JP4925079B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却塔などの循環水の水処理方法および水処理装置に関し、詳しくは、薬品を用いることなく、循環水のスライム除去、スケール除去および腐食防止をすることが可能な水処理方法および水処理装置に関する。
現在、冷却塔(クーリングタワー)は、ビルなどの空調設備、冷却を必要とする工場の製造ライン、冷凍冷蔵設備などに幅広く用いられている。しかし、冷却塔においては、循環水が用いられているため、この循環水の適切な水処理を行なわないと、微生物および汚濁物質によるスライムの発生、カルシウム、マグネシウムなどの析出によるスケールの発生、鉄イオン、銅イオンなどの増大により生じる配管の腐食などの問題が生じる。
従来、循環水の水処理においては、スライムの除去および発生防止のために、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素水などの酸化性の化学薬品が用いられていた。しかし、これらの化学薬品は、人体に対しても有害であり、その取り扱い、その使用量および水処理後の廃液処理などについて、厳しい環境基準が設けられており、この環境基準を満たして適切なスライム除去および発生防止を行なうためには、多大な労力とコストを必要としていた。特に、最近、環境負荷の低減を図るために、有機物分解性および/または殺菌性が高くスライム除去効果の高い化学薬品が規制の対象となり、使用できる化学薬品が制限されてきた。
上記の化学薬品を用いないスライム除去方法として、水を電解して残留塩素を発生させる方法がある。しかし、かかる電解による水処理方法においては、スライム生成量の変動に対する対応性に乏しく、スライム生成速度が高い場合にはスライム除去が進まず、スライム生成速度が低い場合は、残量塩素の発生が過剰となり、水処理装置および水循環装置などを腐食させる原因となる。
スライム生成量の変動に対応するため、循環水である冷却水を濃縮して電解することにより、残留塩素生成速度を挙げてスライム除去を促進させる方法が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。しかし、この方法を用いても、スライム生成量の変動に対する対応性は不十分であった。特に、スライム生成速度が低い場合は、残量塩素の発生が過剰となる問題点があった。
また、スケールおよび腐食性物質の発生防止に関しては、化学薬品を使用しない場合には特に有効な対策がなく、水循環装置の定期的な洗浄により、発生したスケールおよび腐食性物質の除去を行なっていたにすぎなかった。
特開2001−62457号公報
本発明は、化学薬品を用いることなく、スライムの除去の他、スケールおよび腐食性物質の除去を含めて包括的に処理することができる水処理方法および水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、循環水を電解により処理する水処理装置であって、参照極と、電解極と、制御部とを含み、電解極は、陽極と、陰極とから構成され、制御部により、参照極の電位を基準にして、陽極および陰極の電位をそれぞれ独立に設定することができる水処理装置である。
本発明にかかる水処理装置において、制御部により、参照極の電位を基準にして、陽極および陰極の少なくとも1つの電位を変更して、2以上の異なる電解条件を設定できる。また、陽極と陰極との間隔を1mm以上100mm以下とすることができる。また、参照極と、作用極と、対極とから構成される検知極を含み、検知極により検知される循環水の残留塩素濃度に応じて、制御部により電解条件を変更できる。
また、本発明は、循環水を電解により処理する水処理方法であって、制御部により、参照極の電位を基準にして、電解極を構成する陽極および陰極の電位をそれぞれ独立に設定し、陽極および陰極少なくとも1つの電位を変更して設定される電解条件の異なる2以上の電解工程を含むことを特徴とする水処理方法である。
本発明にかかる水処理方法において、制御部により、循環水の残留塩素濃度に応じて、電解条件を変更することができる。
本発明によれば、化学薬品を用いることなく、スライムの除去の他、スケールおよび腐食性物質の除去を含めて包括的に処理することができる水処理方法および水処理装置を提供することができる。
本発明にかかる水処理装置は、たとえば、図1を参照して、冷却塔100の循環水50の電解により処理する水処理装置110である。冷却塔100において、水槽40内の循環水50は、吸い込み配管40s、循環ポンプ41、送り配管40dの経路で循環しており、接触部101において、循環水と空気との接触により、循環水と空気との熱交換が行なわれる。なお、図1においては、本発明にかかる水処理装置110の電解極20および参照極11を含む探知極10は、冷却塔100内部の水槽40内に設置されているが、循環水の水処理が行なえる位置に設置されていれば足り、循環配管(吸い込み配管40sおよび送り配管40d)中に設置されていてもよい。
本発明にかかる水処理装置は、図2を参照して、循環水50を電解により処理する水処理装置10であって、参照極11と、電解極20と、制御部30とを含み、電解極20は、陽極21と、陰極22とから構成され、制御部30により、参照極11の電位を基準にして、陽極21および陰極22のそれぞれの電位を設定することができる。
本発明にかかる水処理装置は、参照極11と、電解極20と、制御部30とが備えられていることにより、参照極11の電位を基準にして電解極20を構成する陽極21および陰極22の電位をそれぞれ独立に設定することができ、水質の違いに対応した水処理が可能となる。従来は、参照極を設けることなく、電解極を構成する陽極と陰極との間の電位差を一定にする定電位差電解を行なっていたため、水質の違いにより、陽極および陰極自体の電位は変動し、水質の違いに対応した水処理が困難であった。
ここで、参照極11としては、標準電極となるものであれば特に制限なく、標準水素電極(以下、SHEという)、銀−ハロゲン化銀電極、カロメル電極などを用いることができる。本実施形態においては、取り扱いの容易性から、銀−ハロゲン化銀電極の1つである銀−塩化銀電極を用いた。なお、本明細書における標準電極電位はSHEに対するものをいい、陽極および陰極の電位は上記銀−塩化銀電極を参照極として用いSHEに対する電位に換算したもので表記した。
また、電解極20である陽極21および陰極22の材質は、水の電解に対する耐腐食性を有するものである限り特に制限はないが、TiにPtがコーティングされているものが、耐久性の観点から、好ましく用いられる。
本発明における循環水の水処理の主たる目的としては、上記のように、スライム、スケールおよび腐食原因物質の除去ならびに発生防止である。以下、各目的に適合する本発明にかかる水処理における電解条件を説明する。
(スライムの除去および発生防止)
本発明における電解による水処理においては、陽極で残留塩素を生成させる。酸化性化学物質である残留塩素の有機物分解性および殺菌性により、スライムの除去および発生防止を行なう。陽極において、残留塩素は、以下の式(1)および式(2)
2Cl- → Cl2 + 2e- (1)
Cl2 + H2O → HClO + HCl (2)
の反応によって生成する。ここで、式(1)および式(2)の反応によって生じるCl2およびHClOは、いずれも残留塩素としてそのスライムの除去および発生防止機能を有する。
ここで、式(1)および式(2)の反応の25℃における標準電極電位(標準酸化還元電位)は、それぞれ1.396V、1.630Vであるため、陽極の電位を1.4V以上とすることにより式(1)および/または式(2)により、Cl2および/またはHClOを発生させて、循環水のスライム除去および発生防止を行なうことができる。かかる観点から、陽極の電位は、1.6V以上が好ましい。
また、陽極の電位の上限は特にないが、陽極の電位が大きくなるほど残留塩素の生成速度は高くなるため、水処理装置および水循環装置への負荷および腐食の低減の観点から24V以下が好ましく、以下のスケール除去反応および腐食原因物質除去反応を起こさないようにする観点から8V以下がより好ましく、過剰の残留塩素を生成させない観点から3V以下がさらに好ましい。
ここで、陰極の電位には特に制限はないが、電解効率を高める観点から0V付近が好ましい。また、陽極と陰極との電位差の大小により残留塩素生成速度を増減させることができる。すなわち、陰極の電位を小さくすることにより陽極との電位差を大きくすれば残留塩素生成速度が増大し、陰極の電位を大きくすることにより陽極との電位差を小さくすれば残留塩素生成速度が減少する。陰極の電位は、副生成物の発生が少ない観点から−2V以上2V以下の範囲とすることが好ましい。
すなわち、スライム除去のための電解条件(スライム除去電解条件という、以下同じ)は、陽極の電位が1.4V以上であり、好ましくは1.6V以上24V以下、より好ましくは1.6V以上8V以下、さらに好ましくは1.6V以上3V以下であり、陰極の電位が好ましくは−2V以上2V以下であり、より好ましくは0Vおよびその近傍である。
(スケールの除去および発生防止)
本発明における電解による水処理においては、陰極で発生する水酸化物イオンと水中のスケール原因物質であるカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンなどと反応して、それぞれの水酸化物として、沈殿除去することにより、スケールの除去および発生防止ができる。
電解による水処理の際、陰極では式(3)
4H2O + 4e- → H2 + 4OH- (3)
によりOH-が発生する。陰極付近において、たとえば、Ca2+およびMg2+は、それぞれ式(4)および式(5)
Ca2+ + 2OH- → Ca(OH)2 (4)
Mg2+ + 2OH- → Mg(OH)2 (5)
に示すように陰極で発生したOH-と反応して、それぞれCa(OH)2およびMg(OH)2を生成する。
ここで、上記式(3)の標準電極電位は0Vである。したがって、陰極の電位を0V以下とする。さらに、陰極付近に十分な量のOH-を形成し、Ca2+およびMg2+と十分に反応するためには、陽極の電位を12V以上とすることが必要である。また、陽極の上限には特に制限はないが、陽極の電位が大きくなるほど、スケール原因物質の除去速度の増大とともに残留塩素の生成速度が増大するため、上記のように陽極の電位水処理装置および水循環装置への負荷および腐食の低減の観点から24V以下が好ましい。
また、陽極と陰極との電位差の大小によりスケール原因物質の除去速度を増減させることができる。すなわち、陰極の電位を小さくすることにより陽極との電位差を大きくすればスケール原因物質の除去速度が増大し、陰極の電位を大きくすることにより陽極との電位差を小さくすればスケール原因物質の除去速度が減少する。
すなわち、スケールの除去および発生防止のための電解条件(スケール除去電解条件という、以下同じ)は、陽極の電位が12V以上であり、好ましくは12V以上24V以下であり、陰極の電位は0V以下である。
(腐食原因物質の除去および腐食防止)
本発明における電解による水処理においては、陽極で発生する酸素ガスと水中の腐食原因質である鉄イオンおよびマンガンイオンなどと反応して、それぞれの酸化物して沈殿除去することにより、腐食原因物質の除去および腐食発生防止ができる。
陽極付近において、たとえば、Fe2+およびMn2+は、それぞれ式(6)および式(7)
Fe2+ + 2O2 → Fe34 (6)
Mn2+ + 2O2 → MnO2 (7)
に示すように、陽極で発生したO2と反応して、それぞれFe34およびMnO2を生成する。
ここで、式(6)および式(7)の反応の25℃における標準電極電位は、それぞれ1.490Vおよび1.230Vであるが、陽極付近に十分な量のO2を形成し、Fe2+およびMn2+と十分に反応するためには、陽極の電位を8V以上とすることが必要である。また、陽極の上限には特に制限はないが、陽極の電位が大きくなるほど、腐食原因物質の除去速度の増大とともに残留塩素の生成速度が増大するため、上記のように陽極の電位水処理装置および水循環装置への負荷および腐食の低減の観点から24V以下が好ましい。
また、陽極と陰極との電位差の大小により腐食原因物質の除去速度を増減させることができる。すなわち、陰極の電位を小さくすることにより陽極との電位差を大きくすれば腐食原因物質の除去速度が増大し、陰極の電位を大きくすることにより陽極との電位差を小さくすれば腐食原因物質の除去速度が減少する。
すなわち、腐食原因物質の除去および発生防止のための電解条件(腐食防止電解条件という、以下同じ)は、陽極の電位が8V以上であり、好ましくは12V以上24V以下である。
したがって、陰極の電位を0Vとして、陽極の電位を1.4V〜8Vに設定するとスライムの除去が行なえ、陽極の電位を8V〜12Vに設定するとスライムおよび腐食原因物質の除去が行なえ、陽極の電位を12V〜24Vに設定するとスライム、腐食原因物質およびスケール原因物質の除去が行なえる。このように、参照極の電位を基準にして電解極を構成する陽極および陰極の電位をそれぞれ独立に設定することにより、水質の違いに対応した水処理が可能となる。
本発明にかかる水処理装置において、図2を参照して、制御部30により、参照極11の電位を基準にして、陽極21および陰極22の少なくとも1つの電位を変更して、2以上の異なる電解条件を設定できることが好ましい。上記のように、腐食防止電解条件においては腐食原因物質の除去のみならずスライムの除去も進行し、スケール除去電解条件においてはスケール原因物質の除去のみならずスライムの除去および腐食原因物質の除去も進行するため、ある1つの電解条件において水処理を進めると、水質の変動が生じる。このため、この変動した水質に対応する他の電解条件による水処理を行うことにより、より適切で効率的な水処理が可能となる。
ここで、制御部30は、たとえば、水質測定回路部31と、電解制御回路部33と、可変直流電源部32とから構成されている。制御部30は、水質測定回路部31に接続された参照極11の電位を基準として、電解制御回路部33において水質に応じた陽極および陰極の電位を設定して、この設定電位に合わせて可変直流電源部32から陽極および陰極にそれぞれ電力を供給する。
また、本発明にかかる水処理装置において、図2を参照して、陽極21と陰極22との間隔が1mm以上100mm以下であることが好ましい。陽極と陰極との間隔が1mm未満であると、他方の極の影響を受けて各極で目的とする電気化学反応を行なうことができず、安定した電解が困難となる。陽極と陰極との間隔が100mmを超えると電解効率が著しく低下する。
また、本発明にかかる水処理装置において、図2を参照して、参照極11と、作用極と12、対極13とから構成される検知極10を含み、検知極10により検知される循環水50の残留塩素濃度に応じて、電解条件を変更できることが好ましい。循環水の残留塩素濃度に応じて制御部30により電解条件を変更することにより、残存塩素濃度が過剰になることを防止し、水処理装置および水循環装置などの腐食を防止しながら、適正な水処理を行なうことができる。
ここで、検知極10においては、参照極11の電位を基準として、たとえば、作用極と対極の間隔を3mmとして、作用極の電位を200mVに設定し、対極の電位を変えて、作用極と対極との間に流れる電流を検知する。水質測定回路部31において検知極で検知された電流値から残留塩素濃度を算出し、電解制御回路部33において算出された残留塩素濃度に基づいて電解条件を設定または変更し、設定または変更された電解条件に基づいて可変直流電源部32から陽極21および陰極22に電力が供給され、上記設定または変更後の電解条件により、水処理が行なわれる。
また、作用極12および対極13の材質は、水の電解に対する耐腐食性を有するものである限り特に制限はないが、AuまたはPtが、残留塩素の検知性能が高い観点から、好ましく用いられる。
本発明にかかる水処理方法は、図2を参照して、循環水50を電解により処理する水処理方法であって、制御部33により、参照極11の電位を基準にして、電解極を構成する陽極および陰極のそれぞれの電位を設定し、前記陽極および前記陰極少なくとも1つの電位を変更して設定される電解条件の異なる2以上の電解工程を含むことを特徴とする。電解条件の異なる2以上の電解工程を含むことにより、循環水の水質の違いに対応した適切な水処理が可能となる。また、上記2以上の電解工程における電解条件(陽極および陰極の電圧、電解時間)の設定の組み合わせにより、循環水の水処理中の水質の変動に対応した適切な水処理が可能となる。
ここで、2以上の電解工程における電解条件の組み合わせには、特に制限はないが、スライム、スケールおよび腐食原因物質の包括的かつ効率的な除去を行なう観点から、たとえば、最初に、陽極が12V〜24V、陰極が0Vの電解条件(この条件によれば、スライム、スケールおよび腐食原因物質の除去が可能)、次に、陽極が8V〜12V、陰極が0Vの電解条件(この条件によれば、スライムおよび腐食原因物質の除去が可能)、次に、陽極が1.4V〜8V、陰極0Vの電解条件(この条件によれば、スライムの除去が可能)のパターンおよびこのパターンの繰り返しのパターンで組み合わせることが好ましい。
本発明にかかる水処理方法において、図2を参照して、制御部33により、循環水50の残留塩素濃度に応じて、電解条件を変更することが好ましい。循環水の残留塩素濃度に応じて電解条件を変更することにより、残留塩素濃度が過剰になることを防止し、水処理装置および水循環装置などの腐食を防止しながら、適正な水処理を行なうことができる。
ここで、電解条件の変更を行なう残留塩素濃度は、循環水の水質を考慮して、適宜決めることができるが、一般的には、0.1mg/l〜0.4mg/l程度とすることが、水処理装置および水循環装置の腐食を防止する観点から好ましい。また、変更後の電解条件は、特に制限はないが、水処理装置および水循環装置の腐食を防止する観点から、たとえば、陽極が1.4V〜3V、または0V、陰極が0Vとすることが好ましい。
以下に、冷却塔プラントにおける本発明にかかる水処理試験の結果について説明する。図1を参照して、この冷却塔100における循環水の量は1m3、循環速度は20m3/hrであり、水処理装置110の陽極および陰極の表面積は100cm2、陽極および陰極間の距離は50mmであった。この水処理試験は、2003年8月25日から10月3日にかけて39日間行なわれ、循環水の温度は25℃〜35℃に保持されていた。本水処理試験における循環水の電解条件は、1)陽極12V、陰極0Vで、0.5分間(この条件によれば、スライム、スケールおよび腐食原因物質の除去が可能)、2)陽極8V、陰極0Vで、1.0分間(この条件によれば、スライムおよび腐食原因物質の除去が可能)、3)陽極3V、陰極0V、3.5分間(この条件によれば、スライムの除去が可能)のパターンの繰り返しとした。
試験開始時(8月25日)、23日後(9月17日)、36日後(9月30日)、39日後(10月3日)に、循環水の導電率(μS)、全硬度(mg/l)、有機物量(mg/l)、蒸発残留物量(mg/l)および病原性レジオネラ菌のコロニー量(CFU/100ml、ここでCFUはコロニー形成単位を示す)を測定した。ここで、全硬度の測定はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)法により、有機物量の測定はTOC(全有機炭素)法により、蒸発残留物の測定は循環水100ml(0.1l)を蒸発した後の残留物の質量の秤量により、病原性レジオネラ菌のコロニー量の測定は厚生労働省編「新版レジオネラ防止指針」の衛生試験法(公定試験法)に準拠して行なった。表1に結果をまとめた。
Figure 0004925079
表1から明らかなように、本発明にかかる循環水の水処理により、化学薬品を用いることなく、スライム、スケールおよび腐食などによる問題を生じることなく、水処理がされた。また、36日後には、病原性レジオネラ菌が認められなくなった。なお、23日後に全硬度が増大したが、これは本発明にかかる水処理を開始する前に冷却塔内に付着していたスケールが、そのスケールの表面に付着していたスライムが本発明にかかる水処理により除去されたため、溶け出したことによるものであり、このスケールもその後の本発明にかかる水処理により減少した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる水処理装置を含む冷却塔を示す模式図である。 本発明にかかる水処理装置を示す模式図である。
符号の説明
10 検知極、11 参照極、12 作用極、13 対極、20 電解極、21 陽極、22 陰極、30 制御部、31 水質測定回路部、32 可変直流電源部、33 電解制御回路部、40 水槽、40d 送り配管、40s 吸い込み配管、41 循環ポンプ、100 冷却塔、101 接触部、110 水処理装置。

Claims (6)

  1. 循環水を電解により処理する水処理装置であって、
    参照極と、電解極と、制御部とを含み、
    前記電解極は、陽極と、陰極とから構成され、
    前記制御部により、前記参照極の電位を基準にして、前記陽極および前記陰極の電位をそれぞれ独立に設定することができる水処理装置。
  2. 前記制御部により、前記参照極の電位を基準にして、前記陽極および前記陰極の少なくとも1つの電位を変更して、2以上の異なる電解条件を設定できる請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記陽極と前記陰極との間隔が1mm以上100mm以下である請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記参照極と、作用極と、対極とから構成される検知極を含み、
    前記検知極により検知される前記循環水の残留塩素濃度に応じて、前記制御部により電解条件を変更できる請求項1から請求項3までのいずれかに記載の水処理装置。
  5. 循環水を電解により処理する水処理方法であって、
    制御部により、参照極の電位を基準にして、電解極を構成する陽極および陰極の電位をそれぞれ独立に設定し、前記陽極および前記陰極少なくとも1つの電位を変更して設定される電解条件の異なる2以上の電解工程を含むことを特徴とする水処理方法。
  6. 前記制御部により、循環水の残留塩素濃度に応じて、電解条件を変更することを特徴とする請求項5に記載の水処理方法。
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