し、上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することが好ましい。
本発明者らが様々な調査を行った結果、定着部が連続して印字媒体にトナーを定着させる場合、例えば印字媒体のサイズなどの条件によっては、温度対応テーブルを参照して求めた定着部の温度に、連続して定着を行った印字媒体の量(例えば単位時間あたりの印字枚数や印字面数、単位面積あたりの質量、体積、密度、トータルの印字枚数や印字面数など)に応じた誤差が含まれることが明らかとなった。ここで、上記構成によれば、温度算出部により、温度対応テーブルを参照して求めた定着部の温度が印字媒体の量に応じて補正されるので、温度制御部は、印字媒体に連続して定着を行う場合であっても、実際の定着部の温度に近い正確な温度を検出するとともに、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
また、上記記憶部は、定着を行う印字媒体のサイズごとの上記第2補正値データを格納し、上記温度算出部は、定着を行う印字媒体のサイズに応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正することが好ましい。
本発明者らが様々な調査を行った結果、求めた温度を印字媒体の量に基づいて補正する場合、必要な補正量は、印字媒体のサイズ依存することを突き止めた。上記構成によれば、印字媒体のサイズに応じた第2補正値データを用いて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
また、上記記憶部は、定着を行う印字媒体の種類ごとの上記第2補正値データを格納し、上記温度算出部は、定着を行う印字媒体の種類に応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正するものであってもよい。
本発明者らが様々な調査を行った結果、求めた温度を印字媒体の量に基づいて補正する場合、必要な補正量は、厳密には印字媒体の種類に依存することを突き止めた。ここで、上記構成によれば、印字媒体の種類に応じた第2補正値データを用いて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
なお、印字媒体の種類とは、例えば印字媒体のサイズ、材質又は厚みなどを指すが、本発明はこれに限定されない。
また、印字媒体のサイズ又は印字媒体の種類についての情報を取得する情報取得部をさらに備え、上記温度算出部は、定着を行う印字媒体のサイズ又は定着を行う印字媒体の種類を、上記情報取得部によって取得された情報に基づいて同定することが好ましい。
上記構成によれば、温度制御装置自身が印字媒体のサイズ又は種類を判定する必要がなく、温度制御装置が備えられる様々な上位装置から、情報取得部を通じて記録媒体のサイズや種類の情報を取得することができる。従って、温度制御装置の構成が複雑になるのを防止することができる。
また、上記定着部は定着ローラを有し、上記記憶部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅ごとの上記第2補正値データを格納し、上記温度算出部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正するものであってもよい。
上述したように、求めた温度を印字媒体の量に基づいて補正する場合、必要な補正量は、厳密には印字媒体のサイズごとに異なる量となる。ここで、本発明者らが様々な条件下で調査を行った結果、必要な補正量は、主として印字媒体の幅(定着ローラの軸方向における印字媒体の長さ)に依存することを突き止めた。上記構成によれば、印字媒体の幅に応じた第2補正値データを用いて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
また、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅を検出する幅検出部をさらに備え、上記温度算出部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に応じた上記第2補正値データを、上記幅検出部によって検出された定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に基づいて選択するであることが好ましい。
印字媒体が定形外サイズの場合、印字媒体の幅は、温度制御装置が備えられる上位の画像形成装置などから取得することができない。しかしながら上記構成によれば、印字媒体のサイズが定形外であっても、幅検出部によって印字媒体の幅を検出することができ、温度制御部は、検出した印字媒体の幅に応じて補正を行うことが可能になる。
また、上記記憶部は、上記印字媒体の片面のみにトナーを定着させる場合と、両面に定着させる場合とにそれぞれ適用される少なくとも2種類の上記第2補正値データを格納し、上記温度算出部は、印字媒体の片面のみにトナーを定着させるか両面に定着させるかに応じて上記少なくとも2種類の第2補正値データの中から1種類を選択し、選択した第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正するものであってもよい。
印字媒体の表面(おもてめん)にトナーを定着させた後、さらに裏面にも定着させる際には、印字媒体はすでに加熱された状態となっていることから、片面のみに定着させる場合と、両面に定着させる場合とでは、必要な補正量が厳密には異なる量となる。上記構成によれば、片面に定着させるか両面に定着させるかに応じて異なる第2補正値データを使い分けるため、より精度の高い補正を行うことができる。
また、上記加熱対象物は、搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着ローラであり、上記記憶部は、定着ローラの回転状況ごとの補正値のデータである第3補正値データを格納し、上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第3補正値データの補正値を用いて、定着ローラの回転状況に基づいて補正し、上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することが好ましい。
定着ローラの温度を非接触で求める際には様々な外乱の影響をうけるが、本発明者らが様々な調査を行った結果、その外乱の一つが定着ローラの回転により生じる温度分布の変化であることを突き止めた。従って、必要な補正量は、定着ローラの回転状況にも依存することになる。上記構成によれば、定着ローラの回転状況に応じて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
また、上記加熱制御部は、上記加熱対象物が目標温度になるように、上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御するものであり、上記記憶部は、加熱対象物の目標温度ごとの補正値のデータである第4補正値データを格納し、上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第4補正値データの補正値を用いて、加熱対象物の目標温度に基づいて補正し、上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することが好ましい。
加熱対象物の温度を非接触で求める際には様々な外乱の影響をうけるが、本発明者らが様々な調査を行った結果、その外乱の一つが目標温度の変化に伴う表面温度分布の変化であることを突き止めた。従って、必要な補正量は、加熱対象物の目標温度にも依存することになる。上記構成によれば、加熱対象物の目標温度に応じて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
また、上記温度算出部は、補正した温度から単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率を求めるとともに、補正した温度が高温閾値よりも大きく、かつ、上記温度変化率が閾値よりも大きい場合に、補正した温度に対してさらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正を行うことが好ましい。
本発明者らが様々な調査を行った結果、加熱対象物が一定以上の高温の状況で、かつ、時間あたりの温度変化率が大きい状況(例、暴走等による連続加熱時など)では、加熱対象物の温度を非接触で求める際に、温度対応テーブルで求める温度と実際の温度とに差が生じやすいことを突き止めた。特に加熱部が継続して加熱対象物を加熱している時間が長い場合に、温度を検出する各部の応答速度が遅れ、この問題は顕著になる。その結果、加熱対象物の温度を正しく検出できず、温度制御が不正確になってしまう。
ここで上記構成によれば、補正した温度が閾値(例えば、230℃)よりも大きく、かつ単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率が所定の閾値(例えば、1℃/sec)よりも大きい場合には、さらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正が行われる。これにより、高温トラブル判定などにおいて誤判定が発生するのを防止できるようになる。
また、上記加熱部は、上記加熱対象物の第1の領域を加熱するための第1加熱部であり、上記主温度検知部は、上記加熱対象物の第1の領域からの赤外線による熱を検知するものであり、上記加熱制御部は第1加熱制御部であり、上記温度制御装置は、第2加熱部によって加熱される上記加熱対象物の第2の領域の温度を検知する第2温度検知部と、上記加熱対象物の上記第2の領域が目標温度になるように、上記第2温度検知部によって検知された温度に基づいて上記第2加熱部の加熱力を制御する第2加熱制御部とをさらに備え、上記記憶部は、上記加熱対象物の第2の領域の目標温度ごとの補正値のデータである第5補正値データを格納し、上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第5補正値データの補正値を用いて、第2の領域の目標温度に基づいて補正するものであってもよい。
加熱対象物を加熱する際には、単一の加熱部だけでなく、複数の加熱部によりそれぞれ加熱対象の異なる領域を加熱する場合がある。加熱対象物の温度を非接触で求める際の外乱の一つが加熱対象物の目標温度の変化であることを上述したが、複数の加熱部により異なる領域を加熱する場合では、異なる加熱制御部によって制御される領域の目標温度の影響も受けることになる。上記構成によれば、異なる加熱制御部によって制御される加熱対象の異なる領域の目標温度に応じて補正が行われるので、より精度の高い補正を行うことができる。
また、上記加熱制御部は、上記主温度検知部及び上記補償用温度検知部を含む温度検出部の応答速度の0.25倍以下の周期で上記加熱部の加熱力を制御することが好ましい。
上記構成によれば、加熱制御部の制御周期が温度検出部の応答速度の0.25倍以下となっているので、加熱制御部の制御の追従性が向上し、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
また、上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、アナログ電圧信号を出力するものであり、上記温度制御装置は、上記主温度検知部及び補償用温度検知部から出力されたアナログ電圧信号を、所定の基準電圧を用いてデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、上記主温度検知部及び補償用温度検知部を駆動する電圧が、上記基準電圧の95%以上100%以下であることが好ましい。
主温度検知部により検出した加熱対象物の温度に対応する出力値と、補償用温度検知部により検出した補償温度に対応する出力値とは、何れも電圧として出力される。ここで、各検知部を駆動する駆動電圧の電圧値と、A/D変換部に供給される基準電圧の電圧値とは、量子化の際に精度を左右する重要な因子となる。上記構成では、所定の基準電圧(例えば、5Vや3.3V)に対して100%から95%の範囲に駆動電圧を規定することにより、温度対応テーブル上におけるズレによる影響が、検知可能な電圧値以下の許容レベルとなり、安定した温度制御を行うことができるようになる。
また、上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、プルアップ抵抗に直列に接続されたものであり、上記プルアップ抵抗の抵抗値の公差が、公称値の±1%以内であることが好ましい。
プルアップ抵抗についても、出力値である電圧値と2次元温度変換テーブル上の電圧値との偏差を許容値以下にする必要がある。上記構成によれば、プルアップ抵抗の抵抗値の公差を公称値の±1%以内にすることで、温度対応テーブル上におけるズレによる影響が、検知可能な電圧値以下の許容レベルとなり、安定した温度制御を行うことができるようになる。
また、上記主温度検知部及び補償用温度検知部は上記出力値をアナログ信号として出力するものであり、上記温度制御装置は、上記主温度検知部からの各出力値を10ビット以上14ビット以下のデジタル信号に変換するA/D変換部をさらに備えていることが好ましい。
通常用いられる基準電圧が5V以下であり、3.3Vも多用されることから、8ビットや9ビットでは分解能が充分でなく、温度対応テーブルでの補償時に偏差が大きくなり、安定した温度制御ができなくなる。一方、15ビットや16ビットでは、十分な分解能を有するが、このような分解能を付与させるには、コスト的にも高くつき、コストパフォーマンスが非常に悪くなってしまう。上記構成によれば、A/D変換部の量子化ビット数が10ビット以上14ビット以下であるので、コストパフォーマンスに優れ、かつ、充分な精度で制御できる温度制御装置とすることができる。
また、上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタと、当該サーミスタに直列に接続されたプルアップ抵抗と、上記サーミスタとプルアップ抵抗との接続部と上記温度算出部との間に接続された信号増幅器とを有し、上記信号増幅器の入力オフセット電圧が1mV以下であることが好ましい。
上記構成によれば、信号増幅器において増幅された電圧は偏差の少ないものとなり、正確な温度検出及び温度制御を行うことができる。
本発明に係る定着装置は、上記何れかの温度制御装置と、上記温度制御装置によって制御される上記加熱部と、上記加熱対象物として、順次搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着部とを備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、上述した温度制御装置を備えているので、定着部の温度制御を正確に行うことができ、トナーの定着性のよい定着装置を実現することができる。
また、上記定着部は回転可能であり、上記加熱部は、上記定着部の表面と接触する無端状のベルト部材を有し、該ベルト部材が上記定着部に熱を供給することによって、上記定着部を外部から加熱するものであることが好ましい。
上記構成によれば、定着部に熱を供給する部材として、定着部と接触するベルト部材を用いるため、定着部が広い範囲にわたって熱伝導によって加熱される。それゆえ、定着部との接触面積が小さい加熱ローラや放射熱を利用するハロゲンランプを用いる場合に比べて、定着部に対する熱供給能が向上する。これにより、1分あたりの連続給紙枚数が70枚程度と高速な画像形成にも対応可能となる。従って、高速な像形成においても、種々の外乱を除いて精度良く温度の検知および制御を行うことのできる定着装置を実現することができる。
本発明に係る画像形成装置は、上記の温度制御装置を備えていることを特徴とする。従って、印字品質のよい画像形成装置を実現することができる。
ところで、上記温度制御装置の温度算出部は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記温度算出部として動作させる温度算出プログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記温度制御装置の温度算出部として動作する。したがって、上記温度制御装置と同様に、加熱対象物の正確な温度を求めることができる。
また、本発明に係る別の記録媒体には、温度制御装置の記憶部に格納される温度対応テーブルが記録されている。コンピュータがこの温度対応テーブルを用いて加熱対象物の温度を求めることにより、加熱対象物の温度を正確に求めることができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る温度制御装置は、トナーの転写された印字媒体に対してトナーの定着を行う定着部で、かつ、加熱部によって加熱される定着部の温度を制御する温度制御装置であって、上記定着部からの赤外線による熱を検知する主サーミスタと、上記主サーミスタの周囲温度を検知するための補償用サーミスタと、上記主サーミスタの出力値と上記定着部の温度との対応関係が上記補償用サーミスタの出力値ごとに示された温度対応テーブルと、用紙の種類ごと、かつ、上記定着部により連続して定着を行った用紙の枚数ごとの補正値のデータとを格納した記憶部と、上記温度対応テーブルを参照して上記主サーミスタ及び補償用サーミスタの出力値から上記定着部の温度を求め、求めた温度を、上記補正値のデータの補正値を用いて用紙の種類及び連続して定着を行った用紙の枚数に基づいて補正する温度算出部と、上記温度算出部によって補正された上記定着部の温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、上記温度対応テーブルにおける主サーミスタ及び補償用サーミスタの出力値は、補償用サーミスタの出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、主サーミスタの出力値に対応する上記定着部の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、主サーミスタ及び補償用サーミスタの出力電圧値に基づいて、定着部の正確な温度を検出することができるとともに、温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る温度制御方法は、加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部とを用いて、加熱部によって加熱される上記加熱対象物の温度を制御する温度制御方法であって、記憶部に格納された上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルであって、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値が設定されている温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出工程と、上記温度算出工程によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御工程とを含んでいることを特徴とする。
上記構成によれば、正確な温度検出、ひいては温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る別の温度制御方法は、第1加熱部及び第2加熱部によってそれぞれ第1の領域、第2の領域が加熱される加熱対象物の上記第1の領域の温度を、加熱対象物の第1の領域からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部とを用いて制御する温度制御方法であって、記憶部に格納された上記主温度検知部の出力値と加熱対象物の第1の領域の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルであって、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の第1の領域の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値が設定されている温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の第1の領域の温度を求める温度算出工程と、上記記憶部に格納された、上記加熱対象物の第2の領域の目標温度ごとの補正値のデータを用いて、上記温度算出工程によって求められた加熱対象物の第1の領域の温度を、上記加熱部の第2の領域の目標温度に基づいて補正する補正工程と、上記補正工程によって補正された温度に基づいて上記第1の加熱部の加熱力を制御する加熱制御工程とを含んでいる。
上記構成によれば、正確な温度検出、ひいては温度ドリフトや温度リップルのない正確な温度制御を行うことができる。
本発明に係る温度制御装置及び温度制御方法は、以上のように、補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように、上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値が設定された温度対応テーブルを用いて、加熱対象物の温度を求める構成となっている。
従って、上述したように、正確な温度検出、ひいては温度制御を行うことができるという効果を奏する。
本発明の各実施形態について図1から図41に基づいて説明すると以下の通りである。まず始めに、各実施形態に共通する構成について説明する。以下では、本発明に係る温度制御装置を画像形成装置に備わる定着装置に適用した例に沿って説明するが、本発明に係る温度制御装置はこれに限定されず、例えば電熱器やオーブンレンジ、湿式電子写真器、インクジェットプリンタ、乾式電子写真器など、加熱を行う幅広い各種機器に適用することができる。
図2は、本発明の各実施形態に係る温度制御装置を適用した画像形成装置の概略の構成を示す断面図である。この発明の本体装置である画像形成装置100は、用紙(OHP等の印字媒体を含む。)に画像を形成する画像形成モードとしてコピアモード、プリンタモード、FAXモードを有し、各モードはユーザによって選択され、また両面印刷が可能である。
また、画像形成装置100は、原稿読取部10、給紙部20、画像形成部30、排紙部40、図示しない操作パネル部及び制御部等から構成される。原稿読取部10は、装置本体の上部に配置され、プラテンガラス11、原稿載置トレイ12及びスキャナ光学系13等から構成される。スキャナ光学系13は、光源14、反射ミラー15a〜15c、光学レンズ16及びCCD(Charge Coupled Device)17を有する。光源14は、プラテンガラス11に載置された原稿又は原稿載置トレイ12から原稿搬送路R上を搬送される原稿に光を照射する。複数の反射ミラー15a〜15cは、原稿からの反射光を反射させて光学レンズ16に導く。光学レンズ16は、反射ミラー15a〜15cによって導かれた反射光を集光してCCD17に導く。CCD17は、集光された反射光を光電変換する。
給紙部20は、装置本体の下部に配置され、給紙トレイ21、手差トレイ22及びピックアップローラ23等から構成される。給紙トレイ21及び手差トレイ22は、画像形成時に用紙搬送路Sに給紙される用紙を載置する。ピックアップローラ23は、回転して各トレイ21、22に載置された用紙を用紙搬送路Sに給紙する。
画像形成部30は、原稿読取部10の下方の手差トレイ22側に配置され、レーザスキャニングユニット(以下、LSUと言う。)37、感光体ドラム31及び定着装置36を有し、感光体ドラム31の周囲に、帯電器32、現像装置33、転写装置34及びクリーナユニット35が感光体ドラム31の回転方向に沿ってこの順に配置して構成されている。
排紙部40は、給紙トレイ21の上方に配置され、排紙ローラ41及び排紙トレイ42等から構成される。排紙ローラ41は、用紙搬送路S上を搬送されてきた用紙を排紙トレイ42に排出する。また、排紙ローラ42は、この発明の駆動源である駆動モータ70からピニオンギヤ71及び排紙ローラ駆動ギヤ72を介して伝達された回転力によって回転駆動する。更に、排紙ローラ41は、可逆回転が可能であり、用紙の両面に画像形成を行う際、用紙搬送路S上を搬送されてきた表面の画像形成が終了した用紙をチャックした後、上記用紙を排出する回転方向とは逆方向に回転して用紙搬送路S′に搬送する。これにより、用紙の表裏面を反転させて裏面が感光体ドラム31に対向し、裏面にトナー画像の転写が行われる。排紙トレイ42は、排紙ローラ41から排出された画像形成の終了した用紙を収納する。
また、制御部は、上記の画像形成装置100の全体の動作を制御する。
コピアモードにおいて原稿の画像を用紙にコピーする際、原稿読取部10のプラテンガラス11又は原稿載置トレイ12にコピーしたい原稿を載置した後、操作パネル部に設けられた各入力キーを押下して印字枚数、印字倍率等の設定入力を行い、図示しないスタートキーを押下してコピー動作を開始する。
スタートキーが押下されると、画像形成装置100は、ピックアップローラ23が回転して用紙搬送路Sに用紙が給紙される。給紙された用紙は、用紙搬送路S上に設けられたレジストローラ51に搬送される。
レジストローラ51に搬送された用紙における搬送方向の先端部は、用紙に転写されるべき感光体ドラム31上に形成されるトナー画像との位置合わせを行うため、レジストローラ51の軸方向と平行になるようにレジストローラ51にチャックされる。
原稿読取部10によって読み取られた画像データは、入力キー等を用いて入力された条件で画像処理が施された後、LSU37にプリントデータとして送信される。LSU37は、帯電器32によって所定の電位に帯電された感光体ドラム31表面に、図示しないポリゴンミラー及び各種レンズを介して上記画像データに基づいたレーザ光を照射して静電潜像を形成する。その後、現像装置33に設けられたMGローラ33a表面に付着しているトナーが、感光体ドラム31表面上の電位ギャップに応じて感光体ドラム31表面に引き寄せられて付着し、静電潜像が顕像化される。
その後、レジストローラ51によって、レジストローラ51にチャックされている用紙と、感光体ドラム31表面に形成されたトナー画像との位置が合わせられ、用紙を感光体ドラム31と転写装置34との間に搬送する。次に、転写装置34に設けられた転写ローラ34aを用いて感光体ドラム31表面のトナー画像を上記用紙に転写する。トナー画像の転写が終了した用紙は、定着装置36を通過することで熱と圧力が加えられるとともにトナー画像が溶融・固着され、排紙ローラ41によって排紙トレイ42に排出される。
感光体ドラム31上に残留したトナーは、図示しないドラムユニットのクリーニングブレードによって掻き取られ、クリーナユニット35に回収される。
(実施形態1)
図3は、本発明の一実施形態に係る温度制御装置80を備えた定着装置36の概略の構成を示す図である。定着装置36は、図3に示すように、加熱部であるヒータランプ64を内蔵した定着部の構成要件の1つである定着ローラ61、加圧ローラ62、温度検出部66、信号処理回路92、A/D変換器90、温度算出部121、記憶部122、加熱制御部123、ドライバ91を備えている。
定着ローラ61及び加圧ローラ62は、トナーの転写された用紙Pを加熱・圧着することにより、用紙P上にトナーを定着させるためのものである。温度検出部66は、後述する2つのサーミスタを備え、ヒータランプ64によって加熱される定着ローラ61の表面温度を検知するためのものである。
温度検出部66の2つのサーミスタからの出力電圧は、それぞれ信号処理回路に入力され、信号電圧の増幅などが行われる。信号電圧の増幅が行われた2つのサーミスタからの出力電圧はA/D変換器90に入力され、デジタル変換されてそれぞれの出力電圧値が生成される。生成された各出力電圧値は温度算出部121に入力され、温度算出部121は、RAMなどの記憶部122に格納された温度対応テーブル124及び補正値データ125を参照して、入力された電圧値に基づいて定着ローラ61の表面温度を算出する。
加熱制御部123は、温度算出部121によって算出された温度に基づいて、ドライバ91を介して定着ローラ61に内蔵されたヒータランプ64の加熱力を制御する。ヒータランプ64の加熱力を制御する方法としては従来から用いられているものが利用でき、(1)単純なON/OFF制御によるヒータランプ64への供給電力の制御、(2)電源周波数に同期した電圧半周期毎のヒータランプ64への通電量を制御する位相制御、(3)所定の時間間隔に含まれる電源周波数に同期した電圧半周期の波数を制御してヒータランプ64への通電量を制御する波数制御(サイクル制御)、(4)電源電圧の振幅を可変して、ヒータランプ64への通電量を制御する可変電圧制御、(5)電源電圧の周波数を可変して、ヒータランプ64への通電量を制御する可変周波数制御などのうち、何れか1つ又は複数を組み合わせたものを用いることができる。なお、電力のON/OFF制御や位相又は波数の制御は、トランジスタ、サイリスタ、トライアックなどの電子制御用デバイスや、パワーリレーなどで行うことができる。以下、各部の構成について詳述する。
図4は、定着ローラ61及び加圧ローラ62を含む定着装置の部分構造を示す図である。図4に示すように、定着装置36は、定着カバー60(上定着カバー60a、下定着カバー60b)、定着ローラ61、加圧ローラ62、ヒータランプ64、温度検出部66、クリーニングローラ67などを備えている。
本実施形態では、定着ローラ61の内部に、ヒータランプ64が加熱部として配置されている。ヒータランプ64はハロゲンランプであり、ガラス管内部にハロゲン系の不活性ガスが封入されるとともに図示しないタングステンのフィラメントが配置されている。このフィラメントに通電することで定着ローラ61の内周面を介して表面を加熱する。定着ローラ61内でのヒータランプ64の配置位置や、ヒータランプ64のガラス管内部のフィラメントの太さやコイルの位置、形状、大きさを調節することにより、定着ローラ61の軸方向における中央部の発熱が大きい中央高や、軸方向における端部の発熱が大きい端部高等の配熱を行うことができる。なお、本実施形態のヒータランプ64の定格電力値は1000Wである。
本実施形態における加熱対象物である定着ローラ61は、時計方向に回転自在であり、内蔵されたヒータランプ64により、その表面が所望の一定温度(本実施形態では170℃)に加熱される。また、定着ローラ61は、未定着トナー画像の転写された印字媒体である用紙Pが後述する定着ニップ部を通過する際に、用紙Pの未定着トナー転写面を加熱する。なお、定着ローラ61は、中央が両端よりも小径になるよう逆クラウン形状に構成されており、本体部分である中空円筒形状の芯金61a及び芯金61aの外周面に形成された離型層61b等から構成されている。
芯金61aには、例えば鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、若しくは銅等の金属又はそれらの合金が用いられる。本実施形態では、芯金61aとして外径40mm、肉厚1.3mmの鉄製(STKM13C材)のものを用いている。また、離型層61bには、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、シリコンゴム、フッ素ゴム等が適している。本実施形態では、離型層61bとして、PFAとPTFEの混合物を芯金61aの外周面に厚さ25μmに塗布焼成したものを用いている。
一方、加圧部材である加圧ローラ62は、反時計回りに回転自在であり、例えば鉄鋼、ステンレス鋼、又はアルミニウム等の中空円筒形状の芯金62a、及び芯金62aの外周面に形成されたシリコンゴム等からなる耐熱弾性体層62b等から構成される。なお、耐熱弾性体層62bの外周面には、定着ローラ61の構成と同様に、フッ素樹脂による離型層を形成してもよい。
本実施形態では、加圧ローラ62として、外径30mmのステンレス製芯金62aの外周面にシリコンゴムからなる肉厚5mmの耐熱弾性体層62bを形成し、更に、その外側にPFA製の非導電性チューブ62cを被覆したものを用いている。この加圧ローラ62は、図示しないばね等の付勢部材により定着ローラ61に当接され、定着ニップ部Yを形成する。そして、定着ニップ部Yを用紙Pが通過する際に、加圧ローラ62が用紙Pを定着ローラ61に圧接(又は加熱・圧接)して、用紙P上の未定着トナーを溶融して定着させる。
クリーニングローラ67は、加圧ローラ62に付着したトナーや紙粉等を事前に除去し、加圧ローラ62の汚損を防止するためのものである。クリーニングローラ67は、定着ニップ部Yよりも加圧ローラ62の反時計回り方向の下流側で、所定の押圧力で加圧ローラ62に当接するとともに、加圧ローラ62の回転に従動して回転する。なお、クリーニングローラ67は、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒形状の金属製芯材67a等から構成することができる。本実施形態では、金属製芯材67aにステンレス系材料を使用している。
なお、本実施形態の定着装置36は、図4に示すように、定着ローラ61に加圧ローラ62を、また、加圧ローラ62にクリーニングローラ67を当接させた構成となっているが、さらに、定着ローラ61や加圧ローラ62の表面を外部から加熱する外部加熱ローラあるいは外部加熱ベルトや、定着ローラ61の表面に付着したトナー等の汚れを除去するウェブクリーナ、あるいは加圧ローラ62の表面に付着するトナー等の汚れを除去するスクレーパやパッド等を当接させた構成とすることも可能である。
また、ローラの外径や、肉厚、材質等の構成及び定着装置の構成についても、上記構成に限定されるものではない。さらに、本実施形態の定着ローラ61の回転速度(プロセス速度)は220mm/secであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローラ構成、ヒータランプ構成等を変更することで、種々のプロセス速度に対応することが可能である。
温度検出部66は、加熱対象物である定着ローラ61の表面温度を非接触で検出するためのものであり、定着ローラ61に対して、所定の間隔Lを維持して配置されている。本実施形態では、L=5mmとしている。なお、温度検出部66の個数は特に限定されるものではなく、一つでもよいし複数でもよい。
本実施形態では、図5(a)に示すように、定着ローラ61の軸方向において、通紙方向中央部近傍に1個(温度検出部66a)、そこから所定の距離を隔てて定着ローラ端部側に1個(温度検出部66b)、加圧ローラ62の前記定着ローラ61の中央部近傍取り付け位置に対応する位置に1個(温度検出部66c)の合計3個の温度検出部を設置している。
あるいは、図5(b)に示すように、定着ローラ61の軸方向において、通紙方向中央部近傍に1個設け(温度検出部66a)、そこから所定の距離を隔てて定着ローラ端部側に従来の接触式サーミスタ1個、同様に加圧ローラ62の前記定着ローラ61の端部側に従来の接触式サーミスタ1個を設けることもあり、さらにはこの従来の接触式サーミスタを、用紙Pが定着ローラ61又は加圧ローラ62を通過する際の画像領域の外側に配置することもある。
さらにあるいは、連続通紙時に定着ローラ61の両端部が過昇温した場合に、定着ローラ61の両端部の局部的な昇温を素早く検知できるように、図5(c)に示す用紙Pが通過しない位置に従来の接触式サーミスタFを当接させて、安全対策を施すこともある。
以下では、定着ローラ61の軸方向中央に設けられた温度検出部66aを温度検出部66として説明する。
図6は、本実施形態の温度検出部66の構造を示す図である。温度検出部66は、図6に示すように、温度に応じて抵抗値が変化する2つのNTCサーミスタ(主温度検知部・補償用温度検知部)101・102、ケース(保持体)103、耐熱フィルム(赤外線吸収フィルム)104、及びリード線105によって構成されている。
ケース103は、定着ローラ61側に開口部103aを有している。この開口部103aの内側には耐熱フィルム104が設けられ、さらに、耐熱フィルム104上にはNTCサーミスタ(主温度検知部・主サーミスタ)101が設けられている。NTCサーミスタ101は非接触の温度検知部として機能する。一方、ケース103の内部にはもう1つのNTCサーミスタ102(補償用温度検知部・補償用サーミスタ)が設けられている。このNTCサーミスタ102は、温度検出部66自身(実際にはケース103)の温度を検知する補償用の温度検知部として機能する。これら2つのNTCサーミスタ101・102にはリード線105が接続され、リード線105の他端部はケース103の外部へと伸びている。なお、温度検出部66には、例えば石塚電子製のNCセンサ F−Typeなどの同様の構成を持つものを用いることができる。また、それ以外にも、上記と同様に赤外線を検出して温度検出を行う方式のものを用いることも可能である。
本実施形態では、定着ローラ61の表面から放射される赤外線が温度検出部66の開口部103aを通過し、耐熱フィルム104に吸収される。その結果、耐熱フィルム104の温度が入射した赤外線の量に応じて上昇し、この温度上昇に伴って耐熱フィルム104上に設けられたNTCサーミスタ101の抵抗値が変化する。従って、NTCサーミスタ101の抵抗値を電圧値として捉えることによって、定着ローラ61の表面温度を検知することができる。
一方、温度検出部66の周囲の温度(ケース103外部の温度)が変化すると、所定の時間遅れとともに温度検出部66自身の温度も変化し、これに応じてケース103に取り付けられているNTCサーミスタ102の抵抗値が変化する。このNTCサーミスタ102の抵抗値を電圧値として捉えることによって、温度検出部66自身の温度(ケース103の温度)を検知することができる。
NTCサーミスタ101からの出力電圧値は、基本的には定着ローラ61の表面温度に応じたものであるが、NTCサーミスタ101の周囲の温度、すなわちケース103などの温度の影響も受けることになる。そこで、補償用のNTCサーミスタ102の出力電圧値を用いて補償を行い、定着ローラ61の表面温度を正確に求められるようになっている。
なお、NTCサーミスタ101・102は、温度が高くなると抵抗値が小さくなる特性を有しているが、これらの代わりに、温度が高くなると抵抗値が大きくなるPTCサーミスタを用いることも可能である。
図7は、NTCサーミスタ101・102の接続関係を示す回路図である。図7に示すように、NTCサーミスタ101・102を含む回路は等価回路となっている。そして、NTCサーミスタ101とNTCサーミスタ102とは、それぞれプルアップ抵抗R1とR2を介して基準電圧Vrefに接続されており、図7に示すそれぞれの分圧点A1及びA2の電圧(NTCサーミスタ101の分圧点A1の電圧出力であるV1、NTCサーミスタ102の分圧点A2の電圧出力であるV2)が、信号処理用アンプ111・112によって増幅される構成となっている。なお、信号処理用アンプとしては、例えば(1)テキサス・インスツルメンツ製LMV821、LMV822、LMV824の各パッケージタイプ、(2)テキサス・インスツルメンツ製RC4558の各パッケージタイプ、(3)ローム製BA4558/4558F/4558N、(4)ナショナル・セミコンダクター製LF412の各タイプなどを用いることができる。なお、上記のアンプは一例にすぎず、温度制御性能を維持できれば、他のタイプも使用可能である。
そして、信号処理用アンプによって増幅された出力電圧V1及びV2は、A/D変換器113に入力される。また、A/D変換器113には、基準電圧Vrefも入力される。
それぞれの信号処理用アンプ111及び112から出力されるのはアナログ電圧信号であり、これらのアナログ電圧信号がA/D変換器113に入力されると、A/D変換器113がそれぞれの電圧を基準電圧Vrefと比較することによって量子化し、電圧値が生成される。その結果、NTCサーミスタ101由来の電圧値V1と、NTCサーミスタ102由来の電圧値V2とが得られる。これら2つの電圧値V1及びV2は、温度算出部121に入力される。
温度算出部121は、電圧値V1及びV2が入力されると、記憶部122に格納された温度対応テーブル124を参照し、電圧値V1及びV2に対応する定着ローラ61の表面温度を検索する。図1は、温度対応テーブル124の一例を示す図である。また、図8は、温度対応テーブル124を用いて、電圧値V1及びV2から定着ローラ61の表面温度を求める方法を説明する図である。
温度テーブル124は、図1に示すように、NTCサーミスタ101の出力電圧値V1と定着ローラ61の表面温度との対応関係が、NTCサーミスタ102の出力電圧値V2ごとに記載された2次元テーブルとなっている。つまり、電圧値V1と定着ローラ61の表面温度との関係は、NTCサーミスタ101の周囲の温度(ケース103などの温度)に応じて変化するので、ケース103の温度を検知して得られるNTCサーミスタ102の出力電圧値に基づいて補償を行うのである。これにより、ケース103などの温度上昇に伴って、NTCサーミスタ101の検出値に誤差が含まれるのを低減することができる。
例えば、NTCサーミスタ101の出力電圧値V1が1.6221Vであり、補償用のNTCサーミスタ102の出力電圧値V2が1.7477Vである場合、図8に示すように、ケース103の温度は、補償用のNTCサーミスタ102の電圧値1.7477Vと同じか、わずかに小さい値であるところのL点から100℃と判定できる。そして、この行を右方向にたどって、NTCサーミスタ101の電圧値1.6221Vに同じか、わずかに小さい値となる交差位置M点を求め、次いで、M点から上方にたどり、定着ローラ61の表面温度との交差位置N点の温度を取り出すと、このN点に記載している温度170℃が補償後の定着ローラ61の表面温度であることが分かる。
このようにして、温度算出部121は、NTCサーミスタ101の出力電圧値V1と、補償用のNTCサーミスタ102の出力電圧値V2とから、定着ローラ61の表面温度を検出する。
ここで、本発明は、NTCサーミスタ102の各出力電圧値に対応する温度(補償温度)の隣り合う値の差(以下、「幅」という)が、NTCサーミスタ101の各出力電圧値に対応する温度(定着ローラの表面温度)の幅よりも小さくなるように、温度対応テーブル124におけるNTCサーミスタ(主温度検知部)101の出力電圧値の幅と、NTCサーミスタ(補償用温度検知部)102の出力電圧値の幅とが設定されていることを特徴としている。より詳細には、それぞれの電圧出力値の幅は、補償用温度の幅が表面温度の幅の0.1倍以上0.5倍未満になるように設定されていることが好ましく、0.2倍となるように設定されていることがさらに好ましい。従来の温度テーブルでは、温度制御精度(例えば、1℃)と同じ程度の温度変化が検知できるような幅で構成されているが、本発明では、それぞれのNTCサーミスタの特性を考慮して上記の構成としている。
これにより、NTCサーミスタ102の出力電圧値V2に基づいて補償温度(ケース103の温度)を細かく検知することができ、補償用に用いるNTCサーミスタ102の電圧値V2の変化に追従した精度の高い表面温度を求めることができる。一方で、NTCサーミスタ101の方は検知分解能をいたずらに細かくすることなく、最低限の検知分解能にしておくことができる。このようにNTCサーミスタ102の幅を小さくしておけば、NTCサーミスタ102の出力値V2が少し変化して幅を超えた際に、NTCサーミスタ101の出力値V1に基づいた表面温度が大きく変化することがなく、定着ローラ61の表面温度を精度よく検出することができる。
一例として、本実施形態の温度対応テーブル124では、図1に示すように、補償温度(ケース103の温度)が0.2℃ごとに分割されており、分割されたそれぞれの温度に対応するNTCサーミスタ102の出力電圧値が記載されている。一方、定着ローラ61の表面温度は1℃ごとに分割されており、分割されたそれぞれの表面温度に対応するNTCサーミスタ102の出力電圧値が記載されている。
上記の温度対応テーブル124により定着ローラ61の表面温度を検出することができるが、より精度のよい温度検知を行うためには、温度対応テーブル124で求めた表面温度を、温度算出部121が補償温度(ケース103の温度)や環境温度に応じてさらに補正することが好ましい。
本実施形態において、記憶部122は、補償温度(ケース103の温度)ごとの補正値のデータである第1補正値データ125を格納している。図9(a)は、第1補正値データ125を可視化したものであり、ケース103の温度と、そのときの補正値との関係を示すグラフである。本実施形態では、0.2℃刻みのケース103の各温度に対応する補正値のテーブルが第1補正値データ125として格納されている。
例えば、NTCサーミスタ102の出力電圧値が1.7477Vで、ケース103の温度が100℃である場合、温度算出部121は、図9(a)に示す第1補正値データ125を参照して、補正値+7℃を得る。そして、この補正値により、温度対応テーブル124を用いて先ほど求めた定着ローラ61の表面温度170℃を補正する。その結果、温度算出部121によって求められる定着ローラ61の表面温度は177℃となる。温度算出部121によって最終的に求められた定着ローラ61の表面温度の情報は、加熱制御部123に入力される。
なお、記憶部122に環境条件ごとに異なる複数の第1補正値データを格納し、温度算出部121が、補正に用いる第1補正値データを、上記複数の第1補正値データの中から環境条件に基づいて選択してもよい。環境条件としては、例えば、画像形成装置の設置されている室温や湿度などが挙げられる。
より詳細に説明すると、記憶部122は、上記の図9(a)に示すテーブルを常温常湿環境(N/N環境)下で用いる第1補正値データとして格納しておき、これ以外にも、図9(b)に示すテーブルを低温低湿環境(L/L環境)下で用いる第1補正値データとして、そして、図9(c)に示すテーブルを高温高湿環境(H/H環境)下で用いる第1補正値データとして格納しておく。そして、温度算出部121は、温度計や湿度計などから取得した環境条件に応じて、補正を行うための第1補正値データを上記の3つのテーブルの中で切り換える。
これにより、温度算出部121は、環境条件に応じたより正確な補正を行い、定着ローラ61の表面温度をより正確に求めることができるようになる。
次に、加熱制御部123は、温度算出部121によって求められた補正後の表面温度177℃が、予め設定されている目標温度TS(例えば170℃)よりも高いか低いかを判定する。そして、定着ローラ61の表面温度が目標温度TSに比べて高い場合、ヒータランプ64に対してドライバ91を介して非通電の指示を行い、ヒータランプ64の加熱を停止する。一方、定着ローラ61の表面温度が目標温度TSに比べて低い場合、ヒータランプ64に対してドライバ91を介して通電の指示を行い、ヒータランプ64を加熱させる。なお、このヒータランプ64の駆動において、通電/非通電の判定にヒステリシスを持たせて、制御性を向上させてもよい。
図10は、加熱制御部123の詳細な構成を示すブロック図である。図10に示すように、加熱制御部123は、第1電力制御部81、第2電力制御部82、バースト駆動タイミング発生部83、切替条件判定部85、及び切換部84を含んでいる。また、加熱制御部123は、画像形成装置100の動作全体を制御する図示しない制御部にも接続されている。
第1電力制御部81は、画像形成装置100を構成する制御部や駆動部等の各構成部に接続され、温度検出部66を含む各構成部に供給する電力の設定電力値を制御するものである。設定電力値は、各構成部に供給する電力の出力指令値であり、設定電力値に基づいて各構成部への電力の出力が行われる。
第1電力制御部81は、切換部84及びドライバ91を介してヒータランプ64に接続されており、温度算出部121から定着ローラ61の表面温度の値を受け取り、その値と目標温度とに基づいてヒータランプ64に供給する電力の設定電力値を制御し、ヒータランプ64に設定電力値の電力を供給する第1電力制御モードを実行する。通常は、第1電力制御部81を用いて定着ローラ61の表面温度を一定温度に保持する。
なお、本実施形態においてヒータランプ64の定格電力値は1000Wであるが、第1電力制御部81が実際にヒータランプ64に供給できる許容電力値は700Wに制限している。これは、通常、商用電源から画像形成装置100に供給される電力が1500Wで、また画像形成装置100を構成する他の構成部にも電力供給が必要であり、ヒータランプ64に1000Wを供給すると他の構成部が正常に機能しないところがあるためである。
第2電力制御部82は、切換部84及びドライバ91を介してヒータランプ64に接続され、またバースト駆動タイミング発生部83に接続されている。また、第2電力制御部82は、画像形成装置100の各構成部の動作状態に基づいてヒータランプ64に供給する電力の設定電力値を制御する第2電力制御モードを実行する。
さらに、第2電力制御部82は、バースト駆動タイミング発生部83から出力される信号に基づいて所定の時間だけヒータランプ64に設定電力値の電力を供給してヒータランプ64をバースト駆動(強制駆動)する。バースト駆動タイミング発生部83は、第2電力制御部82の制御周期である第2制御周期に同期したタイミングで第2電力制御部82に信号を出力する。
しかも、第2電力制御部82は、画像形成装置100の各構成部の動作状態に基づいてヒータランプ64に対して許容電力値以上の設定電力値を設定してヒータランプ64をバースト駆動する。つまり、商用電源から画像形成装置100に供給される電力1500Wから各構成部が使用する電力を除いた電力をヒータランプ64に供給する。これにより、各構成部が必要な電力が不足することを防止して、各構成部の機能を維持しつつヒータランプ64を適切にバースト駆動することができる。
バースト駆動は、第2制御周期の1周期のうち、バースト駆動タイミング発生部83に基づく所定の時間だけ設定電力値の電力をヒータランプ64に供給する。このように、所定の時間だけ定期的に電力を供給してヒータランプ64をバースト駆動することで、電力の供給開始の度にパルス的に電力が発生する。そのため、平均的には設定電力値より大きい電力がヒータランプ64に供給されることとなり、不足する電力を補うことができる。
例えば、図11に示すように、300Wの許容電力の範囲内でヒータランプ64駆動するときに、その許容電力以上の電力を稼ぐためには、ヒータランプ64をバースト駆動することで300W以上の電力を得ることができる。図11に示すバースト駆動の場合、300Wの電力値よりも大きい電力が一時的に発生し、バースト駆動を所定の第2制御周期単位で繰り返して行うことにより、平均的には300Wよりも大きな電力がヒータランプ64へ供給されることになる。
切換部84は、リレー、サイリスタ、若しくはトライアック等のスイッチング素子、又はソフトウェアによって電力設定を切り替えるものであり、具体的には、画像形成装置100を構成する各構成部の動作状態に基づいて第1電力制御部81及び第2電力制御部82を切り換えることにより、第1電力制御モードと第2電力制御モードとの切り換えを行う。
例えば連続印刷により定着ローラ61の表面温度が一定温度よりも低くなり、第1電力制御モードによってヒータランプ64に供給可能な許容電力値では定着ローラ61の表面をすぐに昇温できない状態であって、かつ、各構成部が消費する駆動電力が少なくて許容電力値以上の電力がヒータランプ64に供給可能な場合等に、第1電力制御モードから第2電力制御モードへ切り換えを行う。
第1電力制御モードと第2電力制御モードとの制御の同期を取るため、第2電力制御部(第2電力制御モード)の制御周期である第2制御周期は、第1電力制御部(第1電力制御モード)の制御周期である第1制御周期に対して整数倍に設定する。例えば、本実施例では第1電力制御モードの制御周期を150ms周期、第2電力制御モードの制御周期を3.0s周期としている。そして、第2電力制御モードの実行中には、第2制御周期の1周期あたりの所定の時間(本実施形態では750ms)だけパルス的に電力を供給してヒータランプ64を強制駆動する。
以上のようにして、温度算出部121によって求められた定着ローラ61の表面温度に基づいて、加熱制御部123がヒータランプ64の加熱力を制御する。
ところで、上述した温度対応テーブル124において、NTCサーミスタ101の出力電圧値の幅は、各出力電圧値に対応する定着ローラ61の表面温度の幅がヒータランプ64による定着ローラ61に対する制御温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることが好ましい。本実施形態では、ヒータランプ64による定着ローラ61に対する制御温度精度が1℃であり、定着ローラ61の表面温度の幅は1℃であるので、制御温度精度に対する表面温度の幅の倍率が1倍となっている。
上記の構成により、温度リップルが拡大することなく、かつドリフトすることもない安定した温度制御を行うことができる。
また、上述した温度対応テーブル124において、NTCサーミスタ101の出力電圧値の幅は、各出力電圧値に対応する定着ローラ61の表面温度の幅がNTCサーミスタ101の検知温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることが好ましい。本実施形態では、NTCサーミスタ101・102の検知温度精度が1℃であり、定着ローラ61の表面温度の幅は1℃であるので、検知温度精度に対する表面温度の幅の倍率が1倍となっている。
上記の構成により、温度リップルが拡大することなく、かつドリフトすることもない安定した温度制御を行うことができる。
以上のように、本実施形態において、温度対応テーブル124におけるNTCサーミスタ101及びNTCサーミスタ102の出力電圧値の幅は、温度対応テーブル124におけるNTCサーミスタ102の各出力値に対応するケース103の温度の幅が、温度対応テーブル124におけるNTCサーミスタ101の各出力値に対応する定着ローラ61の温度の幅よりも小さくなるように設定されている。そしてその倍率は、0.5倍未満であることが好ましく、0.1倍以上0.5倍未満がより好ましく、0.1倍以上0.25倍以下であることがさらに好ましい。
このことは、A/D変換器90量子化分解能や、基準電圧Vrefの電圧、プルアップ抵抗の抵抗値が異なっている場合であっても同様である。
最後に、本実施形態の定着装置36に備わった温度制御装置80が正確な温度検知、ひいては正確な温度制御を実行できることを以下の実施例に基づいて検証した。
実施例1として、上述した実施形態1の温度制御装置によって定着ローラの温度制御を行った。本実施例では、温度検出部の検出した定着ローラの表面温度、温度検出部自身の温度(ケースの温度)をプロットした。また、実際の定着ローラの表面温度を測定するために、本実施形態とは無関係の放射温度計を用意し、これにより測定した実際の表面温度も同様にプロットした。これらの結果を図12に示す。図12に示すように、本実施例の温度制御装置では、温度検出部による検出値が放射温度計による測定値と大差がなく、定着ローラの温度変化を精度よく検出した。さらに、時間とともに温度リップルが拡大することなく、従来の接触式のサーミスタを用いた場合と同程度で、定着ローラの温度を適正な一定温度(168±3℃)に維持することができた。
一方、実施例1に対する比較例1として、温度対応テーブルにおける温度検出部自身(ケース)の温度の幅を1℃にした温度制御装置を用意し、同様に定着ローラの温度制御を行った。なお、比較例1の温度制御装置は、温度対応テーブル以外は実施例1のものと同一である。その結果を図13に示す。図13に示すように、比較例1の温度制御装置では、温度検出部による検出値が放射温度計による測定値に比べて高温側にドリフトし、定着ローラの温度変化を正確に検出できなかった。さらに、時間とともに定着ローラの検出温度に大きなリップルが生じ(166±7℃)、定着ローラの温度変化に温度制御が追従できなかった。
以上のことから、上述した実施形態1の温度制御装置の有効性が示された。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態に係る温度制御装置を用いた定着装置について説明する。上述した実施形態1と同様の部材については説明を省略する。
図14は、本実施形態の定着装置36の構造を示す図である。本実施形態の定着装置36は、基本的な構成は実施形態1と同じであるが、定着ローラ61に2つのヒータランプ64a・64bが内蔵されている。ヒータランプ64aは、定着ローラ61の軸方向中央部を重点的に加熱するものであり、一方、ヒータランプ64bは、定着ローラ61の軸方向端部を重点的に加熱するものである。
さらに、定着ローラ61の軸方向中央部及び一端部には、実施形態1の温度検出部66と同様のものが1つずつ設けられている。以下では、定着ローラ61の軸方向中央部に設けられた温度検出部を温度検出部66aとし、軸方向の一端部に設けられた温度検出部を温度検出部66bとする。
温度検出部66aは、定着ローラ61の中央部を加熱するヒータランプ64aの通電/非通電の温度制御に用いられ、一方、温度検出部66bは、定着ローラ61の両端部を加熱するヒータランプ64bの通電/非通電の温度制御に用いられる。そして、定着ローラ61の非通紙部には、温度制御部の不具合による異常昇温や、小サイズ紙に画像形成する際の非通紙部の異常昇温を検出するために、接触式サーミスタを当接させている。通紙中に接触式サーミスタによって検知された温度が所定の閾値(例えば、235℃)を超えると、定着ローラ61や周囲の部材の保護のために各部を冷却する冷却モードが実行される。
定着ローラ61には、ベルト形状の加圧ベルト110が加圧加熱ローラ111、剥離ローラ112によって当接されて、定着ニップ部Yを形成している。加圧ベルト110は、加圧加熱ローラ111、剥離ローラ112及びテンションローラ113によって張力を付与されて、定着ローラ61の回転に伴う駆動力を受けて回転駆動する。加圧加熱ローラ111の芯金111aの内部には加熱用のヒータランプ115を配置し、用紙の剥離促進の為に、加圧ベルト110を定着ローラ61の回転速度よりも2〜10%程度遅くした回転速度で回転させる。また、剥離ローラ112には、駆動力を効率よく付与するためと剥離挙動促進のために、芯金112aの外周面に耐熱性を有する厚み1mmのゴム層112b(シリコンゴム)が被覆されている。
図15は、本実施形態におけるNTCサーミスタ101・102の接続関係を示す回路図である。本実施形態でも上述した実施形態1同様、回路には、温度検出部66の開口部103aに入射される赤外線を検知して定着ローラ61の表面温度に対応する電圧(V1)を出力するNTCサーミスタ101と、温度検出部66自身(ケース103)の温度に対応する電圧(V2)を出力するNTCサーミスタ102とが備わっている。そして、各々のNTCサーミスタ101・102は別々のプルアップ抵抗を介して基準電圧Vrefに接続されており、NTCサーミスタ101とNTCサーミスタ102の温度に応じた抵抗値が電圧に変換され、A/D変換器90に入力される。
ここで、本実施形態では、温度検出部66a・66bに印加する駆動電圧Vdrを、A/D変換器90に入力する基準電圧Vrefの95%よりも大きく、かつ、100%以下にする。なお、A/D変換器90に入力する基準電圧Vrefは、NTCサーミスタ101・102から出力され信号処理が行われた電圧信号をデジタルの電圧値に変換する際に、比較基準となる電圧である。
NTCサーミスタ101・102の駆動電圧を供給する電圧源の出力電圧が変動すると、NTCサーミスタ101・102の出力電圧値も変動してしまい、温度対応テーブル124を用いて検知した定着ローラ61の表面温度が本来の値から大きくずれてしまう。そのため、誤った検知温度に基づいて定着ローラ61の温度制御を行うことになり、定着ローラ61が所望の温度から一定の温度差を持った状態で温度制御されるだけでなく、温度ドリフトやリップルの増大をも招いてしまい、正しい温度制御が実行されないことになる。
そこで、図15に示すように、A/D変換器90に入力する基準電圧Vrefが例えば3.3Vの場合、プルアップ抵抗113及びNTCサーミスタ101に印加される駆動電圧を3.135Vよりも大きく、かつ、3.3V以下にする。また、基準電圧Vrefが5Vの場合は、駆動電圧を4.75Vよりも大きく、かつ、5V以下にする。なお、降圧には、ツェナーダイオードや電圧レギュレータ等の回路を用いることができる。
これにより、温度対応テーブル124に記憶された電圧値と、実際に温度検出部から得られる電圧値との間のずれが、検知できる電圧値以下の許容レベルとなり、温度変換が正しく行われるようになる。その結果、温度ドリフトやリップルの増大がなく、安定した温度制御を行うことができるようになる。
この構成が好ましいのは、駆動電圧Vdrが100%よりも大きいときの方が、100%から95%のときに比べて、電圧を検出する際の電圧分解能の影響が大きく出るためである。この影響は、温度検知素子であるNTCサーミスタの特性によっては一層顕著になる場合もある。
また、プルアップ抵抗113・114に、実際の抵抗値と仕様書などに記載されている公称値(例えば33kΩ)との公差が±1%以内のもの(32.67kΩ〜33.33kΩ)を使用することが好ましい。これは、NTCサーミスタ101・102からの出力電圧は、プルアップ抵抗113・114の抵抗値とNTCサーミスタ101・102の抵抗値との比によって決定されるため、プルアップ抵抗の値にバラツキがあると、定着ローラ61の表面温度を正確に検知することができないからである。分圧比を決定するプルアップ抵抗の抵抗値にズレがあると、検出した定着ローラ61の表面温度が実際の表面温度からズレを生じ、温度ドリフトやリップルの増大を招いて、温度制御が不安定になってしまう。
抵抗値の公差が±1%以内のプルアップ抵抗を用いるためには、多数の抵抗素子の中から所望の抵抗値範囲のものを選別したり、レーザートリミングで抵抗の表面を極微小に焼き切ることによって抵抗値を調整したりすることが挙げられる。このようなプルアップ抵抗として、例えば進工業製の薄膜チップ抵抗RR1220の33kΩ、0.1%選別品などを用いることができる。
また、A/D変換器90がNTCサーミスタ101・102からの出力電圧を量子化する際には、10ビット以上14ビット以下の分解能で量子化することが好ましい。本実施形態では、一例として10ビットの分解能で量子化している。
通常、電源部から供給される電圧は5V以下であることが多く、NTCサーミスタ101・102の駆動電圧には3.3Vも多用される。ここで、分解能が8ビットや9ビットの場合、分解能が足りず、温度対応テーブルを用いた検出温度の偏差が大きくなり、安定した温度制御ができなくなる。
一方、分解能が15ビットや16ビットでは、十分な分解能を有するものの、このような分解能を付与させるには、コスト的に高くつき、コストパフォーマンスが非常に悪くなってしまう。分解能が10ビット以上14ビット以下であれば、温度制御に十分な精度で温度検知し、量子化における不具合を少なくすることができるとともに、コストパフォーマンスを向上させることができる。
また、図15に示すように、NTCサーミスタ101・102からの出力電圧は、信号処理用アンプ111・112を介してA/D変換器90に入力されることにより、インピーダンスマッチングが行われ、信号波形の歪曲化が防止される。従って、信号処理用アンプ111・112は、入力端子に入力されたNTCサーミスタ101・102の出力値を出力端子に忠実に伝達する必要がある。信号処理用アンプ111・112で外乱が混入すると、各NTCサーミスタ101・102からの出力値の偏差が大きくなってしまい、温度ドリフトやリップルの増大を招いて、温度制御が不安定になってしまうからである。
以上の理由から、信号処理用アンプ111・112には、入力オフセット電圧がType値で2mV以下のものを用いることが好ましく、1mV以下のものを用いることがさらに好ましい。また、NTCサーミスタ101・102の感度が高くなるにつれ、より小さい入力オフセット電圧の信号処理用アンプ111・112を用いることが好ましい。
これにより、非接触式の温度検出部66に特有の信号伝達が阻害されることなく、正確な温度検知が行われる。その結果、温度ドリフトやリップルの増大がなく、安定した温度制御を行うことができる。
なお、入力オフセット電圧が上記の条件よりも大きい信号処理用アンプであっても、入力端子に専用の調整端子を持つ場合は、この調整端子に入力する電圧値を調整して入力オフセット電圧を1mV以下にできる場合がある。また、回路を工夫することで、入力オフセット電圧を調整できる場合もある。これらの信号処理用アンプを用いてもよい。
また、図15に示した信号処理回路の他に、図16に示すように、信号処理用アンプ111及び112の出力端子を、差動出力の信号処理用アンプ115のそれぞれの入力端子に接続し、信号処理用アンプ115の出力端子をA/D変換器90に接続してもよい。これにより、NTCサーミスタ101・102の出力値が信号処理用アンプ115に入力され、差分電圧V3=Vc−Vd(一般に差動電圧と呼び、ここでは、温度検出部の差動出力と呼ぶ)と、NTCサーミスタ102の出力値V2とを用いて、定着ローラ61の表面温度を検知することができる。
この信号処理用アンプ115により、入力に対する出力の利得を高くすることができ、微小電圧変化を捉えることができるようになる。前述した信号処理用アンプ115の利得は任意に設定することができるが、5倍以上10倍以下に設定することが多い。利得が小さすぎると電圧分解能を上げることができず、反対に大きすぎると差動アンプの出力レンジを越えてしまい、正しく電圧変化を捉えることができない。本実施形態では、信号処理用アンプ115の利得を5倍に設定している。
また、加熱制御部123によるヒータランプ64a・64bのON/OFF制御周期は、温度検出部66a・66bの応答速度の0.25倍以下の周期であることが好ましい。本実施形態では、NTCサーミスタ101・102、ケース103、及び耐熱フィルム104などを含む温度検出部66a・66bの応答速度T2は2秒となっている。これに対して、加熱制御部123の制御周期は500msとなっている。なお、この500msは、ヒータランプ64a・64bの両方を制御するのに必要な全体の制御周期である。
温度検出部66a・66bの応答速度T2は、従来の接触式サーミスタと同様の方法で測定した値であるが、温度検出部66a・66bからは、定着ローラ61の表面温度や温度検出部66自身(ケース103)の温度に対応する電圧がT2よりも小さい周期で出力される。従って、T2よりも小さい周期、具体的にはT2の0.25倍以下の周期でヒータランプ64a・64bの加熱制御を行うことにより、定着ローラ61の表面温度の変化に迅速に追従した温度制御を実現できるようになる。
なお、制御するヒータランプが複数ある場合は、全体の制御周期が長くなると支障が出るので、各ヒータランプにはより早い温度制御が必要となり、それに応じて1本あたりのヒータランプの制御周期を調節することが好ましい。例えば3本のヒータランプを制御する場合、1本あたり150msとして、3本で450ms、あるいは1本あたり100msとして、3本で300msなどとすることが好ましい。
なお、基準電圧Vrefや、駆動電圧Vdr、プルアップ抵抗の抵抗値などは、上述した値に限ったものではなく、検知素子であるNTCサーミスタの特性や、A/D変換器の量子化分解能、信号処理用アンプの利得や特性などによって、様々な値を用いることができる。また、NTCサーミスタ101とNTCサーミスタ102に接続するプルアップ抵抗113・114には、同じ抵抗値のものを用いる必要はなく、異なる抵抗値のプルアップ抵抗を接続してもよい。
また、定着ローラ61や加圧ベルト110の構成は、本実施例に記載のもの以外に、様々な構成に用いることができ、例えば、定着ローラ61をベルト形状にすることも可能であるし、加圧ベルト110をローラ形状にすることも可能である。また、加熱手段として、ヒータランプではなく、ローラの内面あるいは表面が直接発熱するダイレクトヒーティング方式や、電磁誘導による誘導加熱方式にも用いることもできる。特に、誘導加熱方式では、内部あるいは外部に配置したコイルの構成によっては、表面の発熱にムラが生じる場合があり、このような場所では、点接触による温度検知では、温度の高いところや低いところのみを測定してしまい温度制御に影響を与えてしまうが、所定の領域の平均温度を検知する本発明に用いている温度検出部66によれば、その影響を低減でき有利である。
最後に、本実施形態の定着装置36に備わった温度制御装置が正確な温度検知、ひいては正確な温度制御を実行できることを以下の実施例に基づいて検証した。
実施例2として、A/D変換器90に入力される基準電圧Vrefの値を5.0Vに固定し、NTCサーミスタ101・102を駆動する駆動電圧Vdrの値をそれぞれ4.75V、4.9V、4.95V、5.0V、5.05V、5.1V、5.25Vにした条件で、正確に温度制御ができるか否かを検証した。
また、実施例3として、A/D変換器90に入力される基準電圧Vrefの値を3.3Vに固定し、NTCサーミスタ101・102を駆動する駆動電圧Vdrの値をそれぞれ3.135V、3.234V、3.267V、3.3V、3.333V、3.366V、3.465Vにした条件で、正確に温度制御ができるか否かを検証した。
実施例2・3の結果を図17に示す。なお、図17の表において、「○」はリップルの拡大及び温度ドリフトがなく制御性が良好であったこと、「△」はリップルの拡大及び温度ドリフトはほとんどないが、やや安定性に欠ける制御性であったこと、「×」はリップルの拡大及び温度ドリフトがあり、時間経過と共に制御性が悪化する傾向であったことを表している。
図17に示すように、上記の実施例2・3から、NTCサーミスタ101・102を駆動する駆動電圧Vdrの値が、A/D変換器90に入力される基準電圧Vrefの値の95%以上100%以下である場合に、正確な温度制御ができることが示された。
次に、実施例4として、実際の抵抗値と公称値との公差がそれぞれ−2%から+2%までのプルアップ抵抗を用い、正確に温度制御ができるか否かを検証した。具体的には、公称値が33kΩのプルアップ抵抗のうち、実際の抵抗値がそれぞれ32.34kΩ、32.67kΩ、33kΩ、33.33kΩ、33.66kΩのものを用いた。
その結果を図18に示す。なお、図18の表において、「○」はリップルの拡大及び温度ドリフトがなく制御性が良好であったこと、「△」はリップルの拡大及び温度ドリフトはほとんどないが、やや安定性に欠ける制御性であったこと、「×」はリップルの拡大及び温度ドリフトがあり、時間経過と共に制御性が悪化する傾向であったことを表している。
図18に示すように、上記の実施例4から、プルアップ抵抗の抵抗値の公差が、公称値の±1%以内である場合に、正確な温度制御ができることが示された。
次に、実施例5として、A/D変換器90の量子化分解能をそれぞれ8bit、10bit、12bit、14bit、16bitにしたときに、正確に温度制御ができるか否かを検証した。それぞれの検証は、A/D変換器90に3.3Vの基準電圧を入力した場合と、5Vの基準電圧を入力した場合との2つの条件下で行った。
その結果を図19に示す。なお、図19の表において、「○」はリップルの拡大及び温度ドリフトがなく制御性が良好であったこと、「△」はリップルの拡大及び温度ドリフトはほとんどないが、やや安定性に欠ける制御性であったこと、「×」はリップルの拡大及び温度ドリフトがあり、時間経過と共に制御性が悪化する傾向であったことを表している。
図19に示すように、上記の実施例5から、量子化分解能が10bitから16biitの場合に、正確な温度制御ができることが示された。
次に、実施例6として、信号処理用アンプ111・112として、異なる入力オフセット電圧のものを用い、正確に温度制御ができるか否かを検証した。具体的には、入力オフセット電圧がそれぞれ0.1mV、0.5mV、1mV、2mV、5mVのものについて検証した。
その結果を図20に示す。なお、図20の表において、「○」はリップルの拡大及び温度ドリフトがなく制御性が良好であったこと、「△」はリップルの拡大及び温度ドリフトはほとんどないが、やや安定性に欠ける制御性であったこと、「×」はリップルの拡大及び温度ドリフトがあり、時間経過と共に制御性が悪化する傾向であったことを表している。
図20に示すように、上記の実施例6から、信号処理用アンプ111・112の入力オフセット電圧が1mV以下の場合に、正確な温度制御ができることが示された。
(実施形態3)
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る温度制御装置を用いた定着装置について説明する。上述した実施形態1・2と同様の部材については説明を省略する。
図21は、本実施形態の定着装置36の構造を示す図である。本実施形態の定着装置36は、定着ローラ61の内部に2本のヒータランプ64a・64bを、また、加圧ローラ62の内部に1本のヒータランプ64cを内包している。定着ローラ61に内包されるヒータランプ64aは凸形状発熱、そしてヒータランプ64bは凹形状発熱を持たせてあり、前者は中央部を主に加熱する一方で、後者は両端部を主に加熱することによって、定着ローラ61の表面全体が加熱されるようになっている。これに対して、加圧ローラ62に内包するヒータランプ64cは、全幅発熱のフラットな発熱性を持たせている。
なお、本実施形態において各ヒータランプの定格電力は、ヒータランプ64aが480W/100V、ヒータランプ64bが510W/100V、ヒータランプ64cが300W/100Vとなっている。
温度を検知する基本的な構成は実施形態1・2と同じであるが、ヒータランプ64aによって加熱される定着ローラ61の中央部の温度検知には上述した非接触式の温度検出部66aを用い、ヒータランプ64bによって加熱される定着ローラ61の両端部の温度検知には従来と同様の接触式サーミスタ68aを、また、ヒータランプ64cによって加熱される加圧ローラ62の温度検知には従来と同様の接触式サーミスタ68bを用いている。
なお、接触式サーミスタ68a・68bは各ローラに当接するため、ローラ表面へある程度のダメージを与えるが、それぞれを用紙の画像領域外、あるいは通紙領域外に配置することによって、ローラ表面に与えるダメージを軽減することができる。
温度検出部66aは、定着ローラ61の中央部を加熱するヒータランプ64aの通電/非通電の温度制御に用いられ、一方、接触式サーミスタ68a・68bは、それぞれ、両端部を加熱するヒータランプ64bの通電/非通電の温度制御と、加圧ローラ62の全幅を加熱するヒータランプ64cの通電/非通電の温度制御とに用いられる。
また、定着ローラ61の表面のうち、最大サイズの用紙を通紙した際の非通紙部に接触する従来の接触式サーミスタ68cをさらに設け、加熱制御部123の不具合発生時や、小サイズ紙を通紙した際の非通紙部の異常昇温を検出してもよい。本実施形態の定着装置36は、この接触式サーミスタ68cを備え、接触式サーミスタ68cによって検知された温度が所定の閾値(例えば、用紙の通過中は235℃、用紙の通過がない場合は245℃)を超えると、定着ローラ61や周囲の部材を過剰な熱から保護するために、加熱制御部123が各部の冷却を指示する冷却モードを実行する。
定着ローラ61は、外径40mm、長さ326mmの円筒形状で、芯金61aとして、外径35mm、肉厚1mmのSTKM製のものを用いている。また、芯金61aの表面には、厚さ2.5mmのシリコンゴム製の耐熱弾性体層61cが被覆され、定着ローラ61の表面に弾性を付与している。さらに、耐熱弾性体層61cの表面には、PFAチューブ製の離型層61bが形成されている。芯金の両端は、外径が30mmになるように絞り加工が施され、図示しないボールベアリング及び駆動ギヤを装着して、定着ローラ61をフレームに保持するようになっている。
一方、定着ローラ61に圧接し、従動回転する加圧ローラ62は、外径40mm、長さ326mmの円筒形状で、芯金62aとして、外径30mm、肉厚1mmのSTKM製のものを用いている。また、芯金62aの表面には、厚さ5mmのシリコンゴム製の耐熱弾性体層62bが被覆され、加圧ローラ62の表面に弾性を付与している。さらに、耐熱弾性体層62bの表面には、PFAチューブ製の離型層62cが形成されている。芯金の両端は、外径が19mmになるように絞り加工が施され、図示しないボールベアリングを装着し、加圧ローラ62は加圧レバーを介してフレームに保持するようになっている。
これら定着ローラ61と加圧ローラ62との圧接部である定着ニップ部Yには、印字媒体である用紙Pが通紙され、定着ローラ61及び加圧ローラ62に加熱・圧接されることにより、用紙上の未定着トナーが溶融し、用紙上に定着する。
温度算出部121が温度検出部66aに基づいて定着ローラ61の中央部の表面温度を求める際には、実施形態1と同様の温度対応テーブル124及び第1補正値データを使用している。つまり、本実施形態における温度対応テーブル124も、NTCサーミスタ101の各出力電圧値に対応する温度の幅を1℃、NTCサーミスタ102の各出力電圧値に対応する温度の幅を0.2℃としている。温度算出部121は、温度対応テーブル124を参照し、NTCサーミスタ101・102からの出力電圧値に基づいて定着ローラ61の中央部の表面温度を求め、その後、第1補正値データを用いて求めた表面温度の補正を行う。そして、実施形態1と同様に、最終的な定着ローラ61の表面温度の情報が加熱制御部123に入力される。
本実施形態において、加熱制御部123には、温度算出部121によって求められた定着ローラ61の中央部の表面温度の情報に加えて、非接触式サーミスタ68a・68b・68cによって求められた定着ローラ61及び加圧ローラ62の各部の表面温度の情報も入力される。そして、加熱制御部123は、温度検出部66aの検出した温度に基づいて、定着ローラ61の中央部の表面温度が目標温度TS1(例えば170℃)になるように、ヒータランプ64aの通電/非通電をスイッチング素子などにより切り換える。
またその一方で、加熱制御部123は、接触式サーミスタ68aが検知した定着ローラ61の端部の表面温度に基づいて、定着ローラ61の端部の表面温度が目標温度TS3(例えば140℃)になるように、ヒータランプ64bの通電/非通電を制御し、さらに、接触式サーミスタ68bが検知した加圧ローラ62の表面温度に基づいて、加圧ローラ62の表面温度が目標温度TS2(例えば170℃)になるように、ヒータランプ64cの通電/非通電を制御する。もちろん各部を別々の加熱制御部によって制御してもよい。
ここで、上述した実施形態1の定着装置の構成(すなわち温度対応テーブル124及び第1補正値データのみを用いて定着ローラ61の表面温度を求める構成)で、A4サイズ(幅297mm、長さ210mm)の用紙を、TS1=170℃、TS2=170℃、TS3=140℃の条件下で、毎分27枚の印字速度で連続500枚定着したところ、定着ローラ61の中央部の表面温度は、印字開始初期には一時的に目標温度TS1を大きく下回るが、その後は回復し、安定して目標温度TS1近傍になった(図示せず)。このことは、温度検出部66aから得られた定着ローラ61の中央部の表面温度TM1が、本実施形態の温度制御装置80とは関係のない別の温度検知手段で同じポイントを測定して得られた実際の表面温度TM4とほぼ同じになることから確かめられた。また、定着ローラ61の端部の表面温度TM3も目標温度TS3近傍に制御され、加圧ローラ62の表面温度TM2も目標温度TS2に制御されることが分かった。
しかしながら、A5Rサイズ(幅210mm、長さ148.5mm)の用紙を、毎分19枚の印字速度で、同じ目標温度で定着したところ、A5Rサイズの用紙の印字が進むにつれて、本来同じ温度を示すはずの前記TM1と前記TM4とに偏差が生じた(図示せず)。この偏差は、より幅の狭い用紙に印字したり、より速い印字速度で定着させたりした場合にさらに拡大した。このように幅の狭い用紙に印字する場合、TM4に比べてTM1が高くなることが多く、印字枚数が多くなるとその偏差がさらに拡大することが分かった。
このような現象が発生する原因は以下の通りである。ヒータランプ64aが定着ローラ61の中央部を加熱する際、A5Rサイズの用紙が通過する領域と、ヒータランプ64aが加熱する定着ローラ61の中央部の加熱領域とに大きさの差が生じる。ここで、加熱領域の方が大きい場合は、加熱領域のうち、用紙の通過する領域に含まれない非通紙領域は、用紙に熱を奪われることがないため蓄熱され続け、局部的に高い温度になる。そのため、この局部的に高い温度となった非通紙部分から、温度検出部66aの開口部103aを通じてNTCサーミスタ101に多量の赤外線が入射されることになる。
温度制御装置80は、本来、定着ローラ61の通紙領域の表面温度を目標温度に制御することが望まれているが、この非通紙領域からの赤外線により、温度検出部66a及び温度算出部121は、通紙領域の温度を実際の温度よりも高い値として認識しまうことになる。その結果、加熱制御部123は、定着ローラ61の通紙領域の表面温度が目標温度TS1に到達していないにもかかわらず、到達したと判定し、ヒータランプ64aの加熱を止めるよう制御する。これにより、定着ローラ61の通紙領域の表面温度が、目標温度よりも低く制御されてしまうのである。
このような現象が起こると、定着不良などの不具合が生じ、特に、温度変化に敏感なトナーでは、定着ローラ61や加圧ローラ62の汚れ等を助長し、これらのローラの寿命を縮めてしまうことになる
このことは、はがきに印字するときにも当てはまる。例えば、図22は、はがき(幅100mm、長さ148mm)を、毎分7枚(7CPM)で印字したときの、非接触式の温度検出部66a及び温度算出部121によって求められた定着ローラ61の表面温度と、接触式サーミスタによって測定された実際の定着ローラ61の表面温度とを示したものである(比較例2)。なお、温度検出部66aと非接触式サーミスタとは、定着ローラの周方向が同一の位置で、かつ、軸方向に僅かに異なる位置に設置した。
図22に示すように、温度検出部66aによって検出された定着ローラ66aの表面温度は、接触式サーミスタで測定した実際の定着ローラ66aの表面温度よりも高くなっている。例えば100枚通紙時点においては、実際の表面温度が158℃と低い表面温度になり、誤差が約18℃にも及んでいる。
この原因は以下の通りである。はがきの幅が100mmであるの対して、定着ローラ61の中央領域を加熱するヒータランプ64aの凸部である主たる発熱部分、すなわち加熱領域が約150mmであるため、加熱領域の両端の約25mmずつが、非通紙領域となっている。この両側の約25mmの領域では、用紙に熱を奪われることがないために蓄熱され続け、局部的に高い温度になる。これにより、この局部的に高い温度となった非通紙部分から、温度検出部66aの開口部103aを通じてNTCサーミスタ101に多量の赤外線が入射することになるのである。
この局部的に高温となった部分の温度上昇の度合いや、その部分と温度検出部66aとの位置関係などに依存して影響の程度は異なるが、入射した外乱因子の赤外線により、定着ローラの表面温度を実際の温度に比べて高く検知してしまうことになる。
そこで、本実施形態では、温度算出部121が、上述した温度対応テーブル124及び第1補正値データ125を用いて求めた定着ローラ61の表面温度に対して、さらに各種条件に応じた補正値を適用する。各種条件に応じた補正値とは、例えば、環境条件(室温や湿度)ごとの補正値、印字を行った用紙の量(印字枚数、印字面数)ごとの補正値、印字を行う用紙サイズごとの補正値、印字を行う用紙の幅方向の長さごとの補正値、用紙の種類(はがき、普通紙、厚紙など)ごとの補正値、定着ローラの回転速度ごとの補正値、加熱対象物の目標温度ごとの補正値、印刷条件(両面印刷/片面印刷)ごとの補正値などが挙げられる。これらの補正値のデータは記憶部122に格納され、温度算出部121が、各種条件に応じて該当する補正値のデータを選択し、適用する。
なお、これらの補正値は、温度対応テーブル124を参照して求めた温度に対して直接適用してもよい。
例えば、上述したように局部的な昇温が生じやすい用紙サイズでは、種々の印字条件や環境条件ごとにその上昇度合いを推定し、その推定結果を基に、温度対応テーブル124及び第1補正値データを参照して求めた表面温度に対して補正値を適用する。また、用紙のサイズに応じて、温度検出部66a自身(ケース103)の温度に対する補正値をさらに適用する。
例えば、はがき印字を常温常湿環境で行う場合、図23(a)に示す枚数に応じた補正値が示されたテーブルを使用する。そして、印字枚数に応じて、図23(a)に示された各補正値を適用する。さらに、温度検出部66a自身の温度に対する補正値を、図24に従って適用する。
例えば、はがきを20枚通紙した時点で、温度検出部66a自身の温度が99.8℃であり、その後50枚を通紙した時点で100.1℃になったとすれば、印字枚数に応じた補正値は“−8℃”から“−10℃”になる。一方、温度検出部66a自身の温度による補正値は、図24に示すように“±0℃”のままである。従って、21枚目以降50枚目までは、補正値がトータルで“−8℃”であり、51枚目になると、補正値がトータルで“−10℃”になる。
そして、温度算出部121は、温度対応テーブル124及び第1補正値データを参照して求めた定着ローラ61の表面温度に対して、このトータルの補正値をさらに適用する。
以上のように、温度検出部66a自身の温度と印字枚数とを関連付けて補正を行うことにより、定着ローラ61の温度制御を正確に行うことができるようになる。
本実施形態の温度制御装置80が正確な温度検知、ひいては正確な温度制御を実行できることを次の実施例7に基づいて検証した。
実施例7では、図23(a)及び図24のテーブルを用いてはがき印字を連続して行い、正確に温度制御ができるか否かを検証した。なお、実施例7は、上述した比較例2に対するものであり、特に記載のない条件については比較例2と同じである。結果を図25に示す。
図25に示すように、本実施例の温度制御装置では、温度検出部で検出した定着ローラの表面温度が接触式サーミスタで測定した実際の表面温度と略一致した。従って、本実施形態の構成により、連続してはがき印字をした場合であっても、温度ドリフトやリップルのない正確な温度制御ができることが示された。
本実施形態の温度制御装置80について、さらに詳述する。
用紙サイズごとの枚数に応じた補正値のデータは、環境条件ごとに切り換えて用いていもよい。例えば、常温常湿環境では上記の図23(a)に示すテーブルを用い、低温低湿環境(L/L環境)では図23(b)に示すテーブルを、また、高温高湿環境(H/H環境)では図23(c)に示すテーブルを用いることで、環境条件に合せた最適な補正値を適用することが可能になる。
また、別の用紙サイズとしてレターサイズの半分のサイズの用紙を縦送りして印字する場合(幅139.7mm、長さ215.9mm、以下インボイスRと呼ぶ)には、図26(a)及び(b)に示すテーブルに記載された各補正値を用いることとする。
この場合、図26(a)に示すように、印字枚数が10枚、20枚、50枚、100枚、150枚と増加するに伴って、印字枚数に応じた補正値は、“±0℃”、“−1℃”、“−3℃”、“−4℃”、“−4℃”となり、150枚より多い場合は“−4℃”としている。一方、温度検出部66a自身の温度(ケース103の温度)に応じた補正値は、図26(b)に示すように、温度検出部66a自身の温度の変化に応じて、90未満から130℃以上までの5℃刻みで、“+0℃”、“−1℃”、“−2℃”、“−5℃”、“−5℃”、・・(途中省略)・・、“−5℃”、“−6℃”となる。そして、両補正値を合計した最終的な補正値(印字枚数に応じた補正値と、温度検出部66a自身の温度に応じた補正値の和)が、温度対応テーブル及び第1補正値データを参照して求めた表面温度に対して適用される。
ところで、印字媒体のサイズ及び種類は、温度制御装置80が独自に入手する必要はなく、上位の画像形成装置100の制御手段が保有する印字媒体のサイズ情報や種類情報を用いればよい。この場合、温度制御装置80は、上位の画像形成装置100の制御手段から、各種情報を取得するためのインターフェースを情報取得部として備えていればよい。
そして、温度算出部121は、情報取得部が取得した各種情報に基づいて条件判断を行って適切な補正値を選択し、温度対応テーブル124及び第1補正値データを参照して求めた表面温度に対してさらに補正値を適用する。
なお、上述した実施形態では上記A5Rやはがきサイズに対応した補正テーブルを示したが、同じ用紙サイズであってもこれらの補正テーブルにおける各補正値は一義的に決まっているものではなく、定着装置の構成、使用しているローラなどの構成、ヒータランプの仕様や制御時の供給電力や制御方法など、様々な条件に応じて補正値を調整することが好ましい。
ところで、上記の補正値は、用紙のサイズ(通常使用する用紙は、A4やB5といった定型サイズで、幅と長さが規定されているものを用いる)や、用紙の厚さや封筒、はがきなどのように用紙の種類に応じて異なるものを用いているが、特殊な場合として、定型外のサイズの用紙に印字する場合もある。このような場合、用紙のサイズに応じた補正テーブルが用意されていないので、正確な補正値を適用することが困難になる。
しかしながら、様々な検討の結果、温度検出部66aの検出結果には、用紙のサイズというよりも、むしろ用紙の幅方向(定着ローラの軸方向)の長さが大きな影響を及ぼすことが判明した。よって、上記の補正テーブルを、用紙サイズではなく用紙の幅方向の長さごとに用意し、用紙の幅方向の長さに応じて補正値を適用してもよい。この場合、例えば、用紙の幅方向の長さ1mmごと、あるいは2mmごと、さらにあるいは5mmごとなどに、印字枚数に応じた補正値と、温度検出部66a自身の温度に応じた補正値とを用意しておけばよい。
これにより、定形外の用紙サイズに印字する場合であっても、正確な温度検知及び温度制御を行い、定着不良のない質の良い画像形成を行うことができる。
さらに、画像形成装置100の用紙トレイに備えられた用紙をガイドする部材の位置に基づいて、定着ローラ61に搬送される用紙の幅方向の長さを検出する幅検出部を温度制御装置80にさらに設け、幅検出部によって検出された用紙の幅方向の長さに応じて、適用する補正値を温度算出部121が切り換えることが好ましい。また、その代わりに、ユーザなどが画像形成装置100に対して用紙の幅方向の長さの情報を手動で入力し、入力された幅方向の長さの情報に基づいて、適用する補正値を温度算出部121が切り換えてもよい。
以下では、温度制御装置の変形例について説明する。
上述とは別の外乱として、定着ローラ61又は加圧ローラ62の各部の目標温度TS1、TS2、TS3の温度変化によるものがある。よって、定着ローラ61又は加圧ローラ62の表面温度の目標値が変化する場合、それに応じて補正を行うことが好ましい。詳細には、定着ローラ61又は加圧ローラ62の目標温度TS1、TS2、TS3の少なくとも1つの値に応じて適宜補正値を適用して表面温度を補正し、補正した表面温度に基づいてヒータランプ64a・64b・64cの加熱制御をすることが好ましい。これにより、各部の目標温度の変化に起因する外乱により、温度制御に悪影響が生じるのを低減することができる。
例えばA4サイズの用紙の印字中に、図27(a)及び(b)に示すように、定着ローラ61の中央部の目標温度TS1が印字枚数に応じて変化する場合においては、定着ローラ61の表面温度分布などの外乱による影響の程度が目標温度に伴って変化し、元々適用していた補正値でも誤差を修正しきれなくなってしまう。
そこで、目標温度の変化に応じた補正値を予め求めておき、目標温度TS1の変化があった場合に、図27(c)に示すテーブルの各補正値を適用する。この補正値は、上述した温度対応テーブル124及び第1補正データ125を参照して求めた表面温度に対して適用することができる。
また、上述の目標温度TS1の変化に応じた補正値に加えて、目標温度TS3の変化に応じた補正値を適用してもよい。これにより、定着ローラ61の端部の温度分布が変化することによる外乱の影響も除去することができる。
図28(a)は、B4サイズの用紙に印字する際の、印字枚数に応じた目標温度TS3の補正値を示すテーブルである。また、図28(b)は、B4サイズの用紙に印字する際の、印字枚数に応じた目標温度TS3の値を示すテーブルである。また、図28(c)は、目標温度TS3に応じた補正値を示すテーブルである。
温度対応テーブル124及び第1補正値データを参照して求めた表面温度に対して、図28(c)に示した補正値による補正を行い、その温度に基づいてヒータランプ64a・64b・64cを制御した結果を図29に示す。この変形例によって、図29に示すように適切な温度制御が行われることが示された。
さらに、加圧ローラの目標温度の変化や、片面印字及び両面印字の違い、カラーモードの違いなどに応じて補正値を変更し、最適な補正を加えることもできる。
温度制御装置の他の変形例について説明する。
加熱対象物である定着ローラ61や加圧ローラ62の回転/停止の状態や、回転速度(プロセス速度)によっても外乱を受ける場合があり、このような場合では、回転/停止の状態毎に所定の補正値を適用してもよい。例えば回転速度が100mm/sec以下の場合に補正値“+3℃”を適用し、回転速度が101mm/sec以上200mm/sec以下の場合に補正値“+2℃”を適用し、回転速度が201mm/sec以上300mm/sec以下の場合に補正値“+2℃”を適用し、回転速度が301mm/sec以上の場合には補正値は適用しない(補正値“0℃”を適用する)、といったことも可能である。
本変形例では、定着ローラ61や加圧ローラ62が一定速度で回転しているときの補正値は“+2℃”とする。また、停止状態から回転状態へ移行する加速時の補正値は回転中と同様に“+2℃”とし、回転状態から停止状態に移行する減速中の補正値は“0℃”とする。
さらに、これら印字媒体のサイズ及び印字枚数に応じた補正値や、単一又は複数の目標温度に対する補正値、回転の有無に応じた補正値、片面/両面や被加熱媒体の種類など様々な印字条件に応じた補正値などを、それぞれ単独で用いるだけでなく組み合わせて用いてもよい。
一例として、A5Rの用紙に印字する際に適用する補正値について説明する。
A5Rに印字する場合は、印字面数に応じた補正値が図30(a)のようになる。また、印字面数に応じた目標温度TS1〜TS3の変化は、図30(b)〜(d)のようになる。そして、TS1〜TS3のそれぞれにおける目標温度に応じた補正値は、図30(e)〜(g)のようになる。これらをまとめると次のようになる。
印字指令を待ち受ける印字待機状態においては、定着ローラ61の中央部の目標温度TS1は180℃、定着ローラ61の一方の端部(フロント側に配置)の目標温度TS3は160℃、加圧ローラ62の一方の端部(フロント側)の目標温度TS2は105℃に設定されている。この印字待機状態では、定着ローラ61及び加圧ローラ62の各部がTS1からTS3の各目標温度になるように温度制御される。
A5Rの用紙へ白黒片面印字を行う場合、図30(b)〜(d)に示すテーブルに従って、各目標温度は次のように変化する。
標準温度設定 TS1:170℃、TS2:130℃、TS3:180℃
10枚目まで TS1:163℃、TS2:120℃、TS3:160℃
20枚目まで TS1:170℃、TS2:140℃、TS3:160℃
50枚目まで TS1:170℃、TS2:150℃、TS3:165℃
51枚目以上 TS1:170℃、TS2:160℃、TS3:165℃。
すなわち、印字開始当初は、各ローラの温度分布が不均一で、熱伝導率の低いシリコンゴム層の影響で温度落ち込みが生じるが、この温度落ち込みをできるだけ低減するために、初めは目標温度を低くしておき、ヒータランプの不用意な消灯を防いで各ローラの温度上昇を促している。各ローラの温度が上昇してくると、今度は逆に過剰な加熱を防止するために、目標温度を上げて適度な加熱になるように調整している。
そして、用紙サイズA5Rの印字枚数による補正値は、図30(a)に示すように、10枚、20枚、50枚、100枚、150枚と増加するごとに“−2℃”、“−2℃”、“−3℃”、“−4℃”、“−4℃”とし、151枚以降については、一律に“−4℃”とする。また、このとき、温度検出部66のケース103の温度は印字中に107℃から104.6℃に変化するが、図31に示すように、この場合の補正値は常に“0℃”とする。
また、前述したように、印字枚数が増加するごとに目標温度も変化するので、これによる補正値は、定着ローラ61の中央部の目標温度TS1の変化については、10枚目まではTS1が163℃であるので、図30(d)から補正値は“+1℃”となり、それ以降は170℃であるので“±0℃”となる。一方、定着ローラ61の端部の目標温度TS3については、20枚目までは160℃であるので、図30(e)から補正値は“±0℃”となり、21枚目以降は165℃であるので“±0℃”となる。同様に、加圧ローラ62の目標温度TS2は、10枚、20枚、50枚、と経過する毎に、図30(f)からそれぞれ、“±0℃”、“±0℃”、“±0℃”で、51枚目以降は“−1℃”となる。
加えて、印字待機状態から印字動作に移行した時に、ローラの回転による補正値“+2℃”を適用する。
従って、温度対応テーブル124と第1補正値データ125から求めた定着ローラ61の表面温度に対して、以下のような補正値が適用される。
1)用紙サイズ A5Rの印字枚数による補正値
10枚目まで:“−2℃”
20枚目まで:“−2℃”
50枚目まで:“−3℃”
100枚目まで:“−4℃”
150枚目まで:“−4℃”
151枚目以降:“−4℃”
温度検出部のケースの温度変化に対する補正値:“±0℃”
2)定着ローラ61の中央部の目標温度TS1の変化に対する補正値
10枚目まで:“+1℃”
11枚目以降:“±0℃”
3)定着ローラ61の端部の目標温度TS3の変化に対する補正値
印字枚数に関係なく“±0℃”
4)加圧ローラ62の目標温度TS2の変化に対する補正値
50枚目まで:“±0℃”
51枚目以降:“−1℃”
5)定着ローラ61が回転することによる補正値
“+2℃”。
以上より、上記の補正値を合計すると、最終的な補正値は、
10枚目までは、(−2+0)+(+1)+0+0+(+2)=+1℃
20枚目までは、(−2+0)+0+0+0+(+2)=0℃
50枚目までは、(−3+0)+0+0+0+(+2)=−1℃
100枚目までは、(−4+0)+0+0+(−1)+(+2)=−3℃
150枚目までは、(−4+0)+0+0+(−1)+(+2)=−3℃
151枚目以降は、(−4+0)0++0+(−1)+(+2)=−3℃
となる。これらをまとめたものを図32に示す。
この最終的な補正値は、温度算出部121が、温度対応テーブル124及び第1補正値データ125に基づいて求めた定着ローラ61の表面温度に対して適用する。
温度制御装置のさらに他の変形例について説明する。
記憶部122は、片面印字用の補正値データと両面印字用の補正値データとを格納し、片面印字をする場合と両面印字をする場合とで、温度算出部121が異なる補正値データを用いてもよい。例えば、A4サイズの用紙に両面印字する場合について、以下に説明する。片面印字する場合は、上述した補正値を適用するものとする。なお、本明細書では、両面印字を行う際には、1枚の用紙に印字する場合であっても、印字枚数は2枚(2面)とカウントすることとする。
A4サイズの用紙では、印字枚数に応じて温度を補正する必要はないため、印字枚数に応じた補正テーブルは存在しない。
印字指令を待ち受ける印字待機状態においては、定着ローラ61の中央部の温度制御に用いる温度検出部66aの目標温度TS1は180℃、定着ローラ61の一方の端部(フロント側に配置)の温度制御に用いる接触式サーミスタ68aの目標温度TS3は160℃、加圧ローラ62の一方の端部(フロント側)の温度制御に用いる接触式サーミスタ68bの目標温度TS2は105℃に設定されている。この印字待機状態では、TS1からTS3の各目標温度になるように各部が温度制御される。そして、A4サイズの用紙に両面印字が開始されると、TS1は170℃、TS3は、160℃、TS2は100℃に最終目標温度が変更される。
この場合、目標温度TS1〜TS3は、印字面数に応じて変化することになる。図33(a)〜(c)は、印字面数に応じた目標温度TS1〜TS3の変化を示す図である。また、図33(d)〜(f)は、TS1〜TS3のそれぞれにおける目標温度に応じた補正値を示すテーブルである。図33(a)及び(d)に示すように、A4サイズの用紙に印字を行う場合、定着ローラ61の中央部の目標温度TS1に変化はなく、常に一定の温度170℃に設定される。従って、目標温度TS1による補正値は常に“0℃”である。
一方、定着ローラ61の端部の目標温度TS3は、図33(b)に示すように、20面目までは160℃となり、このとき、図33(e)から補正値は“±0℃”となる。また、21面目以降は目標温度TS3が165℃となるので、そのときの補正値は“−1℃”になる。
加圧ローラ62の目標温度TS2は、20面、40面、50面、51面目以降と経過するごとに、図33(c)に示すように変化するが、図33(f)に示すように、それぞれのときの補正値は常に“0℃”である。
更には、印字待機状態から印字動作に移行した時に、2次元温度変換テーブルと1次元補償温度補正テーブルから求めた表面温度に対して、定着ローラ61の回転による補正値“+2℃”を適用する。
以上により、2次元温度変換テーブルと1次元補償温度補正テーブルから求めた表面温度に対して適用される補正値をまとめると以下のようになる。
1)用紙サイズ A4の両面印字枚数(面数)による補正値
なし
2)定着ローラ61の中央部の目標温度TS1の変化に対する補正値
印字面数に関係なく“0℃”
3)定着ローラ61の端部の目標温度TS3の変化に対する補正値
20面目まで:“0℃”
21面目以降:“−1℃”
4)加圧ローラ62の目標温度TS2の変化に対する補正値
印字面数に関係なく“0℃”
5)定着ローラ61が回転することによる補正値
“+2℃”。
なお、これらを合計すると、各印字面数における最終的な補正値は、
0〜20面目:0+0+0+0+(+2)=+2℃
21〜40面目:0+0+(−1)+0+(+2)=+1℃
41〜50面目:0+0+(−1)+0+(+2)=+1℃
51〜100面目:0+0+(−1)+0+(+2)=+1℃
101〜150面目:0+0+(−1)+0+(+2)=+1℃
151面目以降:0+0+(−1)+0+(+2)=+1℃
となる。以上をまとめたものを図34に示す。
この最終的な補正値は、温度算出部121が、温度対応テーブル124及び第1補正値データ125を参照して求めた定着ローラ61の表面温度に対して適用する。
また、同様に、A5Rに両面印字する場合は、印字面数に応じた補正値が図35(a)のようになる。また、印字面数に応じた目標温度TS1〜TS3の変化は、図35(b)〜(d)のようになる。そして、TS1〜TS3のそれぞれにおける目標温度に応じた補正値は、図35(e)〜(g)のようになる。
この例では、定着ローラ61の端部の目標温度TS3及び加圧ローラ62の目標温度TS2に応じて補正値が変化する。そして、印字面数が、20面、40面、50面・・・と増加するにつれて、A4サイズの場合と同様に各補正値が変化する。
以上により、A5Rに両面印字する場合の補正値をまとめると以下のようになる。
1)用紙サイズ A5Rの印字面数による補正値
20面目まで:“−2℃”
40面目まで:“−2℃”
50面目まで:“−3℃”
100面目まで:“−4℃”
150面目まで:“−4℃”
151面目以降:“−4℃”
温度検出部のケースの温度変化に応じた補正値:常に“0℃”
2)定着ローラ61の中央部の目標温度TS1の変化に対する補正値
20面目まで:“+1℃”
21面目以降:“±0℃”
3)定着ローラ61の端部の目標温度TS3の変化に対する補正値
印字枚数に関係なく“+1℃”
4)加圧ローラ62の目標温度TS2の変化に対する補正値
印字枚数に関係なく、“±0℃”
5)定着ローラ61が回転することによる補正値
“+2℃”。
これらを纏めてテーブルにしたものを図36に示す。
以上、サイズがA4及びA5Rの用紙に両面印字する際の補正方法について説明したが、本発明に用いられる補正値は上記の値に限定されるものではなく、種々の定着装置の構成に応じて適宜調整することができ、様々な値にすることができる。また、上述した両面印字する際の補正は、A4及びA5Rサイズの用紙のみに適用されるものではなく、様々な用紙サイズ、様々な用紙媒体に対して適用できる。
なお、温度制御装置80は、さらに以下のように構成されていることが好ましい。
通常、検知できる温度範囲の高温領域(おおむね、230℃以上の温度領域)においては、徐々に高温領域に到達する場合には問題にはならないが、ヒータランプ64が暴走等により急激な加熱をしてしまうと、温度算出部121によって求められる表面温度と実際の表面温度と間に差が生じやすい。
特にヒータランプ64aが連続点灯している時間が長い場合にはこの問題が顕著になり、実際の表面温度の変化に対して温度検出部66aの検知機構部の変化が遅いと、正しく温度検知できず、判定した表面温度にずれを生じてしまう。
そこで、所定の高温閾値を超えている状況(例えば、230℃以上)で、かつ所定時間内での温度変化率が所定の閾値以上(例えば、1℃/sec以上)の場合には、2次元温度変換テーブルから求めた表面温度に対して、一定値(例えば、−3℃、この場合、実際の表面温度よりも高く検知してしまう場合を示している)あるいは、前記所定時間内での温度変化率に応じた補正値(温度変化率が小さい場合は、小さい補正値を、温度変化率が大きい場合には、大きな補正値とする)を適用することによって、検出した表面温度のズレを少なくし、高温トラブル判定などにおいて誤判定をしないようにすることができる。なお、この所定の高温閾値は1つだけでなく、複数設けてもよく、それぞれに対して、同じ値の温度変化率もしくは異なる値の温度変化率の閾値を設けてもよい。
(実施形態4)
本発明の温度制御装置は、上述した実施形態に示された定着装置以外にも、例えば図37〜図41に示すような様々な定着装置に適用することができる。以下では、本発明の温度制御装置を適用することができる定着装置の他の例について説明する。
図37は、温度制御装置が適用された定着装置の別の例を示す図である。この定着装置では、定着ローラの加熱を、定着ローラ内部に設けられたヒータランプと、定着ローラの表面に当接した加熱ベルトとによって行っている。
図37に示すように、定着装置136は、定着ローラ161、加圧ローラ171の他に、外部加熱部(加熱部)75、及びウェブクリーニング装置93を備えている。
定着ローラ161及び加圧ローラ171は、所定の荷重(ここでは600N)で互いに圧接されており、それらの間に定着ニップ部N(定着ローラ161及び加圧ローラ171が互いに当接する部分)が形成されている。本実施形態では、定着ニップ部Nのニップ幅(定着ローラ161の回転方向(図37のK方向)に沿った幅)は、例えば9mmに設定されている。
定着ローラ161は、所定の温度(例えば180℃)に加熱されて、定着ニップ部Nを通過するトナー像(未定着)が形成された記録紙Pを加熱するものである。定着ローラ161は、芯金の外周面に弾性層を有し、該弾性層の外周面に離型層が形成されてなる3層構造のローラ部材である。
芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、または銅等の金属或いはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴムが用いられ、離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が用いられる。
定着ローラ161の内部(芯金の内側)には、定着ローラ161を加熱する熱源であるヒータランプ(ハロゲンランプ)64が配置されている。ヒータランプ64は、上述した加熱制御部123およびドライバ91によってその通電が制御され、オンされると赤外線を放射する。放射された赤外線を定着ローラ161の内周面が吸収し、定着ローラ161全体が加熱される。
加圧ローラ171は、その端部側に設けられた圧接機構(不図示)にて、定着ローラ161に対して圧接され、定着ニップ部Nに所定の圧を与えるものである。加圧ローラ171も定着ローラ161と同様に、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属或いはそれらの合金等よりなる芯金の表面にシリコンゴム等の弾性層を有し、さらにその上にPFAやPTFE等の離型層が形成された3層構造のローラ部材である。
また、本実施形態では、加圧ローラ171においても、芯金の内部にヒータランプ73が備えられている。そして、ヒータランプ73もまた、加熱制御部123およびドライバ91によってその通電が制御され、オンされると赤外線を放射する。放射された赤外線を加圧ローラ171の内周面が吸収し、加圧ローラ171全体が加熱される。
外部加熱部75は、無端状の外部加熱ベルト(ベルト部材)88と、該外部加熱ベルト88が巻架される一対のベルト巻架ローラである加熱ローラ(加熱部材)81・82を有している。そして、加熱ローラ81・82を定着ローラ161表面に対して離接させる離接機構(不図示)が設けられている。
外部加熱ベルト88は、所定の温度(ここでは210℃)に加熱された状態で定着ローラ161表面に接触して、定着ローラ161表面を加熱するものである。外部加熱ベルト88には、裏面が接触する加熱ローラ81・82より熱が供給される。
外部加熱ベルト88は、定着ローラ161の周囲において、定着ニップ部Nよりも定着ローラ161の回転方向(図37においてK方向)の上流側に配置され、不図示の圧接機構により、所定の押圧力(ここでは40N)をもって定着ローラ161に圧接されている。そして、定着ローラ161との間に、加熱ニップ部nが形成されている。本実施形態では、加熱ニップ部nのニップ幅(定着ローラ161の回転方向に沿った幅)は、例えば20mmである。
外部加熱ベルト88は、ポリイミド等の耐熱樹脂或いはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、離型層として、耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された2層構成の無端ベルトよりなる。また、外部加熱ベルト88の寄り力を低減するために、ベルト基材の内面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。
加熱ローラ81・82は、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材からなる。外部加熱ベルト88の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。
加熱ローラ81・82の内部には、熱源となるヒータランプ83・84が配置されている。ヒータランプ83・84は、加熱制御部123およびドライバ91にてオンされると赤外線を放射する。放射された赤外線を加熱ローラ81・82の内周面が吸収し、加熱ローラ81・82全体が加熱され、これにより、加熱ローラ81・82に巻架されている外部加熱ベルト88も加熱される。
また、定着ローラ161の周面には、定着ローラ161の中央部の温度を測定する為に、上述した非接触式の温度検出部66が配置され、加圧ローラ171の周面にはサーミスタ72が配置されている。また、外部加熱ベルト88の表面側においては、加熱ローラ81と対向する位置にサーミスタ85が、加熱ローラ82と対向する位置にサーミスタ86がそれぞれ配置されている。この例では、非接触式の温度検出部66を定着ローラ161の中央部に設けているが、定着ローラ161の軸方向両端部の少なくとも一方の温度を検出する為に、別の非接触式の温度検出部66を用いて2つの非接触式の温度検出部66で温度制御することも可能であり、さらに、加圧ローラ171の表面温度を検出する為に、別の非接触式の温度検出部66を用いて3つの非接触式の温度検出部で温度制御することも可能であり、本発明においては、その個数に制約されるものではない。
加熱制御部123は、これら温度検出部66およびサーミスタ72・85・86の出力に基づいて、定着ローラ161、加圧ローラ171、及び外部加熱ベルト88の2つの位置における表面温度を検出し、各表面温度が目標温度に近づくように、ドライバ91を介して対応するヒータランプ64・73・83・84への通電を制御する。
なお、本実施形態では、ヒータランプ64・73・83・84への通電等の制御を、画像形成装置100の加熱制御部123にて行う構成としたが、定着装置136自体が加熱制御部123を具備する構成としてもよい。
また、図37では図示していないが、定着ローラ161の端部に設けられた回転軸には、駆動モータ(駆動源)からの駆動力が伝達され、図37においてK方向に回転駆動する。定着動作時等、定着ローラ161が回転駆動することで、定着ローラ161に圧接されている加圧ローラ171は、その摩擦力に従動回転する。そのため、加圧ローラ171の回転方向は、K方向とは逆方向となる。
外部加熱部75における外部加熱ベルト88も、定着ローラ161と接触した部分の摩擦力で、定着ローラ161に従動回転する。したがって、外部加熱ベルト88の回転方向は、K方向とは逆方向となる。そして、加熱ローラ81・82は、その表面が外部加熱ベルト88の裏面と接触することで、外部加熱ベルト88に従動回転する。
記録紙Pは、定着ニップ部Nを、トナー像の形成面が定着ローラ161に当接し、裏面が加圧ローラ171に当接するように搬送される。これにより、記録紙P上に形成されているトナー像は、熱圧着され、記録紙P上に定着する。記録紙Pの定着ニップ部Nの通過速度である定着速度はプロセス速度(用紙搬送速度)と同じであり、本実施形態では、355mm/secである。また、1分あたりの連続給紙枚数にて表す複写速度は、本実施形態では70枚である。
本実施形態では、外部加熱ベルト88として、厚さ90μmのポリイミド(宇部興産製、商品名:ユーピレックスS)の基材表面に、離型層としてPTFEとPFAがブレンドされたフッ素樹脂が20μm厚でコーティングされたものを用いている。
また、定着ローラ161は、アルミ製の芯金の上に、弾性層として厚さ3mmのシリコンゴム層を形成し、さらにその上に離型層として厚さ30μmのPFAチューブを被覆したものを使用している。その外径(直径)は50mmである。
加圧ローラ171は、アルミ製の芯金の上に、弾性層として厚さ2mmのシリコンゴム層を形成し、さらにその上に厚さ30μmのPFAチューブを被覆したものを使用している。その外径(直径)は、定着ローラ161と同じ50mmである。
加熱ローラ81・82は共に、厚さ0.75mmのアルミ製の芯金の表面に、PTFEとPFAをブレンドしたフッ素樹脂を20μm厚でコーティングしたものを用いている。その外径(直径)は共に15mmである。そして、これら加熱ローラ81・82は、軸間が23.0mmになるように配置されている。
なお、定着ローラの加熱方法は、上述した方法のみに限定されない。図38は、定着装置のさらに別の例を示す図である。この定着装置236では、定着ローラの内部にヒータランプが設けられておらず、定着ローラの加熱を、定着ローラの表面に当接した加熱ベルトによって行っている。
図38に示すように、定着装置236は、定着ローラ261、加圧ローラ271、および外部加熱部75を備えている。定着ローラ261は外径が34mmであり、STKM製の芯金の外周面にシリコンゴムからなる弾性層を有し、該弾性層の外周面にPFAからなる離型層が形成された3層構造のローラ部材である。ただし、本実施形態では、定着ローラ261の内部にヒータランプが備えられていない。一方、加圧ローラ271は、外径が40mmで、定着ローラ261と同様の3層構造のローラ部材であり、内部にヒータランプ73が備えられている。外部加熱部75は上述の通りである。本実施形態では、定着ローラ261は、外部加熱部75の外部加熱ベルト88によって加熱される。このような定着装置236においても、定着ローラ261、加圧ローラ271、加熱ローラ81・82の少なくとも何れかの温度を検出して制御するために、温度検出部66を各部材と対向するように設けることができる。
また、定着ローラや加圧ローラは、円筒状に限定されるものではなく、ベルト形状のものでもよく、その形状は制約されない。図39は、定着装置のさらに別の例を示す図である。この定着装置336では、円筒形状の定着ローラの代わりに、楕円形状の定着部材361によって定着を行う構成となっている。
定着部材361は、外径が40mmでSUS製の楕円形状の芯金361aの周面上に、シリコンゴムからなる弾性層361bおよびPFAからなる離型層361cを有する無端ベルト361dが巻かれており、無端ベルト361dは芯金361aに対して摺動可能になっている。この定着部材361の無端ベルト361dは、外部加熱部75の外部加熱ベルト88によって加熱される。また、定着部材361は、外径16mmの鉄製で肉厚が1mmのニップ部押圧ローラ362・362によって、加圧ローラ371に押圧されている。加圧ローラ371は、上述した加圧ローラ271と同様である。これにより、定着部材361の無端ベルト361dと加圧ローラ371との間に、定着ニップ部N(定着ローラ361及び加圧ローラ371が互いに当接する部分)が形成されている。
図40は、定着装置のさらに別の例を示す図である。この定着装置436は、定着ローラおよび加圧ローラの双方が外部から加熱される構成となっている。また、定着ローラおよび加圧ローラの加熱は、それぞれ1対の押圧ローラによって行われる。
定着装置436は、外径が40mmで薄肉の定着ローラ461と、同じく外径が40mmで薄肉の加圧ローラ471とを備えている。定着ローラ461および加圧ローラ471は、芯金上に薄肉の弾性層および離型層を備えた3層構造のローラ部材である。そして、定着ローラ461を加熱するために、定着ローラ461の表面には、内部にヒータランプ483・484がそれぞれ備えられた外径16mmのSTKM製の押圧ローラ481・482が外部から当接されている。また加圧ローラ471についても同様に、内部にヒータランプ495・496がそれぞれ備えられた外径16mmのSTKM製の押圧ローラ497・498が外部から当接されている。これらの押圧ローラ481・482・497・498は、定着ローラ461または加圧ローラ471を加熱する機能に加え、定着ローラ461と加圧ローラ471とを圧接する機能も果たしている。これにより、定着ローラ461と加圧ローラ471との間に、定着ニップ部N(定着ローラ461及び加圧ローラ471が互いに当接する部分)が形成されている。
図41は、定着装置のさらに別の例を示す図である。この定着装置536は、外径20mmの小径厚肉の定着ローラ561および外径30mmの加圧ローラ571を備えている。定着ローラ561は、アルミニウム製の芯金上にゴムからなる弾性層が設けられており、弾性層の厚みが5mmとなっている。また、弾性層の表面に離型層を設けてもよい。一方、加圧ローラ571は、SUS製の芯金上にゴムからなる弾性層が設けられており、弾性層の厚みが0.2mmとなっている。定着ローラ561には、外径が30mm、SUS製で肉厚が0.15mmの外部加熱ローラ581が当接されている。この外部加熱ローラ581の内部にはヒータランプ583が備えられており、定着ローラ561の表面は、外部加熱ローラ581によって外部から加熱される。一方、加圧ローラ571は、内部に備えられたヒータランプ73によって加熱される。
以上のように、定着装置が備える部材は特に限定されるものではなく、定着ローラおよび加圧ローラ以外に、例えば押圧ローラ、加熱ローラ、クリーニングローラ、熱均一化ローラ、クリーニングウェブ、剥離ローラ、剥離板などの任意の部材を追加することができ、また、これらの部材の個数、構成、材質、寸法やそれらの組み合わせについても特に制約はない。本発明の温度制御装置は、上述した様々な定着装置に適用することができる。
また、上述した実施形態では、一例として常温常湿環境(N/N環境)、低温低湿環境(L/L環境)、高温高湿環境(H/H環境)について別々の第1補正値データを用いる構成について説明したが、第1補正値データを環境条件ごとに変更する態様は上記のものに限定されない。すなわち、低温(例えば5℃又は10℃)、常温(例えば20℃又は25℃)、高温(例えば30℃又は35℃)、低湿(例えば10%RH又は20%RH)、常湿(40%RH又は50%RH)、高湿(70%RH又は80%RH)などの各環境条件を適宜組み合わせた環境条件についてそれぞれ第1補正値データを用意してもよく、特定の環境条件に限定されるものではない。なお、上記の温度や湿度は例にすぎず、また、各々の温度や湿度を様々に組み合わせた環境条件ごとに第1補正値データを用意してもよく、特定の温度及び湿度のみに制約されるものではない。
最後に、温度制御装置80の温度算出部121は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、温度制御装置80は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである温度制御装置80の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記温度制御装置80に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、温度制御装置80を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る温度制御装置は、電熱器やオーブンレンジ、湿式電子写真器やインクジェットプリンタ等の乾燥装置、乾式電子写真器の定着装置等のように加熱手段を備えた装置に適用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置に用いられる温度対応テーブルの構成を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置が備わった画像形成装置の概略構成を説明する断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置の概略構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置が備わった定着装置の部分構成を説明する断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態を示すものであり、温度検出部の設置例を説明する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置に備わった温度検出部の構造を説明する断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度検出部の各部をA/D変換器に接続する回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度対応テーブルを用いて2種類のNTCサーミスタの出力電圧値から定着ローラの表面温度を求める方法を説明する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は常温常湿環境下で用いられる温度検出部のケースの温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(b)は低温低湿環境下で用いられる温度検出部のケースの温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(c)は高温高湿環境下で用いられる温度検出部のケースの温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、加熱制御部の詳細な機能構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、ヒータランプのバースト駆動を説明する図である。 実施例1の結果を示した図である。 比較例1の結果を示した図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置が備わった定着装置の部分構成を説明する断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度検出部の各部をA/D変換器に接続する回路図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度検出部の各部をA/D変換器に接続する回路図である。 実施例2、3の結果を示した図である。 実施例4の結果を示した図である。 実施例5の結果を示した図である。 実施例6の結果を示した図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置が備わった定着装置の部分構成を説明する断面図である。 実施例7に対する比較例の結果を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は常温常湿環境下で用いられる印字枚数に応じた補正値のデータを示す図であり、(b)は低温低湿環境下で用いられる印字枚数に応じた補正値のデータを示す図であり、(c)は高温高湿環境下で用いられる印字枚数に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、はがきに対して印字をする際の、温度検出部自身の温度に応じた補正値のデータを示す図である。 実施例7の結果を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はインボイスR用紙に対して印字をする際の、印字枚数に応じた補正値のデータを示す図であり、(b)はインボイスR用紙に対して印字をする際の、温度検出部自身の温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はA4用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた目標温度の補正値のデータを示した図であり、(b)はA4用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた目標温度の値を示す図であり、(c)はA4用紙に対して印字する際の、目標温度の変化に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はB4用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた目標温度の補正値のデータを示す図であり、(b)はB4用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた目標温度の値を示す図であり、(c)はB4用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた補正値のデータを示す図である。 図28(c)に示す補正値を用いて定着ローラの表面温度を制御した結果を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はA5R用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた補正値のデータを示す図であり、(b)はA5R用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの中央部の目標温度の値を示す図であり、(c)はA5R用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた加圧ローラの目標温度の値を示す図であり、(d)はA5R用紙に対して印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの端部の目標温度の値を示す図であり、(e)はA5R用紙に対して印字する際の、定着ローラの中央部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(f)はA5R用紙に対して印字する際の、加圧ローラの目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(g)はA5R用紙に対して印字する際の、定着ローラの端部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、A5R用紙に対して印字をする際の、温度検出部自身の温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、A5R用紙に対して印字をする際の、印字枚数に応じた最終的な補正値を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はA4用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの中央部の目標温度の値を示す図であり、(b)はA4用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた加圧ローラの目標温度の値を示す図であり、(c)はA4用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの端部の目標温度の値を示す図であり、(d)はA4用紙に対して両面印字する際の、定着ローラの中央部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(e)はA4用紙に対して両面印字する際の、加圧ローラの目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(f)はA4用紙に対して両面印字する際の、定着ローラの端部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、A4用紙に対して両面印字をする際の、印字枚数に応じた最終的な補正値を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はA5R用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた補正値のデータを示す図であり、(b)はA5R用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの中央部の目標温度の値を示す図であり、(c)はA5R用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた加圧ローラの目標温度の値を示す図であり、(d)はA5R用紙に対して両面印字する際の、印字枚数に応じた定着ローラの端部の目標温度の値を示す図であり、(e)はA5R用紙に対して両面印字する際の、定着ローラの中央部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(f)はA5R用紙に対して両面印字する際の、加圧ローラの目標温度に応じた補正値のデータを示す図であり、(g)はA5R用紙に対して両面印字する際の、定着ローラの端部の目標温度に応じた補正値のデータを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、A5R用紙に対して両面印字をする際の、印字枚数に応じた最終的な補正値を示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、温度制御装置が備わった定着装置の部分構成を説明する断面図である。 定着装置の他の例を示す断面図である。 定着装置の他の例を示す断面図である。 定着装置の他の例を示す断面図である。 定着装置の他の例を示す断面図である。
符号の説明
61 定着ローラ(定着部)
62 加圧ローラ(定着部)
64 ヒータランプ(加熱部)
66 温度検出部
80 温度制御装置
90 A/D変換器(A/D変換部)
101 NTCサーミスタ(主温度検知部、主サーミスタ)
102 NTCサーミスタ(補償用温度検知部、補償用サーミスタ)
103 ケース(保持体)
111・112 信号処理用アンプ(信号増幅器)
113・114 プルアップ抵抗
121 温度算出部
122 記憶部
123 加熱制御部
124 温度対応テーブル
125 第1補正値データ

Claims (33)

  1. 加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、
    上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部と、
    上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、
    上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記加熱制御部は、上記加熱対象物が目標温度になるように、上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御するものであり、
    上記記憶部は、加熱対象物の目標温度ごとの補正値のデータである第4補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第4補正値データの補正値を用いて、加熱対象物の目標温度に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする温度制御装置。
  2. 上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差に対して0.1倍以上0.5倍未満となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
  3. 上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差に対して0.2倍となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の温度制御装置。
  4. 上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の各出力値は、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の各出力値に対応する上記加熱対象物の温度の隣り合う値の差が、上記加熱部による上記加熱対象物に対する制御温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の温度制御装置。
  5. 上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の出力値は、上記温度対応テーブルにおける上記主温度検知部の出力値に対応する上記加熱対象物の温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部による検知温度精度の0.5倍以上1倍以下となるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の温度制御装置。
  6. 上記記憶部は、上記補償用温度検知部の各出力値に対応する温度ごとの補正値のデータである第1補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第1補正値データの補正値を用いて、上記補償用温度検知部の出力値に対応する温度に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする請求項1から5のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  7. 上記記憶部は、環境条件ごとに異なる複数の上記第1補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、補正に用いる第1補正値データを、上記複数の第1補正値データの中から環境条件に基づいて選択することを特徴とする請求項6に記載の温度制御装置。
  8. 上記加熱対象物は、順次搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着部であり、
    上記記憶部は、連続して定着を行った印字媒体の量ごとの補正値のデータである第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第2補正値データの補正値を用いて、連続して定着を行った印字媒体の量に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  9. 上記記憶部は、定着を行う印字媒体のサイズごとの上記第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、定着を行う印字媒体のサイズに応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正することを特徴とする請求項8に記載の温度制御装置。
  10. 上記記憶部は、定着を行う印字媒体の種類ごとの上記第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、定着を行う印字媒体の種類に応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正することを特徴とする請求項8に記載の温度制御装置。
  11. 印字媒体のサイズ又は印字媒体の種類についての情報を取得する情報取得部をさらに備え、
    上記温度算出部は、定着を行う印字媒体のサイズ又は定着を行う印字媒体の種類を、上記情報取得部によって取得された情報に基づいて同定することを特徴とする請求項9又は10に記載の温度制御装置。
  12. 上記定着部は定着ローラを有し、
    上記記憶部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅ごとの上記第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に応じた上記第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正することを特徴とする請求項8に記載の温度制御装置。
  13. 定着ローラの軸方向における印字媒体の幅を検出する幅検出部をさらに備え、
    上記温度算出部は、定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に応じた上記第2補正値データを、上記幅検出部によって検出された定着ローラの軸方向における印字媒体の幅に基づいて選択することを特徴とする請求項12に記載の温度制御装置。
  14. 上記記憶部は、上記印字媒体の片面のみにトナーを定着させる場合と、両面に定着させる場合とにそれぞれ適用される少なくとも2種類の上記第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、印字媒体の片面のみにトナーを定着させるか両面に定着させるかに応じて上記少なくとも2種類の第2補正値データの中から1種類を選択し、選択した第2補正値データを用いて、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を補正することを特徴とする請求項8に記載の温度制御装置。
  15. 上記加熱対象物は、搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着ローラであり、
    上記記憶部は、定着ローラの回転状況ごとの補正値のデータである第3補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第3補正値データの補正値を用いて、定着ローラの回転状況に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする請求項1から14のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  16. 上記温度算出部は、補正した温度から単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率を求めるとともに、補正した温度が高温閾値よりも大きく、かつ、上記温度変化率が閾値よりも大きい場合に、補正した温度に対してさらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正を行うことを特徴とする請求項1または請求項6から15のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  17. 上記加熱部は、上記加熱対象物の第1の領域を加熱するための第1加熱部であり、
    上記主温度検知部は、上記加熱対象物の第1の領域からの赤外線による熱を検知するものであり、
    上記加熱制御部は第1加熱制御部であり、
    上記温度制御装置は、
    第2加熱部によって加熱される上記加熱対象物の第2の領域の温度を検知する第2温度検知部と、
    上記加熱対象物の上記第2の領域が目標温度になるように、上記第2温度検知部によって検知された温度に基づいて上記第2加熱部の加熱力を制御する第2加熱制御部とをさらに備え、
    上記記憶部は、上記加熱対象物の第2の領域の目標温度ごとの補正値のデータである第5補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第5補正値データの補正値を用いて、第2の領域の目標温度に基づいて補正することを特徴とする請求項1から16のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  18. 上記加熱制御部は、上記主温度検知部及び上記補償用温度検知部を含む温度検出部の応答速度の0.25倍以下の周期で上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする請求項1から17のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  19. 上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、アナログ電圧信号を出力するものであり、
    上記温度制御装置は、上記主温度検知部及び補償用温度検知部から出力されたアナログ電圧信号を、所定の基準電圧を用いてデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、
    上記主温度検知部及び補償用温度検知部を駆動する電圧が、上記基準電圧の95%以上100%以下であることを特徴とする請求項1から18のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  20. 上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、プルアップ抵抗に直列に接続されたものであり、
    上記プルアップ抵抗の抵抗値の公差が、公称値の±1%以内であることを特徴とする請求項1から19のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  21. 上記主温度検知部及び補償用温度検知部は上記出力値をアナログ信号として出力するものであり、
    上記温度制御装置は、
    上記主温度検知部からの各出力値を10ビット以上14ビット以下のデジタル信号に変換するA/D変換部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から20のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  22. 上記主温度検知部及び補償用温度検知部は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタと、当該サーミスタに直列に接続されたプルアップ抵抗と、上記サーミスタとプルアップ抵抗との接続部と上記温度算出部との間に接続された信号増幅器とを有し、
    上記信号増幅器の入力オフセット電圧が1mV以下であることを特徴とする請求項1から21のうちの何れか1項に記載の温度制御装置。
  23. 請求項1から22のうちの何れか1項に記載の温度制御装置と、
    上記温度制御装置によって制御される上記加熱部と、
    上記加熱対象物として、順次搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着部とを備えていることを特徴とする定着装置。
  24. 上記定着部は回転可能であり、
    上記加熱部は、上記定着部の表面と接触する無端状のベルト部材を有し、該ベルト部材が上記定着部に熱を供給することによって、上記定着部を外部から加熱するものであることを特徴とする請求項23に記載の定着装置。
  25. 請求項23又は24に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  26. 請求項1から17の何れか1項に記載の温度制御装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記温度算出部として機能させるための温度制御プログラム。
  27. 請求項26に記載の温度制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  28. トナーの転写された印字媒体に対してトナーの定着を行う定着部で、かつ、加熱部によって加熱される定着部の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記定着部からの赤外線による熱を検知する主サーミスタと、
    上記主サーミスタの周囲温度を検知するための補償用サーミスタと、
    上記主サーミスタの出力値と上記定着部の温度との対応関係が上記補償用サーミスタの出力値ごとに示された温度対応テーブルと、印字媒体の種類ごと、かつ、上記定着部により連続して定着を行った印字媒体の枚数ごとの補正値のデータとを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して上記主サーミスタ及び補償用サーミスタの出力値から上記定着部の温度を求め、求めた温度を、上記補正値のデータの補正値を用いて印字媒体の種類及び連続して定着を行った印字媒体の枚数に基づいて補正する温度算出部と、
    上記温度算出部によって補正された上記定着部の温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける主サーミスタ及び補償用サーミスタの出力値は、補償用サーミスタの出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、主サーミスタの出力値に対応する上記定着部の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記加熱制御部は、上記定着部が目標温度になるように、上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御するものであり、
    上記記憶部は、上記定着部の目標温度ごとの補正値のデータである第4補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第4補正値データの補正値を用いて、上記定着部の目標温度に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御することを特徴とする温度制御装置。
  29. 第1加熱部及び第2加熱部によってそれぞれ第1の領域、第2の領域が加熱される加熱対象物の上記第1の領域の温度を、加熱対象物の第1の領域からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部とを用いて制御する温度制御方法であって、
    上記主温度検知部の出力値と加熱対象物の第1の領域の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルであって、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の第1の領域の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値が設定されている温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の第1の領域の温度を求める温度算出工程と、
    上記加熱対象物の第2の領域の目標温度ごとの補正値のデータを用いて、上記温度算出工程によって求められた加熱対象物の第1の領域の温度を、加熱対象物の第2の領域の目標温度に基づいて補正する補正工程と、
    上記補正工程によって補正された温度に基づいて上記第1の加熱部の加熱力を制御する加熱制御工程とを含んでいることを特徴とする温度制御方法。
  30. 加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、
    上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部と、
    上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、
    上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記加熱部は、上記加熱対象物の第1の領域を加熱するための第1加熱部であり、
    上記主温度検知部は、上記加熱対象物の第1の領域からの赤外線による熱を検知するものであり、
    上記加熱制御部は第1加熱制御部であり、
    上記温度制御装置は、
    第2加熱部によって加熱される上記加熱対象物の第2の領域の温度を検知する第2温度検知部と、
    上記加熱対象物の上記第2の領域が目標温度になるように、上記第2温度検知部によって検知された温度に基づいて上記第2加熱部の加熱力を制御する第2加熱制御部とをさらに備え、
    上記記憶部は、上記加熱対象物の第2の領域の目標温度ごとの補正値のデータである第5補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第5補正値データの補正値を用いて、第2の領域の目標温度に基づいて補正することを特徴とする温度制御装置。
  31. 加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、
    上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部と、
    上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、
    上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記記憶部は、上記補償用温度検知部の各出力値に対応する温度ごとの補正値のデータである第1補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第1補正値データの補正値を用いて、上記補償用温度検知部の出力値に対応する温度に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御し、
    上記温度算出部は、補正した温度から単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率を求めるとともに、補正した温度が高温閾値よりも大きく、かつ、上記温度変化率が閾値よりも大きい場合に、補正した温度に対してさらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正を行うことを特徴とする温度制御装置。
  32. 加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、
    上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部と、
    上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、
    上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記加熱対象物は、順次搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着部であり、
    上記記憶部は、連続して定着を行った印字媒体の量ごとの補正値のデータである第2補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第2補正値データの補正値を用いて、連続して定着を行った印字媒体の量に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御し、
    上記温度算出部は、補正した温度から単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率を求めるとともに、補正した温度が高温閾値よりも大きく、かつ、上記温度変化率が閾値よりも大きい場合に、補正した温度に対してさらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正を行うことを特徴とする温度制御装置。
  33. 加熱部によって加熱される加熱対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    上記加熱対象物からの赤外線による熱を検知する主温度検知部と、
    上記主温度検知部の周囲温度を検知する補償用温度検知部と、
    上記主温度検知部の出力値と上記加熱対象物の温度との対応関係が上記補償用温度検知部の出力値ごとに示された温度対応テーブルを格納した記憶部と、
    上記温度対応テーブルを参照して、上記主温度検知部及び補償用温度検知部の出力値から上記加熱対象物の温度を求める温度算出部と、
    上記温度算出部によって求められた温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御する加熱制御部とを備え、
    上記温度対応テーブルにおける上記補償用温度検知部及び上記主温度検知部の各出力値は、上記補償用温度検知部の出力値に対応する上記周囲温度の隣り合う値の差が、上記主温度検知部の出力値に対応する加熱対象物の温度の隣り合う値の差よりも小さくなるように設定されており、
    上記加熱対象物は、搬送される印字媒体を加熱することによって当該印字媒体に転写されたトナーを定着させる定着ローラであり、
    上記記憶部は、定着ローラの回転状況ごとの補正値のデータである第3補正値データを格納し、
    上記温度算出部は、上記温度対応テーブルを参照して求めた温度を、上記第3補正値データの補正値を用いて、定着ローラの回転状況に基づいて補正し、
    上記加熱制御部は、上記温度算出部によって補正された温度に基づいて上記加熱部の加熱力を制御し、
    上記温度算出部は、補正した温度から単位時間あたりの加熱対象物の温度変化率を求めるとともに、補正した温度が高温閾値よりも大きく、かつ、上記温度変化率が閾値よりも大きい場合に、補正した温度に対してさらに、上記温度変化率に応じた補正値又は所定の補正値を用いて補正を行うことを特徴とする温度制御装置。
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