JP4182636B2 - 電気化学的防汚方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物などの付着を電気化学的に防止する電気化学的防汚方法及びこの方法を用いた電気化学的防汚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
海水や淡水中には多くの生物が存在し、水中構造物表面に付着し、様々な問題を引き起こしている。例えば、船舶やブイに付着すると推進抵抗の増大といった問題が発生し、養殖用生け簀に付着すると海水の交流阻害といった問題が発生し、定置網などの漁網に付着すると網成りの変形などが発生する。
また、給排水のパイプ内やバルブ等に付着した微生物は水を介して人や生産物を汚染するといった問題を発生させている。
水に接している構造物表面への生物の一般的な付着機構は以下の通りである。
まず付着性のグラム陰性菌が構造物表面に吸着して脂質に由来するスライム状物質を多量に分泌する。さらにグラム陰性菌は、このスライム層に集まって増殖し、微生物皮膜を形成する。そして、海水中ではこの微生物皮膜層上に大型生物である藻類、貝類、フジツボ等の大型の生物が付着し、付着した大型の生物が繁殖し成長し、最終的に水中構造物表面を覆い尽くすことになる。
こうした水中構造物および水に接しているものの表面に付着した生物の防汚手段としては殺菌性を有する物質を添加したり、有機スズ系化合物を含有した塗料で塗膜を形成し、有機スズ系化合物を溶出させる方法が一般に行われていた。しかし、上記の方法は有害物質が発生し、水質の汚染による生物への影響が懸念される。
【0003】
近年、有害物質を発生させないで電気化学的に水中構築物や水に接しているものの表面などに付着する生物を制御する方法が提案されている。
この電気化学的な生物の制御方法は、微生物との直接反応が確認されている所定電位以上の電位を微生物に印加すると、微生物内部の酸化還元物質の一つである補酵素Aが不可逆的に酸化され、微生物の呼吸活性及び微生物膜の透過障壁の低下を誘発し、微生物を死滅させることが可能であるというものである(特公平6−91821号公報)。すなわち、当該公報には、微生物であるグラム陰性菌の付着を電気化学的に制御することにより大型の生物の付着を防止する方法が示されている。
また、特開平4−341392号公報には、水中において、導電性基板に正電位を印加することにより、水中の微生物を前記導電性基板表面に吸着して殺菌する工程と、前記導電性基板に負電位を印加することにより、前記導電性基板表面に吸着している殺菌された微生物を脱離する工程とを行うことを特徴とする、水中微生物の制御方法を要旨とする発明が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記、生物を制御する方法は、海水や水の電気分解が起こらない電位を防汚使用とする導電性の基材に印加することによって、微生物の殺菌や付着防止を行うことができることから海洋汚染が無く、さらに海洋生物の生態系への影響がないことから優れた防汚方法である。
ところで、導電性基材表面に対する正電位の印加時間は、殺菌を行う電位に達するまでの時間と、所定の電位により殺菌を行う時間とからなる。そして、殺菌が効果的に行われる所定の電位に達する迄の正電位は、基材表面に生物を吸着させる効果が主である。従って、殺菌を行う電位に達するまでの時間、導電性基材表面では生物の電気化学的な殺菌制御が行われていない。この時、導電性基材表面へ生物およびスケールが付着し、殺菌効率を低下させ長期的に防汚効果が低下するという問題を生じさせていた。
特に、港湾内などの潮流の遅い場所や浄水所の配管といった生物が大量に存在する系では基材表面に正電位を印加したときの生物付着量の増加が問題となっている。
そこで、導電性基材表面に直接または間接的に接触する生物を殺菌および脱離する電位制御方法及びこの方法を適用する防汚装置が望まれている。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、導電性基材に正電位を印加する工程と、負電位を印加する工程と、前記正電位を印加する工程と負電位を印加する工程との間にあって、前記正電位から負電位へスロープ状に電位を変化させる工程とを含む電気化学的防汚方法を第1の要旨とし、少なくとも防汚面を有する導電性基材と、この導電性基材と接しないように配置した対極と、前記導電性基材と対極との間に直流を通電する電源装置とを備え、この電源装置は、前記導電性基材に正電位と、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位と、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位とを周期的に印加するよう設定され、かつ、正電位から電気化学的に生成物が発生しない負電位へはスロープ状に電位が変化し、さらに、生成物が発生しない負電位印加中に電位を上下変動するよう設定されている電気化学的防汚装置を第2の要旨とするものである。
【0006】
以下、本発明について詳述する。
本発明に係る電気化学的防汚方法における基本的構成は、導電性基材に正電位を印加した後、所定の時間をかけて電位を低下させ、負電位にまで変化させることである。
負電位は、特に限定しないが、最初は、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない電位に維持することにより微生物の脱離が発生し、その後、電解液中から電気化学的に生成物が発生する電位とすることにより、前記生物、その一部の細胞、殺菌された生物の細胞および/またはその破壊物、有機物やスケールを効果的に洗浄することができるので好ましい。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない電位を印加している最中に、電位を上下動させることによって、微生物の脱離が更に有効に行われるので、電位を上下動させる工程を含めるとより良好に電気化学的防汚が行える。
【0007】
以下、電位印加条件について説明する。
はじめに、生物を含む水中において、導電性基材に正電位を印加する。この時、水中の生物は基材表面に吸着し、印加された正電位によって殺菌される。ここで設定される正電位は、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない電位であることが好ましい。これは、ガス成分の発生を防止するためである。好ましい電位は、+0〜1.5Vvs.SCEが好ましい。より好ましくは+0.5から+1.2Vvs.SCEである。印加する電位が+0Vvs.SCE未満では生物を基材に吸着させて殺菌することができない。また、+1.5Vvs.SCEを越えた電位を長時間印加すると水や海水が電気分解して有害物質を発生したり、導電性基材の劣化が起こることがあるので好ましくない。
ちなみに、導電性基材の材質によって塩素が発生する電位は異なるので、印加する正電位の値は、用いる導電性基材の材質に合わせて設定する。例えば、表面に、5Vvs.SCE以下の電位を印加しても塩素が発生しない導電性膜を形成した導電性基材及び対極を用いた場合には、+5Vvs.SCE迄の電位を印加することもできる。
【0008】
次に、印加した正電位を、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位に変更するが、この時、電位の変更をスロープ状に行うことが必要である。スロープ状に変更するということは、即ち、所定の時間をかけて変更するということであるが、この所定の時間は、防汚を図る導電性基材の形状、大きさ、材質や、この導電性基材が設置される条件、即ち、海水中であるか、淡水中であるか、とか、流水中であるか、余り水の動きのない場所であるかなど、色々な条件により適宜設定されるものであるが、1乃至90分、好ましくは、1乃至30分に設定する。
【0009】
上記電位をスロープ状に変更した後、導電性基材には負電位が印加されている。この負電位は、0〜−1.5Vvs.SCE、好ましくは−0.1〜−1.0Vvs.SCEである。導電性基材に電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位を印加することによって、導電性基材に付着した生物、その他の細胞、殺菌された生物の細胞および/またはその破損物や有機物の脱離が起きる。
上記正電位を印加してなる殺菌工程と、スロープ状に電位を変更する工程と、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位を印加してなる脱離工程とは周期的に変化させるが、周期、即ち、正電位及び負電位の維持時間は、本装置を取り付ける環境に応じて適宜設定すればよい。
【0010】
更に、負電位を印加する工程においては、上記、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位を印加した後、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位を印加することができる。電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位は、−1.0Vvs.SCE以上、好ましくは−2.0Vvs.SCE以上であり、この値での電位の印加を周期的もしくは不定期的に所定の時間で行うことによって、前記生物、その一部の細胞、殺菌された生物の細胞および/またはその破壊物、有機物やスケールを効果的に洗浄することができる。これは、以下の機構による。
即ち、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位が印加されているとき、電解液の分解により導電性基材表面では水素が発生し、この水素によって導電性基材表面の付着物が除去される。また、このとき、導電性基材近傍は、水酸基イオンが増加することによりアルカリ雰囲気になり、水酸化物の析出が起きる。該水酸化物によって、有機物は溶解する。これら、除去及び溶解によって、導電性基材表面は洗浄される。
また、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位を印加する時間は、導電性基材の耐久性、導電性基材表面に直接または間接的に接触する生物の付着量によって適宜選択することができるが、1〜24時間程度が好ましい。導電性基材の劣化を考慮すると1〜12時間の印加がより好ましい。
【0011】
更に、本発明に係る電気化学的防汚方法においては、上記、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位を印加する工程において、電位を上下動する工程を含むと、防汚効果がより効果的に行える。
電位を上下動させる工程は、少なくとも1サイクル以上必要であるが、好ましくは、10乃至100サイクル行うようにする。そして、その上下幅(振幅)は、1.10乃至2.0V、好ましくは0.2乃至1.4Vであり、周期は、1秒以上、好ましくは1乃至30分である。
【0012】
本発明で用いる導電性基材は、全体が導電性材料から形成されていてもよいが、少なくともその表面または水中に浸漬している一部表面が導電性であることが必要である。
基材は金属、樹脂、無機材料からなり、構造を維持する機能を有するものであれば特に限定されない。金属材料の例としては鉄、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、ニオブ、およびそれらの合金、ステンレス等が挙げられる。樹脂材料の例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。無機材料の例としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、セメント等が挙げられる。
基材として、樹脂、無機材料などの非導電性材料を用いる場合、導電性微粒子を材料に充填し、基材を形成することにより導電性を付与し用いればよい。導電性微粒子の例としては、グラファイト、カーボンブラック、カーボン繊維からなる短繊維などの炭素微粒子、金、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウムまたはこれらの貴金属の酸化物の微粒子、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化タンタル、窒化ニオブ、窒化クロム等の金属窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化タングステン等の金属炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化ハーフニウム、ホウ化バナジウム、ホウ化ニオブ、ホウ化タンタル、ホウ化クロム、ホウ化モリブデン、ホウ化タングステン等の金属ホウ化物、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化ニオブ、ケイ化タンタル、ケイ化バナジウム、ケイ化タングステン等の金属ケイ化物などの微粒子が挙げられる。
【0013】
また、上記導電性微粒子をバインダー樹脂に充填、分散させた導電性組成物を、前記非導電性材料製基材表面に被覆して導電性を付与してもよい。バインダー樹脂の例としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ポリエステル−ウレタン樹脂、シリコン−ウレタン樹脂、シリコン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂や、熱硬化型のメラミン−アルキッド樹脂、メラミン−アクリル樹脂、メラミン−ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂、または天然ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ニトリルブチレンゴム、ポリエチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレンエラストマー等のゴム弾性材料が挙げられる。導電性組成物は、導電性シートを形成して非導電性基材上に接着剤を介して積層したり、塗膜層として形成してもよい。
【0014】
上記の導電性微粒子の他に、生物の細胞と電極との電子移動反応を促進する作用を有する特定の化合物を添加してもよい。すなわち、微生物と電極との電子移動を媒介する電子メディエータを導電性材料と共に使用することによって、より効率的に生物の殺菌を行うことができる。電子メディエータの例としては、フェロセン、フェロセンモノカルボン酸、フェロセンジカルボン酸または、〔(トリメチルアミン)メチル〕フェロセン等のフェロセンおよびその誘導体、H4Fe(CN)6、K4Fe(CN)6、Na4Fe(CN)6等のフェロシアン類、2,6−ジクロロフェノールインドール、フェナンジンメトサルフェート、ベンゾキノン、フタロシアニン、ブリリアントクレジルブルー、カロシアニン、レゾルシン、チオニン、N,N−ジメチル−ジスルフォネイティド・チオニン、ニューメチレンブルー、トブシンブルーO、サフラニン−O、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、ベンジルビオロゲン、アリザリンブリリアントブルー、フェノシアジノン、フェナジンエトサルフェート等が挙げられる。
この様な電子メディエータを担持した導電性基材としてはフェロセン修飾電極を挙げることができる。
【0015】
また、抗菌性を有する材料を添加してもよい。抗菌性を有する物質は、無機物に属するものと有機物に属するものとがある。
無機物としては、銀、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、ゲルマニウム等の金属およびこれらの酸化物、酸素酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、有機キレート化合物などが挙げられる。
有機物としては、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、4,5,6,7−テトラクロル−2−トリフルオロメチルベンズイミダゾール、10,10’−オキシスフェノキシアルシン、トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛などが挙げられる。
【0016】
特に、基材の少なくとも防汚面を、バルブ金属、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物又は金属ケイ化物からなる導電性膜となしたものは好ましく用いられる。
導電性膜を形成するに当たっては、溶射やスパッタリング、イオンプレーティングなどの方法を採用することができる。
金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物については既に記載してあるが、記載した材料はその一部であり、形成方法によっては2種類以上の金属が含まれたり、酸化物の一部が含まれたり、さらにはこれらの化合物が2種以上混合されることから、特に限定はされない。これらの金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物は0.1μm以上の厚さの膜であればよく、最大の厚さは特に限定しないが、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物の形成方法や使用目的により適宜設定すればよい。
【0017】
基材が電気化学的に溶解や腐食する材料、例えば、鉄やアルミニウム、銅、亜鉛、マグネシウムおよびそれらの合金、ステンレス等の金属材料からなる場合では、該金属材料と接水面に形成された導電層との間に、絶縁性樹脂塗膜層や絶縁性樹脂フィルム層、アルミナ、チタニア酸化ケイ素などの絶縁無機物層、またはチタン、ニオブ、タンタル等のバルブ金属などを設けておけばよい。これらの材料からなる層は1種または2種以上多層として形成されてあってもよい。
【0018】
導電性基材の形状は特に限定されるものではなく、生物を効率よく吸着して直接または間接的に接触し、電位を付与することのできるものであればよい。
【0019】
本発明の防汚装置は、上記導電性基材と接触しないように対極が設置されている。対極基材は導電性基材と同様のものを用いることができる。
【0020】
上記、導電性基材と対極とはリード線により電源装置に接続されている。この電源装置は、導電性基材と対極との間に直流を通電する装置であって、極性が変換できる機能を有しているものである。
【0021】
上記構成以外、必要に応じて参照極およびポテンショスタットを用いて導電性基材に電位を印加することもできる。さらに、導電性基材表面の電位を測定する装置および電流のオン/オフを制御する開閉器によって基材表面の電位を制御、維持することも好ましい方法である。
使用できる参照極およびポテンショスタットとしては、導電性基材に、予め定められた電位を印加できるものであれば特に限定されない。従って、市販の直流電源装置(整流器)に電圧の制御およびタイミング手段を付加したもので容易に実施できる。電位測定器および開閉器は市販の装置を使用することができる。
また、電解セルを形成する電極配置は作用極に対し対極の設置位置は限定されないが参照極は作用極の近傍に設置することが好ましい。
【0022】
本発明により処理することができる電解液は、生物を含有する水であれば特に限定されない。例えば、海水、河川の水、湖沼の水、水道水、飲料水、または各種緩衝液などが挙げられる。
また、対象となる生物も、それらの水中に存在する生物であれば特に限定されるものではない。
【0023】
【作用】
本発明に係わる方法は、電気化学的な防汚方法を行うに際し、導電性基材に正電位を印加した後、所定の時間を要しながら電位を変化させ、印加する電位を負電位に変更するため、殺菌された微生物などが効率的に脱離していく。
更に、負電位を印加する工程において、電解液中から電気化学的に生成物を発生させない負電位を印加した後、電位を電解液中から電気化学的に生成物を発生させる負電位に変化させることにより、導電性基材近傍がアルカリ性になるので、導電性基材の表面に直接または間接的に接触する生物およびスケールを除去し、導電性基材表面をクリーニングし防汚効果が向上する。なお、海水や河川の水については、電極近傍がアルカリ性になることにより生物の付着防止効果を促進する。
そして、更に、電解液中から電気化学的に生成物を発生させない負電位を印加している最中に電位を上下動させる工程を追加することによって、より、脱離効果が上昇する。
【0024】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
図1は以下の実施例に用いた装置の模式図である。
試験槽1内には、導電性基材2が配置されている。導電性基材2は、スイッチ3および電位測定器4と個々に連結し、スイッチ3はポテンショスタット5と連結している。ポテンショスタット5は試験槽1内に配置された参照極6および対極7と個々に連結し、さらに関数発生器8と連結している。試験槽1内には滅菌海水が入っており、また、その底部には攪拌器9および攪拌棒10が配置されている。参照極6には飽和甘コウ電極(SCE)を、対極7には導電性基材2と同様なものを用いた。導電性基材2表面の電位は電位測定器4により測定される。測定された電位によってスイッチ3の制御が行われ、導電性基材表面の電位が維持される。
【0025】
上記装置を用いて、殺菌及び脱離試験を行った。
以下の各実施例、比較例に対する試験に用いた海洋細菌は、ビブリオアルギノリティカスを用いた。また、菌体懸濁液(1.0×108cells/ml)中に電気化学的防汚板を90分間浸漬し、被防汚導電性基材2上に菌体を付着させた。この被防汚導電性基材2表面を滅菌海水で洗浄後、印加電位1.0Vvs.Ag/AgCl、30分間印加後、電気化学的防汚板を取り出し、被防汚導電性基材面を10mlの滅菌海水で100回繰り返しピペッティングで洗浄して菌体を回収後、コロニー法で生菌率を測定した。コロニー法は、0.7%の寒天を含むマリンブロスと懸濁液1mlと混釈し、25℃で12時間培養し生じたコロニー数を計数した。生菌率は以下の式より求めた。
生菌率=(電位を印加した被防汚導電性基材のコロニー数)/(電位を印加しない被防汚導電性基材のコロニー数)
【0026】
実施例1
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(窒化チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を1日印加した。その後、10分かけて電位を−0.6Vvs.SCEに変更し、1日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期60分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。
このときの電解液に人工海水(千寿製薬(株)製ニューマリンアートSF)、対極に窒化チタン製板(100×100mm、厚さ0.5mm)、参照極に飽和甘コウ電極(SCE)(東亜電波(株)製HS−205C)、電源装置にポテンショスタット(北斗電工(株)製HA151)及び関数発生器(北斗電工(株)製HB−211)を用いて電位を印加後、電極の表面状態を観察した。
【0027】
実施例2
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(窒化チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅1.0V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例1と同様とした。
【0028】
実施例3
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(窒化チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例1と同様とした。
【0029】
実施例4
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を1日印加した。その後、10分かけて電位を−0.6Vvs.SCEに変更し、1日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期60分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。
このときの電解液に人工海水(千寿製薬(株)製ニューマリンアートSF)、対極にチタン製板(100×100mm、厚さ0.5mm)、参照極に飽和甘コウ電極(SCE)(東亜電波(株)製HS−205C)、電源装置にポテンショスタット(北斗電工(株)製HA151)及び関数発生器(北斗電工(株)製HB−211)を用いて電位を印加後、電極の表面状態を観察した。
【0030】
実施例5
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅1.0V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例4と同様とした。
【0031】
実施例6
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(チタン製板、100×100mm厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例4と同様とした。
【0032】
実施例7
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(100×100mm厚さ0.5mmのナイロン樹脂板の表面に、バインダ−樹脂としてフッ素系樹脂(旭ガラス(株)製)を用い、フッ素系樹脂の樹脂固形分に対して1μmのグラファイト(日本黒鉛(株)製)と0.03μmのカ−ボンブラック(三菱化成(株)製、#3950)とを30%混合したものを60重量%充填しボ−ルミルで分散して作成した導電性組成物に専用硬化剤を5重量%添加したものを、スプレーにて塗布し、100℃、50分乾燥したもの。尚、導電性基材の比抵抗値は3.5×10-2Ω−cmであった。)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を1日印加した。その後、10分かけて電位を−0.6Vvs.SCEに変更し、1日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期60分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。
このときの電解液に人工海水(千寿製薬(株)製ニューマリンアートSF)、対極にチタン製板(100×100mm、厚さ0.5mm)、参照極に飽和甘コウ電極(SCE)(東亜電波(株)製HS−205C)、電源装置にポテンショスタット(北斗電工(株)製HA151)及び関数発生器(北斗電工(株)製HB−211)を用いて電位を印加後、電極の表面状態を観察した。
【0033】
実施例8
実施例7において、印加条件を以下の通りとし、それ以外は、実施例7と同様になした。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅1.0V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。
【0034】
実施例9
実施例7において、印加条件を以下の通りとし、それ以外は、実施例7と同様になした。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、10分かけて電位を−0.9Vvs.SCEに変更し、2日印加した。この時、印加電位の上下動を振幅0.6V、周期30分で30サイクル行った。
更に、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位印加条件としては印加電位を−3.0Vvs.SCE、180分間印加後、電位の印加を行わず2日間放置した。
【0035】
比較例1
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(窒化チタン製板、100×100mm、厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、直ちに電位を−0.6Vvs.SCEに変更し、180分間印加した後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例1と同様とした。
【0036】
比較例2
実海洋で4ヶ月間、海洋生物を付着させた導電性基材(窒化チタン製板、100×100mm、厚さ0.5mm)に以下に示す条件で電位を印加した。
正電位として+1.0Vvs.SCEの電位を2日印加した。その後、直ちに電位を−1.0Vvs.SCEに変更し、180分間印加した後、電位の印加を行わず2日間放置した。他の条件は実施例1と同様とした。
【0037】
上記実施例1〜9及び比較例1、2について、電極の表面状態について目視観察を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004182636
【0039】
実施例1〜9においては、電極表面状態に変化無く、生菌率も低かった。しかし、比較例1、2は、電極表面状態に変化がないものの、生菌率は、実施例より高くなっていた。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、生物の電気化学的制御において、正電位を印加する工程と負電位を印加する工程の間に、スロープ状に電位を変化させる工程を有しているために、効率的に、導電性基材上に付着した細胞やその分解物を被防汚面である導電性基材表面から脱離させることができ、その結果、生物の濃度が環境で変化しても効果的に長期間に渡り生物の付着が防止できるようになった。実施にあたっては船舶、湾岸設備、漁網、配水管、冷却水道水の殺菌および生物付着防止など様々な分野に応用できる有用な方法である。
なお、負電位を印加する工程において、電解液中から電気化学的に生成物を発生させない負電位を印加した後、電解液中から電気化学的に生成物を発生させる負電位を印加することにより導電性基材上に付着した細胞やその分解物を被防汚面である導電性基材表面から脱離させることが、より良好に行えるようになり、更に、電解液中から電気化学的に生成物を発生させない負電位を印加する工程中に、電位を上下動させる工程を追加することにより、脱離が更に良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】防汚装置の模式図
【符号の説明】
1 試験槽
2 導電性基材
3 スイッチ
4 電位測定器
5 ポテンショスタット
6 参照極
7 対極
8 関数発生器
9 攪拌機
10 攪拌棒

Claims (5)

  1. 導電性基材に正電位を印加する工程と、負電位を印加する工程と、前記正電位を印加する工程と負電位を印加する工程との間にあって、前記正電位から負電位へスロープ状に電位を変化させる工程とを含む電気化学的防汚方法。
  2. 前記負電位を印加する工程が、導電性基材に電解液中から電気化学的に生成物を発生しない負電位を印加する工程と、生成物を発生する負電位を印加する工程とからなる請求項1記載の電気化学的防汚方法。
  3. 前記導電性基材に電解液中から電気化学的に生成物を発生しない負電位を印加する工程中に、電位を上下動させる工程を含む請求項2記載の電気化学的防汚方法。
  4. 電解液中から電気化学的に発生する生成物によって、導電性基材表面がアルカリ性を示す請求項2又は3記載の電気化学的防汚方法。
  5. 少なくとも防汚面を有する導電性基材と、この導電性基材と接しないように配置した対極と、前記導電性基材と対極との間に直流を通電する電源装置とを備え、この電源装置は、前記導電性基材に正電位と、電解液中から電気化学的に生成物が発生しない負電位と、電解液中から電気化学的に生成物が発生する負電位とを周期的に印加するよう設定され、かつ、正電位から電気化学的に生成物が発生しない負電位へはスロープ状に電位が変化し、さらに、生成物が発生しない負電位印加中に電位を上下変動するよう設定されている電気化学的防汚装置。
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