JP2002255951A - フルフラール類の製造方法 - Google Patents

フルフラール類の製造方法

Info

Publication number
JP2002255951A
JP2002255951A JP2001379816A JP2001379816A JP2002255951A JP 2002255951 A JP2002255951 A JP 2002255951A JP 2001379816 A JP2001379816 A JP 2001379816A JP 2001379816 A JP2001379816 A JP 2001379816A JP 2002255951 A JP2002255951 A JP 2002255951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
phosgene
dimethylformamide
reaction
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001379816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4186461B2 (ja
Inventor
Koji Yano
浩二 矢野
Masaru Kamoda
勝 鴨田
Toru Haga
徹 葉賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001379816A priority Critical patent/JP4186461B2/ja
Publication of JP2002255951A publication Critical patent/JP2002255951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4186461B2 publication Critical patent/JP4186461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケーリングが抑制された条件で、フラン
類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンから
フルフラール類を収率良く製造すること。 【解決手段】 有機溶媒の存在下、フラン類をN,N−
ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合して反応さ
せる工程(1)、および工程(1)で得られた反応混合
物を加水分解処理する工程(2)を含み、工程(1)に
おいて、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲン
を反応系内に加えながら反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラン類をN,N
−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを用いてホルミ
ル化することにより、フルフラール類を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フルフラール類の製造方法の一つ
として、フラン類を、N,N−ジメチルホルムアミドお
よびホスゲンから調製される所謂ヴィルスマイヤー錯体
(ClHC=N+Me2 Cl-)と反応させ、得られたインモニウム
塩(R-CH=N+Me2 Cl-)を加水分解反応させる方法が知ら
れている(下記反応式参照)。
【0003】 COCl2 + HCONMe2 → ClHC=N+Me2 Cl- + CO2 R-H + ClHC=N+Me2 Cl- → R-CH=N+Me2 Cl- + HCl R-CH=N+Me2 Cl- + H2O → R-CHO + Me2NH + HCl (Rは置換基を有していてもよい2−フリル基を表す)
【0004】例えば、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイエティ,パーキン・トランスアクション・2
(Journal of the Chemical Society, Perkin Transact
ion 2)1974年発行第1610〜1612頁には、
フランや2−メチルフランを、N,N−ジメチルホルム
アミドおよびホスゲンから調製、単離したヴィルスマイ
ヤー錯体と反応させる方法が記載されている。また、特
公昭59−14469号公報には、2−メチルフランと
N,N−ジメチルホルムアミドを混合した中に、ホスゲ
ンを加えながら反応させる方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、溶媒の種類等によりその程度は異なる
が、ビルスマイヤー錯体やインモニウム塩等がスケーリ
ング(固体が反応器内面に付着すること)を起こしやす
いため、伝熱効率が低下して除熱が困難となったり、混
合状態が悪化したりする等、工業的な方法として満足で
きるものではなかった。
【0006】そこで本発明の目的は、スケーリングが抑
制された条件で、フラン類、N,N−ジメチルホルムア
ミドおよびホスゲンからフルフラール類を収率良く製造
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、フラン類、N,N−ジメチルホルムアミドおよ
びホスゲンを混合して反応を行う際、N,N−ジメチル
ホルムアミドおよびホスゲンを共フィードする処方を採
用することにより、上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、有機溶媒の存在下、
フラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲ
ンと混合して反応させる工程(1)、および工程(1)
で得られた反応混合物を加水分解処理する工程(2)を
含み、工程(1)において、N,N−ジメチルホルムア
ミドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行う
ことにより、フルフラール類を製造する方法に係るもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
原料のフラン類としては、フランや、各種置換フラン類
のうち酸素原子に隣接した炭素原子の少なくとも一方が
置換されていないものを用いることができ、必要に応じ
てそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、酸
素原子に隣接した炭素原子の一方にアルキル基等の置換
基を有するフラン類が好ましく、特に下記一般式(1)
【化1】 (式中、R1はアルキル基を表し、R2およびR3はそれ
ぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。)で示
される化合物が好適に用いられる。この一般式(1)
中、R1は炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ま
しく、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基であるのが好ましく、R3は水素原子または炭素数1
〜10のアルキル基であるのが好ましい。
【0010】このようなフラン類としては、例えば、2
−メチルフラン、2−エチルフラン、2−プロピルフラ
ン、2−イソプロピルフラン、2−ブチルフラン、2−
イソブチルフラン、2−sec−ブチルフラン、2−t
ert−ブチルフラン、2,3−ジメチルフラン、2,
4−ジメチルフラン、2,3,4−トリメチルフラン等
が挙げられる。
【0011】フラン類として上記一般式(1)で示され
る化合物を用いることにより、フルフラール類として下
記一般式(2)
【化2】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表
す。)で示される化合物を製造することができる。
【0012】特にフラン類として、2−メチルフラン
[上記一般式(1)において、R1がメチル基であり、
2およびR3が水素原子である化合物]を用いることに
より、フルフラール類として、5−メチルフルフラール
[上記一般式(2)において、R1がメチル基であり、
2およびR3が水素原子である化合物]を好適に製造す
ることができる。5−メチルフルフラールは、アレスリ
ン(allethrin)やプラレスリン(prallethrin)のよう
な殺虫剤の中間体として好適に用いることができる。
【0013】上記フラン類を、有機溶媒の存在下、N,
N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンと混合するこ
とにより、反応を行う[工程(1)]。
【0014】有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼンのような芳香族炭化水素
類;モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンのよう
な塩素化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタンのような塩素化脂肪族炭
化水素類;ジイソプロピルエーテル、tert−ブチル
メチルエーテルのようなエーテル類等が挙げられ、必要
に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中で
も、スケーリング抑制の観点から、塩素化芳香族炭化水
素類や塩素化脂肪族炭化水素類が好ましく、さらに排水
処理の観点から、塩素化芳香族炭化水素類が好ましい。
有機溶媒の使用量は、フラン類100重量部に対して、
通常80〜800重量部、好ましくは90〜300重量
部の範囲である。
【0015】N,N−ジメチルホルムアミドの使用量
は、フラン類1モルに対して、通常1〜1.5モル、好
ましくは1〜1.1モルの範囲である。また、ホスゲン
の使用量は、フラン類1モルに対して、通常1〜1.5
モル、好ましくは1〜1.1モルの範囲である。ホスゲ
ンは、気体として用いてもよいし、液体として用いても
よい。
【0016】本発明においては、有機溶媒の存在下にフ
ラン類をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲン
と混合して反応させる際、N,N−ジメチルホルムアミ
ドおよびホスゲンを反応系内に加えながら反応を行う。
このような供給方法を採用することにより、スケーリン
グが抑制され、操作性良く反応を行うことができる。
【0017】ここで、フラン類については、全量をN,
N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える前に
あらかじめ反応系内に加えておいてもよいが、副生成物
の[ビス(2−フリル)メチル]ジメチルアミン類[R2
CHNMe2(Rは置換基を有していてもよい2−フリル基を
表す)]の生成を抑制し、フルフラール類の収率や品質
を向上させる観点からは、N,N−ジメチルホルムアミ
ドおよびホスゲンに併せて反応系内に加えるのが好まし
く、[N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを
加える前にあらかじめ反応系内に加えるフラン類]/
[N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンに併せ
て反応系内に加えるフラン類]の比(重量比)は、通常
0/100〜80/20、好ましくは0/100〜40
/60の範囲である。
【0018】また、有機溶媒については、全量をN,N
−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える前にあ
らかじめ反応系内に加えておくのが通常であるが、必要
に応じて一部をN,N−ジメチルホルムアミドおよびホ
スゲンに併せて反応系内に加えてもよい。
【0019】反応温度は、反応速度の観点から、通常0
℃以上、好ましくは30℃以上であり、フラン類、ヴィ
ルスマイヤー錯体、インモニウム塩等の各成分の熱安定
性の観点から、通常70℃以下、好ましくは45℃以下
である。また、反応は、通常、常圧下に行えばよいが、
必要に応じて、減圧下または加圧下に行ってもよい。
【0020】反応時間については、各成分の使用量や反
応温度等の条件により適宜選択することができるが、
N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを加える
時間は、通常1〜24時間、好ましくは1〜16時間の
範囲であり、これらを加えた後の反応時間は、通常0.
1〜24時間、好ましくは0.1〜12時間の範囲であ
る。
【0021】工程(1)で得られた反応混合物を水と混
合して加水分解処理することにより、そこに含まれるイ
ンモニウム塩をフルフラール類に変換することができる
[工程(2)]。加水分解処理における水の使用量は、
フラン類100重量部に対して、通常70〜500重量
部、好ましくは100〜300重量部の範囲であり、ま
た、温度は通常30〜50℃、時間は通常0.1〜5時
間の範囲である。
【0022】工程(2)の後処理操作については、適宜
選択することができるが、通常、得られたフルフラール
類を含む油水混合物を、水酸化ナトリウム水溶液や水酸
化カリウム水溶液のようなアルカリ水溶液と混合して、
塩化水素を中和した後、油水分離してフルフラール類を
含む油層と水層とに分離するのが好ましく、次いで該油
層を塩酸や硫酸のような酸性水溶液で洗浄して、ジメチ
ルアミンを除去するのが好ましい。
【0023】上記アルカリ水溶液による中和において
は、中和後のpHを、通常7〜10、好ましくは8〜9
の範囲に調整するのがよく、上記油水分離においては、
通常、水層中に若干のフルフラール類が分配されるの
で、これを回収するために、水層を有機溶媒で抽出し、
この有機溶媒層を上記油層と混合するのがよい。また、
上記酸性水溶液による洗浄においては、酸性水溶液中へ
のフルフラール類の溶解を抑制するために、酸性水溶液
に食塩や硫酸ナトリウムのような塩類を溶解させておく
のが好ましい。
【0024】得られたフルフラール類の有機溶媒溶液
は、必要に応じて濃縮、蒸留、クロマトグラフィー等の
精製処理に付した後、各種用途に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例中、使用量を表す部
は重量基準である。また、モル相当とは、部をグラムと
したときのモル量に相当する値である。
【0026】なお、実施例1〜3ならびに比較例1およ
び2においては、反応容器として、帯状(腹巻型)のジ
ャケットを有するセパラブルフラスコを用い、ジャケッ
トには冷媒として−15〜−10℃のエタノール水溶液
を流し、反応容器内壁のジャケットに接した部分のスケ
ーリングを観察した。また、5−メチルフルフラールお
よび[ビス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチ
ルアミン[R2CHNMe2(Rは5−メチル−2−フリル基を
表す)]の分析は、ガスクロマトグラフィーにより行っ
た。
【0027】実施例1 反応容器にクロロベンゼン140部を入れ、この中に、
攪拌下、35〜40℃にて、2−メチルフラン62.1
部(0.756モル相当)およびN,N−ジメチルホル
ムアミド58.0部(0.794モル相当)の混合液を
125分かけて滴下し、また、該混合液の滴下開始と同
時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン7
4.7部(0.755モル相当)を135分かけて吹き
込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃
にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガ
スの吹き込み中には見られず、吹き込み終了後に若干発
生した程度であった。
【0028】得られた反応混合物に、35〜40℃に
て、水107部を加えて10分間保持した後、35〜4
0℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液160.
1部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この
混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン
84部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合
し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液43.6部および2
0重量%塩酸4.8部の混合液で洗浄した後、5重量%
硫酸ナトリウム水溶液48.3部で2回洗浄した。洗浄
後の油層297.6部を分析した結果、5−メチルフル
フラールの濃度は26.75重量%(収率95.6%)
であり、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−
メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスク
ロマトグラムの面積比は0.00010であった。
【0029】実施例2 反応容器にクロロベンゼン168部および2−メチルフ
ラン43.2部(0.526モル相当)を入れ、この中
に、攪拌下、35〜40℃にて、2−メチルフラン1
8.9部(0.230モル相当)およびN,N−ジメチ
ルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)の混
合液を131分かけて滴下し、また、該混合液の滴下開
始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲ
ン76.9部(0.777モル相当)を137分かけて
吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜4
0℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲ
ンガスの吹き込み中にも吹き込み終了後にも見られなか
った。
【0030】得られた反応混合物に、35〜40℃に
て、水107部を加えて10分間保持した後、35〜4
0℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液160部
を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この混合
物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン69
部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合し、5
重量%硫酸ナトリウム水溶液43.5部および20重量
%塩酸4.8部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナ
トリウム水溶液48.4部で2回洗浄した。洗浄後の油
層307.9部を分析した結果、5−メチルフルフラー
ルの濃度は25.47重量%(収率94.2%)であ
り、5−メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチ
ル−2−フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマ
トグラムの面積比は0.00019であった。
【0031】実施例3 反応容器にクロロベンゼン117部および2−メチルフ
ラン62.1部(0.756モル相当)を入れ、この中
に、攪拌下、35〜40℃にて、N,N−ジメチルホル
ムアミド58.0部(0.794モル相当)を132分
かけて滴下し、また、該N,N−ジメチルホルムアミド
の滴下開始と同時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始
し、ホスゲン80.2部(0.810モル相当)を14
5分かけて吹き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了
後、35〜40℃にて、30分間保持した。スケーリン
グは、ホスゲンガスの吹き込み中には見られず、吹き込
み終了後に若干発生した程度であった。
【0032】得られた反応混合物に、35〜40℃に
て、水107部を加えて10分間保持した後、35〜4
0℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液174.
8部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この
混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン
123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合
し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重
量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナト
リウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層31
3.0部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃
度は25.13重量%(収率94.5%)であり、5−
メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−
フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラム
の面積比は0.0039であった。
【0033】比較例1 反応容器にクロロベンゼン117部、2−メチルフラン
62.1部(0.756モル相当)およびN,N−ジメ
チルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)を
入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、ホスゲン
76.3部(0.772モル相当)を138分かけて吹
き込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40
℃にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲン
ガスの吹き込み開始直後から発生し、吹き込み中、その
程度は徐々に増していった。
【0034】得られた反応混合物に、35〜40℃に
て、水107部を加えて10分間保持した後、35〜4
0℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液175.
9部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この
混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン
123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合
し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重
量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナト
リウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層30
9.3部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃
度は25.02重量%(収率93.0%)であり、5−
メチルフルフラールに対する[ビス(5−メチル−2−
フリル)メチル]ジメチルアミンのガスクロマトグラム
の面積比は0.00025であった。
【0035】比較例2 反応容器にクロロベンゼン117部およびN,N−ジメ
チルホルムアミド58.0部(0.794モル相当)を
入れ、この中に、攪拌下、35〜40℃にて、2−メチ
ルフラン62.1部(0.756モル相当)を130分
かけて滴下し、また、2−メチルフランの滴下開始と同
時に、ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン8
5.7部(0.867モル相当)を155分かけて吹き
込んだ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、35〜40℃
にて、30分間保持した。スケーリングは、ホスゲンガ
スの吹き込み開始直後から発生し、吹き込み中、その程
度は徐々に増していった。
【0036】得られた反応混合物に、35〜40℃に
て、水107部を加えて10分間保持した後、35〜4
0℃にて、25重量%水酸化ナトリウム水溶液195.
4部を加えて10分保持した(pH8〜8.5)。この
混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロロベンゼン
123部で抽出した。油層とクロロベンゼン層とを混合
し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液44部および20重
量%塩酸5部の混合液で洗浄した後、5重量%硫酸ナト
リウム水溶液48部で2回洗浄した。洗浄後の油層31
4.7部を分析した結果、5−メチルフルフラールの濃
度は25.48重量%(収率96.3%)であり、[ビ
ス(5−メチル−2−フリル)メチル]ジメチルアミン
は検出されなかった。
【0037】実施例4 ジャケット付き反応機(ジャケット冷媒:−15〜−1
0℃の塩化カルシウム水溶液)にクロロベンゼン312
部を入れ、この中に、攪拌下、35〜45℃、ゲージ圧
力−4.5〜−2.5kPaにて、2−メチルフラン1
32部(1.608モル相当)およびN,N−ジメチル
ホルムアミド123.4部(1.688モル相当)を1
2時間かけて併注し、また、この2−メチルフランおよ
びN,N−ジメチルホルムアミドの併注開始と同時に、
ホスゲンガスの吹き込みを開始し、ホスゲン182.4
部(1.844モル相当)を13時間かけて吹き込ん
だ。ホスゲンガスの吹き込み終了後、同温度同圧力に
て、1時間保持した。スケーリングは、ホスゲンガスの
吹き込み中にも、吹き込み終了後にも見られなかった。
【0038】得られた反応混合物に、攪拌下、同温度同
圧力にて、水227.8部を1.5時間かけて加えた
後、10分間保持し、次いで、同温度同圧力にて、25
重量%水酸化ナトリウム水溶液332.4部を5.5時
間かけて加えた後、10分間保持した(pH8〜8.
5)。この混合物を油層と水層とに分離し、水層をクロ
ロベンゼン250.6部で抽出した。油層とクロロベン
ゼン層とを混合し、5重量%硫酸ナトリウム水溶液9
2.8部および20重量%塩酸10.6部の混合液で洗
浄した後、5重量%硫酸ナトリウム水溶液103.2部
で2回洗浄した。洗浄後の油層731.4部を分析した
結果、5−メチルフルフラールの濃度は23.41重量
%(収率96.7%)であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、フラン類、ジメチルホ
ルムアミドおよびホスゲンから、スケーリングが抑制さ
れた条件で、収率良くフルフラール類を製造することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 葉賀 徹 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4C037 HA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒の存在下、フラン類をN,N−ジ
    メチルホルムアミドおよびホスゲンと混合して反応させ
    る工程(1)、および工程(1)で得られた反応混合物
    を加水分解処理する工程(2)を含み、工程(1)にお
    いて、N,N−ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを
    反応系内に加えながら反応を行うことを特徴とするフル
    フラール類の製造方法。
  2. 【請求項2】工程(1)において、フラン類、N,N−
    ジメチルホルムアミドおよびホスゲンを反応系内に加え
    ながら反応を行う請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒が塩素化芳香族炭化水素類である
    請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】フラン類が、酸素原子に隣接した炭素原子
    の一方に置換基を有するものである請求項1〜3のいず
    れかに記載の製造方法。
JP2001379816A 2000-12-27 2001-12-13 フルフラール類の製造方法 Expired - Fee Related JP4186461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001379816A JP4186461B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-13 フルフラール類の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-398542 2000-12-27
JP2000398542 2000-12-27
JP2001379816A JP4186461B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-13 フルフラール類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002255951A true JP2002255951A (ja) 2002-09-11
JP4186461B2 JP4186461B2 (ja) 2008-11-26

Family

ID=26606893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001379816A Expired - Fee Related JP4186461B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-13 フルフラール類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4186461B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232042A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 複素芳香族アルデヒドの製造方法
EP1770088A1 (en) * 2005-09-30 2007-04-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for preparing 5-methyl-2-furfural
JP2007169179A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
JP2008019210A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
JP2008024598A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Sumitomo Chemical Co Ltd ハロゲノアリルフルフリルアルコール類の製造方法
JP2008169150A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
CN105622553A (zh) * 2014-11-06 2016-06-01 江苏扬农化工股份有限公司 一种制备5-甲基-2糠醛的方法
WO2023211205A1 (ko) * 2022-04-29 2023-11-02 (주)퓨젠바이오 5-펜틸 푸르푸랄(5-pentylfurfural, 5-pf) 구조를 포함하는 화합물의 제조 방법 및 이의 용도

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232042A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 複素芳香族アルデヒドの製造方法
JP4608904B2 (ja) * 2004-02-18 2011-01-12 住友化学株式会社 複素芳香族アルデヒドの製造方法
EP1770088A1 (en) * 2005-09-30 2007-04-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for preparing 5-methyl-2-furfural
JP2007091692A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 5−メチル−2−フルフラールの製造方法
JP2007169179A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
JP2008019210A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
JP2008024598A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Sumitomo Chemical Co Ltd ハロゲノアリルフルフリルアルコール類の製造方法
JP2008169150A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sumitomo Chemical Co Ltd フルフラール類の製造方法
CN105622553A (zh) * 2014-11-06 2016-06-01 江苏扬农化工股份有限公司 一种制备5-甲基-2糠醛的方法
WO2023211205A1 (ko) * 2022-04-29 2023-11-02 (주)퓨젠바이오 5-펜틸 푸르푸랄(5-pentylfurfural, 5-pf) 구조를 포함하는 화합물의 제조 방법 및 이의 용도

Also Published As

Publication number Publication date
JP4186461B2 (ja) 2008-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4810950B2 (ja) 5−メチル−2−フルフラールの製造方法
JP2002255951A (ja) フルフラール類の製造方法
JPH05112586A (ja) N−アシルアミノメチルホスホン酸の製造法
JP3918883B2 (ja) ベンゾイルクロライド類の製造方法
JP4951957B2 (ja) フルフラール類の製造方法
JP2544804B2 (ja) ジスルフイドの製造方法
JPH0560817B2 (ja)
JP4992320B2 (ja) ハロゲノアリルフルフリルアルコール類の製造方法
JP3596889B2 (ja) N−フルオロスルホンイミド類の改良された製造法
JP2005306747A (ja) フルオロアルキルケトンの水和物の製造方法
JPH09169673A (ja) 3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロムベンゼンの製造法
US5053557A (en) Process for preparing 2-chloro-4-fluorophenol
JP3412246B2 (ja) 2−ハロゲノ−1−アルケン誘導体の製法
JP2628842B2 (ja) 新規フルオロベンゾトリクロリド化合物
JP3899626B2 (ja) 2−メルカプトチアゾ−ルの製法
JPH09255617A (ja) アルキルベンゾイルクロライドの製造法
JP4212821B2 (ja) 高純度4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンモノエーテル又はその誘導体の製造方法
TW201329033A (zh) 3-烴基-3-甲基丁酸或其鈣鹽之製備方法
JPH11189566A (ja) フルオロアルキルカルボン酸の製造方法
JP2001316324A (ja) アリールカルボン酸化合物およびアリールアルデヒド化合物の製造方法
JP2001302647A (ja) 2−置換−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の精製方法
JP2740959B2 (ja) スレオ―3―(3,4―ジアルコキシフェニル)セリン誘導体の選択的製造方法
RU2236399C2 (ru) Способы получения соединений орто-нитробензонитрила (варианты)
JP4482165B2 (ja) シアノベンズアルデヒド化合物の製造法
JP2006045095A (ja) 3−ホルミル−5−トリフルオロメチルベンゾニトリル誘導体とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040610

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080901

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4186461

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees