JP3738188B2 - 排水処理装置及び排水処理システム - Google Patents

排水処理装置及び排水処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リン酸やリン化合物及びリン酸イオンや有機態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、アンモニア態窒素を含む排水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、川や湖の富栄養化の原因の1つに窒素化合物及びリン化合物の存在があることは周知である。また、このリン化合物や窒素化合物は、一般家庭の生活排水中や工場排水中に多く存在するが、浄化処理が困難なものであり、有効な対策がとれないのが現状である。一般に、窒素化合物に処理には、生物的処理が行われており、先ずアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱窒工程の2つの工程により行われている。
【0003】
他方、リン化合物の処理方法については鉄電解溶出法が知られている。この技術は、被処理水中において、鉄電解により発生した鉄イオンと、リン酸イオンを反応させ、水不溶性のリン酸鉄として沈殿させて除去する技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の生物的処理の窒素化合物及びリン化合物の処理装置では、2つの反応槽が必要となると共に、処理時間が遅いため、処理効率が低下する問題があった。また、従来の方法では、窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水を同時に処理するものではないため、装置が大型化する問題があった。
【0005】
また、該生物的処理では、硝化菌及び脱窒素細菌を保有するために、大容量の好気槽及び嫌気槽が必要となり、設備建設コストの高騰、装置設置面積の増大を招く問題があった。更に、該脱窒素細菌は、周囲の温度環境、その他、被処理水中に含まれる成分などにより、著しく影響されるため、特に、温度が低くなる冬場になると、活動が低下し、脱窒素作用が低下し、処理効率が不安定となる問題があった。
【0006】
更に、同一処理槽において、電解による窒素化合物の処理と、鉄電解によるリン化合物の処理とを同時に行う場合には、両処理における電極に加える電圧や電流の条件が異なるため、窒素化合物の電解処理に合わせてリン化合物の鉄電解による処理を行うと、著しく鉄溶出が生じてしまうため、同一処理槽において、窒素化合物及びリン化合物の処理を行うことは、困難であった。
【0007】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、同一処理槽内で窒素化合物及びリン化合物の処理を行うと共に、効率的に窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水の処理を行うことができる排水処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物を処理する排水処理装置において、被処理水を受容する処理槽と、該被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性材料にて構成されるカソードと、被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性の不溶性材料又はカーボンにて構成されるアノードと、処理槽内に、被処理水中に浸漬され、アノード及びカソードと離間した位置に鉄材料を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物を処理する排水処理装置において、被処理水を受容する処理槽と、該被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性材料にて構成されるカソードと、被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性の不溶性材料又はカーボンにて構成されるアノードと、処理槽内に、被処理水中に浸漬され、アノード及びカソードと離間した位置に鉄材料を備えたので、鉄材料に加えられる電位が適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができ、同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0010】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物及びリン化合物を除去することができるようになり、排水処理能力が向上される。
【0011】
また、格別に別個の処理槽を設けることなく、同一の槽内においてリン化合物及び窒素化合物の処理を行うことができるようになり、本発明を実現する処理装置を小型化することができるようになる。
【0012】
請求項2の発明の排水処理装置は、請求項1の発明に加えて、カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素のアンモニア態窒素への還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を更に短縮することができるようになる。
【0014】
請求項3の発明の排水処理装置は、請求項1又は請求項2の発明に加えて、鉄材料は、アノードのカソード側、且つカソードのアノード側に位置することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて、鉄材料は、アノードのカソード側、且つカソードのアノード側に位置するので、鉄材料に加えられる電位がより一層、適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができ、同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0016】
請求項4の発明の排水処理装置は、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、鉄材料は、アノードの縁部とカソードの縁部を結んだ線よりも外側に位置することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、鉄材料は、アノードの縁部とカソードの縁部を結んだ線よりも外側に位置するので、アノード及びカソードから鉄材料へ加えられる電位を適度に抑制することができるため、より一層鉄材料の鉄溶出量を適度に抑制することができ、これにより同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0018】
請求項5の排水処理装置は、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の発明に加えて鉄材料は、処理槽に設置位置調整手段により固定されると共に、設置位置調整手段は、鉄材料を任意に移動することにより、アノード又はカソードとの間隔を変更可能とすることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の発明に加えて鉄材料は、処理槽に設置値調整手段により固定されると共に、設置位置調整手段は、鉄材料を任意に移動することにより、アノード又はカソードとの間隔を変更可能とするので、設置位置調整手段を操作することにより、被処理水中に存在するリン化合物の量に合わせて鉄材料とアノード又はカソードとの間隔を変更することができるようになる。
【0020】
そのため、被処理水中に存在するリン化合物の量が少ない場合には、アノード又はカソードと鉄材料との間隔を広くすることにより、鉄材料からの鉄溶出量を著しく抑制し、必要以上に鉄溶出が生じることを回避することができるようになる。また、被処理水中に存在するリン化合物の量が多い場合には、アノード又はカソードと鉄材料との間隔を狭くすることにより、鉄材料からの鉄溶出量を多くし、被処理水中のリン化合物の処理に必要な量の鉄溶出を生じさせることができるようになる。
【0021】
請求項6の発明の排水処理装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であることを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であるので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0023】
請求項7の発明の排水処理システムは、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したことを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明の排水処理システムによれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の窒素及びリン処理方法を実現するための排水処理装置1の概要を示す説明図である。本実施例における排水処理装置1は、内部に図示しない排水の流入口と流出口を有する処理室4を構成する処理槽2と、該処理室4内の被処理水中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置される一対の電極、即ち、アノード5と、カソード6と、該電極5、6に通電するための電源7と、該電極7を制御するための図示しない制御装置とから構成されている。尚、図中10は、処理槽2内を撹拌するための撹拌手段としての撹拌子である。
【0026】
前記カソード6は、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものにより構成されており、前記アノード5は、不溶性金属、例えば白金、イリジウム、パラジウム又はその酸化物を含む不溶性電極又はカーボンなどから構成されている。
【0027】
また、アノード5とカソード6との間に位置して、アノード5を囲繞するように、図2に示される如き円筒状に形成された遮蔽部材9が設けられている。該遮蔽部材9は、例えばガラス繊維やプラスチックのメッシュなどの非導電性部材にて構成されており、これにより、アノード5から発生する酸素気泡が、カソード6側に通過することを阻止することができる。このとき、アノード5側に存するイオンは、該遮蔽部材9を通過してカソード6側に移動することができる。
【0028】
更に、処理槽2内には、鉄材料としての例えば棒状に形成された鉄棒15が設けられる。この鉄棒15は、前記カソード及び前記アノードと平行するように、設置位置調整手段としての吊下部材16により固定されている。このとき、鉄棒15は、アノード5のカソード6側であって、カソード6のアノード5側に相当する位置であって、且つ、アノードの縁部、例えば、アノードの下端と、カソードの縁部、例えば、カソードの下端を結んだ線よりも外側、本実施例では、下側に位置するように設けられる。
【0029】
また、この鉄棒15の位置は、吊下部材16により、例えば、図3に示す如くアノード5及びカソード6の下端(図3では、Aの位置)から、アノード5及びカソード6の下端から所定間隔を存した位置(図3では、Bの位置)まで、任意に移動可能とされている。尚、本実施例では、設置位置調整手段として吊下部材16を挙げているが、これ以外に、鉄棒15の両端を処理槽2の内壁に固定する保持部材を用いても良い。また、本実施例では、鉄材料は、棒状の鉄棒15により構成しているが、これ以外の形態であっても良いものとする。
【0030】
以上の構成により、処理槽2内の処理室4に硝酸性窒素及びリン化合物を含む被処理水を貯留し、前記制御装置により電源7をONとし、カソード6及びアノード5に通電する。これにより、カソード6側では、被処理水中に含まれる硝酸イオンは、還元反応により亜硝酸イオンに変換される(反応A)。また、硝酸イオンの還元反応により生成された亜硝酸イオンは、更に、還元反応により、アンモニアに変換される(反応B)。以下に、反応A及び反応Bを示す。
反応A NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応B NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
【0031】
一方、アノード5側では、アノード5の表面から活性酸素や次亜塩素酸が発生し、これにより、被処理水中におけるアンモニアの脱窒作用により、窒素ガスを生成する(反応C)。以下に、反応Cを示す。
反応C NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2
【0032】
これにより、被処理水中の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素などの窒素化合物を効果的に処理可能となる。特に、本実施例では、カソード6に周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したもの、例えば銅と亜鉛の合金である真鍮を用いるので、被処理水中の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素のアンモニアへの還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を更に短縮することができるようになる。
【0033】
また、被処理水中の鉄棒15は、アノード5及びカソード6に加えられた電位により、鉄イオンが発生する。この鉄イオンは、脱リン反応により、被処理水中のリン酸イオンと凝集沈殿し、水不溶性のリン酸鉄を生成する(反応D)。以下に、反応Dを示す。
反応D Fe3++PO4 3-→FePO4
【0034】
このとき、鉄棒15の位置は、被処理水中に含まれるリン化合物の量に応じて、吊下部材16により移動させる。即ち、被処理水中に含まれるリン化合物の量が多い場合には、鉄棒15からの鉄溶出量を増加させるため、前記Aの位置にまで移動させる。これにより、鉄棒15は、アノード5及びカソード6に比較的接近するため、鉄棒15からの鉄溶出量が一定量に抑制され、被処理水中のリン酸イオンと凝集沈殿を生じる。
【0035】
また、被処理水中に含まれるリン化合物の量が少ない場合には、鉄棒15からの鉄溶出量を抑制するため、前記Bの位置にまで移動させる。これにより、鉄棒15は、アノード5及びカソード6と一定以上間隔を存するため、鉄棒15からの鉄溶出量が抑制され、過剰に鉄が溶出されることを回避することができるようになる。
【0036】
本実施例では、鉄棒15の位置を限定しているが、これ以外に、アノード5とカソード6の間や、これ以外の位置であって、アノード5とカソード6と接触しない位置に鉄棒15を設置しても、被処理水中のリン化合物を除去することができる。また、アノード5やカソード6に接触した状態で鉄棒15を設置した場合に比して、鉄棒15に適度の電位を加えることができ、鉄溶出量を抑制することができるため、鉄棒15の交換等のメンテナンス作業性を軽減させることができると共に、不必要な鉄溶出を軽減させることができるようになる。
【0037】
これにより、鉄棒15の位置を変更させることにより、鉄棒15に加えられる電位を調整することができ、鉄棒15からの鉄溶出量を調整することができるようになる。そのため、被処理水に含まれるリン化合物の量に合わせて鉄溶出量を変更することができるため、過剰な鉄溶出を回避することができるようになる。
【0038】
一方、図4に示される実験結果は、アノード5及びカソード6に白金、イリジウム系の電極を使用し、一般的な家庭排水の被処理水を電解した場合における時間経過に伴う各イオンの濃度変化を示している。尚、実験条件は以下の如くである。
電極形状 アノード5:幅35mm×高さ100mm×厚み1mm
カソード6:幅200mm×高さ100mm
電解条件 定電流電解:0.4A
電極相互の間隔 :30mm
各極と鉄材料15との間隔:20mm
【0039】
図4によると、被処理水中に含まれる窒素化合物であるグルタミン酸は、電解により、徐々にアンモニウムイオンに変化されるため、時間の経過に伴って減少していき、電解開始から30分経過後には、被処理水中に殆ど存在していない。これに対し、硝酸イオンは、被処理水中の亜硝酸イオンの酸化により一旦増加した後、カソード6において、徐々にアンモニアイオンに変化されるため、時間の経過に伴って減少していき、電解開始から150分経過後には、被処理水中に殆ど存在していない。また、カソード6において生じるアンモニアイオンは、徐々に増加した後、一定時間経過後には、徐々に減少し、電解開始から150分後には、被処理水中にほぼ存在していない。
【0040】
また、アノード5近傍において、被処理水中のリン酸イオンは、アノード5及びカソード6の電位に影響された鉄材料15の鉄溶出による鉄イオンと脱リン反応を生じ、これにより、処理槽2の底面等にリン酸鉄の状態で、沈殿生成される。そのため、リン酸イオンは、時間の経過に伴って、徐々に減少し、電解開始から170分経過後には、リン酸イオンは、被処理水中にほぼ存在していない。
【0041】
これにより、上述の如くアノード5及びカソードと離間した位置に設けられた鉄材料15により、被処理水中のリン酸イオンの除去に必要な鉄イオンを供給することができるようになり、効率的に被処理水中のリン化合物の処理を行うことができるようになる。
【0042】
また、このとき、鉄材料15は、アノード5及びカソード6と離間した位置に設けられているため、鉄材料15に加えられる電位が適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができ、同一処理槽2内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0043】
そのため、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物及びリン化合物を除去することができるようになり、排水処理能力が向上される。
【0044】
また、格別に別個の処理槽を設けることなく、同一の槽内においてリン化合物及び窒素化合物の処理を行うことができるようになり、処理装置を小型化することができるようになる。
【0045】
また更に、鉄材料15の設置位置は、アノード5のカソード6側、且つカソード6のアノード5側に位置するため、鉄材料15に加えられる電位がより一層、適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができるようになる。また、本実施例では、更に、鉄材料15の設置位置は、アノード5の縁部とカソード6の縁部を結んだ線よりも外側となるように設置しているため、より一層鉄材料15の鉄溶出量を適度に抑制することができるようになる。
【0046】
また、本発明の第1の具体的応用例としては、図5に示す如く生物的処理浄化槽、本実施例では所謂活性汚泥処理槽11に被処理水を貯留し、該活性汚泥処理槽11にてCOD及びBODを除去した後、該COD及びBOD処理が成された被処理水を本発明を適用した排水処理装置1の処理槽2にて窒素化合物及びリン化合物の処理を行う。
【0047】
これにより、被処理水を活性汚泥処理槽11にて一旦COD及びBODの処理をした後、更に、排水処理装置1にて窒素化合物及びリン化合物の処理を行うことができるようになり、被処理水を効果的に処理することができるようになる。また、活性汚泥処理槽11にて処理された被処理水は、活性汚泥処理槽11内にて発生する菌が含まれているが、排水処理装置1にて上述の如く次亜塩素酸や活性酸素により殺菌するため、被処理水を環境に適した状態で排水処理することができるようになる。
【0048】
更に、本発明の第2の具体的応用例としては、図6に示す如く、所謂電解浮上によって被処理水中の浮遊物質を除去することもできる。
【0049】
また更に、本発明の第3の具体的応用例としては、図7に示す如く生け簀や水族館などでの魚類を生息させる水槽12の水の窒素化合物及びリン化合物除去に使用することができる。魚類を生息させる水槽には、魚から排出されるアンモニア等の窒素化合物によって水が著しく汚染されるため、定期的に水槽内の水を交換する必要があった。そこで、窒素化合物を含む水槽12内の水を前記排水処理装置1にて窒素化合物の処理を行い、その後、排水処理装置1から排水された被処理水を次亜塩素酸除去装置13にて被処理水中の次亜塩素酸を除去し、水槽12内に戻す。
【0050】
これにより、水槽12内の水を定期的に交換する必要がなくなり、水槽12のメンテナンス作業性を向上させることができる。また、水槽12から排水処理装置1に貯留された被処理水は、次亜塩素酸によって殺菌されるため、その後、係る被処理水が水槽12に戻されることにより、水槽12内の魚の生存率を向上させることができるようになる。
【0051】
また、これ以外に、本発明を適用した排水処理方法は、プールや浴場における被処理水の浄化及び井戸水や地下水の浄化などにも適用することができるものとする。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物を処理する排水処理装置において、被処理水を受容する処理槽と、該被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性材料にて構成されるカソードと、被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性の不溶性材料又はカーボンにて構成されるアノードと、処理槽内に、被処理水中に浸漬され、アノード及びカソードと離間した位置に鉄材料を備えたので、鉄材料に加えられる電位が適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができ、同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0053】
これにより、一般家庭や工場等から排出される窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水から効率的に窒素化合物及びリン化合物を除去することができるようになり、排水処理能力が向上される。
【0054】
また、格別に別個の処理槽を設けることなく、同一の槽内においてリン化合物及び窒素化合物の処理を行うことができるようになり、本発明を実現する処理装置を小型化することができるようになる。
【0055】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素のアンモニアへの還元反応をより一層促進させることができ、還元反応に要する時間を更に短縮することができるようになる。
【0056】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて、鉄材料は、アノードのカソード側、且つカソードのアノード側に位置するので、鉄材料に加えられる電位がより一層、適度なものとなり、これにより、過剰な鉄溶出量を抑制することができ、同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0057】
請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、鉄材料は、アノードの縁部とカソードの縁部を結んだ線よりも外側に位置するので、アノード及びカソードから鉄材料へ加えられる電位を適度に抑制することができるため、より一層鉄材料の鉄溶出量を適度に抑制することができ、これにより同一処理槽内で、窒素化合物とリン化合物を同時に処理することができるようになる。
【0058】
請求項5の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の発明に加えて鉄材料は、処理槽に設置値調整手段により固定されると共に、設置位置調整手段は、鉄材料を任意に移動することにより、アノード又はカソードとの間隔を変更可能とするので、設置位置調整手段を操作することにより、被処理水中に存在するリン化合物の量に合わせて鉄材料とアノード又はカソードとの間隔を変更することができるようになる。
【0059】
そのため、被処理水中に存在するリン化合物の量が少ない場合には、アノード又はカソードと鉄材料との間隔を広くすることにより、鉄材料からの鉄溶出量を著しく抑制し、必要以上に鉄溶出が生じることを回避することができるようになる。また、被処理水中に存在するリン化合物の量が多い場合には、アノード又はカソードと鉄材料との間隔を狭くすることにより、鉄材料からの鉄溶出量を多くし、被処理水中のリン化合物の処理に必要な量の鉄溶出を生じさせることができるようになる。
【0060】
請求項6の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の発明に加えて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であるので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【0061】
請求項7の発明の排水処理システムによれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性酸素により殺菌した後、排水処理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理装置の概要を示す説明図である。
【図2】アノードの構造説明図である。
【図3】処理槽内の構成を示す図である。
【図4】各イオン濃度の変化を示す図である。
【図5】本発明の第1の具体的応用例を説明する図である。
【図6】本発明の第2の具体的応用例を説明する図である。
【図7】本発明の第3の具体的応用例を説明する図である。
【符号の説明】
1 排水処理装置
2 処理槽
4 排水処理室
5 アノード
6 カソード
7 電源
9 遮蔽部材
10 撹拌子
11 活性汚泥処理槽
12 水槽
13 次亜塩素酸除去装置
15 鉄棒
16 吊下部材

Claims (7)

  1. 電気化学的手法により被処理水中のリン酸とリン化合物とリン酸イオンのうちの何れか若しくは全て、及び、有機態窒素と亜硝酸態窒素と硝酸態窒素とアンモニア態窒素のうちの何れか若しくは全てを処理する排水処理装置であって、
    被処理水を受容する処理槽と、
    該被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性材料にて構成されるカソードと、
    前記被処理水に少なくとも一部が浸漬されると共に、導電性の不溶性材料又はカーボンにて構成されるアノードと、
    前記処理槽内に、前記被処理水中に浸漬され、設置位置調整手段により前記アノード及び前記カソードと離間した位置に固定された鉄材料を備えたことを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記カソードを構成する導電性材料は、周期表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被覆したものを用いることを特徴とする請求項1の排水処理装置。
  3. 前記鉄材料は、前記アノードのカソード側、且つカソードのアノード側に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2の排水処理装置。
  4. 前記鉄材料は、前記アノードの縁部とカソードの縁部を結んだ線よりも外側に位置することを特徴とする請求項3の排水処理装置。
  5. 前記設置位置調整手段は、前記鉄材料を任意に移動することにより、前記鉄材料と、前記アノード又は前記カソードとの間隔を変更可能とすることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の排水処理装置。
  6. 前記被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の水であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置。
  7. 前記請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置を生物的処理浄化槽の後段に配置したことを特徴とする排水処理システム。
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