JP3524894B2 - 排水処理方法及び排水処理用添加剤 - Google Patents

排水処理方法及び排水処理用添加剤

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JP3524894B2
JP3524894B2 JP2001259859A JP2001259859A JP3524894B2 JP 3524894 B2 JP3524894 B2 JP 3524894B2 JP 2001259859 A JP2001259859 A JP 2001259859A JP 2001259859 A JP2001259859 A JP 2001259859A JP 3524894 B2 JP3524894 B2 JP 3524894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸やリン化合
物及びリン酸イオンや有機態窒素、亜硝酸態窒素及び
酸態窒素を含む被処理水の排水処理方法及び被処理水に
添加する排水処理用添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、川や湖の富栄養化の原因の1
つに窒素化合物及びリン化合物の存在があることは周知
である。また、このリン化合物や窒素化合物は、一般家
庭の生活排水中や工場排水中に多く存在するが、浄化処
理が困難なものであり、有効な対策がとれないのが現状
である。一般に、窒素化合物に処理には、生物的処理が
行われており、先ずアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変
換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱
窒工程の2つの工程により行われている。
【0003】一方、リン化合物の処理方法には種々提案
されているが、家庭排水については石灰凝集沈殿法や凝
集剤による凝集沈殿法が知られている。石灰凝集沈殿法
は、被処理水中のリン酸イオンをカルシウムイオンと反
応させて水不溶性の塩、カルシウムヒドロキシアパタイ
トとして凝縮沈殿させて除去する技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
生物的処理では、2つの反応槽が必要となると共に、処
理時間が遅いため、処理効率が低下する問題があった。
また、上記従来の方法では、窒素化合物及びリン化合物
を含む被処理水を同時に処理するものではないため、装
置が大型化する問題があった。
【0005】また、該生物的処理では、硝化菌及び脱窒
素細菌を保有するために、大容量の好気槽及び嫌気槽が
必要となり、設備建設コストの高騰、装置設置面積の増
大を招く問題があった。更に、該脱窒素細菌は、周囲の
温度環境、その他、被処理水中に含まれる成分などによ
り、著しく影響されるため、特に、温度が低くなる冬場
になると、活動が低下し、脱窒素作用が低下し、処理効
率が不安定となる問題があった。
【0006】そこで、本発明は従来の技術的課題を解決
するために成されたものであり、効率的に窒素化合物及
びリン化合物を含む被処理水の処理を行うことができる
排水処理方法及び排水処理用添加剤を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の排水処理方法
は、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及び
リン化合物を処理するものであって、カソードを構成す
る金属材料は、導電体であり、アノードを構成する導電
性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共に、被処
理水には、塩化物イオン増量剤と凝集剤を添加すること
を特徴とする。
【0008】本発明の排水処理方法によれば、電気化学
的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物を
処理するものであって、カソードを構成する金属材料
は、導電体であり、アノードを構成する導電性材料は、
不溶性材料又はカーボンであると共に、被処理水には、
塩化物イオン増量剤と凝集剤を添加するので、塩化物イ
オン増量剤により、被処理水の電解により生じる塩素及
び次亜塩素酸の発生量を増加させることができ、被処理
水中に含有される硝酸態窒素の処理効率を向上させるこ
とができる。
【0009】また、本発明では、塩化物イオン増量剤に
加えて凝集剤を被処理水に添加するため、上記効果に加
えて凝集剤により、被処理水中に含有されるリン化合
物、即ち、有機物や被処理水中に電離したリン酸イオン
を凝集沈殿させることができ、リン化合物の処理をも行
うことができる。
【0010】更に、係る凝集剤は、リン化合物を凝集沈
殿させることにより、電解における消費電力量に対する
被処理水の処理効率が向上し、節電を図ることができる
ようになる。
【0011】請求項2の発明の排水処理方法は、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
を処理するものであって、カソードを構成する金属材料
は、導電体であり、アノードを構成する導電性材料は、
不溶性材料又はカーボンであると共に、被処理水には、
塩化カルシウムと凝集剤を添加することを特徴とする。
【0012】請求項2の発明の排水処理方法によれば、
電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン
化合物を処理する排水処理方法であって、カソードを構
成する金属材料は、導電体であり、アノードを構成する
導電性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共に、
被処理水には、塩化カルシウムと凝集剤を添加するの
で、塩化カルシウムの塩化物イオンにより、被処理水中
のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物質と脱窒反応を
することにより、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素
成分を効果的に除去することができるようになる。
【0013】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により被処理水中のリン酸イオンと凝集
沈殿させることができる。
【0014】また、係る発明では、塩化カルシウムに加
えて凝集剤を添加するため、係る凝集剤により、被処理
水中に含有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水
中に電離したリン酸イオンを凝集沈殿させることがで
き、より一層効率的にリン化合物の処理を行うことがで
きる。
【0015】これにより、電解における消費電力量に対
する被処理水の処理効率が向上し、節電を図ることがで
きるようになる。
【0016】請求項3の発明の排水処理方法は、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
を処理するものであって、カソードを構成する金属材料
は、導電体であり、アノードを構成する導電性材料は、
不溶性材料又はカーボンであると共に、被処理水には、
塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カルシウムを添加す
ることを特徴とする。
【0017】請求項3の発明の排水処理方法によれば、
電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン
化合物を処理する排水処理方法において、カソードを構
成する金属材料は、導電体であり、アノードを構成する
導電性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共に、
被処理水には、塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カル
シウムを添加するので、塩化物イオン増量剤により、被
処理水の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量
を増加させることができ、被処理水中に含有されるアン
モニア態窒素及び硝酸態窒素の処理効率を向上させるこ
とができる。
【0018】また、係る発明では、塩化物イオン増量剤
に加えて凝集剤を被処理水に添加するため、上記効果に
加えて凝集剤により、被処理水中に含有されるリン化合
物、即ち、有機物や被処理水中に電離したリン酸イオン
を凝集沈殿させることができ、リン化合物の処理をも行
うことができる。
【0019】更に、リン化合物を凝集沈殿させることに
より、電解における消費電力量に対する被処理水の処理
効率が向上し、節電を図ることができるようになる。
【0020】また更に、係る発明では、塩化物イオン増
量剤と凝集剤に加えて、塩化カルシウムを被処理水に添
加するため、上記効果に加えて、塩化カルシウムの塩化
物イオンにより、被処理水中のアンモニアが例えば次亜
塩素酸等の物質と脱窒反応をすることにより、相乗効果
によって、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素成分を
効果的に除去することができるようになる。
【0021】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
により、リン酸イオンを凝縮沈殿させることができるた
め、効率的にリン化合物の処理を行うことができるよう
になる。
【0022】請求項4の発明の排水処理用添加剤は、導
電体により構成されるカソードと、不溶性材料又はカー
ボンにより構成されるアノードを用いて、電気化学的手
法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物の処理
を行う被処理水に添加されるものであって、この添加剤
は、塩化物イオン増量剤と凝集剤とから構成されること
を特徴とする。
【0023】請求項4の発明の排水処理用添加剤は、導
電体により構成されるカソードと、不溶性材料又はカー
ボンにより構成されるアノードを用いて、電気化学的手
法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物の処理
を行う被処理水に添加される排水処理用添加剤であっ
て、この添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤とから
構成されるので、塩化物イオン増量剤により、被処理水
の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量を増加
させることができ、被処理水中に含有される硝酸態窒素
の処理効率を向上させることができる。
【0024】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化物イオン増量剤に加えて凝集剤により構成されるた
め、塩化物イオン増量剤によるアンモニア態窒素及び硝
酸態窒素の処理に加えて、凝集剤の効果により、被処理
水中に含有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水
中に電離したリン酸イオンを凝集沈殿させることがで
き、リン化合物の処理をも行うことができる。また、リ
ン化合物の凝集沈殿により、電解における消費電力量の
節電を実現することができるようになる。
【0025】これにより、複数の添加剤を被処理水に添
加することによる煩雑なメンテナンス作業性を簡素化す
ることができるようになる。
【0026】請求項5の発明の排水処理用添加剤は、導
電体により構成されるカソードと、不溶性材料又はカー
ボンにより構成されるアノードを用いて、電気化学的手
法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物の処理
を行う被処理水に添加される添加剤であって、この添加
剤は、塩化カルシウムと凝集剤とから構成されることを
特徴とする。
【0027】請求項5の発明の排水処理用添加剤によれ
ば、導電体により構成されるカソードと、不溶性材料又
はカーボンにより構成されるアノードを用いて、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
の処理を行う被処理水に添加される添加剤であって、こ
の添加剤は、塩化カルシウムと凝集剤とから構成されて
いるので、塩化カルシウムの塩化物イオンにより、被処
理水中のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物質と脱窒
反応をすることにより、硝酸態窒素及び窒素化合物など
の窒素成分を効果的に除去することができるようにな
る。
【0028】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により被処理水中のリン酸イオンと凝集
沈殿させることができる。
【0029】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化カルシウムに加えて、凝集剤により構成されているた
め塩化カルシウムによる硝酸態窒素の処理及びリン酸イ
オンの凝集沈殿に加えて、係る凝集剤により、被処理水
中に含有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中
に電離したリン酸イオンを凝集沈殿させることができ、
より一層効率的にリン化合物の処理を行うことができ
る。また、電解における消費電力量に対する被処理水の
処理効率が向上し、節電を図ることができるようにな
る。
【0030】これにより、複数の添加剤を被処理水に添
加することによる煩雑なメンテナンス作業性を簡素化す
ることができるようになる。
【0031】請求項6の排水処理用添加剤は、導電体に
より構成されるカソードと、不溶性材料又はカーボンに
より構成されるアノードを用いて、電気化学的手法によ
り被処理水中の窒素化合物及びリン化合物の処理を行う
被処理水に添加される添加剤であって、この添加剤は、
塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カルシウムとから構
成されることを特徴とする。
【0032】請求項6の発明の排水処理用添加剤によれ
ば、導電体により構成されるカソードと、不溶性材料又
はカーボンにより構成されるアノードを用いて、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
の処理を行う被処理水に添加される添加剤であって、こ
の添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カルシ
ウムとから構成されているので、塩化物イオン増量剤に
より、被処理水の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸
の発生量を増加させることができ、被処理水中に含有さ
れる硝酸態窒素の処理効率を向上させることができる。
【0033】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化物イオン増量剤に加えて凝集剤と塩化カルシウムによ
り構成されているため、凝集剤により、被処理水中に含
有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中に電離
したリン酸イオンを凝集沈殿させることができ、リン化
合物の処理を行うことができる。また、電解における消
費電力量に対する被処理水の処理効率が向上し、節電を
図ることができるようになる。
【0034】また、塩化カルシウムの塩化物イオンによ
り、被処理水中のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物
質と脱窒反応をすることにより、硝酸態窒素、アンモニ
ア態窒素及び窒素化合物などの窒素成分を効果的に除去
することができるようになる。
【0035】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により、より一層効率的に被処理水中の
リン酸イオンと凝集沈殿させることができる。
【0036】また、本発明の添加剤は、上記塩化物イオ
ン増量剤と、凝集剤と、塩化カルシウムとから構成され
ているため、係る添加剤を被処理水に添加することによ
り、それぞれの薬剤を被処理水に添加する煩雑なメンテ
ナンス作業性を簡素化することができるようになる。
【0037】請求項7の発明は、請求項1、請求項3、
請求項4又は請求項6の排水処理方法又は排水処理用添
加剤において、塩化物イオン増量剤は、塩化カリウム、
又は塩化ナトリウムであることを特徴とする。
【0038】請求項7の発明によれば、請求項1、請求
項3、請求項4又は請求項6の排水処理方法又は排水処
理用添加剤において、塩化物イオン増量剤は、塩化カリ
ウム、又は塩化ナトリウムであるため、容易に請求項
1、請求項3、請求項4、又は請求項6の排水処理方法
及び排水処理用添加剤を実現することができるようにな
る。
【0039】請求項8の発明は、上記各発明において、
凝集剤は、無機凝集剤又は高分子凝集剤であることを特
徴とする。
【0040】請求項8の発明によれば、上記各発明にお
いて、凝集剤は、無機凝集剤又は高分子凝集剤であるの
で、容易に請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、
請求項5、請求項6又は請求項7の排水処理方法又は排
水処理用添加剤を実現することができるようになる。
【0041】請求項9の発明は、上記各発明において、
カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib族又は
第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被
覆したものを用いることを特徴とする。
【0042】請求項9の発明によれば、上記各発明に加
えて、カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib
族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電
体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒
素と亜硝酸態窒素のアンモニアへの還元反応をより一層
促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮す
ることができるようになる。
【0043】請求項10の発明は、上記各発明におい
て、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した後の
水であることを特徴とする。
【0044】請求項10の発明によれば、上記各発明に
おいて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した
後の水であるので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥
処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共
に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性
酸素により殺菌した後、排水処理することができるよう
になる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の排
水処理方法及び排水処理用添加剤の実施形態を詳述す
る。図1は本発明の窒素及びリン処理方法を実現するた
めの排水処理装置1の概要を示す説明図である。本実施
例における排水処理装置1は、内部に図示しない排水の
流入口と流出口を有する処理室4を構成する処理槽2
と、該処理室4内の被処理水中に少なくとも一部が浸漬
するように対向して配置される一対の電極、即ち、アノ
ード5と、カソード6と、該電極5、6に通電するため
の電源7と、該電極7を制御するための図示しない制御
装置とから構成されている。尚、図中10は、処理槽2
内を撹拌するための撹拌手段としての撹拌子である。
【0046】前記カソード6は、周期表の第Ib族又は
第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電体に被
覆したものにより構成されており、前記アノード5は、
不溶性金属、例えば白金、イリジウム、パラジウム又は
その酸化物を含む不溶性電極又はカーボンなどから構成
されている。
【0047】また、アノード5とカソード6との間に位
置して、アノード5を囲繞するように、図2に示される
如き円筒状に形成された遮蔽部材9が設けられている。
該遮蔽部材9は、例えばガラス繊維やプラスチックのメ
ッシュなどの非導電性部材にて構成されており、これに
より、アノード5から発生する酸素気泡が、カソード6
側に通過することを阻止することができる。このとき、
アノード5側に存するイオンは、該遮蔽部材9を通過し
てカソード6側に移動することができる。
【0048】以上の構成により、処理槽2内の処理室4
に硝酸性窒素及びリン化合物を含む被処理水を貯留す
る。このとき、被処理水には、塩化物イオン増量剤と、
凝集剤と、塩化カルシウムとを混合して構成される排水
処理用添加剤15を添加するものとする。ここで、前記
塩化物イオン増量剤は、塩化カリウム又は塩化ナトリウ
ムより構成されているものとする。また、凝集剤は、無
機凝集剤としてのポリ塩化アルミニウム又は塩化鉄(I
I)又は、高分子凝集剤としてのノリオン・アニオン性
ポリマーやカチオン性ポリマーや両性ポリマーなどによ
り構成されているものとする。
【0049】次いで、制御装置により電源7をONと
し、カソード6及びアノード5に通電する。これによ
り、カソード6側では、被処理水中に含まれる硝酸イオ
ンは、還元反応により亜硝酸イオンに変換される(反応
A)。また、硝酸イオンの還元反応により生成された亜
硝酸イオンは、更に、還元反応により、アンモニアに変
換される(反応B)。尚、このときカソード6近傍は、
アルカリ性となる。以下に、反応A及び反応Bを示す。 反応A NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH- 反応B NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
【0050】一方、アノード5側では、アノード5の表
面から活性酸素や次亜塩素酸が発生し、これにより、被
処理水中におけるアンモニアの脱窒作用により、窒素ガ
スを生成する(反応C)。以下に、反応Cを示す。 反応C NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2
【0051】これにより、被処理水中の硝酸態窒素、亜
硝酸態窒素及びアンモニア態窒素などの窒素化合物を効
果的に処理可能となる。
【0052】また、上述した如く被処理水中には、塩化
カルシウムを含有する排水処理用添加剤15が添加され
ているため、被処理水に加えられた塩化カルシウムのカ
ルシウムイオンは、上述の如くカソード6近傍がアルカ
リ性であることから、脱リン反応により被処理水中のリ
ン酸イオンと凝集沈殿し、水不溶性のカルシウムヒドロ
キシアパタイトを生成する(反応D)。以下に、反応D
を示す。 反応D 10Ca2++2OH-+6PO4 3-→Ca10(OH)2(PO46
【0053】尚、通常、上記脱リン反応Dを起こすため
には、溶液中をアルカリ性とするため、格別な薬品を加
える必要があるが、本発明では、カソード近傍は、アル
カリ性であるため、その必要がない。また、薬品等によ
りアルカリ性とされた溶液は、排水時にpH調整剤によ
り中性にする必要があるが、本発明では、該pHの調整
は不要となる。
【0054】他方、被処理水中に添加された排水処理用
添加剤15に含有された塩化カルシウムの塩化物イオン
は、アノード5において、酸化され、塩素を生成し(反
応E)、生成された塩素は、被処理水中で、水と反応
し、次亜塩素酸を生成する(反応F)。そして、生成さ
れた次亜塩素酸は、被処理水中に存するアンモニアと反
応し、複数の化学変化を経た後、窒素ガスに変換される
(反応G)。以下、反応E乃至反応Gを示す。 反応E CaCl2→Ca2++2Cl− 2Cl-→Cl2+2e- 反応F Cl2+H2O→HClO+HCl 反応G 2NH3(aq)+3HClO→N2↑+3HCl+3H2
【0055】ここで、図3に示される実験結果は、アノ
ード5及びカソード6に白金、イリジウム系の電極を使
用し、リン酸と、塩化カルシウムを加えて0.001M
硝酸カリウム300mlを電解した場合における時間経
過に伴う各イオンの濃度変化を示している。
【0056】図3によると、カソード6において、硝酸
イオンは、徐々にアンモニアイオンに変化されるため、
時間の経過に伴って減少していき、電気分解開始から1
70分経過後には、被処理水中に殆ど存在していない。
これに対し、カソード6において、生じるアンモニアイ
オンは、徐々に増加した後、一定時間経過後には、被処
理水内に添加された塩化カルシウムの塩化物イオンと反
応し、徐々に減少し、硝酸イオンの減少に伴い、電気分
解開始から170分後には、被処理水中にほぼ存在して
いない。
【0057】また、アノード5近傍において、リン酸イ
オンは、塩化カルシウムのカルシウムイオンと脱リン反
応を生じ、これにより、処理槽2の底面等にカルシウム
ヒドロキシアパタイトの状態で、沈殿生成される。その
ため、リン酸イオン及びリン酸イオンの脱リン反応に使
用されるカルシウムイオンは、時間の経過に伴って、徐
々に減少し、電気分解開始から300分経過後には、リ
ン酸イオンは、被処理水中にほぼ存在していない。
【0058】これにより、上述の如く塩化カルシウムを
被処理水中に添加することにより、カルシウムイオンが
脱リン反応に供され、被処理水中のリン酸イオンの脱リ
ン反応を促進させることができると共に、同一処理槽2
内において、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素のアンモニアへ
の還元反応を促進させることができ、還元反応に要する
時間を短縮することができるようになる。
【0059】そのため、格別に別個の処理槽を設けるこ
となく、同一の槽内においてリン化合物及び窒素化合物
の処理を行うことができ、排水処理装置1を小型化する
ことができるようになる。
【0060】また、カソード6より生じるアンモニア
が、次亜塩素酸の物質と脱窒反応をすることにより、相
乗効果によって、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素
成分を効果的に除去することができるようになる。
【0061】更に、カソード6近傍のpHがアルカリに
なることを利用して、リン酸イオンを凝縮沈殿させるこ
とができるため、処理後に被処理水を中性に調整する必
要がなくなる。
【0062】これにより、一般家庭や工場等から排出さ
れる窒素化合物及びリン化合物を含む被処理水から効率
的に窒素化合物及びリン化合物を除去することができる
ようになり、窒素化合物及びリン化合物の処理能力が向
上される。
【0063】また、上述した如く被処理水中には、塩化
カルシウムの他に塩化物イオン増量剤としての塩化カリ
ウム又は塩化ナトリウムを含有する排水処理用添加剤1
5が添加されているため、被処理水に加えられた塩化物
イオンは、前記塩化カルシウムから電離して得られる塩
化物イオンと共に、アノード5において、酸化され、塩
素を生成する(反応E)。生成された塩素は、被処理水
中で、水と反応し、次亜塩素酸を生成する(反応F)。
そして、生成された次亜塩素酸は、被処理水中に存する
アンモニアと反応し、複数の化学変化を経た後、窒素ガ
スに変換される(反応G)。
【0064】そのため、排水処理用添加剤15に含有さ
れた塩化物イオン増量剤により、被処理水の電解により
生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量を増加させることが
でき、被処理水中に含有される硝酸態窒素の処理効率を
より一層、向上させることができる。
【0065】尚、本発明における塩化物イオン増量剤
は、上述した如く塩化カリウム又は塩化ナトリウムであ
るため、容易に本発明を実現することができる。
【0066】また、上述した如く被処理水中には、塩化
カルシウムと塩化物イオン増量剤の他に凝集剤としての
無機凝集剤又は高分子凝集剤を含有する排水処理用添加
剤15が添加されているため、被処理水に加えられた凝
集剤は、被処理水中に含有されるリン化合物、即ち、有
機物や被処理水中に電離したリン酸イオンを凝集沈殿さ
せるため、リン化合物の処理を有効に行うことができ
る。
【0067】そのため、被処理水中に電離されるリン酸
イオンや、溶解されるリン化合物が著しく減少するた
め、電解における消費電力量に対する被処理水の処理効
率が向上し、節電を図ることができるようになる。
【0068】また、本発明における凝集剤は、無機凝集
剤としてのポリ塩化アルミニウム又は、塩化鉄(II)
又は高分子凝集剤としてのノリオン・アニオン性ポリマ
ーやカチオン性ポリマーや両性ポリマーなどにより構成
されているため、容易に本発明を実現することができ
る。
【0069】上述の如く本実施例における排水処理用添
加剤15は、塩化カルシウムと、塩化物イオン増量剤
と、凝集剤とを混合することにより構成されたものであ
るため、被処理水のメンテナンス時に、係る排水処理用
添加剤15を被処理水に添加することにより、容易に被
処理水の処理効率を向上させることができる。
【0070】また、上記各薬剤、即ち、塩化カルシウ
ム、塩化物イオン増量剤及び凝集剤を別々に被処理水に
添加するメンテナンスを行う場合に比して煩雑な作業を
行うことなく、本発明の排水処理用添加剤15を添加す
るのみで行うことができ、メンテナンス作業性を向上さ
せることができるようになる。
【0071】尚、本実施例では、塩化カルシウム、塩化
物イオン増量剤及び凝集剤のすべてを混合することによ
り構成された排水処理用添加剤15を例として説明して
いるが、これ以外に、塩化物イオン増量剤と凝集剤とか
ら構成される排水処理用添加剤や、塩化カルシウムと凝
集剤とから構成される排水処理用添加剤を被処理水中に
添加しても良いものとする。
【0072】ここで、塩化物イオン増量剤と凝集剤とか
ら構成される排水処理用添加剤を被処理水中に添加した
場合には、塩化物イオン増量剤により、被処理水の電解
により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量を増加させる
ことができ、被処理水中に含有される硝酸態窒素の処理
効率を向上させることができる。
【0073】また、塩化物イオン増量剤による硝酸態窒
素の処理に加えて、凝集剤により、被処理水中に含有さ
れるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中に電離した
リン酸イオンを凝集沈殿させることができ、リン化合物
の処理をも行うことができる。また、リン化合物の凝集
沈殿により、電解における消費電力量の節電を実現する
ことができるようになる。
【0074】係る場合においても、複数の添加剤を被処
理水に添加することによる煩雑なメンテナンス作業性を
簡素化することができるようになる。
【0075】また、塩化カルシウムと凝集剤とから構成
される排水処理用添加剤を被処理水中に添加した場合に
は、塩化カルシウムの塩化物イオンにより、被処理水中
のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物質と脱窒反応を
することにより、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素
成分を効果的に除去することができるようになる。
【0076】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により被処理水中のリン酸イオンと凝集
沈殿させることができる。
【0077】また、凝集剤により、被処理水中に含有さ
れるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中に電離した
リン酸イオンを凝集沈殿させることができ、より一層効
率的にリン化合物の処理を行うことができる。また、電
解における消費電力量に対する被処理水の処理効率が向
上し、節電を図ることができるようになる。
【0078】係る場合においても、複数の添加剤を被処
理水に添加することによる煩雑なメンテナンス作業性を
簡素化することができるようになる。
【0079】一方、本発明の第1の具体的応用例として
は、図4に示す如く生物的処理浄化槽、本実施例では所
謂活性汚泥処理槽11に被処理水を貯留し、該活性汚泥
処理槽11にてCOD及びBODを除去した後、該CO
D及びBOD処理が成された被処理水を本発明を適用し
た排水処理装置1の処理槽2にて窒素化合物及びリン化
合物の処理を行う。
【0080】これにより、被処理水を活性汚泥処理槽1
1にて一旦COD及びBODの処理をした後、更に、排
水処理装置1にて窒素化合物及びリン化合物の処理を行
うことができるようになり、被処理水を効果的に処理す
ることができるようになる。また、活性汚泥処理槽11
にて処理された被処理水は、活性汚泥処理槽11内にて
発生する菌が含まれているが、排水処理装置1にて上述
の如く次亜塩素酸や活性酸素により殺菌するため、被処
理水を環境に適した状態で排水処理することができるよ
うになる。
【0081】更に、本発明の第2の具体的応用例として
は、図5に示す如く、所謂電解浮上によって被処理水中
の浮遊物質を除去することもできる。
【0082】また更に、本発明の第3の具体的応用例と
しては、図6に示す如く生け簀や水族館などでの魚類を
生息させる水槽12の水の窒素化合物及びリン化合物除
去に使用することができる。魚類を生息させる水槽に
は、魚から排出されるアンモニア等の窒素化合物によっ
て水が著しく汚染されるため、定期的に水槽内の水を交
換する必要があった。そこで、窒素化合物を含む水槽1
2内の水を前記排水処理装置1にて窒素化合物の処理を
行い、その後、排水処理装置1から排水された被処理水
を次亜塩素酸除去装置13にて被処理水中の次亜塩素酸
を除去し、水槽12内に戻す。
【0083】これにより、水槽12内の水を定期的に交
換する必要がなくなり、水槽12のメンテナンス作業性
を向上させることができる。また、水槽12から排水処
理装置1に貯留された被処理水は、次亜塩素酸によって
殺菌されるため、その後、係る被処理水が水槽12に戻
されることにより、水槽12内の魚の生存率を向上させ
ることができるようになる。
【0084】また、これ以外に、本発明を適用した排水
処理方法は、プールや浴場における被処理水の浄化及び
井戸水や地下水の浄化などにも適用することができるも
のとする。
【0085】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の排水処理方法
によれば、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合
物及びリン化合物を処理するものであって、カソードを
構成する金属材料は、導電体であり、アノードを構成す
る導電性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共
に、被処理水には、塩化物イオン増量剤と凝集剤を添加
するので、塩化物イオン増量剤により、被処理水の電解
により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量を増加させる
ことができ、被処理水中に含有される硝酸態窒素の処理
効率を向上させることができる。
【0086】また、本発明では、塩化物イオン増量剤に
加えて凝集剤を被処理水に添加するため、上記効果に加
えて凝集剤により、被処理水中に含有されるリン化合
物、即ち、有機物や被処理水中に電離したリン酸イオン
を凝集沈殿させることができ、リン化合物の処理をも行
うことができる。
【0087】更に、係る凝集剤は、リン化合物を凝集沈
殿させることにより、電解における消費電力量に対する
被処理水の処理効率が向上し、節電を図ることができる
ようになる。
【0088】請求項2の発明の排水処理方法によれば、
電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン
化合物を処理する排水処理方法であって、カソードを構
成する金属材料は、導電体であり、アノードを構成する
導電性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共に、
被処理水には、塩化カルシウムと凝集剤を添加するの
で、塩化カルシウムの塩化物イオンにより、被処理水中
のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物質と脱窒反応を
することにより、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素
成分を効果的に除去することができるようになる。
【0089】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により被処理水中のリン酸イオンと凝集
沈殿させることができる。
【0090】また、係る発明では、塩化カルシウムに加
えて凝集剤を添加するため、係る凝集剤により、被処理
水中に含有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水
中に電離したリン酸イオンを凝集沈殿させることがで
き、より一層効率的にリン化合物の処理を行うことがで
きる。
【0091】これにより、電解における消費電力量に対
する被処理水の処理効率が向上し、節電を図ることがで
きるようになる。
【0092】請求項3の発明の排水処理方法によれば、
電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン
化合物を処理する排水処理方法において、カソードを構
成する金属材料は、導電体であり、アノードを構成する
導電性材料は、不溶性材料又はカーボンであると共に、
被処理水には、塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カル
シウムを添加するので、塩化物イオン増量剤により、被
処理水の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量
を増加させることができ、被処理水中に含有される硝酸
態窒素の処理効率を向上させることができる。
【0093】また、係る発明では、塩化物イオン増量剤
に加えて凝集剤を被処理水に添加するため、上記効果に
加えて凝集剤により、被処理水中に含有されるリン化合
物、即ち、有機物や被処理水中に電離したリン酸イオン
を凝集沈殿させることができ、リン化合物の処理をも行
うことができる。
【0094】更に、リン化合物を凝集沈殿させることに
より、電解における消費電力量に対する被処理水の処理
効率が向上し、節電を図ることができるようになる。
【0095】また更に、係る発明では、塩化物イオン増
量剤と凝集剤に加えて、塩化カルシウムを被処理水に添
加するため、上記効果に加えて、塩化カルシウムの塩化
物イオンにより、被処理水中のアンモニアが例えば次亜
塩素酸等の物質と脱窒反応をすることにより、相乗効果
によって、硝酸態窒素及び窒素化合物などの窒素成分を
効果的に除去することができるようになる。
【0096】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
により、リン酸イオンを凝縮沈殿させることができるた
め、効率的にリン化合物の処理を行うことができるよう
になる。
【0097】請求項4の発明の排水処理用添加剤は、導
電体により構成されるカソードと、不溶性材料又はカー
ボンにより構成されるアノードを用いて、電気化学的手
法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物の処理
を行う被処理水に添加される排水処理用添加剤であっ
て、この添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤とから
構成されるので、塩化物イオン増量剤により、被処理水
の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸の発生量を増加
させることができ、被処理水中に含有される硝酸態窒素
の処理効率を向上させることができる。
【0098】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化物イオン増量剤に加えて凝集剤により構成されるた
め、塩化物イオン増量剤による硝酸態窒素の処理に加え
て、凝集剤の効果により、被処理水中に含有されるリン
化合物、即ち、有機物や被処理水中に電離したリン酸イ
オンを凝集沈殿させることができ、リン化合物の処理を
も行うことができる。また、リン化合物の凝集沈殿によ
り、電解における消費電力量の節電を実現することがで
きるようになる。
【0099】これにより、複数の添加剤を被処理水に添
加することによる煩雑なメンテナンス作業性を簡素化す
ることができるようになる。
【0100】請求項5の発明の排水処理用添加剤によれ
ば、導電体により構成されるカソードと、不溶性材料又
はカーボンにより構成されるアノードを用いて、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
の処理を行う被処理水に添加される添加剤であって、こ
の添加剤は、塩化カルシウムと凝集剤とから構成されて
いるので、塩化カルシウムの塩化物イオンにより、被処
理水中のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物質と脱窒
反応をすることにより、硝酸態窒素及び窒素化合物など
の窒素成分を効果的に除去することができるようにな
る。
【0101】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により被処理水中のリン酸イオンと凝集
沈殿させることができる。
【0102】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化カルシウムに加えて、凝集剤により構成されているた
め塩化カルシウムによる硝酸態窒素の処理及びリン酸イ
オンの凝集沈殿に加えて、係る凝集剤により、被処理水
中に含有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中
に電離したリン酸イオンを凝集沈殿させることができ、
より一層効率的にリン化合物の処理を行うことができ
る。また、電解における消費電力量に対する被処理水の
処理効率が向上し、節電を図ることができるようにな
る。ようになる。
【0103】これにより、複数の添加剤を被処理水に添
加することによる煩雑なメンテナンス作業性を簡素化す
ることができるようになる。
【0104】請求項6の発明の排水処理用添加剤によれ
ば、導電体により構成されるカソードと、不溶性材料又
はカーボンにより構成されるアノードを用いて、電気化
学的手法により被処理水中の窒素化合物及びリン化合物
の処理を行う被処理水に添加される添加剤であって、こ
の添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カルシ
ウムとから構成されているので、塩化物イオン増量剤に
より、被処理水の電解により生じる塩素及び次亜塩素酸
の発生量を増加させることができ、被処理水中に含有さ
れる硝酸態窒素の処理効率を向上させることができる。
【0105】また、係る発明の排水処理用添加剤は、塩
化物イオン増量剤に加えて凝集剤と塩化カルシウムによ
り構成されているため、凝集剤により、被処理水中に含
有されるリン化合物、即ち、有機物や被処理水中に電離
したリン酸イオンを凝集沈殿させることができ、リン化
合物の処理を行うことができる。また、電解における消
費電力量に対する被処理水の処理効率が向上し、節電を
図ることができるようになる。
【0106】また、塩化カルシウムの塩化物イオンによ
り、被処理水中のアンモニアが例えば次亜塩素酸等の物
質と脱窒反応をすることにより、硝酸態窒素、アンモニ
ア態窒素及び窒素化合物などの窒素成分を効果的に除去
することができるようになる。
【0107】更に、カソード近傍のpHがアルカリにな
ることを利用して、塩化カルシウムのカルシウムイオン
が、脱リン反応により、より一層効率的に被処理水中の
リン酸イオンと凝集沈殿させることができる。
【0108】また、本発明の添加剤は、上記塩化物イオ
ン増量剤と、凝集剤と、塩化カルシウムとから構成され
ているため、係る添加剤を被処理水に添加することによ
り、それぞれの薬剤を被処理水に添加する煩雑なメンテ
ナンス作業性を簡素化することができるようになる。
【0109】請求項7の発明によれば、請求項1、請求
項3、請求項4又は請求項6の排水処理方法又は排水処
理用添加剤において、塩化物イオン増量剤は、塩化カリ
ウム、又は塩化ナトリウムであるため、容易に請求項
1、請求項3、請求項4、又は請求項6の排水処理方法
又は排水処理用添加剤を実現することができるようにな
る。
【0110】請求項8の発明によれば、上記各発明にお
いて、凝集剤は、無機凝集剤又は高分子凝集剤であるの
で、容易に請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、
請求項5、請求項6又は請求項7の排水処理方法又は排
水処理用添加剤を実現することができるようになる。
【0111】請求項9の発明によれば、上記各発明に加
えて、カソードを構成する金属材料は、周期表の第Ib
族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、同族を導電
体に被覆したものを用いるので、被処理水中の硝酸態窒
素と亜硝酸態窒素のアンモニアへの還元反応をより一層
促進させることができ、還元反応に要する時間を短縮す
ることができるようになる。
【0112】請求項10の発明によれば、上記各発明に
おいて、被処理水は、生物的処理浄化槽により処理した
後の水であるので、生物的処理浄化槽、例えば活性汚泥
処理槽などでCODやBODなどを高度に除去すると共
に、活性汚泥処理槽で発生する菌を、次亜塩素酸や活性
酸素により殺菌した後、排水処理することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理方法を実現するための排水処
理装置の概要を示す説明図である。
【図2】アノードの構造説明図である。
【図3】各イオン濃度の変化を示す図である。
【図4】本発明の第1の具体的応用例を説明する図であ
る。
【図5】本発明の第2の具体的応用例を説明する図であ
る。
【図6】本発明の第3の具体的応用例を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 排水処理装置 2 処理槽 4 排水処理室 5 アノード 6 カソード 7 電源 9 遮蔽部材 10 撹拌子 11 活性汚泥処理槽 12 水槽 13 次亜塩素酸除去装置 15 排水処理用添加剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−155392(JP,A) 特開 昭51−61169(JP,A) 特開2000−117259(JP,A) 特開 平7−24469(JP,A) 特開 平10−230273(JP,A) 特開2001−252667(JP,A) 特開2002−254080(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/461 B01D 21/01 C02F 1/52 - 1/56

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気化学的手法により被処理水中のアンモ
    ニア態窒素を除く窒素化合物及びリン化合物を処理する
    排水処理方法であって、 カソードを構成する金属材料は、導電体であり、アノー
    ドを構成する導電性材料は不溶性材料又はカーボンであ
    ると共に、前記被処理水に塩化物イオン増量剤と凝集剤を添加する
    処理と、 前記アノードにおいて前記塩化物イオン増量剤の塩化物
    イオンを酸化させ、次亜塩素酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】電気化学的手法により被処理水中のアンモ
    ニア態窒素を除く窒素化合物及びリン化合物を処理する
    排水処理方法であって、 カソードを構成する金属材料は、導電体であり、アノー
    ドを構成する導電性材料は不溶性材料又はカーボンであ
    ると共に、前記被処理水に塩化カルシウムと凝集剤を添加する処理
    と、 前記アノードにおいて前記塩化カルシウムの塩化物イオ
    ンを酸化させ、次亜塩素酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理方法。
  3. 【請求項3】電気化学的手法により被処理水中のアンモ
    ニア態窒素を除く窒素化合物及びリン化合物を処理する
    排水処理方法であって、 カソードを構成する金属材料は、導電体であり、アノー
    ドを構成する導電性材料は不溶性材料又はカーボンであ
    ると共に前記被処理水に塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カル
    シウムを添加する処理と、 前記アノードにおいて前記塩化物イオン増量剤及び/又
    は塩化カルシウムの塩化物イオンを酸化させ、次亜塩素
    酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理方法。
  4. 【請求項4】導電体により構成されるカソードと、不溶
    性材料又はカーボンにより構成されるアノードを用い
    て、電気化学的手法により被処理水中のアンモニア態窒
    素を除く窒素化合物及びリン化合物の処理を行う被処理
    水に添加される添加剤であって、該添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤とから構成さ
    れ、 前記処理は、前記被処理水に前記添加剤を添加する処理
    と、 前記アノードにおいて前記塩化物イオン増量剤の塩化物
    イオンを酸化させ、次亜塩素酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理用添加剤。
  5. 【請求項5】導電体により構成されるカソードと、不溶
    性材料又はカーボンにより構成されるアノードを用い
    て、電気化学的手法により被処理水中のアンモニア態窒
    素を除く窒素化合物及びリン化合物の処理を行う被処理
    水に添加される添加剤であって、該添加剤は、塩化カルシウムと凝集剤とから構成され、 前記処理は、前記被処理水に前記添加剤を添加する処理
    と、 前記アノードにおいて前記塩化カルシウムの塩化物イオ
    ンを酸化させ、次亜塩素酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理用添加剤。
  6. 【請求項6】導電体により構成されるカソードと、不溶
    性材料又はカーボンにより構成されるアノードを用い
    て、電気化学的手法により被処理水中のアンモニア態窒
    素を除く窒素化合物及びリン化合物の処理を行う被処理
    水に添加される添加剤であって、該添加剤は、塩化物イオン増量剤と凝集剤と塩化カルシ
    ウムから構成され、 前記処理は、前記被処理水に前記添加剤を添加する処理
    と、 前記アノードにおいて前記塩化物イオン増量剤及び/又
    は塩化カルシウムの塩化物イオンを酸化させ、次亜塩素
    酸を生成する処理と、 前記カソードにおいて前記窒素化合物を還元した後、前
    記次亜塩素酸により酸化させて窒素成分を除去する処理
    と、 前記凝集剤により前記リン化合物を凝集沈殿する処理
    と、からなることを特徴とする排水処理用添加剤。
  7. 【請求項7】前記塩化物イオン増量剤は、塩化カリウ
    ム、又は、塩化ナトリウムであることを特徴とする請求
    項1、請求項3、請求項4又は請求項6の排水処理方法
    又は排水処理用添加剤。
  8. 【請求項8】前記凝集剤は、無機凝集剤又は高分子凝集
    剤であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7の排水
    処理方法又は排水処理用添加剤。
  9. 【請求項9】前記カソードを構成する金属材料は、周期
    表の第Ib族又は第IIb族を含む導電体、若しくは、
    同族を導電体に被覆したものを用いることを特徴とする
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、
    請求項6、請求項7又は請求項8の排水処理方法又は排
    水処理用添加剤。
  10. 【請求項10】前記被処理水は、生物的処理浄化槽によ
    り処理した後の水であることを特徴とする請求項1、請
    求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請
    求項7、請求項8又は請求項9の排水処理方法又は排水
    処理用添加剤。
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