JP4185516B2 - 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die検査」や、マスクパターンを描画する時に使用したCADデータを検査装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計パターンの情報)をベースに設計画像データを生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像データとを比較する「die to database検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
パターン形成された被検査試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記被検査試料のパターン形成の基となる設計パターンに基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成部と、
所定の領域を示す、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報に基づいて生成される、領域画像データを入力し、前記領域画像データに基づいて前記光学画像データと前記設計画像データとの比較を行なう比較部と、
を備え、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とする。
パターン形成された被検査試料の光学画像データを取得する光学画像取得工程と、
前記被検査試料のパターン形成の基となる設計パターンに基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成工程と、
前記被検査試料の所定の領域を示し、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報に基づいて、領域画像データを生成する領域画像データ生成工程と、
前記領域画像データを用いて前記設計画像データと前記光学画像データとの比較を行なう比較工程と、
を備え、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とする。
パターン形成された被検査試料における前記パターン形成の基となる設計パターンの情報と、前記被検査試料の所定の領域を示し、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報とを記憶装置に記憶する記憶処理と、
前記記憶装置に記憶された設計パターンの情報に基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成処理と、
前記記憶装置に記憶された前記領域パターンに基づいて領域画像データを生成する領域画像データ生成処理と、
前記被検査試料の光学画像データを入力し、前記領域画像データを用いて前記設計画像データと前記光学画像データとの比較を行なう比較処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とする。
図1において、マスクやウェハ等の基板を試料として、かかる試料の欠陥を検査する試料検査装置100は、光学画像取得部150と制御系回路160を備えている。光学画像取得部150は、XYθテーブル102、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130、照明光学系170を備えている。制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、設計画像データ生成部の一例となる展開回路111及び参照回路112、領域画像データ生成部の一例となる展開回路140及び参照回路142、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、記憶装置の一例となる磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。試料検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
図2において、試料検査方法は、光学画像取得工程(S202)、設計パターンデータ記憶工程(S212)と、設計画像データ生成工程の一例となる展開工程(S214)、及びフィルタ処理工程(S216)と、比較工程(S218)と、領域データ記憶工程(S222)と、領域画像データ生成工程の一例となる展開工程(S224)、及びフィルタ処理工程(S226)と、比較工程(S228)という一連の工程を実施する。
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置され、フォトマスク101に形成されたパターンには、XYθテーブル103の上方に配置されている適切な光源103によって光が照射される。光源102から照射される光束は、照明光学系170を介して試料となるフォトマスク101を照射する。フォトマスク101の下方には、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105及びセンサ回路106が配置されており、露光用マスクなどの試料となるフォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像し、入射する。拡大光学系104は図示しない自動焦点機構により自動的に焦点調整がなされていてもよい。
被検査領域は、図3に示すように、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105では、図3に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
S214において、展開工程として、展開回路111は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計パターンの情報を読み出し、読み出された被検査試料となるフォトマスク101の設計図形データとなる設計パターンを2値ないしは多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換して、このイメージデータが参照回路112に送られる。
図4において、展開回路111は、階層構造展開回路202、調停回路204、パターン発生回路206、パターンメモリ208、パターン読み出し回路210を有している。そして、パターン発生回路206とパターンメモリ208とで1つの組となって、複数段配置されている。
ここで、設計パターンに含まれる図形は長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンが展開回路111に入力されると、階層構造展開回路202は、図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、パターン発生回路206において、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計画像データを展開する。そして、展開された設計画像データは、パターンメモリ208に一時的に蓄積される。言い換えれば、占有率演算部の一例となるパターン発生回路206では、設計パターンの情報を読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできた各マス目ごとに設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データをパターンメモリ208に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとしてパターンメモリ208に出力する。
図5は、フィルタ処理を説明するための図である。
センサ回路106から得られた光学画像としての測定データは、拡大光学系104の解像特性やフォトダイオードアレイ105のアパーチャ効果等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データにもフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。このようにして光学画像と比較する参照画像を作成する。
図6において、測定データは、上述したように、比較回路108に送られる。そして、設計パターンは、展開回路111及び参照回路112により設計画像データに変換され、比較回路108に送られる。一方、設計パターンの情報と同一フォーマットで作成された領域パターンの情報は、設計パターンの変換手段とは別個の回路系統となる展開回路140及び参照回路142により領域画像データに変換され、比較回路108に送られる。別個の回路系統となる展開回路140及び参照回路142により領域画像データに変換することで、設計パターンの変換処理と領域パターンの変換処理とを並列処理することができる。
S224において、展開工程として、展開回路140は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して領域パターンの情報を読み出し、読み出された領域パターンを2値ないしは多値のイメージデータ(領域画像データ)に変換して、このイメージデータが参照回路142に送られる。
そして、領域パターンに含まれる領域も、設計パターンに含まれる図形と同様、長方形や三角形で表され、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。すなわち、領域パターンの情報は、設計パターンの情報と同一フォーマットで作成される。
かかる領域パターンが展開回路140に入力されると、階層構造展開回路202は、領域を示す図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、パターン発生回路206において、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の領域画像データを展開する。そして、展開された領域画像データは、パターンメモリ208に一時的に蓄積される。言い換えれば、占有率演算部の一例となるパターン発生回路206では、領域データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできた各マス目ごとに領域データにおける領域を示す図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データをパターンメモリ208に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとしてパターンメモリ208に出力する。例えば、1ビット目の位に「1」を立てた8ビットの占有率データが、その領域データが示す領域の画素であることを示す。
図7では、設計パターンとして、基本パターンとして2つの隣接するラインパターンが形成されている。一方の基本パターン(1)は、直線のラインパターンが形成され、他方の基本パターン(2)は、途中で、線幅を変えずに一端外側に膨らんで、また元に戻る軌跡を描いた形状に形成されている。そして、外側に膨らむことで、内側に空間ができ、直線のラインパターンとの間のスペース(距離)が広がった空間部分に直線のラインパターンとの間のスペース(距離)が他の部分と同じになるように基本パターンより細い線幅のアシストパターンとなるOPCパターンが配置されている。
図8に示すように、図7に示すOPCパターンが配置された設計パターンにおける図形パターンが、描画装置により試料となるマスクに描画されると図8に示すOPCパターン画像のようにOPCパターンが小さくなってしまう。一方、設計パターンから変換される設計画像データ(参照画像データ)では、OPCパターンの4隅が丸くなる程度でそれほど小さくはならない。よって、このまま設計パターンから変換される設計画像データと図8に示す測定データとを比較すると欠陥(NG)と判定されてしまうことがある。
しかし、このパターンは寸法が正確にできているかどうかはそれほど大きな意味をもたないことが多く、これを欠陥と判定してしまうと試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。そこで、以下のような領域を設定する。
図9に示すようなOPCパターン近傍で検査感度を厳しくしなくてもよい領域を示す領域画像データの基となる領域パターンを用意し、領域パターンを領域画像データに変換して比較回路108に入力する。その結果、比較回路108は、この領域近傍の比較閾値を自動的に緩めることができるので、従来は擬似欠陥となってしまっていたものをそうならないようにすることが可能となる。領域パターンは、位置ずれ誤差を考慮して指定したい部分(ここでは、OPCパターン部分)より若干大きな寸法の領域とすることが望ましい。例えば、全体に1画素分ずつ大きくした領域にすると良い。
実施の形態1では、OPCパターンの場合について説明したが、擬似欠陥が発生し得るのはこれに限るものではない。他の例として、実施の形態2では、リサイズされたパターンを検査する場合について説明する。装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図10は、設計パターンの一例を示す図である。
図10では、設計パターンとして、基本パターンとして大小パターンが形成されている。大きいパターンの一辺に隣接してL1の距離を隔てて小さいパターンが配置されている。OPCパターンだけに限らず、試料上には、図10に示すような大きさの異なるパターンが数多く存在する。試料を製造するプロセスにもよるが比較的小さいパターンは試料上に描画することにより小さくなってしまうことがよくある。そこで、小さいパターンにリサイズ量を合わせこむと大きいパターンでのずれが無視できなくなったりする。
図11に示すように、小さいパターンにリサイズ量を合わせこむと大きいパターンサイズが大きくなり、大きいパターンの一辺に隣接する小さいパターンまでの距離がL1よりも小さいL2の距離になる場合がある。よって、大きいパターンの位置ずれの仕方によっては、大きいパターンと小さいパターンとが接触してショートしてしまうおそれもあり、大きいパターンのずれが無視できなくなったりする。そのため、大きいパターンと小さいパターンとが隣接する領域での検査閾値は、厳しくすることが求められる。
しかしながら、大きいパターンの周辺のうち、小さいパターンと隣接しない領域では、検査閾値を厳しくすることが求められていない場合が多い。大きいパターン自体には、それほどの精度が求められない場合が多い、寸法が正確にできているかどうかはそれほど大きな意味をもたないことが多い。これを欠陥と判定してしまうと試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。
そこで、図11に示すように、大きいパターン近傍のうち、小さいパターンが隣接しない領域には、その領域であることを示す領域画像データが生成されるように、領域パターンを予め作成して用意しておくことで、その部分の検査閾値を比較回路108内で緩くする側に変更することができる。その結果、擬似欠陥を低減することが可能となる。
実施の形態3において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図12は、図形パターンを装置入力フォーマットに変換する場合の一例を示す図である。
図13は、図形パターンを装置入力フォーマットに変換する場合の他の一例を示す図である。
試料検査装置100に入力される設計パターンは、もともと試料を設計する段階で作られた図形パターンから何らかのデータ変換により装置入力フォーマットに変換されたものを入力するのが一般的である。図12に示すように変換する際の精度を高くしようとして分割する図形数を多くすればデータ量が大きくなったり、変換時間がかかったりするし、図13に示すように変換する際の精度を犠牲にして分割する図形数を少なくすると測定データと比較検査する際の参照画像データの精度劣化による擬似欠陥を発生させてしまう危険性がある。
そこで、被検査試料が要求する精度に近いもので運用することになるのだが、やはり局部的に精度不足となり、擬似欠陥となってしまう場合も生じ得る。例えば、斜めのパターンも従来45度のものが主流であったが、それ以外の角度のものを使う試料も出てきている。このようなパターンは上述の設計パターンにおける誤差を生みやすい。
実施の形態4において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
領域パターンは被検査領域全面に対して存在していることが望ましいが、検査感度を一定にしておきたい領域に対してむやみに領域パターンを展開処理して領域画像データに変換するのは装置の利用効率が良いとは言えない。そこで、上述した実施の形態1におけるOPCパターンが多く存在する領域に対して領域パターンを展開処理して領域画像データに変換するというのもの実用的である。
実施の形態5において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
これまで上述した各実施の形態では、本来の設計パターンから変換される設計画像データと領域パターンから変換される領域画像データとの2種類の設計データを取り扱ってきたが、検査感度を複数の種類で切り替えたい場合などには、第3の設計データとなる第2の領域パターンやそれ以上の種類の領域パターンから変換される第2以降の領域画像データをも使って検査することも十分に考えられ、また好適である。その場合、比較回路108では、複数の領域画像データをそれぞれ検索することで、比較検査する画素について検査閾値を変更するかどうかの情報源となる領域画像データが存在するかどうかを判断することができる。また、装置構成としては、図1において、第2以降の領域画像データを生成する分だけ、展開回路140及び参照回路142をさらに増設すればよい。
図14は、第1の領域パターンの一例を示す図である。
図15は、第2の領域パターンの一例を示す図である。
図16は、領域画像データの一例を示す図である。
設計パターンデータとして、基本パターン(1)と基本パターン(2)とが配置されている場合に、図14では第1の領域パターンとして、基本パターン(1)近傍の領域をある検査閾値で検査すべく設定され、図15では第2の領域パターンとして、基本パターン(2)近傍の領域を別のある検査閾値で検査すべく設定されている。このような場合、展開回路140で各画素ごとにビット展開する場合に、図16に示すように、領域画像データは、各画素ごとにnビットの画素データ(ここでは、一例として8ビットデータ)として示され、第1の領域パターンに示す領域の画素においては、1ビット目に「1」が立つように、第2の領域パターンに示す領域の画素においては、2ビット目に「1」が立つように、変換するように構成する。このように構成することで、複数の領域パターンを利用する場合でも、複数の領域画像データを持たずに1つの領域画像データに纏めることができる。その結果、比較回路108が、1つの領域画像データを検索することで、比較検査する画素について複数の検査閾値のうち、どの閾値に変更するのかを判断することができる。
実施の形態6において、装置構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、試料検査方法の各工程は、以下に説明する箇所を除いて実施の形態1と同様であるため、同様な箇所の説明を省略する。
領域画像データの生成過程であるが、常に領域画像データを生成して比較回路108に入力しておくと検査時間の安定化を図ることができるが、試料全面に渡り、領域画像データが必要であることはまれである。そこで、装置の肥大化を防ぐため、図2のフローチャート図において、設計パターンとの比較で欠陥候補が出現した部分に対して、領域画像データを生成するというのも実用的である。言い換えれば、領域画像データは、S218の比較工程(1)において比較回路108にて、測定データと設計画像データとの比較を行なった結果、差異が所定の閾値を超えた場合に生成されるようにしても好適である。そして、S228の比較工程(2)において比較回路108にて、領域画像データに示す閾値に変更して、測定データと設計画像データとの比較を再度行なえばよい。
実施の形態7において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
通常、設計画像データにおける1画素の大きさは測定データの1画素の大きさにあわせることが多いが、領域画像データの1画素の大きさも設計画像データの1画素の大きさに合わせるのが基本となる。ただし、検査閾値を変更する領域の大きさがある程度以上であることが分かっている場合などには、設計画像データにおける1画素の大きさと領域画像データの1画素の大きさとを一致させずに、領域画像データの1画素の大きさを設計画像データにおける1画素の大きさより大きくすることも好適である。
図18は、領域画像データにおける画素領域の一例を示す図である。
設計画像データにおける画素領域が図17のような所定の量子化寸法を単位とするマス目に測定データと同様に仮想分割されている場合に、領域画像データにおける画素領域が図18に示すような設計画像データにおける量子化寸法より大きな寸法を単位とするマス目に仮想分割する。そして、設計画像データは、かかる寸法を単位とするマス目の占有率データとして生成され、領域画像データは、その寸法より大きな寸法を単位とするマス目の占有率データとして生成される。例えば、図18では、設計画像データ(測定データ)の2×2画素分を領域画像データの1画素の大きさにする等の処置を施すことにより、被検査領域における領域画像データの画素数を減らすことができる。よって、領域パターンのデータ量も小さくすることができ、領域画像データへの変換する場合の処理時間を短縮することができ、実用的である。
図1の構成では、スキャン幅Wの画素数(例えば2048画素)を同時に入射するフォトダイオードアレイ105を用いているが、これに限るものではなく、図24に示すように、XYθテーブル102をX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向に図示していないレーザスキャン光学装置でレーザビームをY方向に走査し、透過光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する手法を用いても構わない。
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111,140 展開回路
112,142 参照回路
115 磁気テープ装置
150 光学画像取得部
Claims (11)
- パターン形成された被検査試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記被検査試料のパターン形成の基となる設計パターンに基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成部と、
所定の領域を示す、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報に基づいて生成される、領域画像データを入力し、前記領域画像データに基づいて前記光学画像データと前記設計画像データとの比較を行なう比較部と、
を備え、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とする試料検査装置。 - 前記比較部において、前記領域画像データを用いずに前記光学画像データと前記設計画像データとの比較を行なった結果、差異が所定の閾値を超えた場合に、前記領域画像データに基づいて、前記設計画像データと前記光学画像データとの比較を再度行なうことを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
- 前記比較部において、前記領域画像データに基づいて判定条件を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
- 前記比較部において、前記領域画像データが示す領域を比較する場合に、検査閾値を厳しくすることを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
- 前記比較部において、前記領域画像データが示す領域を比較する場合に、検査閾値を緩くすることを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
- 前記試料検査装置は、さらに、前記領域画像データを生成する領域画像データ生成部を備えたことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の試料検査装置。
- 前記領域画像データは、前記設計画像データ生成部を流用して生成されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の試料検査装置。
- 前記領域画像データは、前記比較部において、前記光学画像データと前記設計画像データとの比較を行なった結果、差異が所定の閾値を超えた場合に生成されることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の試料検査装置。
- 前記設計画像データは、所定の寸法を単位とするマス目の占有率データとして生成され、
前記領域画像データは、前記所定の寸法より大きな寸法を単位とするマス目の占有率データとして生成されることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の試料検査装置。 - パターン形成された被検査試料の光学画像データを取得する光学画像取得工程と、
前記被検査試料のパターン形成の基となる設計パターンに基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成工程と、
前記被検査試料の所定の領域を示し、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報に基づいて、領域画像データを生成する領域画像データ生成工程と、
前記領域画像データを用いて前記設計画像データと前記光学画像データとの比較を行なう比較工程と、
を備え、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とする試料検査方法。 - パターン形成された被検査試料における前記パターン形成の基となる設計パターンの情報と、前記被検査試料の所定の領域を示し、前記設計パターンの情報と同一フォーマットに作成された領域パターンの情報とを記憶装置に記憶する記憶処理と、
前記記憶装置に記憶された設計パターンの情報に基づいて設計画像データを生成する設計画像データ生成処理と、
前記記憶装置に記憶された前記領域パターンに基づいて領域画像データを生成する領域画像データ生成処理と、
前記被検査試料の光学画像データを入力し、前記領域画像データを用いて前記設計画像データと前記光学画像データとの比較を行なう比較処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記設計パターンに含まれる図形データと前記領域パターンに含まれる領域を示すデータは、共に、フォーマットとして、図形の座標と図形の辺の長さと図形種を区別する識別子とを含むことを特徴とするプログラム。
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