JP3738186B2 - 窒素処理方法及び窒素処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、硝酸イオン及びアンモニアを含む被処理水の窒素処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、川や湖の富栄養化の原因の1つに窒素化合物の存在があることは周知である。また、この窒素化合物は、一般家庭の生活排水中や工場排水中に多く存在するが、浄化処理が困難なものであり、有効な対策がとれないのが現状である。一般には、生物的処理が行われているが、先ずアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱窒工程の2つの工程により行われるため、2つの反応槽が必要となると共に、処理時間が遅いため、処理効率が低下する問題があった。
【0003】
また、該生物的処理では、脱窒素細菌を保有するために、大容量の嫌気槽が必要となり、設備建設コストの高騰、装置設置面積の増大を招く問題があった。更に、該脱窒素細菌は、周囲の温度環境、その他、被処理水中に含まれる成分などにより、著しく影響されるため、特に、温度が低くなる冬場になると、活動が低下し、脱窒素作用が低下し、処理効率が不安定となる問題があった。
【0004】
そこで、上記技術的課題を解決するために、被処理水に電流を流してアンモニア、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素を酸化又は還元分解して窒素ガスにする方法がある。従来、該電気分解による被処理水の方法では、アノードに例えば、白金やイリジウムとその酸化物などの導電性材料を用いていた。
【0005】
そして、被処理水に電流を流すことにより、アノードにおいて、アンモニア態窒素が活性酸素や次亜塩素酸により、酸化され、窒素化合物が窒素ガスに変換され、窒素化合物の処理を行っていた。
【0006】
また、更に、特開昭54−16844号公報には、アノードに白金を用い、カソードに不錆鋼等を用いて被処理水の電解により有機性排水を無害化する方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電解により窒素化合物の処理方法では、希薄塩素イオン条件下での窒素化合物の除去処理能力が低いため、実際に生活排水や工場排水の処理において、窒素化合物を処理することは、困難であった。また、硝酸態窒素は、窒素ガスになりにくく、低濃度の硝酸イオンの除去は、難しいため、水中の窒素成分として残留し、除去できないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、希薄塩素イオン条件下でも効率的に低濃度の窒素化合物も除去を行うことができると共に、装置の小型化及びコストの低減を図ることができる窒素化合物の窒素処理方法を提唱する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気化学的手法により被処理水中の有機態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸イオン又はアンモニアのうちの何れかの窒素化合物を処理する方法であって、カソードを構成する金属材料として、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、電気化学的手法により被処理水中の有機態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸イオン又はアンモニアのうちの何れかの窒素化合物を処理する方法において、カソードを構成する金属材料として、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応を促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮及び低濃度の窒素化合物の除去行うことができるようになる。
【0011】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力が向上される。
【0012】
請求項1の発明の窒素処理方法は、カソードを構成する金属材料として銅と亜鉛又は銅とニッケル又は銅とアルミニウムを含む合金若しくは銅と鉄の焼結体を用いることを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によれば、カソードを構成する金属材料として銅と亜鉛又は銅とニッケル又は銅とアルミニウムを含む合金若しくは銅と鉄の焼結体を用いるので、特に、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮することができるようになる。
【0014】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力がより一層向上される。
【0015】
請求項2の発明の窒素処理方法は、請求項1の発明に加えて、アノードを構成する導電性材料として不溶性材料又はカーボンを用いると共に、カソードの面積をアノードの面積よりも大きくすることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、アノードを構成する導電性材料として不溶性材料又はカーボンを用いると共に、カソードの面積をアノードの面積よりも大きくするので、アノードにて生じる窒素化合物特に、亜硝酸態窒素から硝酸態窒素への酸化反応を低減させ、これに伴ってカソードにて生じる硝酸態窒素の還元反応を促進することができるようになる。
【0017】
請求項3の発明の窒素処理方法は、請求項1又は請求項2の発明に加えて、カソードとアノードの間に、酸素気泡の通過を阻止し、且つ、アノード側に流水の影響を受けない構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置することを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて、カソードとアノードの間に、酸素気泡の通過を阻止する構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置するので、アノード側で発生した活性酸素により窒素化合物の脱窒反応を行うと共に、イオンのみが遮蔽部材を透過することにより、窒素化合物、特に硝酸態窒素の還元反応を促進することができるようになる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、アノード側に流水の影響を受けない構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置するので、被処理水の流水による撹拌が、カソード側の硝酸態窒素の還元反応を促進する際に、アノード側の被処理水が撹拌されるのを防ぎ、電気泳動による希薄塩素イオンのアノードへの供給を促し、結果として、次亜塩素酸による窒素化合物の処理が向上する。
【0020】
請求項4の発明の窒素処理方法は、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であるので、前記生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0022】
請求項5の発明の窒素処理システムは、請求項1、請求項2又は請求項3の窒素処理方法により被処理水中の窒素化合物を処理する窒素処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したことを特徴とする窒素処理システム。
【0023】
請求項5の発明の窒素処理システムによれば、請求項1、請求項2又は請求項3の窒素処理方法により被処理水中の窒素化合物を処理する窒素処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の窒素処理方法を実現するための窒素処理装置1の概要を示す説明図である。本実施例における窒素処理装置1は、内部に図示しない排水の流入口と流出口を有する処理室4を構成する処理槽2と、該処理室4内の被処理水中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置される一対の電極、即ち、アノード5と、カソード6と、該電極5、6に通電するための電源7と、該電極7を制御するための図示しない制御装置とから構成されている。尚、図中10は、処理槽2内を撹拌するための撹拌手段としての撹拌子である。
【0025】
前記カソード6は、銅と亜鉛又は銅と鉄又は銅とニッケル又は銅とアルミニウムの合金又は焼結体から構成されており、前記アノード5は、不溶性金属、例えば白金、イリジウム、パラジウム又はその酸化物などから構成される不溶性電極又はカーボンとされている。
【0026】
また、アノード5とカソード6との間に位置して、アノード5を囲繞するように、図2に示される如き円筒状に形成された遮蔽部材9が設けられている。該遮蔽部材9は、例えばガラス繊維やプラスチックのメッシュなどの非導電性部材にて構成されており、これにより、アノード5から発生する酸素気泡が、カソード6側に通過することを阻止することができる。このとき、アノード5側に存するイオンは、該遮蔽部材9を通過してカソード6側に移動することができる。また、遮蔽部材9は、被処理水の流水により生じる撹拌又は、前記撹拌子10による撹拌によりアノードに流水の影響を与えないものとされている。
【0027】
以上の構成により、処理槽2内の処理室4に硝酸性窒素を含む被処理水を貯留し、前記制御装置により電源7をONとし、カソード6及びアノード5に通電する。これにより、カソード6側では、被処理水中に含まれる硝酸イオンは、還元反応により亜硝酸イオンに変換される(反応A)。また、硝酸イオンの還元反応により生成された亜硝酸イオンは、更に、還元反応により、アンモニアに変換される(反応B)。以下に、反応A及び反応Bを示す。
反応A NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応B NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
【0028】
一方、アノード5側では、アノード5の表面から活性酸素や次亜塩素酸が発生し、これにより、被処理水中におけるアンモニアの脱窒作用により、窒素ガスを生成する(反応C)。以下に、反応C乃至反応Fを示す。
反応C NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2
反応D NaCl→Na++Cl-
2Cl-→Cl2+2e-
反応E Cl2+H2O→HClO+HCl
反応F 2NH4+4HClO→N2↑+4HCl+4H2
【0029】
これにより、被処理水中内の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素などの窒素化合物を同一の処理槽2内において、処理可能となる。
【0030】
ここで、図3及び図4を参照して、カソード6の構成電極について説明する。実際の窒素処理の電気分解では、特にカソード6を構成する金属の種類により窒素処理能力が著しく異なる。図3は、各種単体金属により構成されるカソードの還元特性を示す図である。図3に示される実験結果は、塩素イオンなしの条件下で0.001MのKNO3を加えた溶液300mlを電気分解した場合における時間経過に伴うNO3 -の濃度を示している。尚、このとき使用されるアノード5は、白金であり、カソード6とアノード5の面積比は10:1である。
【0031】
図3に示されるように、カソード6を周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、例えば、亜鉛、銅、銀、亜鉛と銅の合金である真鍮で構成すると、硝酸態窒素、即ち、低濃度のNO3 -において還元特性は著しいことが分かる。また、同条件では、白金、ニッケル、チタンは殆ど還元特性を示さなかった。これにより、カソード6を周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体で構成すると、NO3 -及びNO2 -の処理に有効であることが分かる。
【0032】
また、図4は、各種銅合金により構成されるカソードの還元特性を示す図である。図4に示される実験結果は、図3の実験と同様の条件にて行われたものである。図4によると、銅とニッケル及びマンガンの合金であるアドバンスと、銅と錫の合金であるリン青銅と、銅とニッケルの合金であるキュプロニッケルをそれぞれカソード6に使用した場合には、それぞれ前記亜鉛の単体金属をカソード6に使用した場合に比して、NO3 -の減少の割合が少ないものであった。
【0033】
上記より、塩素イオンなし又は希薄塩素イオンの条件下で、銅合金としては、銅と亜鉛、銅とニッケル、銅とアルミニウムがNO3 -及びNO2 -の処理に有効である。また、銅合金として、マンガンやスズを用いた場合には、その量に関係することなく、低濃度のNO3 -及びNO2 -の還元性能が著しく低下することが分かる。また、銅の合金以外にも、銅と鉄の焼結体も還元特性が高い。
【0034】
これにより、カソード6に銅及び亜鉛の合金を用いた場合には、従来の亜鉛又は銅の単体金属を用いた場合に比して、特に、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応を促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮することができるようになる。銅は溶液が電解の進行に伴いアルカリ性になると、NO3 -及びNO2 -の還元速度が低下するが、銅と亜鉛の合金である真鍮である場合には、銅よりもイオン化傾向の大きい亜鉛が犠牲電極として作用するため、窒素化合物の還元速度のpH依存性がなくなり、結果として銅、亜鉛単体よりも還元特性が向上されるためである。
【0035】
そのため、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力が向上される。
【0036】
特に、カソード6に真鍮を用いた場合には、著しくNO3 -濃度が減少させることができるため、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮し、低濃度の硝酸イオンも還元することができるようになる。
【0037】
一方、アノード5側では、上述の如き脱窒反応に加えて、カソード6側において、硝酸イオンを亜硝酸イオンに還元させたものを、また、亜硝酸イオンから硝酸イオンへ酸化する酸化反応が生じている。これにより、カソード6での硝酸イオンの還元反応に対して、アノード5で亜硝酸イオンの酸化反応(反応K)が生じてしまうため、窒素処理効率が悪くなる問題があった。以下に、反応Kを示す。
反応K NO2 -+H2O→NO3 -+H++2e-
【0038】
そのため、本発明の窒素処理方法では、このアノード5にて生じる亜硝酸イオンの酸化反応を遅延させ、カソード6にて生じる硝酸イオンの還元反応を促進するため、カソード6の表面積を、アノード5の表面積よりも大きいものを使用する。
【0039】
これにより、アノード5にて生じる窒素化合物、特に、亜硝酸態窒素、即ち亜硝酸イオンから硝酸態窒素、即ち硝酸イオンへの酸化反応を低減させ、これに伴ってカソードにて生じる硝酸イオンの還元反応を促進することができるようになる。
【0040】
更にまた、本実施例における窒素処理装置1には、上述の如く、アノード5とカソード6との間に位置して、アノード5を囲繞するように遮蔽部材9が設けられているので、アノード5表面から発生した活性酸素がカソード6に移動し、カソード6における還元反応を阻害することを防止することができるようになる。
【0041】
また、被処理水中のイオンのみが遮蔽部材9を透過することにより、硝酸態窒素、即ち、硝酸イオンが該遮蔽部材9を透過し、アノード5からカソード6に移動し、カソードにて還元反応を行うことができるため、硝酸イオンの還元反応を促進することができるようになる。
【0042】
また、アノード5側に流水の影響を受けない構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置するので、被処理水の流水による撹拌又は、前記撹拌子10による撹拌が、カソード6側の硝酸態窒素の還元反応を促進する際に、アノード5側の被処理水が撹拌されるのを防ぎ、電気泳動による希薄塩素イオンのアノード5への供給を促し、結果として、次亜塩素酸による窒素化合物の処理が向上する。
【0043】
更にまた、遮蔽部材9は、上述の如く、円筒状に形成され、下方に開放されているため、アノード5を完全に遮蔽部材9に包囲することによりNO3 -がアノード5に積極的に引きつけられ、カノード電極6にNO3 -が移動せずに、NO3 -の還元反応の効率が低下することを未然に回避することができるようになる。これにより、より一層硝酸態窒素の還元反応を促進することができるようになり、窒素化合物の処理効率を向上させることができるようになる。
【0044】
また、アノード5におけるアンモニアへの脱窒反応を促進させるため、被処理水内に、例えば塩素イオンや、ヨウ素イオンや、臭素イオンなどのハロゲンイオンや、これらハロゲンイオンを含む化合物、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどを添加なども考えられる。
【0045】
尚、添加剤に塩化ナトリウムを用いる場合には、著しく窒素化合物の除去効率が向上されるため、アノード5とカソード6の面積を同一とすることができる。これにより、本発明を実現する窒素処理装置の構造を簡素化することができ、更に装置の小型化を可能とすることができるようになる。
【0046】
また、本発明の第1の具体的応用例としては、図5に示す如く生物的処理浄化槽、本実施例では所謂活性汚泥処理槽11に被処理水を貯留し、該活性汚泥処理槽11にてCOD及びBODを除去した後、該COD及びBOD処理が成された被処理水を本発明を適用した窒素処理装置1の処理槽2にて窒素化合物の処理を行う。
【0047】
これにより、被処理水を活性汚泥処理槽11にて一旦COD及びBODの処理をした後、更に、窒素処理装置1にて窒素化合物の処理を行うことができるようになり、被処理水を効果的に処理することができるようになる。また、活性汚泥処理槽11にて処理された被処理水は、活性汚泥処理槽11内にて発生する菌が含まれているが、窒素処理装置1にて上述の如く次亜塩素酸や活性酸素により殺菌するため、被処理水を環境に適した状態で排水処理することができるようになる。
【0048】
更に、本発明の第2の具体的応用例としては、図6に示す如く、所謂電解浮上によって被処理水中の浮遊物質を除去することもできる。
【0049】
また更に、本発明の第3の具体的応用例としては、図7に示す如く生け簀や水族館などでの魚類を生息させる水槽12の水の窒素化合物除去に使用することができる。魚類を生息させる水槽には、魚から排出されるアンモニア等の窒素化合物によって水が著しく汚染されるため、定期的に水槽内の水を交換する必要があった。そこで、窒素化合物を含む水槽12内の水を前記窒素処理装置1にて窒素化合物の処理を行い、その後、窒素処理装置1から排水された被処理水を次亜塩素酸除去装置13にて被処理水中の次亜塩素酸を除去し、水槽12内に戻す。
【0050】
これにより、水槽12内の水を定期的に交換する必要がなくなり、水槽12のメンテナンス作業性を向上させることができる。また、水槽12から窒素処理装置1に貯留された被処理水は、次亜塩素酸によって殺菌されるため、その後、係る被処理水が水槽12に戻されることにより、水槽12内の魚の生存率を向上させることができるようになる。
【0051】
またこの他に、本発明の第4の具体的応用例として、図8に示す如く空気中のNOxガスを光触媒やスクラバーなどによって水中に溶かし、硝酸水溶液とする。そして、該硝酸水溶液を本発明を適用した窒素除去装置1によって窒素除去を行う。これにより、NOxガスを水中に溶かし、硝酸水溶液とし、該硝酸水溶液を土壌に排水することにより生じる土壌が著しい酸性となることを未然に回避することができるようになる。そのため、酸性となった土壌を薬剤を使用することなく、中性に保つことができるようなる。
【0052】
また、これ以外に、本発明を適用した窒素除法方法は、プールや浴場における被処理水の浄化及び井戸水や地下水の浄化などにも適用することができるものとする。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、電気化学的手法により被処理水中の有機態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸イオン又はアンモニアのうちの何れかの窒素化合物を処理する方法において、カソードを構成する金属材料として、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応を促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮することができるようになる。
【0054】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力が向上される。
【0055】
請求項1の発明によれば、カソードを構成する金属材料として銅と亜鉛又は銅とニッケル又は銅とアルミニウムを含む合金若しくは銅と鉄の焼結体を用いるので、特に、被処理水中の硝酸態窒素の亜硝酸態窒素及びアンモニアへの還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮することができるようになる。
【0056】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物を除去することができるようになり、窒素化合物の処理能力がより一層向上される。
【0057】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、アノードを構成する金属材料として不溶性材料又はカーボンを用いると共に、カソードの面積をアノードの面積よりも大きくするので、アノードにて生じる窒素化合物特に、亜硝酸態窒素から硝酸態窒素への酸化反応を低減させ、これに伴ってカソードにて生じる硝酸態窒素の還元反応を促進することができるようになる。
【0058】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて、カソードとアノードの間に、酸素気泡の通過を阻止する構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置するので、アノード側で発生した活性酸素により窒素化合物の脱窒反応を行うと共に、イオンのみが遮蔽部材を透過することにより、窒素化合物、特に硝酸態窒素の還元反応を促進することができるようになる。
【0059】
また、請求項3の発明によれば、アノード側に流水の影響を受けない構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置するので、被処理水の流水による撹拌が、カソード側の硝酸態窒素の還元反応を促進する際に、アノード側の被処理水が撹拌されるのを防ぎ、電気泳動による希薄塩素イオンのアノードへの供給を促し、結果として、次亜塩素酸による窒素化合物の処理が向上する。
【0060】
請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であるので、前記生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0061】
請求項5の発明の窒素処理システムによれば、請求項1、請求項2又は請求項3の窒素処理方法により被処理水中の窒素化合物を処理する窒素処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の窒素処理方法を実現するための窒素処理装置の概要を示す説明図である。
【図2】 アノードの構造説明図である。
【図3】 各種単体金属により構成されるカソードの還元特性を示す図である。
【図4】 各種銅合金により構成されるカソードの還元特性を示す図である。
【図5】 本発明の第1の具体的応用例を説明する図である。
【図6】 本発明の第2の具体的応用例を説明する図である。
【図7】 本発明の第3の具体的応用例を説明する図である。
【図8】 本発明の第4の具体的応用例を説明する図である。
【符号の説明】
1 窒素処理装置
2 処理槽
4 排水処理室
5 アノード
6 カソード
7 電源
9 遮蔽部材
10 撹拌子
11 活性汚泥処理槽
12 水槽
13 次亜塩素酸除去装置

Claims (5)

  1. 電気化学的手法により被処理水中の有機態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸イオン又はアンモニアのうちの何れかの窒素化合物を処理する方法であって、
    カソードを構成する金属材料として、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いてなる窒素処理方法において、
    前記カソードに、銅と亜鉛又は銅とニッケル又は銅とアルミニウムを含む合金若しくは銅と鉄の焼結体を用いることを特徴とする窒素処理方法。
  2. アノードを構成する導電性材料として不溶性材料又はカーボンを用いると共に、前記カソードの面積を前記アノードの面積よりも大きくすることを特徴とする請求項1の窒素処理方法。
  3. 前記カソードとアノードの間に、酸素気泡の通過を阻止し、且つ、アノード側に流水の影響を受けない構造とすると共に、イオンの通過は許容する遮蔽部材を配置することを特徴とする請求項1又は請求項2の窒素処理方法。
  4. 前記被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の窒素処理方法。
  5. 前記請求項1、請求項2又は請求項3の窒素処理方法により被処理水中の窒素化合物を処理する窒素処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したことを特徴とする窒素処理システム。
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