JP4266217B2 - パターン検査装置、パターン検査方法及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die検査」や、マスクパターンを描画する時に使用したCADデータを検査装置入力フォーマットに変換した設計パターンデータをビットパターンデータに展開した設計画像データをベースに参照データを生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像データとを比較する「die to database検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の領域分記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換部と、
前記ビットパターンデータを順次記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部により検出された前記反復する複数の図形データの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶部に記憶されたビットパターンデータを記憶する第3の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている前記第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部により検出された図形データを前記ビットパターンデータ変換部でビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶部から読み出して前記第2の記憶部に書き込む書き込み部と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記第2の記憶部から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の領域分記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換する第1のビットパターンデータ変換部と、
前記ビットパターンデータを順次記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部により検出された前記反復する複数の図形データのいずれかをビットパターンデータに変換する第2のビットパターンデータ変換部と、
前記第2のビットパターンデータ変換部により変換されたビットパターンデータを記憶する第3の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている前記第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部により検出された図形データを前記第1のビットパターンデータ変換部でビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶部から読み出して前記第2の記憶部に書き込む書き込み部と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記第2の記憶部から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の記憶装置に第1の領域分記憶させる第1の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換工程と、
前記ビットパターンデータを順次第2の記憶装置に記憶させる第2の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出工程と、
検出された前記反復する複数の図形データの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを第3の記憶装置に記憶させる第3の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶装置に記憶されたパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程により検出された図形データをビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶装置から読み出して前記第2の記憶装置に書き込む書き込み工程と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得工程と、
前記第2の記憶装置から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較工程と、
を備えたことを特徴とする。
図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の記憶装置に第1の領域分記憶させる第1の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換処理と、
前記ビットパターンデータを順次第2の記憶装置に記憶させる第2の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出処理と、
検出された前記反復する複数の図形パターンの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを第3の記憶装置に記憶させる第3の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出処理と、
前記第2の検出処理により検出された図形データをビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶装置から読み出して前記第2の記憶装置に書き込む書き込み処理と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得処理と、
前記第2の記憶装置から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較処理と、
を備えればよい。
図1は、実施の形態1におけるマスク検査装置の構成を示す概念図である。
図1において、マスクのパターン欠陥を検査するパターン検査装置100は、光学画像取得部150と制御系回路160を備えている。光学画像取得部150は、XYθテーブル102、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130、ピエゾ素子142を備えている。制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119、オートフォーカス制御回路140に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。
図2において、展開回路111は、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるデータメモリ202、プリプロセッサ204、記憶装置(或いは記憶部)の一例となる近傍図形キャッシュバッファメモリ206、パターンジェネレータ208、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるパターンメモリ210、反復パターン検出器212、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるテンプレートバンク214、キャラクタパターン書き込み回路216、繰り返し判定器218、読み出しコントローラ220を有している。そして、繰り返し判定器218には、局所パターンジェネレータ219が配置されている。
まず、パターンを構成する図形が設計され、設計CADデータが作成される。そして、上述したように、マスク製造プロセス上、生じてしまうパターンのコーナ丸まりやパターンの粗密で仕上がり寸法が変わってしまう場合がある。ここでは、一例として、これを補償するために、OPC(光近接効果補正)処理として、本来の図形のほかに補助的なパターン(OPCパターン)を配置する。ここでは、OPCパターンとして、長方形の基本パターンのコーナの丸まりを補償するために意図的にコーナ部分の4隅に突起(OPCパターン)をつけている。OPCパターンをつけることで仕上がりの形状を整った直角にすることができる。そして、描画装置で試料を描画するためには、CADデータを装置入力フォーマットに変換した設計パターンデータとなる描画データを作成することになる。ここで、OPCパターンが配置された上述した図形を表現するためには、上述したように任意角度図形を扱える装置構成やデータフォーマットを用意しない場合、四角形や三角形といった一定の微細な図形を大量に組み合わせることで対応する。ここでは、図形分割処理として、上述したOPCパターン付きのパターンを分割する場合、OPCパターン無しでは四角形状の1個の図形で表現できたのに対し、OPCパターンつき図形を表現するためには、例えば7個の四角形状の図形に分割して表現することが必要になる。このようにして、設計パターンデータとなる描画データが作成され、描画装置において試料となるマスクにパターンが描画される。一方、かかるマスクのパターン欠陥を検査するため、パターン検査装置100は、描画データを入力し、例えば、磁気ディスク装置109に保存しておく。そして、マスクについては、光学画像取得部150によって、光学画像となる測定データが取得される。そして、パターン検査装置100において比較検査され、検査結果が出力される。
図4において、パターン検査方法は、光学画像取得工程(S502)、記憶工程(S602)と、図形解釈工程(S604)と、記憶工程(S606)と、検出工程の一例となるテンプレート検索工程を構成する接触パターン判定工程(S608)、グループ化処理工程(S610)、グループパターン検出工程(S612)と、ビットパターンデータ変換工程の一例となるパターン展開工程(S614)と、記憶工程(S618)と、ビットパターン読み出し工程(S622)と、ビットパターン書き込み工程(S624)と、検出工程の一例となる反復パターン検出工程を構成する反復要素図形パターン検出工程(S632)、接触パターン判定工程(S634)、グループ化処理工程(S636)、反復グループ判定工程(S638)と、テンプレートバンク記憶工程(S640)と、読み出し工程(S652)と、フィルタ処理工程(S654)と、比較工程(S656)という一連の工程を実施する。
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置され、フォトマスク101に形成されたパターンには、XYθテーブル102の上方に配置されている適切な光源103によって光が照射される。光源103から照射される光束は、試料となるフォトマスク101を照射する。フォトマスク101の下方には、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105及びセンサ回路106が配置されており、露光用マスクなどの試料となるフォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像し、入射する。拡大光学系104は、オートフォーカス制御回路140に制御されたピエゾ素子142等の自動焦点機構により自動的に焦点調整がなされている。
被検査領域は、図5に示すように、Y方向に向かって、例えば、200μm程度のスキャン幅Wでの細い短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105では、図5に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、反復して連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
ここで、描画データに含まれる図形は、後述するように、長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。プリプロセッサ204は、図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。
反復パターン検出工程として、検出部の一例となる反復パターン検出器212は、テンプレートバンク214に格納できる繰り返し図形群が出現することを監視する。言い換えれば、近傍図形キャッシュバッファメモリ206に一時的に一定量分記憶されている描画データを読み出して、描画データの中に、反復する複数の図形データの存在を検索する。そして、反復する複数の図形データが存在する場合に、この複数の図形データを検出する。
まず、S632において、反復パターン検出工程の一部となる反復要素図形パターン検出工程として、反復パターン検出器212は、近傍図形キャッシュバッファメモリ206に一時的に一定量分記憶されている描画データを読み出して、描画データの中に、反復する複数の要素図形データの存在を検索する。
描画データでは、パターンを構成する各要素図形について、図形コードで定義している。図6では、例えば、長方形の図形について、図形コードが10、正方形の図形について、図形コードが11、ある方向を向いた直角三角形の図形について、図形コードが20、上下に反転した直角三角形の図形について、図形コードが21、左右に反転した直角三角形の図形について、図形コードが22、さらに上下に反転した直角三角形の図形について、図形コードが23、平行四辺形の図形について、図形コードが50、90度回転した平行四辺形の図形について、図形コードが51、台形の図形について、図形コードが60、90度回転した台形の図形について、図形コードが61と定義している。
図7では、長方形の図形と直角三角形の図形とを表現する場合について示している。描画データでは、セル内図形データとして、各図形が、ある原点位置からの図形配置位置(基準位置)の座標(x,y)、図形コード、辺の長さLで格納(定義)されている。例えば、長方形の図形について、図形配置位置の座標(x1,y1)、図形コード=10、辺の長さとしてx方向の寸法L1とy方向の寸法L2との各値が格納(定義)されている。直角三角形の図形について、図形配置位置の座標(x2,y2)、図形コード=20、辺の長さとしてx方向の寸法L1とy方向の寸法L2との各値が格納(定義)されている。原点位置としては、例えば、セルの原点でもよいし、近傍図形キャッシュバッファメモリ206のバンクの原点或いはパターンメモリ210のバンクの原点等でもよい。
図8では、台形の図形と平行四辺形の図形とを表現する場合について示している。図7と同様、描画データでは、セル内図形データとして、ある原点位置からの図形配置位置(基準位置)の座標(x,y)、図形コード、辺の長さLが格納(定義)されている。例えば、台形の図形について、図形配置位置の座標(x1,y1)、図形コード=60、辺の長さとしてx方向の寸法L1とy方向の寸法L2とx方向の差分値dx1、dx2との各値が格納(定義)されている。平行四辺形の図形について、図形配置位置の座標(x2,y2)、図形コード=50、辺の長さL1とL2とx方向の差分値dx1、dx2との各値が格納(定義)されている。
図9では、長方形の図形と上述した台形とは別の台形の図形とを表現する場合について示している。図7と同様、描画データでは、セル内図形データとして、ある原点位置からの図形配置位置(基準位置)の座標(x,y)、図形コード、辺の長さLが格納(定義)されている。例えば、長方形の図形について、図形配置位置の座標(x1,y1)、図形コード=10、辺の長さとしてx方向の寸法L1とy方向の寸法L2との各値が格納(定義)されている。台形の図形について、図形配置位置の座標(x2,y2)、図形コード=61、辺の長さとしてx方向の寸法L1とy方向の寸法L2とy方向の差分値dy1、dy2との各値が格納(定義)されている。
図11は、図10の各図形要素の図形コードと図形の原点座標と辺の長さとの一例を示す図である。
例えば、図10に示す4つのまとまった図形を描画データにすると、図10に示すように、図6〜図9に示した要素図形を適宜組合せて表現される。これらのパターンを記述する方法は、例えば、図11に示すことができる。例えば、図形の記述順序は(1)、(2)、・・・(10)とすることができる。図10に示す4つのまとまった図形のうち、2つの図形は、複数の要素図形が接触して構成されているが、必ずしも接している要素図形同志が連続した番号で記述される必要はない。
図12に示すように、テンプレートバンク214には、反復パターン検出器212によって選別された一定領域内で反復されたグループ化された図形群のビットパターンデータがテンプレートとして登録される。
テンプレート検索工程として、検出部の一例となる繰り返し判定器218は、テンプレートバンク214に存在するパターンの再出現を監視する。言い換えれば、近傍図形キャッシュバッファメモリ206に一時的に一定領域分記憶されている描画データの中からテンプレートバンク214に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する。
図13は、検索対象パターンの一例を示す概念図である。
図14は、テンプレートマッチング手法を説明するための概念図である。
図15は、テンプレートマッチング手法を説明するための概念図である。
例えば、図13に示すように、四角形の4隅にOPCパターンが配置された図形群を検索対象パターンとする場合、検索対象パターンが含まれるような画素サイズにビットパターンデータを抽出する。例えば、16画素×16画素分を抽出する。そして、テンプレートバンク214のメモリ空間について、図13に示すような検索対象パターンを重ねて1画素ずつずらしながら全面をスキャンニングする。そして、例えば、各位置において、対応する画素同士を比較器310や比較器312で所定の閾値で比較して排他的論理和を演算する。一致していれば(L)を出力する。その位置での全画素について結果を比較器314に入力し負論理入力の論理積を演算する。全画素について(L)の入力であれば、出力は(H)となる。比較器314での出力が(H)となれば、その位置で検索対象パターンとテンプレートとが一致したことがわかる。図15では、比較器310と比較器312とを用いて1度に2画素ずつ演算する例を示したが、これに限るものではなく、もっと多くの比較器を用いることができる。例えば、16画素×16画素分の256画素を一度に比較するように256個の比較器を用いてもよい。多くの比較器を用いた方がより処理速度が速くなる点で好ましい。ここでは各画素は2値データとして説明したが,ひとつの画素を多値階調データで表現する場合には,比較器310や比較器312を多値データ入力の比較器で構成して,所定のしきい値以内に一致している場合に論理(L)を出力させれば良い.
図16に示すように、パターンメモリ210は、所定領域を1バンクの長さとする複数バンクで構成するリングバッファ構造にすると好適である。図16では、例えば、バンク0〜バンク4までの5バンクで構成している。そして、x方向にデータ処理が進む場合、バンク1は、読み出し可能バンクとなっている。そして、x方向に隣接するバンク2は、書き込みが完了している。そして、x方向に隣接するバンク3とバンク4は、書き込み中となり、x方向に隣接するバンクには、既に読み出し終了バンクとなったバンク0を当てはめ待機中バンクとする。そして、書き込む図形パターンの座標に応じて書き込むバンクを切り換える。ここでは、検査ストライプとy方向に同じ幅でx方向に分割している。そして、書き込みバンクから2バンク以上隔たったバンク(ここでは、バンク1)は、書き込みを禁止して読み出し可能とし、後述する読み出しコントローラ220によるシーケンシャル読み出しを行うと同時に、読み出された各アドレスのメモリ空間は自動的にゼロクリアする構成としている。このようなリングバッファ構造にすることによりパターンメモリ210のメモリ容量を必要以上に大きくしないようにすることができる。
図18は、パターンメモリに格納されるテンプレートを説明するための概念図である。
テンプレートバンク214では、反復する図形群のビットパターンデータを登録する場合に、図17に示すように、画素を構成するグリッド線に合わせた位置に登録することが便利である。しかしながら、実際にパターンメモリ210に格納されるデータは、図18に示すように、テンプレートバンク214に登録されたようにグリッド線に合っているとは限らない。ここでは、x方向に1/2画素ずつずれる場合について示している。
図20は、テンプレートバンクに格納されたビットパターンデータの各画素値を示す図である。
各画素を256の分解能で表現した場合、図19に示すように、1/2画素ずれた両端では、画素値が125となってしまう。そこで、図20に示すように、テンプレートバンクに格納されたビットパターンデータについて、オフセット寸法を加味して隣の画素との間で重み付け加算した値を適用する。ここでは、1/2画素分のオフセット寸法となるため、隣接する画素同士で1/2ずつの重み付けにより加算する。例えば、x方向に3/4画素ずれている場合は、隣接する外側の画素に3/4、内側の画素に1/3の重み付けにより加算すればよい。さらにy方向にずれた場合には、上述したように、2×2画素の重み付け加算を行う演算処理を行なえばよい。以上のようにオフセット寸法を加味して書き込むことで、位置ずれを防止することができる。
図21は、フィルタ処理を説明するための図である。
センサ回路106から得られた光学画像としての測定データは、拡大光学系104の解像特性やフォトダイオードアレイ105のアパーチャ効果等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータであるビットパターンデータにもフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。このようにして光学画像と比較する参照画像を作成する。
図22は、実施の形態2における展開回路の内部構成を示すブロック図である。
図22において、展開回路111は、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるデータメモリ202、プリプロセッサ204、記憶装置(或いは記憶部)の一例となる近傍図形キャッシュバッファメモリ206、パターンジェネレータ208、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるパターンメモリ210、反復パターン検出器212、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるテンプレートバンク214、キャラクタパターン書き込み回路216、繰り返し判定器218、読み出しコントローラ220、パターンジェネレータ222を有している。そして、繰り返し判定器218には、局所パターンジェネレータ219が配置されている。その他の装置構成は、実施の形態1と同様で構わないため説明を省略する。
上述した実施の形態1では、新たにテンプレートに格納する図形パターンをパターンメモリ210上のメモリ空間から必要な領域分を切り出し(コピー)してこれをテンプレートバンク214に格納する方法を説明したが、実施の形態2では、パターンメモリ210からコピーする代わりに、図21に示すように、テンプレートバンク214に格納すべきパターンは第2のビットパターンデータ変換部の一例となる第2のパターンジェネレータ222でパターン展開する方法について説明する。以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
そして、パターン展開工程として、パターンジェネレータ222は、反復パターン検出器212で繰り返し図形と判定された近傍図形キャッシュバッファメモリ206に一時的に一定領域分記憶されている描画データの各図形データをビットパターンデータに変換する。パターンジェネレータ222では、パターンジェネレータ208と同様、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値のビットパターンデータに展開する。パターンジェネレータ222では、描画データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするグリッドで仕切られたマス目として仮想分割してできた各マス目ごとに設計パターンデータにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データをテンプレートバンク214に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとしてテンプレートバンク214に出力する。
実施の形態3において、装置構成及びパターン検査方法は実施の形態1或いは実施の形態2と同様で構わないため説明を省略する。
例えば、所定のピッチPで繰り返される4×2記述のアレイの次に、所定のピッチPで繰り返される4×2記述のアレイが続くような場合、図23に示すように、1番目の4×2記述のアレイが近傍図形キャッシュバッファメモリ206に格納されている間、2番目の4×2記述のアレイは、近傍図形キャッシュバッファメモリ206から溢れた位置に存在することも想定される。そして、データ処理が進み、2番目の4×2記述のアレイが近傍図形キャッシュバッファメモリ206に格納される頃には1番目の4×2記述のアレイが近傍図形キャッシュバッファメモリ206から溢れてしまう。かかる場合に、反復パターン検出器212は、1番目の4×2記述のアレイと2番目の4×2記述のアレイとが同時に近傍図形キャッシュバッファメモリ206に格納されないため、各アレイを構成するすべての集合体を1つのグループとして、繰り返し図形ありとは判断しない。そこで、2番目の4×2記述のアレイを構成する最初のひとつ分の集合体が、1番目の4×2記述のアレイを構成する最後のひとつ分の集合体から同一ピッチPで続く場合に、反復パターン検出器212は、繰り返しアレイとして判断して、テンプレートバンク214に1つのアレイをテンプレート登録する。そして、繰り返し判定器218は、2番目の4×2記述のアレイについて、繰り返しアレイとして判断して、キャラクタパターン書き込み回路216は、テンプレートバンク214にテンプレート登録された1番目の4×2記述のアレイのビットパターンデータをパターンメモリ210に書き込む。
図24は、実施の形態4における展開回路の内部構成を示すブロック図である。
図24において、展開回路111は、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるデータメモリ202、プリプロセッサ204、記憶装置(或いは記憶部)の一例となる近傍図形キャッシュバッファメモリ206、パターンジェネレータ208、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるパターンメモリ210、反復パターン検出器212、記憶装置(或いは記憶部)の一例となるテンプレートバンク214、キャラクタパターン書き込み回路216、繰り返し判定器218、読み出しコントローラ220、理想形状作成回路224を有している。そして、繰り返し判定器218には、局所パターンジェネレータ219が配置されている。また、テンプレートバンク214は、メモリ空間を実データ領域と理想領域とに分けて構成している。その他の装置構成は、実施の形態1と同様で構わないため説明を省略する。
図25は、任意角度パターンの一例を示す図である。
図25(a)に示すように、任意角度パターンを表現するには、例えば、細い短冊状の図形(1)、(2)、(3)を組み合わせて行っていた。これでは、展開回路で発生したパターンに量子化誤差由来の不整段差が生じてしまう。
そこで、実施の形態4では、かかる任意角度パターンが描画データ中に出現した場合に、理想形状の任意角度図形として扱い、パターンメモリ210には理想形状をはめ込む手法について説明する。
そして、繰り返し判定器218は、パターンジェネレータ208で新規にパターンメモリ210に書き込む代わりに、キャラクタパターン書き込み回路216からパターンメモリ210に書き込むように切り替え指示を行なう。
そして、キャラクタパターン書き込み回路216は、テンプレートバンク214の理想領域から読み出したビットパターンデータをパターンメモリ210に書き込む。ここで、キャラクタパターン書き込み回路216がパターンメモリ210に書き込む場合には、パターンを一時的に読み出して新規な理想図形のビットパターンデータを書き込みのうえ再度書き込むことにより、すでに書き込み済みのパターンを消去しないようにすることができる。
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
115 磁気テープ装置
150 光学画像取得部
206 近傍図形キャッシュバッファメモリ
208,222 パターンジェネレータ
210 パターンメモリ
212 反復パターン検出器
214 テンプレートバンク
216 キャラクタパターン書き込み回路
218 繰り返し判定器
Claims (6)
- 図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の領域分記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換部と、
前記ビットパターンデータを順次記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部により検出された前記反復する複数の図形データの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶部に記憶されたビットパターンデータを記憶する第3の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている前記第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部により検出された図形データを前記ビットパターンデータ変換部でビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶部から読み出して前記第2の記憶部に書き込む書き込み部と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記第2の記憶部から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。 - 前記設計パターンデータに格納された図形データは、さらに、図形の配置位置を用いて定義され、
前記第1の検出部において、接している図形群を1つのグループとして、前記グループを構成する複数の図形データについて、前記図形コードと図形の辺の長さと前記複数の図形データの図形同士の配置位置関係とが一致するグループ同士を検出し、
前記第3の記憶部において、前記グループのビットパターンデータを記憶することを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。 - 前記書き込み部において、前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶部から読み出して前記第2の記憶部に書き込む場合に、オフセット寸法を加味して書き込むことを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
- 図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の領域分記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換する第1のビットパターンデータ変換部と、
前記ビットパターンデータを順次記憶する第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部により検出された前記反復する複数の図形データのいずれかをビットパターンデータに変換する第2のビットパターンデータ変換部と、
前記第2のビットパターンデータ変換部により変換されたビットパターンデータを記憶する第3の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶されている前記第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部により検出された図形データを前記第1のビットパターンデータ変換部でビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶部に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶部から読み出して前記第2の記憶部に書き込む書き込み部と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得部と、
前記第2の記憶部から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。 - 図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の記憶装置に第1の領域分記憶させる第1の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換工程と、
前記ビットパターンデータを順次第2の記憶装置に記憶させる第2の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出工程と、
検出された前記反復する複数の図形データの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを第3の記憶装置に記憶させる第3の記憶工程と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶装置に記憶されたパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程により検出された図形データをビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶装置から読み出して前記第2の記憶装置に書き込む書き込み工程と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得工程と、
前記第2の記憶装置から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較工程と、
を備えたことを特徴とするパターン検査方法。 - 図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとを用いて定義された図形データが格納された設計パターンデータを順次第1の記憶装置に第1の領域分記憶させる第1の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶された設計パターンデータをビットパターンデータに変換するビットパターンデータ変換処理と、
前記ビットパターンデータを順次第2の記憶装置に記憶させる第2の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から図形の形状を示す図形コードと図形の辺の長さとが一致する図形データ同士を反復する複数の図形データとして検出する第1の検出処理と、
検出された前記反復する複数の図形パターンの内、先にビットパターンデータに変換され、前記第2の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを第3の記憶装置に記憶させる第3の記憶処理と、
前記第1の記憶装置に記憶されている第1の領域分の設計パターンデータの中から前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータに対応する図形データを検出する第2の検出処理と、
前記第2の検出処理により検出された図形データをビットパターンデータに変換する代わりに、前記第3の記憶装置に記憶されたビットパターンデータを前記第3の記憶装置から読み出して前記第2の記憶装置に書き込む書き込み処理と、
前記設計パターンデータに基づいて描画された試料の光学画像データを取得する光学画像取得処理と、
前記第2の記憶装置から読み出されたビットパターンデータに基づく参照画像と前記光学画像データとを比較する比較処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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