JP4186461B2 - フルフラール類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを用いてホルミル化することにより、フルフラール類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルフラール類の製造方法の一つとして、フラン類を、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンから調製される所謂ヴィルスマイヤー錯体(ClHC=N+Me2 Cl-)と反応させ、得られたインモニウム塩(R-CH=N+Me2 Cl-)を加水分解反応させる方法が知られている(下記反応式参照)。
【0003】
COCl2 + HCONMe2 → ClHC=N+Me2 Cl- + CO2
R-H + ClHC=N+Me2 Cl- → R-CH=N+Me2 Cl- + HCl
R-CH=N+Me2 Cl- + H2O → R-CHO + Me2NH + HCl
(Rは置換基を有していてもよい2−フリル基を表す)
【0004】
例えば、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ,パーキン・トランスアクション・2(Journal of the Chemical Society, Perkin Transaction 2)1974年発行第1610〜1612頁には、フランや2−メチルフランを、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンから調製、単離したヴィルスマイヤー錯体と反応させる方法が記載されている。また、特公昭59−14469号公報には、2−メチルフランとN,N−ジメチルホルムアミドを混合した中に、ホスゲンを加えながら反応させる方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、溶媒の種類等によりその程度は異なるが、ビルスマイヤー錯体やインモニウム塩等がスケーリング(固体が反応器内面に付着すること)を起こしやすいため、伝熱効率が低下して除熱が困難となったり、混合状態が悪化したりする等、工業的な方法として満足できるものではなかった。
【0006】
そこで本発明の目的は、スケーリングが抑制された条件で、フラン類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンからフルフラール類を収率良く製造することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、フラン類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを混合して反応を行う際、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを共フィードする処方を採用することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、有機溶媒の存在下、フラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合して反応させる工程(1)、および工程(1)で得られた反応混合物を加水分解処理する工程(2)を含み、工程(1)において、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行うことにより、フルフラール類を製造する方法に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
原料のフラン類としては、フランや、各種置換フラン類のうち酸素原子に隣接した炭素原子の少なくとも一方が置換されていないものを用いることができ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、酸素原子に隣接した炭素原子の一方にアルキル基等の置換基を有するフラン類が好ましく、特に下記一般式(1)
【化1】
Figure 0004186461
(式中、R1はアルキル基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。)
で示される化合物が好適に用いられる。この一般式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましく、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましく、R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましい。
【0010】
このようなフラン類としては、例えば、2−メチルフラン、2−エチルフラン、2−プロピルフラン、2−イソプロピルフラン、2−ブチルフラン、2−イソブチルフラン、2−sec−ブチルフラン、2−tert−ブチルフラン、2,3−ジメチルフラン、2,4−ジメチルフラン、2,3,4−トリメチルフラン等が挙げられる。
【0011】
フラン類として上記一般式(1)で示される化合物を用いることにより、フルフラール類として下記一般式(2)
【化2】
Figure 0004186461
(式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物を製造することができる。
【0012】
特にフラン類として、2−メチルフラン[上記一般式(1)において、R1がメチル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物]を用いることにより、フルフラール類として、5−メチルフルフラール[上記一般式(2)において、R1がメチル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物]を好適に製造することができる。5−メチルフルフラールは、アレスリン(allethrin)やプラレスリン(prallethrin)のような殺虫剤の中間体として好適に用いることができる。
【0013】
上記フラン類を、有機溶媒の存在下、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合することにより、反応を行う[工程(1)]。
【0014】
有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンのような芳香族炭化水素類;モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンのような塩素化脂肪族炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルのようなエーテル類等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、スケーリング抑制の観点から、塩素化芳香族炭化水素類や塩素化脂肪族炭化水素類が好ましく、さらに排水処理の観点から、塩素化芳香族炭化水素類が好ましい。有機溶媒の使用量は、フラン類100重量部に対して、通常80〜800重量部、好ましくは90〜300重量部の範囲である。
【0015】
N,N−ジメチルホルムアミドの使用量は、フラン類1モルに対して、通常1〜1.5モル、好ましくは1〜1.1モルの範囲である。また、ホスゲンの使用量は、フラン類1モルに対して、通常1〜1.5モル、好ましくは1〜1.1モルの範囲である。ホスゲンは、気体として用いてもよいし、液体として用いてもよい。
【0016】
本発明においては、有機溶媒の存在下にフラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合して反応させる際、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行う。このような供給方法を採用することにより、スケーリングが抑制され、操作性良く反応を行うことができる。
【0017】
ここで、フラン類については、全量をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える前にあらかじめ反応系内に加えておいてもよいが、副生成物の[ビス(2−フリル)メチル]ジメチルアミン類[R2CHNMe2(Rは置換基を有していてもよい2−フリル基を表す)]の生成を抑制し、フルフラール類の収率や品質を向上させる観点からは、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンに併せて反応系内に加えるのが好ましく、[N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える前にあらかじめ反応系内に加えるフラン類]/[N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンに併せて反応系内に加えるフラン類]の比(重量比)は、通常0/100〜80/20、好ましくは0/100〜40/60の範囲である。
【0018】
また、有機溶媒については、全量をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える前にあらかじめ反応系内に加えておくのが通常であるが、必要に応じて一部をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンに併せて反応系内に加えてもよい。
【0019】
反応温度は、反応速度の観点から、通常0℃以上、好ましくは30℃以上であり、フラン類、ヴィルスマイヤー錯体、インモニウム塩等の各成分の熱安定性の観点から、通常70℃以下、好ましくは45℃以下である。また、反応は、通常、常圧下に行えばよいが、必要に応じて、減圧下または加圧下に行ってもよい。
【0020】
反応時間については、各成分の使用量や反応温度等の条件により適宜選択することができるが、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える時間は、通常1〜24時間、好ましくは1〜16時間の範囲であり、これらを加えた後の反応時間は、通常0.1〜24時間、好ましくは0.1〜12時間の範囲である。
【0021】
工程(1)で得られた反応混合物を水と混合して加水分解処理することにより、そこに含まれるインモニウム塩をフルフラール類に変換することができる[工程(2)]。加水分解処理における水の使用量は、フラン類100重量部に対して、通常70〜500重量部、好ましくは100〜300重量部の範囲であり、また、温度は通常30〜50℃、時間は通常0.1〜5時間の範囲である。
【0022】
工程(2)の後処理操作については、適宜選択することができるが、通常、得られたフルフラール類を含む油水混合物を、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ水溶液と混合して、塩化水素を中和した後、油水分離してフルフラール類を含む油層と水層とに分離するのが好ましく、次いで該油層を塩酸や硫酸のような酸性水溶液で洗浄して、ジメチルアミンを除去するのが好ましい。
【0023】
上記アルカリ水溶液による中和においては、中和後のpHを、通常7〜10、好ましくは8〜9の範囲に調整するのがよく、上記油水分離においては、通常、水層中に若干のフルフラール類が分配されるので、これを回収するために、水層を有機溶媒で抽出し、この有機溶媒層を上記油層と混合するのがよい。また、上記酸性水溶液による洗浄においては、酸性水溶液中へのフルフラール類の溶解を抑制するために、酸性水溶液に食塩や硫酸ナトリウムのような塩類を溶解させておくのが好ましい。
【0024】
得られたフルフラール類の有機溶媒溶液は、必要に応じて濃縮、蒸留、クロマトグラフィー等の精製処理に付した後、各種用途に用いることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。例中、使用量を表す部は重量基準である。また、モル相当とは、部をグラムとしたときのモル量に相当する値である。
【0026】
なお、実施例1〜3ならびに比較例1および2においては、反応容器として、帯状(腹巻型)のジャケットを有するセパラブルフラスコを用い、ジャケットには冷媒として−15〜−10℃のエタノール水溶液を流し、反応容器内壁のジャケットに接した部分のスケーリングを観察した。また、5−メチルフルフラールおよび[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミン[R2CHNMe2(Rは5−メチル−2−フリル基を表す)]の分析は、ガスクロマトグラフィーにより行った。
【0027】
実施例1
反応容器にクロロベンゼン140部を入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、2−メチルフラン62.1部(0.756モル相当)およびN,N−ジメチルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)の混合液を125分かけて滴下し、また、該混合液の滴下開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン74.7部(0.755モル相当)を135分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み中には見られず、吹き込み終了後に若干発生した程度であった。
【0028】
得られた反応混合物に、35〜40℃にて、水107部を加えて10分間保持した後、35〜40℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液160.1部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン84部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液43.6部および20重量%塩酸4.8部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液48.3部で2回洗浄した。洗浄後の油層297.6部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は26.75重量%(収率95.6%)であり、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラムの面積比は0.00010であった。
【0029】
実施例2
反応容器にクロロベンゼン168部および2−メチルフラン43.2部(0.526モル相当)を入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、2−メチルフラン18.9部(0.230モル相当)およびN,N−ジメチルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)の混合液を131分かけて滴下し、また、該混合液の滴下開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン76.9部(0.777モル相当)を137分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み中にも吹き込み終了後にも見られなかった。
【0030】
得られた反応混合物に、35〜40℃にて、水107部を加えて10分間保持した後、35〜40℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液160部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン69部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液43.5部および20重量%塩酸4.8部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液48.4部で2回洗浄した。洗浄後の油層307.9部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は25.47重量%(収率94.2%)であり、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラムの面積比は0.00019であった。
【0031】
実施例3
反応容器にクロロベンゼン117部および2−メチルフラン62.1部(0.756モル相当)を入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、N,N−ジメチルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)を132分かけて滴下し、また、該N,N−ジメチルホルムアミドの滴下開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン80.2部(0.810モル相当)を145分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み中には見られず、吹き込み終了後に若干発生した程度であった。
【0032】
得られた反応混合物に、35〜40℃にて、水107部を加えて10分間保持した後、35〜40℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液174.8部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層313.0部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は25.13重量%(収率94.5%)であり、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラムの面積比は0.0039であった。
【0033】
比較例1
反応容器にクロロベンゼン117部、2−メチルフラン62.1部(0.756モル相当)およびN,N−ジメチルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)を入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、ホスゲン76.3部(0.772モル相当)を138分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み開始直後から発生し、吹き込み中、その程度は徐々に増していった。
【0034】
得られた反応混合物に、35〜40℃にて、水107部を加えて10分間保持した後、35〜40℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液175.9部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層309.3部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は25.02重量%(収率93.0%)であり、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラムの面積比は0.00025であった。
【0035】
比較例2
反応容器にクロロベンゼン117部およびN,N−ジメチルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)を入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、2−メチルフラン62.1部(0.756モル相当)を130分かけて滴下し、また、2−メチルフランの滴下開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン85.7部(0.867モル相当)を155分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み開始直後から発生し、吹き込み中、その程度は徐々に増していった。
【0036】
得られた反応混合物に、35〜40℃にて、水107部を加えて10分間保持した後、35〜40℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液195.4部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層314.7部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は25.48重量%(収率96.3%)であり、[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンは検出されなかった。
【0037】
実施例4
ジャケット付き反応機(ジャケット冷媒:−15〜−10℃の塩化カルシウム水溶液)にクロロベンゼン312部を入れ、この中に、攪拌下、35〜45℃、ゲージ圧力−4.5〜−2.5kPaにて、2−メチルフラン132部(1.608モル相当)およびN,N−ジメチルホルムアミド123.4部(1.688モル相当)を12時間かけて併注し、また、この2−メチルフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドの併注開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン182.4部(1.844モル相当)を13時間かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、同温度同圧力にて、1時間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの吹き込み中にも、吹き込み終了後にも見られなかった。
【0038】
得られた反応混合物に、攪拌下、同温度同圧力にて、水227.8部を1.5時間かけて加えた後、10分間保持し、次いで、同温度同圧力にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液332.4部を5.5時間かけて加えた後、10分間保持した(pH8〜8.5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン250.6部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液92.8部および20重量%塩酸10.6部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液103.2部で2回洗浄した。洗浄後の油層731.4部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃度は23.41重量%(収率96.7%)であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、フラン類、ジメチルホルムアミドおよびホスゲンから、スケーリングが抑制された条件で、収率良くフルフラール類を製造することができる。

Claims (3)

  1. 有機溶媒の存在下、下記一般式(1)
    Figure 0004186461
    (式中、R 1 はアルキル基を表し、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。)
    で示されるフラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合して反応させる工程(1)、および工程(1)で得られた反応混合物を加水分解処理する工程(2)を含み、工程(1)において、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行うことを特徴とする下記一般式(2)
    Figure 0004186461
    (式中、R 1 、R 2 およびR 3 は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるフルフラール類の製造方法。
  2. 工程(1)において、一般式(1)で示されるフラン類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行う請求項1記載の製造方法。
  3. 有機溶媒が塩素化芳香族炭化水素類である請求項1または2に記載の製造方法。
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