JP4525940B2 - 芳香族スルホン酸エステル化合物及び光酸発生剤を含む下層反射防止膜形成組成物 - Google Patents

芳香族スルホン酸エステル化合物及び光酸発生剤を含む下層反射防止膜形成組成物 Download PDF

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Description

本発明は半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて使用される下層反射防止膜形成組成物、及びその下層反射防止膜形成組成物を用いたフォトレジストパターンの形成方法に関する。より詳細には、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液で現像できる下層反射防止膜を形成するための下層反射防止膜形成組成物に関する。また、その下層反射防止膜形成組成物を用いた、フォトレジストと下層反射防止膜を同時に現像することによるフォトレジストパターンの形成方法に関する。
半導体装置の製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。微細加工は、シリコンウェハー等の半導体基板上にフォトレジストの薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。しかしながら、これらのリソグラフィー工程では、露光に使用された光の基板からの反射に起因する定在波の影響や、基板の段差による乱反射の影響により、フォトレジストパターンの寸法精度が低下するという問題が生じていた。そこで、この問題を解決すべく、フォトレジストと基板の間に下層反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が検討されてきている。
これらの下層反射防止膜は、その上に塗布されるフォトレジストとのインターミキシングを防ぐため、熱架橋性組成物を使用して形成されることが多い。その結果、反射防止膜はフォトレジスト用のアルカリ性現像液に不溶となり、半導体基板加工に先立つ下層反射防止膜の除去は、ドライエッチングによって行なうことが必要となる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、下層反射防止膜のドライエッチングによる除去と同時に、フォトレジストもエッチングにより除去される。その結果、基板加工に必要なフォトレジストの膜厚の確保が難しくなるという問題が生じる。これは、解像性の向上を目的として薄膜のフォトレジストが使用されるような場合に、特に重大な問題となる。
一方、半導体装置製造におけるイオン注入工程は、フォトレジストパターンを鋳型として半導体基板に不純物を導入する工程であり、基板表面に損傷を与えることを避けるため、フォトレジストのパターン形成に当たってはドライエッチング工程を行なうことができない。そのため、イオン注入工程のためのフォトレジストパターンの形成においては、ドライエッチングによる除去を必要とする反射防止膜をフォトレジストの下層に使用することができなかった。これまでイオン注入工程で鋳型として用いられているフォトレジストパターンは、その線幅が広く、基板からの露光照射光の反射に起因する定在波の影響や、基板の段差による露光照射光の乱反射の影響を受けることが少なかったため、染料入りフォトレジストを用いることやフォトレジスト上層に反射防止膜を用いることで反射による問題は解決されてきた。しかしながら、近年のパターンサイズの微細化に伴い、イオン注入工程で用いられるフォトレジストにも微細なパターンが必要とされ始め、フォトレジストの下層に反射防止膜を使用することが必要となってきた。
このようなことから、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像除去することができる下層反射防止膜の開発が望まれていた。ところで、これまでも、フォトレジストと同時に現像除去することができる下層反射防止膜についての検討がなされている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照。)。しかし、微細加工への適用性や形成されるパターン形状などの点において、充分なものではなかった。
米国特許第6156479号明細書 特許第2686898号公報 特開平9−78031号公報 特開平11−72925号公報 国際公開第03/057678号パンフレット 国際公開第03/058345号パンフレット
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に可溶である下層反射防止膜、及びその下層反射防止膜を形成するための組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、半導体装置の製造に使用される下層反射防止膜形成組成物を提供することにある。そして、上層に塗布、形成されるフォトレジストとのインターミキシングを起こさず、アルカリ性現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像除去可能であり、良好な形状のフォトレジストパターンを与えることのできる下層反射防止膜を提供することにある。また、本発明の目的は、当該下層反射防止膜形成組成物を使用した、半導体装置の製造に用いられるフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
こうした現状に鑑み本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、芳香族スルホン酸エステル化合物及び光酸発生剤を含有する組成物より、優れた下層膜反射防止膜を形成できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、第1観点として、アルカリ性現像液によってフォトレジストと共に現像される下層反射防止膜を形成するための下層反射防止膜形成組成物において、式(1)及び式(2):
Figure 0004525940
(式中、A1及びA2は4価の有機基を表し、B1は3価の有機基を表し、B2は2価の有機
基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸、二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、溶剤、並びにオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の光酸発生剤を含有することを特徴とする下層反射防止膜形成組成物、
第2観点として、更に吸光性化合物を含有することを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第3観点として、更に芳香族カルボン酸化合物を含有することを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第4観点として、前記架橋性化合物が、エポキシ基を二乃至四個有する化合物であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第5観点として、前記光酸発生剤が、ヨードニウム塩化合物またはスルホニウム塩化合物であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第6観点として、前記芳香族スルホン酸エステル化合物が、式(3):
Figure 0004525940
(式中、Arは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン基、カルボキシル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、または、R1とR2は互いに結合して炭素原子数3〜8の環を形成していてもよい。)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第7観点として、前記芳香族スルホン酸エステル化合物が、前記式(3)で表される構造を二乃至四個有する化合物であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第8観点として、前記吸光性化合物が、ナフタレンカルボン酸エステル化合物であることを特徴とする、第2観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第9観点として、前記ナフタレンカルボン酸エステル化合物が、ナフタレンカルボン酸化合物とエポキシ化合物を反応させて製造される化合物であることを特徴とする、第8観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第10観点として、前記芳香族カルボン酸化合物が、フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸化合物であることを特徴とする、第3観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第11観点として、前記芳香族カルボン酸化合物が、フェノール性水酸基を有するナフタレンカルボン酸化合物であることを特徴とする、第3観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第12観点として、前記ポリアミド酸が、式(4)及び式(5):
Figure 0004525940
(式中、A1及びA2は4価の有機基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第13観点として、前記ポリアミド酸が、式(6)及び式(7):
Figure 0004525940
(式中、B1は3価の有機基を表し、B2は2価の有機基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸であることを特徴とする、第1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第14観点として、第1観点乃至第13観点のいずれか一つに記載の下層反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成して下層反射防止膜を形成する工程、前記下層反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記下層反射防止膜と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、該露光後にアルカリ性現像液によって現像する工程、を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法、である。
本発明の下層反射防止膜形成組成物を用いることにより、フォトレジストとのインターミキシングを起こさず、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像除去可能な下層反射防止膜を形成することができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物より形成される下層反射防止膜はドライエッチングを行なうことなく除去が可能である。そのため、イオン注入工程等、ドライエッチングによる基板表面の損傷に敏感な工程を含む半導体装置の製造プロセスにおいて使用することができる。
また、芳香族スルホン酸エステル化合物及び光酸発生剤を含む本発明の下層反射防止膜形成組成物より形成される下層反射防止膜は、その酸性度をフォトレジストの酸性度と同レベルに調整することが容易にでき、そのため、より矩形のフォトレジストパターンを形成することができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物は、前記式(1)及び前記式(2)で表される構造を有するポリアミド酸、二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、光酸発生剤及び溶剤を含む。また、本発明の下層反射防止膜形成組成物は、吸光性化合物、芳香族カルボン酸化合物及び界面活性剤等を含むことができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶解している限りは特に限定はないが、例えば1〜50質量%であり、または3〜30質量%であり、または5〜25質量%であり、または10〜15質量%である。ここで固形分とは、下層反射防止膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
本発明の下層反射防止膜形成組成物について具体的に説明する。
<ポリアミド酸>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は前記式(1)で表される構造と前記式(2)で表される構造とを有するポリアミド酸を含む。
前記式(1)においてA1は4価の有機基を表し、B1は3価の有機基を表す。A1としては、例えば、式(8)〜(16)が挙げられる(式中Xは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m1は0、1又は2の数を表す)。
Figure 0004525940
炭素原子数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロペンチル基及びノルマルペンチル基等である。炭素原子数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基及びノルマルペンチルオキシ基等である。
1としては、例えば、式(17)〜(24)が挙げられる(式中Yは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m2は0、1又は2の数を表す)。
Figure 0004525940
前記式(2)においてA2は4価の有機基を表し、B2は2価の有機基を表す。A2としては、例えば、前記式(8)〜(16)が挙げられる。
2としては、例えば、式(25)〜(34)が挙げられる(式中Zは、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基を表し、m3は0、1又は2の数を表す)。
Figure 0004525940
本発明で用いられるポリアミド酸の重量平均分子量としては、ポリスチレン換算で例えば1000〜100000であり、または1500〜50000であり、または2000〜30000であり、または5000〜10000である。重量平均分子量が前記の値より小さい場合には、形成される下層反射防止膜のフォトレジストに使用される溶剤への溶解度が高くなり、その結果、下層反射防止膜がフォトレジストとのインターミキシングを起こす場合がある。重量平均分子量が前記の値より大きい場合には、形成される下層反射防止膜のフォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に対する溶解性が不十分となり、現像後に下層反射防止膜の残渣が存在する場合がある。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれるポリアミド酸を得る方法は特に限定されず、既存の方法で製造することができる。例えば、ジアミン化合物と、テトラカルボン酸またはその誘導体であるテトラカルボン酸二無水物化合物やジカルボン酸ジハロゲン化物などとを、反応、重合させることによりポリアミド酸を製造することができる。また、ビスシリル化ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物化合物を用いた重合によりポリアミド酸シリルエステルを合成した後、酸によりシリルエステル部分を分解しポリアミド酸を製造することができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含有されるポリアミド酸は、(a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物、及び(c)ジアミン化合物から製造することができる。
本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(a)テトラカルボン酸二無水物化合物は特に限定はない。(a)テトラカルボン酸二無水物化合物は一種の使用でもよく、また、二種以上を同時に使用することもできる。具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物及び3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及び3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物のような脂環式テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物のような脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物は特に限定はない。(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物としては、例えば、一乃至三個のカルボキシル基を有するジアミン化合物が挙げられる。(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物は一種の使用でもよく、また、二種以上を同時に使用することもできる。具体例としては、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジカルボン酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジカルボキシフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
また、本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(c)ジアミン化合物としては特に限定はない。(c)ジアミン化合物は一種の使用でもよく、また、二種以上を同時に使用することもできる。具体例としては、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,5−ジアミノハイドロキノン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−5,5’−ジメトキシビフェニル、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、及び2,2−ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等のフェノール性水酸基を有するジアミン化合物、1,3−ジアミノ−4−メルカプトベンゼン、1,3−ジアミノ−5−メルカプトベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メルカプトベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エーテル、及び2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のチオフェノール基を有するジアミン化合物、1,3−ジアミノベンゼン−4−スルホン酸、1,3−ジアミノベンゼン−5−スルホン酸、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホン酸、ビス(4−アミノベンゼン−3−スルホン酸)エーテル、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル−6,6’−ジスルホン酸等のスルホン酸基を有するジアミン化合物、3,5−ジアミノ安息香酸−tert−ブチルエステル、3,5−ジアミノ安息香酸エトキシメチルエステル、3,5−ジアミノ安息香酸メチルエステル、3,5−ジアミノ安息香酸ノルマルプロピルエステル、及び3,5−ジアミノ安息香酸イソブチルエステル等のカルボン酸エステルを含有するジアミン化合物が挙げられる。また、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(2,6−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−トルイル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等のジアミン化合物を挙げることができる。
本発明で用いられるポリアミド酸の製造において、使用される全ジアミン化合物に占める(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物の割合は、例えば1〜99質量%であり、または5〜80質量%であり、または10〜60質量%であり、または20〜50質量%であり、または30〜40質量%である。(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物の割合がこれより少ない場合には、形成される下層反射防止膜のアルカリ性現像液に対する溶解性が不十分なものとなる。
本発明で用いられるポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物、及び(c)ジアミン化合物から製造される場合において、使用されるジアミン化合物の総モル数とテトラカルボン酸二無水物化合物の総モル数との比は0.8〜1.2であることが望ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成するポリアミド酸の重合度は大きくなり分子量が増加する。
ポリアミド酸の製造において、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物化合物との反応の反応温度は−20℃〜150℃、好ましくは−5℃〜100℃の任意の温度を選択することができる。反応温度は5℃〜40℃、反応時間1〜48時間で高分子量のポリアミド酸を得ることができる。低分子量で保存安定性の高いポリアミド酸を得るには40℃〜80℃で反応時間10時間以上がより好ましい。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物化合物の反応は溶剤中で行なうことができる。その際に使用できる溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m−クレゾール、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及び2−ヘプタノン等を挙げることができる。これらは単独でも、混合して使用しても良い。さらに、ポリアミド酸を溶解しない溶剤であっても、重合反応により生成したポリアミド酸が析出しない範囲で、上記溶剤に混合して使用してもよい。
このようにして得られたポリアミド酸を含む溶液は、下層反射防止膜形成組成物の調製にそのまま用いることができる。また、ポリアミド酸をメタノール、エタノール等の貧溶剤に投入し沈殿させ、単離して用いることもできる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれるポリアミド酸としては、前記式(4)及び前記式(5)で表される構造を有するポリアミド酸が挙げられる。前記式(4)及び前記式(5)で表される構造を有するポリアミド酸は、例えば、(a)テトラカルボン酸二無水物化合物と、3,5−ジアミノ安息香酸及びビス(4−アミノフェニル)スルホンとを反応させることによって得ることができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれるポリアミド酸としては、また、前記式(6)及び前記式(7)で表される構造を有するポリアミド酸が挙げられる。前記式(6)及び前記式(7)で表される構造を有するポリアミド酸は、例えば、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物と、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジアミン化合物及び(c)ジアミン化合物とを反応させることによって得ることができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含有されるポリアミド酸としては、その末端部分を除き、基本的に、前記式(1)で表される構造と前記式(2)で表される構造とからなるポリアミド酸、または前記式(4)で表される構造と前記式(5)で表される構造とからなるポリアミド酸、または前記式(6)で表される構造と前記式(7)で表される構造とからなるポリアミド酸、を好ましく使用することができる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれるポリアミド酸としては、例えば、下記のポリアミド酸、式(35)〜(43)、を挙げることができる(式中p1、p2、p3及びp4はポリアミド酸における各構造の割合を表す)。ここで、式(35)〜(42)は一種のテトラカルボン酸二無水物化合物と二種のジアミン化合物から製造されるポリアミド酸であり、式(43)は二種のテトラカルボン酸二無水物化合物と二種のジアミン化合物から製造されるポリアミド酸である。
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<架橋性化合物>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物を含む。
そのような架橋性化合物としては、二つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、二乃至四個のエポキシ基を有する化合物である。
二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物の具体例としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル及びビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
また、二つ以上のエポキシ基を有する化合物としてはエポキシ基を有するポリマーを使用することができる。そのようなポリマーとしては、エポキシ基を有するポリマーであれば、特に制限なく使用することができる。エポキシ基を有するポリマーは、例えば、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを用いた付加重合により製造することができる。また、水酸基を有する高分子化合物とエピクロルヒドリン、グリシジルトシレート等のエポキシ基を有する化合物との反応により製造することができる。例えば、ポリグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートとエチルメタクリレートの共重合体、グリシジルメタクリレートとスチレンと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等の付加重合ポリマーや、エポキシノボラック等の縮重合ポリマーを挙げることができる。このようなポリマーの重量平均分子量としては、例えば、500〜200000、または1000〜50000である。
二つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、また、アミノ基を有するエポキシ樹脂であるYH−434、YH434L(東都化成(株)製)、シクロヘキセンオキサイド構造を有するエポキシ樹脂であるエポリードGT−401、同GT−403、同GT−301、同GT−302、セロキサイド2021、セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるエピコート807(ジャパンエポキシレジン(株)製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるエピコート152、同154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるEOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)、脂環式エポキシ樹脂であるデナコールEX−252(ナガセケムテックス(株)製)、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エピコート871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)、及び、脂肪族ポリグリシジルエーテルであるデナコールEX−611、同EX−612、同EX−614、同EX−622、同EX−411、同EX−512、同EX−522、同EX−421、同EX−313、同EX−314、同EX−321(ナガセケムテックス(株)製)等の市販されている化合物を挙げることができる。
二つ以上のエポキシ基を有する化合物として、ポリマーでない化合物を使用する場合、例えば、二乃至十個、または二乃至四個、または二乃至三個、または三乃至五個のエポキシ基を有する化合物が好ましく使用される。
本発明の下層反射防止膜形成組成物における二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物の含有量は、ポリアミド酸100質量部に対して例えば5〜70質量部であり、または、10〜60質量部であり、好ましくは15〜45質量部であり、または20〜40質量部である。二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物の含有量が前記の値より小さい場合には下層反射防止膜の硬化度が不足し、フォトレジスト溶剤に溶解し、インターミキシングを起こす場合がある。二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物の含有量が前記の値より大きい場合には、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に対する十分な溶解性が得られなくなる場合がある。
<芳香族スルホン酸エステル化合物>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は芳香族スルホン酸エステル化合物を含む。
芳香族スルホン酸エステル化合物であれば、特に限定はない。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環及びナフタセン環等の芳香族炭化水素環を有するスルホン酸アルキルエステル化合物及びスルホン酸アリールエステル化合物が挙げられる。また、ピリジン環、フラン環、キノリン環、チオフェン環、ピリミジン環、キノキサリン環及びチアジアゾール環等の芳香族ヘテロ環を有するスルホン酸アルキルエステル化合物及びスルホン酸アリールエステル化合物が挙げられる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれる芳香族スルホン酸エステル化合物は周知の方法によって得ることができる。例えば、塩基存在下、芳香族スルホニルクロリド化合物とアルコール化合物またはフェノール化合物との反応によって芳香族スルホン酸エステル化合物を得ることができる。
ここで、芳香族スルホニルクロリド化合物としては特に制限はないが、例えば、ベンゼンスルホニルクロリド、4−トルエンスルホニルクロリド、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、1,3−ベンゼンジスルホニルクロリド、4−(2−フタルイミド)フェニルスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、1,3,5−ベンゼントリスルホニルクロリド、2,3,5,6−テトラメチルベンゼンスルホニルクロリド、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド、ペンタメチルベンゼンスルホニルクロリド、4−ノルマルプロピルベンゼンスルホニルクロリド、4−エチルベンゼンスルホニルクロリド、4−ノルマルブチルベンゼンスルホニルクロリド、4−ビフェニルスルホニルクロリド、4−tert−ブチルベンゼンスルホニルクロリド、4−スチレンスルホニルクロリド、4,4’−メチレンビス(ベンゼンスルホニルクロリド)、4,4’−ビフェニルジスルホニルクロリド、及び4,4’−ビス(クロロスルホニル)ジフェニルエーテル等のベンゼンスルホニルクロリド化合物、ナフタレン−1−スルホニルクロリド、ナフタレン−2−スルホニルクロリド、2,6−ナフタレンジスルホニルクロリド、及び1,5−ナフタレンジスルホニルクロリド等のナフタレンスルホニルクロリド化合物が挙げられる。また、2−アントラセンスルホニルクロリド及び9−アントラセンスルホニルクロリド等のアントラセンスルホニルクロリド化合物、及び、フルオレン−2,7−ジスルホニルクロリド等のフルオレンスルホニルクロリド化合物が挙げられる。また、チオフェン−2−スルホニルクロリド、8−キノリンスルホニルクロリド、5−キノリンスルホニルクロリド、2−ジベンゾフランスルホニルクロリド、ベンゾ−2,1,3−トリアゾール−4−スルホニルクロリド、ベンゾフラン−4−スルホニルクロリド及び5−イソキノリンスルホニルクロリド等の芳香族ヘテロ環を有するスルホニルクロリド化合物が挙げられる。
また、アルコール化合物及びフェノール化合物としては、特に制限はなく、芳香族スルホニルクロリド化合物と反応し、芳香族スルホン酸エステルを与えることができる化合物を使用することができる。
アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、デカリン−2−オール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、及び2−トリデカノール等の脂肪族アルコール化合物が挙げられる。また、ベンジルアルコール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、フェニルエチルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2−ヒドロキシメチルチオフェン及び2−ナフタレンメタノール等の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を有するアルコール化合物が挙げられる。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、2−ナフトール、及びヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物における芳香族スルホン酸エステル化合物としては、前記式(3)で表される構造を有する化合物を使用できる。前記式(3)中、Arは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン基、カルボキシル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を表す。R1及びR2はそれぞれ、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して炭素原子数3〜8の環を形成していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルヘキシル基、及びシクロペンチル基等である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、及びシクロペンチルオキシ基等である。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、及びシクロペンチルオキシカルボニル基等である。R1とR2で形成される炭素原子数3〜8の環としては、シクロプロピル環、シクロブチル環、及びシクロヘキシル環等である。ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基及びヨード基である。
前記式(3)で表される構造を有する化合物は、例えば、式(44)で表される構造を有する化合物と式(45)で表される化合物:
Figure 0004525940
との反応によって得ることができる。式(44)で表される構造を有する化合物とは、アルコール化合物であり、種々のアルコール化合物が使用できる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物における芳香族スルホン酸エステル化合物としては、前記式(3)で表される構造を二乃至四個、または二乃至三個、有する化合物を使用することができる。そのような化合物は、例えば、前記式(44)の構造を二乃至四個有するアルコール化合物と前記式(45)の化合物との反応によって得ることができる。
前記式(44)の構造を二乃至四個有するアルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2,3−プロパントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−ジシクロヘキシル−1,2−エタンジオール、1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオール、3,4−フランジオール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、及び1,4−ジオキサン−2,5−ジオール、及びトリメチロールプロパン等が挙げられる。
前記式(45)の化合物としては、前記のベンゼンスルホニルクロリド化合物、前記ナフタレンスルホニルクロリド化合物及び前記アントラセンスルホニルクロリド化合物が挙げられる。
前記式(3)で表される構造を二乃至四個有する化合物を前記式(44)で表される構造を有する化合物と前記式(45)で表される化合物との反応によって合成する場合、前記式(45)の化合物は、一種のみを使用することができ、または、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物から下層反射防止膜が形成される際、後述のように、焼成工程が行なわれる。そのため、本発明の下層反射防止膜形成組成物に使用される芳香族スルホン酸エステル化合物は、熱によって容易に分解する化合物ではないことが、より、好ましい。本発明の下層反射防止膜形成組成物に使用される芳香族スルホン酸エステル化合物としては、その熱分解の開始温度が100℃以上、または150℃以上、または200℃以上、または220℃以上、または245℃以上である芳香族スルホン酸エステル化合物が、好ましく用いられる。ここで熱分解の開始温度とは、TG測定(熱重量測定)によって得られる重量減少開始温度である。
本発明の下層反射防止膜形成組成物に使用される芳香族スルホン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、1,3−ビス(p−トシロキシ)プロパン、1,2−ビス(p−トシロキシ)エタン、1,4−ジ−o−トシル−2,3−o−イソプロピリデントレイトール、トリエチレングリコールジトシレート、2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジイルビス(p−トルエンスルホナート)、テトラ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)メタン、1,2−プロパンジオールジ−p−トシレート、1,2,4−トリトシルブタントリオール、2,3−ブタンジオールジ−p−トシレート、ジエチレングリコールジ−p−トシレート、N,N−ビス(2−(トシロキシ)エチル)トルエン−4−スルホンアミド、及び1,3−アダマンタンジメタノールジ−p−トシレート、1−ベンジルオキシ−3−(p−トシルオキシ)−2−プロパノール等が挙げられる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物において、芳香族スルホン酸エステル化合物は、単独で、または二種以上の組合せで使用することができる。そして、その含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して例えば0.1〜100質量部であり、または1〜50質量部であり、または2〜30質量部であり、または3〜20質量部であり、または5〜15質量部である。芳香族スルホン酸エステル化合物の含有量が前記値より大きいときは、フォトレジストのパターンが大きくアンダーカット形状になる場合があり、また、下層反射防止膜のアルカリ性現像液に対する溶解速度が低下し、下層反射防止膜の除去に問題を生じる場合がある。
<光酸発生剤>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は光酸発生剤を含む。
光酸発生剤としては、上層のフォトレジストがKrFエキシマレーザ(波長248nm)及びArFエキシマレーザ(波長193nm)等によって露光された際に、その光の作用によって酸を発生する化合物であれば、いずれも使用することができる。
そのような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−ノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−ノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタンが挙げられる。
本発明の下層反射防止膜形成組成物において、これらの光酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することもできる。そして、光酸発生剤の含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して、例えば0.01〜20質量部であり、または0.05〜10質量部であり、また、例えば0.1〜5質量部であり、または、0.5〜3質量部である。光酸発生剤を添加することによって、下層反射防止膜の酸性度を調節でき、それによって、フォトレジストの形状を制御できるようになる。すなわち、光酸発生剤を添加することによって、矩形の形状のフォトレジストパターンを形成できるようになる。
<溶剤>
本発明の下層反射防止膜形成組成物に使用される溶剤としては、固形分を溶解できる溶剤であれば、使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤は単独または二種以上の組合せで使用することができる。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
調製された下層反射防止膜樹脂組成物の溶液は、孔径が0.2μm乃至0.05μm程度のフィルタを用いて濾過した後、使用することができる。このように調製された下層反射防止膜樹脂組成物は、室温で長期間の貯蔵安定性にも優れる。
<吸光性化合物>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は吸光性化合物を含むことができる。
吸光性化合物としては、フォトレジストの露光に使用される光の波長に吸収をもつ化合物であれば特に限定されるものではない。アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、及びトリアジン環等の芳香環構造を有する化合物が好ましく使用される。
波長248nmの光に対して大きな吸収を有するという点から、吸光性化合物としてナフタレンカルボン酸エステル化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸メチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフタレンカルボン酸プロピルエステル、及び3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステル等が挙げられる。
また、上記以外のナフタレンカルボン酸エステル化合物としては、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,6−ジブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフトエ酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−エトキシ−1−ナフトエ酸、及び6−アセトキシ−2−ナフトエ酸等のナフタレンカルボン酸化合物を、メタノール、エタノール、ノルマルペンタノール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール等のアルコール化合物によってエステル化することによって得られるナフタレンカルボン酸エステル化合物が挙げられる。
また、前記のナフタレンカルボン酸化合物とエポキシ化合物との反応によって得られるナフタレンカルボン酸エステル化合物が挙げられる。この反応では、ナフタレンカルボン酸化合物のカルボキシル基とエポキシ環との間で反応が起こり、ナフタレンカルボン酸エステル化合物が得られる。
エポキシ化合物としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシー4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6―ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4'−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の化合物が挙げられる。また、エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有する構造を含むポリマーを挙げることができる。
前記ナフタレンカルボン酸化合物と、前記エポキシ化合物との反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びN−メチルピロリドン等の有機溶剤中で行なうことができる。この反応においては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、及びテトラエチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩を触媒として用いることも可能である。反応温度、反応時間は使用する化合物、濃度等に依存するものであるが、反応時間0.1〜100時間、反応温度20℃〜200℃の範囲から適宜選択される。触媒を用いる場合、使用する化合物の全質量に対して0.001〜30質量%の範囲で用いることができる。
前記ナフタレンカルボン酸化合物と前記エポキシ化合物との反応によって得られる吸光性化合物としては、例えば、式(46)及び式(47)で表される単位構造を有するポリマーや、式(48)で表される化合物などが挙げられる。式(48)中、Npは、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、フェノキシ基、アセチル基、または炭素原子数1〜5のアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいナフタレン環基を表す。式(48)で表される化合物は、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートとナフタレンカルボン酸化合物との反応によって得ることができる。
Figure 0004525940
また、吸光性化合物としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートと、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,6−ジブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、及び1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフタレンカルボン酸化合物とを反応させて得られるナフタレンカルボン酸エステル化合物が好ましい。
吸収性化合物は単独または二種以上の組合せで使用することができる。吸光性化合物が使用される場合、その含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して、例えば1〜300質量部であり、または3〜200質量部であり、また、例えば5〜100質量部であり、または、10〜50質量部である。吸収性化合物の含有量が上記値より大きい場合は、下層反射防止膜のアルカリ性現像液への溶解性が低下する場合がある。吸光性化合物の種類及び含有量を変えることによって、下層射防止膜の減衰係数(k値)を調整することができる。
<芳香族カルボン酸化合物>
本発明の下層反射防止膜形成組成物は芳香族カルボン酸化合物を含むことができる。芳香族カルボン酸化合物を使用することによって、形成される下層反射防止膜のアルカリ性現像液への溶解速度を調整することができる。
芳香族カルボン酸化合物としては特に制限はなく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、チオフェン環、キノキサリン環、キノリン環、及びベンゾチアゾール環等の芳香環を有する芳香族カルボン酸化合物が使用できる。
芳香族カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、ピロメリット酸、フタル酸、トリメリック酸、4−スルフォフタル酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2−ナフトエ酸、チオフェン−2−カルボン酸及び9−アントラセンカルボン酸等が挙げられる。
また、アルカリ性現像液への溶解性という観点から、フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸化合物を使用することができる。
フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸化合物としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフタル酸、3,4−ジヒドロキシフタル酸、及び4,5−ジヒドロキシフタル酸等のフェノール性水酸基を有する安息香酸化合物、及び、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、8−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸及び3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のフェノール性水酸基を有するナフタレンカルボン酸化合物等が挙げられる。
芳香族カルボン酸化合物は単独または二種以上の組合せで使用することができる。芳香族カルボン酸化合物が使用される場合、その含有量としては、ポリアミド酸100質量部に対して、例えば1〜100質量部であり、または3〜50質量部であり、また、例えば5〜30質量部であり、または、10〜20質量部である。芳香族カルボン酸化合物の含有量が上記値より大きい場合は、下層反射防止膜のアルカリ性現像液への溶解性が高くなりすぎ、パターン形状の不良等の問題を生じることがある。
本発明の下層反射防止膜形成組成物は、その他必要に応じて界面活性剤、レオロジー調整剤及び接着補助剤等を含むことができる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)ジェムコ製)、メガファックF171、F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の下層反射防止膜形成組成物の全成分中、通常0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また二種以上の組合せで添加することもできる。
以下、本発明の下層反射防止膜形成組成物の使用について説明する。
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、シリコンウェハー基板、ガラス基板及びITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の下層反射防止膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することにより下層反射防止膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃〜300℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは150℃〜250℃、0.5〜2分間、である。
形成される下層反射防止膜とフォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に対する溶解速度としては、毎秒0.1nm〜50nmであり、好ましくは毎秒0.2nm〜40nmであり、より好ましくは0.3nm〜20nmである。溶解速度がこれより小さい場合には、下層反射防止膜の除去に必要な時間が長くなり、生産性の低下をもたらすこととなる。溶解速度がこれより大きい場合には、フォトレジスト未露光部下層の下層反射防止膜も溶解し、その結果、フォトレジストパターンが形成できなくなる場合がある。
本発明の下層反射防止膜形成組成物から形成される下層反射防止膜は、形成時の焼成条件を変えることによって、下層反射防止膜のアルカリ性現像液に対する溶解速度をコントロールすることができる。一定の焼成時間の場合、焼成温度を高くするほど、アルカリ性現像液に対する溶解速度の小さな下層反射防止膜を形成することができる。
次いで下層反射防止膜の上に、フォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、一般的な方法、すなわち、フォトレジスト溶液の下層反射防止膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。
本発明の下層反射防止膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はなく、ネガ型及びポジ型フォトレジストのいずれをも使用できる。そのようなフォトレジストとしては、ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト等がある。また、例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)及びF2エキシマレーザ(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(post exposure bake)を行なうこともできる。
次いで、アルカリ性現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジスト及びその下層部分の下層反射防止膜が、現像によって除去され、フォトレジストパターンが形成される。
フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、及びエタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5℃〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
本発明の下層反射防止膜形成組成物から形成される下層反射防止膜は、アルカリ性現像液として汎用されている2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で容易に現像を行なうことができる。
本発明の下層反射防止膜は、半導体基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐための層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐための層、及び、半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層として使用することも可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
(ポリアミド酸の合成)
4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物17.8g、3,5−ジアミノ安息香酸3.12g及びビス(4−アミノフェニル)スルホン4.92gをプロピレングリコールモノメチルエーテル145.6g中、80℃で20時間反応することによって、ポリアミド酸を含む溶液[A]を得た。得られたポリアミド酸は、式(49)及び式(50)で表される構造を有した。
Figure 0004525940
(吸光性化合物の合成)
3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸19.0g、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート10g及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.552gをシクロヘキサノン118g中、130℃で24時間反応させ、式(51)で表される吸光性化合物を含む溶液[a]を得た。
Figure 0004525940
(下層反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[A]25.0gに、吸光性化合物を含む溶液[a]4.15g、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)1.13g、3,7−ジヒドロキシナフトエ酸0.825g、1,3−ビス(p−トシロキシ)プロパン0.206g、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート0.124g、プロピレングリコールモノメチルエーテル82.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート127g及びシクロヘキサノン10.0gを添加し、室温で30分間攪拌して、下層反射防止膜形成組成物の溶液[1]を調製した。
なお、1,3−ビス(p−トシロキシ)プロパンの熱重量測定を行なったところ(使用装置;セイコーインスツルメンツ(株)製SSC/5200、測定条件;測定範囲30℃〜400℃、昇温速度毎分10℃)、その重量減少開始温度は250℃であった。
(下層反射防止膜の評価)
下層反射防止膜形成組成物の溶液[1]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。得られた下層射防止膜はプロピレングリコール、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この下層反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.80、減衰係数(k値)は0.44であった。また、波長193nmでの屈折率(n値)は1.52、減衰係数(k値)は0.44であった。
また、焼成温度を170℃及び180℃として、上記と同様にして下層反射防止膜を形成した。そして、これらの下層反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、アルカリ性現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液:東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する下層反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度175℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒1.74nmであった。また、焼成温度170℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒2.35nm、焼成温度180℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒1.48nmであった。
下層反射防止膜形成組成物の溶液[1]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上にArF用ポジ型フォトレジストを形成し、70nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、ArFエキシマレーザ(波長193nm)で露光した。110℃で60秒間露光後加熱を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに下層反射防止膜も露光された部分は溶解しており、70nmのライン/スペースでも下層反射防止膜の残膜は見られなかった。形成されたパターンはフォトレジスト及び下層反射防止膜ともに矩形の形状であった。
比較例1
(下層反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[A]25.0gに、吸光性化合物を含む溶液[a]4.15g、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)1.13g、3,7−ジヒドロキシナフトエ酸0.825g、プロピレングリコールモノメチルエーテル82.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート127g、及びシクロヘキサノン10.0gを添加し、室温で30分間攪拌して、下層反射防止膜形成組成物の溶液[2]を調製した。
(下層反射防止膜の評価)
この下層反射防止膜形成組成物の溶液[2]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。得られた下層反射防止膜はプロピレングリコール、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この下層反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.82、減衰係数(k値)は0.42、波長193nmでの屈折率(n値)は1.51、減衰係数(k値)は0.42であった。
また、焼成温度を170℃及び180℃として同様に下層反射防止膜を形成した。そして、これらの下層反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する下層反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度175℃、焼成時間60秒で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒2.40nmであった。また、焼成温度170℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒2.65nm、焼成温度180℃、焼成時間1分間で形成した下層射防止膜の溶解速度は毎秒2.03nmであった。
下層反射防止膜形成組成物の溶液[2]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上にArF用ポジ型フォトレジストを形成し、70nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、ArFエキシマレーザ(波長193nm)で露光した。110℃で60秒間露光後加熱を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストはフッティング形状であった。また、下層反射防止膜は完全には溶解せず、残膜の存在が観察された。
比較例2
(下層反射防止膜形成組成物の調製)
ポリアミド酸を含む溶液[A]25.0gに、吸光性化合物を含む溶液[a]4.15g、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)1.13g、3,7−ジヒドロキシナフトエ酸0.825g、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート0.124g、プロピレングリコールモノメチルエーテル82.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート127g、及びシクロヘキサノン10.0gを添加し、室温で30分間攪拌して、下層反射防止膜形成組成物の溶液[3]を調製した。
(下層反射防止膜の評価)
この下層反射防止膜形成組成物の溶液[3]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。得られた下層反射防止膜はプロピレングリコール、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であった。この下層反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.80、減衰係数(k値)は0.44、波長193nmでの屈折率(n値)は1.50、減衰係数(k値)は0.44であった。
また、焼成温度を170℃及び180℃として同様に反射防止膜を形成した。そして、これらの下層反射防止膜が乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに不溶であることを確認した。
次に、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)に対する下層反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー(リソテックジャパン(株)製)を用いて測定した。焼成温度175℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒2.00nmであった。また、焼成温度170℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒2.35nm、焼成温度180℃、焼成時間1分間で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒1.82nmであった。
下層反射防止膜形成組成物の溶液[3]をシリコンウェハー基板上にスピナーを用いて塗布した後、ホットプレート上、175℃で1分間焼成して膜厚40nmの下層反射防止膜を形成した。この下層射防止膜上にArF用ポジ型フォトレジストを形成し、70nmのライン/スペースパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、ArFエキシマレーザ(波長193nm)で露光した。110℃で60秒間露光後加熱を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD−3)を用いて60秒間パドル現像を行った。フォトレジストはフッティング形状であった。また、下層反射防止膜は完全には溶解せず、残膜の存在が観察された。

Claims (14)

  1. アルカリ性現像液によってフォトレジストと共に現像される下層反射防止膜を形成するための下層反射防止膜形成組成物において、式(1)及び式(2):
    Figure 0004525940
    (式中、A1及びA2は4価の有機基を表し、B1は3価の有機基を表し、B2は2価の有機基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸、二つ以上のエポキシ基を有する架橋性化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、溶剤、並びにオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の光酸発生剤を含有することを特徴とする下層反射防止膜形成組成物。
  2. 更に吸光性化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  3. 更に芳香族カルボン酸化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  4. 前記架橋性化合物が、エポキシ基を二乃至四個有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  5. 前記光酸発生剤が、ヨードニウム塩化合物またはスルホニウム塩化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  6. 前記芳香族スルホン酸エステル化合物が、式(3):
    Figure 0004525940
    (式中、Arは、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン基、カルボキシル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を表し、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、または、R1とR2は互いに結合して炭素原子数3〜8の環を形成していてもよい。)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  7. 前記芳香族スルホン酸エステル化合物が、前記式(3)で表される構造を二乃至四個有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  8. 前記吸光性化合物が、ナフタレンカルボン酸エステル化合物であることを特徴とする、請求項2に記載の反射防止膜形成組成物。
  9. 前記ナフタレンカルボン酸エステル化合物が、ナフタレンカルボン酸化合物とエポキシ化合物を反応させて製造される化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  10. 前記芳香族カルボン酸化合物が、フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  11. 前記芳香族カルボン酸化合物が、フェノール性水酸基を有するナフタレンカルボン酸化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  12. 前記ポリアミド酸が、式(4)及び式(5):
    Figure 0004525940
    (式中、A1及びA2は4価の有機基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  13. 前記ポリアミド酸が、式(6)及び式(7):
    Figure 0004525940
    (式中、B1は3価の有機基を表し、B2は2価の有機基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸であることを特徴とする、請求項1に記載の下層反射防止膜形成組成物。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の下層反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成して下層反射防止膜を形成する工程、前記下層反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記下層反射防止膜と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、該露光後にアルカリ性現像液によって現像する工程、を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法。
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