JP4182358B2 - ポリアミド酸を含む反射防止膜形成組成物 - Google Patents
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Description
これらの反射防止膜は、その上に塗布されるフォトレジストとのインターミキシングを防ぐため、熱架橋性組成物を使用して形成されることが多い。その結果、反射防止膜はフォトレジスト用現像液に不溶となり、半導体基板加工に先立つ反射防止膜の除去は、ドライエッチングによって行なうことが必要である(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、反射防止膜のドライエッチングによる除去と同時に、フォトレジストもエッチングにより除去され、そのため、基板加工に必要なフォトレジストの膜厚の確保が難しくなるという問題が生じる。解像性の向上を目的として薄膜のフォトレジストが使用されるような場合に、特に重大な問題となる。
また、半導体装置製造におけるイオン注入工程はフォトレジストパターンを鋳型として半導体基板に不純物を導入する工程であり、基板表面に損傷を与えることを避けるため、フォトレジストのパターン形成に当たってはドライエッチング工程を行なうことができない。そのため、イオン注入工程のためのフォトレジストパターンの形成においてはドライエッチングによる除去を必要とする反射防止膜をフォトレジストの下層に形成することが出来なかった。これまでイオン注入工程で鋳型として用いられるフォトレジストパターンは、その線幅が広く、基板からの露光光の反射による定在波の影響や、基板の段差による露光光の乱反射の影響を受けることが少なかったため染料入りフォトレジストやフォトレジスト上層に反射防止膜を用いることで反射による問題は解決されてきた。しかしながら近年の微細化に伴いイオン注入工程で用いられるフォトレジストにも微細なパターンが必要とされ始め、フォトレジスト下層の反射防止膜が必要となってきた。
このようなことから、フォトレジスト用現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像除去することができる反射防止膜の開発が望まれていた。ところで、これまでも、フォトレジストと同時に現像除去することができる反射防止膜についての検討がなされているが(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照。)、微細加工への適用性や、形成されるパターン形状などの点において、充分なものではなかった。
すなわち、本発明の目的は、半導体装置の製造に使用される反射防止膜形成組成物を提供することにある。そして、上層に塗布、形成されるフォトレジストとのインターミキシングを起こさず、フォトレジスト用現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像除去可能な反射防止膜、及び該反射防止膜を形成するための反射防止膜形成組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、当該反射防止膜形成組成物を使用した、半導体装置の製造に用いられるフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
第2観点として、式(1)で表される構造と式(2):
第3観点として、前記ポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物と(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物から製造されるポリアミド酸である、第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第4観点として、前記ポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物、及び(c)ジアミン化合物から製造されるポリアミド酸である、第2観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第5観点として、前記(a)テトラカルボン酸二無水物化合物が少なくとも一つのベンゼン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物化合物である、第3観点又は第4観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第6観点として、前記(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物が少なくとも一つのベンゼン環構造を有するジアミン化合物である、第3観点又は第4観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第7観点として、前記(c)ジアミン化合物が二つのベンゼン環構造を有するジアミン化合物である、第4観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第8観点として、前記ポリアミド酸の重量平均分子量が1000〜50000である、第1観点又は第2観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第9観点として、前記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物が、三つのエポキシ基を有する化合物である、第1観点又は第2観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第10観点として、更に吸光性化合物を含む、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第11観点として、更に光酸発生剤を含む、第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第12観点として、第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することにより形成され、現像液に対する溶解速度が毎秒0.2nm〜40nmである反射防止膜、
第13観点として、第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成して反射防止膜を形成する工程、該反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記反射防止膜と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、前記露光後に現像する工程、を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法、
第14観点として、前記露光が248nm又は193nmの波長の光により行われる、第13観点に記載のフォトレジストパターンの形成方法、である。
本発明の反射防止膜形成組成物より形成される反射防止膜はドライエッチングを行なうことなく除去が可能であるため、イオン注入工程等、ドライエッチングによる基板表面の損傷に敏感な工程を含む半導体装置の製造プロセスにおいて使用することができる。
また、本発明の反射防止膜形成組成物を用いて反射防止膜を形成する場合、形成時の焼成条件を変えることにより、フォトレジスト用現像液に対する反射防止膜の溶解速度を変えることができる。
<ポリアミド酸>
本発明の反射防止膜形成組成物は式(1)で表される構造を有するポリアミド酸、または、式(1)で表される構造と式(2)で表される構造とを有するポリアミド酸を含むものである。
式(1)においてA1は4価の有機基を表し、B1は3価の有機基を表す。A1としては、例えば、式(3)〜(10)が挙げられる(式中Xは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m1は0、1又は2の数を表す)。
B1としては、例えば、式(11)〜(18)が挙げられる(式中Yは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m2は0、1又は2の数を表す)。
B2としては、例えば、式(19)〜(27)が挙げられる(式中Zは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m3は0、1又は2の数を表す)。
本発明の反射防止膜形成組成物は少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物を含有する。そのような化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル及びビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
また、少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物としてはエポキシ基を有するポリマーを使用することができる。そのようなポリマーとしては、エポキシ基を有するポリマーであれば、特に制限なく使用することができる。
そのようなポリマーは、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを用いた付加重合により製造することができ、また、水酸基を有する高分子化合物とエピクロルヒドリン、グリシジルトシレート等のエポキシ基を有する化合物との反応により製造することができる。例えば、ポリグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートとエチルメタクリレートの共重合体、グリシジルメタクリレートとスチレンと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等の付加重合ポリマーや、エポキシノボラック等の縮重合ポリマーを挙げることができる。このようなポリマーの重量平均分子量としては、例えば、300〜200000である。
上記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物の含有量は、ポリアミド酸100質量部に対して例えば5〜70質量部であり、または、10〜60質量部であり、好ましくは15〜45質量部である。少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物の含有量が5質量部より小さい場合には反射防止膜の硬化度が不足し、フォトレジスト溶剤に溶解し、インターミキシングを起こしてしまう場合がある。少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物の含有量が70質量部より大きい場合には、フォトレジスト用現像液に対する十分な溶解性が得られなくなることがある。
本発明の反射防止膜形成組成物は、上記の各成分を均一に混合することによって容易に調製することができ、適当な溶剤に溶解されて溶液状態で用いられる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤は単独または2種以上の組合せで使用することができる。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
本発明の反射防止膜形成組成物には、前記のポリアミド酸、少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物及び溶剤の他、吸光性化合物、光酸発生剤及び界面活性剤等を含有することができる。
波長248nmの光に対して大きな吸収をもつ吸光性化合物としては、例えば、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ナフトール、2−ナフトール、1−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ブロモ−2−ヒドロキシナフタレン、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,6−ジブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフトエ酸、1−アミノ−2−ナフトール、1,5−ジメルカプトナフタレン、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−エトキシ−1−ナフトエ酸、2,6−ジクロロ−1−ナフトール、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸メチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸メチルエステル、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフタレンカルボン酸メチルエステル、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸メチルエステル、2,4−ジブロモ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、2−ナフタレンチオール、4−メトキシ−1−ナフトール、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、1,6−ジブロモ−1−ナフトール、2,6−ジブロモ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、1−アセチル−2−ナフトール、9−アントラセンカルボン酸、1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセン、及び1,8,9−トリヒドロキシアントラセン等を挙げることができる。
また、波長193nmの光に対して大きな吸収をもつ吸光性化合物としては、例えば、安息香酸、4−メチル安息香酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、2−メトキシ安息香酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、トリメシン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、2,3−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,5−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−アセチル安息香酸、ピロメリット酸、トリメシン酸無水物、2−[ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メチル]安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2−ベンゾフェノンカルボン酸、m−フェニル安息香酸、3−(4’−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、3−フェノキシ安息香酸、フェノール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチフェノール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパン、2−ヒドロキシビフェニル、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,3−ベンゼンジオール及び4−ベンジルオキシフェノール等が挙げられる。
例えば、カルボキシル基やフェノール性水酸基を有する化合物の場合、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物やグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有する構造を含むポリマーと反応させて得られる化合物を、吸光性化合物として使用することができる。そのような吸光性化合物としては、例えば、下記(42)、(43)及び(44)で表される単位構造を有するポリマーや、(45)で表される化合物などが挙げられる。式(45)中、Arは、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、チオール基、炭素原子数1〜5のチオアルキル基、カルボキシル基、フェノキシ基、アセチル基、炭素原子数1〜5のアルコキシカルボニル基およびビニル基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を表す。
1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,6−ジブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、及び1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の二つ以上のカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するナフタレン化合物とを反応させて得られる化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタンが挙げられる。
これらの光酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。光酸発生剤の含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して、例えば0.01〜20質量部であり、または0.05〜10質量部であり、また、例えば0.1〜5質量部であり、または、0.5〜3質量部である。これらの光酸発生剤は、フォトレジストの露光時に酸を生じる。光酸発生剤を添加することによって、反射防止膜の酸性度を調節でき、それによって、フォトレジストの形状を制御できるようになる。
そのような化合物としては、例えばジ−tert−ブチルマロネート、tert−ブチルアセテート、tert−ブチルプロピオネート、tert−ブチルアセトアセテート、tert−アミルアセテート、安息香酸−tert−ブチルエステル及びtert−ブチルピバレート等の化合物が挙げられる。また、式(46)〜(54)の化合物を挙げることができる。
そのため、これらの化合物は光酸発生剤と共に反射防止膜形成組成物に添加されることが好ましい。すなわち、酸の存在下で容易に分解される基で保護されたカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物と光酸発生剤とを含む反射防止膜形成組成物から形成された反射防止膜にあっては、その露光された部分では露光によって光酸発生剤から発生した酸によって、酸の存在下で容易に分解される基で保護されたカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物のカルボキシル基又はフェノール性水酸基が再生する。そして、その結果、露光された部分の反射防止膜のアルカリ性の現像液に対する溶解性が高まることとなる。これに対し、露光されていない部分では、酸の存在下で容易に分解される基で保護されたカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物に変化はなく、その部分の反射防止膜のアルカリ性溶液に対する溶解性を高めることとはならない。このため、酸の存在下で容易に分解される基で保護されたカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物と光酸発生剤を共に使用することにより、露光後の反射防止膜の露光部と非露光部のアルカリ性の現像液に対する溶解性に差をつけることができるようになり、現像によるパターン形成を容易なものとする。
上記の、酸の存在下で容易に分解される基で保護されたカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物が使用される場合、その含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して、例えば1〜50質量部であり、または5〜30質量部であり、また、例えば10〜20質量部である。
本発明の反射防止膜形成組成物は、その他必要に応じてレオロジー調整剤、接着補助剤等を含んでいてもよい。
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の反射防止膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することにより反射防止膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃〜300℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。反射防止膜の膜厚としては、例えば0.01〜3.0μmであり、例えば0.03〜1.0μmであり、または、0.05μm〜0.5μmである。
形成される反射防止膜のフォトレジスト用現像液に対する溶解速度としては、毎秒0.1nm〜50nmであり、好ましくは毎秒0.2nm〜40nmであり、より好ましくは0.3〜20nmである。溶解速度がこれより小さい場合には、反射防止膜の除去に必要な時間が長くなり、生産性の低下をもたらすこととなる。溶解速度がこれより大きい場合には、レジスト未露光部下層の反射防止膜も溶解しレジストパターンを得ることができなくなる。
本発明の反射防止膜形成組成物から形成される反射防止膜は、形成時の焼成条件を変えることによって、反射防止膜のフォトレジスト用現像液に対する溶解速度をコントロールすることができる。焼成時間が一定の場合、焼成温度を高くするほど、フォトレジスト用現像液に対する溶解速度の小さな反射防止膜を形成することができる。
次いで反射防止膜の上に、フォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、一般的な方法、すなわち、フォトレジスト溶液の反射防止膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。
本発明の反射防止膜の上に塗布、形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はなく、ネガ型、ポジ型いずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがあり、例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行なうこともできる。
次いで、フォトレジスト用現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジスト及びその下層部分の反射防止膜が、現像によって除去されることになる。
フォトレジスト用現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5℃〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
本発明の反射防止膜形成組成物から形成される反射防止膜は、汎用されている、2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で容易に現像を行なうことができる。
本発明の反射防止膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能を有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散、悪作用を防ぐ機能を有する層、半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層として使用することも可能である。
(ポリアミド酸の合成)
ピロメリット酸二無水物4.36g、3,5−ジアミノ安息香酸1.19g及び2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン4.26gをプロピレングリコールモノメチルエーテル55.6g中60℃で25時間反応することによって、ポリアミド酸を含む溶液[A]を得た。得られたポリアミド酸のGPC分析を行ったところ、重量平均分子量Mw=7600(標準ポリスチレン換算)、数平均分子量Mn=4100であった。
(吸光性化合物の合成)
3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸19.0g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート10g及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.552gをシクロヘキサノン118g中130℃で24時間反応させることで吸光性化合物(式(55)の化合物)
(反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[A]14.0gに吸光性化合物を含む溶液[a]4.38g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート0.630g、プロピレングリコールモノメチルエーテル52.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.5gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[1]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[1]を半導体基板(シリコンウェハー基板)上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で200℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜は乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.67、減衰係数(k値)は0.39、波長193nmでの屈折率(n値)は1.53、減衰係数(k値)は0.42であった。
また、焼成温度を190℃、210℃及び220℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、現像液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度190℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒10.7nmであった。また、焼成温度200℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒2.0nm、焼成温度210℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.9nm、焼成温度220℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.61nmであった
反射防止膜形成組成物の溶液[1]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で220℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜上にKrF用ポジ型フォトレジスト膜を形成し、200nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)で露光した。
110℃で90秒間露光後加熱を行った後、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに反射防止膜も露光部は溶解し、200nmのライン/スペースでも残膜は見られなかった。
(反射防止膜形成組成物の調製)
実施例1で用いたポリアミド酸溶液[A]14.0gに実施例1で用いた吸光性化合物を含む溶液[a]4.38g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート0.630g、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,3−ベンゼンジオール0.0450g、プロピレングリコールモノメチルエーテル52.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.5gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[2]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[2]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で200℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜は乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.67、減衰係数(k値)は0.39、波長193nmでの屈折率(n値)は1.53、減衰係数(k値)は0.42であった。
また、焼成温度を190℃、210℃及び220℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、現像液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度190℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒11.7nmであった。また、焼成温度200℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒2.3nm、焼成温度210℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒1.1nm、焼成温度220℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.83nmであった
反射防止膜形成組成物の溶液[2]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で220℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜上にKrF用ポジ型フォトレジスト膜を形成し、200nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)で露光した。110℃で90秒間露光後加熱を行った後、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに反射防止膜も露光部は溶解し、200nmのライン/スペースでも残膜は見られなかった。
(ポリアミド酸の合成)
ピロメリット酸二無水物4.36g、3,5−ジアミノ安息香酸0.89g及び2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン4.97gをプロピレングリコールモノメチルエーテル55.6g中60℃で25時間反応することでポリアミド酸を含む溶液[B]を得た。得られたポリアミド酸のGPC分析を行ったところ、重量平均分子量Mw=8500(標準ポリスチレン換算)、数平均分子量Mn=3900であった。
(反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[B]14.0gに実施例1で用いた吸光性化合物を含む溶液[a]4.38g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート0.630g、プロピレングリコールモノメチルエーテル52.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.5gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[3]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[3]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で200℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜は乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.67、減衰係数(k値)は0.39、波長193nmでの屈折率(n値)は1.53、減衰係数(k値)は0.42であった。
また、焼成温度を190℃、210℃及び220℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、現像液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度190℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒9.7nmであった。また、焼成温度200℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒1.7nm、焼成温度210℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.7nm、焼成温度220℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.53nmであった
反射防止膜形成組成物の溶液[3]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で210℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜上にKrF用ポジ型フォトレジスト膜を形成し、200nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)で露光した。
110℃で90秒間露光後加熱を行った後、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに反射防止膜も露光部は溶解し、200nmのライン/スペースでも残膜は見られなかった。
(反射防止膜形成組成物の調製)
実施例1で用いたポリアミド酸溶液[A]14.0gに実施例1で用いた吸光性化合物を含む溶液[a]4.38g、4,4’−メチレンビス(ジグリシジルアニリン)0.630g(東都化成製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル52.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.5gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[4]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[4]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で200℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜は乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.67、減衰係数(k値)は0.39、波長193nmでの屈折率(n値)は1.53、減衰係数(k値)は0.42であった。
また、焼成温度を190℃、210℃及び220℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、現像液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度190℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒9.7nmであった。また、焼成温度200℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.55nm、焼成温度210℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.37nm、焼成温度220℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒0.13nmであった
反射防止膜形成組成物の溶液[4]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で210℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜上にKrF用ポジ型フォトレジスト膜を形成し、200nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)で露光した。
110℃で90秒間露光後加熱を行った後、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに反射防止膜も露光部は溶解し、200nmのライン/スペースでも残膜は見られなかった。
(ポリアミド酸の合成)
4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物17.8g、3,5−ジアミノ安息香酸3.12g及びビス(4−アミノフェニルスルホン)4.92gをプロピレングリコールモノメチルエーテル145.6g中80℃で20時間反応することによって、ポリアミド酸を含む溶液[C]を得た。得られたポリアミド酸のGPC分析を行ったところ、重量平均分子量Mw=8600(標準ポリスチレン換算)、数平均分子量Mn=5200であった。
(反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[C]25.0gに吸光性化合物溶液[a]4.15g、4、4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)1.13g、3,7−ジヒドロキシナフトエ酸0.825g、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート0.124g、プロピレングリコールモノメチルエーテル82.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート127g、シクロヘキサノン10.0gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[5]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[5]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で175℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜はプロピレングリコール、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.80、減衰係数(k値)は0.44、波長193nmでの屈折率(n値)は1.50、減衰係数(k値)は0.44であった。
また、焼成温度を170℃及び180℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、現像液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度175℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒2.00nmであった。また、焼成温度170℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒2.35nm、焼成温度180℃、焼成時間60秒で形成した反射防止膜の溶解速度は毎秒1.82nmであった。
反射防止膜形成組成物の溶液[5]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で220℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜上にKrF用ポジ型フォトレジスト膜を形成し、200nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)で露光した。110℃で90秒間露光後加熱を行った後、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに反射防止膜も露光部は溶解し、200nmのライン/スペースでも残膜は見られなかった。
(ポリアミド酸の合成)
ピロメリット酸二無水物4.36g、p−フェニレンジアミン0.838g、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン4.26gをプロピレングリコールモノメチルエーテル55.6g中60℃で25時間反応することでポリアミド酸溶液[D]を得た。得られたポリアミド酸のGPC分析を行ったところ、重量平均分子量Mw=8600(標準ポリスチレン換算)、数平均分子量Mn=4800であった。
(反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸溶液[D]14.0gに実施例1で用いた吸光性化合物溶液[a]4.38g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート0.630g、プロピレングリコールモノメチルエーテル52.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.5gを添加し室温で30分間攪拌することにより反射防止膜形成組成物の溶液[6]を調製した。
(反射防止膜形成組成物の評価)
この反射防止膜形成組成物の溶液[6]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で200℃、60秒間焼成して膜厚40nmの反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜は乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.68、減衰係数(k値)は0.40、波長193nmでの屈折率(n値)は1.53、減衰係数(k値)は0.42であった。
この反射防止膜形成組成物の溶液[6]から形成した反射防止膜は、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に不溶であった。
Claims (19)
- B 2 が、置換基としてカルボキシル基を有さないところの、請求項2に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記ポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物と(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物から製造されるポリアミド酸である、請求項1に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記ポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物、及び(c)ジアミン化合物から製造されるポリアミド酸である、請求項2に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(a)テトラカルボン酸二無水物化合物が少なくとも一つのベンゼン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物化合物である、請求項4又は請求項5に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(a)テトラカルボン酸二無水物化合物が、ピロメリット酸二無水物及び/又は4,4−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物である、請求項4又は請求項5に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物が少なくとも一つのベンゼン環構造を有するジアミン化合物である、請求項4又は請求項5に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物が、 3,5−ジアミノ安息香酸である、請求項4、請求項5又は請求項7に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(c)ジアミン化合物が二つのベンゼン環構造を有するジアミン化合物である、請求項5に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記(c)ジアミン化合物が、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン及び/又はビス(4−アミノフェニルスルホン)である、請求項5又は請求項7に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記ポリアミド酸の重量平均分子量が1000〜50000である、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 前記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物が、三つのエポキシ基を有する化合物である、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 更に吸光性化合物を含む、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 更に光酸発生剤を含む、請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 248nm又は193nmの波長の光に対する反射防止能を有する反射防止膜を形成するための、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜形成組成物。
- 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することにより形成され、現像液に対する溶解速度が毎秒0.2nm〜40nmである半導体装置製造のリソグラフィープロセスでフォトレジストと基板の間に使用される反射防止膜。
- 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成して反射防止膜を形成する工程、該反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記反射防止膜と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、前記露光後に現像する工程、を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法。
- 前記露光が248nm又は193nmの波長の光により行われる、請求項18に記載のフォトレジストパターンの形成方法。
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