JP3844303B2 - 過炭酸化合物の電解合成方法及び電解合成セル - Google Patents

過炭酸化合物の電解合成方法及び電解合成セル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業上重要な酸化剤であり、かつ漂白剤、殺菌剤として使用される過炭酸化合物を効率良くかつ簡便に合成するための電解合成方法とそれに使用する電解合成セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
産業、生活廃棄物に起因する大気汚染や、河川及び湖沼の水質悪化などによる環境や人体への悪影響が憂慮され、その問題解決のための技術対策が急務となっている。例えば飲料水、下水処理、廃水処理において、その脱色やCOD低減、殺菌のために酸化力のある薬剤が投入されてきたが、多量の注入により新たな危険物質、即ち環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)、発ガン性物質などが生成する傾向にある。また最終廃棄物の焼却処理では、燃焼条件によって廃ガス中に発ガン性物質(ダイオキシン類)が発生し生態系に影響するため、その安全性が問題視されている。これを解決するために新規な方法が検討されている。
【0003】
電解法はクリーンな電気エネルギーを利用して所望の電気化学反応を起こすことができ、陰極表面で化学反応を制御することにより、つまり酸素含有ガスと水を陰極に供給することにより過酸化水素を製造でき、これを利用して被処理物質を分解することによる水処理が従来から広く行われている。電解法によるとオンサイトでの過酸化水素製造が可能になり、安定化剤なしに長期間の保存が不可能であるという過酸化水素の欠点を解消し、かつ輸送に伴う危険性や汚染対策も不要になる。
次亜塩素酸、次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ、さらし粉などの塩素系の酸化剤を利用する水処理方法は、最も一般的に常用されているが、有害で危険な酸化剤を処理現場に運送、貯蔵しなければならないという安全性の問題があった。オンサイト型の電解装置が市販され、貯蔵及び運搬の問題は解決できるが、次亜塩素酸と有機物との反応の過程でトリハロメタン類に代表される有害な有機塩素化合物が生成する可能性があり、二次汚染の可能性が指摘されている。
【0004】
他の化学的酸化処理方法として、特開平6−99181号公報では、ペルオクソ硫酸塩を酸化剤として加熱処理する方法が開示されている。この方法では、有機塩素化合物の生成も無く、分解処理後にはペルオクソ硫酸塩が硫酸塩へ変化するため、汚泥の発生もない。しかし該方法はペルオクソ硫酸塩を直接添加するために、強力な酸化剤であるペルオクソ硫酸塩を大量に保管しておく必要があり、安全性に問題が生じる。
これに対し、過炭酸は、酸化能力、殺菌能力、漂白能力は塩素径薬剤には劣るものの、適度な各種能力を有することから、各種洗剤の基礎原料として汎用されている。この過炭酸は、常温で安定なアルカリ性白色粒状固体である過炭酸塩として存在し(3%過炭酸ナトリウム水溶液でpH10〜11を示す)、環境に無害な成分を使用し、常温で水に良く溶け比較的強い酸化作用を有する等の特徴から、家庭用及び業務用の漂白剤、洗浄剤として広く使用されている。具体的には、衣料用漂白剤、クリーニング用漂白剤、合成洗剤、風呂釜用洗浄剤、台所排水パイプ洗浄剤、食器洗浄剤、義歯洗浄剤等の用途である。市販されている過炭酸を使用する洗剤の代表的な組成は、過炭酸ナトリウム30〜75%、炭酸塩25〜50%で、及びそれら以外に酵素や界面活性剤を含む。
【0005】
過炭酸塩は水に溶かすと過酸化水素を生じ、過酸化水素は加熱により酸素を発生させる。
従来は、下式に示すように、炭酸カリウム等の炭酸塩の濃厚水溶液を低温で電解酸化して炭酸塩を沈殿として得ている。また非特許文献1にも電解法による過炭酸塩(ペルオクソ二炭酸塩)の電解による製造方法が開示されている。
2CO3 2- → C26 2- + 2e-
これ以外に過酸化水素と炭酸ナトリウム等の炭酸塩、あるいは過酸化ナトリウムと二酸化炭素を作用させて合成する方法も知られている。
【0006】
【非特許文献1】
化学大辞典(共立出版)「ペルオクソ炭酸塩」の項
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の過酸化水素から過炭酸化合物を製造する方法は、過酸化水素が危険で保存が困難でオンサイト化はかえって困難になることが多い。また前述の電解による合成は、陽極として白金やニッケルを使用し、この電解法は安全かつ容易ではあるが、電流効率が低く経済性に乏しいという欠点がある。このように、過炭酸化合物の安全かつ高効率での合成方法は殆ど見出されていない。
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明は電解により過炭酸化合物を安全かつ高効率で合成できる方法及び該方法に使用できる電解セルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明方法は、炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を、導電性ダイヤモンドを陽極物質として有する陽極により酸化して過炭酸化合物を合成することを特徴とする過炭酸化合物の電解合成方法であり、本発明の電解セルは、隔膜により、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極を有する陽極室と陰極室に区画された電解合成セルの前記陽極室に炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を供給しながら通電して、前記陽極室で過炭酸化合物を合成することを特徴とする電解合成セルである。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における過炭酸化合物とは、過炭酸ナトリウム(Na2CO4、Na226)、過炭酸カリウム等の過炭酸塩、それらの水和物及び/又は過酸化水素付加物(Na2CO4・H22・0.5H2O、Na2CO4・0.5H2O、Na2CO4・H22)、あるいは過炭酸イオン(CO4 2-、C26 2-)、過炭酸自体等を総称する。
一般的に水溶液の電解における陽極反応は、水が原料になる電解反応になるが、水の放電に対して反応性の高い電極触媒を使用すると、他の共存物質の酸化が容易には進行しないことが多い。通常の酸化触媒としては、酸化鉛、酸化スズ、白金、白金族金属酸化物、鉄、ニッケル等がある。
これらの電極物質を使用して、炭酸イオンや重炭酸イオンからの過炭酸化合物の電解合成を行っても、水の分解が優先して過炭酸化合物は低電流効率でしか進行しない。
【0010】
本発明者らは、過炭酸化合物の電解合成を高効率で実行できる電極物質を鋭意検討し、導電性ダイヤモンドを電極物質として使用する本発明に到達したものである。
ダイヤモンドは熱伝導性、光学的透過性、高温耐久性及び酸化耐久性に優れている。特にドーピングにより電気伝導性の制御も可能であることから、次世代及び特殊な半導体デバイス、エネルギー変換素子として有望視されている。
優れた機械的及び化学的安定性に加えて、ドーピングにより良好な電気伝導性が付与可能な導電性ダイヤモンドは炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を電解して過炭酸化合物を得るための陽極物質として使用できる。
【0011】
導電性ダイヤモンド電極は酸素過電圧が高く、この導電性ダイヤモンドを触媒とする陽極を使用して炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンを含有する陽極液の電解を行うと、陽極表面で炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの酸化による過炭酸化合物の生成が水の酸化による酸素発生より優先して高効率で過炭酸化合物が電解合成できる。
【0012】
本発明における陽極反応は次のようになる。
Anode: 2CO3 2- → C26 2- + 2e-
Anode: 2CO3 2- → CO4 2- + CO2 + 2e-
副反応として下記の水の分解反応が生じる。
Anode: 2H2O → O2 + 4H+ + 4e-
【0013】
本発明の陰極反応は酸素含有ガスの供給の有無により下記から選択できる。
(酸素供給なしの場合)
Cathode: 2H2O + 2e- → H2 + 2OH-
(酸素供給の場合)
Cathode: O2 + H2O + 2e- → HO2 - + OH-
Cathode: O2 + H2O + 4e- → 4OH-
【0014】
酸素還元陰極では、炭酸イオンが、電解還元により生じるO2 -あるいは表面に生成した活性な酸素吸着種O*と反応して、下記のような電極上での直接的酸化反応も進行すると推定されるが、その割合は小さく無視し得る。
Cathode: 2CO3 2- + 2O* → C26 2- + O2
【0015】
原料である炭酸塩や重炭酸塩の種類は特に限定されないが、炭酸ナトリウムは安価に入手可能であり溶解度も大きく、原料である陽極液の濃度調整は容易である。これらの炭酸塩や重炭酸塩は輸送の際には粉体化し、使用現場で水に溶解させる。また未反応の塩は無害な化合物として環境に排出できる。
過酸化水素を陰極で生成させる場合、炭酸塩は陰極表面に析出することがあるが、隔膜特にイオン交換膜を使用することにより炭酸イオンの透過を防止できる。
【0016】
本発明で使用する導電性ダイヤモンドを有する電極(導電性ダイヤモンド電極)は、熱フィラメントCVD(化学蒸着)法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法及び物理蒸着(PVD)法等により、通常電極基体上に炭素源となる有機化合物の還元析出物であるダイヤモンドを担持して導電性ダイヤモンド層を形成することにより製造される。前記以外に、超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末を樹脂等の結着剤を用いて基体に担持したダイヤモンド電極も使用可能であり、特に電極表面にフッ素樹脂等の疎水性成分が存在すると炭酸イオンや重炭酸イオンを捕捉しやすくなり反応効率が向上する。
【0017】
導電性ダイヤモンド電極は例えば次のようにして製造できる。
1〜100kPaの圧力下で、炭素源である有機化合物を含み更に水素、ホウ素(或いは窒素)等の原料からなる混合ガスを、1800〜2600℃に加熱したホットフィラメント上で活性化し、炭素ラジカル、水素ラジカルを発生させる。この際、水素と炭素ガス原料の体積比率は0.05〜1程度に制御されるようにする。
炭素源としてメタンを、ホウ素源としてジボランを使用でき、その他にそれぞれアルコール類や酸化ホウ素を使用することができ、後者は製造現場での安全性の観点から好ましい。ホウ素等のドープ量は100ppmから10000ppm程度であり、その抵抗率はドープ量にほぼ反比例して減少して10〜0.01Ωm程度である。
基体温度を600〜900℃程度に保持すると、基体表面で炭素ラジカルの析出が開始される。このとき非ダイヤモンド成分は水素ラジカルでエッチングされるため、実質的にダイヤモンド層のみが成長する。析出速度は通常0.1〜5μm/Hである。この析出条件下で基体上に生成する安定なカーバイド層が接合強度の向上に寄与していると推測できる。
【0018】
電極耐性(基体の保護)、製造コスト等から、導電性ダイヤモンド層の厚さは好ましくは0.1 〜100μmであり、1〜10μmが最適である。
SIMS分析では、供給ガスと生成層のB/C比率はほぼ同等となることが確認されている。CVD法により形成した被覆層がダイヤモンドであることはラマンスペクトルで確認できる。SEM写真による観察では、粒径0.1〜10μm程度の多結晶ダイヤモンドの析出が確認できる。
前記基体の材質及び形状は材質が導電性であれば特に限定されず、導電性シリコン(単結晶、多結晶、アモルファス状等)、炭化珪素、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、カーボン、ニッケル等から成る板状、棒状、メッシュ状、棒状、パイプ状、ビーズ等の球状、或いは例えばビビリ繊維焼結体である多孔性板等が使用できる。しかし熱膨張率の整合性、水素雰囲気での安定性の観点からシリコンを基体として使用することが望ましい。但しシリコンは半導性材料であるため、ホウ素などをドープして良電導性とすることが必要である。基体表面は機械的強度を得るため及び導電性ダイヤモンドとの密着性を向上させるために凹凸を付すことが好ましい。更にダイヤモンドの析出を促進させるために、ダイヤモンド粒子による研磨や核付けが重要になることがある。
【0019】
本発明で使用する陰極は電解液に対する耐性、特にアルカリに対する耐性があれば特に制限はなく、鉛、ニッケル、ニッケル合金、チタン、ジルコニウム、黒鉛、白金、導電性ダイヤモンド等が使用できる。電圧を低減するために表面に触媒活性の優れた成分(白金族金属やその酸化物)を被覆することが好ましい。
又陰極の形状も制限がなく、板状、棒状、メッシュ状あるいは、例えばビビリ繊維燒結体である多孔性板等が使用できる。
【0020】
本発明では、陰極室に酸素含有ガスを供給しながら電解を行い、前述した通り、陰極室側での水素発生を抑制してセル電圧の低減、つまり消費電力の低減を図っても良い。特定の触媒を使用すると、陰極反応として酸素ガスの還元反応が優先的に進行し、過酸化水素が生成する。この過酸化水素発生はアルカリ水溶液の雰囲気で効率良く起こるため、原料としてアルカリ水溶液を使用することが望ましい。
前述した過酸化水素生成用の特定の触媒として、白金族金属、それらの酸化物、或いは黒鉛や導電性ダイヤモンド等のカーボンが好ましく使用できる。その他にポリアニリンやチオール(SH含有有機物)などの有機材料も使用できる。これらの触媒はそのまま板状として使用するか、ステンレス、カーボン等の耐食性を有する板、金網、粉末焼結体、金属繊維焼結体上に、熱分解法や樹脂による固着法、複合めっき法等により1〜1000g/cm2となるように被覆形成する。
【0021】
陰極給電体としては、カーボン、ニッケル、ステンレス等の金属やその合金や酸化物を使用する。ガスや液の供給及び除去を速やかに行うために、疎水性や親水性の材料を給電体に分散担持することが好ましい。疎水性のシートを陽極と反対側の陰極裏面に形成すると反応面へのガス供給が制御でき効果的である。
酸素の供給量は理論値の1.1〜10倍程度が良い。酸素源として、空気、空気を分離濃縮した酸素、ボンベ中の酸素等が利用できる。酸素は陰極室にガス室がある場合はこのガス室に供給するが、陰極液に前もって吹き込み吸収させておいても良い。
【0022】
本発明で、導電性ダイヤモンド電極を陽極とし、陰極室に酸素含有ガスを供給しながら電解を行うと、陽極室で過炭酸化合物を生成しながら、陰極室で過酸化水素を製造できる。陰極室で製造される過酸化水素は炭酸イオンや重炭酸イオンの酸化、つまり過炭酸化合物の合成に使用でき、全体的な電流効率(陰極及び陽極のペア反応として最大200%)を高めることができる。
得られる過炭酸化合物は外部の反応容器に電解液を入れて冷却することにより効率良く析出させかつ分離できる。
中性原料を使用して陰極で過酸化水素を生成させると、アルカリの生成があり、炭酸塩の析出が問題になる。隔膜特に陽イオン交換膜を使用し原料塩を陽極液中に供給すると、陰極液がアルカリ化しても炭酸塩は析出しない。また隔膜を使用すると、過炭酸化合物特に過炭酸イオンの陰極上での分解が防止できる。
【0023】
使用可能な隔膜は化学的に安定であれば特に制限されない。イオン交換膜としては、フッ素樹脂系、炭化水素樹脂系があり、耐食性の面で前者が好ましい。化学的耐性の優れた樹脂として、スルホン酸基をイオン交換基として有するフッ素化樹脂[市販品としてナフィオン(登録商標)]がある。ナフィオン(登録商標)は、テトラフルオロエチレンと、ペルフルオロ[2−(フルオロスルホニルエトキシ)−プロピル]ビニルエーテルのコポリマーから製造される。
電解槽材料としては、電解液に対する耐久性や過酸化水素の安定性の観点から、ガラスライニング材料、カーボン、耐食性の優れたチタン、ステンレス及びPTFE樹脂などが好ましく使用できる。
【0024】
本発明における電解条件は特に限定されない。温度は高い方が反応速度が増加し短時間で平衡に達するが分解速度も増大するため、適正な温度範囲として室温から60℃が好ましい。また電流密度は0.1〜200A/dm2程度が好ましい。電極間距離は抵抗損を低下させるためになるべく小さくすべきであるが、水を供給する際のポンプの圧力損失を小さくし、圧力分布を均一に保つために1〜50mmとすることが望ましい。
生成する過炭酸化合物はその溶解度を越えると沈殿として得られ、これを分離することで効率良く精製できる。しかし洗浄や殺菌用としては、溶液として使用することが多いため、溶解度の範囲内で過炭酸化合物を生成させ、その溶液をそのまま使用することもできる。過炭酸化合物及び過酸化水素の生成量は、水量と電流密度を調節することにより連続的に制御可能である。
【0025】
原料である炭酸イオンや重炭酸イオンは高濃度で存在させて反応速度を速めることが望ましいが、この場合、生成する過炭酸化合物溶液中には、原料が多く残留することがある。従って原料濃度は5%以下とすることが好ましい。
素含有ガスを供給して陰極室で過酸化水素が得られた場合には、出口で陽極液と混合することにより、該過酸化水素を目的とする炭酸イオンや重炭酸イオンの酸化に有効利用できる。使用後の電解液は、原料である炭酸イオンや重炭酸イオンを十分に溶解しており、再度電解に用いることも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明に係る過炭酸化合物の電解合成セルの実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明に係る過炭酸化合物の電解合成セルの一実施形態を示す概略図である。
無隔膜型の有底円筒状の電解合成セル1には炭酸ナトリウム等が溶解された電解液2が満たされている。このセル1内には基体表面にホウ素をドープさせた導電性ダイヤモンドを被覆した平板状陽極3と白金製の平板状陰極4が吊支され、セル1の底板上の攪拌子5が回転して前記電解液2を攪拌するように構成されている。前記セル1は温度調節浴6内に浸漬され、水供給口7から供給される冷却水で冷却されて電解温度が調節される。8は冷却水又は加熱水の排出口である。このセル1の陽極3及び陰極4間に通電すると、電解液2中の炭酸イオンが酸化されて過炭酸イオンが生成する。陽極物質が導電性ダイヤモンドであり、水電解に対する過電圧が高く、高い効率で過炭酸イオンが生成する。生成した過炭酸イオンは冷却されて過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩として分離される。
【0028】
図2は、本発明に係る過炭酸化合物の電解合成セルの他の実施形態を示す縦断面図である。
本実施形態のセル11はイオン交換膜12により陽極室13と陰極室14に区画された2室型セルであり、陽極室13には多孔性の導電性ダイヤモンド陽極15が、陰極室14には多孔性の白金陰極16がイオン交換膜12に密着するよう設置されている。
陽極室13には陽極液供給口17から炭酸ナトリウム水溶液が、陰極室14には陰極液供給口18から水酸化ナトリウム水溶液が供給される。両極間に通電すると、陽極室13内で炭酸イオンが酸化されて過炭酸イオンが生成し、この過炭酸イオンを溶解した陽極液は陽極液取出口19から取り出される。陰極室14では水酸化ナトリウムが生成して濃縮された水酸化ナトリウム水溶液が陽極液取出口20から取り出される。
【0029】
図3は、本発明に係る過炭酸化合物の電解合成セルの更に他の実施形態を示す縦断面図である。
電解合成セル21はイオン交換膜22並びにガス拡散陰極23により、陽極室24−陰極液室25−陰極ガス室26の3室に分割されている。つまり陽極室24の背板とイオン交換膜22の間に陽極室24が、イオン交換膜22とガス拡散電極23間に陰極液室25が、更にガス拡散電極23と陰極室背板27間に陰極ガス室26が形成される。
陽極室24には、多孔性の導電性ダイヤモンド陽極27がイオン交換膜22に密着して設置され、この陽極室24には炭酸ナトリウム等の陽極液が陽極液導入口28から供給される。
【0030】
前記陰極ガス室26内にはガス導入口29から酸素含有ガスが供給され、陰極液室25には陰極液供給口31から希釈水酸化ナトリウム水溶液等が供給される。このように陽極液及び陰極液を供給しながら両極間に通電して電解を行うと、陽極室24で炭酸イオンが酸化されて過炭酸イオンが生成し、該過炭酸イオンを溶解した陽極液は陽極液取出口32からセル外に取出される。陰極液室25では水酸化ナトリウムが生成して濃度が上昇した水酸化ナトリウム水溶液が陰極液取出口33からセル外に取出される。陰極ガス室32に供給された酸素含有ガス中の酸素は、水と反応して消費され、未反応分及び酸素以外のガスがガス取出口34から取出される。
【0031】
図4は、本発明方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図のフローチャートは、炭酸イオンや重炭酸イオンの陽極酸化により過炭酸化合物を生成させることに加えて、未反応の両イオンを陰極室で生成する過酸化水素を利用して過炭酸化合物に変換させる要領を示すものである。
イオン交換膜41で陽極室42及び陰極室43に区画された電解合成セル44の前記陽極室42には導電性ダイヤモンド陽極45が、又前記陰極室43には白金陰極46が収容されている。
【0032】
このセル44の陽極室42に炭酸イオンや重炭酸イオンを含有する水溶液、例えば炭酸ナトリウム水溶液を加え、かつ陰極室43には希釈水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えながら両極間に通電すると、陽極室42では炭酸イオンの一部が過炭酸イオンに酸化され、該過炭酸イオンが未反応の炭酸イオンとともにセル44から取出されて混合槽47に供給される。他方セル44の陰極室43では過酸化水素が生成し、該過酸化水素を溶解した陰極液がセル44から取出されて前記混合槽47へ供給される。該混合槽47中の未反応炭酸イオンは、供給される過酸化水素により混合槽47内で酸化されて過炭酸イオンに変換される。
このように本実施形態では、セル内での陽極酸化による炭酸イオンや重炭酸イオンの酸化による過炭酸イオンの生成に加えて、セルの陰極室で生成する過酸化水素を利用して未反応の前記炭酸イオン等の酸化による過炭酸イオンの生成を行うことができ、理論的には200%の電流効率で過炭酸イオンが得られることになる。
【0033】
次に本発明に係る過炭酸化合物の電解製造の実施例及び比較例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0034】
[実施例1]
厚さ1mmの導電性シリコン基体に、エチルアルコールを炭素源とする熱フィラメントCVD法により、5μm厚で、ホウ素ドープ量が500ppmとした導電性ダイヤモンド層を形成して電極面積が1cm2である陽極とした。又陰極として電極面積が1cm2である白金板を使用した。
これらの陽極及び陰極を使用して、極間距離が5cmとなるように図1に示した容積100mlの無隔膜電解セルを組立てた。
【0035】
この無隔膜電解セルに1Mの炭酸ナトリウム水溶液100mlを満たし、攪拌しながら温度を0℃に保ち、0.1Aの電流で0.5時間電解を行ったところ、セル電圧が5.5Vで、白色の析出物が溶液内に生成した。析出量及び過マンガン酸カリウム滴定から溶存量の総和を算出し、過炭酸生成の電流効率が82%であることを確認した。
この析出物の融点を、示差熱分析計で測定したところ約825℃であり、この融点は市販の過炭酸の測定した融点と同じで、更に文献中の過炭酸の融点と一致した。この析出物のX線回折分析を行ったところ、過炭酸の示すスペクトルと一致した。
【0036】
電流値を0.5Aとしたこと以外は同一条件で過炭酸合成を行ったところ、セル電圧は7.5Vで、過炭酸生成の電流効率は72%であった。
同様に電流値を1Aとしたこと以外は同一条件で過炭酸合成を行ったところ、セル電圧は9Vで、過炭酸生成の電流効率は48%であった。
【0037】
[実施例2]
セルに0.1Mの炭酸ナトリウム水溶液100mlを満たしたこと以外は実施例1(電流は0.5A)と同じ条件で過炭酸を合成したところ、セル電圧は18Vで、電流効率は9%であった。
【0038】
[実施例3]
温度を25℃としたこと以外は実施例1(電流は0.5A)と同じ条件で過炭酸を合成したところ、セル電圧は6.0Vで、電流効率は25%であった。
【0039】
[実施例4]
縦2cm横2cm厚さ3mmの導電性シリコン基体に、エチルアルコールを炭素源とする熱フィラメントCVD法により、5μm厚で、ホウ素ドープ量が500ppmとした導電性ダイヤモンドダイヤモンド層を形成して陽極とした。又陰極として縦2cm横2cm厚さ0.5mmの白金板を使用した。
これらの陽極及び陰極を使用し極間距離を2mmとし、中性隔膜として住友電工製のポアフロンを使用して図2に示した2室型隔膜電解セルを組立てた。
陽極室及び陰極室に1M炭酸ナトリウム水溶液を供給しながら、0℃、0.4Aで電解を行ったところ、セル電圧は5.5Vで、陽極室出口から過炭酸ナトリウムが電流効率97%で得られた。
【0040】
[実施例5]
実施例4の導電性ダイヤモンド陽極を陽極として使用した。
陰極は次のように作製した。触媒として黒鉛粉末(東海カーボン製、TGP−2)をPTFE樹脂と混練し、芯材であるカーボンクロス(ゾルテック社製、PWB−3)上に塗布し、330℃で焼成し、2cm×2cm×0.5mm厚のシートを作製して陰極とした。
図3に示すようなイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン117)を挟んだ2室セルを組立て、陽極室には1M炭酸ナトリウム水溶液、陰極液室には0.1M水酸化ナトリウム水溶液を供給し、又陰極ガス室に酸素を10ml/分で供給しながら、0℃、0.4Aで電解した。陽極出口から過炭酸ナトリウム水溶液が電流効率70%で得られ、陰極液室出口からは過酸化水素が電流効率80%で得られた。セル電圧は4.5Vであった。
この過酸化水素水を陽極出口液に混合し(図4参照)、0℃で1時間保持したところ、最終的に電流効率として140%に相当する過酸化水素が生成した。
【0041】
[比較例1]
陽極として同面積の白金板を使用したこと以外は実施例1と同様にして、1Aの電流で0.5時間電解したところ、電流効率16%で過炭酸が生成し、セル電圧は7.5Vであった。
【0042】
[比較例2]
陽極として同面積のニッケル板を使用したこと以外は比較例1と同様にして、電解したところ、電流効率6%で過炭酸が生成し、セル電圧は8Vであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極により酸化して過炭酸化合物を合成することを特徴とする過炭酸化合物の電解合成方法である。
導電性ダイヤモンド陽極は酸素発生過電圧が高いため、この陽極を使用して炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンを含有する陽極液の電解を行うと、陽極表面で炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの酸化による過炭酸化合物の生成が水の酸化による酸素発生より優先し高効率で過炭酸化合物が電解合成できる。
陰極室に酸素含有ガスを供給しながら電解を行うと電解条件によって陰極室で過酸化水素が生成する。この過酸化水素は炭酸イオン等の酸化に使用して過炭酸化合物の製造に利用でき、陽極酸化に加えて過酸化水素による酸化で過炭酸化合物の合成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る過炭酸化合物の電解合成セルの一実施形態を示す概略図。
【図2】同じく他の実施形態を示す縦断面図。
【図3】同じく更に他の実施形態を示す縦断面図。
【図4】本発明方法の一実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 電解合成セル
2 電解液
3 導電性ダイヤモンド陽極
4 陰極
5 攪拌子
11 電解合成セル
12 イオン交換膜
13 陽極室
14 陰極室
15 導電性ダイヤモンド陽極
16 陰極
21 電解合成セル
22 イオン交換膜
23 ガス拡散陰極
24 陽極室
25 陰極液室
26 陰極ガス室
27 導電性ダイヤモンド陽極

Claims (7)

  1. 炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極により酸化して過炭酸化合物を合成することを特徴とする過炭酸化合物の電解合成方法。
  2. 陰極に酸素含有ガスを供給して酸素を電解還元する請求項1記載の電解合成方法。
  3. 酸素の電解還元により過酸化水素を生成する請求項2記載の電解合成方法。
  4. 陽極と陰極の間に隔膜を設置する請求項1に記載の電解合成方法。
  5. 隔膜により、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極を有する陽極室と陰極室に区画された電解合成セルの前記陽極室に炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を供給し、かつ前記陰極室にアルカリ水溶液を供給しながら電解して、前記炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの一部が過炭酸イオンに酸化され前記炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの一部が未反応のまま溶解する陽極液と、過酸化水素を含有する陰極液を生成させ、前記陽極液及び陰極液を電解合成セル外の混合槽に導いて互いに混合し、前記過酸化水素により未反応炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンを酸化することを特徴とする過炭酸化合物の電解合成方法。
  6. 隔膜により、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極を有する陽極室と陰極室に区画された電解合成セルの前記陽極室に炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を供給し、かつ前記陰極に酸素含有ガスを供給しながら電解して、前記炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの一部が過炭酸イオンに酸化され前記炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンの一部が未反応のまま溶解する陽極液を陽極室で、かつ過酸化水素を陰極室で生成させ、前記陽極液と前記過酸化水素を電解合成セル出口で互いに混合し、前記過酸化水素により未反応炭酸イオン及び/又は重炭酸イオンを酸化することを特徴とする過炭酸化合物の電解合成方法。
  7. 隔膜により、導電性ダイヤモンドを陽極物質とする陽極を有する陽極室と陰極室に区画された電解合成セルの前記陽極室に炭酸イオン及び/又は重炭酸イオン含有電解液を供給しながら通電して、前記陽極室で過炭酸化合物を合成することを特徴とする電解合成セル。
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