JP2009187020A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録材の種類およびプリント開始前の定着装置の状態に関わらず、定着に係る制御パラメータの補正を適正に行い、これにより定着品質を安定化させる。
【解決手段】加圧部材26の温度を検知するための第1の温度検知素子30と、圧接ニップ部(N)を通過した記録材の温度を検知するための第2の温度検知素子28と、プリント動作開始時点において第1の温度検知素子30により検知された第1の温度と、第1の記録材が圧接ニップ部(N)を通過した時点において第2の温度検知素子28により検知された第2の温度とに基づいて、後続の第2の記録材の定着に係る制御パラメータ(例えば定着温度)に補正を加える補正手段27と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】加圧部材26の温度を検知するための第1の温度検知素子30と、圧接ニップ部(N)を通過した記録材の温度を検知するための第2の温度検知素子28と、プリント動作開始時点において第1の温度検知素子30により検知された第1の温度と、第1の記録材が圧接ニップ部(N)を通過した時点において第2の温度検知素子28により検知された第2の温度とに基づいて、後続の第2の記録材の定着に係る制御パラメータ(例えば定着温度)に補正を加える補正手段27と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、記録材上に形成されたトナー画像を定着させる加熱定着部を有する画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式の複写機、プリンタ等の多くは、加熱定着手段として熱効率、安全性の良好な接触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプのフィルム加熱方式を採用している。
熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、図6に示すように、内部にハロゲンヒータ61を内包する加熱用回転体としての加熱ローラ(定着ローラ)62と、これに圧接させた加圧用回転体としての加圧ローラ63を基本構成とする。この一対のローラを回転させ、この一対のローラの圧接ニップ部である定着ニップ部に、未定着画像(トナー画像)を形成担持した被加熱材としての記録材(転写材シート・静電記録材・エレクトロファックス紙・印字用紙等)64を導入し、挟持搬送することで、定着ローラ62からの熱と定着ニップ部の加圧力により、トナー画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。
一方、フィルム加熱方式の加熱定着装置は、例えば特開昭63−313182号公報(特許文献1)、特開平2−157878号公報(特許文献2)、特開平4−44075号公報(特許文献3)、特開平4−204980号公報(特許文献4)等に提案されているように、固定配置したセラミックヒータ等の加熱部材(以下、加熱体)に、加熱用回転体である耐熱性フィルム(以下、定着フィルム)を回転加圧部材(以下、加圧ローラ)で密着させ、そして摺動回動させて、定着フィルムを挟んで加熱体と加圧ローラとで形成される圧接ニップ部である定着ニップ部に、トナー画像を担持形成した記録材を導入し、定着フィルムと一緒に搬送させて、定着フィルムを介して付与される加熱体からの熱と定着ニップ部の加圧力によってトナー画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。
フィルム加熱方式の加熱定着装置は、加熱体としてセラミックヒータ等の低熱容量線状加熱体を、定着フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるため、省電力化、ウェイトタイム短縮化(クイックスタート)が可能である。また、フィルム加熱方式の加熱定着装置は、定着フィルム駆動方法として、定着フィルム内面に駆動ローラを設ける方法や、加圧ローラを駆動ローラとして用い加圧ローラとの摩擦力で定着フィルムを駆動する方法(加圧ローラ駆動方式)が知られているが、近年では部品点数が少なく低コストな構成である加圧ローラ駆動方式が多く用いられている。
上述したような加熱定着装置において、記録材へのトナー画像の定着性は、記録材の表面性に大きく左右されることが知られている。特に、表面性の粗いボンド紙やレイド紙等の紙種(以下、ラフ紙)では、定着性が著しく損なわれてしまう。これは、定着ニップ部内で加熱部材と記録材の接触面積が減少するために、充分な熱量が記録材上のトナーに供給されないためである。
ラフ紙でも良好な定着性を得るためには、定着加圧力を高くする、もしくは定着温度を高くする必要がある。定着圧力を高くする手法は加熱定着装置の駆動トルクも高くなるため、画像形成装置が大きく、そしてコストが高くなってしまうことが多い。結果として、ラフ紙でも定着性を満足させるために、定着温度を高くする手法を採用せざるを得なくなる。
しかしながら、単に定着温度を高くしてしまうと、薄紙や表面性の平滑な紙(以下、平滑紙)等の記録材に対しては、過剰な熱量が記録材上のトナーに供給されることになり、ホットオフセットの発生や、記録材のカールが悪化するといった弊害が生じてしまうことがある。
このように、ラフ紙と平滑紙では最適な定着温度が異なり、一つの定着温度で両立させることは非常に困難であったため、従来は記録材に応じてユーザーが任意に定着温度(定着モード)を選択できるような対応を採っていた。しかし、記録材の表面の粗さという分かりにくいパラメータで、ユーザーが定着モードを選択することは難しく、記録材に応じて最適な定着モードに自動的に切り替わることが望まれていた。
その一つの手法として、加熱定着装置の定着ニップを通過した記録材の温度(以下、排紙温度)を検知し、定着制御にフィードバックする、すなわち、記録材に与える熱量を一定に保つように定着温度を補正することで、記録材の種類を問わず定着性を安定化させる手法が、例えば、特開平1−150185号公報(特許文献5)、特開平7−230231号公報(特許文献6)等に提案されている。
しかしながら、排紙温度の情報のみで定着に係る制御パラメータ(例えば定着温度)を補正してしまうと、誤って定着不良を起こしてしまうことがある。
それは、スタンバイ状態の定着装置を用いて、一定の定着温度で連続プリントを開始し、排紙温度を測定すると、最初の1枚目が最も高いが、2枚目以降は急に下がり、また10枚目付近から徐々に上昇し始めて、ある所定温度に収束していくという傾向がある。しかし、連続プリント前の定着装置の状態が、間欠プリント等で高温の場合における排紙温度の推移は、最初の1枚目が最も高いのは共通だが、例えば、2枚目以降は徐々に下がり、そのままある所定温度に収束する場合や、2枚目以降は若干下がるが、また5枚目付近から徐々に上昇し始めて、ある所定温度に収束する場合等、定着装置の温まり具合により差が生じてしまう。すなわち、プリント前の定着装置の状態により、連続プリント時の排紙温度推移が異なり、同一枚数時における排紙温度は必ずしも一致しないため、誤った定着温度の補正により定着不良を発生させることがあるのである。
この排紙温度推移のバラツキは、プリント前の定着装置の状態、すなわち加圧ローラの表面温度や蓄熱量の差が大きな原因である。特に、上述したフィルム加熱方式の加熱定着装置は、スタンバイ時にヒータをOFFしているため、上述した熱ローラ方式のように加圧ローラ状態が一定に保持されておらず、またプリント時における加圧ローラ温度の変化量が大きいため、より排紙温度推移のバラツキが大きくなってしまう傾向にある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、記録材の種類や定着装置の状態に関わらず定着に係る制御パラメータの補正を適正に行い、これにより定着品質を安定化させることにある。
本発明の一側面によれば、記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部で未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することで記録材に未定着トナー像を加熱定着する加熱定着部と、前記定着ニップ部を通過した記録材の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度としきい値とを比較して未定着トナー像を担持する記録材の定着に係る制御パラメータを補正する補正手段とを有する画像形成装置であって、前記しきい値は、プリント信号を待つスタンバイ状態でプリント信号を受信した時の前記加圧ローラの温度に応じて設定され、前記スタンバイ状態でプリント信号を受信し、複数枚の記録材に連続してプリントする場合、前記補正手段は、前記加圧ローラの温度に応じて設定された前記しきい値と、前記定着ニップ部で加熱定着されて前記定着ニップ部を通過した第1の記録材の前記温度検知素子による検知温度とを比較して、連続プリントにおける後続の第2の記録材の前記定着に係る制御パラメータを補正することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、記録材の種類や定着装置の状態に関わらず、定着に係る制御パラメータの補正が適正に行われ、これによって定着品質の安定化が図られる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
[1.画像形成装置M]
図1に、本発明の実施形態に係る画像形成装置、すなわち本発明が適用される加熱定着装置を備えた画像形成装置を示す。この図1は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザービームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
[1.画像形成装置M]
図1に、本発明の実施形態に係る画像形成装置、すなわち本発明が適用される加熱定着装置を備えた画像形成装置を示す。この図1は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザービームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
まず、図1を参照してレーザービームプリンタ(以下、画像形成装置)の構成を説明する。
図1に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)1を備えている。感光ドラム1は、装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光装置3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。また、装置本体Mの下部には、紙等のシート状の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されており、記録材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8、トップセンサ9、搬送ガイド10、加熱定着装置11、排紙センサ29、搬送ローラ12、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
次に、上記構成の画像形成装置の動作を説明する。駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザー光学系等の露光装置3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加して感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。
記録材Pは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15によって給紙され、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは、トップセンサ9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド10に沿って加熱定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧されて記録材P表面に定着される。この加熱定着装置11については後に詳述する。
トナー像定着後の記録材Pは、搬送ローラ12によって搬送され、排出ローラ13によって装置本体M上面の排紙トレイ14上に排出される。
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行なうことができる。
[2.加熱定着装置11]
(2−1.構成及び動作の概要)
次に、図2を参照して本発明に係る加熱定着装置11の一例について説明する。図2は、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った断面図である。図2に示す加熱定着装置11は、可撓性のエンドレスベルトを定着フィルムとする、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
(2−1.構成及び動作の概要)
次に、図2を参照して本発明に係る加熱定着装置11の一例について説明する。図2は、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った断面図である。図2に示す加熱定着装置11は、可撓性のエンドレスベルトを定着フィルムとする、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
この定着装置11は、トナーを加熱する加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータ)20と、このヒータ20を内包する回転体としての定着フィルム25と、定着フィルム25に当接された加圧部材としての加圧ローラ26と、ヒータ20の温度(定着温度)を制御する温度制御部27と、を主要構成部材として構成されている。
ヒータ20と加圧ローラ26は定着フィルム25を挟んで圧接して定着ニップ部Nを形成している。加圧ローラ26が矢印R26に示す反時計方向に回転駆動されることで、加圧ローラ26と定着フィルム25との定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により定着フィルム25に回転力が作用して定着フィルム25がその内面がヒータ20の下向き面に密着して摺動しながら矢印R25に示す時計方向に従動回転する。
加圧ローラ26が回転駆動され、それに伴って定着フィルム25が従動回転状態になり、またヒータ20に電力が供給され、ヒータ20が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム25と加圧ローラ26との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム25の外面に密着して定着フィルム25と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ20の熱が定着フィルム25を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム25から曲率分離される。
さらに、この定着装置11には、温度検知素子として、ヒータ20のの温度を測定するために、ヒータ20の裏面に取り付けられたヒータ温度サーミスタ21をはじめ、定着ニップを通過した記録材Pの表面温度(排紙温度)を測定するための排紙温度サーミスタ28、加圧ローラ26の表面温度を測定するための加圧ローラ温度サーミスタ30が設けられている。それぞれの温度検知素子によって検知される温度はCPU23によって監視される。
以下、この定着装置11を構成する主要部について詳しく説明する。
(2−2.ヒータ20)
ヒータ20は、例えばセラミックヒータであり、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したものであり、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角な左右方向に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。ヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって横断面半円状に形成された部材であり、次の定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
ヒータ20は、例えばセラミックヒータであり、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したものであり、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角な左右方向に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。ヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって横断面半円状に形成された部材であり、次の定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
(2−3.定着フィルム25)
定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂やSUS等の金属を円筒状に形成したものであり、上述のヒータ20及びヒータホルダ22に遊嵌されている。定着フィルム25は、加圧ローラ26によってヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がヒータ20の下面に当接されるようになっている。定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、ヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。また、定着フィルム25の内面には、ヒータ20やヒータガイド22との間の摺動抵抗を低減するためにグリースを塗布してある。
定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂やSUS等の金属を円筒状に形成したものであり、上述のヒータ20及びヒータホルダ22に遊嵌されている。定着フィルム25は、加圧ローラ26によってヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がヒータ20の下面に当接されるようになっている。定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、ヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。また、定着フィルム25の内面には、ヒータ20やヒータガイド22との間の摺動抵抗を低減するためにグリースを塗布してある。
(2−4.加圧ローラ26)
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面により下方から定着フィルム25をヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部Nを構成している。この定着ニップ部Nにおける、加圧ローラ26の回転方向についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面により下方から定着フィルム25をヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部Nを構成している。この定着ニップ部Nにおける、加圧ローラ26の回転方向についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。
(2−5.温度制御部27)
温度制御部27は、図示のようにCPU23およびトライアック24を含む。CPU23は、排紙温度サーミスタ28および加圧ローラ温度サーミスタ30によってそれぞれ検出された温度に基づいてトライアック24を制御することによりヒータ20への電力供給を制御し、これによりヒータ20の温度を調節する。
温度制御部27は、図示のようにCPU23およびトライアック24を含む。CPU23は、排紙温度サーミスタ28および加圧ローラ温度サーミスタ30によってそれぞれ検出された温度に基づいてトライアック24を制御することによりヒータ20への電力供給を制御し、これによりヒータ20の温度を調節する。
(2−6.排紙温度サーミスタ28)
排紙温度サーミスタ28は、記録材Pの搬送方向Kに対して、定着ニップ部Nの下流側近傍に設けられ、定着ニップを通過した記録材Pの表面温度を測定する。本実施形態では一例として、記録材Pの定着フィルム25側と接触する面(片面印字の場合は印字面)の表面温度を検出するサーミスタ28を採用する。また、記録材Pの定着フィルム25側は、定着ニップ通過直後でトナーがまだ固化していない可能性があるとともに、サーミスタ自体の熱容量を無視できるため、サーミスタ28は非接触式とする。もちろん、サーミスタ28の配置を替えて、記録材Pの加圧ローラ26側と接触する面(片面印字の場合は非印字面)の表面温度を検出しても構わない。
排紙温度サーミスタ28は、記録材Pの搬送方向Kに対して、定着ニップ部Nの下流側近傍に設けられ、定着ニップを通過した記録材Pの表面温度を測定する。本実施形態では一例として、記録材Pの定着フィルム25側と接触する面(片面印字の場合は印字面)の表面温度を検出するサーミスタ28を採用する。また、記録材Pの定着フィルム25側は、定着ニップ通過直後でトナーがまだ固化していない可能性があるとともに、サーミスタ自体の熱容量を無視できるため、サーミスタ28は非接触式とする。もちろん、サーミスタ28の配置を替えて、記録材Pの加圧ローラ26側と接触する面(片面印字の場合は非印字面)の表面温度を検出しても構わない。
(2−7.加圧ローラ温度サーミスタ30)
加圧ローラ温度サーミスタ30は、加圧ローラ26近傍に配置され、加圧ローラ26の表面温度を測定する。本実施形態では一例として、加圧ローラ26に対して非接触式のサーミスタ30を採用する。もちろん、接触式のサーミスタを採用しても構わない。
加圧ローラ温度サーミスタ30は、加圧ローラ26近傍に配置され、加圧ローラ26の表面温度を測定する。本実施形態では一例として、加圧ローラ26に対して非接触式のサーミスタ30を採用する。もちろん、接触式のサーミスタを採用しても構わない。
[3.定着温度の補正]
(3−1.初期加圧ローラ温度Trの測定)
まず最初に、プリンタがプリント信号を受信し、画像形成のために駆動(プリント動作)を開始する時点における加圧ローラ26の初期温度Trを、加圧ローラサーミスタ30にて測定する。
(3−1.初期加圧ローラ温度Trの測定)
まず最初に、プリンタがプリント信号を受信し、画像形成のために駆動(プリント動作)を開始する時点における加圧ローラ26の初期温度Trを、加圧ローラサーミスタ30にて測定する。
(3−2.排紙温度Tpの測定)
次に、プリント開始後は所定の温調で定着を行ない、排紙温度サーミスタ28にて定着ニップ通過後の記録材Pの排紙温度Tpを測定する。排紙温度Tpの測定ポイントは特に制限は無いが、定着装置11は前回転や紙間により系全体の温度が上昇し、記録材Pの通紙により徐々に熱が奪われ系全体の温度が下がっていくため、搬送方向に対して記録材Pの先端から後端に向けて排紙温度が低くなっていく傾向にある。そのため、より定着性が厳しいポイントで排紙温度Tpを測定した方が好ましい。
次に、プリント開始後は所定の温調で定着を行ない、排紙温度サーミスタ28にて定着ニップ通過後の記録材Pの排紙温度Tpを測定する。排紙温度Tpの測定ポイントは特に制限は無いが、定着装置11は前回転や紙間により系全体の温度が上昇し、記録材Pの通紙により徐々に熱が奪われ系全体の温度が下がっていくため、搬送方向に対して記録材Pの先端から後端に向けて排紙温度が低くなっていく傾向にある。そのため、より定着性が厳しいポイントで排紙温度Tpを測定した方が好ましい。
そこで、本実施形態では搬送方向に対し記録材Pの後端から約30mmのポイントで測定を行なっている。もちろん、搬送方向に対して記録材Pの全長に渡って排紙温度Tpの推移を測定しても構わない。
(3−3.定着温度の補正)
従来は排紙温度Tpのみに基づいて、後続の記録材に対する定着温度の補正を行うようにしていたことは先述したとおりである。たとえば、図8に示すように、Tpに対するしきい値を70℃に固定的に設定し、Tpが70℃未満であれば補正を行わないが、70℃以上であれば、ヒータの温度を例えば10℃下げる補正を行う、というものである。
従来は排紙温度Tpのみに基づいて、後続の記録材に対する定着温度の補正を行うようにしていたことは先述したとおりである。たとえば、図8に示すように、Tpに対するしきい値を70℃に固定的に設定し、Tpが70℃未満であれば補正を行わないが、70℃以上であれば、ヒータの温度を例えば10℃下げる補正を行う、というものである。
一方、本実施形態では、初期加圧ローラ温度Trと記録材Pの排紙温度Tpとに基づいて、後続の記録材に対する定着温度の補正を行う。たとえば、図7に示すように、まず、初期加圧ローラ温度Trに応じて変化する排紙温度Tpに対するしきい値を設定する。具体的には、Tr<50℃のときはしきい値が60℃に設定され、50℃≦Tr<100℃のときはしきい値が70℃に設定され、Tr≧100℃のときは、排紙温度Tpに対するしきい値が80℃に設定される。つまり、初期加圧ローラ温度Trが高いほど、排紙温度Tpに対するしきい値も高い値に設定される。そして、排紙温度がしきい値未満であれば補正は行わず、しきい値以上ある場合にヒータ20を10℃下げる補正が行われる。
なお、補正を行う場合のその補正量は−10℃とされているが、この補正量が一例にすぎない値であることはいうまでもなく、TrとTpの両者の温度の組み合わせ等に応じて異なる補正量を設定してもよい。また、Tpがしきい値未満のときは補正を行わないように設定されていたが、ここでも補正をまったく行わないのではなく別の補正を加えるようにしてもよいことはもちろんである。要するに、Tpとしきい値との比較結果に応じて補正内容が決定されるのである。
また、データの信頼性の向上のため、設定されたしきい値と比較する対象として、一枚の記録材に対する排紙温度Tpを用いるのではなく、たとえば連続する5枚の記録材のの排紙温度の平均値を使用し、次の6枚目以降における定着温度の補正内容を決定するようにしてもよい。もちろん、その平均値をとる枚数や、何枚目から補正を適用するかについては別の値を適用してもよい。
(3−4.従来例との比較実験)
上述の如く初期加圧ローラ温度Trと排紙温度Tpとに基づいて定着温度の補正内容を設定する本実施形態の効果を調べるため、従来例との比較実験を行なった。比較対象は、従来例1として、定着温度の補正は無くラフ紙の定着性を重視した定着温度に設定した場合と、従来例2として、図8のように、排紙温度Tpのみから補正の内容を決めて定着温度の補正を行なった場合である。従来例2における排紙温度Tpには、本実施形態と同様に、連続する5枚の平均値を使用した。
上述の如く初期加圧ローラ温度Trと排紙温度Tpとに基づいて定着温度の補正内容を設定する本実施形態の効果を調べるため、従来例との比較実験を行なった。比較対象は、従来例1として、定着温度の補正は無くラフ紙の定着性を重視した定着温度に設定した場合と、従来例2として、図8のように、排紙温度Tpのみから補正の内容を決めて定着温度の補正を行なった場合である。従来例2における排紙温度Tpには、本実施形態と同様に、連続する5枚の平均値を使用した。
ここでは、本実施形態、従来例1,2のそれぞれについて、ラフ紙の定着性と薄紙のカールの評価を、定着装置11のプリント前の状態を変えて実施した。定着装置11のプリント前の状態を変えるため、一度1枚間欠で100枚通紙させて非常に高温状態にさせた後、5秒停止、5分停止、1時間以上停止、と停止時間を変えて評価を行なった。また、ラフ紙はFox River Paper社製のFox River Bond #24、薄紙はキヤノン社製のオフィースプランナーを使用し、23℃/50%RHの環境下で24時間以上放置後、文字パターンを連続100枚印字して定着性とカールの評価を行なった。
結果を図9に示す。図中の○は良好レベル、△は○よりも多少劣るものの実用上問題の無いレベル、×は不良レベルを示す。
まず、定着温度の補正を行わない従来例1について検討すると、この従来例1は定着性を重視した定着温度の設定であったため、ラフ紙の定着性には問題はなかったが、100枚通紙から5秒しか経過していない高温状態では、過剰な熱量が記録材上のトナーに供給され、薄紙にカールを生じてしまった。
また、プリント前の定着装置11の状態、すなわち初期加圧ローラ温度Trが、100枚通紙後1時間以上経過した場合のように周辺温度と等しくなるまで低くなっている場合と、逆にTrが非常に高い場合とでは、連続プリント時の排紙温度Tpの推移が異なり、同一枚数時における排紙温度Tpは必ずしも一致しないため、従来例2では、記録材Pのラフ紙と薄紙の識別を誤検知してしまっている。そのため、従来例2では、初期加圧ローラ温度Trが低すぎる場合は定着温度が適正値よりも高く補正され、またTrが高すぎる場合は定着温度が適正値よりも低く補正されてしまい、薄紙のカールやラフ紙の定着性という定着品質の問題が生じた。
一方、本実施形態は排紙温度Trに加え、あらかじめプリント前の定着装置11の状態、すなわち初期加圧ローラ温度Trをも考慮に入れて、補正の内容が決定されるため、記録材Pの識別力の精度を向上させることができ、誤検知による定着品質の問題を防止することができる。このため、本実施形態はプリント前の定着装置11の状態に依らず、ラフ紙の定着性と薄紙のカールともに良好なレベルを両立させることができた。
(3−5.初期加圧ローラ温度Trの測定方法の他例)
定着装置11の構成の簡略化とコスト低減のため、図3に示すように、加圧ローラ温度サーミスタ30を使用せず、加圧ローラ温度Trのかわりにヒータ温度サーミスタ21での測定値を用いてもよい。このヒータ温度サーミスタ21での測定値は、ヒータ20と定着フィルム25を介しているため、加圧ローラ温度サーミスタ30で直接測定した加圧ローラ温度とは若干異なるが、ヒータ20はセラミック製であり、また、定着フィルム25も肉薄であり、共に低熱容量品を使用しているためその温度差は非常に小さく、実用上は問題無い。
定着装置11の構成の簡略化とコスト低減のため、図3に示すように、加圧ローラ温度サーミスタ30を使用せず、加圧ローラ温度Trのかわりにヒータ温度サーミスタ21での測定値を用いてもよい。このヒータ温度サーミスタ21での測定値は、ヒータ20と定着フィルム25を介しているため、加圧ローラ温度サーミスタ30で直接測定した加圧ローラ温度とは若干異なるが、ヒータ20はセラミック製であり、また、定着フィルム25も肉薄であり、共に低熱容量品を使用しているためその温度差は非常に小さく、実用上は問題無い。
(3−6.定着温度補正の変形例)
上述の実施形態では、定着に係る制御パラメータである定着温度を補正の対象として説明してきたが、記録材の定着品質に影響を与える制御パラメータであれば定着温度以外を補正の対象としてもよい。例えば、記録材Pのスループットや、記録材Pの搬送速度(プロセススピード)を補正の対象としてもよいであろう。ここで、記録材Pのスループットの補正とは、搬送速度(プロセススピード)は変えずに、給紙ローラが給紙カセットから記録材Pを給紙するタイミングを変えること、すなわち連続プリント時の紙間の長さを変えて、単位時間あたりのプリント枚数を変えることである。また記録材Pの搬送速度(プロセススピード)の補正とは、搬送ローラが記録材を搬送する速度を変えること、すなわち画像形成装置を駆動させるモータの回転速度を変えて、単位時間あたりのプリント枚数を変えることである。
上述の実施形態では、定着に係る制御パラメータである定着温度を補正の対象として説明してきたが、記録材の定着品質に影響を与える制御パラメータであれば定着温度以外を補正の対象としてもよい。例えば、記録材Pのスループットや、記録材Pの搬送速度(プロセススピード)を補正の対象としてもよいであろう。ここで、記録材Pのスループットの補正とは、搬送速度(プロセススピード)は変えずに、給紙ローラが給紙カセットから記録材Pを給紙するタイミングを変えること、すなわち連続プリント時の紙間の長さを変えて、単位時間あたりのプリント枚数を変えることである。また記録材Pの搬送速度(プロセススピード)の補正とは、搬送ローラが記録材を搬送する速度を変えること、すなわち画像形成装置を駆動させるモータの回転速度を変えて、単位時間あたりのプリント枚数を変えることである。
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態として、定着温度の補正方法の他例を図4に示す。なお、前述した第1の実施形態と同一機能を有する部分は同一符号を使用し説明を援用する。
次に第2の実施形態として、定着温度の補正方法の他例を図4に示す。なお、前述した第1の実施形態と同一機能を有する部分は同一符号を使用し説明を援用する。
[1.排紙温度サーミスタ28の構成]
排紙温度サーミスタ28は、記録材Pの搬送方向Kに対して、定着ニップ部Nの下流側近傍に設けられ、定着ニップを通過した記録材Pの表面温度を測定する。本実施形態では、記録材Pの加圧ローラ26側と接触する面(片面印字の場合は非印字面)の表面温度を検出する接触式を採用するとともに、構成の簡略化のため、排紙温度サーミスタ28は、定着ニップ部Nの下流側近傍に配置された排紙センサ29に内蔵され、記録材Pの非印字面側に当接することにより記録材Pの有無を検知する機能も有する。
排紙温度サーミスタ28は、記録材Pの搬送方向Kに対して、定着ニップ部Nの下流側近傍に設けられ、定着ニップを通過した記録材Pの表面温度を測定する。本実施形態では、記録材Pの加圧ローラ26側と接触する面(片面印字の場合は非印字面)の表面温度を検出する接触式を採用するとともに、構成の簡略化のため、排紙温度サーミスタ28は、定着ニップ部Nの下流側近傍に配置された排紙センサ29に内蔵され、記録材Pの非印字面側に当接することにより記録材Pの有無を検知する機能も有する。
[2.定着温度の補正]
(2−1.初期加圧ローラ温度Trの測定)
まず最初に、プリンタがプリント信号を受信し、プリント動作を開始する時点における加圧ローラ26の初期温度Trを測定する。加圧ローラ温度Trは、加圧ローラ表面を直接サーミスタで測定することが好ましいが、本実施形態では構成の簡略化とコスト低減のため、ヒータ温度サーミスタ21での測定値を代用している。このヒータ温度サーミスタ21での測定値は、ヒータ20と定着フィルム25を介しているため、実際の加圧ローラの表面温度とは若干異なるが、第1の実施形態でも述べたように、ヒータ20はセラミック製であり、また、定着フィルム25も肉薄で、共に低熱容量品を使用しているためその温度差は非常に小さく、実用上は問題無い。もちろん、より高い精度が必要な場合は、図2に示したような、加圧ローラ26の温度測定専用のサーミスタ30を配置し、これを利用しても構わない。
(2−1.初期加圧ローラ温度Trの測定)
まず最初に、プリンタがプリント信号を受信し、プリント動作を開始する時点における加圧ローラ26の初期温度Trを測定する。加圧ローラ温度Trは、加圧ローラ表面を直接サーミスタで測定することが好ましいが、本実施形態では構成の簡略化とコスト低減のため、ヒータ温度サーミスタ21での測定値を代用している。このヒータ温度サーミスタ21での測定値は、ヒータ20と定着フィルム25を介しているため、実際の加圧ローラの表面温度とは若干異なるが、第1の実施形態でも述べたように、ヒータ20はセラミック製であり、また、定着フィルム25も肉薄で、共に低熱容量品を使用しているためその温度差は非常に小さく、実用上は問題無い。もちろん、より高い精度が必要な場合は、図2に示したような、加圧ローラ26の温度測定専用のサーミスタ30を配置し、これを利用しても構わない。
(2−2.排紙温度サーミスタの初期温度Tp0の測定)
上述した初期加圧ローラ温度Trの測定と同様に、プリンタがプリント信号を受信し、プリント動作を開始する時点における、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0の測定を行なう。本実施形態のように、接触式でかつ排紙センサ29に内蔵されたサーミスタ28を使用する場合には排紙センサ29が熱容量を持ってしまうため、プリント開始時点における排紙センサ29の状態により、排紙温度Tpの推移は異なってしまう。そのため、プリント開始時点における排紙センサ29の状態をあらかじめ認識するために、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0の測定を行なうのである。
上述した初期加圧ローラ温度Trの測定と同様に、プリンタがプリント信号を受信し、プリント動作を開始する時点における、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0の測定を行なう。本実施形態のように、接触式でかつ排紙センサ29に内蔵されたサーミスタ28を使用する場合には排紙センサ29が熱容量を持ってしまうため、プリント開始時点における排紙センサ29の状態により、排紙温度Tpの推移は異なってしまう。そのため、プリント開始時点における排紙センサ29の状態をあらかじめ認識するために、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0の測定を行なうのである。
(2−3.排紙温度Tpの測定)
プリント開始後は所定の温調で定着を行ない、排紙温度サーミスタ28にて定着ニップ通過後の記録材Pの排紙温度Tpを測定する。排紙温度Tpの測定ポイントは特に制限は無いが、本実施形態では、接触式でかつ排紙センサ29に内蔵させたサーミスタ28を使用しているため、排紙センサ29の熱容量の影響があり、搬送方向に対して記録材Pの先端から後端に向けて、サーミスタ28によって検出される排紙温度Tpは徐々に上がりながら真の排紙温度に近付く傾向にある。そのため、より真の排紙温度に近いポイントで排紙温度Tpを測定した方が好ましい。
プリント開始後は所定の温調で定着を行ない、排紙温度サーミスタ28にて定着ニップ通過後の記録材Pの排紙温度Tpを測定する。排紙温度Tpの測定ポイントは特に制限は無いが、本実施形態では、接触式でかつ排紙センサ29に内蔵させたサーミスタ28を使用しているため、排紙センサ29の熱容量の影響があり、搬送方向に対して記録材Pの先端から後端に向けて、サーミスタ28によって検出される排紙温度Tpは徐々に上がりながら真の排紙温度に近付く傾向にある。そのため、より真の排紙温度に近いポイントで排紙温度Tpを測定した方が好ましい。
そこで、本実施形態では搬送方向に対し記録材Pの後端から約30mmのポイントで測定を行なっている。もちろん、搬送方向に対して記録材Pの全長に渡って排紙温度Tpの推移を測定しても構わない。
(2−4.定着温度の補正)
本実施形態では、実施形態1と同様に、一例として定着に係る制御パラメータの補正として定着温度の補正を実施する。もちろん記録材の定着品質に影響を与える制御パラメータであれば定着温度以外の制御パラメータを補正の対象としてもよい。例えば、記録材Pのスループットや、記録材Pの搬送速度(プロセススピード)を補正の対象としてもよいであろう。
本実施形態では、実施形態1と同様に、一例として定着に係る制御パラメータの補正として定着温度の補正を実施する。もちろん記録材の定着品質に影響を与える制御パラメータであれば定着温度以外の制御パラメータを補正の対象としてもよい。例えば、記録材Pのスループットや、記録材Pの搬送速度(プロセススピード)を補正の対象としてもよいであろう。
本実施形態では、初期加圧ローラ温度Tr、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0、および記録材Pの排紙温度Tpに基づいて、後続の記録材に対する定着温度の補正を行う。たとえば、図10に示すように、まず、初期加圧ローラ温度Trに応じた排紙温度Tpに対するしきい値を設定する。このしきい値は、上述した第1の実施形態のように一定値ではなく、Tp0の一次関数で表される。
たとえば、50℃≦Tr<100℃のときは、排紙温度Tpに対するしきい値が0.2×Tp0+65℃に設定される。図5において、実線で示される直線aがこのときに設定されるしきい値である。また、初期加圧ローラ温度Tr<50℃の場合には、排紙温度Tpに対するしきい値が、直線aのTp軸切片が−10された0.2×Tp0+55℃に設定され、Tr≧100℃の場合には、排紙温度Tpに対するしきい値が、直線aのTp軸切片が+10された0.2×Tp0+75℃に設定される。図5の一点鎖線で示される直線bがTr<50℃の場合に設定されるしきい値、破線で示される直線cがTr≧100℃の場合に設定されるしきい値である。
そして、排紙温度Tpがこのしきい値に満たないときは補正なし、Tpがこのしきい値以上のときはヒータ20を10℃下げる補正が行われる。
また本実施形態では、実施形態1と同様に、データの信頼性の向上のため、設定されたしきい値と比較する対象として、一枚の記録材に対する排紙温度Tpを用いるのではなく、連続する5枚の記録材の排紙温度の平均値を使用し、後続の6枚目以降における定着温度の補正内容を決めるようにしてもよい。もちろん、その平均値をとる枚数や、何枚目から補正を適用するかについては別の値を適用してもよい。
(2−5.第1の実施形態との比較実験)
上述の如く初期加圧ローラ温度Trと排紙温度Tpのみならず、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0を加味して定着温度の補正内容を設定する本実施形態の効果を調べるため、初期温度Tp0を考慮せず定着温度の補正内容を決定する第1の実施形態との比較実験を行った。実験の内容は第1の実施形態で行った比較実験と同様である。
上述の如く初期加圧ローラ温度Trと排紙温度Tpのみならず、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0を加味して定着温度の補正内容を設定する本実施形態の効果を調べるため、初期温度Tp0を考慮せず定着温度の補正内容を決定する第1の実施形態との比較実験を行った。実験の内容は第1の実施形態で行った比較実験と同様である。
結果を図11に示す。図9に示したように、第1の実施形態は、プリント前の定着装置11の状態に依らず、ラフ紙の定着性と薄紙のカールともに良好なレベルを両立させることができたが、これが常に維持されるわけではなく、図11に示すように定着性およびカールに問題が生じる場合もあった。しかし、本実施形態によれば、このような場面でもラフ紙の定着性と薄紙のカールともに良好なレベルを両立させることができた。本実施形態は、定着温度の補正内容を設定するにあたり、排紙温度サーミスタ28の初期温度Tp0を加味しているぶん、より適正な定着温度の補正が行われたといえる。
<その他の実施形態>
以上、現時点で最も現実的かつ好適な実施形態でもって本発明を説明したが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、各種の改変や均等な構成を包含するものである。
以上、現時点で最も現実的かつ好適な実施形態でもって本発明を説明したが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、各種の改変や均等な構成を包含するものである。
たとえば、上述の実施形態におけるフィルム加熱方式の加熱定着装置では、定着フィルム駆動方式として、加圧ローラを駆動ローラとして用い加圧ローラとの摩擦力で定着フィルムを駆動する加圧用ローラ駆動方式を採用した。これは、部品点数が少なく低コストな構成であるという理由で採用したものである。しかし、この代わりにその他の定着フィルム駆動方式、たとえば、エンドレスの定着フィルムの内周面に駆動ローラを設け、この定着フィルムにテンションを加えながら駆動する方式や、フィルムをロール巻きの有端ウエブ状にし、これを走行駆動させる方式など、を採ってもよい。
また、本発明は、加熱部材と加圧部材とのニップで画像を担持した記録材を挟持搬送させて記録材上の画像を加熱する加熱定着装置であればよく、上述の実施形態のようなフィルム加熱方式のみならず、熱ローラ方式などを採用することが可能である。
また、上述の実施形態では、トナーを加熱するための加熱体としてのヒータ20はセラミックヒータとしたが、これに限られるものではない。例えば鉄板等の電磁誘導発熱性部材とすることもできる。ヒータとして鉄板等の電磁誘導発熱性部材を用い、これを定着ニップ部の位置に配設して、これに交番磁束発生手段としての電磁コイルと磁性コアにより発生させた高周波磁界を作用させることで発熱させる装置構成にすることもできる。また、移動部材としてのフィルム自体を電磁誘導発熱性部材にして交番磁束発生手段で発熱させる装置構成にすることもできる。
本発明は、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる加熱定着装置のみならず、未定着画像を記録材上に仮定着させるための加熱装置や、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する加熱装置なども包含するものである。
また、画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
Claims (4)
- 記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、
エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部で未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することで記録材に未定着トナー像を加熱定着する加熱定着部と、
前記定着ニップ部を通過した記録材の温度を検知する温度検知素子と、
前記温度検知素子の検知温度としきい値とを比較して未定着トナー像を担持する記録材の定着に係る制御パラメータを補正する補正手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記しきい値は、プリント信号を待つスタンバイ状態でプリント信号を受信した時の前記加圧ローラの温度に応じて設定され、
前記スタンバイ状態でプリント信号を受信し、複数枚の記録材に連続してプリントする場合、前記補正手段は、前記加圧ローラの温度に応じて設定された前記しきい値と、前記定着ニップ部で加熱定着されて前記定着ニップ部を通過した第1の記録材の前記温度検知素子による検知温度とを比較して、連続プリントにおける後続の第2の記録材の前記定着に係る制御パラメータを補正する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御パラメータは、前記ヒータの制御目標温度であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御パラメータは、複数枚の記録材を連続して搬送する際の搬送間隔であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御パラメータは、記録材の搬送速度であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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- 2009-04-02 JP JP2009090478A patent/JP2009187020A/ja active Pending
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