JP2012040524A - 電解処理装置及び電解処理方法 - Google Patents

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隆文 清水
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裕次 藁谷
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Abstract

【課題】 少なくともアンモニア態窒素を含有する廃水を、効率的かつ経済的に清浄化する電解処理装置及び電解処置方法を提供する。
【解決手段】 電解処理装置10は、陽極11aと陰極11bとの電極に通電することにより被処理水20を電解処理してアンモニア態窒素を分解する電解処理部11と、アルカリ溶液からなるpH調整剤21を供給することにより、被処理水20のpHを調整するpH調整部12と、被処理水20のpH及び酸化還元電位を連続測定する測定部13と、各部を制御するための制御部14とを備える。pH調整部12は、測定部13にて測定された被処理水20のpH値に基づいてpH調整剤21の供給量を調整し、制御部14は、pH調整部12でのpH調整剤21の供給に対応して被処理水20のpH又は酸化還元電位が上昇する時点を、アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃水中に含まれるアンモニア態窒素や化学的酸素要求量(COD成分)を効率よく分解除去して清浄化することのできる電解処理装置及び電解処理方法に関する。
近年、産業の発展に伴って生産活動や生活活動により排水される産業廃水あるいは生活廃水(し尿や下水等)中の環境汚染物質が増大しており、自然の浄化作用では賄えなくなり、河川や湖沼及び海洋などの富栄養化が問題となっている。特に、産業廃水あるいは生活廃水中のアンモニア態窒素やCOD成分等の環境汚染物質が増大し、重大な問題となっている。
このようなアンモニア態窒素やCOD成分は、地球環境保護の面からも厳しい規制対応が求められており、効率的でかつ経済的な廃水処理法の開発が望まれている。
従来から実施されているアンモニア態窒素やCOD成分の除去方法としては、生物学的消化脱窒処理法、塩素酸化剤(次亜塩素酸ソーダ又は塩素ガス)の添加による不連続点塩素処理法、アンモニアストリッピング法等が知られている。しかしながら、有効な対策がとれないのが現状である。
具体的には、生物学的消化脱窒処理は広く一般的に行われている処理方法であり、この生物学的処理ではアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱窒工程の2つの工程により処理が行われる。しかしながら、この方法は反応速度が著しく遅いため大規模な装置を必要とし、また脱窒素細菌を利用する反応であり季節要因や窒素濃度変動の影響を大きく受けるため、大規模な嫌気槽を必要とし、装置設置面積及び設備建設コストの増大を招く問題がある。
また、塩素酸化剤の添加による不連続点塩素処理法は、特許文献1及び2に開示されており、主反応として下記の2つの機構((a)式又は(b)式)が提唱されている。
2NH +3NaOCl→N↑+3NaCl+3HO+2H ・・・(a)
2NH +4NaOCl→NO↑+4NaCl+3HO+2H ・・・(b)
この不連続点塩素処理法は、一般的には、アンモニア態窒素2モルに対して3モルの次亜塩素酸ナトリウムを必要とする上記(a)式に従うものと理解されているが、(b)式に従うという説もあり、これらの機構によっては脱窒に必要な塩素量が異なる。また、次亜塩素酸ナトリウムは自己分解性の薬品であるため、貯蔵期間に有効塩素量が減少し、処理コストに影響して経済性を失う一方、有毒な塩化物(クロラミン系副生成物)やNOが生成され、その制御が非常に困難であるという問題がある。
一方、アンモニアストリッピング法は、アルカリ性条件下で加温をしながら大量の空気を吹き込み、アンモニアを大気中に放散させる方法である。しかしながら、この方法は、放散されるアンモニアが二次公害を引き起こすという問題がある。
これらに対して、特許文献3乃至5には、アンモニア態窒素やCOD成分を電解処理する方法が記載されている。具体的には、特許文献3には、アンモニアを含有する廃水に塩化物イオンを添加し、高いpH範囲(pH8〜12)を維持しながらアンモニア態窒素を電解処理する方法が記載されている。また、特許文献4には、アンモニアを含有する廃水に無機塩化物を添加し、電解処理した後の処理水中に残存する余剰の次亜塩素酸を金属過酸化物触媒で分解する方法が記載されている。さらに、特許文献5には、アンモニア態窒素、硝酸態窒素を透過しない導電性隔膜を電解槽に配置して、陽極側と陰極側を区画した電解装置により、被処理水中の窒素化合物を処理する方法が開示されている。
これらの電解処理方法では、大規模な処理装置等を必要とせず低いランニングコストで処理することができ、また自己分解性の次亜塩素酸ナトリウムを用いる必要がなくなる。
しかしながら、これらの方法では、アンモニア態窒素を窒素ガスに分解する際に、副生成する硝酸への移行率が高く、満足のいく清浄化効果が得られないばかりか、アンモニ態窒素及びCOD成分の分解点を判定するための機構もなく、非効率的な電解処理を余儀なくされている。
このように、アンモニア態窒素及びCOD成分含有廃液の処理に適用される従来技術には経済性、操作性、安全性の面から種々の問題が指摘されている。
特開平9−314152号公報 特開2001−225085号公報 特許2904003号公報 特開平10−174976号公報 特開平10−000473号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、少なくともアンモニア態窒素等を含有する廃水を、効率的かつ経済的に清浄化することのできる電解処理装置及び電解処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題に対して鋭意検討を重ねた結果、被処理水のpHを所定の範囲に制御するとともに、その所定の範囲を超えた時点を分解終了点と判定することができ、優れた操業性で効率良くアンモニア態窒素等を含有する廃水を電解処理できることを見出した。
すなわち、本発明に係る電解処理装置は、少なくともアンモニア態窒素を含有する廃水を被処理水として、塩素イオン共存下で電解処理する電解処理装置であって、アノードとカソードとの電極対を有し、該電極に通電することにより上記被処理水を電解処理して上記アンモニア態窒素を分解する電解処理部と、上記被処理水のpHを調整するpH調整部と、上記被処理水のpH及び酸化還元電位を連続測定する測定部と、上記各部を制御する制御部とを備え、上記pH調整部は、上記測定部にて測定された上記被処理水のpH値に基づいて、該被処理水に供給するpH調整剤の供給量を調整し、上記制御部は、上記被処理水のpHが9.0以上となる時点又は上記被処理水の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mV以上となる時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して上記電解処理部における電解処理を終了させることを特徴とする。
また、本発明に係る電解処理方法は、少なくともアンモニア態窒素を含有する廃水を被処理水として、塩素イオン共存下で電解処理する電解処理装置の電解処理方法であって、上記電解処理装置は、アノードとカソードとの電極対を有し、該電極に通電することにより上記被処理水を電解処理して上記アンモニア態窒素を分解する電解処理部と、上記被処理水のpHを調整するpH調整部と、上記被処理水のpH及び酸化還元電位を連続測定する測定部と、上記各部を制御する制御部とを備え、上記pH調整部において、上記測定部にて測定された上記被処理水のpH値に基づいて、該被処理水に供給するpH調整剤の供給量を調整し、上記制御部において、上記被処理水のpHが9.0以上となる時点又は上記被処理水の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mV以上となる時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して上記電解処理部における電解処理を終了させることを特徴とする。
本発明によれば、被処理水のpHを所定の範囲に制御するとともに、pHの変動又はORPの変動を監視することにより、被処理水中のアンモニア態窒素の分解反応点を的確に判断することができ、効率的かつ経済的に廃水を清浄化させることができる。
本実施の形態に係る電解処理装置を模式的に示した構成図である。 実施例1における電解処理部内の電解処理時間とpH変動の関係を示すグラフである。 実施例2における電解処理部内の電解処理時間とORP変動の関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る電解処理装置の構成図である。この図1に示す電解処理装置10は、アンモニア態窒素及びCOD成分を含有する廃水を被処理水20として、塩素イオン共存下で電解処理するものである。
具体的には、電解処理装置10は、アンモニア態窒素及びCOD成分を含有する被処理水20を電解処理する電解処理部(電解槽)11と、被処理水20のpHを調整するpH調整部12と、被処理水20のpH及び酸化還元電位(ORP)を連続測定する測定部13と、電解処置装置10を構成する各部を制御する制御部14とを備える。
電解処理部11は、例えばDSA(Dimensionally Stable Anode)を陽極(アノード)11aとし、チタン板を陰極(カソード)11bとして、これら陽極11a及び陰極11bを1対とする1組以上から構成される。電解処理部11では、整流器15により交流電流から変換された直流電流を陽極11aと陰極11bとに通電し、被処理水20中に含まれるアンモニア態窒素やCOD成分等を電解除去する。具体的には、電解により生成した次塩素酸イオンをアンモニア態窒素と反応させて窒素ガスに分解し除去する。
電解処理部11に通電する電流の電流密度としては、特に限定されないが、100〜2000A/mで電解処理することが好ましい。これにより、被処理水20中のアンモニア態窒素等を効率よく分解することができる。なお、電流密度が100A/mより低くなると、処理に必要な電極の枚数が多くなり効率的な処理を行うことができない。一方で、電流密度が2000A/mより高くなると、電解処理部11内の電圧が高くなって電力コストが高くなり、経済的な処理効果が得られない。
pH調整部12は、後述する測定部13にて連続測定される被処理水20のpH変動に応じて、アルカリ供給部16からアルカリ供給ポンプ17により供給されるアルカリ溶液をpH調整剤21として被処理水20のpHを所定の範囲に制御する。
電解処理装置10では、このpH調整部12において、アンモニア態窒素及びCOD成分を含有する被処理水20のpHを6.0〜8.5の範囲に制御しながら電解処理を行う。
被処理水20のpHが6.0より低い場合には、陽極11aで生成した次亜塩素酸イオンが分解して、塩素ガスが発生してしまう。一方で、pHが8.5より高い場合には、アンモニア性窒素分解時に一部が硝酸性窒素となって被処理水20中に窒素分が残留してしまう。
具体的には、pH調整部12では、被処理水20のpH変動に応じて、被処理水20のpHが所定値未満となった場合には、アンモニア態窒素の分解反応に伴う酸生成量の当量以上のアルカリ溶液(pH調整剤21)をpH調整部12に添加する。一方で、pH調整部12では、被処理水20のpHが所定値以上となった場合には、アンモニア態窒素の分解反応に伴う酸生成量の当量より少ないアルカリ溶液(pH調整剤21)をpH調整部12に添加する。これによって、被処理水20のpHを6.0〜8.5の範囲に制御する。
また、電解処理装置10では、被処理水20を上述したpH条件に維持するため、電解処理中においては、電解処理部11とpH調整部12の間で被処理水20を循環させる。被処理水20の移送方法は特に限定されないが、具体的には、例えば電解処理装置10内において、電解処理部11からオーバフローした被処理水20をpH調整部12で受け、pH調整部12で所定のpHに調整された被処理水20が、移送ポンプ18により電解処理部11に戻される液循環方式が採用される。なお、循環ラインに熱交換器19を組み込むことで、電解処理で熱せられた被処理水20の除熱を容易に行うことができる。
測定部13は、被処理水20のpH及び酸化還元電位(ORP)を連続して測定し、
被処理水20のpH変動及びORP変動を監視する。具体的には、測定部13は、pHセンサー及びORPセンサー(銀/塩化銀電極)を備えており、電解処理開始時から連続的に、被処理水20のpH及びORPを測定して監視する。
電解処理装置10において、この測定部13は、電解処理部11の出口、換言するとpH調整部12の入口に備えられる。電解処理部11内では、後述するように、アンモニア態窒素の分解に伴って酸が生成される反応が継続的に進行し、被処理水20のpHは全体として酸性側に移行することとなるため、電解処理部11中の被処理水20のpHがpH調整部12内より低下する。したがって、測定部13をpH調整部12内に設けた場合、アルカリ溶液であるpH調整剤21の添加によって電解処理部11内よりpHの高くなった被処理水20のpHを測定することになってしまい、電解処理部11内の被処理水20のpHを6.0〜8.5に的確に維持できなくなってしまう。このため、電解処理装置10内においては、測定部13を上述した位置に設けることにより被処理水のpH及びORPを連続測定し、その測定結果に応じて、pH調整部12において被処理水20のpHを6.0〜8.5の範囲に的確に制御する。
制御部14は、電解処理装置10を構成する各部を制御する。具体的には、制御部14は、電解処理部11の電極対11a,11bに通電する電流を制御する。また、制御部14は、測定部13にて連続測定されている被処理水20のpH値の測定結果に基づいて、pH調整部12に供給するpH調整剤21の供給量を調整する。また、制御部14は、測定部13にて測定されているpH値の上昇又はORPの上昇の測定結果に基づいて、被処理水20中のアンモニア態窒素の分解反応終了点を判断することにより、電解処理部11における被処理水20の電解処理を終了させる。詳しくは後述する。
ここで、電解処理装置10の電解処理部11では、下記(1)〜(3)式の反応が生じる。
陽極:Cl+HO → ClO+2H+2e ・・・(1)
陰極:2HO+2e → H↑+2OH ・・・(2)
アンモニア態窒素分解:
3ClO+2NH → 3Cl+N↑+3HO+2H ・・・(3)
すなわち、電解処理部11では、陽極11aにおいて(1)式に示す反応が起こり、陰極において(2)式に示す反応が進行する。(1)式により生成した次亜塩素酸イオンは、被処理水20中に含まれるアンモニア態窒素と上記(3)式に示す反応を起こし、アンモニア態窒素を窒素ガスに分解する。
なお、被処理水中に含まれる有機物等のCOD成分も、上記(1)式で生成する次亜塩素酸イオン等の酸化作用により分解され、被処理水20は清浄化される。また、(1)式の反応を効率的に進行させるためには、被処理水20中に塩化物イオンが12g/L以上含まれていることが好ましい。
そして、これら(1)式〜(3)式から、下記(4)式が導かれる。
電解処理部11内(終点前):
2NH → N↑+3H↑+2H ・・・(4)
この(4)式に示されるように、電解処理部11では、アンモニア態窒素の分解に伴って酸が生成し、被処理水20のpHは全体として酸性側に移行することとなる。電解処理装置10では、上述のようにpH調整部12において、所定のpH値に基づいてアルカリ溶液からなるpH調整剤21の供給量を調整することにより、被処理水のpH条件をpH6.0〜8.5に制御する。
一方、電解処理部11において、被処理水20中のアンモニア態窒素の分解反応が終了すると、上記(1)式と(2)式をまとめた下記(5)式に示す反応が起きる。
電解処理部11内(終点後):Cl+HO → ClO+H↑・・・(5)
この(5)式に示されるように、被処理水20中のアンモニア態窒素の分解反応が終了すると、電解処理部11内における酸の生成が起こらなくなり、酸の生成に基づくpHの変動は起こらなくなる。また、被処理水20中には次亜塩素酸イオンが蓄積され始める。
このように、電解処理装置10においては、被処理水20中のアンモニア態窒素が分解されている間は、電解処理部11内では上記(4)式の反応が進行して、被処理水のpHが低下する。一方で、上記(5)式に示すように、被処理水20中のアンモニア態窒素の分解が終了すると、電解処理部11内は酸を生成しない反応が起こることとなり、pHの低下はなくなる。したがって、分解反応の終了によりpHの低下が起こらなくなった被処理水20に対して、pH調整部12において所定量のアルカリ溶液からなるpH調整剤21を供給することにより、そのpH調整剤21の供給に対応して被処理水20のpHは急激に上昇することとなる。
そこで、本実施の形態に係る電解処理装置10は、測定部13において被処理水20中のアンモニア態窒素の分解反応開始時より連続的にpHを測定して監視し、その測定したpH値に基づいてpH調整部12におけるpH調整剤21の供給量を調整し、所定のpHに保持する。そしてその後、pH調整部12におけるpH調整剤21の供給に対応して被処理水20のpHが上昇する時点を、アンモニア態窒素の分解終了点と判断することにより、電解処理部11における被処理水20の電解処理を終了させる。
具体的には、例えば、pH調整部12におけるpH調整剤21の供給に対応して被処理水20のpHが9.0以上に上昇する時点を、アンモニア態窒素の分解終了点と判断することにより、電解処理部11における被処理水20の電解処理を終了させる。
このように、本実施の形態に係る電解処理装置10では、所定のpH値に基づいてpH調整剤21の供給量を調整し、被処理水20に含まれるアンモニア態窒素やCOD成分の電気分解終了点をpH値の上昇により判断する。これにより、被処理水20中に含まれるアンモニア態窒素及びCOD成分等の分解終了点を的確に判断することができ、過剰な電解処理を防止することができる。また、上記(5)式に示すように過剰な次亜塩素酸イオンの蓄積を防止して、効率的な分解処理を実現することができる。
この電解処理装置10は、例えばバッチ処理方式とし、pH調整のために被処理水20を循環させて、上述したように被処理水20のpH変動を監視することにより、アンモニア態窒素の分解反応の終点判定を確実管理することができる。また、これにより、被処理水20中のアンモニア態窒素等の濃度変動があっても、pH変動に基づいて所定の範囲にpHを制御するとともにpH変動を監視することによって、確実にアンモニア態窒素の分解処理を行うことができる。
さらに、本実施の形態に係る電解処理装置10では、被処理水20中のアンモニア態窒素の分解反応の終点を、所定のORP値に基づいて判断することによっても行うことができる。
すなわち、アンモニア態窒素の分解反応中は、上記(1)式に示す反応で生成した次亜塩素酸イオンが上記(3)式のアンモニア態窒素等の分解に使用されることから、ORPはpH6.0〜8.5の範囲において、例えば500mV未満の値を示す。一方、アンモニア態窒素の分解が終了すると、上記(5)式に示すように、次亜塩素酸イオンが被処理水に残留するようになることから、ORPは500mV以上に上昇することとなる。
本実施の形態に係る電解処理装置10は、上述のように被処理水20のpH値に基づいてpH調整剤21の供給量を調整してpHを6.0〜8.5に制御するとともに、測定部13に備えられたORPセンサーにより被処理水20のORPを測定し、pH調整部12でのpH調整剤21の供給に対応して被処理水20の酸化還元電位が上昇する時点を、アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定し、被処理水20の電解処理を終了させる。これにより、ORPを監視するだけで、簡単にかつ的確に分解反応の終了点を判断することができ、効率的な電解処理を行うことができる。
具体的には、例えば、pH調整部12におけるpH調整剤21の供給に対応して、被処理水20のORPが500mV以上に上昇する時点をアンモニア態窒素の分解終了点と判断し、電解処理部11における被処理水20の電解処理を終了させる。
なお、被処理水20中に含まれるCOD成分は、アンモニア態窒素の分解が終了した時点で90%程度が分解されるが、アンモニア態窒素の分解後20分程度の電解を継続することにより、さらに残存したCOD成分をも効率的に分解除去することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
本実施例では、図1に示した電解処理装置10によりアンモニア態窒素及びCOD成分を含有する被処理水を電解処理した。
ここで、電解処理装置10において、陽極11aとして、次亜塩素酸イオンの生成反応が進行するように市販のソーダ電解用の不溶性電極(浸漬部分のサイズ1m×1m、20枚)を用い、陰極11bとして、耐食性を考慮してチタン等の金属電極(浸漬部分のサイズ1m×1m)を用いた。また、電極11a,11bの極間距離を4cmとして、整流器15により陽極11aと陰極11bとの間に直流電流を流し、電解処理を行った。なお、電解処理部11はFRP製のものを使用した。
また、pHセンサーは、通電状態の液中では正確な値を示さないため、電解処理部11とは電気的に遮断する必要がある。そこで、液を通電状態から切り離すための工夫として、電解処理部11内の液をオーバフローさせてpH調整部12へ送液し、pH調整部12の入口に測定部13を設けてpHを測定した。さらに、pH調整部12においてアルカリ溶液をpH調整剤21として添加して、被処理水のpHを調整し、pH調整した被処理水を移送ポンプ18を用いて電解処理部11へ再び戻した。なお、pH調整部12と電解処理部11との間に設置した熱交換器19は、電気分解により発生するジュール熱を除熱するために使用した。
電解処理部11の容量は7.3mとし、pH調整部12の容量は0.5mとして、0.15m/分の流量で被処理水を循環させた。
(実施例1)
実施例1では、以下の被処理水に対して電解処理を行って、被処理水のpH変動を監視した。
アンモニア性窒素濃度7300mg−N/L、硝酸性窒素濃度9mg−N/L、COD濃度900mg−N/L、塩化物イオン濃度18g/L含有する被処理水7.8mについて、電解処理装置10を用いて32000A(電流密度800A/m)の条件で電解処理を行い、電解処理中の被処理水のpH変動を監視した。なお、pH調整剤21として、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いた。図2にpH変動の結果を示す。
図2に示されるように、pH8.0未満では300g/分で25%NaOH水溶液を添加し、pH8.0以上では150g/分で25%NaOH水溶液を添加することで、pHを6.0〜8.5に維持することができた(NaOHの理論添加量は265g/分)。
電解開始後270分程度経過した時点で、上述した25%NaOH水溶液の添加によっても、pHは急激に上昇した。pHが9.0以上に上昇した時点でアンモニア態窒素が分解されたと判断し、NaOHの添加を中止して20分間の電解を行って処理を終了した。
電解処理の終了後、被処理水中のアンモニア濃度は5mg−N/L未満、COD濃度も5mg/L未満にまで低下していた。また、処理中にはアンモニア態窒素の分解に伴って硝酸性窒素が副生成したため、処理水中の硝酸性窒素濃度は99mg−N/Lとなった。
以上の実施例1の結果から明らかなように、被処理水のpH値に基づいてpH調整剤21の供給量を調整してpH6.0〜8.5の範囲に制御するとともに、その後のpH値の上昇を監視することにより、明確にアンモニア態窒素の分解反応の終了点を判定できることが分かった。
(実施例2)
実施例1と同様の被処理水を用い、同様の条件で電解処理を行い、電解処理中の被処理水のORP(銀/塩化銀電極基準)変動を監視した。図3にORP変動の結果を示す。
図3に示されるように、電解処理中は200mV〜500mVに維持されるが、電解開始後270分程度経過した時点で500mVより大きく上昇した。20分間の電解を行って処理を終了させた後の被処理水中のアンモニア濃度は5mg−N/L未満、COD濃度も5mg/L未満にまで低下していた。
以上の実施例2の結果から明らかなように、実施例1と同様の電解処理開始後270分程度経過した時点において、被処理水のORPが500mVより大きい値に急激に上昇した。このように、被処理水のpH値に基づいてpH調整剤21の供給量を調整してpH6.0〜8.5の範囲に制御するとともに、その後の被処理水のORPの上昇を監視することによっても、明確にアンモニア態窒素の分解反応の終了点を判定できることが分かった。
10 電解処理装置、11 電解処理部、12 pH調整部、13 測定部、14 制御部、15 整流器、16 アルカリ供給部、17 アルカリ供給ポンプ、18 移送ポンプ、19 熱交換器、20 被処理水、21 pH調整剤

Claims (4)

  1. 少なくともアンモニア態窒素を含有する廃水を被処理水として、塩素イオン共存下で電解処理する電解処理装置において、
    アノードとカソードとの電極対を有し、該電極に通電することにより上記被処理水を電解処理して上記アンモニア態窒素を分解する電解処理部と、
    アルカリ溶液からなるpH調整剤を供給することにより、上記被処理水のpHを調整するpH調整部と、
    上記被処理水のpH及び酸化還元電位を連続測定する測定部と、
    上記各部を制御する制御部とを備え、
    上記pH調整部は、上記測定部にて測定された上記被処理水のpH値に基づいて上記pH調整剤の供給量を調整し、
    上記制御部は、上記pH調整部でのpH調整剤の供給に対応して上記被処理水のpH又は酸化還元電位が上昇する時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して上記電解処理部における電解処理を終了させることを特徴とする電解処理装置。
  2. 上記制御部は、上記被処理水のpHが9.0以上となる時点又は上記被処理水の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mV以上となる時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して電解処理を終了させることを特徴とする請求項1記載の電解処理装置。
  3. 少なくともアンモニア態窒素を含有する廃水を被処理水として、塩素イオン共存下で電解処理する電解処理装置の電解処理方法において、
    上記電解処理装置は、
    アノードとカソードとの電極対を有し、該電極に通電することにより上記被処理水を電解処理して上記アンモニア態窒素を分解する電解処理部と、
    アルカリ溶液からなるpH調整剤を供給することにより、上記被処理水のpHを調整するpH調整部と、
    上記被処理水のpH及び酸化還元電位を連続測定する測定部と、
    上記各部を制御する制御部とを備え、
    上記pH調整部において、上記測定部にて測定された上記被処理水のpH値に基づいて、該被処理水に供給するpH調整剤の供給量を調整し、
    上記制御部において、上記pH調整部でのpH調整剤の供給に対応して上記被処理水のpH又は酸化還元電位が上昇する時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して上記電解処理部における電解処理を終了させることを特徴とする電解処理方法。
  4. 上記制御部は、上記被処理水のpHが9.0以上となる時点又は上記被処理水の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mV以上となる時点を、上記アンモニア態窒素の分解反応の終了点と判定して電解処理を終了させることを特徴とする請求項3記載の電解処理方法。
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