JP2008105012A - アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期にわたってより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水窒素成分を除去することのできる処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】(1)アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する工程と、(2)イオン濃度を調整した前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理する工程と、を含むこと、を特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法、及びこれに用いる処理装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア(NH)由来の窒素成分を含有する排水の処理方法及びこれに用いる処理装置に関する。
例えば下水、屎尿及び産業排水等の排水に含まれるアンモニア性窒素は、放流先の湖沼や内湾等の閉鎖性水域における溶存酸素の低下や富栄養化現象の原因とされている。これらの排水中から窒素成分を除去する窒素除去技術としては、従来から微生物を利用した生物学的な硝化・脱窒処理が行われている。
この生物学的な硝化・脱窒処理においては、独立栄養菌である硝化細菌のアンモニア酸化力と亜硝酸酸化力を利用して、排水中のアンモニア性窒素を好気性状態で亜硝酸性窒素を経て硝酸性窒素まで酸化する。その後、従属栄養細菌である脱窒細菌の働きで排水中の有機物を電子供与体として硝酸性窒素を嫌気状態で窒素ガスに還元することにより、排水中のアンモニア性窒素を除去する(例えば特許文献1)。
しかしながら、上記のような生物学的な硝化・脱窒処理では、処理条件を制御するのが複雑であることや微生物の処理能力に限界がある等の理由から、排水から窒素成分を必ずしも確実かつ十分に除去することができず、未だ改善の余地があった。
特開2005−131452号公報
そこで、上記のような生物学的な硝化・脱窒処理に対し、本発明者らは、アンモニア性窒素含有排水を電解槽内において電気化学的に処理すれば当該排水から効果的に窒素成分を分解及び除去し得ることに着目し、かかる電気化学的処理について鋭意検討を重ねたところ、電気化学的処理の際、上記電解槽内においては比較的短時間で電圧が上昇して電極が劣化してしまうことから、電極交換頻度が増え、経済性が成り立たなくなるという問題に直面した。
以上のことから、本発明は、生物学的な硝化・脱窒処理に比べてより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水から窒素成分を除去することができるとともに、長期にわたってより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水から窒素成分を除去することのできる、アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決すべく、本発明者らが鋭意実験を繰り返したところ、上記排水中の塩化物イオン(Cl)の濃度が低い場合には、電気分解時に塩素(Cl)の発生よりも酸素(O)の発生が優先的に起こり易く、発生した酸素によって電極が腐食して劣化し易いという知見を得た。特に電極触媒として酸化ルテニウム若しくは酸化イリジウムを用いた場合、前記の劣化が顕著であった。
そこで、本発明者らは、電気化学的処理の際に上記排水中の塩化物イオンの濃度を調整すれば、酸素の優先的発生及びこれに起因する電極の劣化を効果的に抑制することができ、長期間にわたってより確実かつ十分に上記排水から窒素成分を分解・除去し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。加えて本発明者らは、電気化学的処理の際に上記排水の温度を調節すれば、電極の劣化をより効果的に抑制することができ、長期間にわたってより確実かつ十分に上記排水から窒素成分を分解・除去し得ることを見出した。
即ち、本発明は、上記課題を解決すべく、まず
(1)アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する工程と、
(2)前記イオン濃度を調整した前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理する工程と、を含むこと、
を特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法を提供する。
このような構成によれば、電気化学的処理に供されるアンモニア性窒素含有排水中の塩化物イオン濃度を調整することにより、電気分解時に塩素(Cl)の発生よりも酸素(O)の発生が優先的に起こることを抑制することができるとともに、発生した酸素による電極の劣化を効果的に抑制することができ、長期間にわたってより確実かつ十分に上記排水から窒素成分を分解・除去し得ることができる。
ここで、本願発明における処理対象となるアンモニア性窒素含有排水とは、例えば下水及び屎尿並びに液晶製造工場や無機薬品工場廃水、半導体製造工場の回収プロセスにおいて生じる産業排水等から得られるアンモニア由来の窒素成分を含有する排水のことをいい、少なくともアンモニア性窒素を含んでいればよく、さらにアンモニア性窒素を生じ得る物質を含んでいてもよい。また、「アンモニア性窒素」とは、「NH 」及び「NH」中の窒素のことをいい、「NH−N」で表される。なお、「遊離アンモニア」は「NH」をいい、アンモニウムイオンとは「NH 」をいう。
なお、半導体の製造工程では、種々の薬剤を使用してウエハの微細加工が行われるため、使用済みの種々の薬剤を含む溶液が排水として排出される。例えば、ウエハのフォトリソグラフィ工程で行う現像作業などでは、(CHNOH(TMAH)を含む処理液でウエハや液晶が処理されるため、主成分としてTMAHを含む有機系のアルカリ性排水が排出される。また、ウエハの洗浄工程では、NHOH、H及びHOを含む洗浄水でウエハを洗浄することが多く、NHOHとHとを含む排水が排出される。
したがって、上記「アンモニア性窒素含有排水」は、アンモニア性窒素以外に、アンモニア性窒素を生じ得るTMAH、NHOH、MEA(モノエタノールアミン)及びHなどのうちの少なくともいずれかを含んでいてもよい。もちろん、上記以外にも、液晶製造工場や半導体製造工場の回収プロセスにおいて混入し得る物質を含む場合もある。
また、本発明は、上記の本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法に用いる処理装置も提供する。即ち、本発明は、
アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する調整槽と、
前記イオン濃度を調整した前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理するための電解槽と、を含むこと、
を特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理装置を提供する。
このような構成を有する処理装置を用いれば、電気化学的処理に供されるアンモニア性窒素含有排水中の塩化物イオン濃度を調整して、電気分解時に塩素(Cl)の発生よりも酸素(O)の発生が優先的に起こることを抑制することができるとともに、電極の劣化を効果的に抑制することができ、次亜塩素酸イオン(ClO)及び次亜塩素酸(HClO)によってより確実かつ十分に上記排水から窒素成分を長期間にわたって分解・除去することができる。
本発明によれば、生物学的な硝化・脱窒処理に比べてより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水から窒素成分を除去することができるとともに、長期にわたってより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水から窒素成分を除去することのできる、アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
図1は、本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法に用いる本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。
まず、処理装置1は、アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する調整槽2と、イオン濃度を調整したアンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理するための電解槽4と、調整槽2において次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも一種をアンモニア性窒素含有排水に添加する塩化物イオン源供給部6と、を含む。さらに、調整槽2は、塩化物イオン濃度測定部8及びpH測定部10を有している。
液晶製造工場や半導体製造工場において、液晶製造や半導体製造過程で使用され(例えばウエハの洗浄やエッチング)、アンモニア性窒素含有排水(リンス排水やスクラバー排水等)が排出され、回収される。なお、この排水にはアンモニア性窒素だけではなく、例えばフッ素なども含まれる。
回収されたアンモニア性窒素含有排水は経路aを経て調整槽2に供給され、塩化物イオン源供給部6からは、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)及び塩化ナトリウム(NaCl)よりなる群から選択される少なくとも一種が経路bを経て調整槽2に供給されてアンモニア性窒素含有排水と混合される(工程(1))。なお、図示しないが、経路a及び経路bには、それぞれアンモニア性窒素含有排水及び塩化物イオン源の供給量を制御するための制御弁等を設けるのが好ましい。
ここで、上記工程(1)においては、アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度が0.14〜0.85モル/リットルになるように次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも一種(電解質)を調整槽2に供給するのが好ましい。0.14モル/リットル以上であれば、後述する工程(2)における電気分解によって、酸素よりも塩素が優先的に発生するため、電極、特に陽極電極の劣化をより確実に抑制することができる。また、0.85モル/リットル以下であれば、必要電圧の低減効果を十分に得ることができ、余分な次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等の塩化物が不要となりコストアップを抑制することができる。
なかでも、電解質添加によるコストアップを抑制し、また、電解質添加による電圧の低減効果を高めるためにも単位塩化物イオンあたりの価格が安価な塩化ナトリウムを利用するのが好ましく、アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度が0.14〜0.4モル/リットルになるように、塩化ナトリウムを調整槽2に供給するのが好ましい。
ここで、調整槽2に設けられている塩化物イオン濃度測定部8においては、例えば、電気伝導率計や塩素濃度計で電気伝導率や塩素濃度を測定し、塩化物イオン濃度を算出するという方法によりアンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を測定すればよい。
また、上記工程(1)においては、アンモニア性窒素含有排水のpHを4以上、好ましくは5〜7に調整しておくのが好ましい。その理由は以下のとおりである。pHが酸性側になると、アンモニア性窒素含有排水に供給された塩素イオンは、電極での電気分解により塩素を生成し、通常であれば水と反応して次亜塩素酸を生成する。一方、pHが酸性であれば、塩素と水との反応が進まず、その結果、塩素ガスとして大気中に放出されてしまう。このため、被処理水中の塩素イオン濃度が低下し電解効率が低下するとともに、酸素が優先的に生成し、電極の劣化が進むおそれがある。
このpHの調整は、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリや塩酸などの酸を添加することにより行えばよい。水酸化ナトリウムは溶解性が良く、また、塩酸は塩化物イオン源として利用することができる。
次に、上記のように塩化物イオン濃度を調整したアンモニア性窒素含有排水を、経路cを経て電解槽4に供給し、ここで電気化学的(酸化)処理を行う(工程(2))。
アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に酸化処理することによって強酸化物質である次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンを生成させ、当該強酸化性物質によって上記アンモニア性窒素含有排水に含まれるアンモニア性窒素、更には有機成分(COD成分)等を分解して除去することができる。
より具体的には、アンモニア性窒素含有排水に含有される塩化物イオン及び水、更に場合によっては硝酸イオンに起因して、電解槽4の陰極12及び陽極14においては以下のような反応が代表的に起こる。
陽極:2Cl → Cl+2e
Cl+HO → HClO+H+Cl
HClO→ClO+H
2NaOH+Cl→ NaClO+NaCl+HO(アルカリ性)
陰極:NO +6HO+8e→ NH+9OH
2HO+2e→ 2OH+H
陽極14では、塩素が発生し、さらにその塩素が水と反応し、強力な酸化力を有する次亜塩素酸(HClO)を生成する。一方、陰極12では、アンモニア性窒素含有排水中に硝酸イオンが含まれる場合は、アンモニアへ還元される。また、硝酸イオンが含まれない場合は、水の分解により水素が発生する。また、アンモニア性窒素含有排水中に含まれるアンモニア性窒素及び電気分解によって生成したアンモニア性窒素は、陽極14で生成した次亜塩素酸によって、以下の式によって分解し除去される。
2NH+3HClO → N+3HCl+3H
2NH+3NaClO → N+3NaCl+3HO(アルカリ性)
電解槽4としては、少なくとも一対の電極、即ち、陰極12及び陽極14並びに陰極12と陽極14と接続する電源装置(図示せず)を具備する従来からの電解槽を用いることができる。陰極12及び陽極14に付着する物質などを除去するために処理を停止して洗浄したりして電解効率を維持してもよい。
また、電解槽4における電気化学的処理は連続処理でもバッチ処理でもよい。なお、電気分解の時間、温度、電圧、電力量(電気量)及び処理量(滞留時間)などは、処理対象物の分解性などに依存するが、適宜選択することによって、本発明の効果を得ることができる。
陰極12及び陽極14としては、従来のものを用いることができ、例えばステンレス鋼製の電極、金属チタン板の表面を導電性の酸化ルテニウム(RuO)、酸化イリジウム(IrO)又は白金を主成分として含む層で被覆して得られる電極、金属チタン板の表面に白金や酸化イリジウムを主成分として含む層で被覆して得られる電極等が挙げられる。また、導電性セラミックスからなる基材と、前記基材に添加または分散された金属触媒や酸化物触媒とを含む複合電極を用いることもできる。
上述したいずれの電極を用いても塩化物イオン濃度の調整による本発明の効果(電極劣化の抑制)を得ることができるが、なかでも陽極14には、電解質の電解を効率よく行うという観点から、白金族金属及び白金族金属酸化物のうちの少なくともいずれかをチタン電極に被覆させて構成される電極を用いるのが好ましい。白金族金属としては、例えば白金、ルテニウム、イリジウムおよびルテニウムなどが挙げられ、白金族金属酸化物としては、例えば酸化ルテニウム、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムなどが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。
酸化ルテニウムは安価であるが、一般的には、電気分解により発生した酸素により腐食若しくは溶出しやすいという問題がある。これに対し、本発明によれば、酸素(O)の発生を効果的に抑制することができるため、酸素に起因する酸化ルテニウムの腐食若しくは溶出といった電極の劣化を防ぐことができる。そのため安価かつ効率よく電解を行うことができるという観点から酸化ルテニウムは好ましい。
また、酸化イリジウムは酸化ルテニウムに比べ酸素に対する耐久性に優れるため、本発明において利用することによって従来以上に長寿命化を達成することができるという観点から好ましい。
更に、白金族属を利用すると、電極が高価になるものの、酸化イリジウムや酸化ルテニウムに比べ酸素の対する耐久性が優れ、上記の触媒を利用した以上に長寿命かを達成できる。なお、陰極としても上述したいずれの電極を用いることができるが、価格的に安価であるという点からステンレス鋼製の電極を利用することが好ましい。
ここで、アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理する際に、反応熱によって当該アンモニア性窒素含有排水の温度が上昇する。上昇した温度が到達する温度(温度上昇の程度)は、回収されたアンモニア性窒素含有排水の温度、電解槽4の構成および周囲温度、さらには季節等によって異なるが、電解槽4におけるアンモニア性窒素含有排水の温度があまりにも高温になると、陰極12及び陽極14を劣化させるおそれがある。また、温度が低くなると処理電圧が高くなり消費電力、即ち電気代の増加のおそれがある。
そのため、本発明においては、工程(2)において、30〜40℃の温度でアンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理することが好ましい。したがって、図示しないが、図1における調整槽2及び電解槽4のうちの少なくとも一方に、アンモニア性窒素含有排水の温度を調整するための温度調整部を設けるのが好ましい。
アンモニア性窒素含有排水の温度上昇の程度は、上述のように、回収されたアンモニア性窒素含有排水の温度、電解槽4の構成および周囲温度、さらには季節等によって異なるため、温度調整部としては冷却機能が必要な場合と加熱機能が必要な場合とがある。したがって、温度調整部は、冷却機構及び加熱機構のうちの少なくとも一方、好ましくは両方を有していることが望ましい。
冷却機構としては、例えば冷却用コンデンサーや冷媒循環機構を装置内に設けたり、装置外部にジャケットを設けたりして冷却する方法が挙げられ、加熱機構としては、例えば加熱用ヒーターや熱媒循環機構を装置内に設けたり、外部から加熱したりする方法が挙げられる。そして、これらのうちの少なくともいずれかを含む温度調整部は、調整槽2及び電解槽4のうちの少なくとも一方に従来公知の種々の態様で設けることができる。例えば、冷却用コンデンサーであれば、調整槽2内又は電解槽4内のアンモニア性窒素含有排水に浸漬させて設置したり、調整槽2又は電解槽4の外周面に巻き付けるように設置したりすることができる。
最後に、上記のように電気化学的に酸化処理をした後の排水は、経路dを経て系外へ放出すればよい。なお、必要に応じて生物処理や薬品処理などを組み合わせても良い。なお、経路c及び経路dには図示していないが、それぞれ調整槽2における塩化物イオン濃度調整後のアンモニア性窒素含有排水及び電解槽4における電気化学処理後の排水を引き上げるポンプ等を設けるのが好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、電気化学的処理に供されるアンモニア性窒素含有排水中の塩化物イオン濃度を調整して、電気分解時に塩素(Cl)の発生よりも酸素(O)の発生が優先的に起こることを抑制することができるとともに、電極の劣化を効果的に抑制することができ、次亜塩素酸イオン(ClO)または次亜塩素酸(HClO)によってより確実かつ十分に上記排水から窒素成分を長期間にわたって分解・除去することができる。
上記においては、本発明の代表的な実施の形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、塩化物イオン源供給部6からは、次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方を供給すればよく、両方を合わせて用いる場合には、混合比を適宜調整して用いればよい。
また、図1においては、調整槽2と電解槽4とが別個に分離している形態について説明したが、単一の槽を調整槽2及び電解槽4として用いてもよい。ここで、図2に、本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理装置の変形例の構成を示す。図2に示す槽3は、図1における調整槽2及び電解槽4の両者としての役割を果たすことができる。
また、図示しないが、排水中のpHを調整するための水酸化ナトリウムや塩酸などの薬品を添加するpH調整装置を、調整槽2若しくは電解槽4に設けても良い。このpH調整においては、反応性が良く安価であるという点から水酸化ナトリウムを利用することが好ましく、また、酸を添加する場合は電解質として利用しうる観点から塩酸を利用することが好ましい。
さらに、回収したアンモニア性窒素含有排水には種々の夾雑物が含まれている場合があり、工程(2)における電解に何らかの影響を及ぼすおそれがあるため、あらかじめ除去しておくことが望ましい。例えば陰極12では、アンモニア性窒素含有排水中に含まれる硝酸イオンのアンモニアへ還元の還元反応を阻害し得るクロム(Cr)及び鉛(Pb)、陰極12上に析出してスケールとなり得るカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)及びケイ素(Si)、並びに電極を構成するステンレス鋼を腐食し得るフッ素(F)等は、除去しておくことが望ましい。
これらクロム、鉛、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、及びフッ素を除去する方法としては、従来公知の方法を用いることができるが、例えば水酸化物沈殿法、凝集沈殿法及び膜分離法等が挙げられる。
実験例1
上述した本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置の効果を確認すべく、以下の実験例を行った。具体的には、上記実施の形態において説明した構成を有するアンモニア性窒素含有排水の処理装置を用いて、本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法を行った。なお、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
まず、工場排水として回収したアンモニア性窒素含有排水(NH−N:約1,000ppm)を調整槽2に供給した。ここに塩化物イオン源供給部6から塩化ナトリウム水溶液又は次亜塩素酸ナトリウム水溶液を供給して混合し、アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整した(工程(1))。調整後の塩化物イオン濃度は表1に示した。
ついで、上記のように塩化物イオン濃度を調整したアンモニア性窒素含有排水を、電解槽4に供給した。ここで、アンモニア性窒素含有排水のpHは7であり(表1参照)、電解槽4の陰極12及び陽極14としては、陰極:SUS316、陽極:RuO/Tiを利用した。
そして、電解槽4では、電流値10Aの条件で、電気化学的な酸化処理を行い(工程(2))、電圧が急激に上昇するまでの時間を測定した。なお、電極間距離は、1mmとした。
Figure 2008105012
実験例2
本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置における温度の影響を確認すべく、アンモニア性窒素含有排水の温度を35℃又は50℃に調整した以外は、上記実験例1における実験番号4と同様の条件で温度を本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法を行った。
具体的には、まず工場排水として回収したアンモニア性窒素含有排水(NH−N:約1,000ppm)を調整槽2に供給した。ここに塩化物イオン源供給部6から塩化ナトリウム水溶液又は次亜塩素酸ナトリウム水溶液を供給して混合し、アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整した(工程(1))。調整後の塩化物イオン濃度は1000mg/リットルであった(表2参照)。
ついで、上記のように塩化物イオン濃度を調整したアンモニア性窒素含有排水を、電解槽4に供給した。ここで、アンモニア性窒素含有排水のpHは7であり(表1参照)、電解槽4の陰極12及び陽極14としては、陰極:SUS316、陽極:RuO/Tiを利用した。
また、電解槽4の外周面にチラー冷却水を循環させ、アンモニア性窒素含有排水の温度を35℃又は50℃に調整し、電流値10Aの条件で、電気化学的な酸化処理を行い(工程(2))、電圧が初期電圧から1.0V上昇するまでにかかった時間を電極寿命時間として測定した。アンモニア性窒素含有排水の温度が35℃の場合の電極寿命時間(測定値)を100とし、アンモニア性窒素含有排水の温度が35℃の場合の電極寿命時間を100とした場合の指数で表2に示した。なお、電極間距離は、1mmとした。
Figure 2008105012
本発明によれば、生物学的な硝化・脱窒処理に比べてより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水から窒素成分を除去することができるとともに、長期にわたってより確実かつ十分にアンモニア性窒素含有排水窒素成分を除去することのできる処理方法及び処理装置を提供することができる。当該アンモニア性窒素含有排水の処理方法及び処理装置は、下水処理場、液晶製造工場及び半導体製造工場等の工場において好適に用いることができる。
本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法に用いる本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。 本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理方法に用いる本発明のアンモニア性窒素含有排水の処理装置の変形例の構成を示す図である。
符号の説明
1・・・処理装置
2・・・調整槽
4・・・電解槽
6・・・塩化物イオン供給部
8・・・塩化物イオン測定部
10・・・pH測定部
12・・・陰極
14・・・陽極

Claims (12)

  1. (1)アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する工程と、
    (2)前記イオン濃度を調整した前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理する工程と、を含むこと、
    を特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  2. 前記工程(2)において、白金族金属及び白金族金属酸化物のうちの少なくともいずれかを含む触媒層を備える陽極を用いること、
    を特徴とする請求項1に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  3. 前記工程(1)において、次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも一種の塩化物イオン源を添加することにより前記アンモニア性窒素含有排水の前記塩化物イオン濃度を調整すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  4. 前記工程(1)において、前記アンモニア性窒素含有排水の前記塩化物イオン濃度を0.14〜0.85モル/リットルに調整すること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  5. 前記工程(1)において、前記アンモニア性窒素含有排水のpHを4以上に調整すること、
    を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  6. 前記工程(2)において、30〜40℃の温度で前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理すること、
    を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  7. アンモニア性窒素含有排水の塩化物イオン濃度を調整する調整槽と、
    前記イオン濃度を調整した前記アンモニア性窒素含有排水を電気化学的に処理するための電解槽と、を含むこと、
    を特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理装置。
  8. 前記電解槽が、白金族金属及び白金族金属酸化物のうちの少なくともいずれかを含む触媒層を備える陽極を有すること、
    を特徴とする、請求項7に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  9. 前記調整槽が、次亜塩素酸ナトリウム及び塩化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも一種を前記アンモニア性窒素含有排水に添加する塩化物イオン源供給部を含むこと、
    を特徴とする請求項7又は8に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  10. 前記調整槽及び前記電解槽のうちの少なくとも一方が、塩化物イオン濃度測定部を有すること、
    を特徴とする請求項7〜9のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理装置。
  11. 前記調整槽及び前記電解槽のうちの少なくとも一方が、pH測定部及びpHを調整するための薬剤を添加するpH調整部を有すること、
    を特徴とする請求項7〜10のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理装置。
  12. 前記調整槽及び前記電解槽のうちの少なくとも一方が、前記アンモニア性窒素含有排水の温度を調整するための温度調整部を有すること、
    を特徴とする請求項7〜11のうちのいずれかに記載のアンモニア性窒素含有排水の処理装置。


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