JP2004008954A - 被処理液中の有機物の分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の廃水中の有機物分解方法の欠点である、固形副産物の生成や
危険な酸化剤の使用を解消し、処理後にそれぞれ河川等に放流できる安全な廃水中の有機物分解方法を提供する。
【解決手段】有機物を含有する被処理液中に、オキソ酸又はオキソ酸塩をオキソ酸添加装置4から添加し、電解槽1で電気化学的にペルオキソ酸を合成し、該ペルオキソ酸により前記被処理液中の有機物を酸化分解する。有機物が二酸化炭素や水に変換され固形物の生成は殆どなく、更に危険性の高いペルオキソ酸をオンサイトで生成できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃水等の被処理液中の有機物を低分子量化合物に分解するための処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の有機物が含まれる産業廃水および生活廃水を河川等の環境への放出を可能とするために、生物処理法、活性炭吸着法、凝集沈殿法が広く利用されている。しかしながら、いずれの方法も大量の汚泥を発生させるため、汚泥の二次処理が必要で、この二次処理の方法が大きな社会問題となっている。
問題の本質は、これら従来の処理方法が被処理物質を分解処理するのではなく、被処理物を被処理廃水から分離除去することにある。活性汚泥法に代表される生物処理方法では、被処理廃水に含有する有機物を分解するが、微生物の繁殖活動を利用している為、増殖した微生物を汚泥として排出する必要があった。また、環境ホルモン、トリハロメタン類、ダイオキシン類などに代表される有機物は、生物難分解性で生物処理法では分解することができなかった。フェノールに代表される有機物は、微生物の活動を阻害するため、処理そのものを阻害するという問題もあった。また、処理対象の有機物濃度が高いと微生物の活動が阻害されるといった問題もあった。
【0003】
近年、これらの問題を解決するために、被処理廃水に含まれる有機物を分解除去する方法として、化学的酸化処理法、電気化学的処理方法などが提案されており、いずれも廃水に含有する有機物を酸化分解することによって低分子化すること、および、その一部、或いは、その全てを二酸化炭素として系外に排出することを含む。
化学的酸化処理方法としては、フェントン反応を利用した方法、次亜塩素酸による酸化反応を利用した方法が利用されている。
フェントン反応は、生物処理することが困難な難分解性物質を効率的に分解するため、生物処理することが困難な廃水処理に利用されているものの、触媒として用いる鉄イオンが反応処理後に汚泥となる問題があり、汚泥発生量を減らすことにおいては本質的な解決は図られていない。
【0004】
次亜塩素酸による酸化反応を利用する方法も広く利用されているが、有害で危険な次亜塩素酸を処理現場に運送、貯蔵しなければならないといった安全性の問題があった。また、次亜塩素酸と有機物との反応の過程でトリハロメタン類に代表される有害な有機塩素化合物が生成する可能性があり、近年、二次汚染の可能性が指摘されている。
他の化学的酸化処理方法として、特開平6−99181号公報では、ペルオキソ硫酸塩を酸化剤として有機物を含有する廃水中に投入し加熱処理する方法が開示されている。この方法では、有機塩素化合物の生成も無く、分解処理後にはペルオキソ硫酸塩が硫酸塩へ変化する為、汚泥の発生もない。しかし、該方法はペルオキソ硫酸塩を直接添加する為に、強力な酸化剤であるペルオキソ硫酸塩を、大量に保管しておく必要があり、安全性に問題が生じる。
【0005】
前述の電気化学的処理としては、電気化学的に酸化剤を合成して、合成された酸化剤によって、廃水に含有する有機物を酸化分解する方法と、有機物を電気化学反応によって酸化分解する方法の2種類が提案されている。
前者としては、特開平11−216473号公報や特開2000−79394号公報に記載された発明を例示することができる。
特開平11−216473号は、塩化物イオンを含有する有機物含有廃水を電気化学的に処理する方法を開示しており、具体的には、塩化物イオンが陽極酸化して生成した次亜塩素酸によって有機物を酸化分解する方法である。この方法では、有害で危険な次亜塩素酸を運送貯蔵することなしに次亜塩素酸を利用できるが、有害な有機塩素化合物を生成するといった問題は解決できていない。
【0006】
特開2000−79394号には塩化物を電解質に、第1の電解槽と第2の電解槽を用いてヒドロキシラジカルを生成させ、該ヒドロキシラジカルの酸化力により有機物を分解する方法が提案されている。この方法では、酸化剤として次亜塩素酸は利用していないが、ヒドロキシラジカルを合成する過程で次亜塩素酸が関与しており、有害な有機塩素化合物を生成する可能性があった。また、ヒドロキシラジカルを生成する効率が低いため、経済性に難点があった。
有機物を電気化学反応によって酸化分解する方法も、例えば、電気化学第62巻、1084〜(1992)、やJournal of Applied Electrochemistry、vol.21、99〜104(1992)などに示されているが、これを実用するためには、陽極に実用上の耐久性があり、且つ、溶出等による2次汚染のない材料を選択する必要がある。 選択可能な陽極としては、酸化鉛、酸化錫、白金、DSA、カーボンを挙げることができるが、酸化鉛電極は電解停止時に溶出する可能性があり、酸化錫電極は酸化錫と基体の界面が不動体化するため長期に渡って使用することは困難である。また、カーボンも酸化消耗するため長期に渡って使用することは困難であるため、実用可能な陽極は、白金やDSAに代表される貴金属被覆金属電極のみである。しかしながら、これらの電極も長期に渡って使用することが可能であるが、酸素過電圧が低いために、水からの酸素発生反応が優先し、対象物質を分解できない、或いは、分解速度が遅いことが多く、その経済性から殆ど普及していないという問題点がある。
【0007】
白金や貴金属被覆金属電極の問題を解決する方法として、電導性結晶性ドーピング化ダイヤモンドを含む陽極を利用することを特開平7−299467号公報は開示している。当該方法は、廃水中の溶質を電気化学的酸化分解することにおいては、既知の方法と同一であるが、本質的な差異は、電導性結晶性ドーピング化ダイヤモンドを含む陽極を用いることである。また、処理対象廃水が、電気化学的処理を行うのに充分なイオン強度を有すること、即ち、イオン導電性が必要であることを明らかにするとともに、廃水のイオン導電性が不足する場合、これを補うために電解質を添加する方法を開示している。当該方法は電極の安定性、有機物の分解性の観点においては、既知の有機物の電気化学的酸化分解処理方法を改善しているが、経済性問題の改善は充分ではなく、その普及を阻害している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の廃水処理特に廃水中の有機物分解処理では、▲1▼前述有機物が汚泥等に変換されるため、生成する汚泥の二次処理が必要になる、▲2▼次亜塩素酸等の塩素原子を含有する酸化剤を使用するため、有毒な有機塩素化合物が生成しやすい、▲3▼電気化学的に廃水中の有機物分解を行う際には、白金又は貴金属酸化物を電極物質とする陽極を使用することが多いが、酸素過電圧が低いために有機物の分解より酸素ガスの発生が優先して有機物分解が行われ難い、といった欠点がある。
前述のペルオキソ酸を有機物を含有する廃水中に添加して酸化分解する方法では、強力な酸化剤であるペルオキソ酸又はその塩を、大量に取り扱うため、安全性に問題が生じる。
従って本発明では、廃水中に含まれる有機物を低分子量化合物まで分解する方法において、汚泥などの固形副産物を生成することが無く、更に危険性の高い酸化剤を保持する必要が無く、簡便、安全、且つ経済的な水処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、有機物含有廃水等の被処理液を電気化学的に処理して前記有機物を低分子量化合物にまで分解する際に、導電性ダイヤモンド電極等の酸素過電圧の比較的高い電極を用い、かつ硫酸イオン等のオキソ酸イオンを電解質として用いると、これらは前記被処理液にイオン導電性を付与するのみならず、これらが前記電極でペルオキソ硫酸などのペルオキソ酸に酸化され、これらペルオキソ酸が被処理液中の有機物を化学的に酸化分解することを見出し、本発明に至った。
本発明は、被処理液に含有する有機物を分解する方法において、前記被処理液中にオキソ酸を添加して電気化学的にペルオキソ酸を合成し、該ペルオキソ酸により前記有機物を酸化分解することを特徴とする被処理液中の有機物の分解方法であり、本発明は、電気化学的に生成するペルオキソ酸で被処理液中の有機物分解を行うとともに、前記有機物を電極特に陽極に接触させて電気化学的に有機物分解を行う態様も含む。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明におけるオキソ酸とは、硫酸、炭酸、酢酸、硼酸、燐酸等を含み、中心原子に酸素原子が結合し、酸素原子の一部又は全部に水素が結合し、その水素が水溶液中で水素イオンを生じて酸の性質を現わす化合物を意味し、文脈によっては、これらのオキソ酸の塩やイオンを含むことがある。なお毒性の高いオキソ酸である砒酸や塩素酸は使用しないことが望ましい。
本発明におけるペルオキソ酸とは、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ炭酸、ペルオキソ酢酸、ペルオキソ硼酸、ペルオキソ燐酸等を含み、文脈によっては、これらのペルオキソ酸の塩やイオンを含むことがある。
【0011】
一般に、有機物を含有する廃水等の被処理液を電気化学的に処理すると、水の放電による酸素発生反応
2HO→ O+ 4H+ 4e・・・(1)
に加えて、有機物の分解反応が起こる。一例を式(2)に示す。
CxHyOz +  (2x−z)HO → xCO+  (4x+y−2z)H+  (4x+y−2z)e・・・(2)
【0012】
廃水処理においては、式(1)で発生した酸素は殆ど利用されることなく放出されるので、この反応に消費された電力は無効となり、これは電気化学的廃水処理における経済性問題の根源の一つとなっている。
有機物含有廃水にオキソ酸が含まれる場合、式(1)、(2)で示した反応に加えて、ペルオキソ酸の生成反応が起こる。ペルオキソ酸の電気化学的生成反応の幾つかの例を下式(3)〜(5)に示す。
2SO 2−→ S 2−+2e・・・(3)
2CO 2−→ C 2−+2e・・・(4)
2PO 3−→ P 4−+2e・・・(5)
【0013】
ペルオキソ酸には、オキソ酸の中心原子に結合する‐OH基の一部または全てが‐OH基に置換したもの、例えばペルオキソ一硫酸と、オキソ酸の中心原子が‐O‐O‐結合で2量体化したもの、例えばペルオキソ二硫酸があるが、本発明では両者を含めてペルオキソ酸と総称する。これら、ペルオキソ酸は強力な酸化作用を有するので、廃水中の有機物を酸化分解する。一例を下式(6)に示す。
CxHyOz +  (2x+y/2−z)S 2−
→ xCO+  (4x+y−2z)H+  (4x+y−2z)SO 2−・・・(6)
【0014】
また、ペルオキソ酸が加水分解して生成したヒドロキシルラジカルや過酸化水素も酸化作用を有するので、廃水中の有機物を酸化分解する。一例を下式(7)〜(8)に示す。
4−+2HO → 2PO 3−+ 2H+ H・・・(7)
CxHyOz +  (2x+y/2−z)H→  xCO+  (2x+y−z)HO ・・(8)
【0015】
このようにペルオキソ酸は有機物を酸化分解するので、廃水処理においては、ペルオキソ酸の生成に消費された電力は無効とはならない。よって、ペルオキソ酸の電気化学的生成を、前述の酸素発生と共存させて、或いは、酸素発生に優先させてなしえることで効率的な廃水処理を可能とする。
廃水中に水酸化ナトリウムなどのアルカリが含まれる場合、本発明では有機物の電気化学的反応である(2)式により二酸化炭素が生成し、その二酸化炭素はアルカリとの反応によりオキソ酸を生じる。一例を下式(9)、(10)に示す。
CO+ 2OH→ CO 2−+ HO…(9)
CO+ OH→ HCO …(10)
【0016】
このように生成されたオキソ酸もまた、先述したペルオキソ酸生成の原料となり得、効率的な廃水処理を可能とするので、廃水中にアルカリが含まれている場合もオキソ酸を添加したことと同等の効果が得られる。
廃水処理の実施形態では、上式(2)〜(8)で示した、有機物の電気化学的酸化分解、ペルオキソ酸の電気化学的酸化合成、ペルオキソ酸による有機物の酸化分解、ペルオキソ酸の加水分解、該加水分解生成物による有機物の酸化分解反応は同時進行するのみならず、それぞれの反応が複数のステップ反応を経て進行するために、それぞれの反応の寄与率を特定することはできない。しかしながら、処理対象廃水にオキソ酸を含有させ、これを少なくとも導電性ダイヤモンド電極を陽極として用いることによって、処理の効率が改善されることを、後述の実施例は明らかにしている。
【0017】
本発明で使用可能な電極、特に陽極は前記導電性ダイヤモンド電極に限定されるものではない。しかしながら酸素過電圧が特別に小さい電極であると、廃水処理として実用可能な温度範囲、オキソ酸濃度範囲、電流密度範囲においては、供給される電力が水電解による酸素発生に優先的に使用されオキソ酸の酸化によるペルオキソ酸の電解生成や被処理液中の有機物の電気化学的な分解に使用できず、本発明の目的が達成されないため、このような電極、例えば白金電極や貴金属酸化物電極は本発明では使用しない。
【0018】
本発明で使用可能な導電性ダイヤモンド電極は、電極基体上に炭素源となる有機物の還元析出物質であるダイヤモンドを担持して製造される。基体の材質及び形状は材質が導電性であれば特に限定されず、導電性シリコン(単結晶、多結晶、アモルファス状など)、炭化珪素、チタン、ニオブ、タンタル、カーボン、ニッケルなどから成る板状、メッシュ状、棒状、パイプ状、ビーズなどの球状、或いは、例えばビビリ繊維焼結体である多孔性板状などが使用できる。該基材へのダイヤモンドの担持法も特に限定されず、任意のものを使用できる。代表的なダイヤモンド製造法としては熱フィラメントCVD(化学蒸着)法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法及び物理蒸着(PVD)法などがある。いずれの方法も、ダイヤモンド原料として水素ガス及び炭素源の混合ガスを用いるが、ダイヤモンドに導電性を付与するために、原子価の異なる元素を微量添加する。微量元素としては、硼素、リンや窒素が好ましく、好ましい含有率は1〜100,000ppm、更に好ましくは100〜10,000 ppmである。この他に炭素粉末を原料に超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末やこれを樹脂などの結着剤を用いて基体に担持した電極も使用可能である。
【0019】
処理に用いる電解槽は、陽極、陰極のみを配置した無隔膜の1室型電解槽でも、陽極と陰極との間に磁性隔膜やイオン交換膜などの隔膜を用いて陽極室及び陰極室に区画された2室型電解槽でも良く、隔膜の有無、陰極の材質は、処理対象の性状、及び、操作上の観点から適宜決定すれば良い。
導電性ダイヤモンド電極を使用して有機物を分解処理する電気化学的処理条件は特に限定されないが、有機物の電気化学的酸化分解とペルオキソ酸の電気化学的合成を効率的に行う観点からは、電流密度が0.01〜20A/dm、電解温度は5〜40℃が好ましい。処理対象廃水中のオキソ酸濃度は経済性観点から決定すれば良いが、処理効率の観点からは0.5mol/liter未満で充分であることを後記の実施例は示している。また、オキソ酸を添加する場合、その純度に規定はない。
【0020】
処理対象近傍で、他の廃水として排出されたオキソ酸を利用できる場合は、経済性の観点から使用することが特に好ましい。また、二酸化炭素や硫黄酸化物ガスを含む廃ガスを溶解して利用することも可能である。本発明方法によって含有する有機物を、河川放流可能なレベルにまで分解除去するか、好気性処理などの他方法で処理可能な濃度レベルまで分解除去するかについても、経済性の観点から決定すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明の有機物の分解方法に使用可能な電解槽の実施態様を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1及び2はそれぞれ本発明の有機物の分解方法に使用可能な電解槽の第1及び第2実施態様を示す概略図である。
【0022】
図1に示す電解槽1は隔膜を用いない1室型電解槽で、電解槽1の内部には陽極2及び陰極3が離間して配置されている。廃水等の被処理液がオキソ酸を含有しない場合には電解槽1に供給される前の供給ライン中でオキソ酸添加装置4からオキソ酸が添加される。
陽極2では、▲1▼被処理液中の有機物が直接陽極に接触して分解される有機物の電気化学的酸化分解、▲2▼被処理液中のオキソ酸が陽極酸化されてペルオキソ酸を生成する反応、及び▲3▼通常の水電解による酸素発生反応が進行する。
【0023】
陰極3では、▲1▼被処理液中の有機物が直接陰極に接触して分解される有機物の電気化学的還元分解、▲2▼通常の水電解による水素発生反応、及び▲3▼陽極2で発生した一部のペルオキソ酸を還元してオキソ酸を生成する反応が進行する。
電解槽1全体では、これらの他に▲1▼ペルオキソ酸による有機物の酸化分解反応、▲2▼ペルオキソ酸の加水分解反応、及び、▲3▼該加水分解反応生成物による有機物の酸化分解反応が進行する。
【0024】
図1に示した電解槽ではなく、隔膜を用いて陽極室と陰極室を区分した2室型電解槽を使用する場合、処理対象の廃水等の被処理液は、▲1▼陰極室を通過させた後に陽極室を通過させる、▲2▼陽極室を通過させた後に陰極室を通過させる、▲3▼陽極室のみを通過させる方法のいずれかで処理されるが、少なくとも陽極室を通過させる必要がある。
2室型電解槽では、陽極で生成したペルオキソ酸が陰極で還元分解することを防ぐことができるので、ペルオキソ酸の陰極還元による効率低下を防ぐことができる一方で、隔膜を使用するために、隔膜の汚染、耐久性等の新たな問題が生じる。
隔膜に起因する問題は、処理対象廃水の性状に起因するので、隔膜を使用するか否かは使用する被処理液の性状を踏まえ、経済性の観点から選択すればよい。
【0025】
1室型電解槽では電解液を、2室型電解槽では陽極液を循環させることは、処理対象の被処理液中の有機物及びオキソ酸の陽極2への接触機会を増加させるために、電気化学的処理効率の改善が期待できる。また、循環により、ペルオキソ酸及びペルオキソ酸加水分解反応生成物と有機物の接触機会を増加させるので化学分解反応の効率改善にも効果がある。
【0026】
図2は、1室型電解槽1内の電解液を該電解槽に循環するための電解液循環ポンプ5を有する循環ライン6、及び電解槽1から取り出した電解液を滞留する滞留槽7を設置した装置の例を示している。この電解槽では、その後段に設置した滞留槽内でペルオキソ酸及びペルオキソ酸加水分解反応生成物と有機物の分解反応のための滞留時間を確保でき、処理効率を向上させている。
【0027】
〔実施例〕
次に本発明に係わる被処理液中の有機物の分解方法に関する実施例及び比較例を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。更に以下の実施例等では廃水に含有する有機物として2−アミノエタノール及びフェノールを使用したが、本発明で分解処理可能な有機物はこれらに限定されない。
【0028】
〔実施例1〕
厚さ1mmの単結晶シリコン基板に熱フィラメントCVD法で導電性ダイヤモンドを形成した電極を陽極と陰極に用い、無隔膜1室電解槽に極間距離を1mmとして配置して電解槽とした。この電解槽に有機物として2−アミノエタノール 4.5g/liter、オキソ酸イオン源として炭酸ナトリウムを0.07mol/literの濃度で添加した水溶液を処理対象とし、0.5 liter/minの流量で電解槽に循環させ、電流密度10A/dmで電気化学的処理を実施した。総処理時間は150分で、電気量は35Ah/literであった。処理液中の有機物量は全有機炭素量(TOC)として測定した。初期値のTOCが1,899mg/literであったのに対し、電気化学的処理後のTOCは測定装置検出限界の4mg/liter以下で、河川放流可能なレベルまで有機物を分解除去できることが確認された。
【0029】
〔比較例1〕
炭酸ナトリウムの代わりに過塩素酸を0.07mol/iterの濃度で添加した以外、実施例1と同様に電気化学的に処理した。総処理時間は240分で、電気量は58.3Ah/literであった。初期のTOCが1,711mg/literに対し、処理後のTOCは 66 mg/literであった。
【0030】
〔比較例2〕
陽極と陰極として導電性ダイヤモンド電極の替わりに白金電極を用いた以外、実施例1と同様に電気化学的に処理した。総処理時間は240分で、電気量は58.3Ah/literであった。初期のTOCが1,783mg/literに対し、処理後のTOCは260mg/literであった。
【0031】
〔実施例1と比較例1及び2におけるTOC量の変化〕
実施例1と比較例1及び2においてそれぞれ同一条件下で、電気量に対するTOCの変化を測定し、その結果を図3のグラフに示した。
導電性ダイヤモンド電極を用い、電解質として水溶液中で安定であり酸化剤としての作用が低い過塩素酸イオンを用いた比較例1では、58.3Ah/literの電気量でもTOCが66mg/literまでしか処理できなかったのに対し、電解質としてオキソ酸である炭酸ナトリウムを用いた実施例1では電気量35Ah/literでTOCが4mg/liter以下となり、比較例1よりTOCの減少速度が速く、オキソ酸を用いることにより効率的に有機物が分解処理されることが示された。
【0032】
更に電解質としてオキソ酸を用い、白金電極を用いた比較例2では、58.3Ah/literの電気量で処理後のTOC量は260mg/literとなり、比較例1よりも更に処理速度が遅く、白金電極では河川放流可能なレベルにまで分解除去できなかった。
【0033】
〔実施例2〕
炭酸ナトリウムの代わりに水酸化ナトリウムを0.07mol/literの濃度で添加した以外実施例1と同様に電気化学処理した。総処理時間は150分で、電気量は35Ah/literであった。初期値のTOCが1,621mg/literであったのに対し、電気化学的処理後のTOCは4mg/liter以下であった。
【0034】
〔実施例1及び2と比較例1における無機性炭素(IC)量の変化〕
実施例1と比較例1及び2においてそれぞれ同一条件下で、電気量に対する無機性炭素量(炭酸イオン又は炭酸水素イオンの濃度)を測定し、その結果を図4のグラフに示した。
【0035】
電解質として炭酸イオンを添加した実施例1のICは約1,000mg/liter以上を示している。電解質として水酸化ナトリウムを添加した実施例2では、炭酸イオン又は炭酸水素イオンを添加していない為、初期のIC値は 0 mg/literであるが、電気量20Ah/literではIC値は600mg/liter以上を示しており、被処理液中にオキソ酸イオンとして炭酸イオン又は炭酸水素イオンが生成していることが確認できた。被処理液がアルカリ性の場合、有機物の分解により生成した二酸化炭素はアルカリと反応してオキソ酸となり、更に導電性ダイヤモンド陽極上でペルオキソ炭酸イオンに酸化するので、オキソ酸を添加することと同等の効果が得られ、実施例1と同様に、河川放流可能なレベルにまで有機物を分解できている。一方、過塩素酸イオンを添加した比較例1では、ICがほとんど増加しない即ち、オキソ酸イオンの生成は確認されず、オキソ酸を添加した実施例1及び、アルカリを添加し処理液中でオキソ酸を生成させた実施例2と比較して、処理効率が悪く、河川放流可能なレベルにまで有機物を分解することはできなかった。
【0036】
〔実施例3〕
処理対象の循環量を0.1 liter/minとした以外、実施例1と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCが1,768 mg/literで、処理後のTOCは22.5 mg/literであり、処理後のTOCは実施例1より高くなった。
このように循環量を少なくした実施例3では、電気化学的処理によりTOCが減少し有機物が分解除去されているが、循環量がより多い実施例1に比べその減少速度は遅く、処理対象の電解槽への循環が有機物の電気化学的処理効率の改善に効果があることが確認された。
【0037】
〔実施例4〕
厚さ2mmのニオブから成る金属板に熱フィラメントCVD法で導電性ダイヤモンドを形成した電極を陽極と陰極に用い、無隔膜の1室型電解槽に極間距離を5mmとして配置して電解槽とした。
この電解槽に、有機物として2−アミノエタノールを4.5g/literで、オキソ酸イオン源として硫酸ナトリウムを0.07mol/literの濃度で添加した水溶液を電流密度12.5A/dmで電気化学的に処理した。総電解時間は360分で、電気量は22.2Ah/literであった。初期値のTOCが1,872mg/literであったのに対し、処理後は845mg/literとなり、電気量に対するTOCの処理効率は46.2mg/Ahであった。
【0038】
〔実施例5〕
硫酸ナトリム濃度を0.5mol/literにした以外、実施例4と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCが1,917mg/literに対し、処理後のTOCは801mg/literとなり、その処理効率は50.2mg/Ahであった。
【0039】
〔実施例6〕
オキソ酸イオン源として、炭酸ナトリムを0.07mol/literの濃度で添加した以外、実施例4と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは2,083mg/literであったが、処理後のTOCは839mg/literとなり、その処理効率は56.0mg/Ahであった。
【0040】
〔比較例3〕
硫酸ナトリウムの代わりに過塩素酸を0.07mol/literの濃度で添加した以外、実施例4と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは2,007mg/literであったが、処理後のTOCは1,320mg/literとなり、その処理効率は30.9mg/Ahであった。
【0041】
〔比較例4〕
陽極と陰極として導電性ダイヤモンド電極に替えて白金電極を用い、オキソ酸イオン源として硫酸ナトリウムを0.5mol/literとした以外、実施例4と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは1,827mg/literであったが、処理後のTOCは1,680mg/literとなり、その処理効率は19.7mg/Ahであった。
【0042】
〔比較例5〕
陽極と陰極として導電性ダイヤモンド電極に替えて白金電極を用い、硫酸ナトリウムの代わりに過塩素酸を0.07mol/literの濃度で添加した以外、実施例4と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは2,030mg/literであったが、処理後のTOCは1,772mg/literとなり、その処理効率は11.6mg/Ahであった。
【0043】
実施例4から6と比較例3から5の結果を表1にまとめた。
【0044】
【表1】
Figure 2004008954
【0045】
電解質にオキソ酸を用い導電性ダイヤモンド電極を用いた実施例4から6は、電解質にオキソ酸を用い白金電極を用いた比較例4に比べ、TOCの減少量が多く、導電性ダイヤモンド電極によって処理効率が改善されたことを示している。また、電解質であるオキソ酸として硫酸イオン又は炭酸イオンを用いた実施例4から6は、いずれも電解質として過塩素酸イオンを用いた比較例3と比較して、TOCの減少量が多く、オキソ酸が効率改善に有効であることを示している。一方、比較例4、5に示した白金電極を用いた場合のオキソ酸による効率改善は、前記ダイヤモンド電極を用いた場合の効率改善と比較して少なく、オキソ酸とダイヤモンド電極の組み合わせが特に有効であることを示している。
【0046】
これは、オキソ酸からペルオキソ酸が生成し、該ペルオキソ酸及び/又は該ペルオキソ酸の加水分解生成物による有機物の酸化分解が同時に進行したこと、導電性ダイヤモンド電極が、有機物の分解効率改善に寄与しうるペルオキソ酸を生成させたことを示している。
一般に電気化学反応では、原料濃度が高い方が目的物の生成効率が上昇することが期待される。本発明においても、オキソ酸濃度が高い方が、有機物の分解に寄与するペルオキソ酸の合成効率が上昇することが期待できる。
【0047】
しかしながら、オキソ酸の濃度を0.07mol/literとした実施例4とオキソ酸濃度を0.5mol/literとした実施例5とでは処理効率が殆ど変わらなかった。これは、有機物の分解効率改善のためには、オキソ酸濃度が0.5mol/literで充分であることを示している。
電解質に過塩素酸イオン用いた場合で、導電性ダイヤモンド電極を用いた比較例3は、白金電極を用いた比較例5に比べ処理効率が高く、導電性ダイヤモンド電極が有機物を電気化学反応により酸化分解する能力が白金電極より高いことが確認された。
【0048】
〔実施例7〕
厚さ2mmのニオブから成る金属板に熱フィラメントCVD法で導電性ダイヤモンドを形成した電極を陽極と陰極に用い、無隔膜1室型電解槽に極間距離を5mmとして配置して電解槽とした。 この電解槽に、有機物としてフェノール 2.0g/liter、オキソ酸イオン源として炭酸ナトリウムを0.07mol/literの濃度で添加した水溶液を電流密度12.5A/dmで電気化学的に処理した。総電解時間は360分で、電気量は22.2Ah/literであった。初期値のTOCが1,582mg/literであったのに対し処理後のTOCは42mg/literであり、その処理効率は69.3mg/Ahであった。
【0049】
〔実施例8〕
オキソ酸イオン源として、燐酸ナトリウム濃度を0.5mol/literの濃度で添加した以外、実施例7と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCが1,991mg/literに対し、処理後のTOCは394mg/literとなり、その処理効率は71.9mg/Ahであった。
【0050】
〔比較例6〕
炭酸ナトリウムの代わりに過塩素酸を0.07mol/literの濃度で添加した以外、実施例7と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは1,537 mg/literであったが、処理後のTOCは513.1 mg/literであり、その処理効率は46.1 mg/Ahであった。
【0051】
〔比較例7〕
陽極と陰極として導電性ダイヤモンド電極に替えて白金電極を用いた以外、実施例7と同様に電気化学的に処理した。初期のTOCは1,630mg/literであったが、処理後のTOCは1,601mg/literであり、その処理効率は1.3mg/Ahであった。
【0052】
実施例7及び8と比較例6及び7の結果を表2にまとめた。
【0053】
【表2】
Figure 2004008954
【0054】
有機物としてフェノールを用いオキソ酸を添加した実施例7及び8は、導電性ダイヤモンド電極を用い過塩素酸を電解質として添加した比較例6や、オキソ酸を添加した場合であっても電極に白金電極を用いた比較例7と比較して、処理効率が高く、本実施例が廃水中の有機物を低分子化合物に分解する方法において、種々の有機物に対して有効であることを示している。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、オキソ酸を添加した、有機物を含有する廃水等の被処理液を、導電性ダイヤモンド電極等を陽極として電気化学的に処理すると、有機物が電気化学的に酸化処理されとともに、オキソ酸もまたペルオキソ酸に酸化される。更に、ペルオキソ酸及びペルオキソ酸の加水分解生成物は有機物を化学的に酸化分解する。従って、有機物を汚泥などの固形副産物や有機塩素化合物を生成することが無く分解できるのみならず、危険性の高い酸化剤を保持する必要が無く、簡便、安全、且つ経済的に有機廃水処理を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被処理液中の有機物の分解方法に使用可能な電解槽の一例を示す概略図。
【図2】同じく他の例を示す概略図。
【図3】実施例1、比較例1及び2で実施した電気量に対するTOCの変化を示すグラフ。
【図4】実施例1及び2、比較例1で実施した電気量に対するICの変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 1室型電解槽
2 陽極
3 陰極
4 オキソ酸添加装置
5 電解液循環ポンプ
6 循環ライン
7 滞留槽

Claims (7)

  1. 被処理液に含有する有機物を分解する方法において、前記被処理液中にオキソ酸を添加して電気化学的にペルオキソ酸を合成し、該ペルオキソ酸により前記有機物を酸化分解することを特徴とする被処理液中の有機物の分解方法。
  2. 被処理液に含有する有機物を分解する方法において、前記被処理液中にオキソ酸を添加して電気化学的にペルオキソ酸を合成し、該ペルオキソ酸により前記有機物を酸化分解するとともに、該有機物の電気化学的酸化分解を行うことを特徴とする被処理液中の有機物の分解方法。
  3. 被処理液に含有する有機物を分解する方法において、前記被処理液中にアルカリを添加して該有機物の電気化学的酸化分解により生成した二酸化炭素によりオキソ酸である炭酸を生成させ、更に該オキソ酸から電気化学的にペルオキソ酸を合成し、該ペルオキソ酸により前記有機物を酸化分解することを特徴とする被処理液中の有機物の分解方法。
  4. ペルオキソ酸を電気化学的に合成する陽極として導電性ダイヤモンド電極を用いる請求項1から3までのいずれかに記載の有機物の分解方法。
  5. オキソ酸として、硫酸、炭酸、酢酸、硼酸、燐酸及びそれらの塩から成る群から選択される1又は2以上の酸又は塩を使用し、ペルオキソ酸として、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ炭酸、ペルオキソ酢酸、ペルオキソ硼酸、ペルオキソ燐酸及びそれらの塩から成る群から選択される1又は2以上の酸又は塩を使用する請求項1から4までのいずれかに記載の有機物の分解方法。
  6. 被処理液中のオキソ酸又はその塩の濃度が0.5mol/liter未満となるように添加する請求項1から5までのいずれかに記載の有機物の分解方法。
  7. 被処理液中のアルカリの濃度が0.5mol/liter未満となるように添加する請求項1から5までのいずれかに記載の有機物の分解方法。
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